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1953-03-09 第15回国会 参議院 大蔵委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月九日(月曜日)    午前十一時二十二分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            大矢半次郎君            木内 四郎君            伊藤 保平君    委員            黒田 英雄君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            小林 政夫君            小宮山常吉君            杉山 昌作君            森 八三一君            野溝  勝君            波多野 鼎君            松永 義雄君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君   政府委員    大蔵政務次官  愛知 揆一君    日本専売公社監    理官      今泉 兼寛君    大蔵省主計局法    規課長     白石 正雄君    大蔵省主税局長 渡辺喜久造君    大蔵省主税局税    制第一課長   泉 美之松君    大蔵省主税局税    制第二課長   塩崎  潤君    大蔵省理財局長 石田  正君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    通商産業省軽工    業局アルコール    第二課長    渡辺 五六君    日本専売公社総    務部長     小川 潤一君    日本専売公社塩    脳部塩業課長  大谷  浩君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○アルコール専売事業特別会計法の一  部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○製塩施設法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○製造たばこの定価の決定又は改正に  関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○相続税法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○有価証券取引税法案内閣送付) ○特別減税国債法案内閣送付) ○資産再評価法の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○産業投資特別会計法案内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 中川以良

    委員長中川以良君) それではこれより委員会を開きます。  先ず最初にアルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、先ず内容説明を聴取いたします。
  3. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) アルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案につきまして御説明を申上げます。  アルコールに関する試験及び研究につきましては、今日までアルコール専売事業特別会計においてしておつたのでありまするが、これに関する指導所管工業技術院指導課になつておるということと、更にアルコールに関しまする試験研究を総合的な見地から実施したいと、こういう二つの見地から今回一般会計のほうに移しまして試験研究を実施するということにしようという目的のためにこの改正を行うわけであります。これに関連いたしましてアルコール試験研究に今まで供せられておりました発酵研究所に属する国有財産は、この際一般会計にこれを移す必要がありまするので、これを無償で所属を移すということにしようとするものであります。更にアルコール専売事業特別会計におきましては財産が減少いたしますというと、それだけのものを財産払下げまして、そうして固定資本が減少いたしますと、その分だけが一般会計納付金として納めしめると、こういうことになつておりまするので、今回無償財産一般会計に移管するということに関しましては、この益金納付の問題が起らないように所要の改正をしようとしておるわけであります。  以上がこの法律案内容であります。
  4. 中川以良

    委員長中川以良君) 本案につきまして質疑を行います。質疑通告者がございます。木村君。
  5. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 直接この法律案自体の問題じやないのですが、二十八年度において益金の還元の問題ですが、一応納付金として納めるが、そのうち予定の額を超えたものについては、一部又特別会計報奨金のような形でこれをアルコール専売特別会計へ与えるという規定があるわけですね。二十八年度においては、それはどのくらいの金額になるのか、その点お伺いしたいのです。
  6. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) ちよつと御質問の意味が実は了解できなかつたのでありますが……。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 納付する場合ですね。益金予定の額を超えた場合には、特別会計のほうへ一部報奨の形で、これを還元するという規定でもあるのじやないのですか。
  8. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 特別会計予算総則の八条あたりに載つておる問題でございますか。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その条文は僕はわからんですけれども……。
  10. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) 現在の会計法にはそういう規定は私承知いたしておりませんですが……。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併し制度としてはあるのじやないのですか。それはよく調べてあれして下さい。益金一定の額を超えた場合には報奨というような形で特別会計へ還元する、そういうあれがあるはずだと思うのです。
  12. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) ちよつとそういう制度を今のところ承知しておりませんのですが……。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはよく調べてみて下さい。それはあるはずです。報奨的な形で一定の額を超えた場合には、アルコール専売特別会計へそれを与える、こういうあれがあるはずです。  それからその次にお伺いしたいのは、アルコール専売廃止する方針行つておるようでありますが、それでだんだんにアルコール工場を今払下げつつある。それで政府アルコール専売制度に関する方針は、今どういう方針で行くか。それから二十八年度にはどういう工場払下げ予定になつておるか。又どういうところに払下げようとしておるか。この点について……。
  14. 渡辺五六

    説明員渡辺五六君) アルコール専売法を今後廃止するかどうかという問題でありますが、政府委員から答弁して頂くのが妥当かと思いますが、一応所管している課長としましては、現在事務的にはアルコール専売法廃止については何ら考えておりません。  それから工場払下げの点につきましては、来年度二工場払下げるという方針予算を組んだのでありまして、来年度二工場払下げをするということになると思いますが、その払下げ方針については、まだ未決定の模様であります。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはあとで資料として要求したいのですが、これまでアルコール工場をどの程度払下げしたか。又どこに払下げしたか。これらを資料として頂きたいのですが、大体今まで一部北海道にも払下げしたと、それから昨年も又これは宝焼酎ですか、払下げておりますね。それで現在たしか九工場あると思いますが、このうち二工場を二十八年度に払下げる。そうなると七工場くらいになる。それでだんだんこの、官営アルコール工場がなくなつて来るわけですが、この際政府はこのアルコール専売制度廃止していいのかどうか。これまでの払下実績に徴して再検討されたかどうか。果してそれがアルコール専売制度廃止するのがいいかどうかということについての結論を出されたのかどうか。私が一応そういう関係者から事情を聞いたところによれば、相当問題がある。で、これから急速にどんどん払下げて、専売制度がなくなるということになると、相当いろいろな点において大きな問題があるのでありまして、この際、真剣に又再検討して考え直さなければならん段階に来ておると思う。そういう点について検討されましたかどうか、伺いたいと思います。
  16. 渡辺五六

    説明員渡辺五六君) 事務的には現在アルコール専売法廃止した場合に、どういうような影響があるかということを検討したことはありますが、正式にそれを通産省の幹部としまして検討機会を得ていることは、私まだ聞いておりませんでした。事務的にはいろいろ検討はしおります。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その検討されたとしたら、その検討された結果を一つ資料でもいいですから、ここへ一つ可否について、廃止した場合にはこういう弊害がある、存続した場合にはこういう有利な点がある、その点を伺いたいのです。これに対して大蔵省がどういうふうにお考えになつておりますか。アルコール専売制度廃止した場合については、いろいろな税法上及び税収相当いろいろな関係があるわけです、影響が。で、そういう観点から、大蔵省はもう大分払下げて来たのですから、ここで私はやはり大蔵省としても、酒税関係その他から相当いろいろあるのですから再検討されたのかどうか、大蔵省はどういうふうにお考えですか。
  18. 白石正雄

    政府委員白石正雄君) アルコール専売事業廃止につきましては、検討は進めつつありまするが、まだ只今のところは、従来の方針で一応進んでおるわけでございまして、廃止というような結論にはまだ達しておりません。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併し実際問題として工場をどんどん払下げているのですよ。二十八年度は払下が、六つくらい払下げることになつて、段々少くなつて来るのですが、ここでまだ廃止するかしないかあいまいだなんて、そんな段階ではないと思うのですよ。方針はつ書きめないで、それでどんどん払下げるという法はないと思うのです。而ももうこれまで払下を四工場くらいやつて来ましたが、その結果として、どういう状態が現われたか、専売制度廃止したらいいか悪いかについての、一つの実際的な例が出て来ているのですから、実例がね。四工場払下げて、それで官営のほうがいいのか、民営のほうがいいのか、原単位計算をして見て、どつちが能率が上る。それから一般消費者に対して、或いは一般日本化学工業方面に、アルコールを使うその他の工業について、どつちがいいのか、この利害得失をもうはつきり実績が出て来ているのですから、再検討して、そうして大蔵省観点から、いわゆる税収関係から、或いは又産業関係から、アルコール専売制度は果して廃止するかしないかを、ここら辺ではつきりさせなければならん段階に来ている。あいまいなどつちにしたらいいのかどうかというて、ずるずるに払下をする。そういうようなことは政策としてやるべきじやないと、こう思うのです。それで今まで検討されたなら、された段階、今までの段階でいいのですから、その研究の結果をここで説明して頂きたいと思います。
  20. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) アルコール専売の問題については、御承知のように、現在通産省所管になつておりますが、これはむしろ今木村委員指摘通り財政当局としての問題も非常にありますけれども、第一次的には通産省所管でありますから、そのほうからお答えをいたしたほうが適当かと考えておりますが、今のお説のことは一々御尤もでございまして、従来の考え方としては、大体廃止の方向に進んで、従つて払下げということを考えて来たと、これが過去における実情だと思います。併し最近における払下後の状況等に鑑みて、ここで再検討する必要があるのではなかろうかということは、もう御指摘通りでございます。これは今すぐここで実は準備して参りませんでしたから、不正確なことを申上げても如何かと思いますが、今御要求のような点は、資料及び説明によつて後刻お話をいたしたいと考えております。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあ愛知君から非常にまじめな率直な御答弁がありましたので、私は一応その御答弁で了承いたします。とにかくこれは非常な今研究しなければならない段階に来ていると思います。特に税制方面について、殊に大蔵省関係相当大きな関連があるのでありまして、多少じやないのです。相当関係がありますのでございます。これはもう恐らく検討されたと思いますが、戻税関係でも重大な関係が起つて参ります。そこで私はここで専売制度を廃しますと、これまでの払下げを実施した実績から申しまして、原単位関係からいつても、著しく不利である。民営にしたほうが不利であるということが相当わかつて参りましたので、私は今後は払下げ方針をやめるべきである。そうしてやはり官営工場において、これを行うべきである。こういうような観点に立つておるわけです。そこで私のほうでも一応資料がございますが、これは通産省のほうから資料として、官営工場アルコールを作つた場合の原単位計算、それが生甘藷原料とした場合、先ず、一キロリットル、アルコールを作る場合に生甘藷官営ではどのくらい使うか。それから民営ではどのくらい使うか。それから石炭に関する一キロリットルの原単位ですね。官営では一キロリットルのアルコールを作る場合には何トン使うか。民営では何トン使うか。それから労務原単位も同じですね。キロリットル作る場合に官営ではどのくらいの人を使うか。民営ではどのくらいの人を使うか。それから労務費についても同じですね、原単位。それから生甘藷の単価、官営ではどのくらいで生甘藷を買つているか。官営で買う場合はどのくらいか。一キロリットル作る場合の甘藷をどのくらいの値段官営では買つているか。それから民営ではどのくらい。それから糖密原料の場合についても、原料、それから石炭労務労務というのは人数とそれから労務費と両方ですね。これについて昭和二十五年、六年、七年くらいまでおわかりになつたら資料を御提出願いたい。それから先ほど通産省でもいろいろ検討されておるようでありますから、アルコール専売制度廃止した場合に、いろいろな産業に及ぼす影響、殊に通産省関係では、例えば塗料とかセルロイド、医薬品、有機合成化学、エーテル、それから化成品、そういう重要化学工業に及ぼす影響専売制度廃止しますと、私は非常な独占価格が出て来ると思うのです。そういう意味で非常に今のアルコール価格は、一般価格特別価格がございますが、その特別価格も高くならざるを得なくなつて来る。そうして重要産業に悪い影響を持つて来る、こう思うのです。そういう意味も含めて、専売制度廃止した場合に、アルコールのいわゆる今の特別価格というものが非常に安く政府は税金をよけた価格で重要なそういう産業に供給しておるのですから、専売制度がなくなつた場合に、民間に全部やらした場合、そういう特別価格という今みたいな安い値段で売れないのじやないか、独占価格が出て来るから……。そういう点までも検討されて、影響というものも一応資料としてお出し願いたいのであります。  それから大蔵省関係におきましても、専売制度をやめた場合についての影響を、これも資料としてで結構です。併し今後の研究問題として重大ですから、今ここで即決する必要はありませんが、御調査して検討されて出して頂きたい。  それから更に通産省関係で、専売制度廃止した場合の農村に及ぼす影響も含めて御報告願いたいのです。それからさつき申しましたが専売制度廃止すれば、アルゴール値段は高くなるか安くなるかということもお願いします。  それから大蔵省につきましては戻税制度がどうなるか、そういう点が一つ。それから専売制度廃止すると、戻税制度にしない場合は酒税の減少が起こると思うのです。ですからどうしても戻税制度にせざるを得ないと思うのですが、そういう影響もあると思うのです。それでその酒税との関係専売廃止に伴う酒税との関係、そういう点について、資料としてで結構ですが、よく検討されて提出されて頂きたい。それで結論として、大蔵省としては実際アルコール専売制度を今後存続すべきか、或いは廃止すべきかについての意見も併せてお願いしたい。これは私は非常に重要なる段階に来ておると思う。どんどん払下げて、二十八年度に二工場払下げておるのですが、そうしますと、七工場になつてしまうのですね。それではこれを続けると言つたつて、又若しかアルコール専売制度をこれから積極的に仮りにやつて行くとすれば、又売渡したものを買戻すか、或いは新設しなければならんということも出て来る。今丁度何とかはつきりきめなければならない段階に来ておる。こう思いますので、そういう御調査検討をお願いしたいのです。
  22. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
  23. 渡辺五六

    説明員渡辺五六君) ちよつと私専売制度について私見といいますか、課長としての意見を申上げておきたいと思います。  アルコール専売法によりますと、アルコール専売はいわゆる製造専売販売専売ということになつておると思うのですが、我々事務当局検討したことは、販売制度につきましてはアルコール価格維持供給確保という産業育成見地から言いまして、ここ当分の間存続すべきものとこう思います。ただ製造専売につきましては、これは専売法の生立ちが、ああいう国営工場を原則として、その不足を民間委託工場或いは特殊工場の生産によつてつて行く、こういう建前になつておりますので、製造国営工場払下げの問題と、専売法の将来の問題というものは一応別個の観点から考えられるのじやないか、こういうように考えるのであります。今の御要求になりました資料についてちよつとお尋ねしたいと思いますが、官営工場民営工場原単位の、原価計算の比較でありますが、これは労働の原価計算構成要素はそれぞれまちまちでありますし、又原料買付等につきましては、その産地の状況が各工場によつてばらばらになつておりまして、正確な原価計算というものはなかなか出にくい思うのですが、今まで私のほうで作つていた資料を一応とりまとめて御提出したい、こう思つております。それから専売法廃止した場合の農村に及ぼす影響、或いは価格に及ぼす影響、こういうものは相当具体的な結論を要するものでしようが、或る程度抽象的なもので結構でございましようか。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはもう具体的な面じやないか。抽象論段階を過ぎておると思う。これはもうはつきりわかつて来ると思うのです。例えば今アルコール会社が同社あるか、ありますね。そういうところで、丁度私は牛乳なんかと同じ形が出て来ると思う。独占になつて来て、今の甘藷の買上げでは、大体政府一定価格をきめますと、民間でも右へならえで、政府のあれがなくなると、その独占会社がその価格をきめますと相当高くなると思うのであります。殊に農村が遠隔の地に耕している甘藷なんか、供給過剰になつて非常に困つていると思うのです。そういう点まで触れて具体的に報告してくれませんか。抽象論では困るのです。  それから只今丁度お話ありましたから、販売専売ですね。販売専売だけの場合、この利害得失もやはり御調査を願いたい。それは只今お話ありましたが、大体販売専売で行く、官営工場はなくして行つても、販売専売でやる、こういう方針のように通産省考えておる。これは通産省よく再検討されるように言つて下さい。それは販売専売では値段がどうしても高くなります。それは現在国税庁が酒類業者原料価格を抑えられないのです。やつぱりそれと同じようなことが出て来るのです。これはもうよくわかつている。そういう点やはり販売専売には欠陥があるのです。  それからアルコール需給のバランスが崩れて来ます。この点も官営工場があれば、他の業者が作らなくてもやつて行けるけれども、官営直営工場がない場合、原料入手難の時期には、非常に需給のアンバランスが出て来る。ですからこれは今のお話を聞きますと、販売専売で行くようなお話ですが、やはりもつと慎重に、その販売専売だけの結果というのは、どういう弊害があるだろうかということも、併せて十分検討されなければならない。これはやはり通産省側だけでは問題はきまりません。これは大蔵省側ともよく通産省としては相談されて、それでやはり大所高所から日本の今後の化学工業に及げす影響とか、酒税に及ぼす影響とか、そういうものを総合的にこれはよく検討されなければならないと思うのです。丁度そういう時期に来ているのです。今中途半端になりかかつている時期ですから、丁度いい機会ですから、十分よく検討されて、場合によつたら、省議でも開いて一つ検討をして頂き、それでその結果を報告して頂きたい。
  25. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止
  26. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて下さい。  ほかに御質疑ございませんか。別に御発言もないようでございますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛成を明らかにしてお述べを頂きます。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 簡単に申します。この法律案には賛成いたします。但しアルコール専売事業そのものについては、先ほど申述べましたように再検討する時期にございますので、十分政府ではこの点を慎重に考えられたいということを条件といたしまして賛成いたします。
  29. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御発言もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。アルコール専売事業特別会計法の一部を改正する法律案を、原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  31. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつて、本委員会における質疑討論、表決の要旨を報告することにして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それから、本院規則第七十二条により、委員長議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     大矢半次郎  堀木 鎌三     西川甚五郎  小宮山常吉     伊藤 保平  小林 政夫     黒田 英雄  杉山 昌作     木内 四郎  松永義雄     木村禧八郎   ―――――――――――――
  33. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に製塩施設法の一部を改正する法律案につきまして質疑を行います。
  34. 小林政夫

    小林政夫君 この法案とは直接関係はないわけでありますが、製塩施設関係で、一応災害復旧及び改良工事については、こういう処置がとられるわけですが、最近の瀬戸内海方面状況を見ると、だんだんその海岸線が沖一行つて、例えば従来の塩田農地にする。埋立地を以て塩田に替えるというような状況が発生いたしておるわけです。その際には相当従来の塩田廃止して、新らしく埋立てた所へ施設をするという場合には相当の経費がかかる。そういうことについて塩の増産というような点から考えれば、かなり国家的な助成を考えてやらなければならんと思うのですが、そういう点についての見解は如何でしようか。
  35. 大谷浩

    説明員大谷浩君) お尋ねの点につきましては、農地関係及び製塩工業との関係で、塩田の所が相当他のほうに転用されなければならないような状況が間々あるように思います。一応現在の法律補塩施設法建前では、こういつた場合に一応現状の維持考えまして、通例の場合は、専売公社の許可を得なければならないという体制にしてあるのでありますが、場合によつてはやはり新規塩田考えて、従来の塩田を他のほうに転用させることを承諾しなければならないという所も相当あるかと思うのであります。新規塩田につき場ましては、現在の法制建前では、一応製塩施設法によりまして、塩田堤防に対しまして五割の補助考えておるわけであります。そうして中味の部分につきましてはいろいろの取扱い方がありますが、入川の浚渫とか、用排水施設につきましては、やはり四割の補助考えております。現在の法制建前では大体それくらいの程度のことしかやれない。ただ残りの部分につきまして、農業資金の融通が考えられるのでありまして、資金さえあれば十五カ年間の年賦によりまして、相当施設ができる建前になつております。
  36. 小林政夫

    小林政夫君 そういうことがあるということは私も承知いたしておりますが、金をたとえ低利にしても、農林漁業資金融通公庫等の金であれば、要するに借銭であることは間違いない。一応埋立等で従来の塩田へ潮を引いて来るというようなことでは相当距離も遠いし、或いは一歩どまりの点から考えても、かなり採算的に困難である。又諸般の事情から考えて、海岸線が沖へ出るということであれば、塩田も前進して行くということは当然だと思います。それに対してこの復旧、或いは大体原形復旧的な意味の改良については、この助成をしても、更に大体においてそういう内容は新らしい塩田を作るということにはなるけれども、今まで作つておつた所が前進するのであつて、実態的には復旧というか、改良というか、置き替えるというようなことになるんだから、この施設法と同様の精神で、もつと積極的な助成をしなければならないんじやないか。勿論塩が減産してもいいというならともかくとして、国としても相当の計画を以て増産を期待しているわけですから、この程度のことでは生ぬるいということを私は言うわけです。その点について政務次官の御見解は如何ですか。
  37. 愛知揆一

    政府委員愛知揆一君) 実は私は塩のことは余りよく知らないので、常識的な御答弁に過ぎるかと思いますのですが、小林委員の言われるような事情であるとすれば、やはりこれは政策的に取上げなければならんじやないかと思います。よく調べましてお答え申上げたいと思います。
  38. 中川以良

    委員長中川以良君) ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  39. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて。  別に御発言もないようでございますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  41. 小林政夫

    小林政夫君 私は本案には賛成でありますが、先ほどの質疑の際においても見解を一応表明いたしておきましたが、この程度の助成では国の所期しておる国内塩の増産については不十分である。従つて只今質疑の際に申したように、海岸線の変更等によつて、従来よりも沖合へ埋立等をやつて塩田をそちらのほうに移行して行かなければならんというような場合には、もつと積極的な助成を考えられるような方途を政府において速やかに講ずるべく要望を附して賛成をいたします。
  42. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 中川以良

    委員長中川以良君) それではこれより採決に入ります。製塩施設法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  44. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお諸般の手続は前例により、委員長に御一任を願いたいと思いまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それでは多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     小宮山常吉  伊藤 保平     松永 義雄  西川甚五郎     杉山 昌作  大矢半次郎     木内 四郎  小林 政夫     黒田 英雄   ―――――――――――――
  46. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行います。
  47. 小林政夫

    小林政夫君 私がこの前要求しておる資料等について慎重検討の結果、答弁があるはずであります。
  48. 中川以良

    委員長中川以良君) 先ず政府側から先般の小林委員の御質問に対しまして、資料に基いて御答弁をお願いいたします。
  49. 今泉兼寛

    政府委員(今泉兼寛君) 今日特別に資料として紙に書いたものは持つて来ておりませんけれども、この前御質疑の趣旨もございましたし、帰りましてそれぞれ関係者と討議いたしまして、今日御質問に答えられる程度の準備はいたしておりますので、その点で御質疑頂ければ、専売公社のほうから総務部長も、原価計算関係をやつております審査部長も出ておりますので、御答弁申上げます。
  50. 小林政夫

    小林政夫君 質疑と言つても、先だつて何したように、実際の一体原価というものはどうなつておるのかということなんです。従つて資料として提出されないということでは困るので、はつきり各品目について、こういうふうな原価になつておるという確信のある資料を出してもらいたい。而もその出される資料は遅れてもよろしうございますが、その資料はあなたのほうでは絶対間違いはない、これでこの通りでございますということが、はつきり責任を以て言える資料であるかどうかということだけ聞いておきます。
  51. 今泉兼寛

    政府委員(今泉兼寛君) この前お答えしたのは、ちよつと資料の整備が不十分でございまして、古い資料を御説明申上げまして、あとから訂正は申上げておきましたが、今日改めてその点についてはよく統一した資料が整備しておりますので、今日品目ごとに製造原価、或いは一般管理費、或いは販売費という計算はいたして来ておりまするから、若し必要とあればこの席上において申上げたいと思います。
  52. 小林政夫

    小林政夫君 それでは時間もかかりますから、それではそういう資料をすぐ出してもらいたい。そうして一点だけ先ほど言つたように、その出される資料は絶対確信があるので、この通りだという、いろいろ数字を検討して見ましたら又違いますというようなあやふやなものではなくて、公社として、或いは大蔵当局として考えて間違いありません、確信を以てこれだけが総原価ですと、こういうことが言える資料であるという、自信のある資料としての提出を願いたいと思います。(笑声)
  53. 今泉兼寛

    政府委員(今泉兼寛君) 仰せの通り、確信ある、自信のある資料を御提出いたします。
  54. 小林政夫

    小林政夫君 更にその際に、先般森委員から質疑のあつた農村からの買上値段については、一体どういうふうにそれではそのコストの中に織込まれておるか、その点をお伺いしたい。、
  55. 小川潤一

    説明員(小川潤一君) 差上げた資料の中に、原料費というのがございますから、それが耕作者から買上げる、たばこに使います葉の値段でございます。コストの中で一番大きい部面を占めております。
  56. 小林政夫

    小林政夫君 それではそういう点もよく詳細にわかるように内訳がしてありますね。
  57. 小川潤一

    説明員(小川潤一君) なつております。
  58. 小林政夫

    小林政夫君 それでは次の機会もございますから、今日はこの程度に質疑はとどめておいて、その資料を速急に出して下さい。
  59. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
  60. 杉山昌作

    杉山昌作君 この前の審議のときに私欠席いたしておりましたので、或いは同僚委員からのお尋ねと重複するかも知れませんが、一点伺つておきますが、このたばこの定価というのは、御承知の通りに、何と申しましようか、品代金と税金が入つていると思うのです。それで従来同じ官業であり、或いは同じ公社であつても、鉄道や電信は赤字であるけれども、専売は黒字である。鉄道、電信の連中から羨やまれたりして専売は得意であつたろうと思う。ところが鉄道とか電信のほうは、これは税金のほうは何もない。これは本当の原価計算から出たサービスである。ところが原価計算から出たいわゆるサービス料に相当する品代金というものに消費税が入つておるわけであります。従つてここで利益が出るのが当り前の話だと思います。公社になつて独立採算であるというふうなことをやる、将来は、別の法律もありますように、益金が出たら従業員に特別賞与も出すというようなことになりますと、損益計算というものは余ほど丹念にやつて行かなければならんと思う。それで只今申しましたような純粋のサービス料だけでやつておる鉄道、電信は赤字、或いは利益がないけれども、税金を含めている専売のほうはうんと利益があるんだから、これはいいんだというふうなことでは世間は通るまいと思います。従つて私はこの定価をきめる際に、鉄道なり電信に相当するようなたばこの品代金というものと税金というものとはつきり分けておく必要があるのじやないか。分けた上で損益計算をして品代金を中心にして損益計算をして、初めて専売公社の能率が挙つておるのか挙つていないのか、鉄道や電信電話公社に対していいのか悪いのかという比較検討ができるようになると思うのだが、そういうふうなことをおやりになるような御意思はございませんか。
  61. 今泉兼寛

    政府委員(今泉兼寛君) お説のように、今度専売法の一部改正法律案の中に、業績が挙つた場合には業績賞与を出すという規定がございまして、その業績賞与の出し方について、単に収入が挙つたから出すということでは、今御指摘のように、専売益金の中には税金相当部分というものが相当な額が含まれておるわけでございますから、税金相当分までこれを賞与の中に含めて出すということは適当じやなかろう、やはり税金相当分は、収入の増があつた場合にも国庫にやはり納めて、更にそれ以上に収入があつた場合に、業績賞与としてこれを出すというのが適当であろうと考える次第でございます。従つて業績賞与を出す場合は、税金相当分を控除した残りの分について、その若干を賞与として出す、こういうことになろうと思います。それには今御指摘のような、そういつた計算ができるような仕組になつていないとその点も実行が不可能になりますので、その点は専売公社としても鋭意研究を進めて参りましたし、まだ完璧の状況までは至つておりませんが、できるだけこの業績賞与を機会に御指摘のような点が完全に仕分けができるような体制に持つて行きたい、かように考えている次第でございます。
  62. 小林政夫

    小林政夫君 先ほどの資料ですが、よく往々にしてああいう資料要求すると、要求した本人だけに持つて来て、まあこの程度で我慢して下さい、こういうことになるのですが、今の確信のほどを立証する意味で、委員会に出すのですから、全委員に配つて、いわゆる確信のほどを示してもらいたい。
  63. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないと認めます。  それでは討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手
  66. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないと認めます。それでは多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     木内 四郎  松永 義雄     黒田 英雄  小宮山常吉     伊藤 保平  杉山 昌作     西川甚五郎  小林 政夫     大矢羊次郎
  68. 中川以良

    委員長中川以良君) 午後一時続会することにいたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時十三分休憩    ―――――・―――――    午後一時五十六分開会
  69. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) それでは委員会を開会いたします。ちよつと速記をとめて。    午後一時五十七分速記中止    ―――――・―――――    午後三時十五分速記開始
  70. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) 速記を始めて下さい。今の資産再評価法改正のほかに相続税法の一部を改正する法律案特別減税国債法案産業投資特別会計法案有価証券取引税法案、以上五案を一括して便宜御質問を願います。
  71. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと資料を……第一次第二次の再評価ですね、やつた場合の法人、個人の減税額ですね、第三次のは出ているんですが、法人税第三次再評価の実施による減収額十五億九千六百万円というのが出ております、それで今度法人第三次再評価実施による税がありますね、税金が減りますね、この二つですね、その第一次と第二次の場合、おわかりになつたら……。それからこの資料によりますと、法人の第三次再評価の実施による減収の額が出ていて、個人というのがこの資料に出ておらない、そういう資料ですね、それを一つ。それからついでなんですけれども、法人の各種今度の税制改革による減収額がまあ出ているわけです。特別償却の範囲拡張、準備金の限度の引上げ、それから今の第三次の再評価、今日貿易商社関係の税制関係、特別減税国債、これを前年度二十七年……これは特別償却の範囲拡張は二十七年からなんですね。
  72. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 二十六年からです。
  73. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 六年からですか。じや六、七、八と、まあ八はありますけれどもついでに六、七、八と、これについて数字が欲しいのです。
  74. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 六、七は差上げてありますね、前回………。
  75. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 前回……、併しこれはないでしよう、再評価によるあれはないですね。ありませんから再評価による減収額と、それからあの再評価税ですね、これを一つお願いします。
  76. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 今の数字は決算的な数字になりますとなかなか的確な数字がつかみにくいかも知れませんが、或る程度の推定が入ることをお許し願いたいと思つております。二十七年度のものは決算がまだ私どものほうで残つておりますし、二十六年につきましても、その分についての分離したはつきりした経理が、恐らく計数ができていないのじやないかという心配がございますから、或る程度の推定が加わることをお許し願えれば提出いたします。
  77. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それからついでにこの再評価による減収額というのは出てるんですが、これを出す場合には、当然この再評価による減価償却額のどのくらい大きくなるかということがわかるわけですね、これも一つありましたらお願いします。
  78. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 計算の基礎でございますから、計算の算出の根拠になると思いますから、それは御提出できると思います。
  79. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それも前六、七、八ですか、お願いします。
  80. 小林政夫

    小林政夫君 ちよつと今のと関連して、予算説明書の未定稿と確定稿がありましたね、あれの違うところありますか、税関係の数字のほうで。
  81. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) ほかに大して違うところはないのでございますが、実は未定稿の時分におきまして、砂糖消費税の税率の問題でございますが、これが実は論議まだ尽しておらなかつたのでございます。それで当時は第二種の砂糖分蜜糖は二千三百五十円、これは大体きまつております。第一種の含蜜糖、分蜜せざる砂糖の関係でございますが、初めの考え方といたしましては、四百円の黒糖、白下糖その他のものは全部千七百円、こういつたような考え方でずつと参つたのでございますが、例えて言えば、台湾の赤糖のようなものですが、こういうものの税率を一度に四百円から千七百円まで持つて行くということは実行上とてもむずかしい。国際的なトラブルも考慮して、そこで改正案として提出してございますように、やはりそこで中間の段階を作る必要があると考えましてということで、樽入と同時に、四百円という税率は主として鹿児島、高知等の国産の黒糖を育成しというか、保護して行こう、こういう観念でできております。ところが最近に至りまして、この安い税率を利用しまして或いはインドでありますとか、或いはフイリピンでありますとか、あの辺のものがやはりこの四百円の税率で盛んに入つてつておりますので、そうしますとそのほうの競争に負けまして、折角税率を安くしましても鹿児島の砂糖がどうもうまく伸びて行けないと申しますか、むしろ非常に圧迫される、そこで昔ありました樽入黒糖、樽入白下糖という観念を以て単なる黒糖、白下糖に変えよう、そういうふうにしますと、又一度に四百円から千七百円に飛ぶのは工合が悪いから、八百円の税率を作ろう。その辺の変りました点だけが当時の未定稿と確定稿と違つております。従いましてほかのほうは大体その後いろいろ見て参りまして余り……。ミス。フリント程度は直してありますが、その他は直してございませんが、今の砂糖消費税の点だけが、未定稿の場合でございますと、二十四ページ、それから未定稿となつておりませんほうでございますと、これもやはり二十四ページでございますが、その計数だけが、内訳でございますが、変つております。今申しましたように、どうしてもこれは予算審議の関係で非常に急いで提出しなければならない状況にありましたので、砂糖消費税の税率に関します最後の肚がもうちよつときめかねておるうちに作りましたものですから、そこで今申しました点だけが違つております。その他の点はただミスプリントを直したという以外には変更はございません。
  82. 小林政夫

    小林政夫君 結論は変つていないのですね。
  83. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 結論は、大体結論の変らないような意味において全体を補正したということも入つておることと御了承願いたいと思います。
  84. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは僕は資産再評価の数字が経済的にもよくわからないのですが、非常に微妙に亘つている面もあるので、これは一種のいわゆる資本蓄積ということに狙いを置いた減税措置であると、こういうのですね。これは一番具体的な効果だと思うのです。再評価を行わない場合、どういう具体的な違いがあるか。再評価をやることによつて資本蓄積その他経済効果が、どういうふうな効果が減税措置以外にあるかということについてお話願いたい。
  85. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 減税措置以外の問題ですか。
  86. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 はい。
  87. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) この資産再評価をやりました場合に、減税措置以外で資本蓄積にどういう効果があるのかということでございますが、これは何と申しますか、資産が非常に低いところの資産の表をつけまして、その範囲内で減価償却しかやつておらないということは、要するに資本の食いつぶしがあるのだということでありまして、適正なところの価格のものについてもう一度その資産評価をやらなければならん。そのやるについて税金がかかつたのではおかしいではないかという、そのために資産の再評価が促進されないじやないかという面がございますので、それを改訂したいというのが資産再評価の最も重要なところでございます。そのほかに資産再評価をしたらどうかということになりますと、これは主たる重点がそこにあるので、それ以外に資産再評価は如何なる効果があるかと申しますると、これはなかなか答弁いたすのにどう答えてよろしいか判断がつかないのでございます。
  88. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 具体的に先ほど日米通商航海条約でちよつと言われましたね。やはり資本家を大きくするということの必要性ですか、そういうような関連も一つあるのではないかと思われるのですがその点はどうなんですか。
  89. 石田正

    政府委員(石田正君) これは資産再評価をするということは、今のような現状の下におきまして、いわゆる資産再評価を行わないために、実際の資産というものは非常に低く評価されておる。ということはいろいろな意味の経営を不完全にする、こういう面からいたしまして、従いましてそういうものにつきましては資産再評価を極力促進いたしたい、こういうふうに思います。これは企業の経営の面を一番強くするという意味におきまして、平常化する必要があると思います。その場合に何と申しますか、これは資産の再評価をいたしますと、税金の問題と離れまして、資産の再評価をいたしました場合に、要するにそれではもう経営ができない。資産の再評価をして適正な償却をするとか何とかいうことになつて来ると、そういうコースに入つて来て工合の悪い面があろうかと思いまして、そういう面を調整するには、企業力については全体の問題をそこへ持つて来て、日米の関係で申しますと、若しそういう資産が非常に低くなつておる。そこへ外国との提携ということになつて、資産参加ということが起つて参ります場合には、まま実質的な価値のあるものに安く参加されると、こういう虞れがある。かようなことであろうかと思うのでございますが、この法文の関係から申しますと、資産の再評価はやはり税金関係にある。
  90. 松永義雄

    松永義雄君 こういうふうに資産再評価をなさる。今度第三次の再評価は物価の値上げを見るのだというお話でしたが、値打ちのあるものをそのまま出すのであるから、別に会社としてけ同じだということになるのですが、株主はえらく得するような感じがするのですが、どうなんですか。もう少し具体的には、例えば国債を戦争中に持つていた者はえらく損してしまつて、いつも同じことをするというようなものですけれども、株主だけは物を持つているような形で、再評価して改めてここでそれだけの値打ちがあるということがきめられて来ると、何か株主だけが一般に経済的に得しているような威じがするのですが……。
  91. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 考える物差しの問題といいますか、根本の問題だと実は思つておりますが、株主といいますが、会社の立場からいたしますと、結局物価が上るわけでございますから、逆に言えば貨幣価値がそれだけ下つたのだと、こういうような考え方ができるわけでございまして、そこには何ら積極的な利益はないのだと、むしろ例えば国債の所有者でありますとか、預金を持つている人がありますとか、そういうふうに金銭債権を持つていた人のほうがまあ物価の値上りによつて逆に損をしたのであるから、それとのバランスから言いますと、株主が大いに儲けるじやないかと、こういうような議論になつて来るのじやないかと思います。但しこれは株主の利益と申しましても、特に積極的な利益といいますよりも、むしろ消極的な利益といつたような議論になつて来るのじやないか。で、まあ再評価税の六〇%のものにつきましても、実はいろいろ議論がございまして、そういうふうに、何らそこに積極的な利益がないのだから再評価税は課税しないほうがいいのじやないかという意見が片方にあるわけでございますが、我々といたしましては、とにかく、株主は、そういう意味におきまして、少くとも消極的な利益を得ていると申しますか、片方が非常にまあ金銭債権を持つていた人は相当インフレによつて損失をこうむつております場合におきまして、株主はその損失をこうむらないで済んだというところに、やはり負担の公平の上から言つて、低率ではあつてもそこに税金を納めて行く必要があると、かように考えておるわけであります。今度の第三次再評価の場合におきましても、一番顕著な値上りの様相を示しておりますのは、土地なんでございます。ところが第一次再評価の場合の姿を見て来ると、戦前の状況から見て参りますと、土地の値上りというものは当時はまだ非常にほかの物価に比較しましてそれは抑えられておつた。今度土地について相当大巾な値上りを認めておりますが、この数字を以てしてもなお且つ土地の値上りの倍率というのは、これは基準のとり方でございますが、戦前を一応ノルマルな姿と考えますと、まだ他の物価に比べますと、それほど伸びていないという姿になつているようでございます。ただまあ現実の問題としまして、土地がそれほど上つていないのになお且つそこまで再評価の限度を一本の、例えば貨幣価値下落の率か何かによりまして認めるというのもこれもちよつとおかしいのじやなかろうかと、こういつたような考え方で土地につきまして第一次のときにおきましてはやはりその当時における土地の値上りの率で抑えた、今度土地が大分値上りしておりますが、一般的なものとしてみると、戦前を基準にとればまだそれほど上つていない。この辺にやはり一応の再評価のやり直しという根拠がやはり出て来るのじやないか。そういうようにすると、同じように五割或いは二割くらい値上りしておるものについてもやはりこの機会に或る程度の是正的な意味の再評価がいいのではないだろうか。こういうような考え方が第三次再評価を行うことの根拠というふうに我々は考えております。
  92. 松永義雄

    松永義雄君 同じことを言うようになりますが、例えば無償交付なら無償交付ということをやつて、えらく株が上つて株主は儲ける。で、第三次評価に物価の値上りも又見込むとこういうことであるが、ところがベースがちつともそれについて来ない、このようにえらく不公平である。而も源泉課税でも、会社なら会社でかかる源泉課税と、それから勤労者の源泉課税と比較してみて、消極的利益だけでも株主のほうは利益を受けている、勤労者のほうは食うや食わずでやつているところへ源泉課税がかかつて来る。税制の改正はえらく不公平ではないかという感じがします。が……。
  93. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 結局元本のふくらみと、言わばそこから出て来る果実のふくらみ、これが考えられるのではないかと思つております。特に株のようなもの、株の元本が或る程度ふくらみ、それから果実がふくらみ、果実の関係が結局株式配当に対する課税の問題になる、で、勤労所得のほうはこれは何と考えたらいいか、我々のほうでは一応配当と並べて権衡をとつておるわけでありまして、現在の全体の物価の値上りに対して賃金のベースがどれくらい変つて来ているかという、そこにいろいろな議論はあると思いますが、ただ株式については一応株式の元本のふくらみ、これについてはそれ自体として第三次再評価税の対象として課税して行くのが現在の状況においては適当ではないか。配当についてはこれは配当の所得として源泉課税のこれ又総合課税も行うということで、ちよつと元本のふくらみの問題と果実の問題とは別個に考えられるべき性格のものではないか、かように私は考えております。
  94. 松永義雄

    松永義雄君 理論的に具体的にあなたは御説明なさつたが、実際の結果としては片方は得をして、片方は苦労しておる、公平な税金をかけていないじやないですか。インフレ利益に対して重税を課せろというのが我々のスローガンであつて、ところが僅かの税率しかかけていない。それはその程度にしておきますが、第三次が、先ほどのお話でみると、値上をみておるということであるが、第四次、第五次も値上りになつて来ると又やるということになるのですか。
  95. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 第三次再評価は先ほどちよつと触れましたが、私はやはり第一次、第二次の再評価の補正的なものではないか、かように考えておりまして、今後の物価の動向については我々はそうインフレ的な傾向は出て来ないと思つております。第四次、第五次の再評価については私はそれを予期して考えておりません。
  96. 松永義雄

    松永義雄君 とにかく終戦直後においては日本が失つたものは、その当時というか、戦前の三割くらいであつたと大体の計算になつておる。こう見られるのであるが、こうした臨時な、臨時なというとおかしいが、とにかく戦争という大きな被害でそうして損失をこうむつた結果、物が少くなつて物の値上りを来した。だからその値上りいたしたものに対して再評価をするというのであれば、一つの一時的な機会を境にして行うということになるのですか。もういい加減戦争における影響というものは一応税制上では済んだと見るべきで、これを又値上りをしたからといつて、それは補正だと、こういうようなお話があるけれども、実際その戦争の被害というか、その結果における再評価であるのか、それとも又二十五年の六月に朝鮮問題が起きて、物価の値上りを来したということは少しも織り込んでなくして、単に補正だけのものであるということであるか。
  97. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 戦争による大きな日本経済の受けた損害、或いはそれによるいろいろな経済的な現象、その大きな波は一応第一次、第二次の当時において大きなさらいはできたと思う。大きくはそれでまあ是正できたと思つておりますが、先ほど申しましたように、土地とかの値上りとか、いろいろな関係におきましては、現在においてその是正の過程にあるようなものもあるんじやなかろうか。従いましてそうした補正的な意味におきまして、これをやはり是正して行くということが現在の日本状況においてはやはり必要じやないか。殊に一面におきましては、御承知のように資本蓄積といつた問題が非常に現下の要請としてやかましく言われているわけでございまして、従いましてその面におきまして一応税制の上からも、或いはその他の面からも、資本蓄積を促進するような措置をとつて行きたい。かような考え方からいたしまして、やはり第三次再評価というのはこの際としては行うのが適当じやないかと、かように考えております。
  98. 松永義雄

    松永義雄君 私は普通景気の一番あとに土地値上りをする、こういうことを言われているのですが、先ほど来土地々々と、こういうことを言われておる、そうすると、もう大体最後的な考え方ではないかと思うのですが、実際はそうなんでしようか。まだこの先考えられるのでしようか。
  99. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 先ほども申上げましたように、一応私どもといたしましては、第三次の再評価というのは、結局第一次、第二次の再評価における或る意味における延長であり、それの補正であると、こういうふうに考えております。従いまして今後における物価の動向という点がありますが、我々はそう大きなインフレがそこにあるとは思つていないというふうな点から考えて参りまして、一応これで終戦後における措置は終結へ持つて行つていいじやないかと、かように考えております。
  100. 松永義雄

    松永義雄君 それですから終戦直後の影響だけを見て再評価をせられているのか、今度の第三次再評価には値上りを見たから、それを又考えるのだと、こうおつしやつているんですか。それは終戦直後の影響が尾を引いているからそれを見ると、こういうことなんですか。
  101. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 一応さよう申上げていいことになると思います。
  102. 松永義雄

    松永義雄君 そうするとまあ物価がどういうふうになつているかということを解剖して行かなければ水掛け論に終つてしまうと思うのですが、土地の値上りは、或いはその他の値上りは、終戦直後の影響に加うるに、大きな問題をつかまえれば、二十五年六月の朝鮮問題による値上りが相当将来物価の値上りの中に含まれているんじやないかと思うのですが、どうですか。
  103. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) まあ最近の物価の動きを見ますと、朝鮮事変後における物価の動きというものが、例えば卸売物価の動きなどには相当影響があることはこれはお説の通りだと思つております。又どこまでを以て一応の終結とするかという問題になるだろうと思いますが、一応まあ先ほど申しましたように土地などにつきましては、非常にまあ値上りが遅かつた。これはまあ一つは今日の地代の統制といつたようなものと非常に緊密な結び付きがあるのじやないかと思いますが、戦争中におきましては御承知のようにまあ地代は本当に釘付けされておりました。従つて例えば財産税の評価時期などをとつておりますが、この時期における土地の値段というものは非常に抑えられていた。こういつたようなところが、まあ最近におきましてこれがあとから追つ駈けていると、まあいつたような姿、その場合におきまして、それじやまあどこからどこまでを是正すべきかという問題もございますが、とにかく先ほど申しましたように、一面においては資本蓄積ということも要請されているということもございますので、一応全体を見まして、何と申しましても倍率の一番高くなりましたのは土地でございますが、その他につきましても或る程度の、最近における状況まで一応終つたところで、第三次再評価を見て行く、かような考えであります。
  104. 松永義雄

    松永義雄君 これは物価の動きの初めになるのですが、材木がえらく上つて来た。そうすると、皆家を建てようとする気持になつて来た。そうすると今度土地の値上りを来たしたというような事情で、現在の値上りが終戦の影響によるものばかりではなくして、その後における現象が加わつているという感じがするのですが、そこの再評価価格は一体今度はいつにとられるのですか。それは条文に書いてあるでしようが、算定の基準の日です。
  105. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 基準日は一応二十八年、今年の一月一日ということにしてございます。
  106. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると、その先は意見の相違になつて来ますが……。それからこれはこの間どなたかおつしやつたが、大きな会社には財産があつて、再評価をして税金を負けてもらつて、減価償却をしてどんどん財産がたまつているが、小さい法人は大して財産がないというところは税金を負けてもらえる機会が少い。減価償却だとか何とか言いますけれども、やはり税金に取られてしまう。大きなのと、小さなのと受ける利益が非常に違うと思うのです。
  107. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) まあ絶対額から言いますと、何と申しましても、大きな会社の持つている資産は大きいのでございますから、おのずから大きい、小さいの絶対額的には差はあると思つておりますが、やはり小さい会社におきましても、相当古い歴史を持ち、相当財産を持つているものもございまするので、あえて大きな会社、小さな会社ということで以てこの利益が大きく違うじやないかということも余りないように思つております。
  108. 小林政夫

    小林政夫君 僕は資産再評価法質疑は後日にしまして、或いは次回に譲りまして、有価証券取引税法案については少し……。その附則の第三項と第四項ですが、この日にちをそれぞれ第三項においては二十九年三月三十一日まで、第四項においては三十年三月三十一日までと限つた、こういう日限を切つた意味はどういうのでしようか。
  109. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 附則の第三項におきまして、一応二十九年三月三十一日までと切りましたのは、これはまあ小林委員御承知のように、公社債その他に対する関係についての非課税でありますが、私どものほうの内部でも、いろいろ議論しまし緒論といたしまして、国債、公社債については現在市場も立つていない。従つてこれがやはり市場が立ち、取引が相当一般化する機会においては、一定率の有価証券税が課税されるのは止むを得ないけれども、現在市場の立つていない状況におきましては、これは当分課税をやめておいたほうがいいんじやないかという、こういうような結論が出まして、それじやまあ市場がいつ立つかという点で議論したのでございますが、なかなかまだはつきりした結論は出ません。市場が立つまで一応とめるというふうにも法文には書けませんものですから、とにかく一年課税を延ばすような規定にしまして、若しその間において市場が立つような場合がはつきりして来ればそれでよろしうございますし、或いは市場がなかなかその間においても立ちにくいといつたような問題が万一あるとすれば、次の国会において更にどういう措置にするかということについて御審議にあずかりたい、かような考え方で実は一年課税を延ばすような規定を置いたような次第であります。  それからその次の証券投資信託の問題でございますが、これは多少意味が違いまして、これは証券投資信託は現在相当伸びてはおりますが、まだ始めまして数年といつたような形で、もう少し育成する過程にあるものと考えてよいのじやないか。そのような意味において殊に証券投資信託のいわゆる受益証券の場合における課税というような問題もございます。これは別として、とにかくもう少し証券投資信託を育成して行くという観点においてこれは証券業者並みに課税をして行こう。その場合においては大体どれぐらいの期間をその育成期間に考えようかという場合において、まあ今後二カ年ぐらいということに目安を置いたわけでありまして、こちらのほうは前のほうと大分意味が違いますので、大体二年経てばこの規定は経過的な規定としてその効果を全うしたものと考えてよいのじやないだろうか、そのような全然別々な観点から、片方は一年、片方は二年、かような規定を設けた次第であります。
  110. 小林政夫

    小林政夫君 それから附則の七項で、通行税と同じようにこの取引税を損金不算入にするようですが、これを損金にしてもよいのじやないかという気持もするのですが……。
  111. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) これは通行税と並べて書いてございますが、有価証券取引税の税そのものを損金不算入にする意味規定ではございませんで、これに対する加算税がございますが、その加算税をほかの税と同じようにこれは損金に入れない。かような趣旨でありまして、多少この条文が見にくいので、或いは誤解の種かと存じますが、さような意味ですから御了承を願います。
  112. 小林政夫

    小林政夫君 次は特別減税国債の話をいたします。特別減税国債という考え方自体について主税局長はこういうことをやることについて、政府の提案ですから止むを得ず反対とは言われまいが、望ましいことでありますか、どうですか。
  113. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 主税局長といたしましては、予算が圧縮できて、国債の発行を必要としないという状態で一応予算の歳入歳出の関係が見合えば、これが一番望ましい形態だと思つております。ところが御承知のように現在の状況といたしましては、投資関係も込めますと三百億、この差額もございますから、正確に三百億ではございませんが、三百億ぐらいの減税国債を発行しなければならない。その場合においてこれが戦前或いは戦争中に行われましたように日本銀行の背負い込みになるような恰好に公債が発行される。これは何と申しましてもインフレの因になりますから、これは是非避けなければならない。従つて国債を若し発行しなければならないとすれば、これはやはり民間に消化される姿の国債でなければならない、こういう姿が考えられるわけであります。そうして次の問題として、それでは民間に消化される国債としてはどういう条件を附する必要があるか、そういうような点をとり上げて来ました。結論といたしまして、こういう姿の国債を国債として出し得ればやはり一番適当な考え方である、又国債を出さなければならんとすれば、これは止むを得ないのじやないか、かような考え方でおります。
  114. 小林政夫

    小林政夫君 国債法案の提出をしておる直接の局は理財局ですか、法案自体は……。
  115. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 理財局であります。
  116. 小林政夫

    小林政夫君 こういう特別に減税をしなければ国債の消化がむずかしいと言われても、まあ課税の公平というような点から考えて、減税をするほどの必要のない所得階層を減税する、こういう結果になつて、又その階層においても非常にアンバランスな状態が生れて来るということであつて、ただ税という点だけから考えるとそう望ましい減税方法ではなかろうと思うのですが、国債を発行しなければならんという問題は別にして、こういう形において減税をするということが、税制面から考えてそう常道を行つたものではない、望ましい減税方式ではなかろうと思いますが、その点は如何ですか。
  117. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) まあ減税という形におきまして余り他の要素と結び付けた減税を行うということにつきましては、私もよほど注意しなければならんものと思つております。従いましてこの減税国債の場合におきましては、その減税のやり方といいますか、そのものにつきましては我々のほうでも相当留意いたしまして、これが他の一般的な負担の権衡を乱すといつたようなことにつきましては、そういうようにならないように十分留意したつもりでございます。いろいろな考え方がございまして、例えば国債の額を、買つただけは所得額に算入しないというようなふうな考え方を入れますと、或いはその二分の一でも同じことでありますが、税率の高い人は非常に大きな減税を受ける。税率の低い人は減税の割合が少いというように変るわけでありますが、そうしますとすぐに国民の負担公平の問題にそこに結び付くわけであります。今度の減税国債の案は、一応所得の高い人であつても所得の低いかたであつても一律に一定額の減税を受けるというような姿になつておりますので、結局はこれが一種の利廻りに還元もできるといつたような姿のものでございますので、減税と結び付きばございますが、それがすぐに負担の公平の問題と裏腹になるというほどの緊密な結び付きばしていない。この程度ならば税当局としても税の建前からどうしても困るといつた結論にならないで済むのじやなかろうかと考えております。
  118. 小林政夫

    小林政夫君 それ以上は議論になりますが、形式的には機会均等だから誰でも適用されるから減税にあずかりたいという結論にはなるわけですが、実際問題としてなかなかそうは行かなくて、真に極端な言葉で言えば、強い者は強くなる。減税の必要のない者が減税の恩典に浴するというような結果になると私は心配をいたします。理財局のほうで考えられて、もつとほかの方法で国債を消化さす方法がなかつたか、同じ三百億の国債を発行し、それを全額日銀引受けの方法によらなくても、別途の、こういう形の減税を考えなくても消化する方法が考えられるのじやないか。もつと金融機関に対して預金が集る方法を講ずるとかいうような方法も一つの方法だろうと思います。これもやはり税制面と併せ考えなければなりませんが、例えば源泉選択課税の率を今度は五十から四十に下げた。それをもうちよつと下げて、うんと預金の吸収のしやすいようにすれば、こうした条件なら三百億くらいは金融機関から無条件で抱いてもいいという話ができるわけです。これだけしか国債を償還する方法としては考えられなかつたかどうか。これをここまで案が熟するまでにはいろいろこの方法もある、ああいう方法もあるということは討論されたと思うのですが、その一応経過的な話も聞かして頂きたい。
  119. 石田正

    政府委員(石田正君) どうも小林先生からのお話で、経過を詳細にお話するような御要求でございますが、その点は一つ御勘弁願いまして、ただいろいろな考え方があり得るのじやないか。それに対してどうしてこういうところへ話が落ちついたかということの要点だけお話さして頂きたいと思うのです。公債を一体発行するのがいいか悪いか、これは一つの私問題であろうかと思います。でき得れば公債を発行しないで行くということが財政方針として望ましい、こういうことは先ず一般論として言えるのではないかと思うのです。  その次にいろいろ公債を発行して行かなければならんといつた場合に、一体それをどういう金額で、どういう消化方法を考えるか、これ又重要な問題であろうと考えるのであります。今度の予算につきまして、特別減税公債が特に選ばれましたところの理由は、先ず第一に資金的にこういう方法を用いなければならない、それも圧縮いたしましても大体三百億という見当が出て来た、これが第一の問題に対するお答えになるかと思うのでございます。それから第二の問題といたしましては、これは何と申しますか、日本銀行へ引受けさせるということは、これは最も安易なる方法であろうと思います。併しそういうことはこれは財政を通ずるところのインフレを端的に表明するものであつて、そういうことは望ましくない、かようなことに相成ろうと思います。それから第三の方法といたしまして、今小林先生からお話がありましたごとく、金融機関に対してこれを持たせるという方法が考えられるのではないか、これも私は一つの常道であろうかと思います。現在の状況から申しまするならば、遺憾ながら国債というものは大体金融機関その他特殊なものが持つておるものでありまして、一般のところにまだ出して引受けさせるというような段階に戦後来ておらないわけであります。従いまして今度本年度から金融機関に対してこれを持たせるということを考えたらどうかということは、一つの筋として考えられるところであろうと思います。又その附帯的問題といたしまして、そういたしますならば、これは今言つた条件等の問題におきまして相当合理的なるものが考えられるのではなかろうか、かようなことが言えるかと思うのであります。ただこの場合におきまして、金融機関だけを対象といたしまする場合に、一体どれだけの金額が金融機関として消化し得るかどうか。こういうことの算定がなかなかむずかしい面があろうかと思います。それから同時に金融機関でやるならば、何ぞ三百億に限らんや、もつと多くなつてもよいのではなかろうか、かような議論も成り立ち得ると考えるのであります。それで何が最も、何と申しますか理想的な形であろうかということになりますと、これは完全に民間において消化し得るところのもの、これが最も理想的であろうと思います。戦前の状況から申しますならば、国債はひとり金融機関というような特殊なものが持つておるものではなくして、或いは法人なり或いは個人なりが別に持つておる、これが常態でございます。それから又消化を図るにつきましても、そういうところを対象として図るというのがむしろ常道であろうかと思うのであります。この場合に、これは産業投資特別会計法案の中におきましてもその思想が現われておるわけでございますが、この金額の点につきましては、先ず第一にてきめんに効果が上がる、どうしても日本経済の再建上必要であるという方面に限りまして、先ず資金の限度というものを搾りまして、これはまあ一応三百億という数字が出て来たわけでありますが、それをやるにつきましては、一遍に何と申しますか、民間で本当に消化し得る方法を考えたらどうか。これこそインフレにもならんし、問題にもならんのじやないか。そこでかねがね減税と結び付けるという案も考えられていてその枠内で考えるということが適当ではないかというような経緯によりまして、この特別減税公債というような形になつたわけであります。従いましてこれは何と申しますか本年度といたしましての新らしい試みでありまして、この結果がどうなるかということにつきましては、これは来年度内にその結果が現われて参るだろうと思います。それにつきましてこの公債というものが十分に消化されるということが一点、それから又それに伴つて変な結果が起らないことが一点、この点は十分配慮いたさなければならないのでありまして、これは今の状況は金利体系その他を見ましてもまだ本当に正常化の段階が終つておらん段階であります。二十八年度と申しまするのは、先ほどの公社債等の上場等の問題もありますが、相当有価証券関係につきましていろいろな施策を講じて、更に一段と正常化を図らねばならない段階であろうと我々は考えておるわけでありますが、そういうこととも関連いたしまして、ヒの国債というものをどういう条件にするかということにつきましては、減税額のほうの問題もございますると同時に、表面利廻り等の関係につきましていろいろとまあ苦心をいたした次第でございます。そうなりますると、減税額とのかみ合せにおきまして、この利廻りというものが民間において消化できるであろうと思われるところの一体利率はどうなろうか。そうかといつてそうあまくしてもならない、意見は千差万別でありますが、我々の立場といたしましては、併し一般的な常識といたしましてどの辺のところがいいか、いろいろと苦労をいたしまして、又内部におきましてもいろいろ議論いたしました結果、結局今回提案いたしましたような形になつたわけであります。  それからなおもう一点先ほどの源泉選択の減税との関係におきまして、例えば国債の配当については例えば免除をするというような方法も考えられるのではないか、これもお話通りだと思うのであります。併しながらこれは租税の関係から申しまして先ほど主税局長からお話のありましたごとく、税体系自体から言いますれば、どうも感心しないような味の残ることが止むを得ない部分もございますると同時に、又今申しましたような工合に、国債の発行については減税をするのだというようなことだけが表てに現われるところの国債というものを発行するということは、これは租税体系等から言いまして、相当重大問題ではなかろうか、従いまして以上稜々申上げましたような事情から申しまして、一つの経過的な意味におけるところのやり方というふうな意味におきまして、その消化に関するところの条件等を考えました次第でございます。
  120. 小林政夫

    小林政夫君 いや、ちよつと誤解があるようですが、私はこの国債の利子に対して減税をしろという意味で先ほど言つたのじやなくて、広く金融界が預金を吸収しやすくする、こういう意味において今度租税特別措置法において、源泉選択課税率を五〇%から四〇%に引下げる、この四〇%に引下げるのを、或いはこれは大蔵省と金融機関との取引でやつてもらえばよいので、テクニックとしてはちよつと下げにくいから五〇%に据置く、併し三百億国債を持つてくれるなら一〇%下げると言えば四〇%でも持つようになるのではないか。もつと色をつけて四〇%を三五%くらいにするとかいうような方法で金融機関と大蔵省側と話をつければ、今の預金の集り工合からいつて三百億くらいは抱かせ得ると私は考える。そのほうが普遍的だと思うのです。一般的にこういう直接この国債を持つたものがすぐ減税になるというようなやり方よりは、勿論それは一つのアイディアのことだけで、まだほかに大蔵省側としては、金融機関と話合う途も別途あると思うのです。でそういう方法が考えられないか、そういう意味でお尋ねしたわけです。
  121. 石田正

    政府委員(石田正君) 誠に筋の通つた御質問でございまするが、併しこの金額その他の問題がきまりましたのは、先ほど申上げましたような経緯によるものでございます。それから減税は国債のほかに御承知の通りに公社債等の問題もあるわけでございます。でこれらを合せますると御承知の通りに五百三十億という数字に相成るのでございます。従いましてこれらの点におけるところのいわゆる金融機関の消化能力と申しますか、そういうものにつきましては、これはなかなかこれだけのものが必ず消化できるのだ、これだけは駄目だというような目途が立てにくいのじやないか。これはひとり税金のほうの問題ばかりじやございませんで、いわゆる全般の国庫収支の工合になりまするけれども、それからまあ減税いたします金額がどういうふうなところへ参りますとかいうふうな工合に、金融機関全般の問題といたしましては、我々は一応何と申しますか推算はいたします。推算はいたしますけれども、このような問題というのは、非常にさつき申しましたような工合に、それは主として電源開発等の関係とかそういうふうな方面に使われるのでございまして、まあ多少金額が狂つてもかまわんという問題ではなくして、相当はつきり目途を立てなければいけない問題であろうと思うのでございます。従いまして、幸いにこの金融全般の問題につきまして、税金のほうでそれだけの何と申しますかつつかえ棒と申しますか、そういう余地があつてつて下さいますならば、そのほうが間違いないのじやないか、心配もないのじやないかという点も考えた次第でございまして、そこらに関連して、これは甘すぎるではないか、或いはそれは不公平ではないか、こういうような議論があろうかと思うのでございますが、その点は大蔵省としては大体間違いなく消化できるという方向のほうに、主税当局の御奮発も願つてお願いいたしたというような経緯でございます。
  122. 小林政夫

    小林政夫君 この法案の審議には銀行局長の御出席を求めたいのですが、それは今日見えていないから別にして、一体二十八年度の貯蓄額、金融機関の貯蓄額、これはどういうふうに見積つておられるか。そして二十七年度の貯蓄目標は遥かにオーバーしたわけですが、この大体三月三十一日まで、本月末までに二十七年度の貯蓄額はどう見込まれるか、どれだけ二十八年度においては殖えると思つておるかその点を伺つておきたい。
  123. 石田正

    政府委員(石田正君) これは全体の総合推計額というのは広汎多岐に亘るわけでございますが、大体金融機関のほうの数字はどうなるかというお尋ねかと思います。この点につきましては、これは大蔵省と経済審議庁との間におきまして、来年度につきましていろいろと相談をいたしまして、そうして見通しを立てたのでございますが、大体昭和二十八年度の金融機関におきますところの資金の収入といたしましては一兆六百億というものを考えておる。それから資金の放出のほうにおきましては、これは先ほど申しましたところのいろいろな公社債等の引受けを含めまして大体資金の放出といたしましては九千七百億円程度になるのではないだろうか。そういたしますとここに九百億ばかり金融機関といたしまして資金が余るという形になりまして、この部分は非常にまあかねがねやかましく言われました金融機関のオーバーローンの解消という方向に向うのではないか、かように考えておる次第でございます。
  124. 小林政夫

    小林政夫君 二十七年度の金融機関の新規預金の増加貯蓄ですね、これをどう見ておられますか。
  125. 石田正

    政府委員(石田正君) 私先ほど申しましたのは二十八年度の見通しを申上げたわけでありますが、二十七年度におきまして一般預金の純増と申しますか、こういうものはこれはまだ三月末になつて締めてみなければわからないのでありますが、一応七千七百億くらいの見当と見込んでおる次第でございます。
  126. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると今の見込みだけでも一兆六百億、七千七百億というと二千九百億ほどの来年度のほうが伸びが来る、殖えるわけであります。そう考えてよいわけでしよう。一兆六百億は二十八年度の新規預金増ですか。
  127. 石田正

    政府委員(石田正君) 私はその二番目の数字と前の数字と多少とり方が違つておりましたので補足させて頂きたいと思います。先ほど二十八年度で一兆六百億と申しました意味合いは、二十七年度の見込みでは九千二百八十五億と相成つております。一般預金の増、これだけの数字といたしましては二十八年度といたしましては一兆六百億のうちで八千五百億を見込んでおります。その八千五百億と、先ほど申しました七千七百億というものが見合うのでございまして、新旧のトータルといたしましては一兆六百億と、それから九千二百八十五億が見合う、かような計算に相成つております。
  128. 小林政夫

    小林政夫君 それにしても七百億は預金が殖える。そうすると五百二十億殖えても一応今のままの状態においてもまだ余裕があるということになる。それからこの一体国債の保有は法人と個人とありますが、個人が幾ら、法人が幾ら肚ずもりをしておりますか。
  129. 石田正

    政府委員(石田正君) 三百億の内訳は個人と法人で如何になつておるか、こういうことでございますが、これは大体個人につきまして百億、法人関係で二百億と予定いたしている次第でございます。
  130. 小林政夫

    小林政夫君 個人のほうはともかくとして個人でも私は相当問題だと思うのでありますが、法人の二百億引受けるというものが自己資金で完全に引受けられるというふうに思われますか。勘定合つて銭足らずの状態で殆んど金融機関にお世話になつておるので、一応計算面においては自己資本で引受けられても、そのしわが金融機関に行くのではないか。
  131. 石田正

    政府委員(石田正君) これは私たちは二百億の消化はできるものと考えておるわけですが、それに対して小林先生のお話は一体自己資本でできるのかどうか、銀行から借りるのではないかというお話であろうと思います。これは非常にむずかしい点でございますが、大体二百億の半分ぐらいがこれは金融機関といえども法人でございますので、それに対して金融機関はいけない、お前のほうは引受けさせないというわけでもございませんので、金融機関のほうもあるわけでございます。従いましてその点におきましては半分をちよつと上くらいのところは金融機関のほうで引受けるということが行われるのではないかというように考えております。残りの百億近くのものは一体個々の法人の資力としてやれるかやれないか、かような問題になるわけでございますが、これは法人の中でもいろいるの資産状態、資金の状態のものもございます。従いまして、これぐらいの程度のものでありまするならば、何とか行けるのじやないだろうか、こういうふうに一応考えておる次第でございます。
  132. 小林政夫

    小林政夫君 個人でも事業をやつている連中は大体借銭をしているし、法人でもそれぞれ金融機関は別として、金融機関ですらオーバー・ローンです。で、金融機関にあらざる法人というものは、これは恐らく負債のない法人というものはなかろうと思うのです。これは余ほどの例外ならば別として、必ずそれだけの国債を引受けるだけのしわは金融機関に行くと思いますが、だんだんやつていると、結局は金融機関だけが、場合によつてはこの国債を持つというような状態に移行して行きはしないかと思いますが、如何ですか、そういう点。
  133. 石田正

    政府委員(石田正君) 今のようなお話の点、私たちといたしましても非常に心配しておる点でございます。率直に申しまして、要するに金融機関から金が出て結局何と申しますか、尻はみな金融機関が持つということになるだろう。かようなことに相成りますると、金融機関に非常な高率な国債を発行したということと同じことになりますので、そういうことは我々はやらせたくないと思つております。若し、そういう点から申しまして非常に厳格に申しますならば、初めから譲渡禁止とか、担保禁止とかをやるのが一番いいのであります。これをやるとなればどうしても全部記名式にしなければならない。これは遺家族公債の場合でもすでに我々は困つたのでありますが、記名式は非常に手数がかかる、発行自体が技術的に非常にむずかしいということになる。従いまして技術的な点から申しまして、譲渡禁止或いは担保禁止ということはいたしません。併しながらこれが全部金融機関に廻つてしまうということになりますれば、我々の意図するところは全く無駄になつてしまう。従いまして、日本銀行におきましてはすでに新聞等にも出ておりますがこれを日本銀行の適格なものとして担保にするということはしない、これが第一段であろうと思います。  第二段といたしましては、銀行局に依頼いたしまして、金融機関に陰に陽にと申しますか、正面から担保に取るとか、或いはそれに見合う金を貸すとかいうようなことは慎んで頂きたい。これは銀行局に頼みまして金融機関の取締り、そういう意味におきましてそういうふうにやつてもらいたい、かように考えておる次第でございます。
  134. 小林政夫

    小林政夫君 これは行政措置でそういう取締をされるというても、やはり水は高きから低きに流れて、結局なかなかそううまく行かないのじやないか。結論は金融機関だけが、むしろこの一応の利廻は法人が一割二分五厘、個人が一割五厘こういうことになつておりますから、それ以上の利廻で金融機関に流込む危険は多分にある。日銀が折角担保にしないと言つても、今のほかの有価証券とすり換えるということは二、三百億ぐらいならいつでもできる。そういうような方法もあるし、なかなか大蔵当局はそういうふうなことはさせないという含みであつても、そういう意図であつても、必ずしもその意図通りには流れないのじやないか、非常に危険じやないか、そういうふうな私の心配するような方向に移行する虞れは非常に多い、こう考えるのです。が、まあこれはこれ以上言つてもそうやらせないのだというなら押問答で繰返すだけですからもうやめますが、非常にそういう点に問題がある。  そこでです、結論的じやないが、一体産業投資特別会計法、この特別減税国債法案を廃案にした場合に、この特別会計のほうは動くか動かないか。
  135. 石田正

    政府委員(石田正君) これは御承知の通りに三百億の特別減税国債を発行することが一方です。片一方におきまして、見返資金からの引継資産その他によりまして四百億というものを予定しているわけでございますが、全体におきまして大体七百億でこれをやろうとしているわけでございます。而もその三百億ができなくなりますということに相成りますれば、これは大ざつぱに申しまして半分ぐらい計画がうまく行かないということになります。而もその影響を受けまするのは開発銀行と輸出入銀行と電々公社、この三本に集約されるのでありまして、電々公社に関しましてはこの百五十億というのはまあ一番何と申しますか、仕事の中心をなすものでございます。それから開発銀行につきましても、これは五百千億というものをここに期待いたしているわけであります。まあ一番大きいのは輸出入銀行でありますが、これにいたしましても輸出入銀行の仕事として相当大きなものをこれによつて行うということにつきまして、若し仮に三百億円が起債できないということに相成りますれば、これは嘱業投資特別会計はもう麻痺してしまうと言わざるを得ないと思うのであります。
  136. 小林政夫

    小林政夫君 これは産業投資特別会計法に「特別減税国債の発行に因る収入金」こういうふうにあるからそうなるので、この特別減税国債という固有名詞に相当するものを除いて、国債の発行による収入金とだけやつた場合にはどうなるか。
  137. 石田正

    政府委員(石田正君) これは財源調達の方法につきましては、何と申しますか、別にこの法案だけにおきまして絶対に不可能であるかどうかということになりますれば、これは収入があれば動くということになるだろうかと思います。併しその他の予算関係等を全部改めなければならない、かようなことに相成るかと思います。
  138. 小林政夫

    小林政夫君 予算を改めると言つてもこの三百億の国債は出す。ただこの書き方を特別減税国債ということにすれば特別減税国債法案というものが要るわけでありますが、それは国債の発行による収入金として三百億をちやんと予算通り出すということになれば総予算のほうに響かない。ただ減税だけの問題ですね。
  139. 石田正

    政府委員(石田正君) これは特別減税国債法案を率直に申しますれば廃棄にするというようなこともあろうかと思うのでありますが、そうなりました場合にこの産業投資特別会計法案だけを見ましてもこれは四分で出すということになつております。そうしますと今申しましたような工合に減税があればこそ四分で出せるわけであります。ところがそういうものとすつかり離れてここで国債を出すということに相成りますと、それは今の状況からとても四分の国債というものは発行できません。従いまして産業投資特別会計だけといたしましても、この産業投資特別会計予算と申しますか、これは四分で組立てられております。三百億出して四分、こういうことになつておりますので、これだけの関係から見ましてもこれはどうしても四分の国債を我々は金融機関に押付けるということはできません。そういたしますとどうしても予算影響を持たざるを得ない、かように考える次第であります。
  140. 小林政夫

    小林政夫君 予算影響する点は四分の金利の点、今指摘された点だけでしようか、その特別減税国債の。
  141. 渡辺喜久造

    政府委員渡辺喜久造君) 歳出の面では今申上げました利払の点が予算影響すると思つております。それから歳入面におきましては一応減税国債の発行によりまして、所得税、法人税の税額が減るということは一応予定しておりますので、その面が変つて来るというふうに考えております。
  142. 小林政夫

    小林政夫君 それは六十七億の減税を見ておられるわけですからこれを廃案にすれば六十七億収入が殖える。これは予算まで直さなくても自然増収という考え方からいつて行けると思うのですが、忽ち計数的にいじらなければならんというのは、今の四分の利廻の点だけと考えてよろしうございますか。
  143. 石田正

    政府委員(石田正君) それからもう一つ重要な点といたしまして、これは同じ歳出面に関するのでございますが、我々は開発銀行や輸出入銀行に貸付をいたします場合に四分というものを予算の基礎としております。若しこれが四分でなくて仮に六分ということに相成りますれば、予算の上におきましてもこれは一応特別減税国債を財源とするところの貸付については、どうしても六分五厘くらいもらわなければならんというふうに一応考えております。そういうふうな点につきましても、この調達するところのコストがそれだけ上ります場合には、自然貸出先に対するところのもの、これは何と申しますか電々公社に対する出資というのはもう出資でございまして、当分の間出て来ない。いわゆる収入がないということを前提にしなければならないのでありまして、その点から申しましてやはりそれらの金融の方面に対しますところの貸出利率というものを変えて行かなければならない。要するに資金調達面におけるところの予算が変つて来ると同時に、今度は独立採算の点から申しまして、貸出の利率、従つて収入のほうに変りが出て来るというこになります。結論から申しますと、何と申しますか、特別な補給金でも一般会計からもらうような方途を講ずれば別問題でありますが、そうでないといたしますれば、やはり開発銀行輸出入銀行に対するところの利率を上げると申しますか、そういうこと、それから従つて先のほうへ参りましてもそれの影響というものは当分出て来ないのじやないか、かように考えております。
  144. 小林政夫

    小林政夫君 最近国債の借換をやり、金融機関側と大蔵省側と大分金利の問題についていろいろ折衝があつたのですが、最近の借換の国債の金利はいくらですか。
  145. 石田正

    政府委員(石田正君) この三月の一日に二十七年度といたしまして最大の借換をやつたわけであります。これは非常に金融機関といたしましては率直に申しまして不満であつたかと思いますが、五分五厘で借換えられる。これは年度の初めからいろいろ問題がございまして、二十八年度は別途又考えるけれども二十七年度は外債関係もございますので、特別に考慮してほしいというふうな気持で話合がついたわけでございます。二十八年度の公債といたしましてはそういう正常的な意味において考えるということに大体金融機関と我々とは気持は同じようになつております。で具体的な利率といたしましていくらにするかという点につきましては、金融機関のほうでははつきり年限等は言つておりませんけれども、利率の点につきましては六分五厘程度のものを出してほしい、こういうことを言つております。我々のほうといたしましては、五分五厘は無理だと思いますけれども、併し六分五厘くらいまでもつて行くかどうかということにつきましては、これは第一回の借換が本年六月に来るというような点もございまして、目下のところ慎重に研究いたしているというような段階でございます。
  146. 小林政夫

    小林政夫君 なるべく大蔵当局としては低金利政策をとりたい、金利は引下げたい、こういう意図がある際でもあるので、今の五分五厘ということは最高であつて、それよりも金融機関側は六分五厘、従つてその中をとつて六分というような考え方ではこれは少し金利について甘すぎるのじやないかと思いますがね。大体そういう五分五厘というのはこの際限り、二十八年度の発行する国債についてはもつと考えるというようなことについては、これはぬきさしならなくなつているわけですか。
  147. 石田正

    政府委員(石田正君) 我々は二十七年度の問題につきましては、五分五厘というのは例外的なものであるというような工合で、この点は我々もこれがずつと将来続くようになるという意味で申しているのではございません。将来の金利水準の問題につきましては、これはまあ私たちのほうではどちらかというとお金を借金するほうの側でございまして、全般的には銀行局がずつと協力をいたして考えているわけであります。併しやはりこれからいろいろなことを考えて参ります場合に、これは正常化するということは金利の低いことが望ましいが、併しながら正常化ということを考えなければならんかと思います。二十八年度はそういう意味におきまして相当大事な年であるかと思います。この場合に一方的に大体低金利政策であるから五分五厘以上は出さないというふうなことを役所側として申しますのは、これは如何かと思います。金利を下げて行くという方向はこれは望ましいことでありますけれども、全般的なほかの金利との関係におきまして、五分五厘では国債として甘すぎる、これ以上は出さないのだというふうな態度に今出るべき段階には至つておらない、かように考える次第であります。
  148. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると電々公社及び国鉄等で出す国債の金利の予定予算上どうなつておりますか。
  149. 石田正

    政府委員(石田正君) これは予算上七分五厘ということにしております。それから又ついででございますが、金融機関は七分五厘ということを申しております。併しこういう点につきましては国債の利子とも関連しまして、我我のほうは予算で組んであるからそのままで行くというふうな工合に必ずしも考えておらないのでございまして、これらの点におきましても、やはり二十八年度に金利をどこへもつて行くかということにつきまして、大蔵省といたしましても慎重に考慮してやるべきものだ、かように考えております。
  150. 小林政夫

    小林政夫君 そうするとこの特別会計の運用収入金というのが百二十三億三千六百三十五万九千円というのがあります。この内訳はどういうことになるのですか。
  151. 石田正

    政府委員(石田正君) 今お尋ねになりましたのは運用収入金の中で内訳といたしまして百二十三億三千六百万円のものを計上しているが、それは一体どういうふうな内訳になつているのか、こういうことであろうかと思うのでございます。この内訳におきましては大体開発銀行から百五億六千万円ばかり、それから輸出入銀行から九億一千万円ばかり、それからその他は農林漁業特別会計とか或いは一般会計からというふうなことになるわけでありまして、優先株式もございますが、この産業投資特別会計に関するところの一つの融資先と申しますか、投資先でありますところの電々公社からの収入は全然見ておりません。そこで開発銀行の例によりまして、百五億六千万円の内訳はどうなつているかということを申上げると非常にはつきりすると思いますが、この点につきましては納付金、要するに開発銀行の政府に対するところの納付金を全部産業投資特別会計にとることといたしまして、大体約七十七億円をその中予定いたしております。それからそれ以外のものが大体いわゆる貸付金としての形におきまして開発銀行に出しましたものの利子ということに相当するわけでございます。この中で昭和二十七年度に貸しましたものは、これは見返資金の当時の利率をそのまま引継ぎまして五分五厘で計算していたのであります。五分五厘で計算いたしますと大体十三億七千万円くらいに相成るだろうかと思つております。それから二十八年度の貸付でございますが、これは見返資金のほうからこの会計に持ち越します分と、それから新らしく国債を発行する分と二つに分れるわけでありまして、これを一応それぞれの時期ごとに分けまして、見返関係のほうは大体五分五厘ということにいたしまして七億二千五百万円ばかり、それから六分五厘の口で七億五千二百万円ばかり、両方合せまして、要するに二十八年度におけるところの貸付といたしましては十四億七千七百万円くらいを予定している、かような数字に相成つている次第であります。
  152. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると結局この特別減税国債による調達資金を開銀へ廻す分の金利が六億五千五百万円ですか。
  153. 石田正

    政府委員(石田正君) これは大体利子の点で申上げたのでありますが、利子のほうは七億五千二百万円。
  154. 小林政夫

    小林政夫君 七億五千二百万円。
  155. 石田正

    政府委員(石田正君) はあ。
  156. 小林政夫

    小林政夫君 これは産業投資特別会計分としてですね。
  157. 石田正

    政府委員(石田正君) さようでございます。
  158. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、国債のみならず見返資金の引継ぎの分もあるが、見返資金の分は先ほどお話があつたように五分五厘で素通りですか。
  159. 石田正

    政府委員(石田正君) この産業投資特別会計資金の調達源と出す方面との関係は、相当細かいところまで実は計算したわけでございます。見返資金関係の中から先ず電々公社に対するものは、これは当分見込めませんものですから、そこで見返りの分から出たものと、かように計上せざるを得ないのでございまして、これはこの国債によつて得たところの収入を以て支出するのはおかしいので、先ず落したわけでございます。その残りのものを出します場合に、要するに見返資金から引継いだものの残りの分と、それからして国債発行による手取りの分とあるわけであります。そのトータルを大体按分比例と申しますか、そういうふうな形で要するに貸付を行い、利子ももらう。かような形で計上したわけでございます。
  160. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、一体三百億の国債はいつまでに消化ができると思つておりますか。ひよこつと四月一日から消化できるという見込ですか。
  161. 石田正

    政府委員(石田正君) 私のほうでは特別減税国債の中には、御存じのように個人分もございます。これにつきましては、個人のものといたしましては、これは毎月々々発行したほうがやはり応募を得る上においていいのではないかと思います。それから来年度の初めにおきまして、まあ申告納税の関係もございまするし、それからの関係から申しまして成るべく早くから発行いたしたいと、かように考えております。できれば四月中にこの申込を受けまして、そうしてまあ締切つて五月には証券が渡るというところまで持つて行かなければいけないのではないか。これは勿論先ほどのお話では逆のお話かも知れませんが、初めにどかつと出してしまつて、あとゆつくりやろうというのではないのでありまして、やはり個人分はいつくまでに、いつからすつとやつて行くというふうにいたしませんと、仮に年間を通じて応募者が少いという場合には初めからしでいいかも知れませんけれども、応募者が仮に多いという場合を考えました場合には、初めのうちにぽかつと出してしまうと、初めの人だけ恩典を受けてあとの人は恩典を受けない。かようなことになりまするので、年間を通じて平均するという形で発行いたしたい。かように考えております。
  162. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると申込は四月一ぱいで受けて、証券も五月末までには渡るということは、年間平均をしてということではないのじやないですか。それで実際投資特別会計に対して三百億の国債発行による資金吸収がいつ完了するか、月別の何かがあればともかくとして。
  163. 石田正

    政府委員(石田正君) 今一番初め申しましたのは、第一回は、これは法律通りましても証券を刷つたり時間がかかるのです。今までの普通の事務量でやつておりますと七月とか八月とか遅いことになつてしまう。そういうことではいけないのでできるだけ五月には証券が出廻るようにいたしたいと、かような意味で申上げたわけでありまして、決して五月中に応募を締切つてしまうというわけではございません。  なお発行計画はどうなるかということにつきましては、実は今予算その他法案等の関係で整理いたしておりますので、はつきりとしたことを申上げるのはどうかと思いまするので、或いは今後変ることの余地があることをお含みおき願いたいのですが、大体五月末には七十億ぐらいのものを発行いたしたい。これは毎月でも大変でございますので、一月おきぐらいのものを考えまして七月末は四十億くらい、それから十一月末には九十億、十二月末には四億、二月末には六十億と、かような一応の数字を出しております。これは何と申しますか、私のほうで出します証券発行の便宜というような点よりも、むしろ税金の納期とか徴収工合とか、そういうふうなことを主といたしましてそれに合うような工合に、要するに売れますならばというような意味で一応そういう試算を出しております。なお細かい点については検討を要するのではないか。かように考えておる次第でございます。
  164. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、国債としては金利は四分と見ておられるが、最悪の場合電電公社或いは国鉄と同じように七分五厘と見たとしてこの発行、金のずれ、ずれというか、今こういうふうに二月末までかかつて三百億内外、これを例えば五月末一ぱいに三百億集めて、金融機関等の引受によつてそれを運用して行く限りにおいては、予算に狂いを生じない範囲において大体他の国債との振合いのとれた金利友付し得る出し方、又運用の仕方というものはできませんか。
  165. 石田正

    政府委員(石田正君) 今この三百億を出しますところの時期等につきましては、歳出の面から申しまして、我々が三百億の一年分をそのまま全部使つてしまうという考え方は持つていないのであります。やはり分割して出すという考えであります。なおこれは今のような場合に、早く出してしまつて油とは運用したらどうかというお話で承りますが、これは主計局のほうからもお聞き取り願いたいと思うのでありますが、大体政府特別会計その他一般会計、まあ特別会計の持つている余裕金というものは原則といたしまして資金運用部に持つて参りまして、ここで統一的に運用しようということが主眼になつているのであります。相当骨でございます。今申しましたような工合にこの会計の何と申しますか、金繰りの要求のために、例えば早く出して、そうしてその差額を例えば甲なら甲に出すというようなことで儲けるということは、何と申しましても財政全般、それからして政府資金の運用に関するところの根本原則をみだりますものでございますから、その点は我々といたしましてはやはりそれぞれきまつておりますところの枠の範囲内でやつて行きたい。そうしませんで、各特別会計が何と申しますか、金繰りを楽にいたしますために勝手なことをやることに相成りましては、これは収拾のつかないようになるのじやないかと、かように考えております。
  166. 小林政夫

    小林政夫君 私のお尋ねしている趣旨は、この特別減税国債法案の場合に、あなたは金利が四分ということになつているから、どうしても予算を変えなければならんと言われるが、予算面においては成るほど四分という利廻で一応計算されたのかも知れんが、特別減税をやらない、普通の国債として三百億を集める。それは大体二十八年度において発行されるであろう他の国債と同じような利廻にして、そうして予算をいじらずしてやつて行くやりくりがつくのじやありませんかと、つけようとすればつくのじやないかという意味でお尋ねしているわけであります。
  167. 石田正

    政府委員(石田正君) これは非常に何と申しますか、詳細なお尋ねでありまして、実は私たちこの案を出しましても率直に申しますけれども、心配しておりますような点は先ほど五分五厘、六分五厘ということをやつておりますが、まあ何と申しますか、一方におきまして収入が入るかどうかというような点、それからして又そういう何と言いますか、低金利の時代にそういう金利を続けて行くことがいいか悪いかというようなことは、又借りるほうから見ましても貸すほうから見ましても相当頭を悩ましたのであります。而もその尻はどこへ行くか。若し損した尻というものはすべて融資ができないという部面に来るわけであります。  それからまあ私たちのほうで一番心配しておりますのはこの開発銀行の、何と申しますか、剰余金の収入を一番多く見ているわけであります。これが仮にいろいろの方面で開発銀行の貸出金利が下るというようなことが起つて参りますと、多少それも影響があるというふうなことで、この特別会計というものは相当無理な金繰りがある。これはまあ予備金を御覧願いましてもおわかりでございましようけれども、大体七百億のあれをやつておりながら三百億に足りないところの予備金しかないという、かような状況になつておりますので、今お話のような点については何とかすればやりくりがつくのじやないかというお話は、これは金の面からだけお考え願いますれば誠に御尤もなことだと思うのでありますが、実際の面といたしましてはこれだけのやつで予備金がこれだけしかないということは、相当苦しい金繰りなのでございまして、実際申しましてこの点につきましては理財局長こうやろうじやないかと言われましても、私率直に申しまして、正直に申しましてむずかしいのじやないかということを心配いたしておる次第でございます。
  168. 木村禧八郎

    木村禧八郎君  ちよつと関連して、一つだけちよつと。前に見返資金で期限前に公債を買入償還しましたね。あれは幾らぐらいあるのですか。あの表に出ておつたのは全部ですか、あれは。ちよつと理財局長、前に資料を頂きましたね、あの中で資産として落ちたのがございますね。あれは全部が買入償還の分ですか。
  169. 石田正

    政府委員(石田正君) 先般予算委員会におきまして理財局関係資料として差上げましたものの第三頁に、いわゆる使用してしまつたために見返資金から落ちてしまつたというところにおきまして、債務償還として金額が挙げてございます。六百二十五億でございますが、その数字が要するに復金との関係から償還してしまつた金、こういうことでございます。
  170. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そのときのあれはどのくらいの利率ですか。前の旧公債は幾らぐらいですかね、発行利率。大体でいいのです。
  171. 石田正

    政府委員(石田正君) そのときの利率、私今はつきり覚えておりませんので、後刻取調べましてから。
  172. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 五分利のものだつたですか。
  173. 石田正

    政府委員(石田正君) この関係非常にややこしくなつておりまして、又今申上げまして数字が間違つても申訳ありませんから、今日はお許し願いまして、いずれ調べまして後刻申上げたいと思います。
  174. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は、前に非常に償還期限が来ないのに買入償還しなくちやならなかつた状態でしよう。今金繰り金繰りと言つていますが、六百幾ら払つてしまつて今度詰つて来て公債を発行する、どうもその関係がおかしいのじやないか。そのときの事情もあるのでしようけれども、今理財局長に言つてもしようがないのでしようけれども。
  175. 石田正

    政府委員(石田正君) これは六百二十五億を償還いたしましたのは、もうよく御存じの状況だろうと思います。なおこの際申上げますが、見返資金といたしましては、今年三百億の国債を売りまして、それを企業の方面に融資いたします。それから又この産業投資特別会計に持込みました約二百億、額面でございますが、そういうふうなものをこれは売払いまして資金調達の一面に出したい。この五百億につきましても債務償還にしてしまえというような意向も一部にあつたわけでございますが、これは要するに頑張りまして今まで残して来た、かような次第でございまして、まあお前は怪しからんじやないかというお話で誠に恐縮に存じますが、私たちといたしましてはできるだけそういう努力をいたして参りましたつもりでおりますので、悪しからず御了承願いたいと思つております。
  176. 小林政夫

    小林政夫君 それからちよつと資料要求しておきます、主税局のほうへ。今度所得の最高六〇%を六五%にしまして、それによる税収が一体どうなるか。
  177. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) その点はお手許に差上げてあります租税及び印紙収入予算説明の三頁に、富裕税の廃止に伴う税率引上げ八億という増収を見込んでおるのでありますが、この八億、三頁でございます。事項別増減収額のところにあるわけです。
  178. 小林政夫

    小林政夫君 ああそうですか。これがそうなのか。それではこの前出してもらつたのですけれども、これの課税標準で行つて給与所得者に対する控除の最高限を四万五千円から五万円、五千円だけ上げた場合に一体幾ら減税になるか……。
  179. 伊藤保平

    ○理事(伊藤保平君) いいですか。じや本日はこれで散会します。    午後四時五十七分散会