○
国務大臣(
本多市郎君)
只今提案いたしておりまする
昭和二十七年度分の
地方財政平衡交付金の
単位費用の
特例に関する
法律案の
提案の
理由及び
内容の概要について御
説明申上げます。
各地方団体に対して交付すべき
昭和二十七年度分の
地方財政平衡交付金の額の算定に用います
単位費用につきましては、すでに
地方財政平衡交付金法に
規定せられているところでありまして、これを用いて先般仮算定を行な
つたのでありますが、
只今御
審議を
願つております国の補正
予算との関連におきまして、本年十一月から予定されております国家公務員の給与改訂に準ずる地方公務員の給与改訂に要する経費、本年十一月から発足いたしました市
町村教育
委員会の設置に要する経費等を基準
財政需要額に算入するため
単位費用を増額する必要があるのであります。
補正
予算に計上されております
地方財政平衡交付金の増額二百億円が
決定いたしました暁は、この増額された
単位費用を用いまして本年度分の
地方財政平衡交付金の本算定を行うよういたしたいのであります。而して、来年度以降の
地方財政平衡交付金に用いる
単位費用の
改正につきましては、実施を予定されております義務教育費国庫負担制度、児童保護
措置費国庫負担制度等との
関係があり、来年度の国の
予算の見透しを得てからにしたほうが適当と
考えられますので、差し当りは
昭和二十七年度分の
地方財政平衡交付金に用いる
単位費用を
改正するにとどめたいのであります。従
つて昭和二十七年度分の
単位費用の
改正は、
地方財政平衡交付金法の一部を
改正する方法によらないで、
昭和二十七年度分の
地方財政平衡交付金の
単位費用の
特例に関する単独法を設けることといたした次第であります。これがこの
法律案を提出した
理由であります。
次に
内容の概要について御
説明申上げます。
各地方団体に交付いたします
地方財政平衡交付金は、その総額の九二%を普通交
付金八%を特別交
付金といたしております。普通交
付金は、土木費、教育費等の各行政項目について定められた所要経費の測定単位ごとの
単位費用に当該測定単位の数値を乗じて算定された
財政需要額の合算額たる基準
財政需要額が税目ごとの収入見込額の合算額たる基準
財政収入額を超える額について交付することとし、特別交
付金は、基準
財政需要額の算定方法によ
つては捕捉されなか
つた特別の
財政需要があること、基準
財政収入額のうちに著しく過大に算定された
財政収入があること、普通交
付金の額の算定期日後に生じた災害等のため特別の
財政需要があり、又は
財政収入の減少があること、その他特別の
事情があることにより、基準
財政需要額の算定過大、又は基準
財政収入額の算定過少を考慮しても、なお普通交
付金の額が
財政需要に比して過少であると認められる地方団体に対して、当該
事情を一考慮して交付することとしておりますことは御
承知の
通りであります。この基準
財政需要額の算定に用います各行政項目の測定単位ごとの
単位費用は、行政項目ごとに標準的な条件を備えた団体又は施設を想定し、これらの団体又は施設に配置せらるべき職員の数、備えらるべき器具の種類等から算出された当該行政項目について必要な経費のうち、地方税又は
地方財政平衡交付金で賄われるべき額を当該団体、又は施設の経費測定の単位と定められたものの数値で除して
決定されたものであります。給与改訂が行われます場合には、これらの団体又は施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は増加いたしますので、これらの団体又は施設において当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる
単位費用はそれだけ増加するわけであります。
単位費用の基礎をなしている給与費につきましては、国家公務員について行われようとしている給与改訂の例に準じ、給与改訂が行われるものとして
単位費用の改訂を行いました結果、
単位費用の殆んど全部を
改正することにな
つたのであります。併しながら道
府県分、市
町村分とも橋梁費、港湾費、「社会福祉費のうち被生活保護者数を測定単位とするもの、」戦災復興費及び公債費のそれぞれの
単位費用は、国家公務員の給与改訂の結果直ちに経費の増加を来すものではありませんので、現行の額をそのまま据え置くことといたしております。
又、本年十一月から設置されました市
町村教育
委員会に要する経費につきましては、市
町村分の「その他の教育費」に、又これが十月に行われました選挙に要する経費につきましては、市
町村分の「その他の諸費」にすでに申上げました
単位費用決定の例に準じ算入いたすこととしたのであります。
なお、今回
改正しようとしております
単位費用によ
つて算定いたしますと、
地方財政平衡交付金の交付を受けております地方団体の基準
財政需要額の
全国の増加見込額は、道
府県分にあ
つては百二十一億四百万円、市
町村分にあ
つては六十三億三千二百万円、合計百八十四億円余となる見込であります。而して普通交
付金の増加額は、今回予定されております
地方財政平衡交付金の増加額二百億円の九十二%に当る百八十四億円でありますので、給与改訂等に伴うこれらの基準
財政需要額の増加額は、今回増額されようとしております
地方財政平衡交付金の額を以て充足できるものと
考えているのであります。
なお、
住民登録法の施行に伴い、これが所要経費を基準
財政需要額に算入するため、先に
地方財政平衡交付金法の一部を
改正する
法律案を提出いたしたのでありますが、これが
関係部分もこの
法律案に織り込むことといたしました結果、不要となりましたので、先に提出した
法律案は撤回することとした次第であります。
幸いに本
法律案成立の上は、可及的速かに各地方団体につきまして
地方財政平衡交付金の額の算定を行い、来年一月中には
決定し、地方団体の
財政運営に支障のないよういたしたい所存でありますので、何とぞ愼重御
審議の上速かに可決されんことをお願いいたす次第であります。
それでは引続いて
只今提出いたしました
地方財政平衡交付金法の一部を
改正する
法律案につきまして、
提案の
理由及び
内容の概要を御
説明申上げます。
地方財政平衡交付金制度の運営は、不断の研究と改善によりまして、着々地方団体の財源均衡化と地方行政の水準の向上にその実を挙げているのでありまして、先に基準
財政需要額の算定に用います
単位費用を
地方財政平衡交付金法に
規定いたしますと共に、近い将来におきましては測定単位の数値、補正係数及び基準
財政収入額の算定方法も法定いたしたいと
考えております。これらはいずれも十分な研究
調査を続けまして、結論を得た上で逐次法定いたすべきものであることは申上げるまでもありませんが、差当り本年度分の
単位費用改正を機会に、各地方団体の基準
財政需要額が基準
財政収入額を超える額、即ち財源不足額の総額が普通交
付金の総額を超える場合の
措置について改善を加えたいのであります。即ち現在普通交
付金の総額は、各地方団体の財源不足額に按分して算定いたしておりますが、その結果は税収入が少いため、財源不足額の多い地方団体が
却つて多く減額交付されるということになり、
地方財政平衡交付金制度の本旨とする均衡化の精神にもとることとな
つているのであります。そこでこの財源不足額の
全国の合算額が、普通交
付金の総額を超える場合におきましては、当該超過額だけを一律に各地方団体の基準
財政需要額から減額し、この減額した基準
財政需要額から基準
財政収入額を控除した額を以
つて当該地方団体に対し交付すべき普通交
付金の額とすることに
改正いたしたいのであります。これがこの
法律案を提出する
理由であります。
次にその
内容の概要について御
説明申上げます。
現在の普通交
付金の算定方法は、先ほど申上げました
通り、基準
財政需要額が基準
財政収入額を超える額、即ち財源不足額に普通交
付金の総額を按分して算定しているため、按分の結果、減じます額は、財源として確保せられるべき基準
財政需要額の多寡に比例するものではなく、税収入が少いため、財源不足額が基準
財政需要額に比して比較的に多額となる団体が
却つて多く減ぜられるという結果にな
つているのであります。
もとより各地方団体について算定されました財源不足額の総額が、普通交
付金の総額に合致するのであれば、何ら、不合理は生じないのでありますが、
予算に計上すべき
地方財政平衡交交金の額を
決定いたします時期が各地方団体に交付すべき交
付金の額を
決定いたします時期よりも早い等の
関係もあり、若干の差を生じますことは毎年の例とな
つておりまして、按分率は大体九十七、八%を往来して参りました。
このような現状にありますのと、又各地方団体に財源として保障せられるべき額は、基準
財政需要額として算定せられた額であり、この額を保障すべき財源として基準
財政収入額として算定せられた額であり、この額を保障すべき財源として基準
財政収入額として算定せられた地方税も、
地方財政平衡交付金と同等のものと見るべきでもありますので、普通交
付金の総額が各地方団体について算定せられた財源不足額の総額に充たないときは、その不足額は、各地方団体の財源不足額のみにしわ寄せしないで、それだけは各地方団体に保障せられるべき財源の額と見るべき基準
財政需要額を比例的に圧縮すべきであると
考えるのであります。この圧縮せられた基準
財政需要額から基準
財政収入額を控除した額を以てその団体に交付すべき
地方財政平衡交付金の額とすれば、各地方団体の財源は基準
財政収入額と
地方財政平衡交付金とを以て、それぞれの地方団体について保障せられるべき財源相当額に比例して保障せられることとなり、
地方財政平衡交付金制度の本旨といたします均衡化の精神にも合致することとなるのであります。
この趣旨を以ちまして、各地方団体について算定せられました財源不足額の合算額が普通交
付金の総額を超える場合は、当該超過額を各地方団体の基準
財政需要額に按分いたしまして、この按分いたしました額を当該地方団体の財源不足額から控除した額を以てその地方団体に交付すべき普通交
付金の額にいたしたいのであります。
併しながら基準
財政需要額が基準
財政収入額を超える地方団体でありましても、基準
財政需要額に比して基準
財政収入額が大きな割合を占めている地方団体におきましては、基準
財政需要額から減額される額が財源不足額より
却つて多額となり、その結果普通交
付金が交付されないという事例も若干生じますことは止むを得ないところと
考えておりす。
従いまして、交
付金総額の九二%と法定せられました普通交
付金の総額が、各地方団体について算定せられました普通交
付金の額の合算額を超える場合は、当該超過額は当該年度の特別交
付金の総額に算入することとする半面、法定せられました普通交
付金の総額が各地方団体について算定せられました普通交
付金の額の合算額に不足する場合におきましては、当該不足額は特別交
付金の総額の一部を以てこれに当てることとして所要の
規定を設けたいのであります。
以上が
内容の概要でありますが、本
改正は別途提出しております
法律案に
規定せられました
単位費用により国の補正
予算の
成立を待
つて行われる予定の本年度分の
地方財政平衡交付金の額の算定から
適用いたしたい所存であります。
何とぞ愼重御
審議の上速かに可決されんことをお願いいたす次第であります。