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1952-12-23 第15回国会 参議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月二十三日(火曜 日)    午前十一時十五分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十二日委員高橋進太郎君辞任 につき、その補欠として小滝彬君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     油井賢太郎君    理事            西郷吉之助君    委員            石村 幸作君            宮田 重文君            岡本 愛祐君           小笠原二三男君            原  虎一君            岩男 仁藏君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告   —————————————
  2. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 只今より委員会開会いたします。請願及び陳情を議題に供します。速記をとめて下さい。    午前十一時十六分速記中止    ——————————    午後零時二十四分速記開始
  3. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) それでは速記を始めて下さい。  先般各方面に御出張なさいました結果をこの際御報告を願いたいと思います。先ず第一班宮田君からお願いいたします。
  4. 宮田重文

    宮田重文君 それでは第一班の御報告を申上げます。  院議によりまして、地方行政改革に関する件、特に先般行われました総選挙実施状況、或いは治安問題、或いは地方行財政実情について現地調査のため、私どもは第一班として、油井委員長相原調査員と三人で十一月十五日から十一日間北海道に出向いたしました。現地においては、道庁は勿論各関係官署協力の下に、各地において説明を聴取、懇談を重ねて参つたのでありますが、現地のかたがたもいずれも非常に親切に、熱心に説明に当つてくれましたことは、心から感謝に堪えないのであります。大体報告書に詳細のことは譲りたいと思いますが、特に私どもが今回の調査に当つて感じました二、三の点を申上げてみますならば、北海道内地府県違つて非常に地域或いは規模の点においても広大であつて、そういう面からいたしますると、例えば今度我々が調査の対象にいたしました選挙関係の部門を見ましても、非常に選挙について、立候補者の選挙運動にも内地府県の場合と違つて特殊な困難さがある、又選挙事務の取扱い、或いは費用面等においても、内地同様の考え方では誠に満足でない面が出て来る、こういうことをしばしば私どもは話のうちにも聞いたのでありまするし、又その点については、治安問題等についても、非常に地域の広大なところに極めて少数の警察官その他が責任の過大な任務に服さなければならない。こういう面について、今後我々としても相当北海道特殊性なるものを考えて行かなければならないではないか、こういうことを痛切に感じたわけでありますし、又地方財政問題についても、特に北海道は戦後日本の一番のホープとして考えられておる土地でありながら、今後或いは道路の面にいたしましても、港湾、或いは鉄道、その他開発開拓に関する投資的な費用というものは相当考えられねばならない。そういうことによつて真北海道が宝庫たり得るということに行くわけですが、こういう面についても十分今後は北海道特殊性を認識しながら考えて行く必要があるということを痛切に感じさせられたのであります。  又これは北海道のみには限らない問題ですが、東北地方にいたしましても同様の事態はありますが、予算執行等の面について非常に実施の期日が、実際には極めて不利な時期に予算の正式な配分決定等が行われて、実施には非常に困難さが来ておる、非常に日も短い、或いは積雪の時期に入つてから漸くこの仕事にかからなければならないようなこどになつて来る。こういうことから、或いは暦年制をとつて欲しいというような意見等も出ておつたのでありますが、こういう点についても、やはり地域的に相当我々は日本の国全体としての一応画一的な面だけを考えて行くわけには行かない場合がしばしば出て来るのではないかと、こうふうに考えられるわけであります。で、いろいろ治安問題その他についても詳細調査して参つたのでありますが、これは報告書に詳細に各般に亘つて載せておいたのでありますから、どうぞ御検討を頂きまして、簡単ながら私の御報告に代えたいと思います。
  5. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) では第一班の提出されました報告書速記録に載へせることを御確認願つておきまして、第二班といたしましての御報告岡本君にお願いいたします。
  6. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 第二班は、緑風会から私岡本愛祐、それから社会党の第四クラブから小笠原二三男君の二人が福岡山口島根三県に派遣をされました。三県の地方行財政に関する諸問題、又は総選挙実施状況治安状況等視察をいたしましたので、要点だけを御報告申上げます。  このたびの三県の地方行財政視察は、次のような意味で有益であつたと思います。それは大県として福岡県、中県として山口県、それから小さい県として島根県を視察をしたのであります。福岡県は現在では東京都、大阪府に次ぐとも言うべき大県でありまして、その財政状態はほかの県と比べて格段の強みを持つておるのであります。併しやはり地方財政の窮迫を訴えておるのであります。併しこれは事業税なり、遊興飲食税なり、入場税等の三大収入によりまして、ほかの県とは違つて税収入が多いのでありますから、まあ平衡交付金に頼る割合割合に少い。そういうので有力な県税ができると思うのでありまして、県の財政運営ということをもう少しよくやつてもらえば、近い将来においては平衡交付金をもらわなくてもいい県になるのじやないかというふうな感じをいたして参りました。県では、ほかの県と違つて苦しい苦しいとは言いながらそこに一種の安定感を持つておると見て参りました。山口並び島根、殊に島根で言いますると、そうは行きません。島根のごときは日本でも最も貧弱な財政の県であります。山口のほうも景気がよければ、会社もたくさん各地にありますし、又炭鉱なんかもありますので、この事業税方面において相当県税収入があるはずであります。併し今不況でありまして、遊休工場なんというのも相当ありますから苦しいということが言えると思うのであります。こういうようなことでありまして、皆地方財政の問題を最も大きな問題として我々に訴えておりました。  地方行政の問題といたしまして、福岡県が訴えておりますことは、現在までの諸制度の大改革は我が国の国情に副わないものが大分ある、地方公共団体相互間、又国と地方公共団体との削に制度上著しく統一や均衡を欠くものがある、事務配分についても実情を無視した制度が多い、行政面地方財政面に国の圧迫がますます甚しくなつておる、これを何とかしてもらいたいとい、ことであります。細かいことをいろいろ申しておりますが、それは省かしてもらいたいと思います。ただ行政委員会制度について、行政委員会委員については公選を廃止してもらいたい、それで知事事務局事務を行うべきであるということを申しております。それから人事委員会は飽くまで準司法的な機関として存置して、行政的な権限を付与してはいけないというようなことを申しております。それから自治体警察制度並びに国家地方警察制度合理化をして府県単位警察制度をとるべきである、即ち府県という地方公共団体警察というものを作るべきである、こういうことを申しておるのであります。細かいことは資料に譲りたいと思います。  それから山口県のほうでは、地方税制改正を是非ともやつてもらいたい、そうしないと地方の県というものが立ち行かないというのであります。これもいろいろ細かいことを申しておるのでありますが、府県民税というものを創設してもらいたい、市町村民税というのがありまして、そのほかに市町村民税に対抗する府県民税というものを創設してもらいたい、それから農業所得税の一部を府県に委譲をしてもらいたい、それから附加価値税加算制をとつてもらいたい、酒、たばこの消費税の創設をしてそれを府県税にしてもらいたい、というようなことを主なこととして申しておりました。それからやはり都道府県自治体警察設置をしてもらいたいということを申しております。それから山口県で特に申しておりましたのは、山口県は九州地方と共に熱帯性低気圧の進路に位して、毎年台風、豪雨が襲来する、そうして住民生活一大脅威である、だから復旧を早くやつてもらいたい。県民の生活及び産業の維持増進は一日も欠くことができない問題であるから、早くこの復旧をやつてもらいたいということを申しおります。  島根県も大体同様なことを申しておるのであります。殊に地方財政枯渇化を訴えておるのであります。  それから市といたしましては、福岡市、門司市、それから山口市の市役所を訪問いたしまして、いろいろ状況を聞きましたが、御他聞に漏れず財政枯渇を歎いておるのであります。ただ門司市について助役から注目すべきことを聞いたのであります。それは今年の十月から職階制門司市に実施をしだ、執務と能力試験をやりまして、そうしてそれによつて職務内容を変えたり、又能率を挙げることを工夫をしておるのであります。職員組合もこれについて一つも反対をしなかつた協力をした、それでその結果試験成績が悪くて課長六人がやめなきやならんことになつた。それは祕書課の勤務にしてやつてだんだんやめることにしてもらつておる、そうしてまあ大学出の新進を十人採つて初任級は八千六百円、大分自治体としてはよい給料を払つておる、そうしてこういうふうにして能率を挙げ、又市の能力増進をして行くというふうにしておるようであります。それから又市政懇談会というものを始めております。それはこの各学校学校区がありますが、その学校区十七ありますが、そこで月一回市政懇談会というものをやりまして、そうして有志者をその区域から集めて、そうして助役課長連がそこへ行きまして、いろいろ懇談をするのであります。市役所と市民との繋りをつける、で夜七時から十時頃までやりまして、百人くらい集まることもある、五、六十人は絶えず集つておるということで、市政の運営上非常に便宜を得ておる、こういう話をしております。まあいろいろ門司市では財政状態が普通の市に比較して割合いいのでありますが、    〔委員長退席石村幸作委員長席に着く〕  なお、こういうことによつてよくして行ごう、こういうことに考えておるようであります。で、なお門司市について注目すべきことは、競輪事業益金が非常に大きいことであります。大体今年二十七年度は一億一千万円の競輪事業益金を見ておりました。ところが一億八千万円くらいの利益はあるのじやないかと言つておるのであります。これによつて中小学校建設住宅建設、それから農業土木の促進、こういうようなことに当てておりまして、市の財政上非常に寄与して拘ると言つて喜んでおりました。競輪についていやなことは起つていないということを誇つてつたのであります。まあ行財政について注目すべきことはそういうことであります。  それから治安状況については、私は二十四年に当委員会から派遣をされて、同じく山口島根視察したのでありますが、そのときよりよほど安定をしております。密入国関係ぐつと激減をしておりますし、又密輸入関係激減をしておるのであります。これは恐らく連合国側のこの戦争のための警戒のラインが布かれて、密入国等がやりにくくなつた結果もあるだろうと思います。二十四年程度よりも余ほど今は安定感を持つておるのでありまして、極左の活動もずつと衰えております。又殊に朝鮮人が二十四年程度は随分暴力行為で暴れ廻つたのでありますが、それもずつと少くなつておりまして、二十四年の時、たしかここで御報告申したと思いますが、下関のごときは朝鮮人部落には警察官も迂闊には入つて行けないという状況でありましたが、今ではそういうことは全然ないということを申しておりました。ただ今年に入りまして宇部市で朝鮮人騒動がありました。これも今は全く平穏に帰しております。二十四年のときのごとき猛騒動はなかつたようであります。  それから選挙関係について申上げておきます。選挙法改正をしてもらいたいという要望が三県とも、県の選挙委員会、又市の選挙委員会等からたくさん出ておりまして、これはいずれまとめまして、この委員会における次の国会選挙法改正資料にしたいと考えております。まあ総括して申しますと、三県とも異口同音に今度第十三国会における公職選挙法の一部改正というものは、その当時の衆議院議員には都合のいい選挙法改正であつて、新人には非常に不利であつた、これはいけない、だからそういうことのないようにいろいろ改正をして頂きたい、こういうことでありました。私どももこの点は同感であつたのであります。それから各県におきまして選挙違反相当出ております。殊に福岡県初め九州管区国家地方警察九州管区管内におきましては随分峻烈に取締をやつたようであります。これも細かい資料がございますが、九州全体といにしまして、この選挙違反のうちの一例をとりますが、買収、利害誘導違反につきまして、国家地方警察管内においては件数において全国の一二%、人員において全国の一四%を検挙しておるのであります。又この自治体警察管内におきましては、全国件数の二五%を九州だけで挙げております。又人員においては二一月、相当峻厳にやつております。又これで御覧頂きましてもわかりますように、国家地方警察自治体警察の間に手心をしたという点は九州地方においては見られないのであります。山口県におきましては、出品市の例をとつて見ますと、地方警察山口市の自治体警察の間に手心の差異はないようであります。ところが島根県へ入りますと、島根県の国家地方警察のほうと松江市の自治体警察の間には非常に手心があるやに思えるのでります。その点をいろいろ私どもから質問をして見ました。違反は挙げましたのはたつた三件、それも国家地方警察のほうの違反に関連して検挙せざるを得なかつたというような件数のように思われました。この点は公の席上では明らかに検察庁側、又国警側も言いませんでしたが、別の席で私には、これは確かにこの点は遺憾だということを申しておりました。この点非常に考えなければならん問題でありまして、松江市を根拠にして選挙に出ておる人と、松江市の周辺の国家地方警察区域を基盤にして出ておる人の間に幸、不幸が非常に出て来るというような感じがするのであります。将来これは何とか考慮しなければいけないだろうと感じておるのであります。  その他いろいろ、御報告申上げたいことがありますが、長くなりますから、一応このくらいにして御報告を終ります。    〔委員長代理石村幸作退席岡本愛祐委員長席に着く〕
  7. 石村幸作

    石村幸作君 先に大阪市で開かれました第十四回全国都市問題会議に、当委員会から小笠原君、西郷君、吉川君、並びに私の四人が派遣されて出席いたしました。この際便宜上私から簡単にその御報告をいたしたいと思います。  会議全国市長会東京市政調査会との共同主催で十一月六日より三日間、大阪中ノ島公会堂を会場として開かれ、第一日の開会式には、私から地方行政委員会を代表して祝辞を述べました。又吉川議員は別に意見を発表されました。次いで会議議題である都市自治確立方策について宇都宮市長の佐藤君、浦和市議会議長の大石君、大阪市立大学教授の吉富君、尼崎市長の阪本君、武蔵大学教授の鈴木君、大阪財政局長下村君等の諸君から諸報告が行われ、更に部会に分れて研究報告や討議が行われました。全国各地からの出席した者が五百人以上あつて、極めて盛会でありました。なお、詳細につきましては、我々に同行いたしました福永専門員資料をまとめておりますし、主催団体からいずれ詳細な報告書も出るはずでありますから、それによつて御覧を願うことにして、頗る簡単ではありますが、要領のみ御報告いたしました。
  8. 岡本愛祐

    委員長代理岡本愛祐君) 第三班御報告を願います。
  9. 原虎一

    原虎一君 我々西郷、原両委員は、福永専門員を同道しまして、地方行政改革に関する調査のため、特に今次総選挙実施状況及び治安問題に重点を置き、且つ又地方行政財政実情その他一般地方行政上の諸問題について。    〔委員長代理岡本愛祐退席委員長着席〕  現地調査をする目的を以て、十一月十七日より四日間に亘り静岡群馬二県に出張しました。その調査概要について報告いたしますが、詳細は書面にて報告いたしますので、本日は要点のみを申上げます。  第一、静岡県でありますが、地方財、政についていずれも財政の困難を訴え、政府の補正予算に多大の期待を寄せると共に、現在伝えられる平衡交付金の額と起債の枠では、財政難の打開に不足なことを憂えております。なお、出席者から述べられた事情説明意見等の主なるものは次の通りであります。地方起債割振り平衡交付金と同じ考え方によることは困る、即ち起債割振りによつて地方財政のアンバランスを調整するという観点でやられることは適当でない、よろしく地方公共団体償還能力とか、起債が再生産的使途に向けられるかどうか等によつて、最も有効な方面に重きを置くべきであるという主張がなされました。静岡市の財源は、職員を賄う人件費に当てるだけで一ぱいであつて、実際の事業費平衡交付金に頼るという実情である。所得税免税点引上げのため農村では納税者が減少し、市町村民税の減税を来しておる。それから平衡交付金に頼り過ぎる現行制度に再検討を加えて、例えば酒、ただこ税地方還元等を含めた税制改革を行うべきである。なお、災害復旧事業全額国庫負担とすべきであるとの主張がなされました。それから公安委員会教育委員会のごとき各種行政委員会設置は、町村には贅沢である。なお、町村規模の大小にかかわらず、これを一律に取扱う現行地方自治法の規定は再検討を要するという主張であります。  選挙実情及びこれに関する意見を聴取いたしましたが、二、三の要点報告して他は書類に譲ります。その第一は開票区の設置でありますが、これは例えば癩療養所等選挙区内において、一緒に開票される等は衛生見地からもよくないから、開票区を設置すべきであるという主張であります。第二は、公務員等立候補制限のある者は、立候補届を提出すると同時にその職を失うという法律に改めてもらいたい、理由は省きます。それから次は衆議院議員選挙等に、個人演説会の六十回の制限等は必要がないという主張であります。罰則について連座制度を徹底強化するべきであるという点が主であり、群馬県も同様でありましたが、選挙法改正選挙直前になされては迷惑である、趣旨徹底を行われないうちに選挙を行われて、思わざる犯罪件数が殖えるという主張は同様であつたようであります。  警察関係について公安上の問題を申上げますと、駿東郡御殿場町を中心として、駐留軍演習地があるのですが、これをめぐつていわゆる傷害犯罪昭和二十六年度において百三十二件に達し、うち強盗強姦三件の兇悪犯罪があつたが、本年に入り、現在まで兇悪犯罪二件、合計六十七件をかぞへ、昨年より低下の傾向を示しているというのであります。  次に群馬県下の報告を申上げますが、地方財政については静岡県同様の希望的な意的が述べられておりますが、例えば昭和二十七年度県予算額は約百億円であるが、今の見込みでは十億円の赤字が出ると言つております。地方公共団体は概して国と異り、自然増収など望めないので、年末手当のごときも財源見込みが全く立たないと町村代表主張をいたしておりました。赤字を出さないために予定事業をやめるようなことは辻褄を合わせるだけのやり繰りに過ぎず、意味がないし、一方起債見込みも立たないんでは地方は困るので、税収に一定割合の範囲で起債を認めて、地方財政計画に目安を与えてもらいたい、こういう強い主張がなされております。  選挙関係についてでありまするが、選挙法改正については大体静岡県と大同小異の意見が開陳なされました。ただ選挙違反取締について群馬県は特殊事情にあつたと申しますのは、衆議院選挙前にありました知事選挙警反取締が、いわゆる公明選挙の名の下に厳正に行われたのでありますが、と言われているのでありますが、その好影響を受けて衆議院選挙においては選挙違反が減るだろうという期待を持つてつたが、事実は期待に反したということは考えるべきである。実は知事選挙が終り、引続いて事前運動が猛烈に行われて、衆議院選挙違反が続々と、検挙に何らの無理どか或いは非常な苦労をしなくても現われるというような事態が生じたということであります。事前運動取締が必要であるということがかなり強調されておりました。  それから治安関係におきましては、兇悪犯については計画性を持つて来だしたということが特別な注意すべき問題である、犯罪化学研究鑑識施設充実の必要が感ぜられるということが強調されておりました。大体以上で概要報告を終りますが、文書によつて提出いたします。以上。
  10. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) では只今第三班の原君から御報告がありましたが、御提出の書類速記録の附録へ載せるように手配いたします。
  11. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 先に報告いたしましたが、ちよつともう一言附加えさして頂きたいことがあります。それはこの出張に際しまして、門司へ寄りまして、門司にあります第七管区海上保安本部視察いたしました。この門司海上保安本部は二十六年に参りましたときよりも非常に充実をいたしております。巡視船が二十九隻、港内艇が五十八隻、燈台業務使用船が二十八隻、測量艇が三隻、合計百十八隻でありました。全体の海上保安庁の船が四百六艘の中で四分の一を占めている。あの方面がこの密入国密輸出密輸入、その関係で最も大事な所だというので、非常に重点を置いている。そこで今海上保安本部が持つております一番いい船となつております新式の「くろかみ」という船に乗せてもらつて門司から下関渡つたのでありますが、四百五十トンのなかなか最新式の立派な船でありまして、往年の日本軍艦を持つておりましたときの新式巡洋艦の那智とか青葉とか、そういうものを小さくしたような船であります。而も電気通信設備とか、無線設備といいますか、そういうものが完備をしておる、こういうのでありまして、それに砲を据えれば相当の威力があると見たのであります。これを一週間交代で、そういう船を航海をさせまして、そして日本の漁民の保護に当つておるのであります。でこのたびアメリカから船舶貸与協定ですか、それによつて借ります千五百トンの船、それが若しこういうふうな新式のものであれば、これは簡単に船と言い切れる程度じやない、これは軍艦と言わなきやならんものになりやしないかというふうに感じたのであります。そこで帰りまして、木村保安庁長官に会いましたときに、その質問をしたのであります。ところが木村保安庁長官は、いやそれは飛んでもないことだ、今度アメリカから借りることになつておる千五百トンの警備船は、そんな「くろかみ」のような最新式のものじやない、実は極くまあちやちな船である、あんなものは本当は借りたくないようなものであるのだ、それでそれは横須賀に繋留してあるから見てもらえばわかるが、とても「くろかみ」みたような、「やろかみ」を大きくしたようなものじやない、それはとても軍艦と言える程度のものじやないのだから、了承して欲しいということでありました。それを附加えて御報告しておきたいと思います。
  12. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後一時十二分散会