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1952-12-23 第15回国会 参議院 地方行政委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年十二月二十三日(火曜 日) 午前十一時十五分
開会
—————————————
委員
の異動 十二月二十二日
委員高橋進太郎
君辞任 につき、その補欠として
小滝彬
君を議 長において指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
油井賢太郎
君 理事
西郷吉之助
君
委員
石村
幸作
君
宮田
重文
君
岡本
愛祐
君
小笠原二三男
君 原
虎一
君 岩男
仁藏
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永與一郎
君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
派遣議員
の
報告
—————————————
油井賢太郎
1
○
委員長
(
油井賢太郎
君)
只今
より
委員会
を
開会
いたします。請願及び陳情を
議題
に供します。
速記
をとめて下さい。 午前十一時十六分
速記中止
—————
・
—————
午後零時二十四分
速記開始
油井賢太郎
2
○
委員長
(
油井賢太郎
君) それでは
速記
を始めて下さい。 先般各
方面
に御出張なさいました結果をこの際御
報告
を願いたいと思います。先ず第一班
宮田
君からお願いいたします。
宮田重文
3
○
宮田重文
君 それでは第一班の御
報告
を申上げます。 院議によりまして、
地方行政
の
改革
に関する件、特に先般行われました総
選挙
の
実施状況
、或いは
治安
問題、或いは
地方行財政
の
実情
について
現地調査
のため、私
ども
は第一班として、
油井委員長
、
相原調査員
と三人で十一月十五日から十一日間
北海道
に出向いたしました。
現地
においては、道庁は勿論各
関係官署
の
協力
の下に、
各地
において
説明
を聴取、
懇談
を重ねて参
つたの
でありますが、
現地
のかたがたもいずれも非常に親切に、熱心に
説明
に当
つて
くれましたことは、心から感謝に堪えないのであります。大体
報告書
に詳細のことは譲りたいと思いますが、特に私
ども
が今回の
調査
に当
つて
感じ
ました二、三の点を申上げてみますならば、
北海道
は
内地
の
府県
と
違つて
非常に
地域
或いは
規模
の点においても広大であ
つて
、そういう面からいたしますると、例えば今度我々が
調査
の対象にいたしました
選挙関係
の部門を見ましても、非常に
選挙
について、立候補者の
選挙運動
にも
内地
の
府県
の場合と
違つて
特殊な困難さがある、又
選挙事務
の取扱い、或いは
費用
の
面等
においても、
内地
同様の
考え方
では誠に満足でない面が出て来る、こういうことをしばしば私
ども
は話のうちにも聞いたのでありまするし、又その点については、
治安問題等
についても、非常に
地域
の広大なところに極めて少数の
警察官
その他が責任の過大な任務に服さなければならない。こういう面について、今後我々としても
相当
北海道
の
特殊性
なるものを考えて行かなければならないではないか、こういうことを痛切に
感じ
たわけでありますし、又
地方
の
財政
問題についても、特に
北海道
は戦後
日本
の一番のホープとして考えられておる土地でありながら、今後或いは道路の面にいたしましても、港湾、或いは鉄道、その他
開発開拓
に関する投資的な
費用
というものは
相当
考えられねばならない。そういうことによ
つて真
の
北海道
が宝庫たり得るということに行くわけですが、こういう面についても十分今後は
北海道
の
特殊性
を認識しながら考えて行く必要があるということを痛切に
感じ
させられたのであります。 又これは
北海道
のみには限らない問題ですが、
東北地方
にいたしましても同様の
事態
はありますが、
予算
の
執行等
の面について非常に
実施
の期日が、実際には極めて不利な時期に
予算
の正式な
配分決定等
が行われて、
実施
には非常に困難さが来ておる、非常に日も短い、或いは積雪の時期に入
つて
から漸くこの仕事にかからなければならないようなこどにな
つて
来る。こういうことから、或いは
暦年制
をと
つて
欲しいというような
意見等
も出てお
つたの
でありますが、こういう点についても、やはり
地域
的に
相当
我々は
日本
の国全体としての一応画一的な面だけを考えて行くわけには行かない場合がしばしば出て来るのではないかと、こうふうに考えられるわけであります。で、いろいろ
治安
問題その他についても詳細
調査
して参
つたの
でありますが、これは
報告書
に詳細に各般に亘
つて
載せておいたのでありますから、どうぞ御
検討
を頂きまして、簡単ながら私の御
報告
に代えたいと思います。
油井賢太郎
4
○
委員長
(
油井賢太郎
君) では第一班の提出されました
報告書
は
速記録
に載へせることを御
確認願
つて
おきまして、第二班といたしましての御
報告
を
岡本
君にお願いいたします。
岡本愛祐
5
○
岡本愛祐
君 第二班は、
緑風会
から私
岡本愛祐
、それから社会党の第四クラブから
小笠原二三男
君の二人が
福岡
、
山口
、
島根
三県に
派遣
をされました。三県の
地方行財政
に関する諸問題、又は総
選挙
の
実施状況
、
治安
の
状況等
を
視察
をいたしましたので、
要点
だけを御
報告
申上げます。 このたびの三県の
地方行財政
の
視察
は、次のような
意味
で有益であ
つた
と思います。それは大県として
福岡
県、中県として
山口
県、それから小さい県として
島根
県を
視察
をしたのであります。
福岡
県は現在では
東京
都、
大阪
府に次ぐとも言うべき大県でありまして、その
財政状態
はほかの県と比べて格段の強みを持
つて
おるのであります。併しやはり
地方財政
の窮迫を訴えておるのであります。併しこれは事業税なり、遊興飲食税なり、
入場税等
の三大
収入
によりまして、ほかの県とは
違つて税
の
収入
が多いのでありますから、まあ
平衡交付金
に頼る
割合
は
割合
に少い。そういうので有力な
県税
ができると思うのでありまして、県の
財政運営
ということをもう少しよくや
つて
もらえば、近い将来においては
平衡交付金
をもらわなくてもいい県になるのじやないかというふうな
感じ
をいたして参りました。県では、ほかの県と
違つて
苦しい苦しいとは言いながらそこに一種の
安定感
を持
つて
おると見て参りました。
山口並び
に
島根
、殊に
島根
で言いますると、そうは行きません。
島根
のごときは
日本
でも最も貧弱な
財政
の県であります。
山口
のほうも景気がよければ、会社もたくさん
各地
にありますし、又炭鉱なんかもありますので、この
事業税方面
において
相当
の
県税収入
があるはずであります。併し今不況でありまして、
遊休工場
なんというのも
相当
ありますから苦しいということが言えると思うのであります。こういうようなことでありまして、皆
地方財政
の問題を最も大きな問題として我々に訴えておりました。
地方行政
の問題といたしまして、
福岡
県が訴えておりますことは、現在までの諸
制度
の大
改革
は我が国の国情に副わないものが大分ある、
地方公共団体相互
間、又国と
地方公共団体
との削に
制度
上著しく統一や均衡を欠くものがある、
事務
の
配分
についても
実情
を無視した
制度
が多い、
行政面
又
地方財政面
に国の圧迫がますます甚しくな
つて
おる、これを何とかしてもらいたいとい、ことであります。細かいことをいろいろ申しておりますが、それは省かしてもらいたいと思います。ただ
行政委員会制度
について、
行政委員会
の
委員
については公選を廃止してもらいたい、それで
知事
の
事務局
で
事務
を行うべきであるということを申しております。それから
人事委員会
は飽くまで準司法的な機関として存置して、行政的な権限を付与してはいけないというようなことを申しております。それから
自治体警察制度
並びに
国家地方警察制度
を
合理化
をして
府県単位
の
警察制度
をとるべきである、即ち
府県
という
地方公共団体
の
警察
というものを作るべきである、こういうことを申しておるのであります。細かいことは
資料
に譲りたいと思います。 それから
山口
県のほうでは、
地方税制
の
改正
を是非ともや
つて
もらいたい、そうしないと
地方
の県というものが立ち行かないというのであります。これもいろいろ細かいことを申しておるのでありますが、
府県民税
というものを創設してもらいたい、
市町村民税
というのがありまして、そのほかに
市町村民税
に対抗する
府県民税
というものを創設してもらいたい、それから
農業所得税
の一部を
府県
に委譲をしてもらいたい、それから
附加価値税
は
加算制
をと
つて
もらいたい、酒、たばこの
消費税
の創設をしてそれを
府県税
にしてもらいたい、というようなことを主なこととして申しておりました。それからやはり都道
府県
の
自治体警察
を
設置
をしてもらいたいということを申しております。それから
山口
県で特に申しておりましたのは、
山口
県は
九州地方
と共に
熱帯性
低気圧の進路に位して、毎年台風、豪雨が襲来する、そうして
住民生活
の
一大脅威
である、だから
復旧
を早くや
つて
もらいたい。県民の
生活
及び産業の
維持増進
は一日も欠くことができない問題であるから、早くこの
復旧
をや
つて
もらいたいということを申しおります。
島根
県も大体同様なことを申しておるのであります。殊に
地方財政
の
枯渇化
を訴えておるのであります。 それから市といたしましては、
福岡
市、
門司
市、それから
山口
市の
市役所
を訪問いたしまして、いろいろ
状況
を聞きましたが、御他聞に漏れず
財政
の
枯渇
を歎いておるのであります。ただ
門司
市について
助役
から注目すべきことを聞いたのであります。それは今年の十月から
職階制
を
門司
市に
実施
をしだ、執務と
能力
の
試験
をやりまして、そうしてそれによ
つて職務内容
を変えたり、又
能率
を挙げることを工夫をしておるのであります。
職員組合
もこれについて一つも反対をしなか
つた
、
協力
をした、それでその結果
試験成績
が悪くて
課長
六人がやめなきやならんことに
なつ
た。それは祕書課の勤務にしてや
つて
だんだんやめることにしてもら
つて
おる、そうしてまあ
大学出
の新進を十人採
つて
、
初任級
は八千六百円、
大分自治体
としてはよい給料を払
つて
おる、そうしてこういうふうにして
能率
を挙げ、又市の
能力
を
増進
をして行くというふうにしておるようであります。それから又
市政懇談会
というものを始めております。それはこの各
学校
区
学校
区がありますが、その
学校
区十七ありますが、そこで月一回
市政懇談会
というものをやりまして、そうして
有志者
をその
区域
から集めて、そうして
助役
や
課長連
がそこへ行きまして、いろいろ
懇談
をするのであります。
市役所
と市民との繋りをつける、で夜七時から十時頃までやりまして、百人くらい集まることもある、五、六十人は絶えず集
つて
おるということで、
市政
の運営上非常に便宜を得ておる、こういう話をしております。まあいろいろ
門司
市では
財政状態
が普通の市に比較して
割合
いいのでありますが、 〔
委員長退席
、
石村幸作
君
委員長席
に着く〕 なお、こういうことによ
つて
よくして行ごう、こういうことに考えておるようであります。で、なお
門司
市について注目すべきことは、
競輪事業益金
が非常に大きいことであります。大体今年二十七年度は一億一千万円の
競輪事業
の
益金
を見ておりました。ところが一億八千万円くらいの利益はあるのじやないかと言
つて
おるのであります。これによ
つて中小学校
の
建設
、
住宅建設
、それから
農業土木
の促進、こういうようなことに当てておりまして、市の
財政
上非常に寄与して拘ると言
つて
喜んでおりました。
競輪
についていやなことは起
つて
いないということを誇
つて
お
つたの
であります。まあ
行財政
について注目すべきことはそういうことであります。 それから
治安状況
については、私は二十四年に当
委員会
から
派遣
をされて、同じく
山口
、
島根
を
視察
したのでありますが、そのときよりよほど安定をしております。
密入国
の
関係
も
ぐつと激減
をしておりますし、又
密輸入
の
関係
も
激減
をしておるのであります。これは恐らく
連合国側
のこの戦争のための警戒のラインが布かれて、
密入国等
がやりにくく
なつ
た結果もあるだろうと思います。二十四年
程度
よりも余ほど今は
安定感
を持
つて
おるのでありまして、極左の活動もずつと衰えております。又殊に
朝鮮人
が二十四年
程度
は随分
暴力行為
で暴れ
廻つたの
でありますが、それもずつと少くな
つて
おりまして、二十四年の時、たしかここで御
報告
申したと思いますが、
下関
のごときは
朝鮮人部落
には
警察官
も迂闊には入
つて
行けないという
状況
でありましたが、今ではそういうことは全然ないということを申しておりました。ただ今年に入りまして宇部市で
朝鮮人
の
騒動
がありました。これも今は全く平穏に帰しております。二十四年のときのごとき猛
騒動
はなか
つた
ようであります。 それから
選挙
の
関係
について申上げておきます。
選挙法
の
改正
をしてもらいたいという要望が三県とも、県の
選挙委員会
、又市の
選挙委員会等
からたくさん出ておりまして、これはいずれまとめまして、この
委員会
における次の
国会
の
選挙法
の
改正
の
資料
にしたいと考えております。まあ総括して申しますと、三県とも異口同音に今度第十三
国会
における
公職選挙法
の一部
改正
というものは、その当時の
衆議院議員
には都合のいい
選挙法
の
改正
であ
つて
、新人には非常に不利であ
つた
、これはいけない、だからそういうことのないようにいろいろ
改正
をして頂きたい、こういうことでありました。私
ども
もこの点は同感であ
つたの
であります。それから各県におきまして
選挙違反
が
相当
出ております。殊に
福岡
県初め
九州管区
、
国家地方警察
の
九州管区
の
管内
におきましては随分峻烈に
取締
をや
つた
ようであります。これも細かい
資料
がございますが、
九州
全体といにしまして、この
選挙違反
のうちの一例をとりますが、買収、
利害誘導
の
違反
につきまして、
国家地方警察
の
管内
においては
件数
において
全国
の一二%、
人員
において
全国
の一四%を検挙しておるのであります。又この
自治体警察
の
管内
におきましては、
全国
の
件数
の二五%を
九州
だけで挙げております。又
人員
においては二一月、
相当
峻厳にや
つて
おります。又これで御覧頂きましてもわかりますように、
国家地方警察
と
自治体警察
の間に
手心
をしたという点は
九州地方
においては見られないのであります。
山口
県におきましては、出品市の例をと
つて
見ますと、
地方警察
と
山口
市の
自治体警察
の間に
手心
の差異はないようであります。ところが
島根
県へ入りますと、
島根
県の
国家地方警察
のほうと
松江
市の
自治体警察
の間には非常に
手心
があるやに思えるのでります。その点をいろいろ私
ども
から
質問
をして見ました。
違反
は挙げましたのはた
つた
三件、それも
国家地方警察
のほうの
違反
に関連して検挙せざるを得なか
つた
というような
件数
のように思われました。この点は公の席上では明らかに
検察庁側
、又
国警側
も言いませんでしたが、別の席で私には、これは確かにこの点は遺憾だということを申しておりました。この点非常に考えなければならん問題でありまして、
松江
市を根拠にして
選挙
に出ておる人と、
松江
市の周辺の
国家地方警察
の
区域
を基盤にして出ておる人の間に幸、不幸が非常に出て来るというような
感じ
がするのであります。将来これは何とか考慮しなければいけないだろうと
感じ
ておるのであります。 その他いろいろ、御
報告
申上げたいことがありますが、長くなりますから、一応このくらいにして御
報告
を終ります。 〔
委員長代理石村幸作
君
退席
、
岡本愛祐
君
委員長席
に着く〕
石村幸作
6
○
石村幸作
君 先に
大阪
市で開かれました第十四回
全国都市問題会議
に、当
委員会
から
小笠原
君、
西郷
君、
吉川
君、並びに私の四人が
派遣
されて出席いたしました。この際便宜上私から簡単にその御
報告
をいたしたいと思います。
会議
は
全国市長会
と
東京市政調査会
との
共同主催
で十一月六日より三日間、
大阪中ノ島公会堂
を会場として開かれ、第一日の
開会式
には、私から
地方行政委員会
を代表して祝辞を述べました。又
吉川議員
は別に
意見
を発表されました。次いで
会議
の
議題
である
都市自治
の
確立方策
について
宇都宮市長
の佐藤君、
浦和市議会議長
の大石君、
大阪市立大学教授
の吉富君、
尼崎市長
の阪本君、
武蔵大学教授
の鈴木君、
大阪
市
財政局長下村君等
の諸君から諸
報告
が行われ、更に部会に分れて
研究報告
や討議が行われました。
全国各地
からの出席した者が五百人以上あ
つて
、極めて盛会でありました。なお、詳細につきましては、我々に同行いたしました
福永専門員
が
資料
をまとめておりますし、
主催団体
からいずれ詳細な
報告書
も出るはずでありますから、それによ
つて御覧
を願うことにして、頗る簡単ではありますが、要領のみ御
報告
いたしました。
岡本愛祐
7
○
委員長代理
(
岡本愛祐
君) 第三班御
報告
を願います。
原虎一
8
○
原虎一
君 我々
西郷
、原両
委員
は、
福永専門員
を同道しまして、
地方行政改革
に関する
調査
のため、特に今次総
選挙
の
実施状況
及び
治安
問題に
重点
を置き、且つ又
地方行政財政
の
実情
その他
一般地方行政
上の諸問題について。 〔
委員長代理岡本愛祐
君
退席
、
委員長着席
〕
現地調査
をする目的を以て、十一月十七日より四日間に亘り
静岡
、
群馬
二県に出張しました。その
調査
の
概要
について
報告
いたしますが、詳細は書面にて
報告
いたしますので、本日は
要点
のみを申上げます。 第一、
静岡
県でありますが、
地方財
、政についていずれも
財政
の困難を訴え、政府の
補正予算
に多大の
期待
を寄せると共に、現在伝えられる
平衡交付金
の額と
起債
の枠では、
財政
難の打開に不足なことを憂えております。なお、
出席者
から述べられた
事情
の
説明
、
意見等
の主なるものは次の
通り
であります。
地方起債
の
割振り
が
平衡交付金
と同じ
考え方
によることは困る、即ち
起債
の
割振り
によ
つて地方財政
のアンバランスを調整するという観点でやられることは適当でない、よろしく
地方公共団体
の
償還能力
とか、
起債
が再
生産的使途
に向けられるかどうか等によ
つて
、最も有効な
方面
に重きを置くべきであるという
主張
がなされました。
静岡
市の
財源
は、
職員
を賄う
人件費
に当てるだけで一ぱいであ
つて
、実際の
事業費
は
平衡交付金
に頼るという
実情
である。
所得税
の
免税点引上げ
のため農村では
納税者
が減少し、
市町村民税
の減税を来しておる。それから
平衡交付金
に頼り過ぎる
現行制度
に再
検討
を加えて、例えば酒、ただ
こ税
の
地方還元等
を含めた
税制改革
を行うべきである。なお、
災害復旧事業
は
全額国庫負担
とすべきであるとの
主張
がなされました。それから
公安委員会
、
教育委員会
のごとき
各種行政委員会
の
設置
は、
町村
には贅沢である。なお、
町村規模
の大小にかかわらず、これを一律に取扱う
現行地方自治法
の規定は再
検討
を要するという
主張
であります。
選挙
の
実情
及びこれに関する
意見
を聴取いたしましたが、二、三の
要点
を
報告
して他は
書類
に譲ります。その第一は
開票
区の
設置
でありますが、これは例えば
癩療養所等
の
選挙区内
において、一緒に
開票
される等は
衛生見地
からもよくないから、
開票
区を
設置
すべきであるという
主張
であります。第二は、
公務員等立候補制限
のある者は、
立候補届
を提出すると同時にその職を失うという法律に改めてもらいたい、理由は省きます。それから次は
衆議院議員選挙等
に、
個人演説会
の六十回の
制限等
は必要がないという
主張
であります。罰則について
連座制度
を徹底強化するべきであるという点が主であり、
群馬
県も同様でありましたが、
選挙法改正
は
選挙直前
になされては迷惑である、
趣旨徹底
を行われないうちに
選挙
を行われて、思わざる
犯罪件数
が殖えるという
主張
は同様であ
つた
ようであります。
警察関係
について
公安
上の問題を申上げますと、駿東郡御殿場町を中心として、
駐留軍演習地
があるのですが、これを
めぐつていわゆる傷害犯罪
は
昭和
二十六年度において百三十二件に達し、
うち強盗強姦
三件の
兇悪犯罪
があ
つた
が、本年に入り、現在まで
兇悪犯罪
二件、
合計
六十七件をかぞへ、昨年より低下の傾向を示しているというのであります。 次に
群馬
県下の
報告
を申上げますが、
地方財政
については
静岡
県同様の希望的な意的が述べられておりますが、例えば
昭和
二十七年度
県予算額
は約百億円であるが、今の
見込み
では十億円の
赤字
が出ると言
つて
おります。
地方公共団体
は概して国と異り、
自然増収
など望めないので、年末手当のごときも
財源
の
見込み
が全く立たないと
町村代表
は
主張
をいたしておりました。
赤字
を出さないために
予定事業
をやめるようなことは辻褄を合わせるだけのやり繰りに過ぎず、
意味
がないし、一方
起債
の
見込み
も立たないんでは
地方
は困るので、税収に
一定割合
の範囲で
起債
を認めて、
地方財政計画
に目安を与えてもらいたい、こういう強い
主張
がなされております。
選挙関係
についてでありまするが、
選挙法
の
改正
については大体
静岡
県と大同小異の
意見
が開陳なされました。ただ
選挙違反
の
取締
について
群馬
県は
特殊事情
にあ
つた
と申しますのは、
衆議院選挙
前にありました
知事選挙
の
警反取締
が、いわゆる
公明選挙
の名の下に厳正に行われたのでありますが、と言われているのでありますが、その好影響を受けて
衆議院選挙
においては
選挙違反
が減るだろうという
期待
を持
つて
お
つた
が、事実は
期待
に反したということは考えるべきである。実は
知事選挙
が終り、引続いて
事前運動
が猛烈に行われて、
衆議院選挙
の
違反
が続々と、検挙に何らの無理どか或いは非常な苦労をしなくても現われるというような
事態
が生じたということであります。
事前運動
の
取締
が必要であるということがかなり強調されておりました。 それから
治安関係
におきましては、
兇悪犯
については
計画性
を持
つて
来だしたということが特別な注意すべき問題である、
犯罪化学研究
、
鑑識施設
の
充実
の必要が感ぜられるということが強調されておりました。大体以上で
概要
の
報告
を終りますが、文書によ
つて
提出いたします。以上。
油井賢太郎
9
○
委員長
(
油井賢太郎
君) では
只今
第三班の原君から御
報告
がありましたが、御提出の
書類
は
速記録
の附録へ載せるように手配いたします。
岡本愛祐
10
○
岡本愛祐
君 先に
報告
いたしましたが、ちよつともう一言附加えさして頂きたいことがあります。それはこの出張に際しまして、
門司
へ寄りまして、
門司
にあります第七
管区海上保安本部
を
視察
いたしました。この
門司
の
海上保安本部
は二十六年に参りましたときよりも非常に
充実
をいたしております。
巡視船
が二十九隻、
港内艇
が五十八隻、
燈台業務
の
使用船
が二十八隻、
測量艇
が三隻、
合計
百十八隻でありました。全体の海上保安庁の船が四百六艘の中で四分の一を占めている。あの
方面
がこの
密入国
、
密輸出
、
密輸入
、その
関係
で最も大事な所だというので、非常に
重点
を置いている。そこで今
海上保安本部
が持
つて
おります一番いい船とな
つて
おります
新式
の「くろかみ」という船に乗せてもら
つて
門司
から
下関
へ
渡つたの
でありますが、四百五十トンのなかなか
最新式
の立派な船でありまして、往年の
日本
が
軍艦
を持
つて
おりましたときの
新式巡洋艦
の那智とか青葉とか、そういうものを小さくしたような船であります。而も
電気通信設備
とか、
無線設備
といいますか、そういうものが完備をしておる、こういうのでありまして、それに砲を据えれば
相当
の威力があると見たのであります。これを一週間交代で、そういう船を航海をさせまして、そして
日本
の漁民の保護に当
つて
おるのであります。でこのたび
アメリカ
から
船舶貸与協定
ですか、それによ
つて
借ります千五百トンの船、それが若しこういうふうな
新式
のものであれば、これは簡単に船と言い切れる
程度
じやない、これは
軍艦
と言わなきやならんものになりやしないかというふうに
感じ
たのであります。そこで帰りまして、
木村保安庁長官
に会いましたときに、その
質問
をしたのであります。ところが
木村保安庁長官
は、いやそれは飛んでもないことだ、今度
アメリカ
から借りることにな
つて
おる千五百トンの
警備船
は、そんな「くろかみ」のような
最新式
のものじやない、実は極くまあちやちな船である、あんなものは本当は借りたくないようなものであるのだ、それでそれは横須賀に繋留してあるから見てもらえばわかるが、とても「くろかみ」みたような、「やろかみ」を大きくしたようなものじやない、それはとても
軍艦
と言える
程度
のものじやないのだから、了承して欲しいということでありました。それを附加えて御
報告
しておきたいと思います。
油井賢太郎
11
○
委員長
(
油井賢太郎
君) それでは本日はこれで散会いたします。 午後一時十二分散会