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1952-12-16 第15回国会 参議院 地方行政委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十六日(火曜日)    午前十時五十八分開会   ━━━━━━━━━━━━━  出席者は左の通り。    委員長     油井賢太郎君    理事            西郷吉之助君            中田 吉雄君    委員            石村 幸作君            宮田 重文君            岡本 愛祐君           小笠原二三男君            原  虎一君            吉川末次郎君            岩男 仁藏君            岩木 哲夫君   衆議院議員            鈴木 直人君   国務大臣    国 務 大 臣 本多 市郎君   政府委員    国家地方警察本    部次長     谷口  寛君    国家地方警察本    部総務部長   柴田 達夫君    自治政務次官  鈴木 善幸君    自治庁財政部長 武岡 憲一君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   ━━━━━━━━━━━━━   本日の会議に付した事件 ○本委員会の運営に関する件 ○町村警察維持に関する責任転移の  時期の特例に関する法律案衆議院  提出) ○地方財政平衡交付金法の一部を改正  する法律案内閣送付) ○昭和二十七年度分の地方財政平衡交  付金単位費用特例に関する法律  案(内閣送付)   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 只今から委員会開会いたします。  町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案につきまして、衆議院側から提案理由説明者として鈴木直人君が見えておりますから、これに関する説明を先ずお願いいたします。
  3. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 この只今委員長が言われたことに対する審議は結構ですが、それに引続いて地方税法の一部改正法律案に関しますることに対して関係当局質問いたしたいと思いますので、関係当局者をお呼び願つておきたいと思います。よろしうございますか。
  4. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 呼んでありますから、警察法只今質疑は多少あると思いますが、そのあとで御発言願いたいと思います。
  5. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 わかりました。
  6. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この前も私は念晴らし委員長にお尋ねしておいたと思うのですが、こういう法案理事会等でそれぞれ日程を組んでかけられると思われるので結構ですが、それと同様に陳情請願とか、或いは岩木さんのような、特に委員会として重要な問題であるということの調査質疑等も、これはまとめてどういうときにやるということを各委員了解の下にやれるようにして頂きたい。どういうことで御調査になるのかということが、議員一人々々が、自分の都合上聞いておかなくちやならないということで委員会で時間を取るということだけではいかんので、その時間を取る個人の問題でなくて、委員会全体の問題であるという立場で相互の連帯責任があるわけですから、こういう点はやはり事前に各会派と打合せておいて議事を進められるようにして頂ければ誠に快い感じがするわけでありまして、念のために申添えておきます。
  7. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 承知しました。
  8. 鈴木直人

    衆議院議員鈴木直人君) 今般提案いたしました町村警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律案提案理由並びに法案の概要を申上げます。  御承知通り、昨年の警察法の一部改正に伴いまして、警察を維持する町村は、住民投票によつて警察を維持しないことができることになつたのであります。  警察法第四十条の三第八項の規定によりますと、毎年十月三十一日までに警察を維持しないことに決定した旨の報告内閣総理大臣に対してなされたときは、翌年四月一日に警察維持責任転移が行われることとなるのであります。而して去る第十三回国会では、昨年十一月以後本年五月二十日までに警察を維持しないことと決定を見ましたものにつきましては、繰上げて六月一日に転移の行われる法案成立を見たのであります。然るところその後五月二十一日以後警察を維持しないことと決定し、その報告のありました町村全国で五十九に達し、その後も住民投票を行うことの議決のありました町村も若干ありますが、これらの町村のうち多数のものから国会宛請願又は陳情がなされ、警察を維持しないことに決定した以上は、警察法所定の期日まで待つことなく、繰上げて早期に責任転移を図り得るよう要望して来ているのであります。そこでこれらの町村希望します場合においては、責任転移の時期を繰上げることのできる途を設けることが適当と存じ提案いたしたわけであります。  次に法律案内容について申上げます。  本文の内容は、第十三回国会において成立しましたこの法案と同じ題名の法律に同様のものでありまして、昭和二十七年五月二十一日から十二月二十日までの間に警察法第四十条の三第六項の規定により、住民投票の結果警察を維持しないことに決定し、その旨内閣総理大臣報告のあつた町村のうちで、当該町村長がその議会の同意を得て、警察維持に関する責任転移の時期を繰上げたい旨を本年十二月二十日までに国家公安委員会を経て内閣総理大臣に申請し、十二月三十一日までにその承認を得たものについては、昭和二十八年一月一日に警察維持に関する責任転移が行われることとしたのであります。  次に附則でありますが、第一項においてこの法律の施行の日を公布の日からといたし、第二項においてすでに不要となりました昭和二十七年法律第百四十三号を廃止することといたしました。  以上がこの法律案提案理由及び説明であります。何とぞ御審議の程をお願いいたします。
  9. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 只今提案理由説明があつたわけでありますが、これに対しまして国警次長谷口寛君並びに総務部長柴田達夫君も見えておりますから、御質疑がありましたら御質疑を願います。
  10. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 質疑する前にちよつとお聞きしておきますが、本日はこれだけで時間を取つてよろしうございますか、又次回にこれは廻すのでございますか。
  11. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 大体お昼頃までこの問題を質疑いたしまして、その後先ほど岩木君から地方税問題の点も出ておりますし、その他政府側から平衡交付金関係法案提案理由説明したいという申入れもありますから、若干御質問願つておいて、又次回に残りをやつて頂きたい、かように思つております。
  12. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今提案理由の御説明がありましたが、その説明によつて内容としては警察を維持しないことに決定したものを時期を繰上げて実施を促進させようということですが、一般的には法としては、再び警察を維持しようとした場合も含んで、両者の場合に常にこういうことができるということが法としては正しい改正ではないかというふうに思われるのですが、維持しないことのほうだけを御親切に立法して行こうということは、この警察法の四十条の三の全体の法の構成からいつておかしいのじやないかというふうに考えられますが、この点御説明願つておきたいと思います。
  13. 鈴木直人

    衆議院議員鈴木直人君) 今回提案いたしました法律は、四十条の三の第八項の規定がすでに警察法に制定せられておりまして、そうしてその適用されるところの具体的な事例が起つて参りましたのでありますが、それをそのまま、この法の適用のままにしておきまするというと、来年の四月一日又は再来年の四月一日から転移が行われるようになつておるのでありますが、地元の投票をいたしました町村からは、衆議院に対しましては二十七件の請願陳情が参つておりまして、一たび住民投票をいたした以上は、その当時はその法によつて住民投票したのであるけれども、一たび住民投票してしまつてみるというと、成るたけ早くこれを国警に移管してもらいたいというような考え方住民に起つて参りまして、そうして議会において議決というものもできましたし、又住民の三分の一以上の直接選挙によつて、そういうもので起つたのでありますが、成るたけ早くやつてもらいたいという意向が訴えられて来ましたので、前例もあることでありますので、この特例法を制定いたした次第であります。  只今質問のことにつきましては、この法律の根本的の方面に触れるのでございまして、警察を維持しないことができるということだけを一方的に規定して、それとの逆のことを規定しないことは片手落じやないかというような、何しろ今回の特例法とは全然別個の警察法根本的改正に関する御意見のように承わつたわけでありますが、この点につきましては先般の国会においても、市の自治体の附近の町村において人口五千未満の町村がありました場合に、そういう町村自治体警察になりたいというような、国警から自治体警察になりたいというような意向住民投票によつて行われた場合にはそれが認められるというような規定も同時に制定されたように記憶いたしておるのでありまして、只今の御意見は両方とも認められておる、現在の警察法の四十条にある次第であります。
  14. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) ちよつと申上げますが、本多国務大臣が見えましたから、平衡交付金関係法案説明だけを本日は伺つておきたいと思います。提案理由説明だけを伺つておきたいと思いますが、差支えありませんか。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも私は議事扱いがおかしいと思う。だから私は念晴らしにあなたにはつきりその点は釘を打つて質問を展開したわけですが、ひよこひよこそういうふうに議事を、而も私たちなり、理事会なりで相談しないで、あなたがひよこひよことあつちへ持つてつたりこつちへ持つてつたりすることはいかんと思う。それは政府が出て来ようと出て来まいと、そんなことは我々委員の知つたことじやない。日程として組んで議事を進行しているのに政府都合がどうであるとかこうであるとか言つて、一々問題を移して行つてはいかんと思います。こんなことは……。
  16. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) ちよつと申上げますけれども、公報でも申上げてある通り提案理由を今日は一応説明だけを聞いておくということで本多国務大臣出席を求めておいたのであります。ですから提案理由だけ聞きまして、先ほどの警察法関係のほうを続行いたしますから……。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから私は日程を今日聞いたのです。そうしたら警察法をかけて、提案して質疑を許すというのだから、その質疑にはどれだけ時間が予定せられるか、そうすると午前中、そうしてその後には岩木君のこれを聞くのだ、ちやんと日程をきめておるのだから、こういうことが公報に載つていることは私自身も知つている。又そういうことが初めから日程にあつたら、そういう質疑なんかに入らんで、それぞれの提案理由説明をして、法案について聞くなら聞く、事前にはつきりしておいて頂きたい。こういうやり方は私は反対します。専門員専門員だ、こういうやり方をして何を調査しておるのか。
  18. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 私は平衡交付金問題も提案理由説明を聞くというふうに申上げたつもりでありましたが、若し失念したとすれば、これは私の誤りですから、本多国務大臣が見えておりますから、平衡交付金関係提案理由を、日程で申上げた通りこの際聞くことを御了承願いたいと思います。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 反対します。そんな議事扱いには反対だ。
  20. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 甚だ不慣れの点で、或いはあなたの御意思に副わなかつたかも知れませんが、先ほど御賛成のかたもおありのようですから、御了承願いたいと思います。
  21. 原虎一

    原虎一君 それは小笠原君が言つているのは、僕は運営上は正しいと思うのです。すでに議案上程して、質疑に入つた以上は、それを中途でやめて他の議案に移るということは、全員の十分なる了解を得ずしてやるということは困難を来たす。一体本多大臣が見えたからといつてすぐその説明を聞くべき筋合いのものではないので、大臣にも都合があれば委員会都合がありますから、大臣がそれほど急がれるならば、当初にお見えになつて、今上程なつ議案の前に先にやつてよろしい。あとからおいでになつて、それを質疑に入つているものを直ちにやめて説明を聞く、説明を聞くなどということは簡単ではあるかも知れませんけれども、そういう議事扱い方は間違いである。併しながら今委員長が取扱上不慣れであつたと言われている以上、我々もそれ以上をとやこういう考えはございません。一応このまま休憩で、大臣は一体都合がいいのですか、今言わなければ説明する時間がないのか、そういう点が全体了解いたしていないのです。又今日でなければならんのであるか、そういう点を一応懇談でスムースに運ぶほうがよろしいのではないか、一応このまま休憩の動議を提出いたします。
  22. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) じやちよつと休憩をいたします。    午前十一時十七分休憩    ——————————    午前十一時十九分開会
  23. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 休憩前に引続き開会いたします。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで重ねて質問いたしますが、この只今提案理由によりますと、全国の、警察を維持しないという住民投票をした町村からの請願が主たる動機として本法案になつて来たようでございますが、ここに書いてあります、全国で五十九の町村自治体警察廃止すると決定したということですが、その内容をお知らせ願つておきたい。それが順次時期的にはどういう件数でそういう決定全国的になされて来たか、その点も説明願つておきたいと思います。この資料でいいわけでしようか。
  25. 鈴木直人

    衆議院議員鈴木直人君) 別途に御参考のために資料を御配付申上げてあるのですが、そこに「五月二十一日以降住民投票を行い警察を維持しないことに決定した町村」という題目の下に、府県名をこれに書きまして、ずつと列挙してあるのでありますが、これは府県を北海道からずつと北のほうから書いたために、その町村は、必ずしも住民投票が行われた日にち順には列挙されておらないわけであります。併しながらこれを御覧になりまするというと、住民投票をいたしました日にちが書いてありまするので、これによりまして……。
  26. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこでこの表で見ますと、六月に廃止決定したのが一件、八月が大体四件ばかしで、あとは九月以降になつておるのですが、この町村陳情なり請願なりの場合に十分お聞き取りになつたろうと思いますが、この責任転移の時期の特例に関する法律十分承知の上でこういう決定をしておるのだろうと思いますが、そうしてなお決定をして、あと法のほうを直して早くしてくれということは、どうも私には聞き取れん点があるのですが、どういう事情を訴えて来ておるわけですか。その住民投票をやつた当時においては、来年の四月から責任転移されるのだということは覚悟の前で投票をしておつたのだろうと思います。そうしたものを今度は救済するために国の法を改正しましようということは、私どうも一般的な問題として扱う場合に聞き取れないのです。一々既成事実を、この頃の自由党さんのように既成事実を作つておいて、そうしてそれを法によつて促進させて行くというやり方は、私はどうも適当でないと思う。もう初めから住民投票をする場合に、国会願つてそうして責任転移の時期を繰上げてもらおう、こういうことも同時に討議されたものであれば別ですが、私はそうでないと思うのです。この点はどういう事情になつているかお伺いしたい。  それから第二点としましては、極端なのは十二月の二十五日住民投票に付する、まだ手続中だというのがあるわけですし、それから昨日住民投票に付しておるのが、岐阜県の妻木町ですか、こういうのがありますが、これらは今あなたのほうから出されておる特例に関する法律案上程を見越してこういう措置をこの自治体がやつておるのかどうか、この点を明らかにしておいて頂きたいと思う。私の聞いておることは余りに便宜主義になつて、法をたやすく一部の者の利益のために簡単に措置し扱うというようなきらいがないかという点について疑念があるので、こういうことをざつくばらんにお伺いしているわけなんで、この点を明らかにして頂きたい。
  27. 鈴木直人

    衆議院議員鈴木直人君) 只今の御質問は御尤もだと思いますが、第一点につきましては、これらの町村住民投票を行います場合には、恐らく現在の法律をよく知りまして、住民投票をするならば、来年の四月一日から国警に移管されるのであるということをよく認識の上に町村議会議決をし、住民投票が行われたものであると推察いたしておるのであります。併しながらその後になりまして、先ほど御説明申上げましたように、成るたけ早くできるならば国警に持つて行つてもらいたいという考え方を持つたものと見えまして、そういうような意味請願なり陳情が来ておつたわけでありますが、国家警察本部に打合せてみますというと、その分につきましては、予算的にも現在常時欠員がございまして、その補充等関係とも睨み合せましても、この一月、二月、三月分については新らしく予算を追加する必要なく、予算上も支障ないというお話でありましたし、又治安上もそうすることによつて却つて悪くはならないし、まあよくなると……、国警に移管されるというようなことに一たびなつてしまうというと、来年の四月一日からであつても、その間そこに勤めておる人たち警察官などがいろいろ思想的に動揺などもあり得るのでありまして、いつそのことできるならば早く国警に移管したほうが、そこに機構的にも落着いて、治安維持においてもよりよくなるようにも考えられるということでありましたので、この法案を、朝令暮改というようなお考えはあるでありましようが、併しながら全国に五十九ですか、又この二十日までになりますともつとだんだん少しずつは多くなるような印象を受けておるのでありまするが、そういうような町村が一斉に転移されるというようなことは、必ずしも現在自治体警察として残つておる数からみると少い数とも言えないものでありまするから、こういうような法案を出した次第であります。  次に第二の点でありますが、この法案内容の示すところは、一月一日に国警に移管したいという希望をその町村が持つたならば移管することができると、こういうことでありまして、若しその町村が来年の四月一日に切換えたいというならば、それでも勿論よいことでありますが、一月一日から国警に移管さしたいというような希望があるならば、その希望を適えてやることができるというような、まあいわば非常にどちらにも都合がよいように、住民考え方を満足させるような途を開いた特例に過ぎませんので、必ずしもこれは根本的に四月一日から移行するというものを全面的に修正したわけでもないのでありまするから、そういう意味においてこういうような法案を提出した次第であります。
  28. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この岐阜県の妻木町、香川県の琴平町、これは十二月の十四、十五にそれぞれ住民投票に付するわけですが、これはやはり十二月の二十日までに内閣総理大臣のほうに申請して来る動きがあるのかないのか、これは提案者でわからなかつたならば、国警本部のかたでもよいのですが、お伺いしたい。ということは、これも卒直に申上げますが、こういう法によつていろいろ措置するということが一つの誘引になつてどんどんこういうことが行われて、あと追つかけて来れば又法を改正して行くと、こういう行き方になるのでは、法の権威は全然ないわけなんです。そういう点から関連があるのでこの点をお伺いしておきたい。知つておるかたでよろしうございますからお伺いしたいし、又この十二月の二十五日に住民投票に付するようになつてつた町もあつたように思いましたが、それは当然来年のほうに、四月一日以後に廻るもの、こういうふうに了解しておいていいのか、又これが臨時の措置でどうにかしようということになつて来るのか、その点をお伺いしたいと思います。
  29. 鈴木直人

    衆議院議員鈴木直人君) 香川県の琴平町のことにつきましては、これは調査いたしてみますというと、琴平町の分は十月三十一日までに住民投票をいたしたいという考え方の下に町議会において進んでおつたようであります。ところがその町議会において賛否両論がありまして、採決いたしたところが、可否同数になりまして、そのときの議長採決になりまして、その議長住民投票に付することを否決する採決をしたのであります。その結果町議会といたしましては、住民投票に付するということが否決されたのでありましたが、その後町民の中から盛上る署名運動が起りまして、三分の一以上の住民投票をするところの直接請求警察法によつて行われまして、その結果直接請求成立いたして、住民投票が行われるということになつたために、警察法によるところの十月三十一日までには間に合わなかつたというような事情を聞いておるわけであります。従つて琴平町におきましては最初から十月三十一日までにやりたいということで考えられておつたというのでありますが、岐阜県につきましては、実はまお詳しいところの調査はいたしておらないのでありますが、この岐阜県の只今御指摘になりましたのは妻木町でありますが、昨日住民投票が行われまして、そうして国警報告がありまして、昨日の結果が只今住民投票成立をいたしたので、この五十九の中に入つておるわけであります。即ち五十九あるというのは本日現在でございまして、或いは明日、明後日、明明後日というふうにだんだんと恐らくこういうふうな住民投票が行われつつある、全国を通じてあると思うのでありますが、現在まだ自治体警察として残つておるのは百四十九程度がまだ残つておるようでありますが、これらの町村がどういうふうな動きをするか、実は調査をいたしておりませんが、この十二月二十日までの間において住民投票が行われて、そうして町村議会議決を経て国家公安委員会のほうに報告があり、そうしてそれが内閣総理大臣のほうに申請があつた件についてはこの法の適用を受けることになるのであります。これは御参考に申上げて却つて或いはどうかと思うのでありますが、まだ今後も十二月二十日までの間に住民投票が行われるのじやないかと思われるような町村も若干含まれておるということは、先ほど提案の御説明のときに申上げた通りでございます。
  30. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 小笠原議員さんの御質問の中で、国警側に対する分につきましては私からお答えいたします。岐阜県の妻木町が十二月十五日に住民投票をやつて廃止決定した、それから香川県の琴平町が十二月十四日住民投票を実施いたしまして廃止決定いたしたことにつきましては国警本部報告があつたのでございますが、御質疑がありましたような、これが十二月二十日までに繰上げ方を申請して来るかどうかという事実につきましては、我々といたしましては、全く町村意思によることでございまするので、国警側といたしましては積極的に何らの調査をいたしておりません。ただ私の想像といたしましては、若し法案が通過いたしますならば、恐らくは住民投票も終つたことでございまするから請求いたすだろうという、これは想像でございますが、積極的にその点を確かめてはおりません、以上でございます。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほど提案理由をお述べになり、或いは質疑の過程で明らかになつた点でありまするが、私たちとしては、地方町村財政自治体警察を維持するのに堪えないということが大きな理由でこういう警察を維持しないという決定がなされるように聞いておつたのですが、ところが又別な理由として、一旦自治体警察を来年から置かないぞときめたところが、この期間中警察官の士気が沈滞し、治安が確保できない、こういうようなことが一つ理由として挙げられておりまするが、そういう町村はどこであるのか、お伺いしたい。それから又そうだとすれば、我々国会議員としても不都合法律作つたわけでありまして、五月三十一日以降と議決があつた。それが翌年の四月一日から効力を発生するということをきめた場合においても、それらのことは十分我々としても想像もし、推考した上でこの法律作つたと思うのですが、それが議決のあつた責任転移の行われる期日までの間ぶらぶら、ぐらぐらぐらぐらする、そういうような自治体警察が出て来るような、そういう悪い法律作つたとはてんで思つていないのです。どういうところにそういうところがあるか、お伺いしたい。
  32. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) これは国警側からお答えする筋ではないかとも思いまするが、私はこの法案議員提案といたしまして衆議院に提出されまするに際しまして、この法案成立いたしました場合に、財政上の見通しができ得るかという点で政府側の所見を質されたのであります。その場合に我々といたしましては、一応次のような見解を持つたのでございます。即ち現在の警察法によりますれば、只今小笠原議員が御指摘になりました通り、毎年十月三十一日までに町村警察廃止決定いたしました場合において翌年の四月一日から原則的に国警に移管をさすようになつておりますが、この法律の条項を定めました主たる理由として我々の、仄聞いたしまする点は、国の予算編成上の必要から、一応年度の当初予算を組みまする場合において、大体前年度の十月三十一日ぐらいまでに見当のついたものを翌年の四月一日からの当初予算に組んで行くというような、主として予算上の必要からこのような規定が設けられたと仄聞をいたしておるのであります。先ほど来別の観点からいろいろ御説明がございまするように、一旦町村が、町村の自由なる意思といたしまして国家警察転移をいたしたいという意思決定いたしました以上は、その転移の時期という問題はおのずから技術的に定まる点が中心に相成ろうかと考えられまするので、その技術的な点を中心といたしまして予算編成上の必要から四月一日ということが定められたように仄聞いたしておるのであります。さようにいたしまするというと、今日の段階といたしましては、千数百ありました町村警察のうちで、すでに相当数が廃止せられまして、残存いたしておりますものが二百弱というような実情になり、今回廃止の決議をいたし或いはまさに決議をいたさんとして転移を予定いたしておりまする町村数が五十九乃至六十二ヵ町村、それも四月までの期間を考えれば僅か三ヵ月である、そういうようなときに何らかの財政上の措置がとり得まするならば、我々といたしましては責任転移の時期が繰上りましても運営の上では一応支障がないという意見を申述べたのであります。  その財政上の観点といたしましては、先ほど提案者の鈴木議員から御説明がありましたように、我々といたしましては極力警察定員の充実に努力をいたしておるのでありまするけれども、技術的な募集、訓練、配置の関係からいたしまして、止むを得ず出て参りまする若干の欠員要員があるのでございます。これはたくさんあることを好んでおりませんので、極力定員を埋めるように努力をいたしておりまするが、それにいたしましても相当数の警察官でありまするから、若干の欠員が出て参つておるのであります。それを十二月末現在で締めて見ますると、おおむねこの転移によつて必要といたしまする警察官並びに警察職員の俸給給与額をまあかつかつ賄い得る程度の積算ができまするので、その点から一応転移がいたされましても財政上の心配はまあまあなかろうという点を御返事申上げたような次第でございます。町村廃止決定いたしまする気持につきましては、先ほど鈴木議員がおつしやいました通りでありまして、或いは財政上の理由もありその他の理由もあろうかと、こういう御想像から或いは治安上の必要ということを申されたのではないか、かように私としては考えておる次第であります。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あえて鈴木議員の答弁は求めませんが、今も次長のお言葉の中に、未だ残存しておる町村警察はなんという表現がありましたがね、そういう考え方がこの自治体警察国警というものとの間の卒直な偽らない考え方であつて、そういうことが動機になつて次々と便宜的な法が出て来るということは、卒直に申上げて不快であるとまでは申上げませんけれども、快くない。それで念晴らしの御質問をして御迷惑をかけておるようなわけなんですがね。  国警のほうに今度はお伺いしますが、千名に余る警察吏員が、欠員を補充するという意味で今金はあるのだ、欠員がそれだけあるのだから間に合うのだ、そこを仮に了解したとして、来年はこの部分は定員増になるのでございますか、それとも現定員のままで国警としては行くのでございますか。
  34. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) お答え申上げます。この法案通りました場合におきましては、一応現在の欠員によつて生じておる財源によつて賄えるということを申上げましたのは、原則の建前は申すまでもなく、その必要のある場合に或いは補正予算を要求する、或いは当初から予定のつくことにつきましては当初予算の中に組入れるというのがこれが原則的な考えであるわけでありまするが、今回のこの法案との関連におきましては、時期的に補正予算の要求をなすことも技術的に困難な時期でございます。当初予算につきましてもすでに当初予算の査定が進行いたしておりまするような事情でございまするので、当面やり繰りができないかという点を考えて先ほど申述べたような措置を、若し通りました場合においては国警側としてはつけたい、かように考えておる次第であります。そうしてその転移法律的に決定いたしました場合においては、これは法の定めるところに従いまして、当然に国家地方警察の定員として附加せられることに相成つておりまするので、来年度の予算といたしましては当然に国警の定員の中に繰入れたものとして予算を編成いたす、かように相成る次第でございます。
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、十二月八日までに申請のあつたものをこれを許すということを十二月三十一日までにきめて、そうして一月下旬か二月の初旬に出て来る通常予算ではこの部分は予算化せられて附加せられた定員として出て来ると、こういうことでございますか。
  36. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 私の御説明が不十分だつたと思いまするが、責任転移法律規定によりましてきまりました場合において、今回の法案を例に取れば、通過をいたしまして、一月一日から編入せられるということになりました場合においては、その一月一日から法の定めるところによつて警察法の六十七条の三でございまするが、この根拠によりまして当然にその日から定員としては国家地方警察の定員に相成るのであります。ただ予算といたしましては……。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、今年のことはわかつておる。来年のこと。
  38. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 来年の問題につきましては、四月一日から来年度の予算を改めて来年度の追加予算として適当な時期にこれがきまりますれば要求して行く、かような考え方でございます。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでその点はもう技術的にそうせざるを得ないだろうと思うので意見はわかりました。  最後に、私ばかり時間を取つていて失礼ですからもうやめますが、お伺いしたいことは、これは斎藤国警長官にもお伺いしたことなんですが、一番最初に警察法による四十条の三を審議する場合に私問題にしたつもりだつたのですが、実情は必ずしもそうでないということを私知つておるので、念のために国警側の方針を聞いておきたいのですが、この四十条の三では「町村議会において警察を維持しないこと若しくは再び警察を維持することを住民投票に付することを議決したとき、」ということで、町村議会において警察を維持しないことを住民投票に付することを議決したとき、それから再び警察を維持することを住民投票に付することを議決したとき、この二種類が町村議会関係する問題だと思うのですが、その場合に、町村議会警察を維持しないことを住民投票に付することを議決したという場合には、この議会意思としては、町村警察は維持しないということを議決したということになりますか。そうでなくて、住民投票をやるということのほうが重要問題であつて町村議会警察を維持しないという意思決定したことはない、こういうようなことを言い得るのですか、この点を明らかにしておいて頂きたい。
  40. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) お答え申上げます。四十条の三の規定によりまして、只今小笠原委員の御指摘のように、法文では「町村議会において警察を維持しないこと若しくは再び警察を維持することを住民投票に付することを議決したとき、」という用語が書かれておるわけであります。町村におきまして警察を維持しないことを住民投票に付することを議決したという場合におきましては、その法律上の解釈といたしましては、御指摘の後段にありまするように、維持しないことを住民投票に付するという決議をやつたことに相成ろうかと、かように考えておるのであります。但しその議案提案いたしまする提案理由、その他の町村における議決が行われましたことを推測できる前後の経緯によりましては、当該の町村議会としては、警察廃止する意思を持つておる、但しそれだけでは現行の警察法といたしましては廃止の効果が生じませんので、必ず住民投票に付さなければならないという意味において、町村警察を維持しないことを住民投票に付する決定をやつておる、法律のそのままの効果としては、住民投票に付する議決をいたしたのでありますが、その議決の経緯において、町村議会そのものとしては廃止したい意思を持つておるということが想像される場合もあるというに過ぎない、かように考えておる次第であります。
  41. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうもこの点は地方の実情で見るとあいまいで、警察を維持しないことを住民投票に付することを議決したという町村議決は、我我から言えば、警察を維持しないという意思町村議会にあるのだというふうに素直に考えたいのですが、それを反駁せられると、我々には何ら意思はない、ただ住民投票に付するためにはこういう議決をしない限りはできないのだから、それで住民の直接の投票によつて賛否をきめてもらうための手続として町村はやつておるので、何ら内容はないものでございますと、こういうことをよく言われる。そういう内容のないものを住民投票に付するということが法の精神であつたかどうかということに、私は当時これを審議した場合のことを考えて疑念があるわけです。今の谷口さんの御答弁では、手続としてだけやる場合もあるのだという解釈のようですが、そうだとすると、あの法の審議の場合の考え方とは随分解釈が違うように思うわけなんです。それで確かに谷口さんの言われたようなことが国警の指導方針であつたということは、今初めて私も腑に落ちたのです。或る県の国警隊長は、指導して歩くのに、いや、この際全国的に住民投票が行われるというときなんだから、どうなるか、まあためしに住民投票だけはやるように、一つ町村議会のほうにやらせてもらいたい、こういうふうなことで、町村議会には何ら責任がない、廃止するとかしないとかいう責任はない、廃止するのかしないのか、住民意思を聞くということで投票をしてもらうだけなんだから、あなたたち町村議員には責任がないことなんだからおやりなさい、こういうようなことで、要するに警察を維持するかしないかを住民投票に付するという意味住民投票議決しておるわけであります、内容としては……。ところが法のほうは、警察を維持しないことを住民投票に付することを議決するというふうに、はつきり片面のほうだけを表現しておる建前から言えば、私は、谷口さんの解釈は一方的な解釈である。当時の審議の状況から言えば、これは警察を維持しないという町村意思を明らかにして住民投票に付するということでなければならない。そうでなくて、谷口さんのおつしやるようなことなら、警察を維持するかしないかを住民投票に付することをというように法はできておつていいわけです、手続だけであれば……。私は、手続だけでなくて、内容町村意思としてきまるものであるというふうに当時解釈して、斎藤長官と質疑をしたことがあつたわけですが、それが実際上の解釈は、何となしにそういう住民投票の機会さえ与えれば廃止の方向に行けるぞというようなことで、国警側意思としてそういつた指導をして来たように私は窺われる節があるので、念晴らしに伺つておるわけです。もう一遍はつきりこの点はしておいて頂きたい。
  42. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 警察を維持しないことを住民投票に付することを議決したとき、これの解釈といたしましては、先ほど申上げましたように、警察を維持しないことを住民投票にかけて聞いてみるという決議というのが、我々の持つておりまする法律解釈でございます。ただこの場合に、今御指摘になりましたように、それであれば、警察を維持することを住民投票にかけるというような表現でも、結論は同じということに相成るようにも考えられまするけれども、警察を維持して行きまするのは、自治体警察として、市町村警察として原則的な建前でありまするので、維持を継続いたしまする場合において住民投票に、更に継続するかどうかということをかける必要は毛頭ないのでありまするから、必ずその議決議案内容といたしましては、町村警察を維持しないことを住民投票にかける議決案という恰好で出て参る。但しそれは町村議会議決そのものが廃止意思をはつきり持つてつて、その意思を前提にして住民投票を拘束するというような性格のものではないという意味合いにおいて住民投票にかける議決という点が重点であるというように私は御説明を申上げたのであります。そのように解釈をいたしておるに過ぎませんので、御指摘のようにそれを一つの手がかりといたしまして、とにかく町村住民投票議案を出せばいいのだ、あとはどうなろうと町村議会責任ではないのだというような意味において指導をやる向きがありまするならば、この考え方を悪用しておるのでありまして、そのような指導はいたしていないつもりでございます。個々の場合にそういう事例があれば、この解釈の行き過ぎであろう。ただ法律の解釈といたしましては、廃止そのものを住民投票にかける、こういう気持じやなくて、維持しないことを住民投票に付するという議決である、かように考えておる次第でございます。
  43. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その点はまだ私は納得の行かない点があるのです。そんならばあなたのおつしやるように警察を更に維持して行くことをやる必要はないのだと、だから表現としては、警察を維持しないということなのだというのですが、それならば警察を維持しないということを住民投票にかけることも要らんのだ、町村議会としては、別に住民みずからの三分の一以上の賛成を得て住民投票をやる手続も許されておるのだから、町村に何ら意思がないものを、でたらめな時期にそれぞれ住民投票に付して行くということそれ自体が、警察法において自治体警察国警と両建になつている法の建前から言えばやつてはいけないことなのだ。あなたがおつしやる警察を維持するということをやることがおかしいのと同様に、警察を維持しないということを藪から棒に住民投票にかけて行くこともおかしい、そうでしよう。だから私はどうも谷口さんの意見だけには賛成できない。その点もう一度御答弁願いたい。
  44. 谷口寛

    政府委員谷口寛君) 現在自治体警察をその町村民の自由なる意思において廃止決定する手段と方法といたしましては、御指摘になりましたように住民の直接請求による方法と、この町村議会の発議によりまして住民投票議決せられて、その結果によつて住民投票が行われ、公正なる住民投票によつて廃止か存置かがきめられるという二つの方法が一応定められておるのであります。前段の直接請求の場合は問題でないわけでありまするが、後段の住民投票に付する議決という点につきましては、先ほども申上げましたように当該町村議会といたしましては、当該町村警察を維持しないことを内容とした住民投票に付する決議案というものを提案いたすのであります。従いましてその決議案のポイントは、住民投票に付する決議という点にポイントのある決議案が出るのであります。その結果住民投票が行われて行く、かように我々といたしては解釈をいたしておるのであります。その場合に町村議会意思として、維持しないことを意図するというような場合が提案理由説明、その他全体の議決に関連する雰囲気、状態から推定できるというような考え方は或いはあり得るかと思いまするけれども、廃止意思決定して、町村議会がその廃止意思決定を前提にして住民投票を行う決議と、かようには考えていないという点を申上げておく次第であります。
  45. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だからその点を論理的に突いて行けば、警察を維持するということを再確認する住民投票がおかしいと同じに、町村として何ら意思がないのにもかかわらず維持しないということを住民投票に付するという決議案を出して来るそれ自体もおかしい、それを議決することもおかしい、そういう意味から申せば、この法の解釈としては、警察を維持しないということを町村議会が一応きめて、意思としてきめて、そのことを住民投票に付するという意味合いでなければならんことであつて、それだけに厳重に二段かまえにこの自治団体の意思というものを確認することこそがこの警察法の前文にある、国民に属する警察権力を他に転移させるかどうかという重要な問題を議するのにふさわしい。そういう意味で我々としてはこの法を考え、当時考えたと思うのです。この点はどうしても解釈が食い違つておるので、私のほうも勉強しますが、あなたのほうも、自治警を廃止して国警に吸収して行くのだという手がかり的に解釈したというふうな疑念を抱かれないような公正な法解釈をやつてもらいたい、この点は国警のためにも私はうまくないと思われる点があるので、はつきりまあ申上げます。でその残存町村警察という意思がこういう法解釈になつて来るのであれば我々としては問題だ、こういうわけなので、卒直に申上げておきます。じやこれだけにしておきます。
  46. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) では警察関係質疑は次回に続行することにいたしまして、この程度にとめまして、本多国務大臣から、昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金単位費用特例に関する法律案提案理由の御説明を願います。
  47. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) 只今提案いたしておりまする昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金単位費用特例に関する法律案提案理由及び内容の概要について御説明申上げます。  各地方団体に対して交付すべき昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金の額の算定に用います単位費用につきましては、すでに地方財政平衡交付金法規定せられているところでありまして、これを用いて先般仮算定を行なつたのでありますが、只今審議願つております国の補正予算との関連におきまして、本年十一月から予定されております国家公務員の給与改訂に準ずる地方公務員の給与改訂に要する経費、本年十一月から発足いたしました市町村教育委員会の設置に要する経費等を基準財政需要額に算入するため単位費用を増額する必要があるのであります。  補正予算に計上されております地方財政平衡交付金の増額二百億円が決定いたしました暁は、この増額された単位費用を用いまして本年度分の地方財政平衡交付金の本算定を行うよういたしたいのであります。而して、来年度以降の地方財政平衡交付金に用いる単位費用改正につきましては、実施を予定されております義務教育費国庫負担制度、児童保護措置費国庫負担制度等との関係があり、来年度の国の予算の見透しを得てからにしたほうが適当と考えられますので、差し当りは昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金に用いる単位費用改正するにとどめたいのであります。従つて昭和二十七年度分の単位費用改正は、地方財政平衡交付金法の一部を改正する方法によらないで、昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金単位費用特例に関する単独法を設けることといたした次第であります。これがこの法律案を提出した理由であります。  次に内容の概要について御説明申上げます。  各地方団体に交付いたします地方財政平衡交付金は、その総額の九二%を普通交付金八%を特別交付金といたしております。普通交付金は、土木費、教育費等の各行政項目について定められた所要経費の測定単位ごとの単位費用に当該測定単位の数値を乗じて算定された財政需要額の合算額たる基準財政需要額が税目ごとの収入見込額の合算額たる基準財政収入額を超える額について交付することとし、特別交付金は、基準財政需要額の算定方法によつては捕捉されなかつた特別の財政需要があること、基準財政収入額のうちに著しく過大に算定された財政収入があること、普通交付金の額の算定期日後に生じた災害等のため特別の財政需要があり、又は財政収入の減少があること、その他特別の事情があることにより、基準財政需要額の算定過大、又は基準財政収入額の算定過少を考慮しても、なお普通交付金の額が財政需要に比して過少であると認められる地方団体に対して、当該事情を一考慮して交付することとしておりますことは御承知通りであります。この基準財政需要額の算定に用います各行政項目の測定単位ごとの単位費用は、行政項目ごとに標準的な条件を備えた団体又は施設を想定し、これらの団体又は施設に配置せらるべき職員の数、備えらるべき器具の種類等から算出された当該行政項目について必要な経費のうち、地方税又は地方財政平衡交付金で賄われるべき額を当該団体、又は施設の経費測定の単位と定められたものの数値で除して決定されたものであります。給与改訂が行われます場合には、これらの団体又は施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は増加いたしますので、これらの団体又は施設において当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる単位費用はそれだけ増加するわけであります。単位費用の基礎をなしている給与費につきましては、国家公務員について行われようとしている給与改訂の例に準じ、給与改訂が行われるものとして単位費用の改訂を行いました結果、単位費用の殆んど全部を改正することになつたのであります。併しながら道府県分、市町村分とも橋梁費、港湾費、「社会福祉費のうち被生活保護者数を測定単位とするもの、」戦災復興費及び公債費のそれぞれの単位費用は、国家公務員の給与改訂の結果直ちに経費の増加を来すものではありませんので、現行の額をそのまま据え置くことといたしております。  又、本年十一月から設置されました市町村教育委員会に要する経費につきましては、市町村分の「その他の教育費」に、又これが十月に行われました選挙に要する経費につきましては、市町村分の「その他の諸費」にすでに申上げました単位費用決定の例に準じ算入いたすこととしたのであります。  なお、今回改正しようとしております単位費用によつて算定いたしますと、地方財政平衡交付金の交付を受けております地方団体の基準財政需要額の全国の増加見込額は、道府県分にあつては百二十一億四百万円、市町村分にあつては六十三億三千二百万円、合計百八十四億円余となる見込であります。而して普通交付金の増加額は、今回予定されております地方財政平衡交付金の増加額二百億円の九十二%に当る百八十四億円でありますので、給与改訂等に伴うこれらの基準財政需要額の増加額は、今回増額されようとしております地方財政平衡交付金の額を以て充足できるものと考えているのであります。  なお、住民登録法の施行に伴い、これが所要経費を基準財政需要額に算入するため、先に地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案を提出いたしたのでありますが、これが関係部分もこの法律案に織り込むことといたしました結果、不要となりましたので、先に提出した法律案は撤回することとした次第であります。  幸いに本法律案成立の上は、可及的速かに各地方団体につきまして地方財政平衡交付金の額の算定を行い、来年一月中には決定し、地方団体の財政運営に支障のないよういたしたい所存でありますので、何とぞ愼重御審議の上速かに可決されんことをお願いいたす次第であります。  それでは引続いて只今提出いたしました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及び内容の概要を御説明申上げます。  地方財政平衡交付金制度の運営は、不断の研究と改善によりまして、着々地方団体の財源均衡化と地方行政の水準の向上にその実を挙げているのでありまして、先に基準財政需要額の算定に用います単位費用地方財政平衡交付金法規定いたしますと共に、近い将来におきましては測定単位の数値、補正係数及び基準財政収入額の算定方法も法定いたしたいと考えております。これらはいずれも十分な研究調査を続けまして、結論を得た上で逐次法定いたすべきものであることは申上げるまでもありませんが、差当り本年度分の単位費用改正を機会に、各地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える額、即ち財源不足額の総額が普通交付金の総額を超える場合の措置について改善を加えたいのであります。即ち現在普通交付金の総額は、各地方団体の財源不足額に按分して算定いたしておりますが、その結果は税収入が少いため、財源不足額の多い地方団体が却つて多く減額交付されるということになり、地方財政平衡交付金制度の本旨とする均衡化の精神にもとることとなつているのであります。そこでこの財源不足額の全国の合算額が、普通交付金の総額を超える場合におきましては、当該超過額だけを一律に各地方団体の基準財政需要額から減額し、この減額した基準財政需要額から基準財政収入額を控除した額を以つて当該地方団体に対し交付すべき普通交付金の額とすることに改正いたしたいのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。  次にその内容の概要について御説明申上げます。  現在の普通交付金の算定方法は、先ほど申上げました通り、基準財政需要額が基準財政収入額を超える額、即ち財源不足額に普通交付金の総額を按分して算定しているため、按分の結果、減じます額は、財源として確保せられるべき基準財政需要額の多寡に比例するものではなく、税収入が少いため、財源不足額が基準財政需要額に比して比較的に多額となる団体が却つて多く減ぜられるという結果になつているのであります。  もとより各地方団体について算定されました財源不足額の総額が、普通交付金の総額に合致するのであれば、何ら、不合理は生じないのでありますが、予算に計上すべき地方財政平衡交交金の額を決定いたします時期が各地方団体に交付すべき交付金の額を決定いたします時期よりも早い等の関係もあり、若干の差を生じますことは毎年の例となつておりまして、按分率は大体九十七、八%を往来して参りました。  このような現状にありますのと、又各地方団体に財源として保障せられるべき額は、基準財政需要額として算定せられた額であり、この額を保障すべき財源として基準財政収入額として算定せられた額であり、この額を保障すべき財源として基準財政収入額として算定せられた地方税も、地方財政平衡交付金と同等のものと見るべきでもありますので、普通交付金の総額が各地方団体について算定せられた財源不足額の総額に充たないときは、その不足額は、各地方団体の財源不足額のみにしわ寄せしないで、それだけは各地方団体に保障せられるべき財源の額と見るべき基準財政需要額を比例的に圧縮すべきであると考えるのであります。この圧縮せられた基準財政需要額から基準財政収入額を控除した額を以てその団体に交付すべき地方財政平衡交付金の額とすれば、各地方団体の財源は基準財政収入額と地方財政平衡交付金とを以て、それぞれの地方団体について保障せられるべき財源相当額に比例して保障せられることとなり、地方財政平衡交付金制度の本旨といたします均衡化の精神にも合致することとなるのであります。  この趣旨を以ちまして、各地方団体について算定せられました財源不足額の合算額が普通交付金の総額を超える場合は、当該超過額を各地方団体の基準財政需要額に按分いたしまして、この按分いたしました額を当該地方団体の財源不足額から控除した額を以てその地方団体に交付すべき普通交付金の額にいたしたいのであります。  併しながら基準財政需要額が基準財政収入額を超える地方団体でありましても、基準財政需要額に比して基準財政収入額が大きな割合を占めている地方団体におきましては、基準財政需要額から減額される額が財源不足額より却つて多額となり、その結果普通交付金が交付されないという事例も若干生じますことは止むを得ないところと考えておりす。  従いまして、交付金総額の九二%と法定せられました普通交付金の総額が、各地方団体について算定せられました普通交付金の額の合算額を超える場合は、当該超過額は当該年度の特別交付金の総額に算入することとする半面、法定せられました普通交付金の総額が各地方団体について算定せられました普通交付金の額の合算額に不足する場合におきましては、当該不足額は特別交付金の総額の一部を以てこれに当てることとして所要の規定を設けたいのであります。  以上が内容の概要でありますが、本改正は別途提出しております法律案規定せられました単位費用により国の補正予算成立を待つて行われる予定の本年度分の地方財政平衡交付金の額の算定から適用いたしたい所存であります。  何とぞ愼重御審議の上速かに可決されんことをお願いいたす次第であります。
  48. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 只今大臣から提案理由説明がありました二案につきましては次回に質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  49. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 異議がなければ、次に先ほど岩木委員並びに石村委員から地方税に関する質疑をしたいというお申出がありましたが、時間の関係上続行してよろしいですか、それとも一応休憩して午後に廻しましようか。
  50. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 時間もたつていることでありますので、極めて早い時間に次の委員会を開催して頂くことを条件として質問を延期してもよろしうございますか。
  51. 石村幸作

    ○石村幸作君 午後続行しますか、これで打切つて今日は……。
  52. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) どうしましようかね、今日は……、ちよつと速記をとめて
  53. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 速記を始めて、資料の要求のあるかたはどうぞお申出願います。
  54. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 自治庁にお願いいたしますが、只今頂きました各地方団体に交付すべき普通交付金の額の算定方法の改正に関する試算表というやつの基準財政収入額ですね、この都道府県別の、そして昨年比との関係一つこれをお願いいたします。基準財政収入額の各府県別の内訳です。
  55. 油井賢太郎

    委員長油井賢太郎君) 自治庁のほうよろしうございますね。それでは次回に一つお願いいたします。  ほかに資料の要求がなければ、本日はこれを以て散会いたします。    午後零時二十八分散会