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1952-12-12 第15回国会 参議院 水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十二日(金曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     秋山俊一郎君    理事            木下 辰雄君            千田  正君    委員            松浦 清一君   政府委員    調達庁不動産部    長       川田 三郎君    外務省国際協力    局長      伊關佑二郎君    農林政務次官  松浦 東介君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    大蔵省主計局主    計官      谷川  浩君    水産庁漁政部長 伊東 正義君    水産庁漁政部漁    政課長     家治 清一君   本日の会議に付した事件 ○漁船乗組員給与保険法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○水産政策に関する調査の件  (防潜網及び聴音器に関する件)   —————————————
  2. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 只今から委員会を開会いたします。本委員会に付託になりました漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案議題に供します。先ず本案に対する政府の御説明をお願いいたします。
  3. 松浦東介

    政府委員松浦東介君) 只今議題となりました漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申上げます。  本法律案は、漁船乗組員給与保険保険金支払期間を限定しようとするものでありまして、現在第十七条の規定では、乗組員抑留された場合、保険金支払は、当人の抑留が終るまで、即ち本人が帰還した日まで行われることになつておりますが、これを抑留された日から起算して六年四箇月を経過致しましたら、それまでで打ち切り、その翌月からは組合保険金支払責任を負わない旨の規定に改めようとするものであります。  これは、漁船乗組員給与保険も、保険という建前であります関係上、保険金支払責任を、抑留が終るまでとすることは、危険率の算定上若干問題がございます点と、労働者災害補償保険法等一般社会保険立法におきまして保険給付一定期限を定めおりますこととの均衡上、漁船乗組員給与保険におきましても、保険金支払責任について期限を定めようとするものであります。  ところで、六年四箇月という期限でありますが、これは前にも述べましたように、労働者災害補償保険法等社会保険立法におきましては、保険給付を受けます者が、療養開始後三年を経過してもなお負傷又は疾病がなおらない場合は、打切補償費として平均給与員会会議額の千二百日分を支給して保険給付を打ち切るということになつております。そこで、漁船乗組員給与保険におきましても、これと均衡をとつたのでありますが、その性質上、打切補償費交付という考え方はとりがたいので、千二百日分の打切補償費交付ということに代えまして、これに相当するものとして、三年に千二百日を加算致しまして、これを年月に換算して六年四月という保険金支払責任期間をとつた次第であります。  以上申し述べましたところが、本法律案提出理由の大要であります。何卒慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い致します。
  4. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 本案に対し御質疑がございましたら、順次お願いいたします。
  5. 松浦清一

    松浦清一君 実施期日はこれは何日になつておりますか。明確に日にちをお示し願いたいのですが。
  6. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは法律実施期日でございますが、御承知のようにこれは予算がなくて実は実施が遅れたのであります。我々のほうとしましては、これは一番尻が十二月二十四日までということに法律なつておりますので、できますれば予算がいつ通るかでございますが、予算が通りましたならば即日施行ということでやつて行きたいというふうに思つております。
  7. 千田正

    千田正君 それに関連して……。若しもこの法律が実行できない、いわゆる予算裏付がなかつた間にこの法律録第八号に該当するような問題が起きた場合においては、何らかの手を打つことがないということでありますが、何かの方法において、若しその実施期間以前に乗組員が不幸にして抑留されたような場合があつた場合には、水産当局としてはどういうふうな方法によつてこれを給与するか。或いは給与と言いますか、この給与に準ずる何かの方法をとり得るという御意向がございますかどうか、その点を伺いたいと思います。
  8. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 法律論をやりますと、この法律が出ますときにすでに拿捕されて抑留されている船員の問題が出たのでありますが、やはり法律建前保険をやつて行くという建前から行きますれば、やはり施行前の抑留を、これに保険ということをしてやることは、法律的にもむずかしくなつて参りまして、実はこの法律を出しますとき、海員組合なんかにもいろいろ話をしたのでありますが、法律施行前の拿捕抑留者については、自主的に何か考えてもらいたい、政府としてはちよつと手がないのだということを言つたのでありますが、その点はまあ今でも法律施行前にはむずかしいと思つております。
  9. 千田正

    千田正君 そうしますというと、この乗組員給与法が実際において発効しない以前に、例えば只今問題になつておりまするところの防衛水域方面に出漁して、若しも不幸なことが起きたというとき何らの方法がないというので、やはりそういう危険を感ずる場合においては、それは必然的に出漁がでさないという結論になりますが、そう存えて差支えありませんか。
  10. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その点は乗組員給与保険がかけられないから、心配だから出漁せんというふうに解釈ししいいかというお話でありますが、制度そのものから行きますれば今申上げましたように、施行前においてはどうしてもこの法律関係でそれを救うことはできないということを申上げるほかないと思います。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 つかぬことを伺いますけれども、この法律通つたのは何日でしたですかね。
  12. 家治清一

    説明員家治清一君) 今年の六月二十五日に公布なつております。
  13. 松浦清一

    松浦清一君 そうするとこの法律条文の上から行くということになると二十五日にこれを施行しなきやならんこいうことになりますね。そういうここですか。
  14. 家治清一

    説明員家治清一君) そうです。
  15. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると今の国会情勢というものは、これはどういうここになるか、予想でありますからわかりませんが、二十四日までには予算が遡るか通らんかということは、なかなかこれはむずかしい問題だと思います。現在の御承知情勢から行けば……。で、若し二十六日に予算が通るとか、或いは通らなかつたという場合に実施日にちが遅れて来ますね。
  16. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その場合にはやはり現在出しております公布なつております法律改正案をやはり出すということを事務的にやるほかないと思います。
  17. 松浦清一

    松浦清一君 すると延期をやるということになりますか。
  18. 伊東正義

    説明員伊東正義君) そうでございます。
  19. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると若し……、これがいいか悪いかということは別問題として、非常に予算問題で国会情勢が険悪になつて来て、総辞職をやるとか或いは解散をやるとかいうような……、これは予想でありますからわかりませんが……、というような事態が起つた場合に、一遍これを改正して、又その改正を何遍でもやつて行くということになりますか。若しそういう最悪の事態が起つた場合に……。
  20. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 事務的にもう一つ漁船……、この乗組員給与のための漁船保険特別会計法改正案も実は出ているのでありますが、今おつしやいましたように、予算が通らんということになりますと、やはりその施行期日関係条文は変えて行かにやならんというふうに私はなるだろうと思つております。
  21. 松浦清一

    松浦清一君 参考に伺つておきますが、ほかの法律でも実施日にち法律の上にきめておいて、そしてそれで予算裏付けが伴わなければ実施ができないという法律はあろうかと思うのですが、そういう場合には、やはり今までの慣例はそういうやり方でやつて来たわけですか。
  22. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 水産庁では実はまだそういう経験はないのでありますが、法律論から言えばおつしやつたようになるのだと思います。
  23. 松浦清一

    松浦清一君 そういうことになるのかね。どこかやはりほかにしつかりしたところに確認をしておく必要があるのじやないの。法律というものの建前がそういうことであるなら、特段どうこう言うことはないと思うのですが、法律施行日にちをきめて、そうして予算がその場合通らなかつたというので、少し遅れたつて、一日や二日遅れたという場合以外に、国会解散とか何とかいう事態も起つて来ると思うのですね、そういう場合にはこう小刻みに日にちを変更して行くというようなやり方をやるのが通常であるかどうか、そういうことを僕はどこかで確認したいのですが、これはどこでどうすればいいのですかね。
  24. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 法制局でしようね。確認しようとすれば、法制局に調べさせて意見を聞いたらいいのじやないかと思いますが、大体そういうふうにするほかはないでしようね。法律の執行の上から言えばね。
  25. 松浦清一

    松浦清一君 常識的にはそれはそう思うのです。まあそれは私の個人的な希望でありますから、あとで別に確認するとして、この法律の問題については、私は申すことはありません。
  26. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ほかに御質問ございませんか。じや別に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。
  28. 松浦清一

    松浦清一君 私はこの法律改正に対しては賛成をいたします。併しながらもともとこの法律審議の際にもいろいろ問題になりましたように、実際に現在拿捕されて給与をもらつておらないという家族生活に非常に困つておるというところから考えついたのがこの漁船乗組員給与保険法というこの法律なので、これから先にも拿捕されるという場合がしばしば起つて来ることが予想されますけれども、一番先に思いついたのは、今拿捕されて困つているところの生活の現状なのであります。このことは水産当局に対しましても、しばしば保険の適用されない拿捕船員に対しての適当の措置を講じてもらいたいということはたびたび希望を申上げて、別にこの法律を通すときの条件にはなつておりませんけれども、各委員希望するところはそういうところにあつたように私は記憶しております。まあ今のお話によりますと、いろいろ考えてみたけれども、処置なしだというようなふうに受取れるようなお話でございますが、なおこれで両手を挙げるのではなしに、更にはかの方法で救済のできる方法があるかどうかということを御検討願つて、そうして幾分なりとも補償ができるような方法を講じてもらいたい、こういうことをお願い申上げておきまして私はこの法律案改正案に対して賛成をいたします。
  29. 千田正

    千田正君 私も只今松浦委員と同様の意見を持つておりましたので、この際速かにこの法律案が通過して一日も速かに操業ができるように、そうして乗組員家族が安心して今後の生活を送られるというような意味からいたしまして、この法律案に対しまして賛成をいたします。
  30. 木下辰雄

    木下辰雄君 大体において私も松浦委員と同意見であります。最も急を要するためにこの法律はでき上つた、然るに便々としてその実施が遅れるということはこれはもう法律作つた趣旨にも反するので私ども非常に遺憾に思う。殊に現在の政情として政府は見通しがつかんというようなことは甚だ遺憾に思いますが、誠に止むを得ませんが、とにかく一日も早も実施するということを念願しながら私はこの案に賛成いたします。
  31. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ほかに御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。本法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。   (賛成者挙手
  33. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それから例の多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     木下 辰雄  千田  正     松浦 清一   —————————————
  35. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それでは前回以来引続き審査をしておりました防潜網或いは海底聴音機等漁業に対する影響等につきまして大蔵省主計局谷川主計官がお見えになつておりますので、これの補償或いは見舞金等支出をする予算等について質疑行なつたらと思います。
  36. 千田正

    千田正君 この問題は年末に際しまして非常に防潜網或いは聴音設備等によつて被害を蒙るところの漁民からの切実な要求が当委員会にもたびそれ請願陳情の形になつて現われ、且つ又当委員会といたしましても事の重大性に鑑みまして我々が現地を視察したわけでありますが、事実誠に漁民が困窮の状況にある。これはたびたび外務当局及び大蔵当局においでを願つてここでも一応我々が質したのでありますけれども、もう一度、この補正予算がもう衆議院を通過してこの四、五日中に参議院に移ると思いますが、その間におきまして大蔵当局としましては、この問題に対してどの程度一体漁民に対する補償ということが法律的に今の段階においては直ぐさまできないならば、何らかの方法においてこの漁民の急場を救うような方途を講じようと思つているのかどうか、こういう点について大蔵当局の所信を伺いたいと思います。
  37. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 只今の御質問につきましては、私どもも水産庁からたびたび同様な趣旨の協議を受けまして目下その被害額等につきまして資料提出要求しておる状況でございます。その防潜網或いは聴音機に原因する被害額はつきりいたしました場合には、従来の同様の損害に対する補償趣旨に則りまして、成るべく速かに処置をしたいと考えております。
  38. 千田正

    千田正君 只今の御答弁は、水産庁からの詳細な的確な資料に基いて要求があつた場合に十分にそれを審査して速かに陳謝する方法を講じたいという御答弁のようでありましたが、大蔵省当局のほうから考えますれば、これは終戦処理費の一部から支出するつもりでありますか、それとも額が厖大になつて来た場合においては当然これは防衛費の問題にも波及する問題だと思います。現在の立場から言うと、どの項目から大蔵省としましては支出する意向なのでありますか、その点を伺いたいと思います。
  39. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 四月の二十八日以前の損害額につきましては従来終戦処理費を以ちまして処理して来たのでございますが、二十九日以降の損害に対する補償につきましては、その予算の科目は防衛支出金から支弁することになつております。
  40. 木下辰雄

    木下辰雄君 今主計官の御答弁では被害額はつきりした場合においては速かに補償したいというふうなお考えでありますが、もとよりはつきりしないのに補償を出すという方法はないと思うが、はつきりするというのはどういう程度であるか。又はつきりするまでは一年でも二年でも出さんのであるか。この冬非常に切羽詰つた漁民の経済を幾分でも補うという意味において内金でも出すというようなふうになるかどうか、この点について一つ……。
  41. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 大変むずかしいお尋ねでございますが、行政協定に基きまして防潜網或いは聴音機を設置いたしまして、それが原因となつたところの損害額であるどうか。その因果関係が明らかになるということが一つ、で、仮にそのような因果関係があるということがはつきりした場合において更に次に損害額が確定することが必要であるわけでありますが、先ずこの因果関係はつきりいたしますならば、場合によつてはその額がはつきりいたさないまでも、或いは今御質問の趣きを達するような措置ができるのではないかと、研究したいと思つております。
  42. 木下辰雄

    木下辰雄君 私は決してむずかしいことは言つたはずはないのだが、とにかくはつきりしなければ出せないということも当然でしようが、はつきりするまでは相当日時がかかる、だからその間に、中間的に内金でも出されるという措置がとられるかどうか、こう私は言うのです。
  43. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 行政協定に基いての措置をしたことと全然因果関係がない、例えば海流の関係その他で魚が取れなくなつたというようなことであれば全然話になりませんのでございますが、仮に行政協定に基く措置と直接関係があるということであれば、その点さえはつきりすれば或る程度見舞金その他の措置をすることができるのではないかと今研究しているわけでございます。
  44. 木下辰雄

    木下辰雄君 私にはあなたの答えは一向納得できない部分があるが、私らほこの間各委員実地検証をしたのです。誰が見てもあの防潜網魚道を遮断しておる。相当被害があるということはもう常識でもわかる。又漁民の話を聞いてみてもあの附近あぐり網があれば直ちにあそこに流れ着いて事実上のあの附近ではあぐり網操作ができない。又魚道を遮断するために内側においては非常に漁がなくなつたということもこれもはつきりわかる、けれどもそのためにどのくちい被害があつたということは、これは十分調査しなければわからない。それで、併し漁民はそのために非常に暮を控えて困つている。調査の結果はもとよりこれは被害があることはわかつておるが、相当大きな被害があると思つておるが、その前に、調査が完了しない前にこの暮に幾らか金を出される御予定であるかどうか、この点を一つ見舞金じやない、内金です。
  45. 谷川浩

    説明員谷川浩君) この損害額が或る程度確定いたしません場合には、補償金を出すわけにはいかないと思います。
  46. 千田正

    千田正君 大蔵省に伺いますが、先般石川県の内灘におけるところの、これは駐留軍演習場だと思いましたが、あの場合におけるところのいわゆる現地の住民との間に確約したと、林屋国務大臣確約して何らかの方途を、何千万円か支出するという確約の下になにをしたということが新聞紙上に出ておりましたが、これは大蔵省としてはその支出について何か考えておりますか。
  47. 谷川浩

    説明員谷川浩君) その補償金につきましては従来同様な損害に対してとつて参りました七月四日の閣議了解になりまする損害に対する損失補償要綱、これに準じて補償するということになつておることを承知しております。
  48. 千田正

    千田正君 或いはあすこへ何か公民館を建ててやるとか或いはいろいろの諸施設をやるとか確約をしておるように私は新聞で見ておりますが、この石川県の問題についてはまだ損害も別に発生していない。又将来起るであろうという予想の下にすでにそういう確約があるとすれば、現実にもう損害が起きておつて、而も何人が見ても当然防潜網なり或いは聴音設備のために漁業操作ができないということがわかるのにも拘わらず、それは支払えないということは、私は政府の公平の分担の建前から言つて甚だ不公平であると思いますが、そういうことについて石川県の問題は私はまだ損害が発生しないのであるから、損害が発生するという予想の下に行われておる確約であると思いますが、そういう点はどうですか。
  49. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 公民館等、そういうことは聞いておりませんのですが、一応或る一定の地域或いは海面を使用するということがきまつた場合に、例えば石川県のごとく全然漁に出れないというようなことがはつきりいたします場合においてはその損害額ということも一応予想が立ちまするので、それに応じた措置を講ずることができまするが、東京湾の問題につきましては目下専門家調査しておるということを聞いておりまするので、その結果がわかつてから石川県と同様なような状況であることが判明したならば同様な措置を講ずる必要があると考えております。
  50. 千田正

    千田正君 どうも御答弁が、予想に対しては一応ちやんと調査して出す、現実被害を蒙つていたものに対しては一応調査しなければ出せないという、この考え方に対して私は甚だ遺憾に思うのでありまして、そこで大蔵省それ自体といたしましては、東京湾の今の防潜網或いは聴音設備におけるところの漁業被害の点について、誰か係官かその他のかたがた調査に行つておられるかどうかその点一どうですか。
  51. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 大蔵省からは出ておりませんが、調達庁或いは水産庁或いは東京都のかたがた調査の結果が、連絡があればそれを信用して処理したいと思つております。
  52. 松浦清一

    松浦清一君 今の大蔵事務当局の御意見を聞ておつて大蔵省ではもうちやんとその準備をして防潜網聴音機等施設による被害等がわかれば金を出すと、こういうお話ですが、これを逆に考えてみるというと、水産庁調達庁調査が遅れておるというふうに解釈できるが、そんな状態ですか。
  53. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 私の只今の……。
  54. 千田正

    千田正君 水産庁どちらでも……。
  55. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 防潜網関係被害につきましてはこれは法律上は調達庁のほう頂ろくと被害の調車されますような形になつております。機構としてはそういう形ができておりますが、水産庁としましては、これは非常に重要な関心がありますので調査をいたしております。今大蔵省から言われたように、私水産庁として実は現在までには東京湾関係幾ら、それから佐世保関係幾らというふうに被害を出して大蔵省なり調達庁には実際まだ交渉いたしておりませんが、これはまあ非常にむずかしい問題でありますので、先ほど大蔵省から答弁もされましたが、私のほうもいろんな役所以外の関係者も集まりまして、調査をいたしておりまして、これは成るべく早い機会に結論を出そうというので、今中で相談をしております。大蔵省被害金額を私のほうとしてまだ出しておりませんのは事実であります。
  56. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると結局その大蔵省では見舞金を出すという方針がきまつておる。その出すということについては防潜網聴音機等の直接被害総額が判明しなければ出せないと、これがちよつとわかつたようなわからんような気持がするのですが、今の段階では結局よく早く調べてそして正確な直接被害総額大蔵省のほうに水産庁のほうから提出するということだけ残されておるように思うのですが、そういう状況ですか。それは水産庁外務省大蔵省のほうとのその考え方に違いはございませんか。
  57. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 水産庁調達庁のほうから損害額が出て参りました場合、従来の例から申しますると、補償金であれば完全な基準がございますのでそれによつて計算すればよろしいのでございますが、見舞金ということになりますると、損害額に対しまして果してどの程度見舞金を出したらいいかという問題につきまして、ほかのいろんな先例とか、ほかの財政支出見舞金に類するそういう従来の支出、これらを考慮いたしまして決定する必要がございまするので、この一応損害額が出ましたその損害額に対しまして、更に一遍考えて見るということが必要になつて来ると思います。
  58. 松浦清一

    松浦清一君 それでは若し水産庁調達庁のほうから直接被害総額がここにはつきりと数字が現われて来たと、そうなればそれに対してさつと出せる態勢ではないのですね。金額が現われて来てから、百の数が現われて来たからそれに対して六十出すとか八十出すとかいうような出し方基準というものはまだきまつていないわけですね。
  59. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 補償金の場合はきまつておりまするが、見舞金につきましては、補償金の通り完全にやるということは必ずしもきまつておりません。併し大体補償金基準によつてやるということになつておりますので、そうそのむずかしい操作は要らないと思うのでございます。ただ東京湾の場合には相当大きな、例えば十億とかいうことも新聞に出ておることを承知しておりまするので、余りにもその金額が大きいので果してどういうふうになりまするか、その点慎重に考えたいと思つております。
  60. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると結局早く調査をしてもらつて、そうして誰にも納得の行くような、直接被害の総額というものの金額を表わすということがもう一番急がれる問題だと思うのですが、その点については御如才なくやつていらつしやると思いますけれども、水産庁調達庁ともそれ一つ御協力をされて、年末の御多忙ではありましようけれども、一つまとめてやつてもらいたい、やつてもらつてから、それから百に対して何十出すと“2」とをきめると又遅れますから、事前に百という数字が出て来れば、それに対して何十出すとか、こういうことをあらかじめ下交渉をされておいて、下準備をされておいて、その数が出て来ればさつと出せると、こういう態勢をとつて頂きたい。そうしないとこれは年末ちよつと騒動が起るんじやないかと思うのですよ。
  61. 木下辰雄

    木下辰雄君 いろいろ質問を聞いて見ると、いつのことやらさつぱりわからない。で、水産庁調査はいつ頃完了するお見込ですか。
  62. 伊東正義

    説明員伊東正義君) この前の議会でもたしかそのことをお答えしたのでありますが、我々としましては何とか今年中に、そのさつき申上げました水産庁の技術者とか、そのほかの役所以外の技術者に集まつてもらつて調査しましたときには、年内に一つ結論を出して欲しいということを目標にしてやつたのであります。それでこれも実は内々至急日も迫つておるし、どの程度のまあ因果関係があるかというような見方で結論を出して貰いたいということで中でやつております。我々としましては何とか成るべく早い機会に数字的な結論を出したいと考えております。これはこの前の委員会でも年内に金が渡るようにやれというお話があつたのでありますが、我々としましても成るべく早い機会に数字を出して御要望に副うように努力したいというつもりでやつておるのでありますが、今年中に必ずという確約はなかなかこれは今の段階では申上げるのはむずかしいのじやないか。併し成るべくそういうふうな事態になるように早くやりたいというふうに思つております。
  63. 木下辰雄

    木下辰雄君 伊東部長の言われるところは尤もだと思います。結論を今月中には困難のような御答弁でありますが、若し困難であればおよその、その見込みはわかると思うのです。見込みに従つてその五割なり、或いは七割なりの内金大蔵省に出してもらうような交渉を水産庁がする意思があるのですか、どうですか。
  64. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 私のほうといたしましては、実は今日も法制局関係省が集まつて法律の準備相談もいたしておりますし、できるだけ御質問にありましたような趣旨大蔵省には図りたいと思つております。
  65. 松浦清一

    松浦清一君 今の木下委員の御質問趣旨は非常に僕は尤もな話だと思うのです。結局年内に調査が完了しないということになると出せないのも止むを得ないと、突き詰めて考えて見ればそういうことにも解釈ができるので、それでは本当に困ると思うのですよ。結局台風だとか、地震だとかいう天災地変というものが起つた場合には国の臨時費を出して応急の処置を講ずるわけですが、東京湾防潜網等に関連のある地域で操業しておる漁民にとつてはこれは自己の欲せざる、天災じやないかも知れんが、ことなんで、そのために漁民だけが損害を蒙つているというその厳然たる事実はやつぱりこれは何とか処置をしなければいかんと思うのですが、これをもつと烈しい言葉で言えば、日本の外交折衝というものでその周辺の漁民が特に損害を蒙るような防潜網をやつてもらつちや困るというようなことを強く話をすればよかつたのかも知れないが、それは不可能であつたとすれば、日本の防衛のためにこの行政協定ですか、ああいう方面の折衝の場合に日本の政府が肯定したのだから一応日本の政府がこれを肯定したということを再び我々は肯定するとすれば、その日本の国全体の防衛のために防潜網によつて特殊の漁民だけが損害を蒙つてつたらかされるということはないと思います。やつぱり国の総体的な責任においてこれを救済して行くべきだと思います。若しその数字が現われなければ出せないというようなことで年末この状態で過させるということでは、これはもう漁民に対して気の毒だと思う。今木下委員のおつしやるように内金の算定ということはこれはむずかしかろうけれども、特別にやつぱり措置を講ずることが政治であるから、その点に十分の関心を払われて、何とか一つつてもらいたいと思います。
  66. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 私からもお諮りしておきたいのですが、この見舞金と言いますか、補償金と言いますか、これは防潜網なり聴音機があそこに施設してあつて、それが取除かれない限り来年も再来年も網がある限りこの問題は来年も再来年も続いて来る問題だ。本年限りのものでないとするならば、本年調査が完璧を期することができないということも我々には想像がつくのでありますが、併しあの水面にああいう工作物を設置したことによつて操業ができないということははつきりしている。そうしてそこに操業している船の数、それから漁業の種類等もはつきりしているので、それについては地元からもそれぞれ数字的なものが出ているはずであります。そういうものを基礎として水産庁が算定をして、そうして若しその算定が事実よりが多かつたということが後日判明したならば次の機会にそれを操作すればいい、若し不足するならば次の機会に又それを増してやるといつたことによつて、その操作は如何ようにもできるように私は思う。従つて昨年一昨年来続いて不漁と言いますか損害を蒙つて、続けて参りまして、本年も年末に押し迫つて非常に漁村が窮乏しているというものに対しては何とか政策的な方法を講ずべきである、こう考えるのです。従つてこのガツチリどこから突込まれても隙のないという数字を出すことは、これはここ十日や二十日のうちには困難だろうと思う。あすこにおける損害のあるという事実は確かなものであり、そうしてその船の数なり或いはその漁業の種類というものはわかつておりますから、おおよその概算のものは出て来ると思う。従つてその数字を基礎として至急にこれを取図つてもらいたいということを私からも御相談しておきます。  それから外務省の伊關国際協力局長がお見えになつておりますが、何か御質問はございませんか。
  67. 千田正

    千田正君 今まあ伊關さんもお聞きになつたと思いますが、この防潜網ですね。防潜網聴音設備、これは駐留軍が日本にいわゆる駐留する前の占領軍当時からあれは敷設されたものなんでありますが、このたびの安全保障条約に基いて日米委員会においてこの問題はどういうふうに取扱われるものとして一体討議されているのか、その点を一つはつきり伺いたいと思います。  これは安全保障条約の一環としてやられているものか、それともいわゆる岡崎・ラスク会談によつて一つの米国側としての作戦行動として設置したものとして考えられるのか、そうした場合においては一体日本の国としては如何なる方法によつてこういうものに対するところの仮に防衛負担金というのですか、そういう面においての負担をどういうふうに処理するかというようなことは、恐らく日米委員会その他において十分あなたがたにおいて討議されたことであると思いますので、その点を一応聞かして頂きたいと思います。
  68. 伊關佑二郎

    政府委員伊關佑二郎君) 防潜網を二十五条によつて提供しておる施設と見ますか、或いはこれを施設と見ずに軍事行動と見ますと、これは十八条のほうに来るわけです。これにつきましては国内的にまだ完全な各省間に意見の一致を見ておりません。いずれにいたしましても、二十五条に持つて行くにも多少無理がある。十八条とするにもあれはああいうふうに恒久的に置いておるものですが、十八条というのはむしろ突発的に起るというようなものを考えております。これはどちらにも無理がある。それで解釈につきましては今各省寄りまして研究しておりますが、いずれにしても解釈は近くいずれかに多少無理ありましてもきめなければならんと思つております。併しこれと補償の問題とは一応別個になつております。  それから私のほうが主として米軍と折衝いたしておりますのは、この防潜網が絶対になければならないかどうかという問題でありまして、今までのところは米軍のほうはこれが最も確実な、而も維持しやすい、操作しやすい、何と言いますか、メンティンしやすい確実な方法であるというので、大体これは続けて行きたいという意向が強いようであります。併しこれが漁業に非常に大きな影響を及ぼすということとなりますならば、又考慮の方法もないでもないという点も、というふうな点も見られんことはないんでありまして、それはこれを廃止するという、全部廃止するというようなことにはなりませんでも、この張りかたを変えるというようなことはできるんでありまして、戦時中に日本の海軍が張つておりました方法は今とは多少違うんであります。勿論そういう張りかたをいたしますと、今度は通行する船のほうには余計な、今よりは大きな被害が及ぶと思いますが、併しどちらの被害が大きいかということは比べてみないとわからない。そこで今の折衝の段階におきましては、司令部としてもこの専門家の、どれくらいの被害があるだろうというものをはつきり出してもらいたい。そうすればその上で最終的な決定をしたいというところが、今司令部の最高首脳部あたりの考えだと思います。そこで米側の専門家もこちらにいろいろと相談に乗つておりまして、日米両方で以て鋭意研究しているというような段階でございます。
  69. 千田正

    千田正君 聴音設備のほうはどういうことになつておりますか。
  70. 伊關佑二郎

    政府委員伊關佑二郎君) 聴音設備のほうは、これは廃止するというような問題にはならんと思います。これは絶対に必要だと思います。
  71. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今伊關局長のお話であの張りかた、防潜網その他の張りかたについては、まだ研究の余地があるというようなお話のようでありましたが、私らはあれを実地に見に参りましたが、如何にもあれは潜水艦を防ぐのではなくて漁撈を遮断する施設のように考えます。直ぐ側にいなかつたが、直径一尺もないような(「八寸ですね」と呼ぶ者あり)環を繋ぎ合わせて而も一番表面からやつておる。そうしていつも婆あるからして、からく音がしてやつておる。潜水艦であれば潜つて来るのだからして、表面にあんなに張る必要はないだろうと私は思う。それから潜水艦は大きな体なんだから、こんな小さな目を作らないでも、もつと大きな目でも間に合いはしないか。そのほうが経費も要らず、又波浪に対する抵抗力もあるということで、そういう点からいつても外交的に折衝する余地があるのじやないかと私は思う。その点を伺います。
  72. 伊關佑二郎

    政府委員伊關佑二郎君) 御覧になつたのは水面を御覧になつたわけでありまして、仰せの通り水面においては八寸の網が張つてある、これは潜水艦が発射します魚雷を防ぐためにそういう網が張つてある。水面を或る程度下りましたところは二尺、二尺、こういうダイヤモンドでございますね、これが一つが二尺、二尺で、相当大きな網になつているわけです。だから上のほうだけでございますが、魚雷が通り得るというところが小さいわけです。下のほうは大きくなつております。
  73. 松浦清一

    松浦清一君 今までの御意見を聞いておりますというと、まあ私たちも、私自身がそう申上げているんですが、防潜網による漁業被害に対して損害補償を早くやつてもらいたい、こういう希望的な意見を聞いておりますが、結局日本の政府建前としては、あの防潜網というものが必要だという見解に立つてアメリカ側と交渉しておられるのですか、或いは又撤去して呉れ、必要がない、こういう見解に立つておられるのですか、その点一つ基本的な問題ですから……。
  74. 伊關佑二郎

    政府委員伊關佑二郎君) 現在においては防衛は向うに任しているという形でありますから、絶対に必要であるかどうかという判断は向うがいたすわけであります。ただこちらといたしましては相対的な問題になりますが、どうしてもあれでなければならんというならば止むを得ないが、何とかほかの方法があるならば、こちらの漁業被害に鑑みまして別の方法を取つて呉れんかというような交渉になるのでありまして、絶対に困るということは言えないだろうと思います。問題が又日本側におきまして絶対に困る。補償してもどうしてもこれは問題は解決しないということになりますれば、これは日本側で最高首脳部で以てたとえ防衛に欠陥が起きてもこれは止めて貰わなければならんという問題になりましようけれども、私はまだそこまでの問題ではなかろう。今のどころは向うのほうで現在どうしても必要かどうかという問題である、こう考えております。それにつきましても向うが非常に被害が大きいものかどうか。それによつては又考えようがあるというところが今の交渉の段階でございます。
  75. 松浦清一

    松浦清一君 私の解釈によれば日米安全保障条約というものはやはり対等の立場において結ばれた条約であつて、而もその行政協定というものは対等の立場において結ばれたものだと私は理解をしておるのですが、今あなたのおつしやることを聞くと、日本の防衛というのはアメリカの駐留軍がやつておるのだから、日本の意思はそこに挿むことができないというように理解される御発言なんですが、そんなに情ないものですか。
  76. 伊關佑二郎

    政府委員伊關佑二郎君) 私はそういうことは申しません。ただ軍事的知識は向うのほうが持つております。我我は専門家じやありません。それでいろいろ聞きまして、向うが絶対に軍事上必要だと申しますれば、日本側としてもこれは必要だと、こう認めるわけであります。日本側が絶対にこれはいやだと言えば言えるわけです。理論上は。日本側がこの施設は絶対に困るからと言えば向うは止めざるを得ない、こういうことになりますが、併し日本の防衛という点では向うが専門家である、これは相談して絶対に必要だということになれば日本政府も必要だと認める、こういうことになります。
  77. 松浦清一

    松浦清一君 そうすると言葉の綾はともかくとして、日本はやはり向うの駐留軍が必要だと言えば日本も必要だと、こういうふうに解釈せざるを得ないと思われるのですが、そうなりますと私は理窟を言うようですが、国際情勢の現段階に対する判断の仕方だと思うのです。防潜網は潜水艦がやつて来て魚雷を撃つことを防ぐためにやるのでしようが、それほど現在の日本の状態というものが危険に迫られているものかどうかということを判断して行かなければ防潜網が必要かどうかという判断を下すことはできない。現在の日本の政府は、今あなたのおつしやられる言葉通りに平面的に受取つて、そんなに国際情勢が緊迫をしておつて東京湾に潜水艦が攻撃をしにやつてきそうだ、そんな情勢と日本の政府は判断しておるのですか。
  78. 伊關佑二郎

    政府委員伊關佑二郎君) そういうふうな判断は私のような事務当局には無理じやないかと思います。むしろ大臣に御質問なさる事項じやないかと思いますけれども、実際問題としまして公海は自由に潜水艦が動けます。ちよつと入れば東京湾、横須賀には軍艦がうんとおるわけであります。航空母艦等沢山おるというような状況で、あそこに入つて魚雷を撃てばこれは撃てんこともない、まあそれは万一のことを気ずかつておるのだろうと思いますけれども、併しないとは言えないのじやないか、まあいろいろと話をしておりますが、それはなくてもそんな事故は起らんかも知れん、併し軍としてはやはりあることを希望しておるということになろうと思います。この辺は非常にむずかしいことだと思います。
  79. 松浦清一

    松浦清一君 それは泥棒が入るかもわからんから、入る前に戸締りをして置かなければならんということの考え方かも知れませんけれどもね、それから私は結局やはりその損害に対する補償の問題ということよりも、そういうものが必要であるのかないかという基本的な問題から片付けて行かんというと、やはり国費を以つて補償するのですから、あつてもなくてもいいけれども、やはり置いておいて、そうして国費を以つて補償するというようなことは、これはやつぱり理窟に合わないのです。どうしても日本が必要だと、こういうことを日本みずから思う、アメリカのほうから強要されることなしに日本みずからが肯定して必要であるという判断を下すならば、やはり補償というものは、これはもう単なる見舞金というふうなことじやなしに、どうしてもやはり日本政府の責任においてやらなければならんと、こういう結論に到達すると思うのですよ。見舞金というものでなしに、やはり政府の責任において補償しなければならない。併しながら若しアメリカとの交渉の段階なら、ああいうものが国際情勢の判断の上から言つて、それほど大きな漁業被害を蒙るような、被害のあるような防潜網は必要なしと、こういう見解に基いてアメリカと交渉しているというのなら、経過的な措置として見舞金ということで、まあ額などいろいろ意見あるだろうけれども、それは筋は通るがね、併し恒久施設として必要だという見解の上に立つての話をしているなら、これは法律を早く作つて、そうしてはつきりした補償額をきめて補償してやると、こういう方向に向つて行かなければならないじやないか、こういうように二通りにものを考えるものだからそんなことをお伺いしたわけです。  それから大蔵当局にもう一遍、私はさつき結論つけておりませんから、駄目を押して置きたいのですが、若し被害総額が年内に水産庁調達庁のほうからはつきりしたことがわからないというような状態にあるときに、このままあの大きな被害を蒙つている漁民が年を越すということは甚だ困難だと思うのです。それに対してやはり応分の木下委員の言を籍りて言えば内金ですか、内金をやはりやつて、そうして年越しをやらせるべきだと、こういう見解を私は持つておりますが、大蔵省のほうはその点についてはどうお考えになるのですか。
  80. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 只今の御趣旨を十分尊重いたしまして、事務的に、法律的に概算払い、或いは内金払いができるかどうか研究いたしまして、できるだけ御意見に副うように善処したいと思います。
  81. 松浦清一

    松浦清一君 大抵の委員会政府側の御答弁というものは、それでおしまいになつてしまうことがたびたびあるので困るのだが、この次の委員会か、遅くともその次の来週の月曜日あたりの委員会までに省議をまとめられて一つお答えを持つて来て頂きたい。
  82. 谷川浩

    説明員谷川浩君) 承知いたしました。
  83. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止)
  84. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。ほかにお聞きになるようなことがありませんか。それでは防潜網関係は、只今松浦委員の御希望もありますし、見舞金というか、補償金というものの年内支給ということに対する当局の取きめを待つことにいたしまて、なお続いて審議することにいたしたいと思います。私、この見舞金とか或いは補償とかいうことによつて法律的にきめられたものならば補償額の算定基準がきまつておる、併し見舞金にはこれがない、これはわかりますが、見舞金を出すということそのものも、国家がその損害をみてやる、言葉の上では補償とか或いは見舞とかいうことになりますけれども、実質的には損害をカバーしてやるということになると思うのです。従いまして根本の問題は国家がみてやるという以上、見舞金であろうと補償金であろうと、その算定の基準は同じでなければならない。ただ法律に明文があるとないとの問題でありまして、その算定の基準法律できめられた補償の算定基準に従つて計算すべきものと私は考えるのであつて政府当局の先ほど谷川主計官お話にも、大体そういう基準があるからそれによるであろうというようなお話がありましたが、是非ぼんやりせずに、はつきりそこを補償は同じ率によつて算定をして頂く。実質的には同じ問題だと思いますから、そういうことを私から一つ希望しておきます。速記を止めて。   (速記中止〕
  85. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それでは速記をつけて。外務省反び大蔵省に対する質疑は今日はこれで止めます。それでは本日の会議はこれを以て散会いたします。    午後二時五十四分散会