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1952-12-08 第15回国会 参議院 水産委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月八日(月曜日)    午後一時三十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     秋山俊一郎君    理事            木下 辰雄君            千田  正君    委員            青山 正一君            片柳 眞吉君            木下 源吾君            松浦 清一君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   政府委員    水産庁長官   塩見友之助君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    説明員水産庁漁    政部長     伊東 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産政策に関する調査の件  (水産政策一般問題に関する件)  (水産庁関係予算に関する件)   —————————————
  2. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それでは只今から委員会を開会いたします。  本日は新廣川農林大臣がお見え下さつておりますので、水産政策に対する一般質問をいたしたいと思いますが、予算委員会にも御出席になるので、時間も非常に制約されておりますので、そのお心組みで御質問願いたいと思います。
  3. 木下辰雄

    木下辰雄君 今回農林省予算中、殊に新事業として米の五カ年間における食糧増産というので、約一千七百万石の増産目標で、五年間に四千三百億というような予算を計上されておる。これは多分廣川農林大臣が第二回の農林大臣当時の御計画だと私は信ずる。これは非常にいいことであつて、私どもは賛成ですが、一体食糧増産ということに対して、蛋白資源である水産物増産を無視しては、私食糧増産にはならないと思う。日本のごとき蛋白資源少い国において、ただ米麦のみ増産しても食糧としての価値が非常に少い。水産物を合せて増産して初めて食糧増産と言い得ると思う。水産のほうでは北洋の海底における資源の開発とか、その他において、相当増産可能性が残つておる。これに対しては何らの手も打つていないのですが、こういう問題に対して何かお考えがあるかどうか。大乗的見地から農林大臣の御答弁を願いたい。
  4. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 御指摘の点御尤もでございますが、米麦水産物との関連性といいましようか。これは非常に大事なことでございまして、食生活改善というものもそこにあるのでありまして、単なる米麦にのみ依存せずに、広い意味の総合された食生活でなければならんのであります。さような見地から見まして、只今指摘のような北洋における漁業もこれは我々としてでき得る限りあの新地を、新地というか旧地を復活したいと考えて、去年も出漁いたしたのでありますが、本年の出漁につきましても十分これは効果あるようにやりたいと思つて検討いたしておるのであります。それと関連して北洋の深海魚でありますが、これを大量に入れてフイツシユ・ミールを生産いたし、フイツシユ・ミール全国食糧は勿論のことでありますが、餌料に提供したらどうかという考えを持つているのでありますが、併しこれも一つの説に限られているのでありまして、他の漁場から内地に帰つて来てからの、操業のことも考えなければなりませんので、いろいろ今検討いたしておりますが、決して米麦のみに食糧を依存して自給するというのではないのであります。勿論この漁業も大事な役割を果してもらわなければならんのであります。それで又これが単なる、水産内地における食糧のみでなく、外貨獲得の非常な優先的な位置を、近頃は占めるようになつておりますので、水産行政に対しましては、でき得る限りの力を注ぎたいと、こう考えております。
  5. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今農林大臣の御答弁で、私どもは具体的のことについて期待をいたしたいと思います。  次にマッカーサー、ラインが撤廃して漁場が非常に拡大したと私どもは喜んでおりましたが、ところが最も近い韓国において、大統領李承晩李承晩ラインというものを設定した、又中共においても約百マイルぐらいの中に入つたならば拿捕するというような方針でおるようであります。又中華民国でも必ずしもスムーズに日本漁船をあの附近に見逃す、入れるということについては相当疑問があると私は思つておる。フィリピンもそうであり、濠洲もそうである。アラアラ海における白蝶貝の採取についても根拠地がなくて、以る期間海上において母船式でやらなければならんというふうな不便をしなければならん。これは漁業協定がないからでありますが、私ども李承晩ラインにせよその他の国がいろいろその縄張りを張らんとしておることも、結団は戦前における日本漁業が非常に侵略的であつたと、略奪的であつたというような誤解を招いている。だから日本はだんだん又遠洋漁業のほうへ発煙して又再びあの近海において独占的ば略奪をしやせんかというような杞憂のために、私ども李承晩ラインその他の問題が起つたと、かように考えている。如何に李承晩ラインのことについても枝葉末節にこだわつてつても根本的な解決がない限りは真の解決はできない。それで私はこの際この間はインドであの方面会議をやりましたが、日本も参加しましたが、日本が指導して東太平洋漁業会議というようなものを開いて、互いに共存共栄でやつて行こうぞと、有無相通じて資源資材漁船技術こういうものを互いに交換しあつて共存共栄立場からいろいろやろうじやないかというような協議をして、そしてその漁業協定あたりも極く円滑にやろうじやないか。又資材水産物の輸出入の関税あたりも緩和してスムーズに貿易しようじやないかというようなことを大乗的に協議するということは、私ども日本のその漁業の今後のあり方から言つても非常に必要ではないか、こういうことで以て私ども李承晩ラインのごときは立ちどころに解消しなければならん、かように思つておる。それに対してはいろいろと支障があるように聞いておりますが、とにかくそういう手を打つということが日本漁業の信用を私は高めて安心して日本漁業をやれるというここにならなければならない。政府は、そういうことについて一体農林大臣はごう考えているのか、御所見を承わりたい。
  6. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 実はまだ就任したばかりで、実際の細かい内容は用いておりませんが、この李承晩ラインといい、或いは中共といい、中国といい、これはこの中共それから又韓国域いは又フイリピン等と正常な外交が保たれておりませんので、これを政府においてそういう会議を持つ段階にまでは至つていないと思います。これを民間のかたがたの手によつておやりにはるのはどうかと思いますが、政府としてはまだその段階に立ち至つていないと思いますが、我々は一日も早く正門な外交を持つように努力をいたしたいと思います。それから李承晩ラインのことにつきましては、出漁証明書日本漁船に発給いたしまして防衛水域に入つても問題を起さないように手配をいたしておるようなわけでありまするので、今後これが改善されることと信ずるものであります。
  7. 千田正

    千田正君 久々で廣川農林大臣が現われたので特に我々は欣幸と存じますが、前に農林大臣でおられた頃、漁港整備計画を非常に乗り気になつてつて頂いたので、これは着々進行するものと思つておりましたところが当初の予算であるところの、要求額であつたところの第一次漁港整備計画におきましては四百五十港、四百九十五億という予定の下に二十六年度から着工を進めて来たのでありますが、実績を見るというと、僅かに三百港、三十一億を費して遅々として進まない状況であります。併し全国漁港整備を要望する声はおよそ二千五百港、これが第一次計画は四百五十港、第二次計画は六百五港、その他千四百四十五港、この漁民並びに漁業者からの声が非常に強いのでありまして、聞くところによるというと、二十八年度予算においては、むしろ今まで着工した分を助成して行くに過ぎない。新規着工の分は当分見合せようというような、大蔵省のうちには、そういう意向さえも見える、こういうふうに仄聞するのであります。幸いここに再び廣川農林大臣を迎えまして、当時農林大臣目標としましたところの第十一次計画四百五十港、これを是非速かに促進して頂けるような方法考えて頂きたい。農林省予算の中にこの問題を強く大蔵省要求して、一日も早く漁村の振興、日本水産界の発展のためにこの問題を解決して頂きたいと思います。この点につきまして農林大臣の御所信を承わりたいと思います。
  8. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これはこの水産国である日本にとりましては、この漁港というものは非常に大事であるのでありまして、単に今まで自然の海を利用しておつたようなきらいがあるのでありますが、この漁港を完備いたしまして、単なる防波堤のみでなく、階上設備も完全にいたしておくことが、日本海資源を大事にすることであり、又海資源を獲得する上において大切なことでありますので、でき得る限り努力をいたすつもりであります。来年度予算におきましても、十分私たちがこの全国漁民要求を閣内において容れてくれるように努力をいたす考えであります。
  9. 千田正

    千田正君 更にお伺いしたいのは、災害を防除する意味におきまして、大きな災害の分におきましては、法律に定められた方法によつて国から相当の負担を支出して頂いて、復旧に邁進しておるのでありますが、その法律に規定されない程度災害が相当起きるのであります。早い話が最近におきましては、カムチャッカ沖の地震によつて及ぼすところの北海道、東北沿岸におけるところ損害、こういうものは大きな災害の面に含まれないところでありますけれども、実際の損害は相当広範囲に亘つて、そうして不況を伝えられるところの現在の漁業にとつては又大きな痛手になつて来るのでありまして、これを如何にしてこの面の災害を防除して行くかという、この点につきまして特に農林省といたしましてはやつて頂かなければならないと私は思いますが、この点につきましては農林大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。この点をお尋ねいたしたい次第であります。
  10. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これはあのカムチャッカ沖災害については我々も心配いたしておるのでありますが、前例もありまするので、これは金融その他で十分やつて行きたいとこう思つておりまして、現在その手配をいたしておるようなわけであります。
  11. 千田正

    千田正君 漁業証券の下附以後において、漁業権の問題をめぐりまして、免許料許可料の問題が、今猛烈に免除をしてくれという要求が勿論大臣手許に行つておるとは思いますが、当委員会におきまして、これに対しまして各方面からの要求は強いのであります。但しこれは国の税金であります関係上、非常にその点は容易ならざる問題であるとは思いますが、この負担の公平を保つ上からいたしまして、この漁業権に対するところの、下附したものを漸次免許料許可料によつて国が回収して行くというような方法に対しては、漁民にのみ一方的な負担がかかる、こういう点で強い反対の意向があるのであります。この点に対しまして減免等に対する考えがあるかないか、そういう点を大蔵省要求する御所信があるか、ないかという点につきまして、大臣からのお答えを得たいと思います。
  12. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) そのお話は御尤もでございまするが、併しこれは法律を改正いたさななければならん点もあると考えまするので、皆さんがた意見十分付度いたしまして、私どもはできるだけこれを善処いたしたいと思います。
  13. 千田正

    千田正君 最後に、私はこれで終りますが、実は昨日我々はいわゆる駐留軍の施設であるところ防潜網及び聴音設備等が及ぼすところ漁民に対する損害影響等調査して参りましたのですが、実際の現場に行つて見るというと、非常に漁民にとつては苦しい立場に置かれておる。勿論国としましては、安全保障条約とか、或いはいろいろ外務当局等によつてとりきめられたこととは思いますが、現実におきましては、非常に漁民が苦しんでおる。例えば只今申上げましたところの千葉県と神奈川県との間に敷かれた東京湾口におけるところ防潜網の問題、或いは九十九里浜の演習地、或いは茨城県下におけるところの、海上に対するところの毎日の演習のために漁業ができない、操業中止状況にある今日の漁民に対しまして、国家がそれを見て下さる点は誠に僅少で、生活の苦しみに喘えいでおる現今の漁民を救う方法が、どうも今のところでは期待できない。而も漁民の声は、国家補償を求めるとか、或いは見舞金をくれというんじやない。どうかして一日も速かに自分らの生活としての操業をやらしてくれ、こういう声が強いのでありまして、どうしても国としましては、国連軍或いは米国に対しての国際関係上止むを得ない立場にあるとするならば、国としてこの漁民生活を保障するのは当然であろうという声が非常に高まりつつあります。これを放置しておく場合においては、相当大きな社会問題にもなり、且つ又日本漁民に対する農林行政水産行政に大きな影響を及ぼすものと考えますので、でき得べくんばこれを国の補償として、一日も速かにこの人たち生活の安定を考えてやらなくちやならない。このように思いますが、農林大臣といたしましては、この起きつつあるところのいろいろな国連軍対或いは駐留軍対の問題に対しまして、如何なる処置をとられるという御所信があるかという点につきましてお尋ねいたしたいと思います。
  14. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これはもうとうにあの影響を受けておる漁民に対しては相当のことをしなければならんものであると思いますが、いろいろな事情で遅れておつて恐縮でございますが、本日も大蔵省、法務省、農林省等いろいろ折衝いたしまして、近日中に立法いたしまして、漁民の御迷惑を除去する考えでおるのであります。特にこの魚の習性からいたして、障害物があれば入つて来ないことはわかり切つておることなのでありまするので、是非そういうことをいたしたいと思つております。それから演習水域等はもはや法律もできておりまするので、これはそれに応じて先例等を見、いろいろな角度から検討いたしまして、十分に補償をするように努力いたしたいと思います。
  15. 木下辰雄

    木下辰雄君 この際もう一つお伺いいたしたいと思います。それはこの前に大臣をやつておられましたときにお考えと思いますが、水産金融のほうで中小企業基金制度、及び農林漁業融資を引継いだ農林漁業金融公庫の問題、こは大蔵省とも折衝されて、相当具体的な予算作つてこの国会に出されるということを聞いております。非常に水産業としても福音でありますが、併し先に千田委員からも言われましたように、漁港の修築という方面にも今年は僅かに十八億三千万円くらいの公共事業費を使つておるに過ぎない。どうしても我々は最小限度四十四、五億のものを必要といたします。なお、そのほかに漁船馬力にしますと二百二、三十万馬力もあると思いますが、これは皆終戦直後に造つた船が大部分です。すでに齢七年を過ぎておる。木船なれば船齢七年というのは殆んど老衰に近い。いずれもぼろ船になつておる。そのために漁船故障だらけであり、一朝風波の際には船が損傷、沈没するというものも非常に多い。それを全部改造するのには、私どもは五、六百億円の金が要るのじやないかと思つております。いろいろ金融方面に対して特段の配慮をされる廣川農林大臣が三たび就任された機会に、水産金融を根本的に改善して、こういうものを画期的に改造するような金融一つお願いしたい。そうして本当に水産物増産を図ることに格段の御努力を願いたいと思いますが、農林大臣の御所見を承わりたい。
  16. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 中小漁業金融につきましては、これは明日の閣議で決定いたして上程する運びまで至つております。それからなおこの予算補正で五億要求いたしておりますが、金融額は当初百億ぐらいを予定して行きたい、こう思つておる次第であります。  それから造船のことにつきましては、これは最も大事なことでありまするので、来年の予算については十分この問題について検討して、そうして要求いたす考えでおります。   —————————————
  17. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) それでは水産庁関係補正予算並びに二十八年度予算につきまして、当局説明を伺いたいと思います。
  18. 伊東正義

    説明員伊東正義君) それでは私から補正予算と来年度予算につきまして、極く簡単に御説明いたします。  お手許事項名だけ書きました資料が配布してございます。来年度予算につきましてはお手許に差上げました要求事項はこれは大体七月頃作りましたものでございますので、その後の情勢の変化その他によりまして更に追加して要求すべきものが若干出ておりますので、このほかにも項目として今大蔵省に話中でございます。二十七年度補正予算は一枚紙で差上げてありますが、只今まで決定して議会に出ております項目を簡単に御説明申上げます。  最初は小型底曳減船整理補助金が取れております、四千百四十八万五千円でございます。これは本年度は大体一定のトン数以上でありますとか、或いは一定馬力以上の船を最初減船して行く、そのほかには漁業調整委員会等において海区におきましてその海区では小型底曳を全廃するというようなことをきめました海区を優先的に取上げて行こうというような方針でやつたのでありますが、その際に例えば愛媛県の宇和海区、それから有明等は全廃したいというようなことがあつたのでありますが、本予算には上つておりませんでした。それに対しましてここに計上してありますのは大体宇和海区を中心にして考えたものでありますが、若干は有明のほうにも廻せるのではないか、海区調整委員会で撤廃を決議しました所に対して本予算にありますと同じような考えで築磯にしますとか、或いは他種漁業に転換するとか、運搬船にする、或いは公共の用に供する救難船、学校の練習船にするというようなものに対する補助でございます。単価その他につきましては一般予算と同じようにこれは考えております。  それから次の瀬戸内漁業整備の問題でございます。これは本予算には全然出ていなかつたのでありますが、これが起りましたのは資源の問題も勿論ございますが、資源の問題といいますよりもこれは大分前からの、徳川時代からの漁業紛争があります。瀬戸内の塩飽の辺でございますが、そこの岡山県とそれから香川県の袋待網関係大分紛争がありまして、その際に私のほうの瀬戸内漁業調整事務局中心になりましていろいろな漁業調整をやつたのでありますが、その際に或る程度統数を減そうじやないかというような話が出まして、それで県同士の、漁業者同士の話合いはつきまして、大体いかなご袋待網を百四十統ばかり減らすことになつております。それから減しまして築磯にするものもございますが、それから小型底曳のように他のものに転換するというのもあるのでありますが、それから売船をする、船をほかに売るというようなことがございます。こういうものに対しまして船なり、或いは漁具等についてこれは補助金を出して行こうという考え方になつております。それからもう一つ香川県と愛媛県の燧灘辺の旋網の紛争の問題もございまして、これもいかなご袋待網と同じような考えでやはり或る程度数を減して話をつけました関係がありますので、それもこれは五十統足らずでございますが、その築磯にするというものの補助でありますとか、或いは漁具を他に売るという場合には網の正当に評価されました価格と、売却しますときの価格の差額を補助しようというような考え方予算を取つております。これは本予算にはなかつたものでございます。  それからその次の漁業協同組合連合会再建整備でございますが、これは本予算に予想しましたよりも以上に増資ができましたり、或いは固定化しました債権のうら額が殖えましたような関係で本予算で足りなかつた分を法律上当然これは出さなければならない問題でございますので、ここに組んでおります。この金は千五百万円でありますが、農業方面等においてもこういう関係で数億計上いたしております。  それからその次の十勝沖の問題でございますが、これは法律だけございまして予算がなかつたものでございます。それで今年度これは総額は六億の枠になつておりますが、そのうち現実に借りました分が約三億足らずございます。これの利払期が十月と四月になつておりますので、今年の十月の利払いをしますときの利子補給、これは四分の利子補給でございますが、これも計上してございます。これも法律で当然計上すべき金でございます。それから損失補償は先になりますのでまだ予算に計上しておりません。  それからその次の中小漁業融資保証保険特別会計の繰入五億でございます。これは先ほど大臣からも御答弁がありましたが、明日の閣議法案がかかりましてすぐに上程になる予定でございます。これは一応基金としまして再保険特別会計一般会計からこれだけ繰入れて行こうという分でございます。これは差当りはこの金は本当は計算上は要らんというような形になりますが、これを入れますことによりまして再保険保険料を下げて行くというようなことを狙つて考えております。これは必要のたび逐次基金を繰入れて行こうということになろうかと思います。法案内容につきましては又詳細に御質問でもあれば御説明いたします。  それから次の漁船損害補償法関係でございます。これはここに出ております一億は、これは赤字の繰入でございます。と申しますのは、漁船損害補償でやつておりますのは普通保険特別保険があるのでございますが、今年あたり普通保険は黒になつて来ておりますが、拿捕を保険事項とします特殊保険はずつと赤字でございます。それで二十七年度の当初予算におきましては八千万円の赤字に対して繰入をやつておりますが、その後二十六年度中に出ました損害がはつきりいたしましたので、その赤字の分の一億百万ばかりを更に繰入をしてもらうということになつております。それから二十七年度も現在のところまでは約五千万ばかり赤になつております。これにつきましては又明年度の、今借入の制度を作つておりますので、今年度は借入金をしまして払つて、来年度はつきりしましたら、今年の赤字は又繰入れてもらうというような交渉を大蔵省としようと思つております。これにつきまして大蔵省方面では非常に保険料が安いから保険料を上げるべきだというような意見が出ておりまして、大分特殊保険保険料についてはやり合つておる問題がございます。  それからその次の遠洋漁業取締指導監督、これは主に以西の取締船漁船整備でございます。今あそこには農林省の船はたしか七隻でしたか、行つているのでありますが、レーダーを持つている船は一隻しかございませんので、更に三隻ばかり追加しまして、レーダーを備え付けようというような予算でございます。来年度分は又来年度分の予算要求いたすつもりであります。  それからその次に、アラフラ海は、これは来年の二月か三月に民間の船が出ます際に水産庁から取締、それから保護、調査というような目的を兼ねまして一隻の調査船を出すことになつております。その場合の傭船料その他を計上してございます。これは来年もずつと引続いてやるように大蔵省要求しております。  それからその次は水産研究所でございますが、これは越佐関係の、問題を起しました越佐関係調査でありますとか、或いは電波の周波数の切換えで、水産庁の持つておりますところ調査船設備を改良する必要がありますので、その関係の金を入れてあります。  それから三十一、三十二等は、給与改善の問題で、当然に出て来た金であります。  それから三十三番目も、地方の補助職員等に関しまして、ベースが変りました関係で計上いたしましたのであります。  それから三十四、三十五は、三十四のほうは、閣議物件費旅費等節約というようなことがきまりまして、今までの既定経費節約でございます。それから三十五番目は、油の統制が廃止になりましたので、従来は油は統制予算を計上していたのでありますが、その関係の金を出しております。  それから公共事業で、漁港修築事業関係で、これは二千七百万円ばかりありますが、これは公共事業費農林省としましても、いろいろ水産要求したのでありますが、結局入りましたのは、例えば単作地帯の関係でありますとか、或いは特殊土壌の関係とか、特殊立法のあつたものだけ入りまして、その他は今年はやらんという政府方針でありまして、水産関係は、これは公共土木の施設の国庫負担が若干殖えました超過事業について補助率を変えた点がありますので、その関係の金だけの計上ということになつております。  それから中小漁業融資保証保険特別会計は、これは先ほどの一般会計からの繰入れと、そして保険料等で、この特別会計を賄つて行くような形になつております。特に御説明する点はございません。  それから漁船保険でございますが、これは先ほどの赤字を繰入れたので、一つ金が動きます点と、借入金をしておる占いと、それからもう一つは、ここに新らしく乗組員の給与保険をやる経費が若干入つております。乗組員の給与保険につきましては、この前の第十三国会で法律が通りまして、施行の日が切つてありますが、十二月二十四日までこれを施行することになつております。それで、この特別会計の中でそれをやつて行くというような形になつております。特に予算的にどうということはないのでありますが、我々としましては、この給与保険の特別会計にも基金を入れてもらうという交渉をいろいろ大蔵省としたのでありますが、なかなかこれはうまく行きませんで、何かあの法律を作りました経緯において、一般会計には迷惑をかけないということがあつたというような話で、基金は入つておりません。入つておりませんが、この基金は支払準備のための基金でありまして、金利を稼ぐとかいう問題は特にございませんので、必要がありますれば借入その他によつて早急に払つて行くということをやれば、そう問題はないんじやないかというふうに考えております。以上只今申上げたのが今年の補正予算現実に計上されているものでございます。  それからその次の表が、来年度要求を事項別に挙げました全部でございます。それでこのほかに抜けておりますのは、要求しておりまして、ここに計上しておりませんのは、農林漁業融資特別会計関係はここに入つておりません。これは官房のほうで一括やるということになつております。  それからもう一つ企業合理化促進法の関係の、特殊な企業化試験、工業化試験等に対する試験研究の補助金が一億数千万あるのでございますが、それもここに挙つておりません。これはやはり官房のほうで一まとめにして要求いたしております。それから先ほど申上げましたように、その後の情勢、例えば補正予算等で当然通るというようなつもりで挙げていなかつたものを、こちらへそれが補正予算が通りませんので、更にこれに繰入れて追加要求いたしているものもございます。  それから又自由党の政調会等においても予算をいろいろやつておられまして、その関係のほうでどうしても又出す必要があるのではないかというようなことで若干そういうものもここに計上されるということもあろうかと思います。それから又さつき木下委員の御質問にも出ておりました漁船の建造資金の利子補給の問題等も新らしい問題としてここに挙げてあります表以外に要求を出しております。  これは大分項目が多くなつておりますので、主な関係、特に重点事項といいますか、そういう関係だけを御説明したいと思います。特に変つた点だけ御説明いたします。三、四、五ここに書いてありますのは資源保持の関係からします小型底曳或いは中型底曳の整理転換の問題がここに三、四、五に挙つております。金額が小型底曳の整理が三億二千、中型底曳が一億四千、北洋の中型底曳の試験研究というのが一千三百万というのが載せてあります。三番目の小型底曳は従来の考え通り五カ年間で約八千九百隻、大体九千隻ばかりののを整理して行くという考えでおりますので、それの年次計画に従いまして来年度の分の要求をいたしております。この金額は実は補正予算に有明とかそのほか伊勢湾の問題とか要求いたしておりましたのが落ちておりましたので、この金額は更に追加されますが、考え方はそういうのでございます。四番、五番は中型底曳の問題でございます。中型底曳につきましては、例の以東底曳で十五トン以上のものでございます。中型底曳につきましては、水産庁としましては、まだこれをはつきり何隻減船する、小型と同じように、例えば沈めるというような計画はまだ建てておりません。これは中型底曳は二千八百隻くらいございまして、漁獲高も八千万貫ほど獲つておりまして、非常に重要な漁業で、又沿岸との関係がありまして、非常に問題を起す漁業でございます。併しこれにつきまして小型底曳のようにまだ法律作つて何隻までどうするというような方針は実は立つておりません。併しこれは我々としましても、小型が先ずそういう形で資源保護の関係から形をとりましたので、この次は中型について根本的な検討を加えたいというふうには思つておりますか、まだこの予算要求いたします段階ではそういう結論は出さんで、これは要求いたしております。今我々としましては、例えば北洋等についてはこの問題の中型底曳を優先的に北洋の鮭鱒に出してやるというように成るべく外に出すというような考え方をやつておりまして、これはどうしても出せない場合に、さてどうするかというようなことで考えようというような方針でございます。ここに四番目に出しておりますのは、これは強制的にどういうふうに減らすというようなものではございませんで、これは我々のほうが府県に照会しまして、或る程度補助金が出るのであれば、例えばほかの漁業に転換したいというような希望があるかどうかというようなことを県に照会いたしまして、それの数字に基きまして一応作つてみたものであります。例えば底曳は全然やめまして鮭鱒の流し網とかつを釣を兼業するとか、或いは鮭鱒の流し網とさんまをやるとかいろいろな兼業の形態を考えまして、底曳はやめてほかへ行きたいというような者に漁業の転換に要しますところの費用を或る程度補助してみたらどうかということで、これは希望転換といいますか、そういうものに  一応補助金考えてみたいということで、新らしい要求として出しております。それから五番目は、これは数は少いのでありますが、北洋の底魚関係、これが一体経営的に引合うかどうか、底曳で……。こういうような問題がありますので、試験的に補助金を出して北洋の底曳をやつてみまして、それで引合うかどうかというような試験もして、これはできたならば、引合うというような見通しがつけば、今非常に過剰になつておりますところの東北地方、特に東北海区、青森、岩手、宮城県の船を北洋へ出せる、鮭鱒の流し以外に出せるというようなことになると非常に沿岸も助りますので、そういうような調査をしてみたいということでここに出しております。これが、四、五が新らしく中型関係につきまして出しました予算でございます。  そのほかは取締りの問題、それから漁業制度改革で漁業調整委員会の問題。それから免許料許可料関係は従来と同じような考えでやつております。免許料許可料の問題でございますが、これは今年五千五百万ありまして、来年五千九百万と徴収費を出しております。免許料許可料は今年は大体予算で行きますと八億の歳入になりまして、これを国債整理基金特別会計へ繰入れて、そして国債の償還に使つて行くというような予算の組み方になつておるのでありますが、今のところ大蔵省と話合いをしまして、今年度は沿岸のほうが五億、それから遠洋のほうは一億五千万円を一億八百万円ということにして、大体八億五千くらいの予定を六億八百万円くらいで今やつております。省令も出まして、一月一ぱいに徴収令書を出して徴収をするというような考えで現在おります。これは我々としましてはそのほかに例えば天災、この前の例えばカムチャッカ沖のような場合とかいうような場合は、これは減免というような規定を活用して徴収をやつて行くというふうにしたらどうかというような考えで今やつております。全面的にこれをやめてしまうとか、或いは全面的に徴収を延期してしまうというようなことは現在は考えておりません。  それからその十二、十三、十四、十五、十六辺は大体今年の予算考え方を踏襲した予算でございます。  それから金融関係が十七、十八、それから十九、二十、と金融関係が出ております。これは金融の問題は、来年の予算の重点項目として我々考えておりますが、この十七番にあります七億、これはさつきの補正予算の五億に該当するものを来年度基金として入れてもらいたいというような要求を出しておるのがこの十七番でございます。それから十八番は、これは基金から借入れましたもののうちで漁船の改造をしますとか、無動力の船を動力化しますとか、或いは機関換装をするとか、それから合成繊維を使うとかいうために金を借りたというような特定なものにつきまして利子補給をいたして行きたいという考えでございます。これはまあこの金利につきましてはそう安くなりませんので、何とか基金から金を借りる一部の事業につきまして利子補給をしたいというのをここに載せております。ここには載せておりませんが、先ほど申しましたように今やつておりますのは、このほかにあとで保険ところでちよつと申上げますが、満期の保険の制度を考えております。例えば満期の保険は何年間かかけて満期になつて金をもらうという形になるのでありますが、我々としましては来年度満期保険に加入するということを条件で新らしい船を建造するという場合に、そういう建造資金のうちの何割かのものについて、自己資金も若干はありましようから、借りて来るものにつきまして利子補給をしたい、建造資金の利子補給をしたいということで今案作つおります。これは十八番は基金から借りる人だけでございますが、今申上げましたのは、基金から借りない人でありましても満期保険に加入するということを条件にしまして金を借りました場合に利子補給をしたい、我々の気持として七分五厘、今特融の造船が七分五厘になつておりますので、七分五厘程度まで利子補給をしたいということをここに書いておるほかに考えております。大蔵省に話すつもりでございます。それから十九、二十はこれは先ほどから出ました災害利子補給のことでございます。金融につきましては、災害利子補給のほかに、今申上げました基金関係利子補給、その他満期保険に加入した漁船建造資金の利子補給というようなことを考えております。  それから二十一番の漁船損害補償でございますが、これは現在やつでおります漁船保険普通保険特殊保険をやつております。今度は、来年から我々考えておりますのは、そのほかに乗組員の給与保険、これはこれから今年中に実施になりますが、そのほかに満期保険という新しい保険一つやりたいというようなことを考えております。普通保険は二十トンまでの義務加入のものにつきまして今国庫が二分の一の保険料補助をいたしておりますが、来年度要求といたしましては二十トンを五十トン迄の船が義務加入します場合に保険料補助金を出して行きたいというふうに考えております。これは五十トンと申しますと大体以東底曳の大部分くらいのところまでが入つて来まして、漁船の相当部分がその恩典に浴せるような段階まで行くのじやないかと思いますが、二十トンを五十トンまで引上げたいということを考えております。それから満期保険の加入者につきましても、我々としてましては先ほど言いましたような利子補給のほかに、やはり何とかしてこれは任意に満期保険に加入した人につきましても保険料補助をやつて行きたいというふうに考えておるのでありますが、大蔵当局としては任意加入の者に保険料補助を出しますと、問題がいろいろあちこちありますので、義務加入というものに対して保険料補助を出したいというようなことを言つておりますので、我々としましては先ほど申上げましたような造船資金を借りる場合の利子補給というようなほうが却つて通りいいのじやないかというようなことで、新らしく追加してこれはやつております。保険は我々としましては是非何とか来年度から満期保険をやつて保険制度を充実して行きたいというふうに考えて、これは重点事項として交渉いたしております。  大体そのあとのほうは今年と同じような考え方でございますが、金額がはつきりしておりますのは、二十八、二十九に金額が出ております。これは北洋関係調査船に千トン級の新らしい船を造りたいというのが一つと、それから二十九番のほうは以西にあります初鷹丸が、大分船齢を超えておりますので、これの代船を建造したい。それからレーダー等も備えたいというようなことで、金高は張つております。考え方はそう前と変つておりません。アラフラあたりは先ほど申しましたような関係で、予算に通つておりますので、当然できるというふうに考えております。  それから三十四、三十五あたりに新らしい構想が入つております。三十四番目に新らしく入れましたのは、これは水産研究所のほかの、水産庁の研究部でいろいろな企画をいたしまして、それを水産研究所、或いは県の水産試験場等と協力して仕事をやつて行くというものでございますが、この三十四番の中に新らしい構想としまして、対馬暖流の開発調査というものをたしか七千五百万ばかり予定しております。これは太平洋方面は比較的従来調査が、海流の調査でありますとか、資源調査が割合行届いていたのでありますが、長崎県あたりからずつとかけまして、北海道に至りますところの大体関係県二十県でございますが、日本海の対馬暖流につきましては調査が殆んどできておらんというような関係になつております。ここに最近非常な漁獲がありますので、何とかこれを研究したいということで、五カ年計画という考えで、県の試験場も動員いたしまして対馬暖流の開発調査というものを新らしく考えております。それからそのほかに五百万ばかりありますが、瀬戸内海の開発の研究費もそこに入れております。これはまあ御承知のように瀬戸内海には漁民が非常に多くて魚が減つて来ておる。資源も減つて来ておるということになつておるのでありますが、我々としてはもう少しいろいろやつてみますれば、増殖面のでありますとか、かきとか、そういうような増殖面でまだまだ開発すべきところがあるのではないかということで、これも関係のたしか十一県でありましたか、共同で調査をしようというようなことで、ここに新らしい予算を計上いたしております。それから海況、漁況の通報をやろうということで、主に太平洋の、これはさんまとかつお、まぐろでございますが、これも東北の数県が中心になりまして、海況なり漁況を、ラジオその他を使いまして通報を行い、大体どの辺に行つたらどのくらい獲れるだろうというような予報までもやろうというような予算を組んでおります。まあ研究部の考え方としましては、何とかしてこの水産のあり方をもう少し計画的なものにしておく必要があるというので、まあ現在の研究報程度ぐらいまで、何とか漁況なり何なりの予想ができるところまで持つて行きたいというような考え方で、いろいろこの予算は組まれてあります。  それから三十五番目は、改良普及の関係でございますが、これは農業なり林業には改良普及員というものがありましてやつておるのでありますが、水産は現在までございません。それでちよつと農業のほうと違いまして、なかなか指導と言いましても、非常に水産におきましてはむずかしい問題が多い関係で、今までなかつたのでありますが、我々の考え方としましては、本当に指導できるというようなことは、養殖、増殖関係でございますが、というようなことは、これは比較的、農業に比較して、水産の技術者としても自信を持つて改良普及の仕事をやつて行ける。それからもう一点漁船の機関の問題或いは電気の問題、そういう機関関係等についても、これは農業と同じような考えで、技術の普及ができるのじやないかということを考えまして、人は県に補助職員を置くという考えで、やることは大体増殖関係、それから漁船の指導をやつて行くというような人を置こうということを考えております。そうして一般漁業につきましては、これは人を置いて指導をして行くということもなかなかむずかしい問題がありますので、水産試験場を中心にしまして、魚探とか、そういうようなものを、漁業組合の中のまあ篤志家、農業で行けば篤農家でありますが、そういう人を中心にしまして、そういう所に新らしい施設を貸していつて、そうしてその人を中心にして新らしい技術や何かを普及して行くとか、まあ経費の節約を図るというようなことを、物的施設を通してやつてつたらどうであろうかという考え方で、一般の漁携につきましては、いわゆる指導改良普及員というものは考えませんで、施設を中心に、県の施設を中心補助をして行つたらどうかということを考えております。これはまあ新らしい構想です。金額が去年と殆んど同じになつておりますが、実は今年の、二十七年度の三千七百万のうち三千万はこれは海草の高度利用の補助金でございまして、現在は殆んど改良普及関係はない、ゼロといつても言いのであります。それを来年は海草の高度利用というほうは企業合理化のほうの予算に持つて行きまして、四千八百万円は全部改良普及員関係の金として使つて行きたい。これはまあ年次計画で全部で千人にはなりませんでしたが六、七百人ぐらいでありましたが、それぞれれらいのところまで人を持つて行けばいいではないか。あとは物的施設、農業や何かと違いまして物的施設の補助をやつてそれを中心に漁撈関係の指導をして行くということを考えております。大体これは試験場を中心にしてやつて行こうという考えであります。  それから水産研究所でございますが、これも従来やつておりませんでしたさばの研究とか、いわしその他はやつておるのでありますが、従来なかつたさばの研究をやりますとか、或いは調査船を十四隻ばかりこれは持つておりますが、非常に古くなりた船が多いので、それを造り代えて行くというようなことで、金額を殖やしております。我々としましては、この三十四、三十五、三十六というものは、研究関係の大きな項目として、これもいろいろ水産の重点予算の事項として各方面にこれは話しております。  それからあとは公共事業で、先ほど話が出ました漁港の問題でございますが、これは何とか整備計画も切上げまして、早く竣功したい。今年度新規にやりました所はたしか八十五、六港やつたのでありますが、来年は百四、五十港くらい新規なものを竣功して行きたいということで、今年の三倍足らずのものを要求しております。これにつきましてはまあ超重点といいますか、相当皆様の御協力を得まして何とか努力をしたいと考えております。  それから特別会計はこれは一般会計から繰入れましたり何かしたものの運用でございまして、別に申すことはございません。  それから平衡交付金は、これは自治庁の予算に含まるべきものの中にこういうものがありますということを念のために書いてあるようなものでございます。  大体非常な大ざつぱな説明で恐縮でございますが、何か御質問がございましたら御説明申上げます。
  19. 千田正

    千田正君 この補正予算のうち特に伺いたいのは、例の乗組員の給与に対する保険ですね。あれは今本年の十二月二十四日までにします場合と、最近私どもによく陳情に来るのは、遠く今の防衛水域方面に出動したいという考えを持つているのだが、漁船保険のほうが、乗組員の給与の保険のほうが十分でないので、非常に躊躇しているといつたものが相当あるのです。これは遡つてどうということは水産庁では考えておらんですか。
  20. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは遡つて適用するかどうかの問題は、非常に法律をやるときから問題になつたわけなのであります。現実に向うへ抑留されている人も入れんかということもこれは大分問題になるのでありますが、我我といたしましては、保険の建前上どうしても遡及してこれをやつて行くということは無理だという結論を出しております。それで今防衛水域の問題があるのでありますが、実はあの法律の一部改正を今、たしか今日あたり衆議院のほうへ提案したと思うのであります。それでこれはその法律を御審議願い、それからもう一つこの予算に関連しております特別会計法がもう国会に上程になつております。これは大蔵委員会でやつているのであります。これを一日も早く通してもらつて、そうしてそのときから一つ施行するというような手続を、二十四日前に何とか早く法律の施行だけはやつてもらいたいというふうに考えておりますが、やはり適用は施行後のものというふうに考えております。
  21. 千田正

    千田正君 それから内水面におけるところの孵化その他に対する補助といいますか、助成というようなものはどの項目に入れてありますか。
  22. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 内水面は補正予算にはございません。
  23. 千田正

    千田正君 十三ですか。
  24. 伊東正義

    説明員伊東正義君) いや、十三はこれはあれでございます。十三は内水面の管理委員会の費用でありまして、その上の水産増殖というところに入れてございます。十二番でございます。これは水産増殖でやつておりますのは、内水面とそれから浅海増殖と二つに分れております。浅海増殖は御承知の、例えば今やつておりますのは噴火湾とか東京湾、備前海、三河湾等で、例のトラクター等を使いまして貝類の養殖をやつているというのが一つ、それか以内水面はこれは例のあゆの放流でございます。或いはふなとかこいとかそういうような淡水魚を放流する場合の補助金、それから施設関係例えば鮭鱒関係の施設というようなものに若干補助金を出しておる。そのほかに内水面関係がありますのは三十八番の北海道の鮭鱒孵化場、これは約一億ほど要求いたしております。それから内水面関係でそのほかございますのは特融のほうで鮭鱒の孵化場、特に内地に多くしておりますが、内地の鮭鱒孵化場に特融を出すというのは、ここには載つておりませんが、特融のほうで考えております。そういうものが内水面関係でございます。
  25. 千田正

    千田正君 先ほど廣川農林大臣に私は質問したときに、いわゆるカムチヤツカ沖の震災に対する復旧の費用、これは予算の面には出しておりませんか。
  26. 伊東正義

    説明員伊東正義君) あの災害は例えば公共施設の漁港等でございますと、これは公共事業の当年度災害関係にたしか二十億内外で補正予算で殖えております。それで例えば漁港の修築ということでありますと、公共事業のほうから出るわけでございます。それから一般金融関係でございますが、これは予算をやります場合には遅れて、あの事態がありませんでしたから計上いたしておりません。近日中にでも法案がきまつて、例えば利子補給が何分とかいうようなことがきまりますれば、当然個々の予算で新らしく計上して要求するということになると思います。
  27. 千田正

    千田正君 そうなるというと、その利子補給、その他の面はこの二十八年度の、これは概算ですからその中には含んでおりませんね。
  28. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 現在は含んでおりません。
  29. 松浦清一

    ○松浦清一君 ちよつと御質問申上げたいのですが、この二番目の漁船乗組員養成事業で昨年度一千万円、来年度四千万円、その予算ですか、今までの実績とそれから来年度計画を概略でよろしうございますからちよつと御説明願いたいと思います。それから二十八番目の北洋漁業に対する指導、監督並びに助成、こういう項があるのですが、これはあの又来年ブリストル湾の蟹漁業が問題になつて来ると思うが、その内容はこの中に含まれておるのですかどうですか。  それから漁港のずつとしまいのほうの項の二という漁港の修築事業予算、これは漁港に指定されて、そうして農林省関係補助金を出して行くという指定される経過から、どういう割合でその国の補助を出して行くか。どうしてこれを私は聞くかというと、漁港の指定の問題は非常に政治的に問題が取扱われておる傾向が多分にあるわけです。そう言つちや悪いかも知れませんが、自分の選挙区に早く漁港にしてもらいたい、指定してもらいたいということが起つて、すぐにそれをひつさげて持つて来てごさごさやつてこいつが指定される。これはわしがやつたのだということで、こういうことで大いに宣伝してうまくやつておるという話を、ざつくばらんに妙な話をしますがこういうことをよく聞くのですが、これは私は水産委員を三年やつておりますが、私は一度も頼まれたことはない(笑声)。特に自分のところだけ早く指定しようという努力をしたこともない。そういうことで積極的に水産庁に行つて自分の選挙区にある漁港を早く指定してもらつて早くやつてもらいたいということを言つてつたら、できるような仕組になつておるのですかどうですか。参考のために聞いておいて、できるならば私もやりたいと思います。(笑声)  それから補正予算瀬戸内海の漁業整備にこれは六千二百万円ですか、これと同じような項目は来年度予算にはどこに載つておりますか。その点だけ……。
  30. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 順序は逆になりますが、瀬戸内海の漁業整備の問題は来年度予算には要求いたしておりません。これは先ほどちよつと御説明したのですが、昨年からかけまして非常に漁場紛争がありまして、香川県、岡山県の袋待の問題、香川県、愛媛県の旋網の問題がいろいろな、ざつくばらんに言いますと、喧嘩になつて、その際に或る程度統数を減らしてやつて行こうじやないかという話合がついて、それに対する例えば沈船をする、或いは他種漁業に転換をするという場合の補助金でございまして、これは経過的に起きた問題で来年度にはこれがございません。  それから漁港の問題ですが、これは漁港の指定は大体の方針は商港以外の所は一つ漁港に皆指定しようじやないかということになつております。それで指定の仕方は運輸省、役所同士は運輸省とも相談をいたしますが、漁港審議会というものがございましてそこで指定をする。そこへかけまして指定をする。それから指定をしましたあとでその中からこれは千以上ございますから現在たしか整備計画が立つているのは六百幾つでありましたか整備計画というものを作りまして、その整備計画に載つたもののうちの一部にまあ全部これは予算をつけてやりたいのでありますが、そのうちの一部にまあ予算がついておる。ですから先ず指定になつて、それから漁港整備計画が立ちまして、整備計画が立つたものの或るものに、今数百出ておりますが、予算をつけるというような段階になつております。いろんな運動がありますことは御承知の通りでありますが、きめますのは漁港審議会にかけてそこできめて行くという形をとつております。  それから北洋、この助成とありますが、助成は落して頂いたほうがいいのでありまして、これは金額の大部分はあそこに出す調査船を新らしく千トン級のものを造るということがありまして、これはトン当り四十万といたしますと、それだけでも四億になります。それが新らしい船を造ることが大部分でございまして、ブリストル湾の出漁の問題はこれは長官からでも御答弁つたほうがいいのじやないかと思います。予算的にはブリストル湾に行くからどうとかいうことは予算的にはございません。  それから乗組員の問題は実はこのほかに四千万という要求をいたしておりますが、このほかに無線関係の金を実は補正予算要求しておつたのでありますが、これが落ちておりますので、これも五、六百万この四千万に追加してやつて行くことになります。それでこれはやつておりますのは例の船舶職員乗組法が改正になりましたので非常に小さい船まで適用を受けることになりましたので、その関係の船長なり機関士というものの資格を与えるための養成をやるのが狙いでございます。そのほかに従来の乗組員の養成というのがありますが、従来からの乗組員の養成というのは、大日本水産会が主催者になつてつております。これはそのうちの金額の千万のうちのたしか二百万足らずの金と思いますが、大部分のものは府県庁に補助金として頼みまして、府県庁が中心になつてつております。それで実はこれは非常に悩みがありますのは、こうして出ますのは運輸省からも相当出るわけなんです。ところが運輸省のほうで予算がないというようなことで、人が足らなくてこつちがやる計画通りに実施かできないという悩みを今持つてつております。何とか運輸省のほうと話合いをして計画通りやりたいというふうに思つております。それから将来の計画でございますが、これはたしか三年計画で全部今の乗組員のうちの有資格者になられるかたの養成をやつて行くという計画をたしか作つておるのでありますが、来年度どうというのはちよつと覚えておりません。
  31. 松浦清一

    ○松浦清一君 この漁船船員の養成の問題なんですが、養成所で講習をする、講習をすることはやられるのだが、結局試験をするときに試験官を派遣する旅費の予算もないというので、現地に試験官が来てもらうのには、その講習生から講習料といいますか、そういうものの率を高めて試験官の旅費まで出さなければならんという問題が起るということなんです。そうなんですか。
  32. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 今のお話は、試験官はこれは運輸省でやるわけなんですが、運輸省の人の旅費がなくて、こつちが考えている方法でやつてもらいたいと言つているのがその通りできんということは私聞いております。ただその講習料を含めてどうということまでは聞いておりませんが、そういう点でこれはかなり支障があるということは聞いておりますので、運輸省のほうと話して何とかそういうことにならんようにしたいと思つております。
  33. 松浦清一

    ○松浦清一君 これは漁船の乗組員ばかりでなしに、汽船のほうでも小型船の乗組の養成の場合も同様なんですが、特にそういうふうな不便があるからして一つ運輸省に対して警告といいますか、助成、力を添えてやるとかいうことにして、そういうことの不自由のないように一つ御配慮をお願いしたいと思う。  それから先ほど御説明を承わりました漁港の問題なんですが、結局漁港に指定してそうして整備計画に載つて来ると、それに予算がくつついて来るものと、こういうふうに了解したわけなのですが、そのことのために水産議員が頼まれてやるということは筋がわかるけれども水産議員以外の連中でも探し歩いて、どうもあそこが指定されておるが早く予算をとつてもらいたいと頼まれて一生懸命やつておるという話をよく聞くのですが、それで帰つて、私がやつたということで選挙地盤の養成にこれ努めている原因になつているという話を聞くんだが、まあ審議会でいろいろ研究してやつておるのでしようからそこに無理は起つていないでしようけれども、余り政治的な圧力に屈してそうして不公平に又整備計画に載るべからざるものが早く載つて得をしたということのないようにやつてもらいたい。
  34. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) そういうことは全然ありません。整備計画に載つておるということはございません。
  35. 木下辰雄

    木下辰雄君 私も先ほど御説明を伺いましたけれども、まだまだ少し足らんものが、わからんものがありますから逐次お伺いしたいと思います。第二十二番目の水産物の流通改善の費用というのは、もう一遍言つてもらいたい、二十二番目です。
  36. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは調査費を主に考えております。市場関係なんかの調査費が主体でございます。
  37. 木下辰雄

    木下辰雄君 市場法の改正でもしようという意図がありますか。
  38. 伊東正義

    説明員伊東正義君) まあ市場法の改正を狙つてということまでは今この予算だけから行きますと、そこまでは考えておりません。
  39. 木下辰雄

    木下辰雄君 それではその次二十四番目の漁業経営合理化促進という狙いはどうですか。二十四番目です。
  40. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 御説明します。これは例の合成繊維をまあこつちで何とか余計使わしたいということを考えております。そこでこれは経費の節約の点でございますが、これつきましてはこれの対策は先ほど申上げましたように基金からもこういうものに優先的に金を貸して行きたい。そういう場合には利子補給をしたいということを考えておりますが、そのほかにこの合成繊維につきましては例のまだ規格といいますか、ときどき工合が悪いものが出るというようなことで検査制度がございませんので、これは民間の団体に何か検査してもらつてちやんとした格付のものでもやりたいということを狙つたこれは予算でございます。
  41. 木下辰雄

    木下辰雄君 それから二十六番目の海洋漁業対策委員会という委員会があるのですかどうですか。
  42. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) これは吉田書簡においてこういうふうな対策委員会で以て北洋漁業等における十分なる監督と指導をやるのだ、で若し違反があつた場合には処罰するのはその委員会のほうでやるのだ、こういうふうな形でその書簡が出ておりまして、それに基きまして海洋漁業対策委員会というものを一応作つておるわけです。
  43. 木下辰雄

    木下辰雄君 そうすると何ですか、日米加条約の結果ですかどうですか。
  44. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) これは必ずしも日米加漁業条約のみに限つたわけではございません。その他全般的の海洋漁業関係でございます。
  45. 千田正

    千田正君 今の木下委員質問に附随してお伺いしたいのですが、この委員会の一体構成はどういうようなものでありますか。
  46. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 今その書類を持つて来ておらないのでございますが、大体海洋漁業関係の深いところの団体及びその学識経験者を以て構成しておりまして、これはすでに委員のほうは任命済みでございます。この春と思います。
  47. 木下辰雄

    木下辰雄君 それではこの委員会農林大臣の、若しくは水産庁の主宰ですか。
  48. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 会議の議長は農林大臣になつております。
  49. 千田正

    千田正君 この対策委員の任命は国会の承認を得る必要はないわけですか。
  50. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) これは国会の承認を得るような形にはなつておりません。
  51. 木下辰雄

    木下辰雄君 三十二番に漁船研究所というのが掲げてございますが、研究所というのがあるのですか。
  52. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これはいつも問題になるのでございますが、現在は研究室ということでやつております。これは漁船研究室を作りますときにいろいろ問題がありまして、これは行政整理といいますか、行政整理でなくて、機構の簡素化がやかましく言われましたときに実は通つた予算でございまして、当初は漁船研究所ということで進んだのでありますが、新らしい役所を作ることは非常にむずかしいということで、現在研究室になつております。そういう経過がございまして、やはり私どもとしても研究所を作りたいということでこれは考えておるわけであります。
  53. 木下辰雄

    木下辰雄君 現在どういう仕事をしておりますか。
  54. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これをやつておりますのは船体関係が……これは分れておりまして、久里浜とこつちの水産講習所にございます。それで漁船の船体関係の研究と機関の関係の研究というふうに分けましてやつておりますが、まあいろいろな施設の関係で一カ所になるべきものでありますが、現在は非常に不便な二カ所に分けております。防熱装置の問題でありますとか、いろいろな研案やつております。
  55. 木下辰雄

    木下辰雄君 次に水産業基礎調査とありますが、これは曾つて漁業保険を作る或いは漁具保険を作るという場合にいろいろ調査を私どものほうからお願いしておつたのですが、それと関連しての調査のものか、どうですか。
  56. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 水産業の基礎調査は二つになつておりまして、一つは御承知の水産研究会に対する補助金が千三百万円ばかりございます。それからそのほかは全国の相当陸揚のあります漁港を指定しまして、そこに調査員を置きまして、百二十数名でございますが、これは水産庁国家公務員になつております。これを配置しましてその漁港におきますところの標準の漁家と言いますか、企業体ですか、これの経営調査でありますとか、或いは漁村の、その漁港におきますところの物価の調査とかということをやつております。二つに分つております。それで水産研究会のほうは御承知のように民間と協力しまして国のほうでも、今年はたしか千三百万円でありましたか、出しまして、今おつしやいましたような例の保険関係調査とか、それからいろいろな経済の調査或いは合成繊維等もここで取上げたのでございますが、そういうものの調査とか、役所の研究所だけではちよつとやりずらいというものをここにお願いしてやつております。
  57. 木下辰雄

    木下辰雄君 この委員会で強く水産庁に要望しましたのは、大分前の話ですが、是非漁具保険、延いては漁業保険を実施しなければならん。それに対しては今まで基礎調査がないので、速急に一つ調査をして保険の材料にするというようなことがありましたが、どのくらいまで進んでおりますか、おわかりになつたら御説明願いたい。
  58. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) これは終戦後一時そういうようなことを考えまして、団体等と連絡をして水産研究会にやつてもらつたのでありますが、その後中絶しております。私就任しましてから今年になつて始めるように命じまして今やつておる最中でございますけれども、その危険率その他についてはまだ十分自信のあるようなものはとれておりません。最近の詳細なところはまだ私どもは聞いておらないのですが、いろいろ検討材料として発表できる程度までにはなつておりません。
  59. 木下辰雄

    木下辰雄君 その調査の費用並びにどういう工合の機構で調査しておるか、その一端を御発表願いたい。どの項目にその費用が入り組んでおるか。
  60. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) その項目やその他の詳細なものは今持つて来ておりませんが、費用等は大体研究会のほうの中で或る程度弾力性を持つておるので、それでやつてもらつておると思います。あと政府のほうでいろいろそういうようなデーターをとる。府県その他からとる必要なものは政府のほうで以てやつております。詳細は必要がございますならば、今度までに調査した上で御提示申上げたいと思います。
  61. 木下辰雄

    木下辰雄君 この調査の機構及び方法と、それから予算関係等は次の委員会まで一つ資料をお出し願いたい。  それから第三十四と三十五です。水産研究云々、水産業改良云々という二つの項目がありますが、一体この内容はどういうのか、御説明願いたい。
  62. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 三十四はこれは調査研究部でいろいろ新らしいものを企画しまして、大体これは県に対する補助金が余計になつておりますが、先ほどちよつと申しましたように新らしい考え方が入つておりますのは、対馬暖流の開発が入つております。これは七千五百万円は対馬暖流の開発に使うということで計上してあります。対馬暖流の問題は実は今年も問題になりまして、農林省一般試験研究費の補助が官房に八千万円上つておりますが、そのうちの四百数十万円を充てておりますが、それは今年の基礎調査をしまして、来年度から県の試験船も動員いたしまして、それから水産庁の研究所も一緒になりまして船を出しまして海洋調査をやつて行くというのがこの中の一番大きな項目になつております。その次に、瀬戸内海の漁場開発費がたしか四百数十万円と覚えておりますが、これがここに入つております。これも本年度、先ほど申しました試験研究費から約百数十万円がこれに出ております。それからそのほかに海況漁況の予報をする、主にかつを、まぐろ、さんまでございます。これは従来も東北の研究所がこれをやつておるのでありますが、これもすでに大々的に補助金も出しまして予報をやつたらどうかということをここで考えております。あと三百万円ばかりの金でくじらの標識調査をやるというような考え方がこの二十四番の中に入つております。殆ど新らしい項目として要求いたしております。  それから第三十五番目は先ほど申上げたようにこれは農業の改良普及ということ、それから林業も若干やつておりますが、水産にはございませんので、県に人を置く金と、それから先ほど申しました漁探でありますとか合成繊維でありますとかいうようなものを試験場に補助金として出して行くというような金がここに入つております。それで人の問題でありますが、先ほど申しましたように一般の漁撈につきましては、釣とか或いは網の捲き方というようなことの指導は、これはなかなか役所の人が指導するよりも、むしろ業者のほうが相当詳しいのが多いので、そういうと一般漁撈の普及員というものは考え方として考えておりませんで、或る特定な篤漁家、と言つちやなんですが、篤漁家のような人を中心にしまして、そういうような人の船に、県で補助金を出しました漁探でありますとか、或いは合成繊維というようなものとか、そういうものを以ちまして漁業をやるという意味で展示といいますか、そういうような思想で、そういう或るグループを作つてつて、それでまあ経営の合理化といいますか、そういうものを図つて行きまして、それをずつと漁村に推し広めようという、一般の漁撈につきましてはそういうふうに考えております。それでこれは人の補助金でなくて試験場に対するそういう漁探とか何かの購入費の補助というような形で組んでおります。それから増殖と、それから船の機関とか、そういうものの予防医学みたいなものに該当するわけでありますが、巡回しまして、船の操縦その他機関の改善とかいうものの指導をして行くというような巡回指導員、それから増殖につきましては、これはまあ農業に相当似ておりまして、これはかなり県の指導員としても指導して行く自信があるというようなことで、増殖とそれから船体関係に、そういう人を県に置く補助金を出す、これは漁撈と増殖と船体関係も全部水産資源中心にしまして、県の水産試験場は勿論、その地方々々の研究もありますが、技術普及のまあセンターというふうにして、試験場を活用して行つたらどうかという考えで、その経費を計上いたしております。今年三千百万ありますが、これは先ほど言いました海草の高度利用でありますとか、或いはフィッシュ・ミール関係とかいうものに三千万円補助金がこの中に入つております。それはすつぱり落しまして、来年の四千八百万円にはそういう金は全然ありませんで、全部が改良普及の金として要求しております。今年の三千万に該当しますのは、官房で企業合理化促進法関係予算を組んでおりまして、その中に、そつちのほうに別に計上して要求しております。
  63. 木下辰雄

    木下辰雄君 なんだか去年はいろいろ特殊の工場に対して改良普及とかなんとかという費用で相当行つたと思いますが、それは官房の予算に入つて、ここにはないんですね。
  64. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 今年は去年と同じように海草高度利用の金は取れておるのでありますが、今年は二十七年度でありますが、今年のやり方は一般に公募しまして、去年はそういう公募しなかつたのでありますが、今年は補助規程も省令でたしか作りまして、一般に公募して、その中から適当なものに出して行くというやり方をやりました。来年は水産庁予算としては要求いたしておりません。これは官房のほうで例えば製糸会社の合理化の問題でありますとか、或いは水産で行きますと「くじら」のキヤッチアーの銛の問題でありますとか、或いはこの海草高度利用とかいうような計画が一億数千万円ぐらい要求いたしております。そつちに入つております。
  65. 木下辰雄

    木下辰雄君 それは水産庁関係でなければあとにして、先に農林大臣に私お尋ねしましたように、厖大な五年計画で千七百万石も増産するというような案がありましたが、それにマッチするような水産物増産或いは改良計画というやつはここに載つていませんね、何も。
  66. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは今お話の米麦等につきましては、例の前の土地改良その他の計画があるわけなんでおりますが、水産につきましてはまあ最もやはり中心でありますのは、やはり漁港だと思います。これはどれが何年計画のどれだと言われますとなんでございますが、やはり基盤をなすものは漁港予算で、それで根拠を作りました上で、それで生産力の発展を図つて行くというやり方だと思います。それで水産には水産資源保護法といいますか、まあ全般に網の引かかるような法律があるわけなんでありまして、水産庁予算は挙げて全部水産資源保護の予算というようなことでも、私はこれは取れるんじやないかと思いますが、併しそれかといつて、それでは幾らぐらい漁獲高を挙げて行くのだこの予算で、というふうにぴつしやりしたものはできておりません。
  67. 木下辰雄

    木下辰雄君 この下関の水産講習所の予算に一億三千六百万円、補正予算に千数百万円計上してありますが、これは私のほうにも陳情がありました。あそこには相当寄宿舎とか或いは広い土地を購入して、いろいろな施設をするというような案があるようですが、それは含まつておりますか、どうですか。
  68. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは水産講習所につきましては、実際いろいろな希望がございまして、例えば下関に水族館のようなものを、まあこれは実験所として作りたいというような話もあるくらい、いろんな要求があるのでありますが、我々のほうとしましては、先ず必要なものからというようなことを考えまして、今お話のありました寄宿舎とか土地の購入とかいうことを先にしまして、これはお聞きかも知れませんが、下関にそういう水族館のような実験所を造るようなやつは要求いたしておりませんが、寄宿舎その他最小必要なものは何とか早く整備したいというようなことで要求いたしております。
  69. 木下辰雄

    木下辰雄君 大阪に水族館がありますが、この水族館は相当規模が大きいすで、改良すれば、東洋においても珍しい一つの名物になりはせんかと私どもは見て参つたのであります。それに対して、大阪府、堺市等から水産庁に対しては相当陳情、請願が上つておるようです。これに対して水産庁は二十八年度予算に何かこの研究所に充てるとか或いは助成するとかいうようなお見込が、予算の中に入つておりますかどうですか。
  70. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは三十六の水産研究所の中に、金額でいいますと百六十万円だけ挙げてあります。それで、実は堺市にあるのでありますが、現在閉鎖してありまして、これのまあ復旧には数千万円かかると、それで相当額の補助金を出してもらつて直したいという話があるんでありますが、我々のほうとしましては、瀬戸内水産研究所としまして、内海の研究所としてあすこに今数千万使つて直すより、ほかにもつとやることがあるという考え方からいたしまして、補助金という形では今組んでおりません。ただ何とかあすこを、大阪、堺等で直してもらつて、その中でやはり研究することがございますので、いろいろな研究費用としまして、あすこを借りてやつて行きますのに必要な金として、百六十万円というものを、新らしい項目としては要求いたしております。
  71. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 ちよつと一つお伺いしたいのですが、鯨油の買入という問題を政府考えておるようですが、これは農林委員会でたしか前の小笠原大臣からもそういう説明があつたんです。が、その鯨油の買入ということになると、まあ新らしい特別会計を作るのだと思いますが、まあそれ以外に菜種であるとか甜菜糖とかいういろいろなものが入つて来るわけですが、ところが鯨油の買入れという問題は、やはり水産政策一つの大きな根本に触れて来る問題だと思うのですが、この予算はこれじやちつとも出ておりませんですが、この予算に出て来るか、水産庁でないとすると、外局である水産庁が他の部局に置かれた特別会計との関係とどんなふうになりますか。これはやつぱり運営上の一つの問題だと思うのですが、その点を一つ説明願いたいと思います。
  72. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) お答えいたします。鯨油の買入れの問題は、これは経過から申上げますと、私就任早早前年にも非に詰つた問題が起つて、たまたま見越し輸入という、そういうような状態にもなつたものですから、思惑も加わつて非常に簡単に昨年は思つたよりも捌けたわけでありますが、昨年と申しましても年度が昨年であります。ところが本年度のほうは、そういうような油脂の事情にもありませんし、去年思惑で相当ひびが入つた会社等もありますので、そういう点で本年一体どういうふうにできるか、これらの点は当初から大蔵省の銀行局長或いは安定本部の財政金融局長等と協議いたしまして、本年度出ます出漁資金に支障のないように春から打合せしておつたわけであります。そういう金融関係の専門家筋から申しますと、どうしても一年間の部分を、例えば昨年出漁した部分を四月に母船で以て日本で上げて来る。四月に上げたものを消費するのはその翌年の四月まで一年間かかつて消費するものを持つて来る。ところが新らしい出漁資金は七、八月からそろそろ入れなければならない。七、八月には到底前の油を売り切つてしまうというようなことはできないから、前の油を以て返済すべき金はそのまま残つている。どうしても二重になつて来る。又それを無理に売るというふうなことになれば、又別途加工業者なり何なりに金融をつけなければならない。加工業者のほうは非常に又数が多くて金融がつけにくい。それを無理に外国に売るということになれば、ユニレバーの独占によつてひどく買叩かれる、国際貸借上も不利な状態にあるというふうなわけでありまして、出漁資金を出すためには、どうしても或る程度一船金融には乗りがたいので、何らかの措置が必要だ、金融に代るべき措置が必要だ、こういうわけで買上げ問題は当初から問題になつていたわけであります。その後いろいろな問題があるわけでありますが、これは現在食糧として食管特別会計で臨時的に買入れるか、或いはそういうふうな点の調整全体を考えまして、この間新聞にありましたような形でやるかというようなことは、今度の内閣の新政策とも関連いたしまして農林省の物資にはいろいろ多いわけでございますから、別途の会計を作るかというふうなことは、現在官房のほうで検討中でまだ決定を見ておらないわけであります。ちよつと速記をとめて下さい。
  73. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  74. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて。
  75. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私は今日は意見は差控えますが、鯨油を食管会計で買うことには私は元来反対の立場をとつております。それはまあ別として前の小笠原農林大臣は、これは正式に新大臣の政策としてやるということをはつきり言つているわけですがね。今私が聞けば非常にまだ何と言いますか、ヘンデイングの向きがあるわけですが、そこのところはまだはつきりやるということにはなつておらんわけですか。
  76. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 農林省としては夏頃からそういうふうな政府買上げが最も妥当であるという方針はきめて来ているわけですけれども大蔵省のほうとの折衝が必要なわけですから、どういう形態でやるかというようなことについては今のところまだ確定しておりません。
  77. 松浦清一

    ○松浦清一君 今のに関連してちよつとお伺いしたいのですが、昨年度の南氷洋の鯨油の生産量が幾らあつて、そうして今日までにどれだけそれがどういう方面に売却されて、今どのようにどこで保護されているかと一点と、それから本年度出漁につ、て会社の内部でやつたことは別問題として、政府出漁費用の金融措置についてどのようなことをおやりになつたかという二点について、ちよつとお伺いしたいと思います。
  78. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 今数字を持つて来ておりませんが、昨年度の生産量は大体三万五千トン程度だと思います。そのうち一万二千数百トンをロッテルダムに直送いたしまして、あそこのタンクに入れてあります。それからあとの残りの約二万二千トン余のものは国内に持つて来ております。そのうちこの夏に当座の需要としまして五千数百トンというものが国内で加工業者のほうに売れました。主として非常に今牛脂が安いわけですから、人造バター原料でございます。それから一週間ほど前にロッテルダムに持つてつた一万二千トン程度のものは、全部ドイツに売れました。現在残つておるものは、国内に一万七千トン前後のものでございますが、そのうち又当座の入用としてこれを加工業者の関係から現在五千トン余の引合いが起つておると、こういう状態になつております。  それから資金の問題でございまするが、これは相当額も厖大に上りまするので、年々大体銀行四十数行の協調融資によつて、それでこの資金を賄つておるわけでございます。前年は三十億くらいでございまして、その後それに切上げ資金等を入れまして、三十数億になつておりまするが、本年は鯨油の値段も安いので、コストをできるだけ切下げるという趣旨で、例えば抹香鯨を獲る漁期等は採算的に不利かもわからないというようなことで、漁期のほうも抹香鯨のほうは全部削つております。それから予備品等の持つて行き方も少くしておりますし、それから開銀融資でキャッチャーの優秀船を相当造つておりまするので、それをできるだけ有効に活用するという趣旨で、できるだけ経費のほうを切詰めてコストを下げるという方針で、大体二十五億と、前年より単価は上つておるのですが、二十五億というような計算で融資に持込んでおります。何分にもその額が大きいし、又その融資をやる場合には、ロツナルダムの一万二千トンも又国内の分も必ずしもまだ処理されておらないという状態でありますので、前の三十数億と新らしい二十五億というようなものが重なつて、まあ六十億近い金が重なつて出るというふうなことになつておりまするので、銀行のほうでもそれの融資というふうなことがどうしても出漁融資的な性格を帯びるということと、それから算盤に乗るか乗らないか、鯨油が若し下つたときにはどうやつてそれを補填するのか、その他いろいろ金融機関としての危惧がございますために、その融資にはなかなか応じにくいような状態にあるわけでありまして、まあ数回の説明をやり、よく事情等も話し、それからコストのほうもできるだけ国際競争で勝てるような、又値が落ちても経営がふらつかないような点にできるだけの努力払つて切詰めまして、それで先ほど申した二十五億という形に持つてつたわけでありまして、この前の油のほうと二重になることは、どうしても銀行としては堪え得ないというような理由からして、政府のほうとしましては、当面の問題としては、それは買上げではなくて、融資で以て何とか片付けて行くというような方針大蔵省のほうとしては崩しませんので、農林省のほうとしては、それならそれでもいたし方ないと、こういう形で金融のほうをここ数ヶ月いろいろと折衝をいたしまして、それで一応前にありまするところの、現在あるところの油につきましては、これは物もちやんとあるし、担保もしつかりしておるわけですから、これを農林中金のほうに一時肩替りしてもらつて、それに必要な資金は政府のほうで農林中金のほうに預託すると、それは個々に紐付きでやるというのではないのでありますが、その結果農林中金で以て資金源に不足をした場合に、その分については十分みると、こういう形で融資をつけまして、それで過去の市中銀行の荷のほうを軽くいたしまして、そうして新らしい融資のほうを四十数行の市中の協調融資によつてつてもらうと、こういうふうな形をとつた次第でございます。
  79. 松浦清一

    ○松浦清一君 ロッテルダムでドイツに買却したという一万二千五十七トンですか……、それは幾らで売れたのですか。
  80. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) これは一万二千二百五十トン、大体の額は九万六千と、こうふうなことになつております。
  81. 松浦清一

    ○松浦清一君 それからこの一万二千二百五十トンの日水と太洋の持分はどういう割合になつておりますか。
  82. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) この油自体は、たしか恐らく日水のほうで取つた油を日水の母船で運んだものと思いますが、併しそれは国内のものも国外のものもどつちこつちというようなことなしに、共同で計算をしておるようでございます。
  83. 松浦清一

    ○松浦清一君 全部プールで……。
  84. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) ええ、プールで……。
  85. 松浦清一

    ○松浦清一君 そうしますと、今食管買上げの可否の問題は別問題として、どうするかという問題が残されておるのは、国内に保管されておる一万七千トンというわけなんですか。
  86. 塩見友之助

    政府委員塩見友之助君) 金融的に見ますれば、その大体新らしい出漁資金がなかなか金融のほうでつかないものでありますから「それで重複した場合の問題になつて来るわけでござまして、今あるものについては一応金融はついておるわけで、むしろですから、最も問題になるとすれば、今度新らしい鯨油が取れて来た場合と、こう考えられます。ちよつと速記をとめて頂きたいと思います。
  87. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  88. 秋山俊一郎

    委員長秋山俊一郎君) 速記を始めて、それでは本日はこの程度で打切りたいと思います。    午後三時四十八分散会