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政府委員(鹽見友之助君) この演習による補償の問題は実は水産庁のほうは所管ではございませんで、特別調達庁に
なつております。私のほうは漁民の
立場からして受ける損害その他に対して十分補償してもらいたいという見地からその推計や何かのほうを手伝うというふうな形態でタツチしております。
只今御質問のありました防潜網につきましては、これは行政
協定の欠陥と申しますか、当然私たちから申せば漁民のために補償してやるべき筋のものが
ちよつと乗つかりにくい。こういう状態で前々
国会のときこの六月でございます、からの問題に
なつてお
つたのです。これは私のほうから持出しまして法務府、
大蔵省、外務省と協議をしてもらいまして、
法律的には非常にむつかしい状態にあ
つたわけなんです。それでこれと類似な
ような防風或いは防砂施設というものがなくな
つたために、農地のほうへ損害が起るという
ような問題等もございます。
一つだけはできないというので、水産庁のほうでは
ちよつとそういう点で水産庁が出案するということになり得なか
つたのですけれ
ども、なかなか進みませんので結局私のほうで案を何か作りまして何回か折衝しましたが、直接所管でないのでその点のあれに非常に骨を折りましたのですけれ
どもやつと大体話がつきまして、これは特別調達庁の所管として提案になります。本日の閣議で
日本国に駐留する
アメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失補償に関する
法律案という何で今日
閣議決定を見まして、これが特調のほうから提案された、こういう形に
なつておるわけでございます。
それでこれの被害は一番大きいものは防潜網としましてはやはり東京湾でございますが、それと同時に佐世保のほうにも一部ございます。でそれの補償の方法、損失の査定等はなかなか技術的に申しますると因果関係というふうなものがしつかりつかめませんので、それをきちつと万人誰でもがこの計算しかないというふうな数字がなかなかつかみにくいわけでございます。私のほうからは長い間これを
検討しましてそれで一案を作りまして
大蔵省と折衝しておるわけです。
大蔵省のほうでもそれを今
検討中でございまするが、一部
意見が合わないというふうなお話がありましたのは恐らくこの法案がなかなか出ないというふう関係からで、又時期的にいうとこの年末に是非やはり歳を越す金が漁民としてはほしいというふうな要望が非常に強いわけです。そういう点が折衝がはつきりと
最後的に結着しておらないのですが、成るべく早く出したいと、
法律のほうはまだこれから提案されるわけですから、それができないならばまあ見舞金という形ならば、これは正式な補償という形でなければ出せる、こういうふうな形で見舞金としてでも出そうというふうなので折衝しておるわけです。その見舞金はやはりこういう
法律案が出るということになりますれば補償の額と
相当な関係もございますが、私のほうはやはり歳を越す金としても漁民のほうとしてはできるだけ先にたくさんほしいだろうというふうな
考え方からして、できるだけ補償に近い
ような金まで出してもら
つたほうが漁民のためにもいいし、
大蔵省のほうとしてはまだその算定のほうの基礎や何かにもう
ちよつと
検討を加えたいというふうな
意味で、特調その他のほうからはもう
ちよつと
検討させてほしい、それで内渡しとしてもう少し控え目に渡してほしいというふうな点があるわけです。それらの点で
意見が合わないという
ような或いは風評があるかも知れませんが、その点はこれは、どうせあらゆる
予算と同じ
ように我々のほうは漁民の
立場で見るので余計出してもらいたい、こういうわけでありますから、もう少し
検討いたさなければならん。これは私のほうとしては今週中に何らかの形で、我々のほうの要望として、年を越す金ではあるけれ
どもやはり補償に近い金をできるだけ先にたくさん渡してもらいたいという話合を昨日、一昨日向うと寄りまして大体付けまして、その線で至急査定するという
ような形で進んでおります。長い間行政
協定の不備もあり又立法のほうも遅れまして我々のほうはやきもきしてお
つたのでありますが、直接所管をしていない関係から非常にあちらこちらと連絡をとりまして遅れたことは申訳ないと思います。これはできるだけ本年中にそういう
趣旨で解決する方針で、大体できるのではないかとこう思
つております。