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1953-03-03 第15回国会 参議院 地方行政委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月三日(火曜日)    午前十時五十九分開会   ━━━━━━━━━━━━━  出席者は左の通り。    委員長     菊田 七平君    理事            石村 幸作君            館  哲二君            中田 吉雄君    委員            西郷吉之助君            高橋進太郎君            堀  末治君            加賀  操君           小笠原二三男君            岩男 仁藏君            岩木 哲夫君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   説明員    自治庁選挙部選    挙課長     佐久間 彊君   ━━━━━━━━━━━━━   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○連合委員会開会の件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (公職選挙法改正に関する件)   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 菊田七平

    委員長菊田七平君) これより地方行政委員会開会いたします。  昨三月二日に理事会打合せをいたしましたのですが、これを御報告申上げます。委員会運営は今週中はお手許に配付いたしました通り日程で進めたいと存じます。なお文部との連合委員会もありますので、この予定に多少の狂いを生ずるかも知れませんが、とにかくこの線で進めて行きたいと思います。この日程について詳しくは専門員説明して頂きます。
  3. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) お手許に差上げてある通りでございますけれども、念のため朗読的に簡単に申上げます。今日は公職選挙法改正案中、衆議院連絡を必要とする事項を主として御協議願いたいと存じます。明日は道路交通取締法の一部改正法案が本院の下条恭兵議員その他からの発議で出ておりまして、本委員会に付託になつておりますので、これの提案理由説明を明日の委員会で聴取する予定に相成つております。それからそれに続きまして昭和二十八年度地方財政計画説明自治庁当局から聴取する予定であります。その次の定例日の金曜日午後一時から本日に引続きまして公職選挙法の御審議を願うことに相成つております。今週中は只今きまつておりますのはそれだけでございますが、明後五日に文部委員会義務教育学校職員法案について、当委員会との連合委員会開催の件について向うで決定になるはずでありますから、その上で或いは只今委員長からお話のありましたように、多少の追加があるかもわかりませんけれども只今のところは以上の予定で進みたいということに昨日の理事会決定になりました。
  4. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 只今説明したような方法で進みたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。  それから警察法案につきましては、内閣委員及び法務委員から連合委員会を開くことを希望する旨を申出ております。法務委員会は昨日連合委員会を開くことと決定いたしております。ついては右内閣法務委員会連合委員会を開くかどうかについてお諮りいたしたいと思います。
  5. 中田吉雄

    中田吉雄君 まあ関連法案は大体今までもやつているんですから、いいんじやないかと思います。
  6. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それではそう決定いたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  8. 菊田七平

    委員長菊田七平君) では次に公職選挙法改正を議題といたします。議事の進め方につきましては、この前進めましたように一応逐条で進めまして、そこに疑義のある所を御質問頂く、そういう方法で進めたいと思いますが、如何でございましよう。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それじやそういうふうに進めたいと思います。  では専門員からこの前の次から一つお願いいたします。
  10. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) それでは先日第七項目まで一応お済みになりましたから、今日は第八項目から申上げます。第八、立候補のための公務員退職立候補制限を受けている公務員立候補した場合には、その届出と同時に、何等手続を要せず当然に退職したものとみなすこと。現行法では申出の日以後五日に相当する日に退職するということにみなされる規定に相成つておりますので、これを立候補と同時に自然に退職したというふうに改正しようとする案でございます。衆議院側では改正案通りに大体御意見がまとまつているようであります。
  11. 菊田七平

    委員長菊田七平君) その次……。
  12. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第九、兼職禁止の職にある者が当選した場合その兼職の喪失。兼職禁止の職にある者が当選告知を受けたときは、その告知と同時に何等手続を要せず当然にその職を辞したものとみなし、その当選を有効とすること。現行法規定では、告知を受けた日から五日以内に退職届出をしないときは、当選のほうが無効になるという、実際とはむしろあべこべなような規定に相成つておりますので、これをもう少しはつきり疑いのないようなことにしようということに、これも衆議院側では大体御意見がこの通りにまとまつております。
  13. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 別にありませんでしたらその次を一つ……。
  14. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十、選挙事務所表示。これは参議院に特に関係が深い事項でございますが、参議院全国選出議員選挙においては、選挙事務所表示するために、中央選挙管理会が交付する一定の標札鑑札みたいなものであります。標札を常に選挙事務所入口に掲示しなければならないものとし、これに違反するときは、閉鎖を命じなければならないものとすること。これはここには参議院全国選出議員だけについて書いてございますが、これは衆議院議員、県知事、県教育委員会委員等選挙におきまして、事務所が二ヵ所以上置ける場合も同様の問題が起るのでありますが、その最も代表的な参議院全国選出議員の場合においては、御承知のように全国で十五ヵ所の事務所を置き得るのでありますが、全国で十五ヵ所でありますから、若し仮にもぐつて二十ヵ所も置いているというようなことがあつても、一々目が届かないわけであります。そこで鑑札、十五ヵ所ならば十五個の鑑札を、鑑札めいた標札を渡して、それぞれの事務所表示させる、掲示するということにいたしますと、そういう間違いが起るのを防ぐことになりますので、そういうふうにいたしたい。現行法にはその規定がないわけでございます。これも衆議院側では必要だろうということで御意見が大体まとまつております。
  15. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 これはその標札を渡すとすれば、一応それぞれ全国に十五ヵ所というと、実際にどうして判断するのですか。実際にごまかしているというようなことはないですか。
  16. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) その標札を、入口鑑札をかけますから、それがかかつてない所はもぐりの事務所ということになります。
  17. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それはそうだけれども、甲、乙、丙、丁の県にいろいろやつている場合に、ほかに連絡がなければ何ヵ所、十五ヵ所あるのか、十六ヵ所あるのかわからん。その候補者標札をもらいに行つてわかりますか。わからんでしよう。自分所以外はわからない、どこに出しているのか……。それで標札をもらうとすれば、それが十五以内であるということがどうしてわかるのですか。
  18. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) それぞれの県の選挙管理委員会自分管内選挙事務所は一応監督と言いますか……。
  19. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 自分管内はわかりますが、全国で十五ヵ所、どうしてそれを超えているか、超えていないかは……、自分の県以外はなかなかわからないでしよう。
  20. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 各県の警察選挙管理委員会にその規制を任せようということであります。
  21. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) 補足的に申上げますと、私どもの考え方では、若しこれが御決定になりますれば、全国議員の場合につきましては中央選挙管理会届出た際に十五の表示板をお源しする、こういうことにいたそうとするわけであります。
  22. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 そうすればはつきりすると思います。
  23. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 今のは私はそれでできると思います。選挙管理委員会以外に警察あたり取締れば…、標札がなければ駄目だ、ところが標札がないときには閉鎖を命ずとあるが、ただ閉鎖を命ずるだけで罰則がないのですか、どこかにあるのですか。
  24. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) 罰則はございます。第二百七十九条の二号でございます。
  25. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それでは次……。
  26. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十一、選挙事務所閉鎖命令参議院全国選出議員選挙における選挙事務所閉鎖命令は、関係都道府県選挙管理委員会又は中央選挙管理会が出し得るものとすること。現在は中央選挙管理会閉鎖命令を出すことに相成つておりますので、場合によつて全国十五ヵ所にもあります選挙事務所が離れているために、閉鎖命令を出さなければならないのかどうかということについての判断が中央選挙管理会では困難な場合がございますので、これをその地元の関係都道府県選挙管理委員会からも閉鎖命令を出し得るように改めたいという案でございます。これも衆議院側ではこの通りで、改むべしということに意見がまとまつております。
  27. 館哲二

    館哲二君 府県とそれから中央と両方でやる、そこの連絡関係はどうなりますか。
  28. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) これは中央選挙管理会全国選出議員事務につきましては都道府県選挙管理委員会指揮監督するというふうに規定がございまするので、中央選挙管理会のほうでは気が付いておりまして、都道府県選挙管理委員会のほうがやらなかつた場合は指揮監督の指示がいたせると思います。実際問題といたしますると、只今専門員の方から御説明がありましたように、中央選挙管理会がわかつてつて都道府県選挙管理委員会がわからないという場合よりも、地方のほうはわかつておるけれども中央選挙管理会がわからないという場合のほうが多かろうと思います。このように改正されればその点はよかろうと思います。
  29. 館哲二

    館哲二君 そうすると、都道府県選挙管理委員会は別に中央選挙管理会打合せをする必要もなく、自分のとこで直ちにやれるのですか。
  30. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) その通りでございます。
  31. 菊田七平

    委員長菊田七平君) その次……。
  32. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十二、飲食物提供禁止。(1)選挙運動員及び労務者に対し、選挙事務所において弁当料(額は別途告示)の支給に代え、現物をもつて給与することも、差支えないものとすること。(2)湯茶提供に限り認められていたのを茶菓湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子をいう。)に改めること。(1)につきましては、一日三十人分を超えてはならないというようなことを法律化する場合には附加える必要があろうという御意見衆議院側では只今出ております。それから(2)のことにつきましては、これは御案内の通り、この前の選挙法改正の際に衆議院側原案はこの通り茶菓まで認めようという案になつておりましたのを、本院の当委員会において削除に相成つて、現在は湯茶に限りということに相成つておりますのを、どうしても衆議院側の御意見ではそれでは実際に副わない、御茶菓子、御茶くらいは出す必要があるということで、この問題をもう一度取上げられたわけであります。
  33. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 これが決定した場合に自治庁として別途告示する額はどのくらいの予定ですか。
  34. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) この点につきましては現在は茶菓料が一日につき三十円、弁当料が一日につき二百四十円ということに相成つておりまするが、その後の物価の変動等も考えまして、衆議院におかれましてはこれを両方合せまして三百円乃至三百五十円程度にしたらどうだろうというようなお話が先般出ておつたのでございますが、まあ私どものほうもそういう御意向を酌んで考えることにいたしたいと思つております。
  35. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 三百円内外……。
  36. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) はあ。
  37. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 茶菓は何かこの前の改正のときは衆議院側では参議院に削除されたのをもう一度両院協議会とか或いは三分の二で原案通りに戻すというような御意見も一部にちらほらその当時伺いましたけれども、それは泣き寝入りになつたようであります。今度は大分熱心のようでございます。
  38. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 私はこれは西郷さん個人として反対しておられたが、私個人としてはこの程度は常識的にいいと思う。事実我々はやつて見てやはり出すのです。僕がやつたところが、後藤候補の奥さんがちよつと持つて来た。ところが警察が見に来た。何を持つて来たかと言つて……、僕はエチケツトじやないかと言つて叱り飛ばしたのですが、この程度のことはどこでもやつているのですよ。せんべいくらいですね。僕は個人的には賛成ですね。
  39. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 一応持越しておきます。
  40. 加賀操

    加賀操君 この間のお話で、茶菓料五十円くらいにするという話があつたのですが、それは一人でしよう。
  41. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) その通りでございます。
  42. 中田吉雄

    中田吉雄君 十二の(1)のところをもう一遍説明して下さい。
  43. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 選挙運動員労務者が、実際はその日当、実費弁償を受けて、それを持出して、そうしてそれぞれの自分のポケツトから金を出して、仕出屋から弁当をとるというような形に現在はせざるを得ないことに相成つておりますが、それでは実際に田舎の場合には非常に困ることが多いという御意見もありまして、ですからその選挙事務所で賄い、炊事をやつて、そうして弁当でも作つてトラツクに乗せて出してやるとかいうような、実際は行われているところもないではないような、その実情に副つた法規を作ろうと、こういう御趣旨に伺つております。
  44. 中田吉雄

    中田吉雄君 私はこの(2)は問題はないと思いますが、(1)はなかなかちよつと面倒なものではないかと思いますね。このほうは現行はどうなつているのですか、百三十九条。
  45. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) 現行飲食物を一切提供してはいかんということになつておりますから、弁当料ということで、金銭で支給する、現物で支給してはいかんと、こういうふうになつております。
  46. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) それからちよつと申上げますが、これについて只今の第一項について、若し弁当、御飯を炊いて握りめしを作るとか、弁当を作るとかということになると、食糧統制法の問題が、米の配給を受けるとか、受けなければ食糧統制法違反になるとかという心配もあるのではないかというお話も出まして、そこは食糧統制法範囲内においてやると、つまりうどんとか粉とか、自由販売になつておるもので賄つたらその点は心配なかろうと、こういうお話合いになつております。
  47. 中田吉雄

    中田吉雄君 これはですね、実際の運動員だけならいいけれども、どんどん選挙事務所に来る人を片つ端から食わせるということが防止できますかな、そういうことで。
  48. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) そこで一日三十人分を超えてはならないというような規定を、そういう但書的なものを入れようという御意見只今のところ出ております。まだ法文に具体的にどう現わすかということは出ておりませんが、その意味は、只今中田委員の御指摘のように、無制限めし食いだけのお客がわんさと寄つて来られては困ると、こういうところから……。
  49. 中田吉雄

    中田吉雄君 実際うちの地方行政小笠原君が参議院選挙のときに運動員弁当を持つて来ているので、事務所味増汁だけ作つて出した、ところが十数名逮捕されてぶち込まれたというようなことがありますので、極く限定された運動員だけにそれが適用されて、濫用される虞れのないような措置がとられればいいと思うのですが、なかなかこれはちよつと実証がつかないと思うのですが、よほどその点は三十人と言つても、どこから仕入れて来て食べさせて、何人食べて帰つたかわからない。来る人から来る人から食べさして帰るということになると、もう一つそういう虞れは非常に多いと思うのですが……。
  50. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 これは私の知つておる大分県では皆やつておりますから、違反かどうか知らんけれども、常識的にトラツク等に皆弁当を持たしてやつておりますよ。それから事務所におるやつも極く少数です。本当の事務に専念するやつばかり、事務所ではないがほかのところの民家を借りて、そこでやはりめしを食わしております。この程度のことは、法律は守れんようなことをやつたら駄目だから、実際から考えて人員を三十人なら三十人に限定すれば、それで四十名やつたつて止むを得んじやないですか、そこは取締の対象として三十名なら三十名と人員を限定すればいいのだ、僕は賛成です。これは事実やつておるのです。トラツクに乗るやつに弁当を持たせないでやつたらどういうことになりますか、費用は余計かかりますよ、至るところで……。弁当を持つて行かせれば費用は非常に軽減するわけです、事実は。このくらいはいいじやないですか。
  51. 加賀操

    加賀操君 今の仮定の話ですが、三十人なら三十人に制限すると言つた場合に、衆議院なんかはいいでしようが、参議院全国区なんかはどういうふうに考えたらいいのですか。
  52. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) これは衆議院側でも御承知のように五ヵ所以内は事務所が置かれることが認められておりますので、その限りにおいては同様だと思いますが、一事務所単位で一事務所ごとの考えのように伺つております。
  53. 菊田七平

    委員長菊田七平君) これは保留して次へ進みます。
  54. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十三、自動車拡声機又は舶舶使用。(1)主として選挙運動のために使用される自動車拡声機又は舶舶については、当該選挙管理委員会の発行する証明書の交付は、廃止すること。現行拡声機自動車船舶等使用について証明書表示の二つが要るのでありますが、二重には必要なかろうということで、証明書は省こうとする意味であります。(2)選挙運動のために使用する自動車については、警察許可を必要としないように措置すること。これがトラツクの問題でございますが、現在の規定によりますと、トラツクには御承知のように人は原則として乗れないということになつておりますが、選挙運動の場合にはこれが一番便利なものでありますから、そのたびに警察行つて人間の乗車を許可してもらわなければならんという非常に煩瑣な手続に相成つておりますので、この際関係法令改正して、選挙運動限つては一々の許可をとらなくて済むようにしたい。これも衆議院側では皆様御賛成のようでございます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  55. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それでは次に進みます。
  56. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十四、文書図画の掲示。(1)自動車拡声機及び船舶並びに連呼用の諸車(自転車などがこれに該当いたします)に使用する選挙運動のための文書図画については、その範囲を拡張し、ポスター立札ちようちん及び看板の類とすること。これは何だか非常にわかりにくいように思われますが、意味は、現行法では、その括弧に書いてありますように、「ポスター立札及びちようちん」というふうに言い切つてあります。これに「及び看板の類とすること。」という、もう少し範囲を拡げると同時に、その他の場所において同様の表現を用いておるように足並を揃えたいという趣旨でございます。もう一度繰返して申しますと、自動車とか船舶とかにはポスター立札ちようちんだけしかできない、看板はいけないとかいうふうな規定に妙に誤解され、或いは誤解して取締を受ける虞れがございますので、これをもう少し幅を拡げて、実際に副うようにいたしたいという趣旨でございます。
  57. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 私はこれは非常に適切な改正だと思うのですが、具体的な事例を私申上げます。この前の選挙法改正があつてすぐ選挙が始まつた、そこで我々はトラツクに、例の何と言いますか、ポスターと言いますか、看板と言いますか、あれを大きな布切れで貼つた、ところが選挙管理委員会に行つたら、これは違反だ、これはできないというので、私のほうで地方課長と二人で行つて指導した。併し初めは全部差止められた。これは限定しておる、ポスター立札ちようちん、これ以外のものはいかんというのです。私は、飽くまでもこれはポスターであるから制限はない、電柱に貼るようなポスターではない、いやポスターとみなすということでやつたのですが、これは違反だということを最初言つておりました。それで、看板とか看板の類ということを拡げて行くことはいいと思います。そういう疑義を一掃するごとになりますから私は賛成します。
  58. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) (2)、只今岩男先生からのお話ポスターの類でございます。ポスターの類についても、立札及び看板の類と同様、大きさの制限をすること。(3)いわゆる選挙運動用ポスターは、衆議院議員選挙に限り、禁止されているが、その制限は、そのままとするも、衆議院議員選挙特例として、公営により交付される個人演説会告知用ポスターの枚数を三千枚、現行は千二百枚であるのを、三千枚に増加すると共に、これを他の一般選挙用ポスターにも転用することができるようにすること。これもいろいろ衆議院側では御意見があつたのでありますが、この通りにきまりそうであります。附加えて申上げますのは、只今のは衆議院議員選挙特例でございますが、ポスターについて参議院側ではどうかと申しますと、地方選出議員は二千枚、それから全国選出議員は二万枚の一般用ポスターがございます。そこで今度の衆議院のこの案の(3)によります改正案が認められたといたしまして、その場合の参議院選挙ポスターとの関係をどういうふうに調整するかという問題が主としてこちらでお考え頂くべき問題になると思います。
  59. 堀末治

    堀末治君 ちよつと福永君にお尋ねしますが、そうするとこの前参議院のは二千枚になつてつたかね。
  60. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 二千枚です。
  61. 堀末治

    堀末治君 衆議院議員千二百枚にして、二千枚にしたのかな。
  62. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) ところが衆議院のは選挙告知用ポスターであります。こちらは何でも使える。今まで用いられておりました選挙ポスターを、二千枚にきめられたわけであります。二千枚と二万枚にきめられたわけであります。それを衆議院では、実際やつて見て、やはり一般用も欲しいということに気が付かれたのでありましよう。今度は千二百枚を三千枚にして、それが普通の運動用ポスターにも利用できるというようにしたい。兼用ができるようにしたい。
  63. 堀末治

    堀末治君 演説会も普通もどつちでもいい。
  64. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) はあ。
  65. 堀末治

    堀末治君 三千枚。
  66. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) そうです。
  67. 堀末治

    堀末治君 参議院は何枚がいいというわけか。ちよつと見当がつかんな。
  68. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 前の国会で私主張したのだか、吉川君あたり少ないほうがいい……、私三千枚を主張した。私はポスターは非常に有効だと思う。そう制限する必要はないと私は考えている。
  69. 堀末治

    堀末治君 私も同感ですね。私は、選挙なんというのは、選挙を通じて国民の政治教育をするものだから景気よくやつたほうがいい。余りしみつたれな、この前の葬式みたいなのでは問題にならないと言つたのだが、どうも余り通らなかつたのだが、しみつたれにやらずに、殊に衆議なんかより広いのだから、参議院の場合には少しあおらなかつた棄権率が多くなつて問題にならん。
  70. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 専門員にお聞きするが、現行参議院告知用ポスターは何枚。
  71. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 二千枚です。
  72. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 その他のポスターは……。個人演説会とその他のポスター……。
  73. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) さつき参議院では二千枚と二万枚と申上げましたのは、告知用のでなくて、一般用ポスターでございます。
  74. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 告知用は何枚。
  75. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 参議院にはございません。
  76. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) 地方区はございますが、全国区はございません。
  77. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 地方区衆議院と同じ千二百枚。
  78. 堀末治

    堀末治君 私どものほうは北海道全区衆議院は五区になつておる、参議院は五区を一区でやるのですから、衆議院通りにしても一万五千枚、やるとすれば。ですから、その割合から言うと、それは衆議院通りつて一万五千枚、だから一万五千枚以上、二万枚ぐらいやらなければ効果はありませんよ。
  79. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 尤も堀先生の今の場合は、選挙区が、一道府県の中で衆議院選挙区が二つ以上ある場合には、今の二千枚の基本数に一選挙区を加えるごとに千枚ずつ加算されるという規定になります。ですから五選挙区でございますと五千枚……。
  80. 中田吉雄

    中田吉雄君 これはやはり相当数殖やすことが必要だと思います。ただ衆議院との関連もあるので一つ事務局で妥当な数を弾き出してもらつたらどうですか。これは殖やしたほうがいいと思います。
  81. 堀末治

    堀末治君 これは、今の福永君の説明のことは一通りわかりますけれども、そんなごとしないで、衆議院が一選挙区で三倍使うのだから、五区あるところは要するに、その五倍、乃至は三区あるところは三倍ということにしたら一番簡単ですね。使わない人は使わなくてもいいからね。
  82. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それじや一つ枚数のほうは専門員にもつと調査研究させまして、衆議院との連絡をとりまして成るべく多く……。
  83. 堀末治

    堀末治君 成るべくこれは各県ごとに、三区あるところは三倍、四区あるところは四倍、五区あるところは五倍というふうに成るべく衆議院と折衝して下さい。衆議院関係のないことですからね、実際言うと。
  84. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それじやそういうことでその次に進みます。
  85. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十五、ポスターの掲示箇所。選挙運動用ポスターを他人の工作物に掲示しようとする場合において、先ず、居住者の承諾を得なければならないものとし、居住者のない場合は管理者、管理者のない場合には所有者の承諾を得なければならないものとするように規定を明確にすること。現行では管理者という中に居住者を含んで、その管理者がいない場合には所有者の承諾を要するという規定になつておりまして、居住者、管理者、所有者、この三つの順序がはつきりいたしませんので、多少のトラブルが起ることも考えられますので、この際右のような規定をはつきりさせたい点については衆議院側では別に御意見もないように存じております。
  86. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 これも前の項であつたのですが、所有者の承諾を得なければならない、これは書面で以て承諾書を取りますか。あと水掛論が起つて、口頭でやつた場合にそれが反対になつて、引つかけてやるというので、俺はそんなこと承諾した覚えはない、こういうことになると困る、だからこれは今までどうしておるのですか。
  87. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) 前回の扱いにおきましては、口頭でもいいということで……。
  88. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 口頭でもいいというと、今僕が言つたようなことがあつては困る。そこをしつかりしておかないというと、いや俺は承諾したことはない、無断じやというので違反に引つかかりますよ。処罰規定はあるはずだ。片つ端しからやればいいのだ。これは処罰規定があるはずだ。そこはどう解釈するか。
  89. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) 私も仰せのようなこともあろうかと思いますが、一一文書で承諾をとつて歩かなければならないということになりますと、却つて煩雑になつて実情に即せんということになろうかと思いまして……。
  90. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 行つて交渉する時分に、行つて、判を捺して下さいということだけでいいのだから、そこまで行かんと、選挙区にはいろいろあるのだから、廻し者があつて……。僕はどうでもいいけれども……。
  91. 堀末治

    堀末治君 そういう懸念のあるのはやればいいし、やらないのは心配ないから、それは候補者の随意にしておいたら如何でしよう。
  92. 中田吉雄

    中田吉雄君 これは余りむずかしくすると非常に問題になると思います。これは特に警察が政治性を帯びると……。私体験しているのです。これは一一全部ビラを許可を受けて貼つたかどうかということを全部やつてつて、もうどうにもならんことがあつたのです。だからなかなかそれは岩男さんの言われたようにすればいいけれども、これは余りやると警察が中立性を保つていない場合には、非常に多くの問題を起すのです。一々ビラをこれは許可を得ていない留守のときに貼つた、どうも違反だということを片つ端からやられて大変困つた人がありますから、これは一つ……。
  93. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 ところが事実はぽつぽぽつぽと貼るのですよ。事実は……。これはおかしいじやないか。事実は片つ端から貼る、承諾も得ないで。
  94. 堀末治

    堀末治君 勝手に、貼りたいやつは、お灸をすえられるつもりでやればいいから、いいでしよう。
  95. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) その次は新聞紙、雑誌の報道及び評論に関する問題でございます。(1)法定以外の新聞紙及び雑誌(これは百四十八条第三項に該当しないもの)並びに法定以外の機関新聞紙及び機関雑誌(これは政党その他の機関新聞とか機関雑誌などであります、該当しないということは、そういう一定の資格のない新聞紙であります)であつても、発行年数が足りないとか、第三種郵使物として認められていないとか、要するにあの選挙法に謳われております政治評論のできない無資格の新聞紙であつて選挙運動の期間中、選挙の期日その他選挙の執行、棄権防止及び選挙違反の防止に関する報道、防止等となつておりますが、防止ということに、「等」というあいまいな表現は避けるということにして、「等」は削つております、防止に関する報道及び評論を掲載することは差支えない旨の規定罰則中に設けること。これにつきまして衆議院側では公明選挙というと、公明選挙も濫用されて、公明選挙に名を借りて、そういう無資格の新聞がいろいろの選挙運動めいたことを書くということになつては、折角の制限規定が有名無実になるので、ここは非常に狭く範囲を限定いたしまして、只今申上げたような選挙の期日その他選挙の執行、棄権防止及び選挙違反の防止、これだけに範囲限つて、これだけは選挙運動とかというようなことにも亘らないで、単なる事実の報道に過ぎないという程度のものでございますから、その程度のことは書ける、こういう道を開こう、こういうのが只今の案の趣旨でございます。それから(2)法定以外の新聞紙及び雑誌に対する選挙に関する報道及び評論の規制は、選挙の当日にも及ぼすこと。現在の規定では選挙運動の期間中というのでありますから、期間中だけ制限されております。期間中即ち投票の前日まででありまして、当日はじやんじやん書けるというふうにも見られますので、当日もいけないということにしましようというのが第二項の趣旨でございます。第一項第二項とも只今申上げましたような趣旨で、衆議院側では大体この案に御賛成のようであります。
  96. 中田吉雄

    中田吉雄君 この評論というのは、これは選挙の期日、選挙の執行、棄権防止及び選挙違反の防止ということに列なつた評論ですか。
  97. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) そうです。
  98. 中田吉雄

    中田吉雄君 そんな意味の大体何というものはここは問題ですがね。実際言うと、相手の候補を叩くことがないと、こんなことをやるということはないのですがね。実際言うと、この規定は蛇足じやないかと思うのですが……。
  99. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) まあお説教を……、日本人は選挙棄権のくせがあるけれども、あれをしてはいけない、進んで投票しましようということまでは書いてよかろうということです。
  100. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) ちよつと御参考までに追加させて頂きますと、この前の選挙のときに、私どもがきめました項の中にはこういうことがありますが、この法定の条件を具備しない新聞雑誌、例えばまだ発刊してから半年にならない、或いは又第三種郵便物の認可を得てないという小さな新聞でありますが、それが現行法では一切選挙運動に関する記事は無論でありますけれども選挙に関する報道評論等は一切できんことになつておるのです。ところがそういう新聞も、例えば何月何日が投票日です、或いは投票所はどこそこですというような報道をしたり、或いは棄権防止、棄権をしないで皆進んで投票しましようということなどを書きたい、成いは選挙違反がないように、明るい選挙をやろうというような公明選挙趣旨のことを書きたいというようなことを、一切少しでも書けば罰則に引つかかる。こういうように現行法はなつていたものですが、その点について余りきつ過ぎやせんかという議論が前回大分つたのです。そこで今回若しここで書いてあります程度に緩和されますれば、そういうような非難はなくなるのじやないか、かように考えております。
  101. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の点なんですが、大体のことはわかりますが、やはり只今評論があるために選挙違反の防止に関する報道及び評論ということになると、何々候補はこういう違反をやつているが、こういうことはしないようにいたしましようというようなことで、やはり自由に一切書けるということじやないか。防止に関する報道及び評論ですから、A候補はこういうことをやつているが、これは選挙違反だからこういうことはしないようにしましようということを書いたら、それは槍玉に挙げられることになるのだが、そういうこともこれでできますよ。報道ということになると、制限する方法はない。だから評論があれば無制限に書けるということになる。選挙のときに、この前のときでも公明選挙に名を借りて、どんどん候補者の名前を掲げて叩いたのですよ。だから名前を挙げられたやつは非常に馬鹿を見た。遠慮深い新聞は某候補と言つて……、意識的に名前を挙げてどんどんやつたやつがある。これは選挙防止の評論ということになる。何々候補はこういうことをやつておるが、こういうことはいかん、そういうことをしないようにしてくれと書く、そうすると、制限がないのじやないか。評論ということになると批評を加えることになる。
  102. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 今の点に対しては、いろいろ衆議院でも審議しているようですから、それをこつちから申込んで、そういう意思のあることを申伝えておきたいと思います。
  103. 中田吉雄

    中田吉雄君 これは西郷委員が申されたのですが、それが非常に多いと思う。それは私らが見てどの候補も実際違反をしているが、たまたま一方のほうが新聞に結付いたりしていれば、相手を完膚なきまでに違反防止に名を借りて、あれは選挙違反をやつているから投票しますまいというようないろいろ含みのある記事を書いてばら撤かれたりすると、大変なことになると思う。
  104. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 その点について自治庁の見解を聞きたいと思います。
  105. 佐久間彊

    説明員佐久間彊君) この字句は衆議院でお作りになりましたので、私ども関係しておらんのでございますが、私どもの考えておりますのは、先ほど申上げましたように、例えば選挙の期日、投票場がどこだという報道をした、それも書けないというのもひどいじやないか、それから又特定の候補者の名前を挙げて、いいとか悪いとかということになりますと、これは選挙運動ということになりまして、そこまで行つては、これはいけないと思いますが、一般に棄権をしてはいけない、或いは違反をしてはいけないという程度の報道、まあ評論ということになりますが、その辺の言葉は十分御検討頂いて結構と思いますが、その程度のことはやはり書けるようにしてやつたほうがいいのじやないかというふうに考えております。
  106. 中田吉雄

    中田吉雄君 棄権防止までは余り問題ないと思う。選挙違反の防止ということになると、非常にそこらはかなり問題が起きると思うのです。私この間現地で見て、非常に選挙運動が激しくなると何でも利用しますので、その辺の考慮を要すると思います。これは一つの課題だと思います。
  107. 菊田七平

    委員長菊田七平君) そういう点よほど慎重にしなければならぬと考えますので、その点よく衆議院専門員のほうから、伝えて、研究してもらいます。
  108. 岩男仁藏

    岩男仁藏君 僕はもとの通りがいいと思つている。
  109. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それじやそういうことにいたします。じや次に移ります。
  110. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 第十七、新聞広告。候補者が行う選挙に関する新聞広告を掲載した新聞紙は、新聞販売を業とする者が当該選挙管理委員会の指定する場所に掲示することができるように整理すること。御承知のように候補者は新聞広告ができますが、その広告の載つた新聞紙を以上の方法で掲示することができるという規定はございませんので、その途を開きたいというのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  111. 菊田七平

    委員長菊田七平君) じやようございますね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 菊田七平

    委員長菊田七平君) じやその次に……。
  113. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 十八、選挙運動放送の制限。有線電気通信設備を使用してする放送の禁止範囲を明確にするため、広告放送設備、共同聴取用放送設備その他主として屋外に向つて放送することを目的として施設された有線電気通信設備に限定するように例示すること。現行規定は単に有線電気通信設備と規定するだけでありまして、多少疑義がございますので、この際以上読上げましたようなふうに例示規定を設けてその範囲をはつきりさせたいというのがこの趣旨でございます。
  114. 加賀操

    加賀操君 これはちよつと具体的に説明して下さい、わかつていたら……。
  115. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 広告放送というのは、よく街頭なんかで広告の放送をやつております。あれであります。それから共同聴取放送というのは、私まだ実物を見たことはございませんけれども、北海道あたりで辺鄙なところ、昼間電燈線が入つていないというようなところでラジオが非常に聞きにくい。そこで農協あたりが主になりまして、農協の事務所にラジオの受信機を一つ備付けて、それから拡声機を組合員の家庭に備付けまして、丁度蛸の足とかという、俗に言つているそうでありますが、蛸の足のような形で農協の事務所中央からの放送を受信して、それを拡声機を通じて各家庭に聞かせるようにして、尤もその中間に農協の事務上の連絡にも使つて事務用の放送の場合になまの声と、それからラジオの中継放送とをうまく組合せたプログラムを作りまして、非常にどちらも便宜を得ておるというのが、ここに申します共同聴取用放送設備でございます。これなんかは衆議院では大分問題になりまして、そんな所に、つまりなまの放送ができるのだから、そのマイクの根元、農協の事務所なら事務所のもとの所に行つて演説をさしてもらつたら非常にいいじやないか、便利じやないかという御意見も一部にございましたけれども、それは只今申上げましたような趣旨でどうしても一部に限定されるので、全部の候補者の公平な利用に困難な事情が多いという御説明もありまして、これも広告放送の場合と同じように禁止しよう、選挙運動用には使えないということにしよう、こういうお話が出ておりました。その他いろいろな方法があるかも知れませんけれども、私の聞きましたところではそのようなお話が今まで出ておるわけであります。
  116. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 如何ですか。午後からいたしましようか。
  117. 堀末治

    堀末治君 午後からやつて頂くといいですね。
  118. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 午後からやることも結構ですが、この衆議院側改正要綱そのものだけ受けて、そうしてそれに諾否を、或いは意見を向うに申上げるということ、或いはその他参議院として附加される、意見をつけて向うのほうに申上げるというような行き方は、必ずしも私は望ましいとは考えまん。私はこれは、衆議院衆議院として考えられたものですから、私たちとしてはこれを参考として、参議院参議院としてその他にもあるわけですから、その他の問題点を掲げて一応検討をして行くうちに、結果としてこういうものに対しての参議院としての回答が出て来る、こういう形で衆議院のほうに意見も述べ、協調できるところは協調してこの改正案の成立を見る。こういうことでないと私は参議院としての立場というものがないだろうし、成いはひよつとすると地方の要望その他細かいものが、これだけで考えてやるというと面倒くさくなつて落されてしまう虞れがある。よく地方の要望というものが、我々公職選挙法の調査のために、或いは他の問題の場合、議員派遣で出張した場合に縷々述べられている幾多の点があるわけなんです。ところがそれは未だ曾つて選挙法改正に直接反映するということが少い。それで議員の、何と申しますか、その都度都度の必要に応じた改正ということだけで、選挙管理委員会事務運営を能率化させるとか、成いは選挙民の選挙活動なり、成いは投票行為なりを便宜化して行くとか、そういうようなことは案外手が抜けるというような結果が従来あつたのじやないかと思われるのです。ですから相成るべくはやはり広範囲に問題点を掲げて、その中に衆議院側の問題点も入るというような形で一通りこの選挙法を洗つて見るという必要が私はあろうかと思うのです。それでそういう点について若しもお許しが頂けるならば、専門員室でその都度都度作つている問題点となる一覧表のようなものはあつたわけなんですから、今日の段階において考えられ、或いは関係団体当局から要望されている点が漏れなく網羅され、問題点として掲げられるものを出して頂いて、そうしてそれもこれと同時に当つて見て万全を期するようにして頂きたいと私は考えるので、ちよつと時間をとるようですがお諮りを願うなり、委員長において又考慮して頂くなり要望したいと思います。
  119. 菊田七平

    委員長菊田七平君) 小笠原先生のおつしやる点御尤もだと思います。で、我々としてもやはり参議院独自の立場で進むべきが本当だと思うのですが、ただよりどころがあるほうがいいだろうということで一応これを基本にして進めてみようというような話で進めておるので、勿論参議院のほうとしても、今おつしやつたように選挙に対するほかの要望もありますから、これは成るべく織込んでできるだけそうした方向に進めたいと思つております。そういう点の御意見をよくお聞きしまして、これを出すなり、或いはこれは一応参考でございますから、そういう意味で進めたいと思つております。どうですか。
  120. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから私はこれを進められることは結構です。併しこれを包む参議院としての問題点となるものを専門員室で挙げて頂いて、そうしてそれも一通りつてみることができるようにして、この問題を考えて行くようにして頂きたい。そうすれば全体の問題として、体系的に私たちとしては論議ができると思います。衆議院のように早くいうとその都合の悪いところだけをピツク・アツプして、そうしてそこだけにまなこを入れて論議されているのを睨んでいるというと、選挙法全体というものがさつぱり我々にはわからなくなつてしまう。それで大きなことでも、小さなことでも、あの選挙法の大綱から列記できるものは列記して、表を出してもらつて、そうして裏表からこういう問題も審議できるようにやつて頂きたい。だから私は今は無理ですから今日明日の問題としてそれまでこういうことをやるなとか何とかいうことでなく、私は説明も聞くし意見も申上げますが、結局は成るべく速かな機会にそういう根本的な課題となるものを専門員室のほうからでも出して頂けば、我々は案を得るのに都合がいいということを申上げているのです。
  121. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 小笠原先生からの御意見誠に私ども御尤もだと存じます。そこで御承知頂いていることと思いますが、公職選挙法についての改正要望意見というものを一覧表にいたしましてお手許に差上げてございます。内容は地方自治庁都道府県選挙管理委員会、それから全国市区選挙管理委員会、五大市の選挙管理委員会、各段階の選挙管理委員会にピツク・アツプしてまとめて……。
  122. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それは今度出た場合のやつですか。
  123. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) 最近まで出て参りましたものをこういう刷物にして差上げてございますから、こういうのを御覧になりますと、それから衆議院側の案もこのうちから大体要点と思われますのを私ども見まして、要点と思われますのをピツクアツプしてあるようでございます。併し更に御親切にお考え頂くことは非常に結構なことでありますから、若しお願いできれば只今衆議院側の要綱の御審議が一応さつと済みましたら、この一覧表を御覧頂きますと大抵漏れはないように思うのです、
  124. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると専門員室から出たこの資料は大かたの要望の関係当局の意見は盛られておる、これをさつと済ませればいいということですか。
  125. 福永與一郎

    専門員福永與一郎君) はあ。
  126. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんならそういうものもこちらのほうの場合と衆議院の場合と照し合せて説明の用に供するようにして頂きたい。そうすると一回に我々の頭にも入るだろうし、やりいいと思います。(「賛成賛成」と呼ぶ者あり)
  127. 菊田七平

    委員長菊田七平君) じやそういうふうな順序で進んで行きたいと思います。
  128. 堀末治

    堀末治君 午後やりましよう。
  129. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それじやここで休憩いたしまして、午後やることにいたします。    午後零時十三分休憩    —————・—————    午後二時十五分開会
  130. 菊田七平

    委員長菊田七平君) これより休憩前に引続き委員会を再開いたします。公職選挙法改正について懇談をいたしたいと思います。    午後二時十六分懇誤会に移る    —————・—————    午後三時五十四分懇談会を終る
  131. 菊田七平

    委員長菊田七平君) それでは懇談会を閉じまして委員会を再開いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十五分散会