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1953-02-18 第15回国会 参議院 大蔵委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十八日(水曜日)    午後二時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            大矢半次郎君            木内 四郎君            伊藤 保平君    委員            黒田 英雄君            小林 政夫君            小宮山常吉君            杉山 昌作君            森 八三一君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君   政府委員    大蔵省主税局長 渡邊喜久造君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○酒税法案内閣送付) ○酒税保全及び酒類業組合等に関す  る法律案内閣送付)   —————————————
  2. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) これより第十九回大蔵委員会を開会いたします。酒母法案及び酒税保全及び酒類業組合等に関する法律案を議題に供します。質疑を願います。
  3. 伊藤保平

    伊藤保平君 第五十三条中に酒税もろみ、こうじというのがあるのですが、それの定義をもう少し明確にしておく必要があるのじやないかと考えられるが、大体これでよろしいというふうにお考えなつおりましようか。
  4. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 酒母もろみ、こうじというものの定義の問題でございますが、なかなかいろいろ科学的に定義をして参ろうとしますと、相当むずかしくなるわけでございますが、この言葉は従来酒税法でずつと使われておりまして、相当過去何十年の長年に亙りまして一応まあはつきりした概念ができ上つておりますので、今回の法案におきましても、従来と同じような考え方で行くという意味におきまして、余り強いてやかましい定義を定めることはいたしませんでした。
  5. 伊藤保平

    伊藤保平君 ただこの取扱上密造原料になるこうじですね、その取締についてはこれで十分にできるようになつておるのですか、殊に醤油のこうじのほうの場合ですが、醤油原料にするこうじの場合などについて少し抜け道がありはしないかという感じがするのです。
  6. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) お答えいたします。醤油の場合につきまして多少懸念がないでもございませんが、醤油業者におきましても多年ずつとやつて来ておりまして、従来そこに特に弊害があるようなことを認めておりません。その他の分につきましては相当厳重な取締規定もございますので、おおむねこの程度規定で以て取締は十分やり得るのではないか、かように考えておるわけでございます。
  7. 伊藤保平

    伊藤保平君 こうじに関係しましては原料は全部大蔵省取締でやれることになつおりますか。
  8. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 製造につきましては従来と同じように免許制度をとることにしております。なお販売につきましては従来なかつた制度でございますが、免許制度にするのは少し行き過ぎだろうという感じでございまして、併し申告の義務を負わせるということで、販売についての関係を明確にしまして、取締の便宜は得る、かような考え方でこの取締はやつて行こうと存じております。
  9. 伊藤保平

    伊藤保平君 それから第三条の第四号のところに合成清酒のほうで「政令に定めるところにより、」こうあるのですが、それと今後原料として「焼ちゆう又は清酒ぶどう糖その他政令で定める物品原料として製造した酒類」、こうあるのでありますが、何かこれに制限がないようにも見えておるのですが、こういう清酒というのはどうもこの場合どうかと思うのですが、原材として……、これを削つて但書を附けて、米を原料とする物品を使用する場合においては、その米の重量合成酒重量の百分の五を超えないものに限ると言うふうではどうかと思います。一方清酒の場合には何か制限があるようになつておると思うのです、前に……それとの権衡上もそういうふうにお考えなつておることはありませんか、お伺いしたい。
  10. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) お手許へ酒税法施行令政令案の要綱を実は差上げてあると思いますが、若しございませんでしたらあとで私のほうにはまだありますから差上げます。  実はその第三条の四号でございますが、「その他政令で定める物品」というその物品につきましては、これも大体現在やつておる姿をそのまま踏襲するつもりでございますが、米、麦、あわ、とうもろこしといつたようなものとか、それから糖類、或いはグリセリン、そうした物品の品目を指定したいと思つております。なお「政令で定めるところにより、」ということにつきましては、これらのものを使用する量について、特に米の使用量につきまして一定制限を作るということをこの政令できめたいと思つております。なお現在米の量は百分の五が制限の量になつおりますが、この点につきましては今回の改正後におきましてもやはり同じように政令制限したい、かように考えておる次第でございます。
  11. 伊藤保平

    伊藤保平君 そうするとこの場合に特にここに清酒と現わさなくてもいいように考えますが、そうでないのですか。
  12. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) まあ全部を政令で定めるということも書けないことはないと思いますのですが、併し少くとも主たる原料はやはりこの中に入れておきまして、そして政令で定める物品というのは調味料のようなものと、それから極く僅かまあ調味料とは多少性格が違うと思いますが、調味料的に使うもの、そういう全体としまして非常に重要性の乏しいものだけは政令に書く。主たる原料はやはり法律はつきりしておいたほうがいいじやないか。かような趣旨で一応アルコール焼酎清酒というものはこれはもう何と申しましても一番主要でございます。それからぶどう糖などがやはり合成酒ならば調味料としては一番頭層でございますが、これだけを例示的に挙げまして、その他のものにつきましては、これは非常に種類考えられ得る種類が相当多いのでございますから、これは政令できめさして頂きたい、かような趣旨で立案したのでございます。
  13. 伊藤保平

    伊藤保平君 その原料は、主たる原料というと、清酒よりはむしろ米のほうが主たる原料じやないか。米のほうをきめておかないと、清酒という作り上つたたものを書かれる必要がないのじやないかと、こういうふうに考えるのですが、どうですか。
  14. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 現在合成酒清酒を入れるということにつきましては、これはむしろ最近のやり方としましては非常に少うございまして、お説のように、むしろ清酒に代えて一定制限の米を入れるということはお話通りでございます。それでまあこの機会に書き直す手もありますが、実はやり方は従来とちつとも変らないのだということをむしろはつきりさせたい意味におきまして、全部改正でございますので、文語体であつたものを口語体に直しましたが、従来のものをそのまま規定の上に書き写したという以外に他意はございません。
  15. 伊藤保平

    伊藤保平君 それからその次に同じ三条の九で、ビールなんですが、今までの酒税法を見ますと、ビール麦酒と漢字で書いてあつたのですが、今回仮名ビールと変えられたように思うのですが、これについては何か特別のお考えがあるわけですか。
  16. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 私も実は余りよく存じませんが、麦酒と書きまして、最近の当用漢字ですと、ビールと読むのはむずかしいのだそうです。それで現在まあいろいろ当用漢字使つてこれを作るといつたようなことにしておりますものですから、それでまあ昔は麦酒と書いてビールと読ましていましたが、今度はビールと読むならやはり仮名ビールと書いたほうがいいのだという法制局方面意見がございまして、我々も余り法律のそういう細かいテクニックについてはよくわかりませんものですから、法制局意見を容れまして、ビールと書いた、こういうわけであります。
  17. 伊藤保平

    伊藤保平君 そうすると、この頃発泡酒というのができておりますね、あの発泡酒というのは何か区別でもつけられるというような考えはなかつたわけですね、ただ用語上だけで仮名で書くということですか。
  18. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 今お話になりました発泡酒というのは、合成ビールなどと呼んでおりますが、我々はこれは少くとも酒税法の上におきましてはビールとして扱かつておりません。従いましてこれは発泡酒として扱かつておりまして、まあ発泡酒と特に区別するとか何とかいつたような意味におきまして、従来麦酒と書いてあつたやつをビール仮名で書いた、別にその点につきましては特別な配意によつて書き改めたというわけのものではありません。
  19. 伊藤保平

    伊藤保平君 これはちよつと酒造年度ですが、これはいいのですけれども、米穀年度のほうは十一月から始まつて、そうしてそのときの翌年の年度を言つておる習慣なんですね、酒造年度に限つて始まつた月を含む年度なつておるのですね、大変ややこしいのですが、この辺は文面に関係がないと思いますが、これはどつちでもいいように考えますが、その点はどうお考になつおりますか、ずらすわけになるのですね。
  20. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) いろいろお話のような点はあろうと思つております。酒造年度というのも非常に昔から古く使つておる言葉でございまして、同時に又毎年統計の上から言いましてもその名前でずつと統計ができておりまして、まあ合せます場合には一年抜けるような姿になるのじやないかと思いますが、どういうふうにしたほうがいいか、現在のところでは従来の例を踏襲して参りたいと思つておりますが、将来の問題としましては更に研究してみたいと思つております。
  21. 伊藤保平

    伊藤保平君 第七条に行きまして製造免許の件ですね、新規免許の場合と思いますが、ビールが一万石になつておるのに対して合成清酒の三百石、清酒が三百石、それから焼酎も三百石となつおりますが、近代の企業の規模と言いますか、機械を使ういろいろな実際から考えまして、殊にビールが一万石となつておるのに清酒のほうは殆んど今まで従来の関係で小さいようなのが多いようです。合成清酒焼酎などは新規にやる場合はこういう単位はないと思うのですが、もう少しお上げになるというお考えはないのですか。
  22. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) この点につきましてはまあいろいろ中では議論があつたのですが、実は現在焼酎はいささか製造業者の数が非常に殖えている、小さな焼酎業者のかたには少くともまあ最低二千石の免許をもらいたいといつたような話もあるのでございますが、そうなりますと焼酎全体の生産の面から言いましてどういうことになるかというふうな点につきまして、我我のほうでも相当研究して参らなければならん点があると思つております。現在はかなり少さな造石数免許がすでに多いと存じますので、今言つたような、片方に空気もございますので、これから現在白紙の上に絵を描くんですと、お話のような考え方が当然出て来ていいと思いますが、従来から一つの製造技術の上に乗つかつて参りますと、この石数を余り大きく殖やすということはいろいろな問題がそこから関連して出て参ることでございまして、まあ取りあえず従来の法規の制限をそのままに一応しておこう、行政の面からしましていずれ調整がうまくできた暁には別な考え方が出て来ていいと思います。いろいろな問題がもうすでに行政の面で出ておりますので、これを機会石数を余り殖やすことは問題をいよいよ複雑にする可能性がありやせんかといつたようなこともございまして、この際としては大体従来の例をそのままとつた、かような次第でございます。
  23. 伊藤保平

    伊藤保平君 もう一度ちよつと重複するようでありますけれども、第八条の酒母もろみ、こうじの製造の場合に、これが六号「みそ又はしよう油製造業者が、その製造場において、みそ又はしよう油製造の用に供するため、こうじを製造する場合」これは免許を受けなければならないことは除かれておるようになつておるのですが、これはやはり免許を受けるようにしたほうがいいんじやないでしようか、どうも密造酒あたりがこういうところから流れるのじやないかという気がするのですが、これについてはどういうお考えをお持ちでしようか。
  24. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 密造酒取締という観点だけでございますと、あらゆる場合におきまして製造免許の……、こうじの製造免許につきましては、免許制度をとるということが考えられないでもありませんが、味噌醤油製造免許をとるというのは、何と申しましてもかなり普遍的に相当広く行われておるわけでありまして、従いまして、そういうかたがたに一々免許をするということにつきましても、その業者のかたも恐らくいやがる。御迷惑でもあろう。現実の問題としまして全然弊害がないかということは、ないとは言い切れないと思いますが、差当りましてすぐにこのために取締が非常に困るというふうな事態にもなつていないと思つておりまするので、やはり従来通りこういうふうな考え方行つていいのじやないだろうか。若し弊害が大きく出るようでございましたら、これは又別に考え合せなければならんと思いますが、現在のような事態でございましたら、やはり味噌醤油製造業者の作るこうじと、大体仕事の形がわかりますから、強いて免許制度をとらなくてもいいのじやないか、かように考えましてこれも現行法考え方をそのまま踏襲したわけでございます。
  25. 伊藤保平

    伊藤保平君 それはもう米こうじと麦こうじと、どつちが多くなつおりましようか、味噌醤油原料……。
  26. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 正確な数字は持合わししておりませんが、やはり麦こうじのほうが多いのじやないかと思います。
  27. 伊藤保平

    伊藤保平君 多いのでしようね。だから米のほうは多少やつてもいいのじやないかという気がしますが……。
  28. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 勿論これも伊藤さんよくおわかりだと思いますが、自分の製造場で使う場合についてだけ免許が要らないわけでありまして、まあ外に出す場合において、それが目的が例えば外へ出す目的であるならば免許が要るということになつおりまして、大体現在のところ差つてこれによつて密造の温床になつているといつたほどの弊害を認めておりませんので、まあ現行通りでいいのじやないかといつたように考えておるのであります。
  29. 伊藤保平

    伊藤保平君 販売免許がさつきないとおつしやつたのではないでしようか。
  30. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 製造については免許がございまして、販売のときは販売申告制度があります。従いまして免許制度ではございません。これはまあ申告して頂きますから、従いまして税務署において必要に応じて取締るということはできるわけでございます。
  31. 伊藤保平

    伊藤保平君 それから第十条の第六号ですが、ほかにもこういう場合があつたと思うのですけれども、この免許を与えるとか与えないとか、その他の場合もあると思うのですけれども、租税滞納をして処分を受けた者、これはいけない。今度国税又は地方税滞納処分を受けた者である場合というふうになつておるのですが、国税はいいが地方税まではどうかと思うのですが、どういうところでこういうことをお入れになつたのでしようか。
  32. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 現行規定では実はもう少し大らかといいますか、漠然と規定しておりまして、資力が十分と認められない場合においては免許しない、こういう規定なつおりまして、その資力が十分と認められないという場合の扱いとしまして、ここに書いてありますようなことが通達の形で実は出ておるわけでございます。それで新らしく法文を作り直すにつきましては、やはり通牒でそういうようなことをやつて行くのは面白くないのじやないか、むしろ法令の上にはつきり出したほうがいいのじやないかということが考えられましたので、従来通達で、大体こういう線でやつてつたわけでありますが、これを法律の上にはつきり表に出しまして、そうしてまあ規定盛つたというわけでございます。  地方税のほうについてはどうかという御意見もありますが、国と言い地方と言い、一応大きな意味での租税という意味におきまして、やはり一応並べておいたほうがいいのじやないかという考え方で、いずれかについてのものでございますが、滞納処分ということになつおりますので、ちよつと期日を忘れまして滞納になりましても、例えば督促状行つて慌てて納めたという場合におきましてはこれに該当しないということは別に御説明しなくてもよくおわかりと思いますが、そういう次第にはなつておるわけであります。
  33. 伊藤保平

    伊藤保平君 それから十五条の中に「あらかじめ」というのがありますが、これは一定の時日を定めて「あらかじめ」という、前日にやつてもあらかじめなんで、少し偏狭な解釈をするものがあるのですが、これは何日以前というのではいけないのですか。「あらかじめ」というのでは余り漠然としておるように思うのですが、如何でしよう。
  34. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 別に他意はないわけでありまして、まあ何日以前というふうな見方も勿論ございますが、これは新らしい規定でありましてとにかく釈明のための機会を与える、従いまして若し執行期間におきまして十分な準備ができない間に呼出して、すぐこう……、これは執行としては私は適切を得ないと思つております。従いまして特にやかましく法律には書いてございませんが、これを運用して行く上におきましては、十分本人から釈明するだけの、釈明のための準備をするだけの期間を置いた上でこういうふうな聴聞をすべきだ、執行の上におきまして十分に注意して参りたいと思つております。
  35. 伊藤保平

    伊藤保平君 それから第三章になりまして、第二十二条の税率のところですが、一番最初の清酒の特級が、アルコール分が十八度を超えるときは、アルコール分十六度を超える一度ごとに幾ら幾らを加えた金額、こうなつているのですから、十七度九分までは同じ金額でいいというふうに解釈していいのですか。
  36. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) さようでございます。今お話しのように十七度九分まではここに書いてあります六万二千五百円というのでいいわけでございます。十八度を超えますと、十六度を超える分についてと下から上つて来て加算になる。大体考え方としましては清酒は十八度以下のものだ、こういう考え方が中心になつてできているわけでありまして、規定は現在の形が全然同じなんです。なお今のお話は十七度九分まではよろしい、十八度まではいいのです。十八度一分とか十八度二分とかいつたような場合において、あとのほうの加算規定がある、かように考えおります。
  37. 伊藤保平

    伊藤保平君 今までは九分というようなことが言われておつたのですが、それが変つたのですか。
  38. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 現在まだ扱いといたしまして十七度九分まで認めておるというふうに聞いてはおりますが、現在の規定も十八度を超えるときは云々ということになつおりまして、まあそれと同じわけであります。ただ法律の文章を解釈してみますと、現在におきましても何分というあれがあるとすれば、十八度を超えるときはということになると思いますが、ただ現在すぐやつております扱いを変えるつもりはございません。
  39. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  40. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) 速記をつけて。
  41. 伊藤保平

    伊藤保平君 それからこの中に、おり酒というのが清酒からできるのですが、おり酒税率がないのですが、これは実際おり酒というものは、これは清酒だけの場合ですが、清酒二級として売れないということは事実なのですから、何とかおり酒税率についてこの場合でなくともほかの場合でもこしらえるということについての何か考えはないでしようか。
  42. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 御承知のように清酒課税製造課税であつた時代におきましては、いわゆるおり引き控除、たしか二%だと思いますが、おりの分の控除があつたわけでございます。それで庫出し課税なつ機会におきまして、結局そのおりに相当する分はまあ庫から出ないだろうというふうな感覚で以て大体そのおり引き制度はやめてなくなつてしまつたというのが現状なのです。それでいろいろその点につきましてはお話を伺つておりますが、例えば製造の過程におきまして色を薄くするために木炭を入れたりした場合におきましては、結局おり酒というものはもう殆んど飲めなくなつてしまいまして、まあ問題はないわけですが、そこまで行かない場合におきまして或る程度おり溜つた、それをもう一遍しぼつてできるだけおりを少く、まあ酒をとれるだけとつて、そして残りをかすになりますか何ですか、そういう処分になさるということが考えられないかというふうなことも酒屋さんに申上げておるのですが、酒屋さんのほうではそのおりの分をやはりおりならおりとして、まあいわば濁酒のようなものとして販売しなければならないような事態もあるといつたようなお話も伺つておるのでございますが、全体として見ますと割合に特殊な事例でございますし、そのために特に税率を作るかどうかという点につきましてはむしろ今後の問題といたしまして我々のほうとして研究してみたい。現在といたしましては長年やつて参つておりますし、特にこの機会おりのための税として、おり商品価値としてどんなものがあるかという点などにつきましても、全国的に行われておる量でもございませんし、よくまだわかつておらない面もございますので、もう少し先の問題にして頂きたい。かように考えて現在といたしましては特にこのために税率を作る考えはございません。
  43. 伊藤保平

    伊藤保平君 それから第四号の、ここにはないのですが、あとのほうにある二十度焼酎のことですが、この二十度焼酎は二十五度の焼酎より一石当りの税額が大分低くなつておるようですが、これについては別に何か弊害が起るようなことはないとお考えでしようか。
  44. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 二十度焼酎の問題は六十九頁の所にございますが、措置法規定といたしまして二十五条の二としまして一応一石につき一万三百円甲類、こういう税率を盛つてございます。これが税率といたしましては二十五度ものと比べまして一升について二十五度ものを二十五分の二十としたといつたようなアルコール度数割にした場合に比較しまして一升について丁度百円低くなつているという数字なつています。二十度焼酎につきましては実はいろいろ議論がございまして、私のほうでも検討してみたんですが、やはり一番二十度焼酎の魅力は値段が安いということから出発するわけですが、私も成るほどと思う御議論は、例えば鹿児島県、宮崎県とかああいう所へ参りますと、密造焼酎が大体十八度、十九度の焼酎ができる。それの値段が一升二百円、二百二、三十円、従いましてこういうものを若し正規の酒として出せば相当密造対策として効果があるのではないかというふうな御意見がございまして、私もちよつと二十度焼酎がどんなものかいろいろ試飲してみましたが、甲類のすつぱりした蒸溜にかけたものと比べていささか二十度焼酎というものは余り薄い感じが出まして、好んで飲まれるかどうかは疑問だと思つております。カストリのようなものが多少中に入るとか、雑味が入りますと飲めるというような姿のものだと思つています。我々のほうといたしましては二十度焼酎は今言つたような御要望もございますので、密造対策のために必要のある場合においてこの二十度焼酎というものを出して行きたい。従いましてその数量等につきましても一応の制限をおきまして、そして市場状況を見まして出して行きたい。それで大体焼酎というものは昔は三十度、三十五度というのが普通だつたのですが、現在は二十五度が常識になつおりますが、若し市場状況によりまして二十度ものが一般的のもので、そういうふうな例外的なものじやないのだということになるとすれば、二十度ものについて特に百円税率を下げなければならないという理由はないわけでございまして、アルコール分に即応した税率でいいわけでございますが、ただ二十度ものは何と申しましても運賃が高くかかるとか、いろいろな意味において不利な状況もございますし、一応密造対策としまして効果的な手として何か考えるとすればやはり或る程度税率において加減しておいたほうがいいじやないか、そういつた意味におきまして先ほど来申しております一升について百円あたり安くなつおります。ただこれの動いて行く関係につきまして実は我々のほうも効果があるようにも思いますが、これが他の焼酎全体にとつて代るという姿のほうにはまあなるまいと思つております。同時に放つておけばそういうことになるとすれば或る程度制限を加えて行きたい。それから更にそれが若し制限市場の一般の傾向と反して行くということになれば、むしろ二十度のものが規範になることになるかも知れませんが、その場合におきましては税率は本来の税率に、少くともアルコール分に即応した税率にして行きたい、かような意味におきまして、二十度ものを現在特殊なものとしてこの際出したらどうか、かように考えおります。
  45. 大矢半次郎

    理事大矢半次郎君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕    〔理事大矢半次郎君退席、理事伊藤保平委員長席に着く〕
  46. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 速記を始めて……。今のお話は大体わかつておるのですが、私の申すのは、今のお話のようだと、これは地域的に規制されるでしようか、二十度焼酎については……。
  47. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 特に地域的に規制するということははつきりきめてはおりません。ただまあできるだけ効果のある所へ出したいということを考えおります。で、最初の時期でございますので、或いは先ず最初は全国どこでも一応出すことになるのかと思いますが、ただ数量につきましては一応の制限をおきたいと思つております。それで効果のある地域と効果の薄い地域について或いは将来の問題としておのずから地域的に厚い所と薄い所とできるということも考えられるんじやないかと思いますが、併しこの辺につきましては別に現在きまつた方針を持つておるわけではございません。ただ方針としましては、先ほどから申しておりますように、密造対策を中心とした特殊な焼酎であるから、従つてこれが一般的に普通の焼酎ととつて代るものじやない。従つて数量の上におきましても或る程度制限をおきながら出して行く、かような措置をとつて参りたい、かように考えおります。
  48. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 意味は大変よくわかりましたが、そうでなしに三十度でしたら一度当りが六百五十円、二十五度でしたら一度当り五百七十二円、二十度でしたら五百十五円になります。そうすると、三十度と二十度とを混和して二十五度をこしらえたら五百七十五円のものが五百六十五円になるように思うのですが、これは数字が少し間違つておるかも知れませんが、そういうようなこともありますが、余りこのようにすると、相当弊害がその市場で生じはしないか。それでただ密造の非常に激しい地方において特にそういうことを考慮するといいと思いますが、そのような意味でお尋ねしたのです。
  49. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) お説の通り実は我々も二十度焼酎の今後の動きについてはどんなふうに動くのだろうという意味で、いささか気味が悪いと言つては語弊があるかも知れませんが、相当の懸念を持つております。従つてこれが今のお話のような点もございますので、相当出るにつきましては、本来の密造取締目的のためという点をはつきり強調いたしまして、そうしてこれが取扱いにつきましては相当他の酒類との関係からしまして弊害の起きないように慎重にやつて参りたい、かように考えおります。
  50. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それからこれは税率の均衡に亙るのですが、清酒二級の今度の減税歩合は二割二分四厘ですか、確かそうですね。
  51. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 二割二分四厘です。
  52. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) ところがビールもやはり同じ率になつておると思うのですが、今度の税率改正のお考え方が、大体税を全体的に下げるという今の要望に応ずるということが一つ、これを増産で補なつて行く、その税収入の減り方を……。ところが一方では密造対策のことを相当強く調つておられるのですね、そうしますというと、この清酒二級のほうは相当大衆向きな酒であると思うのですが、それがやはり今日では合成二級と清酒二級が一番一般の輿論に問うても大衆向きのものである、こう思うのですが、その間の減税歩合では合成二級は、たしか二割四分何厘ですか。
  53. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 二割六分一厘。
  54. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 二割六分一厘ですね、その差を設けられたことのお考えを一つと、それからもう一つは、ビールのほうはただ安くすれば結構なんですが、併し密造対策という大きな役割から見たらビールには密造はないのですから、清酒では二つの役目のあるものと、一つしか役目のないものとの間の引つかかりは相当不均衡じやないかと考えるのです。こういうことについてどういうふうにお考えになりますか。
  55. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 各種の税率の盛り方はなかなかむずかしいものでございますことはもうよく御承知の通りだと思つております。今度の考え方といたしましては、一つは酒全体の税率が高いということが、何と申しましても密造を相当多くしておる一つの原因だと思つております。それで私も戦前まで執行官庁におつたわけでございますが、どうしても密造をなくして行くためには、片方で税率を下げて、そうして正規の酒の値段を下げるということと、片方で相当やかましい取締を繰返してやる、この二つがまあ合せて行われなければとても効果は上らない、これはまあ伊藤さんもさだめてさようにお考えだと思いますが、そういう趣旨におきまして酒税全体も下げて参つたのですが、その間におきまして、やはり最近における清酒合成酒焼酎、まあそういつた全体の需給関係考えて多少考慮に入つておると思います。それから同時に焼酎のような安い酒が片方で密造焼酎もできて行く、こんなこともございますので、従いまして割合にまあ所得の少ない人が飲む酒、これが密造酒は大体そつちのほうでございますから、そういうふうなものは税率の引下げの割合を多くする、そうでないものは税率の引下げの割合を少くする、かような考え方で進んで参つたわけでございます。それで最初の御質問の清酒合成酒の、バランスの点でございますが、いろいろな考え方が実はあるようでございます。過去の清酒合成酒値段を比較して見ましても、開きが割合に少かつた時期と、それから相当大きく開いた時期とまあいろいろあるわけでございまして、現在考えおりますのは、小売価格にしまして、お手許に差上げてあります要綱では清酒が四百四十五円それから合成酒の二級が三百三十円となつおります。尤もその節いろいろ御説明申しました機会に、現在その中にはコストの引下げが相当入つておりまして、この分は現在検討しておりますが、多少動くかも知れない、併しまあ五円以上動くことは先ずないというふうに考えていますということを申上げておきましたが、大体現在までの検討の結果では、清酒が四百四十五円、それから合成酒の二級は三百三十五円、百十円くらい、これが現在の値開きでございますが、大体その辺に落ち着くのじやないだろうかということを実は考えおります。清酒合成酒との関係につきましては相当デリケートな関係がございまして、我々のほうとしましても慎重に今最後の値段がどうなるかということについて検討いたしておるところでありますが、大体今考えている、今申上げました程度のところに落ち着くのじやないだろうか、これも最終的な話ではないことを御了承願いたいと思います。まあそういうところを一応頭に置きまして、そうしてコストの引下げの関係なども考え税率を検討して参りますと、大体絶対額では片方が、清酒のほうが一升で六十五円、それから合成酒のほうが六十二円といつたくらいの引下げをやつたら丁度いいだろう、ただ元が少し金額が違いますものですから、割合としますと、二割二分四厘と二割六分一厘、かようになつたわけでありますが、大体狙つておりますのは、市場の値打としまして、最近における需給なども考えまして、現行の百十円の開きをそのます持たせておいたらいいじやないか、いろいろ議論はあるところでありますが、まあ私どものほうとしましては大体そういう見当を付けまして、税率につきましても一応の結論を出した、こういうわけでございます。なおビールでありますが、ビールの点につきましては、実はいろいろ議論も多うございます。アルコール分だけとつてみますと、ビールは御承知のようにアルコール分が非常に少いのでありまして、考え方によりましては、このアルコール分の少いビールにこんなに高い税金はどうか、恐らくアルコールの度数から計算してみますと、ビールが一番税率が高い、併し酒というものは勿論アルコールで飲むわけではございませんから、まあ消費対象としてのビールというものの存在を考えまして、一応税率は盛つてあるのですが、ただいろいろ比較してみましても、最近におきましてビールは割合に所得の多いものが飲むのだろうということに一応の前提を置いておつたせいだと思いますが、これは今度ビール清酒とを同じような割合で引下げましても、昭和九、十年ぐらいの当時に比べますと、清酒の二級のほうは税率で五百倍ですが、ビールのほうは七百六十倍になります。で、ビールのほうの税率全体が戦後割合に高いままに放置されていたということも否めないのじやないか、そこで特にこの際ビールに重点をおいて引下げるつもりは別にございませんが、やはり引下げの割合としましては、清酒と同じ程度の引下げ方をしたらいいのじやないだろうか、かように存じまして、一応こうした税率の結論を出したわけであります。
  56. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) そうすると、これは大体一種の何といいますか、酒類行政といいますか、今後のそういうふうに動かれる一つの案と見ていいのですか、つまり密造対策というようなことでなく、この場合ビールのほうはこうだ、それから合成酒清酒の場合は今は百十円の開きですが、五百円のときの百十円の開きを、四百円に下つたら百円とか、九十何円とかになると思うのですが、前のがいけなかつたか、今のがいいかは別としても、だんだん開きが、前のは殆んど今お話通りよく似ておつたですね、それがだんだん開きが余計になつて来ると、その点伸びないかというとやはり相当伸びて、数字の上では今年は半分くらいになりますか、片方は四百五、六十万石になりますか、これからそういう方針で行くという一つの行政上のお考えなつておるのか、今度は密造対策というのを離れておられるのか、この点もう少し明確にお聞きしたいと思います。
  57. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 全体としまして酒の税率を下げる上におきまして、密造対策の観点におきまして酒の税率を下げる、その場合に特に焼酎のようなものにつきましては税率の下げ方を多くする、こういう考え方を持つております。それで清酒合成酒値段のバランス関係でございますが、これは過去の事例もずつと見てみましたが、非常に小さかつた時代もございますし、それからその間が百五十円ぐらいに開いた時代もございます。それが現在は百十円に狭まつているわけなんですが、どのくらいの換算がいいかということについてはなかなか議論があるのですが、まあ最近の事態からしますと、合成酒のほうが市況がずつと弱いというような点もありますが、といつてこの値幅を余り広くするのもどうだろうか。大体現行程度、確かに全体が安くなつたのですから、その割合で行けば値幅は小さくなるということも考えられますが、合成酒の市況の弱いなどということも考えまして、大体現行程度の幅を持たせたらいいではないだろうかというのが現在我々が到達している結論でございます。
  58. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の問題で卸小売値段、これの新旧対照表を作つて出して頂けないですか。
  59. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 現在きまつております公定価格における値段の詳細のものは、これはお出しできると思つております。税法の中に細かく出ております。それで新らしくきめる合成酒の価格、それが製造者価格が幾らになつて、卸売価格が幾らになつて、小売価格が幾らになるか、これは実は今検討しおりますが、なかなかそれぞれの業者のかたに利害関係が非常に深いものでございますから、或る程度下ることについてはお考えなつている人もあるのですが、できるだけ流通の人は製造の人に持つてもらいたいと思つているでしようし、製造の人は流通の人に持つてもらいたい、そういうような状態にありまして、我々も若し三月一日に施行になるとしますれば、その日現在の公定価格として作らなければならんわけでございますが、やはりよほど慎重に検討したいし、少くとも或る程度案がまとまりましたならば、業者のかたにも意見を聞いて見たいと思つておりますが、国会のこの御審議の途中においてそういう資料が提出できるかどうかということにつきましては実はちよつと自信がございません。実はこの問題はそれぞれの業者のかたが非常に関心が多くて、それだけに利害が錯雑しているだけに、よほど我々のほうとしては慎重に扱いたい、かように考えてまだ検討を続けている最中でございますので、あしからず御了承願いたいと思います。
  60. 小林政夫

    ○小林政夫君 今のお話は、これからきめるものについて従来きまつておるものは据置ですか。いじらないのですか。
  61. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 最近の原料の点などを考えてみますと相当アルコールなど値下りになつておるのです。従いまして製造者価格におきましても相当の値下りを織込むべきじやないかと、かように考えおります。それから流通の過程におきましても値段全体が下るのですから、私の気持としましては絶対額が現在のままであるというのは、消費者に対する関係からしておかしいのじやないかと思つております。ただ例えば現在八分なら八分とつている割合を、そのまま八分でいいとは思つておりません。これは値段を上げた場合におきまして、マージンをきめるとき、昔一割とつていたやつを、絶対額は上げるけれども割合は下げる、こういうことで今までやつて来ておりますから、絶対額はこれは或る程度引下げざるを得ないかと思つておりますが、割合は従来やつて来た逆の考え方になりますから、やはり割合としては上げて行くべきじやないかと思つております。まあその辺でどのくらいのところに収むべきか、これは相当業者のかたの関心の的なんですが、それだけに我々としましても慎重に扱つて行きたい、従つて時間もかなりぎりぎろのところまで研究を続けて行きたい、かように考えおりますので御了承を願いたいと思います。
  62. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 今のお話のついでですけれども、絶対額は数字の上からはそう変らないような数字が出るのですが、最近はコストの生産過程だけの問題だけじやなく、生産されてしまつたのちの販売所の経費というものも非常に上つていると思うのです。人件費にいたしましても一般に上つているから、それで考慮が払われていないような数字じやないかと思うのですが、その点は十分に一つ御考慮を払つておられるか、どうでしようか。
  63. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) その点も十分研究した上で結論を出すつもりでおります。
  64. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それからついでですけれども、火災なんかの事故によつて亡失した分については免税の特典が今まであるのですね、ところが近頃自動車のトラックなんかが相当事故を起すのですが、ああいう場合は全然免税に、今後とも裏付けにならないお考えでしようか。
  65. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 製造場なり、それから又未納税移出で入りました蔵置所にある場合の亡失の問題は、これは全然問題ないわけでございますが、一応庫出ししまして税を、納税義務が発生した酒の亡失の問題だと思つておりますが、保険がかけてあれば問題はないし、それから日通などが運送中に亡失した場合におきましては、たしか補償をしているように聞いております。それだけにまあ酒の運賃が高くなつているわけでございまして、まあ高い運賃は一応コストの中には見てあるわけであります。ただそういうふうな場合以外に小売なら小売の小僧さんが途中で壊したとかいつたような問題もないとは限りませんが、併し個々の点につきましては、間接税が全体として庫出課税なつている分については全部に起きる問題でございまして、なかなか調査もしにくいと思いますし、手続もむずかしいと思いますので、いささか国が酷なような感じもございますが、現在といたしましては、それはまあ止むを得ないものとして一応我慢して頂くような恰好になつおりまして、なかなか実行の上から言いましても、それじやどういうふうに補償して行くか、これは証明とか、いろいろな関係で相当むずかしい問題じやないかと思つております。できれば何らかの手を打つことは考えられないじやありませんが、なかなか実行の上におきまして、そういう規定を作つてみましても実行が非常に困難じやないか、こういうことを心配しておりますので、今のところ、従来も対策は大してございませんでしたが、今にわかにこれに対する対策考えることもちよつと自信がございませんので、もう少し検討してみたいと、かように考えおります。
  66. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それから数量は少しですが、よく似ておるものがある。級別審査のため出品する酒なんですね。あれも課税された分を出しておるようなんですが、これも石数としては僅かですが、全国にすると相当の数になると思います。最近の滓酒なんかも昨年聞いたところでは約五千石、約四千七、八百石あつたのじやないですか、本年も三、四割増で出ますから、本年は七千石近くになるのじやないかと思います。これは滓酒だけですが、それから審査用酒なんかも、これはちよつと石数は少くとも、級別で出すという性質から言つたらどうかと思うのですが、そういうことには何も考えない、御研究にならなかつたのですか、これは小さいですけれども……。
  67. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 滓酒の問題は全部が金部外へ売られるとは思つておりません。従つて数量から言いますと御指摘のような数量になるのじやないかと思いますが、これはまあ伊藤さんよく御存じのように、木炭などを入れて色を抜いたりすると、あの滓酒は殆んど庫出ししたくても庫出しできない問題じやないかと思います。従いまして滓酒のためにどういうふうに考えて行くべきかということは相当研究してみたいと思います。それから審査用酒の関係でございますが、これも理窟は考えようで、確かに税金をまけたらいいじやないかという考え方が出るとも思つておりますが、まあ強いて理窟を言えば、まけないほうの理窟を言えばですね、まあ審査用酒は業者のかたに強制して行くというのでなくて、御希望によつてつて行くものだというようなことがまあ強いて言えば理窟になると思いますが、併しまあ私は別に三百代言的なことで審査用酒の税金を軽減、まけないことを弁護するつもりもありませんが、全体の数量としましても、何といつてもそれほど大きな数量でもないというので、今までもそれほど問題にされておりませんでしたから、今回の機会に滓酒におきましても特に取上げて考えませんでした。ただ審査用酒につきましても、少し必要以上に審査にとり過ぎておる面もありはせんかということも聞いておりますので、そういうようなことは、もう執行の上においてやらないようにして行くということは考えて行きたいと思つております。まあ審査用酒の問題は今後の問題としては少し研究してみたいと思つておりますが、まあ余り議論も聞いておりませんものですから、結局余り数量が少いせいだと思いますが、今度の場合におきましては、特にその問題を取上げて考えてはおりません。
  68. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それから第六章の酒類審議会ですが、第三十七条以下、これについては、これは参考にお聞きしたいのですが、どういう構想で、今度相当、三十人というと相当広範囲なように思いますが、大体構想を御説明願いたい。
  69. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 現在あります酒類審議会は、御承知のように級別の審査のためのまあ審議会でございまして、その審議会の行います仕事がまあ非常に限定されておりますので、大体官庁の者を中心といたしまして、そうして業者のかたは参考人のような恰好で参加してやつて参りまして、それで大体よかつたと思つておりますが、今度は酒税法関係におきましては、別に特に新らしい機能は加わるわけではございませんが、併せて御審議を願つております酒類団体業関係法律の上におきましては、この審議会が相当大きな役割を果すことに若し法案が通ればなると思います。従いまして、この酒類団体業法のほうの法案が通つた暁において、この審議会は、これは官庁の者だけの審議会といつた姿では適当でないと思つております。従いまして団体業法のほうの審議会ということになりますれば、業界のかたにも参加願い、消費者代表のかたにも参加願い、学識経験のある人といいますか、そういうかたにも参加願う、そうしたような構成によつてこの審議会を運営して行くべきであると、かように考えおります。
  70. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それから四十九条の関係ですが、この「かす」の検査までこの本条にあるのですが、これは四十九条のほうではいけないのですか。これは四十一条の二項ですね。「清酒かす、合成清酒かす又は味りんかすを生じたときは、その数量を検定する。」と、こういうようなものは何でもないことだけれども、四十九条のほうへ入れて置いていいんじやないかと思うのですが、特にこつちのほうへ……、奇異な感じがするのですが。
  71. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 検定と検査という関係でございますが、我々のほうはむしろ検定のほうを実は軽く考えて用語を使つております。それで「かす」をやはり調べるという必要があるということは、これはもう伊藤さんよく御承知だと思いますが、やはり酒が米をどれくらひ使ひ、水をどれくらい使つて、そして熟成した上で「かす」がどれだけできたかということが、できた酒の量とかというものが抜かれているかいないかという点について一つ大きな押えどころになりますので、現在もやつておりますが、大体現在のようなことをそのままやつて行きたい、特にやかましく取締るつもりもありませんし、大体現在やつている程度のことをやつて行きたい、かように考えまして、一応この規定を入れてあるわけです。現在は通達のような恰好でやつておりますが、やはり法文の上ではつきりしたほうがいいだろうと……。
  72. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) そうしますと、四十一条のほうは製成石数のほうを検定する意味において不可分の関係にある副産物であるから、これを検査のほうに入れたと、こういうことに解釈していいんですか。
  73. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) さようでございます。
  74. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それから次は四十三条の二号に、「当該製造場において清酒合成清酒とを混和したとき。」とあるのですが、昨年来相当やかましくなつておつたのですが、法律では混和してもいいことになるのですか、こういうふうにありますと……。
  75. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) これは実はこの規定現行法にあるのです。それでこの規定を全文改正ですから新らしく書直さなければなりませんが、これを削りますと削つたなりに、一体どういうつもりで削つたかという御議論がありますし、残して置けば残したなりに今言つたような、新らしくこれを認めるつもりかという御疑問も出るかと思いますが、結局現在のところ、この法律を作る機会におきまして、清酒合成清酒の混和の問題などを新らしく検討したこともなければ、ただまあいろいろ問題の多い点でありますだけに、まあ現在の法規をそのまま一応こうしておいて、その問題はその問題として、若し必要があれば別途検討したほうがいいんじやないか、かようなつもりで非常にむずかしい関係にある。
  76. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 単にこれを無批判的には、発動せんというお考えですか。
  77. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 勿論現在の法規をそのまま口語体に直して引移したというだけでございまして、この機会において混和問題を特に取上げて議論したということもございませんし、その点についてどうこう新らしい方針を作つたということもございません。その問題は若し必要があれば別途検討すべき問題だと、かように考えおります。
  78. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) あとに戻りますが、例えば最前の混和問題、こういう問題が将来研究しなければならないという場合には、少くとも審議会におかけにならなければならない事項に入るのでしよう、どうでしよう。
  79. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) その点についてはまだ実ははつきり結論を得ておりませんので、審議会の審議事項にするかしないかといつたような点まで込めまして将来の検討事項にしたいと思つております。
  80. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それから附則の配給酒の問題なんですが、これ一年間とあるようですが、これははつきり一年間と書いたら却つて窮屈じやないでしようか。当分の間くらいじやいけないのでしようか。これはやはり必要じやないかと思うのですが、どういうお考えでしよう。
  81. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 配給酒の問題は最近の事態から見まして、一時配られておりましたような、まあ農村以外の、いわゆる鉱工業の面における配給酒というものはだんだんその値打がなくなつて、その趣旨はつきりしません。大体供米関係などを中心にして配給酒をやつて来ておりますが、これも政府の米の統制方針がどうなるかというような点なども変れば又変つて来る性格のものじやないかというふうに思つております。まあ配給酒の制度全体としてはだんだん小さくなつてもいいのではないかと思つておりますが、ただ今度酒も大分殖えますし、どんなことになりますか、それで取りあえず一年延ばすつもりでおりますが、併し状況を見まして、或いは次の国会において必要があれば更にこの期間を延ばすということが必要になつて来ることもあるかも知れない。ただまあ値段が下つたということと、相当数量が大きくなつたということなどを見比べまして最後の決心をして行くべきものじやないか、とにかくこの際すぐに基本税、加算税という制度はやめますが、配給酒の制度をやめる決心はつかない。まあ延ばすこともあり得ると考えましたので、特に租税措置法のほうに一応入れておきまして、そして事態を、推移を見た上でやめていいものか、或いは延ばすべきものかという点を考えてみたい。従いまして、この際としては一年延ばしておけば次に御審議願う機会も当然あると思いますので、とにかく一年延ばしておこうと、かようなつもりで一年としております。
  82. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) そうしましたら、先ほどお話の二十五度焼酎密造対策のためによほど有効適切に使われるというようなふうにも承わつたのですが、物によつたら配給酒の数量もほぼおきめになつおりましようが、場合によつた密造対策その他の条件によりまして、数量においても現在予定されている数量よりももう少し余計の数量を或いは配給酒に当てるということもできるというふうにはなつおりますでしようか。
  83. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 一応私のほうで予定しておりますのは、租税の額のまあ見積りの関係からしましてやはり配給酒としてどれくらい予定するかということが中心になりましてまあ数字を組んでいるわけでございます。従いまして現在としては一応その予定で参つておるわけでございますが、これがまあ余り不確かだということになると、一体予算の見積りは何ぞやということになるわけであります。全体の歳入の入り方などとも睨み合せます点もございましようと思いますが、必ずしも現在の枠にそう強く執着する必要もないのじやないだろうか、まあ租税全体としてはやはり予算程度は何とかして上げるべきものだとは思つておりますが、併しその内容の細かい点まで、無理に一応きめたものの範囲で以て是非やらなければならんというほどには思つておりません。従いまして事態の推移に応じまして動かし得る、まあこれは歳入のほうでございますから動き得るものでもあるのじやないかと、かように考えおります。
  84. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) それからいま一つ最後に、最前ちよつと小林さんの質問がありましたときに、大部マージンが上るということについては、これはまあいろいろ数字的に御研究になつているから、成るべく適正に願うことだと思つておりますが、大体今まで見て、小売の場合にも、あれはたばこなんかから比べましてやはり少し低過ぎているのじやないでしようか。小売はどれほどのマージンを大体お考えなつておるものか。小売業者のマージンを、たばこはああいう腐敗も破損も少いものですが、それでも何でもこの頃七分強、今度どうなりますか、ピースで七分ですか、そういうふうに聞くのですが、それに比較しましたら何分になつおりますか。小売マージンが少し低いのじやないかという気がするのですが。
  85. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) マージンの問題については一我々もいろいろお話を聞いておりまして、慎重に検討しておりますが、まあ現在のところでは仕入価格に対しては、現在で一割くらいだと思つております。まあたばこなどに比べますと、やはり破損などの問題もございますから、或る程度危険が多いと言いますか、考えて行くべき問題じやないかというふうには思つております。従いまして、今度もまあ絶対額については或る程度つていいのじやないかと思つておりますが、割合等につきましては当然上げていいのじやないか。その辺のところで業者のかたに御納得願うような数字を出して頂きたい、かように考えおります。
  86. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) あそこが租税の仕入れをしてくれる窓口ですから、酒税保全のためにもよいと思いますが、これは余計な意見かも知れませんけれども、そう考えおりますから、成るべくそういうふうにお願いいたします。
  87. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 大体伊藤さんが詳しく聞かれたので、私の疑問に思つている二点だけ伺いますが、第九条関係なんですが、販売業の免許の問題ですが、これはまあ販売業を免許する必要があるということは、昨日の御説明でちよつと伺つたのですが、どうも税金は、庫出税を製造業者の所で取るのだから、販売業を免許するというふうな必要がどの程度あるのか、むしろ消費者側から言えば、販売業者がたくさんあちらこちらにあつたほうがよいということにもなるのですが、これはもう一度御説明願いたいのです。
  88. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) まあ酒税の徴収の直接の関係から行きますと、販売業の免許ということは、直接は関係はないと思つております。ただ私もこの間まで執行機関で見ておりましたが、最近におきまして、特に焼酎とか、ああいうものにおいて相当競争が激烈になりましたために、ときに正規の免許者さえ脱税するといつたような事態も出て参ります。そこで取締に非常に苦心しているわけでございますが、結局どういうようなふうで国税局がそういうものを順々に手繰つて行くかと言いますと、大体まあ正規に税金を納め、滞納もしないでというような姿ですと、公定価格から値引きすることにつきましても、おのずから限度があるわけでございます。ところが非常にこの頃安い焼酎なら焼酎が流れておるという噂が、我々のほうの執行官庁なら執行官庁の耳に入つて来る。そうしますと、業者のかたから入つて来る場合もあれば、いろいろなルートから入つて来る場合もありますが、結局その場合におきましては、どこの焼酎かというようなことはなかなかまだわかつておりません。併し、例えば平塚なら平塚の方面に相当安い焼酎が売られておるというふうな噂が入つて来る。そこで国税局なり税務署の者が順順に小売の面から手繰つて行きますと、結局それはどこの製造場で売られた非常に安い焼酎である。それをだんだん手繰つて行きますと、結局何石か税金を納めない焼酎が流れていた。こういうような事例に、私非常に短い期間に二回ほどぶつかつた事例でございます。やはりそういう場合におきまして、小売の免許という制度がございまして、そうして或る程度小売業者のかたにも一応の記帳の義務とか、いろいろの点がありますと、税務署のほうから参りまして、手繰つて行く場合におきましても一応の便宜がございますが、全然これが免許のない普通の販売という場合におきましては、恐らくそういうような取締はできないんじやないかというふうに考えおりまして、営業の自由につきまして或る程度制限する問題でございますので、我々のほうでも非常に検討してみたのでございますが、やはり現在下つたとは言いましても、まだ相当高い酒税を徴収しなければならん現状でございますので、どうしてもやはり販売の面におきしましても、或る程度免許制度と言いますか、そういうものを持つておりませんと、酒の税金がなかなか確保できないんじやないだろうか、そういう必要を執行面において痛感しておるものでございますから、やはり従来通り一応販売免許制度は続けさして頂きたい、かように考えておるわけでございます。
  89. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 御趣旨はよくわかりましたが、何か昨年あたり、販売免許あと一年ぐらいでやめになるんだからというような話を御当局から伺つたこともありますが、今のお話ですと、やはり相当期間免許制度は続けて行かれるようなお考えでございますか。
  90. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 販売免許はできれば順にやめて行つたらいいんじやないかというのが考えられるところだと思つております。ただ併し、結局需給関係とも結び付くわけでありますが、供給が非常に過多になりまして、そうして競争が激烈になつてそういうほうへ落ちて行くわけでございまして、或いは団体業法等の結び付きなどからいたしまして、一つの落着きが得られれば、強いて販売免許ということもやらなくてもいいのかと思いますが、現在の状況では、片方焼酎の生産攻勢といつたようなものも結び付いておりますが、まだ当分ちよつと必要じやないだろうか、かように考えおります。
  91. 小林政夫

    ○小林政夫君 今の問題は、前の高橋長官のときに私が質問をして、高橋長官もできるだけやめたいんだというような話をされておりましたが、今度私もこの件は特に質問したいと思つたんですけれども、酒類業組合を作つているのだし、作つてこういうふうにちやんと法人にしてあなたのほうが積極的に指導されるということであれば、一々販売免許をする必要はないんじやないか。而も自由党内閣である限りにおいては、自由競争が建前であつて、どうも現内閣の掲げておられる政綱とも反するし、特に今の御説のようなことであれば、一応免許ということでなしに、登録させるとか、届出でをさせるということだけでも、糸を手繰ることにおいては問題はないと思いますが、もう一点は、税務署長が免許をする、こう言いながら、極く最近までは国税庁自身がやつておられる。今から約二カ月ほど前に国税局のほうへ移したが、局のほうでは、小売についてはやはり実質上は税務署長に免許の権限を与えるようにしているんですけれどもというような高橋さんの答弁であつたが、聞いて見ると、やはり国税局へ一々伺いを立てなければならん。こういうような状態で、税務署長ということは看板であつて、法文にはあつても事実は空文なんで、そういうことならなぜはつきり国税局長というふうに書かないか、そういう点がどうも実情と副わないと思います。
  92. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) お答えいたします。まあ届出制度でもいいじやないかという御意見もございますが、酒の小売が余り数が殖えますとおのずから競争がひどくなりまして、そうしてそこに無理な値引が出て来るといつたような点もないわけでもございませんので、そういう意味も込めまして、やはり当分は販売免許が必要じやないだろうかと、かように考えおります。  なお、免許を税務署長と書いていながら、実際は国税局或いは国税庁で以て統制しておるのはおかしいじやないかと、確かにそういう考え方もあり得ると思いますが、大体国税庁で統制し、国税局で統制するというのは、これを原則としてやつておるわけではございませんで、必要に応じまして国税庁でやかましく統制する場合もございますし、それから大体必要がなくなれば税務署長に下す。むしろ税務署長が何と申しましても一番現場でよくわかつておりますが、権限としてはやはり税務署長に与えておく。併し必要があります場合におきまして、その免許についていわば上申させて、国税局或いは国税庁のまあ監督の下にそれをやつて行く。製造免許などについても同じような問題があるわけでございまして、そういうような関係からいたしまして、やはり権限としては税務署長に与えておく。併し必要がある場合においては上で統制することがある。かようにして行くのが一番いいのじやないか。尤も現在は、小売につきましては一応の方針は国税庁で示しておりますが、権限としましては税務署長で行い得る、こういうことにしております。
  93. 小林政夫

    ○小林政夫君 いや、そういうふうなことには実際問題としてなつていないでしよう。税務署長はやはり小売についても一応事前に国税局のほうへ、まあ事後報告のような意味だということは、高橋さんは前に言われましたけれども、実際問題としてそういう専断ではやれませんよ。やれないと言つております、税務署長は。それで行政整理、行政整理と言つたつて、仕事を省かなきや行政整理にならないので、前にもそういう趣旨で私は質問したんだけれども、どうも僕は今の情勢……、こういう酒類業組合まで作るとすれば、一々販売、少くとも小売を免許制にする必要はなかろうと僕は思う。まあそうなると意見になりますからね。余りあなたのほうはテイミツドだと思う。酒のほうでこういうことをやるのなら、物品税のほうでどうしますか。やはり物品税のかかつている製品を扱うものについては免許制にしなければならんということになる。それは税額が違うということでしようけれども、趣旨は同じですよ。
  94. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 理詰めに押されますと、物品税をどうするという議論が確かに出て来ると思いますが、併し酒の価格の中で税金が半分以上を占めているということは一つの事実だと思つております。従いまして、そういうものにつきましては、やはり或る程度厳重な取締が必要じやないか。税額全体から見ましても、物品税の大体二百億見当に比べまして、酒は千四百億あるというようないろいろな関係からいたしまして、やはり酒については、特に慎重を期さなければならんということは、これは御了承願いたいと思つております。
  95. 小林政夫

    ○小林政夫君 ちよつとしつこくなりますけれども、酒類業組合は、普通の中小企業協同組合などとは違つて格段な行政的な助成を受ける。相当これに対しては予算も見積つて事務費等についての補助がある。この主たる目的酒税を確保するということにある。そういうことであれば、その上に免許で以てセレクトして行くというようなことは必要ではないと私は思うのですけれども、それ以上は議論になりますからやめておきますが、早急に一つ再検討願いたい。
  96. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 検討は続けて参りたいと思つております。ただ最近の新らしい値段になりましてどういうふうになりますか、我々は違つた情勢が出て来るのではないかということを期待しております。従来の様子でございますと、やはり何か免許というものが必要じやないかというふうには感じおりますが、今後事態の推移を見まして更に考えてみたいと思つております。
  97. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  98. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 速記をつけて下さい。
  99. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 二十六条、二十七条ですが、税金の納期の問題ですが、移出した月の翌月末日が納期限になつおりますが、月の初めに出すと二カ月近い期間かある。更に二十七条でそれを更に一カ月。長ければ三カ月近くなるのですが、大体今の取引の実際からいつて製造業者の資金の回収というものは、どのくらいが最近の実情でございましようか。
  100. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 今の状態ですと、清酒は割合に資金の回収は早いようです。と言いますのは、今までは清酒が割合少かつたものですから。併し合成酒焼酎のようなものになりますと六十日というのが普通のように言われておりますが、だんだん延びて来ております。それで清酒も今度大分造石が殖えますから、従来のような状態で清酒のほうの資金の回収がうまく行くかどうかという点については、むしろ我々は疑問に思つております。普通は六十日というくらいが大体の常識だと思つておりますが、今までの実際は、清酒は六十日よりも早かつた。併しこれは先ほど言いましたように、今度造石が殖えますから、恐らく今までのようなわけには行かないじやないかということを考えおります。それから合成酒焼酎のようなものは、六十日と言つておりますが、なかなか六十日では落ちないというのが実情だと思つております。
  101. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 そうすると、大体二十七条は例外規定のようだけれども、実際はこれが非常に適用されることが多くなりませんか。
  102. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 担保を提供しておりますが、大体例外規定ではこのようにはなつおりますが、まあ担保を提供して猶予を受けているという事例が多いようであります。
  103. 伊藤保平

    理事伊藤保平君) 本日はこの辺で散会いたします。    午後四時二十二分散会