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説明員(岡井正男君)
只今木下委員からの緊急
質問にお答え申上げます。御
質問は第一、第二大邦丸拿捕
事件並びに乗組員の射殺
事件に関する
事項であろうと思われます。
只今まで水産庁が入手いたしておりまする経過をこの際一応申上げてみたいと思います。
去る二月の四日八時十九分福岡大邦
漁業所有第一、第二大邦丸が済州島の北西岸シラハマ沖で韓国底曳船に拿捕されまして、連行されたという連絡が水産庁の福岡
漁業調整
事務所及び海上保安庁からそれぞれ同一の連絡がありました。越えて二月九日に、海上保安庁佐世保保安部長が韓国武官より聞いた情報が保安庁より水産庁へ連絡がありましたが、その内容は次のようなものでありました。
第一、第二大邦丸が済州島済州で抑留されている。拿捕した韓国船は第一昌運丸という底曳船で、これには憲兵、警官が乗組んでいた。この
事件は海軍と
関係なく、内務部の所管である。第一、第二大邦丸乗組員中一名が射殺された模様であるというような連絡があ
つたのであります。
更に二月十二日に至りまして、佐世保安保部長がアメリカの防衛艦隊司令官J・グリツヂ少将から得た情報が海上保安庁から連絡がありました。それは次のようなものであります。
防衛海域に
日本漁船が立入ることは遺憾であり、今後かかるようなことがあ
つては生命の保障はできません。第一大邦丸乗組員であ
つた瀬戸重次郎は射殺された。というようなことでありました。
更に二月十六日に福岡
漁業調整
事務所からの電報によりますると、瀬戸重次郎は拿捕を受けた際に銃撃せられて負傷した、その後済州島で死亡した。第一、第二大邦丸は二月十五日十三時済州港を釈放され、アメリカの軍艦の護衛を受けて帰途についた。瀬戸重次郎君の遺骨は持帰
つている。
更に二月十六日十一時二十分、福岡
漁業調整
事務所からの電話連絡によりますると、第一、第二大邦丸は十六日の十時佐世保に入港した。死亡者の瀬戸重次郎君は、従船、従船といいますと、親船に従う。いわゆるサブ船のことでございまするが、従船第一大邦丸の責任者で、而も全体の副漁撈長である。水産庁といたしましては、第一、第二大邦丸乗組責任者から事情を聴取の上、
関係省と打合せ、措置するつもりでおります。
以上が大体今まで水産庁で入手いたしました経過でございます。