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1952-12-18 第15回国会 参議院 大蔵委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十八日(木曜日)    午後二時十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中川 以良君    理事            大矢半次郎君            伊藤 保平君            木内 四郎君    委員            岡崎 真一君            黒田 英雄君            西川甚五郎君            小林 政夫君            小宮山常吉君            杉山 昌作君            大野 幸一君            菊田 七平君            堀木 鎌三君   政府委員    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省主計局法    規課長     白石 正雄君    大蔵省銀行局長 河野 通一君    食糧庁長官   東畑 四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    水産庁漁政部協    同組合課長   浜田  正君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○中小漁業融資保証保険特別会計法案  (内閣送付) ○造幣局特別会計法等の一部を改正す  る法律案内閣送付) ○食糧管理特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今より委員会開会いたします。  最初にお諮りを申上げたいと存じまするが、実は昨日付を以ちまして、只今手許に差上げておりますように、農林委員会より当委員会委員長宛申入れの文書を受けております。これは朗読を省略いたしまして、只今この委員会に付託になつておりまするところの米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税臨時特例に関する法律案に対しまして、農林委員会といたしましては、この法律案超過供出に対する免税措置のほかに、早場米並びに供出完遂奨励金に対しても同様に免税措置をとれと、こういうことに修正をせよというお申入れでございます。これを如何よう一つ委員会として取扱うかにつきまして御協議申上げたいと存じます。
  3. 杉山昌作

    杉山昌作君 これは、農林委員会からの申入れの取扱いよりも、むしろ法律案そのものをまだ全然審議もしていない。その審議をしながらこれをどう取扱うかということにしなければならんかと思いますので、先ず審議を或る程度進めてからということでは如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは只今杉山委員より御発言のごとく、先ず本委員会におきましてこの法律案審議をいたしまして、その過程において一つ今の修正案についても検討を加え、必要があればここに農林委員長のおいでを願つて更に御説明を願う、こういうようなことでいたしたいと存じますが、それでよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  5. 中川以良

    委員長中川以良君) それではさように取計うことに決定をいたします。   —————————————
  6. 中川以良

    委員長中川以良君) 次に中小漁業融資保証保険特別会計法案を議題といたします。これに関して御質疑をお願いいたします。
  7. 小林政夫

    小林政夫君 私の先般の要求によつて資料が出ておりますが、一応その資料説明をお願いしたい。
  8. 浜田正

    説明員浜田正君) お手許に差上げました資料につきまして御説明いたします。  この中小漁業融資保証法に基く漁業信用基金協会というものがどういうふうに運営されて行くかということにつきましてお話するのですが、この基金は各県にそれぞれできるわけでありまして、各県はそれぞれの特殊性を以て運用されるのでありますが、この計算としましては全国各県の状況一つ一つはなかなか詳細にはわかりませんので、仮に全国一本と考えた場合どうなるか。つまり平均的な数字といいますか、そういうことが前提になるわけであります。  そこで最初の表には結論的に貸借対照表損益計算書が附いておりますが、そのそれぞれにつきまして二枚目から説明を書いてございます。それでこの基金は、想定としましては常時廻転して行く、平均年次において常時廻転して行く姿というものを頭に描いて想定しておるわけであります。そこで第一点は、この基金協会出資額の問題でございます。これは主として漁業権証券、これが出資の大きな要素になるわけでありますが、それに都道府県の出資も加わつて来る、こういう構成になりまして、全国としては先ず固く踏んで二十億と、こういうふうに考えております。それから次にこの二十億を基金といたしまして、然らばどの程度融資保証するかと、こういう点であります。それはこの基金の五倍、つまり二十億の五倍で百億というものを保証をし得る能力を持つておる。そうしてその百億が年に二回転する、平均保証期間は六ヵ月を考えておる、こういうことであります。  そこで次は基金協会保証するにつきましては保証料徴収する。その保証料幾らになるかといいますと、日歩七厘五毛と考えた。こういうことであります。これは後からの何と申しますか、収支をとつた逆計算でそうなるのでありますが、この七厘五毛は何のためかと申しますと、政府に対して保険料を払わなくちやならんということが一つと、それから基金協会事務人件費を賄わなくちやならないということが一つと、それから基金代位弁済をいたしますというと、求償権を取得して、それに基いて債権回収を図るが、全面的にこれが取れる……、我々の計算では三ヵ年かかると考えておりますが、全面的に取れるというふうに想定するのはいささか無理でありますので、最後幾ら焦げ付くかということを想定しまして、その分を賄う。つまり政府に対する保険料支払基金協会事務人件費、それから求償権最後の焦付き、こういうものを計算して逆に計算して行きますというと、日歩七厘五毛程度保証料を取ればこの基金としては円滑なる回転ができて行く、こういう考え方であります。そうしますと百億の七厘五毛についてそれが年に二回転しますから二億七千三百万円という保証料収入になる、これは全国的の形であります。  そこで今度はこの特別会計関係する点でありますが、この中小漁業融資保証保険特別会計によりましてこの協会保証したものについて七割の保険をする、こういうことであります。そうして保険金に対して年三分の保険料支払う、そうしてこの保証したものについて全部保険にかける。かよう考えますと、百億に対してその七割、それにつきまして年三分、これが平均保証期間が六ヵ月でありまして、それが二回転いたしますから二億一千万円、つまり三のところで御説明しました保証料収入二億七千三百万円の中から政府に対して二億一千万円の保険料支払う、こういう関係になるわけであります。  それから次は説明の五でありますが、この協会保証料収入から保険料支払い、その残額の四分の一を未経過保険料として翌年度に繰越す、つまり保険保証をして行くときに先取りしておるのでありますから、未経過保険料として計上しなくちやならん分が出て来るわけであります。  次はこの基金協会代位弁済をする関係でありますが、この基金保証をしておる限りは理論的に申しますれば、保証融資期間平均六ヵ月、而も六ヵ月たつてそのときに返つて来なかつたら、直ちに保証債務を履行しなくちやならん、こういうことになるのでありまするが、直ちに履行するのでなくして、やはり従来通り金融機関も取立てを実行してもらいたい、そうして三ヵ月後代位弁済をするのだ、こういう考え方になるわけであります。そうしてその代位弁済額は然らばどういうふうになるかと申しますと保証総額の一割、こういうふうに見込んだということであります。そうしますと百億につきまして一割の二回転でありますから、二十億の代位弁済になる、こういう計算になるわけであります。  次は、七の問題は、代位弁済をしたならば当然に債務者に向つて銀行関係はこれで零になりますが、基金協会債務者に向つて求償権を取得することになるわけであります。そこでこの求償権を取得したものがどういうふうに回収されるかと、こういう点であります。それから先ず代位弁済をしてから……、漁業の場合におきましては漁、不漁関係がありますが、大体代位弁済したときから三年たてば回収はでき得るのじやないか、かよう考えまして、その回収につきましても、初めのほうは金額を多く、あとのほうが金額が少くなる、こういう考え方で、前の一年間に先ず六割が返る、続く二年間に四割のものが回収できるのたと、こういう考え方に立つておるわけであります。漁業におきましてはほかの債務と違いまして、漁、不漁ということがありまして、金融機関に対しましてその漁、不漁調整をやれということは困難でありますからして、基金協会というものをこしらえて、金融機関に対して代位弁済をすることによつて責任を果し、内部におきましてその漁、不漁調整をやり、漁の場合はどんどん回収する、不漁の場合はその点は回収が延びる、そういうふうに基金内部でやつて金融機関に対してその融資を促進しよう、こういう点はこの前御説明した通りでありまして、そういうことで代位弁済して以後、総平均しまして三年以内に返つて来るだろう、こういう考えであります。そうしてこの求償権につきましては、政府保険金支払つた場合は特別会計が七割の保険金支払う、七対三の割合特別会計とこの基金協会がこの求償権を共有すると、こういう関係になるわけであります。  そこで、次は政府に対する保険金請求関係でありますが、この基金協会代位弁済をしたら、直ちに政府に対して保険金請求するということではなくして、先ず全面的に基金協会求償権を取得するというとその回収を図らなくてはならん。そうして、三ヵ月で回収したところで政府に対して保険金請求するのだ、つまり銀行との関係と同じように、パラレルに考えておりますが、債務不履行なつたら直ちに代位弁済するのでなくて、銀行も三ヵ月程度はみずから回収してもらいたい。そのときに代位弁済するのだ。それからそこで基金協会求償権を取得するわけでありますが、直ちに政府保険金請求するわけでなく、基金協会みずからも三ヵ月程度回収してその残りについて保険金請求をするのだ、こういう考え方であります。そうして保険金請求しても、政府としましては直ちに払えるわけではなくて、やはり書類の内容を精査して、検討して払いますので、一定請求期間が当然必要となつて参りますので、特別の理由のない限りは一ヵ月かかるであろう、その期間保険金を払うのである、こういうふうに考えたのであります。そうしてその保険金の額が然らばどうなるかと言いますと、次の三頁にありますように、平均的に十億の代位弁済になりますので、三ヵ月分は当然回収いたしますからして、その残りの七割について保険金政府から頂くと、こういうことになりますからして、平常年度計算におきましては十一億九千万円、約十二億円の保険金政府から払われる、こういうことになるわけであります。で、残つた問題は、基金協会求償権を取得し、保険金支払われると直ちにそれでもう債務を打切るわけではないので、飽くまで求償権に基いての請求を続けるわけであります。それが平年度におきましてその求償権を行使して回収する額は年間に八億一千万円、こういう計算になります。で、この計算算術計算で書いてありますが、現実の問題といたしましては、こういう算術を書かなくても、各基金々々の年度末の決算で幾らその年度回収されたかということはわかりますが、全国的に平均的に考えた場合は一つ想定の下に立たざるを得ないので、こういう算術計算なつたわけであります。で、八億一千万円というものが年間回収され、残高というものが次の十の問題で、残高が十一億一千六百万円という残高になつて来るわけであります。これは先ほど説明いたしましたように、代位弁済をいたしましても、回収までに三年かかると、こういう計算に基いておりますからして、平常年度考えますと、前から続いて来ました求償権回収並びに残高、それからその年度の新らしい求償権というふうに錯雑して参りまして、常時残高がこの程度あると、こういうことになるわけであります。  それから今度はこの求償権につきまして違約金徴収する、これはどこでも普通金を貸した場合約定期間に返らなかつたら違約金徴収するわけでありますが、基金はこれで代位弁済をしたわけでありますからして、丁度金融機関債権を持つていたのを基金代位弁済をしましたから、基金協会のほうに振替つて来た、こういうことになりますからして、当然その違約金徴収する、こういう形になつて参ります。若し違約金徴収しなければ、債務者のほうは払わなければ払わないほうが得だ、こういうことになりますので、普通の金融常識に基きまして違約金徴収考えておる。併しながらそういう違約金徴収完全無欠に全部取れるかということは問題でありまして、現実水産金融から見ましても、全部取れるというふうな計算をするのは、基金協会としては経営が危い、こういう点がありますので、その六割程度までは取れるだろう、あとは取れないであろうという固いところで見込んで計算をしたほうがいいじやあるまいか、かよう考えます。日歩四銭の違約金徴収することになるのでありますが、その徴収の困難を勘案しまして、先ず六割程度収入ができるものだ、こういうふうに計算をしたわけであります。  それから次は先ほど説明いたしましたように、政府保険金支払いますと、その割合に応じて求償権政府も取得しまして、共有するという関係になるのでありますが、政府自体手足を持つておりませんから、或る一つ求償権に対して政府基金とが共有しておるのでありますので、要するに政府手足を持つておりませんので、この基金協会回収を委託するのだ、そうして回収されもたのは逐次七対三の割合で、七は政府、三が基金のうち、こういうことで分けるのでありますが、その回収委託手数料支払うのだ。その委託半数料の額としまして二千三百万円を年間に見込んだわけであります。  それから次に基金協会事務取扱費、これはこの基金運営に当つてそれぞれの人間がいるわけでありますが、極力簡素に考えたい。中心的の保証決定というふうな事務基金が当然やるべき問題でありますが、その他の申請書事務とか計算とか、簡単な事務的なことは、水産関係には信用漁業協同組合連合会とか或いは漁業協同組合連合会とか、そういうものがありますからして、そういう事務的のものは極力そういうものにやつてもらうことにして、基金協会の経費としては、できるだけ圧縮してかかりたい、かよう考えまして、北海道から鹿児島の果てまで、基金の大小はありますが、平均五人程度、こういうふうに考えておるわけであります。  それから次はその基金協会は今申しましたように二十億のフアンドを、まあ信用基金は持つておるわけでありますが、これを運用と言いますか、代位弁済をするときに要る金でありますので、それまでは金融機関に預け入れておいて、金利を稼いでおくということを考えておるわけであります。金利を稼いでおけば、それだけ基金協会の経理としては健全化するわけでありますので、金利を稼ぐ。従つてその余裕金を農林中央金庫の預金として管理する。そうして幾分かは定期預金に、そうして幾分かは代位弁済をせざるを得ないという事態が発生しますから、幾分かは当座預金に分けて、まあできるだけ定期預金に入れるほうが資金の金利を稼ぐ状況から見れば有利でありますが、そうかといつて定期預金だけに入れると代位弁済のときに困る。そういうことになればおのずから信用を失墜するということになりますので、かれこれ勘案しまして一定部分定期に、その他の部分当座預金に預けて金利を稼ぐ、こういうことで考えておるわけであります。で、そういうふうにして、四頁の説明の十五でありますが、そういうふうにして基金収支想定いたしますと、一億三千三百万円の余剰が生ずる、こういうことになるわけであります。  そこで最後の問題は、この剰余でありますが、これを保証法によれば、全部この準備金として積立てるのだ、こういうことになつております。ところでこの剰余はどういうふうになるかと言いますと、最初に申上げましたよう求償権に基く請求、これが全部取れるとは限らないと申上げたわけであります。でこの剰余の殆んど大部分というものは、その焦付くであろう求償権消却に見合うものだ、かよう考えておるわけであります。然らばその消却幾らかという点でありますが、これは全然資料も何もありませんので、およそ見当が実はつかないのでありますが、まあ大蔵省銀行局とも相談しまして、専門的知識も借りまして、代位弁済額の二割、言い直しますれば当初の融資額の二%、こういうふうに考えたら先ずいいのではないだろうか、かよう考えまして、その一億三千三百万円のうち一億二千万円というものが消却準備金でありますが、求償権がそういう率で帰つて来ないであろうという想定に基いてこれを消却に充てる。こういう形になつて来るわけであります。  以上で大体内容を御説明したわけでありますが、そういう政府に対する保険料支払い、それから事務人件費、それから消却考え片方においては、収入におきましては預金利子収入、大きなものは預金利子収入、そういうものを考えて逆に計算をして行きまして、融資されたものから取る保証料を七厘五毛と、こういうふうな押え方をしたわけであります。  次の頁はこれを受けての特別会計内容を一応想定したのであります。特別会計につきましては、これは平常年度計算をしておりますからして、二十八年、二十九年以降の問題になるので、まだ定員の問題なり或いは更にフアンドを、特別会計に対する基金を更に二十八年、二十九年幾ら大蔵省のほうから入れて頂くか、まだ次の予算の問題になりまするので、一応我々だけの皮算用でやつておるわけでありますが、基金のほうはこういう計算で先ず行けるのじやないだろうか。で今説明をしましたのを、一番初めの表に遡つて見て頂くと、数字として貸借対照表損益計算書がこういうふうに現われて来た、こういうわけなのであります。
  9. 小林政夫

    小林政夫君 今の十六ですね。一番最後の、これはミスプリントじやないですかね。「保証総額二百億に対する二%(代位弁済額二十億円に対する二〇%)の二億円」というのは、四億円じやないですか。
  10. 浜田正

    説明員浜田正君) 一番最後というのは消却の所ですか。四億円のミスプリントであります。どうも失礼いたしました。四億円であります。でこれを政府に七割、七、三の割合政府のほうも同じような率で消却する、こういう考えであります。
  11. 小林政夫

    小林政夫君 それから五号の未経過保証料が四分の一であるということはどういう計算によるのですか。
  12. 浜田正

    説明員浜田正君) 年に二回転考えますと、年度末で見た場合は平均的に見て三ヵ月先の保証の分まで取つておると、こういうことになりますから、それで四分の一というふうに数字的に出したわけであります。
  13. 小林政夫

    小林政夫君 わかりました。
  14. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
  15. 小林政夫

    小林政夫君 根本的な問題としては、保証協会全額債務保証するわけですか。
  16. 浜田正

    説明員浜田正君) それは基金協会にその点は任せてあります。ただ我々の考え方としましては、この考え方通常金融ベースに乗つておるものは保証するという考え方は持つておりません。通常金融ベース以下の人たちのものを保証することによつて融通をつけて行こうという、こういう考え方でありますので、これが保証融資のほうにもぐり込んで来るということになりますれば、それだけベースに乗せる人が迷惑するわけでありますので、例えば漁船の建造なら建造考えた場合、仮に百万円した場合は、その五割が金融機関通常貸してもらう、あとの五割についてはその五割分の全額ですね、それを協会保証する。その五〇%の保証、これに対しての七〇%の保険、こういうよう考え方でやつております。又人によりましては初めから通常金融機関から今まで借りた例がない、こういうものにつきましては全額保証してやらなければ融通がつかない、こういうことになれば、これはその場合は又別に考える、それは基金運営に任せてやりたい、実情に合うようにやりたいと、かよう考えております。
  17. 小林政夫

    小林政夫君 おおむね中小企業よりもなお信用の悪い中小漁業者ですから、本来今おつしやつた普通のコマーシヤル・ベースに乗るものはこれの必要がないとすれば、協会として保証するのはまあ全額でなくては、金融機関から貸出せないというケースのほうが多いと思うのですが、そういう点が各協会の扱いに任せてあるということであつて、別にこちらから、中央からは何分の指示はなく、具体的な運用協会でやるということですね。
  18. 浜田正

    説明員浜田正君) 勿論そういうふうに抽象的には申上げましたが、現実の問題としては、業務方法書の規定の場合にいわゆる業務方法書令というようなものをこしらえまして、或る程度全額というふうなことでなくして、金融機関にも責任を持たせるような形で以て行きたい、かよう考えております。
  19. 小林政夫

    小林政夫君 いや、それはあなたのほうの特別会計を扱う中央のほうとしてはそういうことは望ましいのだが、実際の信用力の薄弱な中小漁業者対象とする協会当局としては、もう殆んど私の推測するところでは、まあ見通しでは全額債務保証しなければ恐らく銀行が出さない、金融機関が……、そういうような場合にまあ検査等において、君の協会は少し放漫過ぎるじやないかというような指導方針で行かれるか。これはまあケース・バイ・ケースで十分そういう場合は肚に持つて考えるということなら、まあ言うまでもなく御存じかも知れないが、いわゆる中小漁業者対象とした、而もその中でも、特に中小漁業者の中でもコマーシヤル・ベースに乗らない、いわゆる信用状態の不確定な者を対象とするのだから、協会としては全額保証の目標で進まなければ本来の目的を達しないだろうということを私は考える。その点についてあなたのほうでもそういうような肚を以て臨んでもらわないと動けないだろうと思う。動きにくいのじやないか、その点はどうですか。
  20. 浜田正

    説明員浜田正君) これは何と言いますか、両刃の刀でありまして、基金というものをこしらえまして、これが保証することによつて融資を促進したいということが一方にあります。同時に余り放漫にやり過ぎて、これがぶつつぶれてしまつたということになつたのでは、折角の制度が意味がないと、こう思いますので、これは一方の要求は固くやりたい、片方要求は一〇〇%保証でどんどんつけて行きたいという二律背反が行われておりますので、その中の運用はこれは信用基金協会が、府県が殆んど一〇〇%出しておるのと違いまして、大体会員制度と言いますか、それぞれの協会から出ておるので、その出資額に応ずる相互牽制と言いますか、相互牽制と、それから公共団体出資によるその発言を通じてのバランスを取るということを考えながら両方の要望を充して行きたい、かよう考えておるわけであります。
  21. 小林政夫

    小林政夫君 その点はその程度にしておきます。一年に二回転ということで、これは成るほどノーマルな漁場と言いますか、絶対に採算が合うという漁場はこれは年二回転でいいでしよう。私は網屋で漁業者を相手に取引をやつているからよく知つておるのですが、とにかくコマーシヤル・ベースに乗る漁場は一年に二回転でいいでしようコマーシヤル・ベースに乗らない所は五年或いは十年を一つ期間として見て、勿論これは定置漁業の場合ですが、そうして初めてペイする。こういうことになる例が多いと思います。これは又定置と底曳漁業者とは違つて来るが、二回転なんということを見ることはちよつと無理があるということと、それから回収も三年間でやつてしまうということも少し無理がある。このようなことでやるならば、今あなたから説明を受けたこの運用内規的な見積りですね。こういうことでその協会を動かそうとすれば、やはり大体こういう構想は前から水産委員会等で私提唱した構想で、その点については賛成するけれども、折角やるんだつたらもう少し回収期間を三年と言わず、五年或いは十年くらいに見なければ十分なる目的を達成しないのでないか、こう思います。
  22. 浜田正

    説明員浜田正君) 一年二回転の問題がありますが、これは大体今までの金融機関の総実績で見ますと、二・三回ということになつておりますので、この辺で押えるのがいいところじやなかろうか、かよう考えたのであります。このくらいのところで押えたらというのでいろいろ相談をしてきめたのであります。回収の点もいろいろ意見がありましたが、総平均して三年以内で、その間に漁期にはいいときもあり悪いときもあるので、三年以内で返せなかつたらこれは大体駄目だと、こういう観点で押えるのが先ず全国的にいいところではないだろうか、こういういろいろの人の意見を総合して、そこでこしらえたわけであります。
  23. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、これは水産委員会審議されておるわけですが、水産委員会においては今お話になつような意見は出なかつたのですか。
  24. 浜田正

    説明員浜田正君) そういう意見は出ませんでした。
  25. 小林政夫

    小林政夫君 これで満足しておるのでしようか。
  26. 浜田正

    説明員浜田正君) そうだろうと思います。(笑声)
  27. 小林政夫

    小林政夫君 私の気付きの点を申上げますと、この程度の三年回収、一年二回転保証をやつて行くということは、大体全然漁業金融をやつておらない金融機関は別として、長崎のよう漁業者を相手としての取引をしておる金融機関ならば、私はコマーシヤル・ベースに乗らない漁業者だとは言えないと思うのです。勿論今の状態においてこういうものができれば、或る程度疏通にはなります。或る程度なるが、むしろこれよりももつと悪い線のものをこういう基金で救う必要があるのじやないか。これは私見ですが、一応こういうところでスタートしてくれてもいいが、相当又ここの線に……、一応申込むときはこういう計画を立ててやるかも知らんが、相当滞りができて、なかなか三年やそこらで回収はむずかしい、こういうわけです。
  28. 浜田正

    説明員浜田正君) その点につきましては我々も慎重に考えておるわけでありまして、先ほど言いましたよう小林先生も御専門家ですから、当然お気付きになりますようにいろいろの想定があります。代位弁済率一〇%とか、三年とかいろいろあります。これは全く資料がありませんからいろいろの人に話を聞いての想定であります。それから五倍の倍率につきまして、これは日銀の統計資料による理論数字に過ぎないのであります。従つてその通り問屋が卸すかどうかはこれも又想定に近いものではないか。ただ最初運用につきましては、初めから五倍とかそういうでかいことを言わないで、融資保証の何と言いますか、倍率につきましても締めたところから考えて、そうして又保証そのものにつきましても、小林先生の言われるように初めからうんと下の所まで持つて行かないで、だんだんと体験を通じながら固めて行きたいという考え方を持つておりますし、これを受けて立つておる漁連、信連のかたがたも、その点はこういう制度をここでなくしたら、まさに水産金融は絶望になるというので、漸進的に体験を通じながら固くやつて行こうという決意でやつておる状況でありますので、体験を通じながら漸次今までの想定を改善しながら行きたいという気持を持つております。
  29. 小林政夫

    小林政夫君 大体そういうことで、これは一応この点から踏出して見て、逐次実状に合わして行く、そういうふうにやつて頂きたい。
  30. 浜田正

    説明員浜田正君) そういうふうにいたします。
  31. 小林政夫

    小林政夫君 それからこれは大蔵当局にお尋ねしたいのですが、九条の第二項で、損失が出た場合には、積立金がある場合は繰越し、それを差引いて更に損失が出れば、「繰越として整理するものとする。」こういうことでありますが、一応規定としてはこう書いておかなければならないのかも知れないが、肚としては、農業共済保険等につきましても、損失があつた場合は一般会計から補填する、こういうことをやつておるので、その損失を繰越されたのじやそれだけ保証基金が減ることになるわけですが、少くとも損失額だけはその出た年度において一般会計から補償する、こういう肚を持つてつてもらいたいと思うのだが、その点は如何ですか。
  32. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 一応これは保険経済として成り立つように経理をして頂く、こういう考えでおりまするので、損があつた場合においては繰越整理をして、後年度保険料率の改正その他によつてその損を埋めるというような方途を講じて行くという考え方の下に法を作つておるわけです。ただその損失が非常に特殊の場合でありまして、この保険会計のみでまかなうことが適当でない、一般会計からやはり補填する必要があるという特殊の事態が将来において起らないとも限りませんので、そういう場合におきましては他の保険経済においても一般会計から繰入れておるという例もありますので、そういう例がないということは申上げかねますけれども、一応建前といたしましては独立採算の建前でやつて頂くということで法案を作成しておるわけであります。
  33. 小林政夫

    小林政夫君 これは恐らく水産庁当局は言いたくてもよう言わなかつたのだろうと思うのだが、やつとこの程度のものが発足するということは非常に業界のためにはめでたいことでいいのですが、農業方面についてもそういう例のあることでありますから、将来において損失が発生した場合には又余り渋らないで気前よく補填する、気前よくとまでは行かないでしようが、補填するという覚悟は持つてつてもらいたいと思うわけです。今の三%の保険料つて、若しこれで引合わなければ上げて行くと言つたつて、上げられたら又協会がペイしなくなる。そこで又それをペイしようと思えば漁業者に対して信用協会保証料というものを上げて行かなければならない。又そういう保証を受けるよう漁業者という者はその負担に堪えられない。そういう高額の保証料を払つておつたのでは、銀行金利のほかにいろいろ金利を払うわけですから採算上ペイしないということになるので、そこの兼合いは相当むずかしいし、大体三%なんということはすでに最高料率だと我々は考えるわけです。それを上げるということはちよつと我々としては考えられないのじやないかと存ずるので、特にその辺の肚を持つておいて頂かないと、だんだん基金が尻つぼめになるという心配がありますのでちよつと申上げておきます。  それからこの前法規課長にちよつと資料要求したわけですが、過誤納の保険料の見積りが、一般の保険を扱つておる特別会計の過誤納の見積りに比べて多いのじやないかということで非常に問題になつたのですが、本年度この補正予算の関係においては非常に額は小さいが、その点はどうですか。
  34. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 印刷物が間に合いませんので口頭で誠に恐縮でございますがお答えいたします。  賠償償還及び払戻金でございますが、これは内容といたしまして各特別会計に計上せられておりまするものは、種類別にしまして大体三種類ほどあるのであります。その一つは償還金と申上げていいかと思いますが、小切手が一年を経過いたしますと日本銀行は一応支払をやめる。その金は歳入に上げる、小切手の持参人が日銀から支払を受けないために支出官のところへ持つて来たという場合には、改めてそれに対して支払をする、その場合に償還金という科目から支払をするわけであります。こういうものは滅多にないわけでありまするが、各会計とも一応予定しなければなりませんので、名目的に千円とか或いは一万円というような金を計上しておるわけです。これが例えば輸出信用保険特別会計中小企業信用保険特別会計、こういつたところに「賠償、償還及払戻金」として一万円計上になつておるというのは、こういうものを予定しておるわけです。その次は払戻金でありますが、例えば食糧管理特別会計あたりには一億円ほどの払戻金を予定しておりますが、これは食糧代金の支払が過払になつたと、支払が間違つたというような場合におきまして、その払戻金をやらにやならんというような事態とか、それから保険金収入であるとか、過誤払があつたというような問題の起つた場合におきまして払戻金が生じて来るわけであります。こういつたものはそれぞれの会計の実績等を見込みまして、そしてまあこの程度あるであろうというような見込から計上になつておりますので、その点が各会計を通じて御覧になりますと、少しまちまちじやないかというような御意見が生ずるかと思います。その点は誠にお説の通りで、もう少しその実態を究めるなり、或いは統一をとるなりするような検討をする。或いは厳密な意味においては必要であるかもわからないと思うのでありますが、それぞれの特別会計の今までの算定の方法等に則りまして収入金の百分の一を計上するとか、或いは場合によりましては誠に何でありますが、千分の一を計上するというようなことをやつておりまして、その線に御指摘のような少しアンバランスが出て来ておるのだろうと思います。それで問題の中小漁業金融、この場合におきましては収入金の百分の一ということで五十二万ほどのものを計上しておりまして、これを一応計上しておる、こういうことになつておるわけであります。  それから第三のほうといたしましては賠償金、これはいろいろの原因で賠償金を支払わにやならんというようなことも予想せられますので、これもまあ五十万とか百万とかいうふうに各会計ごとに計上しておる。こういう事情になつておるわけであります。
  35. 小林政夫

    小林政夫君 今言われた通りに、中小漁業融資保証保険特別会計においての百分の一なり千分の一のものもあるというようなことで、又漁船再保険のほうだと、それがやはり百分の一強なんですね。漁業関係は特にパーセンテージが多い。  それで今度は水産庁のほうへの質問になるが、水産庁のほうはどうも相手が漁業者だということでそういう点過誤納が多いだろうという見積りに立つているのか。それにしても直接漁業者を相手にするのでなくて、今の信用協会であるとか漁船保険協会とかいうようなものを相手としての保険料の過誤納であれば、そう他のものと抵触する……他のものと著しくそういつた過誤を多く比率において見る必要はないのじやないかと思うのですが。
  36. 浜田正

    説明員浜田正君) 水産のほうは特別間違いが多いというふうにみずから感じてやつておるわけではありません。この関係におきましても全く見当がつきませんから、いろいろの前例によつたという意味に過ぎません。
  37. 小林政夫

    小林政夫君 まあその点はそうだろうと思つているのだけれども、もう少し数字が細かいが、予算編成の際にもうちよつと緻密にやつてもらいたいという要望です。
  38. 中川以良

    委員長中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。本日の本案に対する質疑は一応これを以て打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないと認めます。   ━━━━━━━━━━━━━
  40. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは次に造幣局特別会計法等の一部を改正する法律案を議題に供します。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  41. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは速記を始めて下さい。只今法律案に対して先般要求した資料が出ておりますので、先ず資料の御説明をお願いいたします。
  42. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 公共企業体等労働関係法の参照条文をお手許に配布しておりまするので、それによりまして造幣局特別会計法等の一部を改正する法律案につきまして御説明を申上げます。  この公共企業体等労働関係法の第二条の第二号を御覧頂きますと、「左に掲げる事業を行う国の経営する企業」ということになつておりまして、そこにイ、ロ、ハ、ニ、ホと各企業が掲上せられております。これはこの第二号に掲げておりまする五つの企業は、去る十三国会におきまして新らしく挿入になつたのであります。公共企業体等労働関係法は従来日本国有鉄道、日本専売公社にこれが適用になつておつたのでありまするが、十三国会の改正によりましてこれらの企業に対して適用になるということになつたわけであります。ただその施行の期日は、その資料の一番最後の所に附則が挙つておりますが、この附則で「昭和二十八年三月三十一日以前の日であつて政令で定める日までは、適用しない。」と、こういうことになつておりまして、施行の期日は政令で定めるということに相成つておるわけであります。政府といたしましては只今のところ昭和二十八年の一月一日を目途として施行したい。かように予定しておるわけであります。そういたしますと、今度は前のほうに帰つて頂きまして、第四十条でありますが、四十条で、「左に掲げる法律の規定は、第二条第二項第二号の職員については、適用をしない。」と、こうなつておりまして、この「第二条第二項第二号の職員」と申しますのは、先ほど申上げました五つの企業に従事する国家公務員であります。だからこれらの企業に従事する国家公務員につきましては以下に掲げられておりまするような法律が適用しないと、こういうことになるわけであります。その法律は第一号に国家公務員法の大部分の規定が掲上されておるわけであります。それから第二号、第三号、第四号、第五号、第六号と、こうありますが、そのうちでも重要なのは四号でありまして、一般職の職員の給与に関する法律の規定、これが全部適用が排除せられると、こういうことになるわけであります。そういたしますと、今までこれらの五つの企業に従事しておりました職員は一般職の職員の給与に関する法律の規定によつて給与が支給せられておつたわけでありますので、それが全部適用を排除せられる、そういたしますと何ら給与に関する法律上の規定が存在しないと、こういうことになるわけであります。そうしますと給与支給について何の法律の規定もないということになりまして、一応法律上規定が不備であると、こういうようになりますので、何か給与の支給に関する規定を整備する必要があると、こういうことで本法律案を提出した次第であります。そこでその場合に公共企業体等労働関係法がこのように給与に関する法律の適用を除外いたしましたのは、これは公共企業体等労働関係法の適用によつて、給与はすべて団体交渉その他同法の定める手続によつてその内容をきめようと、こういう趣旨によつたわけでありまして、法律で微細な細部の規定がなされておるということは、同法の適用との関係において矛盾を来たすと、こういう点で法律の規定を排除したという趣旨から考えますというと、給与の支給についてはその内容は法律以下の形式によつて定めるということが適当であるということが考えられますので、そういう点から特別会計においてその給与が支給せられることになりますから、その特別会計を主管しておる主務大臣が給与準則をきめると、こういう手続の規定を整備しようということで本法を提出したような次第であります。
  43. 中川以良

    委員長中川以良君) 御質疑ございませんか。
  44. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 まだこの案をよく見ていないからわからないのですけれども、これは率直に申しますと、私が一つの原因を作つているのですよ。前には専売公社及び日本月有鉄道特別会計法にこういう給与準則を定めて予算総額で縛るという規定は何もなかつた。ところが例の公労法第十六条の第二項との関連において政府が裁定を下さなかつたために、実際はそこにここで縛らなくちやならないという論理的欠陥を政府が発見したわけですね。それでこういうふうな規定を設けてそうして予算総則に給与総額をきめると、こういう歴史的発展の規定なんです。で、一体この団体交渉でものがきまるというものについて給与総額をきめなくちやいけないとか、どうだとか、その労働条件についての予算上の総額をきめて縛るというふうなことはどうもおかしいので、各会計自身で、無論これは一つの企業体ですから、この企業体の給与のいろいろ職階制とかそういうものは一応きめるが、それ自身が又団体交渉にかかる、そういうふうなものを考えると、公共企業体等労働関係法以外に各特別会計法で管理者としてそういうものをきめなくちやならないというふうなことは考えられるが、それで以て額までこの予算で縛ろうというのはめちやちやだ、反動的な立法なんですよ。これを国鉄及び専売公社に入れること自体もこれは非常に反対です。大体そういう労働条件に関して公社の責任者が団体交渉の能力を奪うような規定を平然として作つている。これがためにもう公社の総裁は政府がきめた予算額以上に団体交渉に応ずる能力がなくなつて来る。殊にそういうような問題についてやつて行こうという理由がわからないのです。この点に関しては今出ていられる政府委員から実は答弁を受けることは無理であり、申訳ないと思うので、して頂こうとは思わない。併し少くともこの問題に関しては政府自身の責任ある人が今後どう取扱つて行くのかということをはつきり説明してくれぬとこれは困る。それでまあ予備審査だからこれ以上のことは言いません。言いませんが、この問題に関してはどうか政府の当局の責任ある人の御出席を求めて、そうしてそういう方針をどう思つておるのか、方針を明かにする、これだけを希望しておきます。
  45. 白石正雄

    政府委員(白石正雄君) 私からの御答弁を求めておいでになりませんの工、申上げるのはどうかと思いまするが、一応事務的の答弁としてお聞き願いたいと思うのでありますが、今お話のように一応事務的なものとしましては、今公社法に同じような規定があるから同じようなことを特別会計法にも規定したんだということが一点、それから然らば公社法も含めたところの実体的な理由如何、こういうことになるわけであります。それにつきましては公労法十六条との関係におきまして、つまり公社或いは特別会計の主管大臣が両方からの板挾みになる。と申しますのは一方において公労法によつて団体交渉の結果に拘束される。他面においてその予算というものは国会の議決によつてきまるわけでありますから、その国会の議決によつてきめられたところの予算に拘束される。この二つの拘束されるところのものが、一方の国会の議決と団体交渉その他公労法の定めるところによつて決定されたところのものが一致をすれば結構でありますけれども、場合によつて一致しない場合においてどちらに従つていいかわからなくなる。こういうために公労法の十六条が出て来ておるわけであります。そういたしました場合におきまして問題の給与の問題でありまするが、これは予算の議決の一環として給与費というものはやはり国会の議決によつてきまる。そういたしますればこの国会の議決によつてきまつたところの給与費を一応明確にしておこう、それについて争いがあるということであつては非常に問題が生じますので、その意思を明確にしておくという意味におきまして特に予算総則のほうに給与総額をきめる、こういう措置をとつておるわけであります。従いましてこの給与準則を定りその給与準則は予算の範囲内においてきめなければならないという規定は、この両方の橋渡しを一応しているような規定でありまして、その間において一応事務的には筋の通つた規定だというよう考えるわけであります。それ以上のことにつきましては、又追つて然るべき人から御答弁をいたすと思います。
  46. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 ちよつと文句を言わなければたらないが、今説明されたが、事務的に筋が通つてないのです。本当を言えば、事務的に筋が通つたのは、裁定があつたら服さなければならないので、公社総裁というものはちつとも困らない。それを政府がただ別な方法で以てその額を制限して行こうとするから問題がある。それははつきりしている。それでこれは制定の沿革から見たつて明らかで、初めはなかつた。それ々僕が仲裁委員で五日間国会に参考人になつて来て、そうして政府が何とかいい加減に労働条件を予算額で押えようとした。ここへ欠陥が来たものだから、その次から出したことは確かなんであります。これは沿革的に君が幾ら言つたつて、それから出て来た問題は確かなんです。池田君がこぼしたのです。池田君や増田官房長官が困つた、それで出て来たことは確かです。沿革からいつてもそうです。それで強いて裁定を尊重しないから起つて来る問題なんで、裁定を尊重すれば決して事務的に矛盾は起らない。政府が反民主的なことをやつたときに初めて事務として困つた状態が起る、こう見ればいい。だから政府が反民主的にやつたときに矛盾が起るということは、これはほかの場合だつてみんなそうです。それを事務官がそれでもつて矛盾が起るからこうしなくちやならんと考えることは、反民主的なやり方に加担するものである。それ以外に何もない、僕はそう思う。併し細かい法律をよく見ていませんから、細かい法律的な議論は余りしたくないのですが、今あなたのほうとしては、事務官としては、日・本国有鉄道法それから専売公社法、電電法に出ているからそれに倣つたという答弁なら私は満足しない。それについて政府事務的な調整の法律だと言われることについては反対です。それだけ言つておきます。今日は予備審査ですから……。
  47. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは本法律案に対する本日の質疑はこれで打切つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 中川以良

    委員長中川以良君) ではさよう決定いたします。ちよつと速記をとめて。    午後三時三十三分速記中止    —————・—————    午後三時五十五分速記開始
  49. 中川以良

    委員長中川以良君) それじや速記つけて。暫時休憩をいたします。    午後三時五十六分休憩    —————・—————    午後四時八分開会
  50. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは休憩前に引続き開会をいたします。食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を議題に供します。御質疑をお願いいたします。
  51. 木内四郎

    ○木内四郎君 いろいろ伺うところによりますと、この会計の金繰り上この法律案を成るべく早く通さなければならんことはよくわかつておるのですが、それにつきまして東畑食糧庁長官から、こういうふうに修正しなくちやいかん理由をもうちよつとわかりやすく、言葉を換えれば、金繰りの困難な状況を今どうやつて金繰りをやつているかということを説明して頂きたいと思います。
  52. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) お答え申上げます。現在千七百億が最高限度になつておるのでありますが、本年は御承知のように産米の価格が予算上認められましたものより相当率は上つておりまして、七千五百円が基本米価でございますが、そのほか超過供出奨励金、早場米奨励金、供出完遂奨励金等が相当出まして、相当単価が上つております。もう一点は、早場米奨励金等の影響或いは作付等がよかつたために、又米の供出が従来になく今年は早い等のために、食糧会計千七百億の借入限度では到底越せない、この計画で参りますと、収支差引きまして二千百六十億というのが一月の最高限度、ピークでありますが、差引で一応これをまるくしまして二千二百億の限度にお願い申上げておるのであります。只今のところを申上げますと、現実超過供出奨励金等にももう若干出ておりますために、千七百億では相当不足をいたしまして、三百億も実は中央金庫から立替払をして頂いておるよう関係でございまして、これの財源等は、供出時期でございまして、中金の歩留り等も相当ありますが、たんだん不足して参りまして、実は国庫の預託を願つておるような始末でございます。これは短期に早く返さなければならんという点もありますし、食糧庁としても自前で二銭の立替払の金利を払つておるような次第でございます。これはコストにかかつて来るような金でありますので、相成るべくは一銭五厘の安い糧券発行を一日も早くして頂くことが、国民経済にとつても重要であると思うのであります。  以上簡単に申上げましたが、そういうような実情でございまして、ここに充てますのは単価の値上りと量の把握、こういう点であります。
  53. 木内四郎

    ○木内四郎君 今金利のお話がありましたけれども、どんな金利を払つておられますか。
  54. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) 普通糧券を発行いたしました場合金利一銭五厘でございます。それを中金に前渡して一銭五厘五毛を払つております。五毛の差を実は取つてそれが収入になる。中金に立替払をしてもらいますときは二銭を食糧庁が中央金庫に払つております。中金の立替払をする金利コストはちよつと私わかりませんですが、国庫預金等から預託で相当安い金利ということで借りてやつておる。中央金庫としては二銭で食糧庁に貸しましても、利廻りとしては余りよくないので、これは本当の短期の措置であります。法律的に申しますと、一時借入金その他の借入金を通じて千七百億を超えることを得ず、こういうことになつておるのを立替払は借入金でないということで実はやつておるのでありまして、これは実は曲解に属するので、こういうことは成るたけ実はやめたいと思うのでありますけれども、農民に払う金でありますので、こういう緊急の措置をしております。相成るべくは限度拡張を一日も早くやるのが好ましいことである、こういうふうに考えております。
  55. 木内四郎

    ○木内四郎君 今のお話よくわかりましたが、農林中金のほうには政府資金を預託してもらつて割合に安い金利で預託しておるだろうと思うのですが、そういう場合にはたとえ短期の立替払でもそれを安くするということはできないですか。
  56. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) これは金融機関のコストの問題でございますけれども、中央金庫全体としては食糧庁に二銭でやりますことは、そう楽ではないのでありまして、私のほうも相当無理をお願いしておるよう関係でありまして、これ以上やりますことはちよつと私どもとしてもできかねるのじやないかと存じております。
  57. 小林政夫

    小林政夫君 食管特別会計についてはいろいろ質疑したいことはあるのでありますが、他にもう一法案、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案というのがありますから、その際にしまして、本日は質疑をいたしません。
  58. 中川以良

    委員長中川以良君) 他に御発言ございませんか……、他に御発言もないようでございまするから、質疑は終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕
  60. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて。それでは質疑はこれを以て終了いたしたものといたします。これより討論に入ります。御意見のありまするかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 中川以良

    委員長中川以良君) 格別御発言もないようでございまするから、討論は終了したものと認めまして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 中川以良

    委員長中川以良君) それでは討論は終了いたしたものと認めます。それではこれより採決に入ります。食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案衆議院送付通り可決いたしますることに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕
  63. 中川以良

    委員長中川以良君) 全会一致であります。よつて本法案は衆議院送付通り可決すベきものと決定をいたしました。  なお本会議におきまするところの委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条により本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにいたしまして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二条により委員長が議院に提出する報告書に附しまする多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    小宮山常吉   木内 四郎    菊田 七平   伊藤保平    大野 幸一   大矢半次郎    小林政夫   西川甚五郎    杉山 昌作
  65. 中川以良

    委員長中川以良君) それから明日は午前十時より開会いたしたいと存じまするが如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  67. 中川以良

    委員長中川以良君) 速記を始めて。本日通商産業委員会より織物消費税法の廃止に伴う特別措置に関する法律案につきまして、大蔵委員会と連合委員会を開くことを申入れて参りました。連合委員会を開きますことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 中川以良

    委員長中川以良君) 御異議ないものと認めます。よつて連合委員会に応じますることを通産委員会のほうに回答いたすことに決定いたします。  それから明日は農林漁業金融公庫法案につきまして御審議を願いまして、次いで……大体午前中でございますから、それだけで以て御審議の時間が大体一杯になると思います。午後は専売裁定につきまする連合委員会を開催いたしたいと思います。  それでは本日はこれを以て散会といたします。    午後四時二十一分散会    —————・—————