○
説明員(
伊東正義君) それでは私から
補正予算と来
年度の
予算につきまして、極く簡単に御
説明いたします。
お
手許に
事項名だけ書きました資料が配布してございます。来
年度の
予算につきましてはお
手許に差上げました
要求事項はこれは大体七月頃作りましたものでございますので、その後の情勢の変化その他によりまして更に追加して
要求すべきものが若干出ておりますので、このほかにも
項目として今
大蔵省に話中でございます。二十七
年度の
補正予算は一枚紙で差上げてありますが、
只今まで決定して議会に出ております
項目を簡単に御
説明申上げます。
最初は
小型底曳の
減船整理の
補助金が取れております、四千百四十八万五千円でございます。これは本
年度は大体
一定のトン数以上でありますとか、或いは
一定の
馬力以上の船を最初減船して行く、そのほかには
漁業調整委員会等において海区におきましてその海区では
小型底曳を全廃するというようなことをきめました海区を優先的に取上げて行こうというような
方針でや
つたのでありますが、その際に例えば
愛媛県の
宇和海区、それから
有明等は全廃したいというようなことがあ
つたのでありますが、本
予算には上
つておりませんでした。それに対しましてここに計上してありますのは大体
宇和海区を
中心にして
考えたものでありますが、若干は有明のほうにも廻せるのではないか、海区
調整委員会で撤廃を決議しました所に対して本
予算にありますと同じような
考えで築磯にしますとか、或いは他
種漁業に転換するとか、運搬船にする、或いは公共の用に供する
救難船、学校の
練習船にするというようなものに対する
補助でございます。単価その他につきましては
一般予算と同じようにこれは
考えております。
それから次の
瀬戸内の
漁業の
整備の問題でございます。これは本
予算には全然出ていなか
つたのでありますが、これが起りましたのは
資源の問題も勿論ございますが、
資源の問題といいますよりもこれは
大分前からの、
徳川時代からの
漁業紛争があります。
瀬戸内の塩飽の辺でございますが、そこの岡山県とそれから香川県の
袋待網関係の
大分紛争がありまして、その際に私のほうの
瀬戸内の
漁業調整事務局が
中心になりましていろいろな
漁業の
調整をや
つたのでありますが、その際に或る
程度統数を減そうじやないかというような話が出まして、それで
県同士の、
漁業者同士の話合いはつきまして、大体
いかなごの
袋待網を百四十統ばかり減らすことにな
つております。それから減しまして築磯にするものもございますが、それから
小型底曳のように他のものに転換するというのもあるのでありますが、それから
売船をする、船をほかに売るというようなことがございます。こういうものに対しまして船なり、或いは
漁具等についてこれは
補助金を出して行こうという
考え方にな
つております。それからもう
一つ香川県と
愛媛県の燧灘辺の旋網の
紛争の問題もございまして、これも
いかなごの
袋待網と同じような
考えでやはり或る
程度数を減して話をつけました
関係がありますので、それもこれは五十
統足らずでございますが、その築磯にするというものの
補助でありますとか、或いは漁具を他に売るという場合には網の正当に評価されました
価格と、売却しますときの
価格の差額を
補助しようというような
考え方の
予算を取
つております。これは本
予算にはなか
つたものでございます。
それからその次の
漁業協同組合、
連合会の
再建整備でございますが、これは本
予算に予想しましたよりも以上に増資ができましたり、或いは固定化しました債権のう
ら額が殖えましたような
関係で本
予算で足りなか
つた分を
法律上当然これは出さなければならない問題でございますので、ここに組んでおります。この金は千五百万円でありますが、
農業方面等においてもこういう
関係で数億計上いたしております。
それからその次の
十勝沖の問題でございますが、これは
法律だけございまして
予算がなか
つたものでございます。それで今
年度これは総額は六億の枠にな
つておりますが、そのうち
現実に借りました分が約三億
足らずございます。これの
利払期が十月と四月にな
つておりますので、今年の十月の利払いをしますときの
利子補給、これは四分の
利子補給でございますが、これも計上してございます。これも
法律で当然計上すべき金でございます。それから
損失補償は先になりますのでまだ
予算に計上しておりません。
それからその次の
中小漁業融資保証保険特別会計の繰入五億でございます。これは先ほど
大臣からも御
答弁がありましたが、明日の
閣議に
法案がかかりましてすぐに上程になる
予定でございます。これは一応
基金としまして再
保険特別会計に
一般会計からこれだけ繰入れて行こうという分でございます。これは
差当りはこの金は本当は計算上は要らんというような形になりますが、これを入れますことによりまして再
保険の
保険料を下げて行くというようなことを狙
つて考えております。これは必要のたび逐次
基金を繰入れて行こうということになろうかと思います。
法案の
内容につきましては又詳細に御
質問でもあれば御
説明いたします。
それから次の
漁船損害補償法の
関係でございます。これはここに出ております一億は、これは
赤字の繰入でございます。と申しますのは、
漁船損害補償でや
つておりますのは
普通保険と
特別保険があるのでございますが、今年
あたりは
普通保険は黒にな
つて来ておりますが、拿捕を
保険事項とします
特殊保険はずつと
赤字でございます。それで二十七
年度の当初
予算におきましては八千万円の
赤字に対して繰入をや
つておりますが、その後二十六
年度中に出ました
損害がはつきりいたしましたので、その
赤字の分の一億百万ばかりを更に繰入をしてもらうということにな
つております。それから二十七
年度も現在の
ところまでは約五千万ばかり赤にな
つております。これにつきましては又
明年度の、今借入の制度を
作つておりますので、今
年度は借入金をしまして
払つて、来
年度はつきりしましたら、今年の
赤字は又繰入れてもらうというような交渉を
大蔵省としようと思
つております。これにつきまして
大蔵省の
方面では非常に
保険料が安いから
保険料を上げるべきだというような
意見が出ておりまして、
大分特殊保険の
保険料についてはやり合
つておる問題がございます。
それからその次の
遠洋漁業取締、
指導監督、これは主に以西の
取締船の
漁船の
整備でございます。今あそこには
農林省の船はたしか七隻でしたか、行
つているのでありますが、
レーダーを持
つている船は一隻しかございませんので、更に三隻ばかり追加しまして、
レーダーを備え付けようというような
予算でございます。来年度分は又来
年度分の
予算で
要求いたすつもりであります。
それからその次に、アラフラ海は、これは来年の二月か三月に
民間の船が出ます際に
水産庁から
取締、それから保護、
調査というような目的を兼ねまして一隻の
調査船を出すことにな
つております。その場合の
傭船料その他を計上してございます。これは来年もずつと引続いてやるように
大蔵省に
要求しております。
それからその次は
水産研究所でございますが、これは
越佐関係の、問題を起しました
越佐関係の
調査でありますとか、或いは電波の周波数の切換えで、
水産庁の持
つております
ところの
調査船も
設備を改良する必要がありますので、その
関係の金を入れてあります。
それから三十一、三十二等は、
給与改善の問題で、当然に出て来た金であります。
それから三十三番目も、地方の
補助職員等に関しまして、ベースが変りました
関係で計上いたしましたのであります。
それから三十四、三十五は、三十四のほうは、
閣議で
物件費、
旅費等の
節約というようなことがきまりまして、今までの
既定経費の
節約でございます。それから三十五番目は、油の
統制が廃止になりましたので、従来は油は
統制で
予算を計上していたのでありますが、その
関係の金を出しております。
それから公共
事業で、
漁港修築
事業関係で、これは二千七百万円ばかりありますが、これは
公共事業費、
農林省としましても、いろいろ
水産も
要求したのでありますが、結局入りましたのは、例えば単作地帯の
関係でありますとか、或いは特殊土壌の
関係とか、特殊立法のあ
つたものだけ入りまして、その他は今年はやらんという
政府の
方針でありまして、
水産関係は、これは公共土木の施設の国庫
負担が若干殖えました超過
事業について
補助率を変えた点がありますので、その
関係の金だけの計上ということにな
つております。
それから
中小漁業融資保証保険特別会計は、これは先ほどの
一般会計からの繰入れと、そして
保険料等で、この特別会計を賄
つて行くような形にな
つております。特に御
説明する点はございません。
それから
漁船再
保険でございますが、これは先ほどの
赤字を繰入れたので、
一つ金が動きます点と、借入金をしておる占いと、それからもう
一つは、ここに新らしく乗組員の給与
保険をやる経費が若干入
つております。乗組員の給与
保険につきましては、この前の第十三国会で
法律が通りまして、施行の日が切
つてありますが、十二月二十四日までこれを施行することにな
つております。それで、この特別会計の中でそれをや
つて行くというような形にな
つております。特に
予算的にどうということはないのでありますが、我々としましては、この給与
保険の特別会計にも
基金を入れてもらうという交渉をいろいろ
大蔵省としたのでありますが、なかなかこれはうまく行きませんで、何かあの
法律を作りました経緯において、
一般会計には迷惑をかけないということがあ
つたというような話で、
基金は入
つておりません。入
つておりませんが、この
基金は支払準備のための
基金でありまして、金利を稼ぐとかいう問題は特にございませんので、必要がありますれば借入その他によ
つて早急に
払つて行くということをやれば、そう問題はないんじやないかというふうに
考えております。以上
只今申上げたのが今年の
補正予算に
現実に計上されているものでございます。
それからその次の表が、来
年度の
要求を事項別に挙げました全部でございます。それでこのほかに抜けておりますのは、
要求しておりまして、ここに計上しておりませんのは、
農林漁業融資特別会計
関係はここに入
つておりません。これは官房のほうで一括やるということにな
つております。
それからもう
一つ企業合理化促進法の
関係の、特殊な企業化試験、工業化試験等に対する試験研究の
補助金が一億数千万あるのでございますが、それもここに挙
つておりません。これはやはり官房のほうで一まとめにして
要求いたしております。それから先ほど申上げましたように、その後の情勢、例えば
補正予算等で当然通るというよう
なつもりで挙げていなか
つたものを、こちらへそれが
補正予算が通りませんので、更にこれに繰入れて追加
要求いたしているものもございます。
それから又自由党の政調会等においても
予算をいろいろや
つておられまして、その
関係のほうでどうしても又出す必要があるのではないかというようなことで若干そういうものもここに計上されるということもあろうかと思います。それから又さつき
木下委員の御
質問にも出ておりました
漁船の建造資金の
利子補給の問題等も新らしい問題としてここに挙げてあります表以外に
要求を出しております。
これは
大分項目が多くな
つておりますので、主な
関係、特に重点事項といいますか、そういう
関係だけを御
説明したいと思います。特に変
つた点だけ御
説明いたします。三、四、五ここに書いてありますのは
資源保持の
関係からします
小型底曳或いは中型底曳の整理転換の問題がここに三、四、五に挙
つております。金額が
小型底曳の整理が三億二千、中型底曳が一億四千、
北洋の中型底曳の試験研究というのが一千三百万というのが載せてあります。三番目の
小型底曳は従来の
考え通り五カ年間で約八千九百隻、大体九千隻ばかりののを整理して行くという
考えでおりますので、それの年次
計画に従いまして来
年度の分の
要求をいたしております。この金額は実は
補正予算に有明とかそのほか伊勢湾の問題とか
要求いたしておりましたのが落ちておりましたので、この金額は更に追加されますが、
考え方はそういうのでございます。四番、五番は中型底曳の問題でございます。中型底曳につきましては、例の以東底曳で十五トン以上のものでございます。中型底曳につきましては、
水産庁としましては、まだこれをはつきり何隻減船する、小型と同じように、例えば沈めるというような
計画はまだ建てておりません。これは中型底曳は二千八百隻くらいございまして、漁獲高も八千万貫ほど獲
つておりまして、非常に重要な
漁業で、又沿岸との
関係がありまして、非常に問題を起す
漁業でございます。併しこれにつきまして
小型底曳のようにまだ
法律を
作つて何隻までどうするというような
方針は実は立
つておりません。併しこれは我々としましても、小型が先ずそういう形で
資源保護の
関係から形をとりましたので、この次は中型について根本的な検討を加えたいというふうには思
つておりますか、まだこの
予算を
要求いたします
段階ではそういう結論は出さんで、これは
要求いたしております。今我々としましては、例えば
北洋等についてはこの問題の中型底曳を優先的に
北洋の鮭鱒に出してやるというように成るべく外に出すというような
考え方をや
つておりまして、これはどうしても出せない場合に、さてどうするかというようなことで
考えようというような
方針でございます。ここに四番目に出しておりますのは、これは強制的にどういうふうに減らすというようなものではございませんで、これは我々のほうが府県に照会しまして、或る
程度補助金が出るのであれば、例えばほかの
漁業に転換したいというような希望があるかどうかというようなことを県に照会いたしまして、それの数字に基きまして一応
作つてみたものであります。例えば底曳は全然やめまして鮭鱒の流し網とかつを釣を兼業するとか、或いは鮭鱒の流し網とさんまをやるとかいろいろな兼業の形態を
考えまして、底曳はやめてほかへ行きたいというような者に
漁業の転換に要します
ところの費用を或る
程度補助してみたらどうかということで、これは希望転換といいますか、そういうものに
一応
補助金を
考えてみたいということで、新らしい
要求として出しております。それから五番目は、これは数は少いのでありますが、
北洋の底魚
関係、これが一体経営的に引合うかどうか、底曳で……。こういうような問題がありますので、試験的に
補助金を出して
北洋の底曳をや
つてみまして、それで引合うかどうかというような試験もして、これはできたならば、引合うというような見通しがつけば、今非常に過剰にな
つております
ところの東北地方、特に東北海区、青森、岩手、宮城県の船を
北洋へ出せる、鮭鱒の流し以外に出せるというようなことになると非常に沿岸も助りますので、そういうような
調査をしてみたいということでここに出しております。これが、四、五が新らしく中型
関係につきまして出しました
予算でございます。
そのほかは
取締りの問題、それから
漁業制度改革で
漁業調整委員会の問題。それから
免許料、
許可料の
関係は従来と同じような
考えでや
つております。
免許料、
許可料の問題でございますが、これは今年五千五百万ありまして、来年五千九百万と徴収費を出しております。
免許料、
許可料は今年は大体
予算で行きますと八億の歳入になりまして、これを国債整理
基金特別会計へ繰入れて、そして国債の償還に使
つて行くというような
予算の組み方にな
つておるのでありますが、今の
ところは
大蔵省と話合いをしまして、今
年度は沿岸のほうが五億、それから遠洋のほうは一億五千万円を一億八百万円ということにして、大体八億五千くらいの
予定を六億八百万円くらいで今や
つております。省令も出まして、一月一ぱいに徴収令書を出して徴収をするというような
考えで現在おります。これは我々としましてはそのほかに例えば天災、この前の例えば
カムチャッカ沖のような場合とかいうような場合は、これは減免というような規定を活用して徴収をや
つて行くというふうにしたらどうかというような
考えで今や
つております。全面的にこれをやめてしまうとか、或いは全面的に徴収を延期してしまうというようなことは現在は
考えておりません。
それからその十二、十三、十四、十五、十六辺は大体今年の
予算の
考え方を踏襲した
予算でございます。
それから
金融の
関係が十七、十八、それから十九、二十、と
金融の
関係が出ております。これは
金融の問題は、来年の
予算の重点
項目として我々
考えておりますが、この十七番にあります七億、これはさつきの
補正予算の五億に該当するものを来
年度基金として入れてもらいたいというような
要求を出しておるのがこの十七番でございます。それから十八番は、これは
基金から借入れましたもののうちで
漁船の改造をしますとか、無動力の船を動力化しますとか、或いは機関換装をするとか、それから合成繊維を使うとかいうために金を借りたというような特定なものにつきまして
利子補給をいたして行きたいという
考えでございます。これはまあこの金利につきましてはそう安くなりませんので、何とか
基金から金を借りる一部の
事業につきまして
利子補給をしたいというのをここに載せております。ここには載せておりませんが、先ほど申しましたように今や
つておりますのは、このほかにあとで
保険の
ところでちよつと申上げますが、満期の
保険の制度を
考えております。例えば満期の
保険は何年間かかけて満期にな
つて金をもらうという形になるのでありますが、我々としましては来
年度満期
保険に加入するということを条件で新らしい船を建造するという場合に、そういう建造資金のうちの何割かのものについて、自己資金も若干はありましようから、借りて来るものにつきまして
利子補給をしたい、建造資金の
利子補給をしたいということで今案作つおります。これは十八番は
基金から借りる人だけでございますが、今申上げましたのは、
基金から借りない人でありましても満期
保険に加入するということを条件にしまして金を借りました場合に
利子補給をしたい、我々の気持として七分五厘、今特融の造船が七分五厘にな
つておりますので、七分五厘
程度まで
利子補給をしたいということをここに書いておるほかに
考えております。
大蔵省に話すつもりでございます。それから十九、二十はこれは先ほどから出ました
災害の
利子補給のことでございます。
金融につきましては、
災害の
利子補給のほかに、今申上げました
基金関係の
利子補給、その他満期
保険に加入した
漁船建造資金の
利子補給というようなことを
考えております。
それから二十一番の
漁船損害補償でございますが、これは現在やつでおります
漁船保険で
普通保険と
特殊保険をや
つております。今度は、来年から我々
考えておりますのは、そのほかに乗組員の給与
保険、これはこれから今年中に実施になりますが、そのほかに満期
保険という新しい
保険を
一つやりたいというようなことを
考えております。
普通保険は二十トンまでの義務加入のものにつきまして今国庫が二分の一の
保険料の
補助をいたしておりますが、来
年度の
要求といたしましては二十トンを五十トン迄の船が義務加入します場合に
保険料の
補助金を出して行きたいというふうに
考えております。これは五十トンと申しますと大体以東底曳の大部分くらいの
ところまでが入
つて来まして、
漁船の相当部分がその恩典に浴せるような
段階まで行くのじやないかと思いますが、二十トンを五十トンまで引上げたいということを
考えております。それから満期
保険の加入者につきましても、我々としてましては先ほど言いましたような
利子補給のほかに、やはり何とかしてこれは任意に満期
保険に加入した人につきましても
保険料の
補助をや
つて行きたいというふうに
考えておるのでありますが、大蔵
当局としては任意加入の者に
保険料の
補助を出しますと、問題がいろいろあちこちありますので、義務加入というものに対して
保険料の
補助を出したいというようなことを
言つておりますので、我々としましては先ほど申上げましたような造船資金を借りる場合の
利子補給というようなほうが却
つて通りいいのじやないかというようなことで、新らしく追加してこれはや
つております。
保険は我々としましては是非何とか来
年度から満期
保険をや
つて保険制度を充実して行きたいというふうに
考えて、これは重点事項として交渉いたしております。
大体そのあとのほうは今年と同じような
考え方でございますが、金額がはつきりしておりますのは、二十八、二十九に金額が出ております。これは
北洋関係の
調査船に千トン級の新らしい船を造りたいというのが
一つと、それから二十九番のほうは以西にあります初鷹丸が、
大分船齢を超えておりますので、これの代船を建造したい。それから
レーダー等も備えたいというようなことで、金高は張
つております。
考え方はそう前と変
つておりません。アラフラ
あたりは先ほど申しましたような
関係で、
予算に通
つておりますので、当然できるというふうに
考えております。
それから三十四、三十五
あたりに新らしい構想が入
つております。三十四番目に新らしく入れましたのは、これは
水産研究所のほかの、
水産庁の研究部でいろいろな企画をいたしまして、それを
水産研究所、或いは県の
水産試験場等と協力して仕事をや
つて行くというものでございますが、この三十四番の中に新らしい構想としまして、対馬暖流の開発
調査というものをたしか七千五百万ばかり
予定しております。これは太平洋
方面は比較的従来
調査が、海流の
調査でありますとか、
資源調査が割合行届いていたのでありますが、長崎県
あたりからずつとかけまして、北海道に至ります
ところの大体
関係県二十県でございますが、
日本海の対馬暖流につきましては
調査が殆んどできておらんというような
関係にな
つております。ここに最近非常な漁獲がありますので、何とかこれを研究したいということで、五カ年
計画という
考えで、県の試験場も動員いたしまして対馬暖流の開発
調査というものを新らしく
考えております。それからそのほかに五百万ばかりありますが、
瀬戸内海の開発の研究費もそこに入れております。これはまあ御承知のように
瀬戸内海には
漁民が非常に多くて魚が減
つて来ておる。
資源も減
つて来ておるということにな
つておるのでありますが、我々としてはもう少しいろいろや
つてみますれば、増殖面のでありますとか、かきとか、そういうような増殖面でまだまだ開発すべき
ところがあるのではないかということで、これも
関係のたしか十一県でありましたか、共同で
調査をしようというようなことで、ここに新らしい
予算を計上いたしております。それから海況、漁況の通報をやろうということで、主に太平洋の、これはさんまとかつお、まぐろでございますが、これも東北の数県が
中心になりまして、海況なり漁況を、ラジオその他を使いまして通報を行い、大体どの辺に行
つたらどのくらい獲れるだろうというような予報までもやろうというような
予算を組んでおります。まあ研究部の
考え方としましては、何とかしてこの
水産のあり方をもう少し
計画的なものにしておく必要があるというので、まあ現在の研究報
程度ぐらいまで、何とか漁況なり何なりの予想ができる
ところまで持
つて行きたいというような
考え方で、いろいろこの
予算は組まれてあります。
それから三十五番目は、改良普及の
関係でございますが、これは農業なり林業には改良普及員というものがありましてや
つておるのでありますが、
水産は現在までございません。それでちよつと農業のほうと違いまして、なかなか指導と言いましても、非常に
水産におきましてはむずかしい問題が多い
関係で、今までなか
つたのでありますが、我々の
考え方としましては、本当に指導できるというようなことは、養殖、増殖
関係でございますが、というようなことは、これは比較的、農業に比較して、
水産の技術者としても自信を持
つて改良普及の仕事をや
つて行ける。それからもう一点
漁船の機関の問題或いは電気の問題、そういう機関
関係等についても、これは農業と同じような
考えで、技術の普及ができるのじやないかということを
考えまして、人は県に
補助職員を置くという
考えで、やることは大体増殖
関係、それから
漁船の指導をや
つて行くというような人を置こうということを
考えております。そうして
一般の
漁業につきましては、これは人を置いて指導をして行くということもなかなかむずかしい問題がありますので、
水産試験場を
中心にしまして、魚探とか、そういうようなものを、
漁業組合の中のまあ篤志家、農業で行けば篤農家でありますが、そういう人を
中心にしまして、そういう所に新らしい施設を貸してい
つて、そうしてその人を
中心にして新らしい技術や何かを普及して行くとか、まあ経費の
節約を図るというようなことを、物的施設を通してや
つて行
つたらどうであろうかという
考え方で、
一般の漁携につきましては、いわゆる指導改良普及員というものは
考えませんで、施設を
中心に、県の施設を
中心に
補助をして行
つたらどうかということを
考えております。これはまあ新らしい構想です。金額が去年と殆んど同じにな
つておりますが、実は今年の、二十七
年度の三千七百万のうち三千万はこれは海草の高度利用の
補助金でございまして、現在は殆んど改良普及
関係はない、ゼロとい
つても言いのであります。それを来年は海草の高度利用というほうは企業合理化のほうの
予算に持
つて行きまして、四千八百万円は全部改良普及員
関係の金として使
つて行きたい。これはまあ年次
計画で全部で千人にはなりませんでしたが六、七百人ぐらいでありましたが、それぞれれらいの
ところまで人を持
つて行けばいいではないか。あとは物的施設、農業や何かと違いまして物的施設の
補助をや
つてそれを
中心に漁撈
関係の指導をして行くということを
考えております。大体これは試験場を
中心にしてや
つて行こうという
考えであります。
それから
水産研究所でございますが、これも従来や
つておりませんでしたさばの研究とか、いわしその他はや
つておるのでありますが、従来なか
つたさばの研究をやりますとか、或いは
調査船を十四隻ばかりこれは持
つておりますが、非常に古くなりた船が多いので、それを造り代えて行くというようなことで、金額を殖やしております。我々としましては、この三十四、三十五、三十六というものは、研究
関係の大きな
項目として、これもいろいろ
水産の重点
予算の事項として各
方面にこれは話しております。
それからあとは公共
事業で、先ほど話が出ました
漁港の問題でございますが、これは何とか
整備計画も切上げまして、早く竣功したい。今
年度新規にやりました所はたしか八十五、六港や
つたのでありますが、来年は百四、五十港くらい新規なものを竣功して行きたいということで、今年の三倍
足らずのものを
要求しております。これにつきましてはまあ超重点といいますか、相当皆様の御協力を得まして何とか
努力をしたいと
考えております。
それから特別会計はこれは
一般会計から繰入れましたり何かしたものの運用でございまして、別に申すことはございません。
それから平衡交付金は、これは自治庁の
予算に含まるべきものの中にこういうものがありますということを念のために書いてあるようなものでございます。
大体非常な大ざつぱな
説明で恐縮でございますが、何か御
質問がございましたら御
説明申上げます。