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政府委員(
渡邊喜久造君)
委員長の今の御質問は、問題を二つに分けて御答弁申上げるほうがいいのではないかと思います。一つは琺瑯タンクの
資金の問題につきまして、
政府として、例えばその斡旋等についてどういうふうな考え方をしているかという点について、先ずお答えを申上げておきます。
琺瑯タンクが現在の酒造の上におきましては、いわばこれが順次一般化さるべきものでありまして、昔のような杉樽のようなものでございますと、欠減の点から考えましても面白くありませんし、まあその他いろんな面からしまして今後の酒造、酒の醸造は、琺瑯タンクを
中心になさるべきものであるということにつきましては、我々も全然同じような
意見を持つております。従いまして、従来におきましてもこの琺瑯タンクの
施設のための金融につきましては、いろいろ我々も斡旋につきまして努力いたしまして、過去におきましても商工中央金庫を通じまして、相当の
資金が貸出されていることがあります。ただまあこの問題につきましては二つの面で酒造
業者のほうから希望が出ているのですが、一つは商工中金における貸出しの手続きに非常に手間がとれるということと、それからもう一つはその金利がもつと安くならないものであるか。商工中金の貸出しにつきまして手間がとれる問題につきましては、丁度商工中金としましては、琺瑯タンクの貸出しを始めたばかりでございまして、取扱物件として新らしいものでございますから、その事情が或る
程度調査し、呑み込めるまでにつきましては、やはり相当まあ調査も必要だというので、過去におきましては相当の時間を要したわけでありますが、大体その性格もわか
つたようでございますので、今後におきましては、商工中金としましてもより迅速なる貸出しをなし得るであろうというようなことを言つておるのを聞いております。ただまあ金利の点につきましては、商工中金のいろんな採算のペースもございますので、商工中金におきましてそう安い金利の金を出すということにつきましては、かなり困難があるようでございます。そこで現在におきましては、
業者のかたは
開発銀行のほうに、この金の融資を或る
程度商工中金以外に
開発銀行のほうで相当の金の貸出しができないだろうか、という点についていろいろ交渉をしているようであります。
政府といたしましても、国税庁或いは我々といたしましても、この点については更に
開発銀行のほうとも十分話合いまして、できれば何とかその辺からも金が出ることについても努力して見たい、かように考えております。
それから第二の点は、現在琺瑯タンクの償却、税法上の耐用年数が二十年に
なつております。この点を更にもつと短縮するように考えられないだろうかという御質問についてお答え申上げたいと思いますが、この点につきましては、恐らく物理的に考えますれば、まあ二十年という耐用年数がそう無理な耐用年数とも思われませんが、併しそれは一応物理的だけの観点でございまして、経済的に考えた場合に果してどうかという問題がもう一つそこにあるわけでございますので、この点については
政府としましても慎重に考慮して行きたいと考えております。