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政府委員(
伊關佑二郎君)
防潜網を二十五条によ
つて提供しておる
施設と見ますか、或いはこれを
施設と見ずに軍事行動と見ますと、これは十八条のほうに来るわけです。これにつきましては国内的にまだ完全な各省間に
意見の一致を見ておりません。いずれにいたしましても、二十五条に持
つて行くにも多少無理がある。十八条とするにもあれはああいうふうに恒久的に置いておるものですが、十八条というのはむしろ突発的に起るというようなものを考えております。これはどちらにも無理がある。それで解釈につきましては今各省寄りまして研究しておりますが、いずれにしても解釈は近くいずれかに多少無理ありましてもきめなければならんと思
つております。併しこれと
補償の問題とは一応別個に
なつております。
それから私のほうが主として米軍と折衝いたしておりますのは、この
防潜網が絶対になければならないかどうかという問題でありまして、今までのところは米軍のほうはこれが最も確実な、而も維持しやすい、
操作しやすい、何と言いますか、メンティンしやすい確実な
方法であるというので、大体これは続けて行きたいという
意向が強いようであります。併しこれが
漁業に非常に大きな影響を及ぼすということとなりますならば、又考慮の
方法もないでもないという点も、というふうな点も見られんことはないんでありまして、それはこれを廃止するという、全部廃止するというようなことにはなりませんでも、この張りかたを変えるというようなことはできるんでありまして、戦時中に日本の海軍が張
つておりました
方法は今とは多少違うんであります。勿論そういう張りかたをいたしますと、今度は通行する船のほうには余計な、今よりは大きな
被害が及ぶと思いますが、併しどちらの
被害が大きいかということは比べてみないとわからない。そこで今の折衝の
段階におきましては、司令部としてもこの
専門家の、どれくらいの
被害があるだろうというものを
はつきり出してもらいたい。そうすればその上で最終的な決定をしたいというところが、今司令部の最高首脳部あたりの考えだと思います。そこで米側の
専門家もこちらにいろいろと相談に乗
つておりまして、日米両方で以て鋭意研究しているというような
段階でございます。