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1952-12-03 第15回国会 参議院 人事委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月三日(水曜日)    午前十時三十九分開会   —————————————   委員異動 十一月二十六日委員三浦辰雄辞任に つき、その補欠として高瀬荘太郎君を 議長において指名した。本日委員山縣 勝見君及び森崎隆辞任につき、その 補欠として北村一男君及び高田なほ子 君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     門田 定藏君    理事            カニエ邦彦君    委員            北村 一男君            溝口 三郎君            高田なほ子君            千葉  信君            紅露 みつ君   衆議院議員            有田 二郎君   政府委員    内閣官房長官 菅野 義丸君    人事院事務総局    給与局長    滝本 忠男君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般職職員等俸給支給方法の  臨時特例に関する法律案衆議院提  出) ○国家公務員給与問題に関する調査  の件  (石炭手当に関する件)   —————————————
  2. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 只今より人事委員会を開きます。  会議に先立ちまして、本日委員異動がありましたので、新委員を御紹介申上げます。  森崎隆君に代りまして高田なほ子君、山縣勝見君に代りまして北村一男君であります。
  3. 高田なほ子

    高田なほ子君 どうぞよろしくお願いいたします。   —————————————
  4. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 本日の議題一般職職員等俸給支給方法臨時特例に関する法律案及び石炭手当に関する件であります。一般職職員等俸給支給方法臨時特例に関する法律案衆議院提出でありますので、衆議院より有田二郎君が出席されております。先ず同君より提案理由の御説明を求めます。
  5. 有田二郎

    衆議院議員有田二郎君) 只今議題となりました一般職職員等俸給支給方法臨時特例に関する法律案提案理由並びにその内容の大略を御説明申上げます。  御承知通り現行一般職職員給与に関する法律では、俸給支給方法は月二回払となつております。特別職職員の場合におきましても、大体一般職職員の例に倣い、又はこれを準用しておるのでございます。このたび公務員諸君家計支出現状並びに諸般実情に鑑み、本年十二月分に限りこれを一回払いとし、十二月の上旬に支給する必要を認め、ここに本法案を提出いたした次第でございます。  本法律案は去る十一月二十九日全会一致を以て衆議院会議を通過いたしたのであります。  何とぞ御賛同をお願いいたします。
  6. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 本法律案に対し質疑のあるかたは順次御発言を願います。
  7. 千葉信

    千葉信君 提案者にお尋ねいたしますが、この法律提案についての趣旨はよく了解いたしましたが、ただ一点として、第一条の「一般職職員給与に関する法律適用を受ける一般職に属する職員の」という点についてですが、御承知通り今の給与法の第九条の二項で、給与支給日等については人事院規則できめることになつているわけであります。給与法精神から見ましても、公務員法等精神からいいましても、御承知通り給与支給等については、実施官庁としての人事院権限なり責任というものは明確になつているわけでありますが、今申上げた第九条の第二項等に関連する支給日等の点について、人事院規則でこれをきめておりますが、その点についての関連はどういうふうに処理されるおつもりであるか、この点を承わつておきます。
  8. 有田二郎

    衆議院議員有田二郎君) 人事院総裁からの意見書として、第九条に「俸給は、月の一日から十五日まで及び月の十六日から末日までの各期間につき、俸給月額の半額を支給する。但し、必要があると認められる場合には、期間を分けないで月一回にその全額を支給することができる。」とあります。特にこの問題は参議院人事委員会からお申入が二十八日にありましたので、衆議院人事委員会としては、もう日にちが切迫いたしておりまするし、十二月の一日に払いたいという参議院人事委員会皆さんの御趣旨を体しまして、政府当局と話し合をいたしました結果、それでは十二月一日に一括して出すようにいたしましたよう、こういう政府協力を得まして、立法措置をとりましたところが、参議院におかれまして、十二月の一日は本会議が開かれないというので、慌てて本案にあるように十二月上旬、こういうことにいたしたのであります。実は衆議院の本会議が十一月の二十九日で終りまして、当分ありませんので、折角の十二月一日という参議院人事委員会の御趣旨にもとりますようなことがあつてはならないと思いまして、大急ぎでこういう手配をいたしましたので、諸般事情をお酌み取り下さいまして、一つ法案を通過さして頂きたいと思う次第であります。
  9. 千葉信

    千葉信君 私のお尋ねしている主要なる点は、給与支給等については、その支給日等の決定を含んで人事院実施機関としての権限を持つておるわけです。そちらのほうとの了解なり、話合はどういうふうにされておるか。それから又この第九条の第二項に関連する点については、提案者のほうではどういうふうにお考えになつておりますか。
  10. 有田二郎

    衆議院議員有田二郎君) 人事院給与局長に先に答弁させて頂きたいと存じます。
  11. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 只今の点でございまするが、一般職給与法によりますれば、その俸給支給日等につきまして、人事院規則でこれを定めることになつております。俸給支給日というような問題は、非常に俸給支払に関しまして重要な問題でございまするので、やはり給与行政一つの大切な項目といたしまして、この点を慎重に扱わなければならんというふうに考えておるのであります。ただ今回衆議院から提案されました一般職職員等俸給支給方法臨時特例に関する法律案というものは、これは緊急の場合でございまして、特に二十七年度十二月分の給与だけにつきまして、できるだけ早い機会支払をしたい、こういう御趣旨であろうというふうに思うのでございます。参議院でやはり同様のお考えがあつたわけでございまするが、この本年一回限りの臨時特例でございまするし、それから又この特例精神から申しますると、これはできるだけ早い機会支払われるということが好ましいのであるというように考えます。ちなみにこの第一条の、一般職職員給与に関する法律適用を受ける職員の問題でございまするが、第二条になつて参りますると、保安庁職員給与法関係でございます。第一条関係で申しますればこれは人事院規則ということで支給日等の問題が起つて来るわけであります。第二条のほうになりますれば、これは政令の問題になつて参ります。いずれにいたしましても、この両者の場合に、趣旨は緊急にでき得る限り早い機会支払うということだろうというふうに考えまして、特にこの法律案をお作りになりますときに、人事院にもお話があつたのでございます。今回、そういう人事院規則というものがこの法律面に現われないということに関しましては、法律の立案の趣旨に鑑みまして、人事院は了といたした次第でございます。なお人事院といたしましては、こういう法律案が通過いたしました際に、公務員一般の者が一日も早くこの給与支給が受けられますように、特段の措置を講じたいと思いまして、各省庁に宛てまして、こういう法律通つたならば、できるだけ速やかな機会に、この給与支払ができるようにされたいという通牒を出す予定でございます。
  12. 千葉信

    千葉信君 私の質問している意味をいささか感違いされて答弁されているようでありまするが、私はこの質問をしているのは、単にそういう御答弁のあつた点をお聞きしたいためにお尋ねしているのではなくて、例えば給与の繰上げ支給等の問題についても、或いは人事院実施官庁としての立場においても、或いは又公務員利益を擁護するという立場に立つている人事院立場からつつても、本来ならば、この問題については人事院はもつと積極的な立場に立たなければならないはずだと思うのです。そういう事実を私は聞いておりません。人事院がそういう立場に立つて行動されたという事実を聞いておりません。而も今度提案されたこの法律を見ますと、人事院のほうでは、給与支給期日等については、法律提案趣旨を十分了解したから、給与実施官庁としての人事院が、給与支給期日等について、あえてこの法律案にその点が明確にならなくとも、自分としては提案趣旨に鑑みて了解しておるのだ、こういう御答弁でありますが、私のお尋ねしているのは、そういう人事院態度自体が腑に落ちないのです。まあ積極的の態度をとつた、とらないの問題は別にしても、やはり人事院としては、こういう公務員利益を擁護するという問題について、もつと積極的な立場に立つて行動される必要があると思うし、従つて又こういう法律提案された場合に、人事院立場からこの問題に対する人事院見解というものを十分にお話して、そうして了解を得る、若しくは提案者のほうで人事院のそういう立場了解して、人事院のほうに事前に、給与支給期日等について、もつと明確な話合いなり若しくは了解なりが立つていなければならないと思う。単にこれが法律の上に人事院規則云々の条項が盛られなかつた程度の問題ではなくて、やはり一番大事な人事院のあり方の問題、人事院がどういう立場公務員利益を擁護する立場をとるか、それから又従つてそういう人事院立場というものを、少くとも給与法を、特例であつて給与法の改編を、或る程度事実上、そういうような問題を取上げる場合には、事前にそういう問題について慎重な考慮なり或いは又連絡なりをされる必要があつたと思うのです。その点については、いささか今の御答弁では、提案者のほうでも、積極的な御答弁も、それから行動もなかつたようでありますが、この点は少し遺憾に思うのです。その点について提案者のほうからどういうふうに人事院との話をつけられたか、その点を伺いたいと思います。
  13. 有田二郎

    衆議院議員有田二郎君) 私が今申上げましたように、大体この話は参議院人事委員会から出て来たわけであります。参りましたのが二十八日の午前中でありまして、そこで政府当局と折衝し、人事院と折衝して、できるものなら参議院人事委員会皆さんの御趣旨、誠に結構であるから我々も同調したい、併し今参議院から法案が廻つて来るのを待つてつたのでは、十二月一日には間に合わない、折角の十二月一日に一括出してやりたいという御趣旨に我々も賛成である、決して手柄を衆議院に取るというような、さような気持で我々はやつたのではないのであつて参議院人事委員会に我々は同調しよう、同調して十二月一日に金が出せるようにするためには、二十八日は一日かかりまして、衆議院法制局も十二時近くまでかかりまして、ようやつと法案を作りました。ところが参議院は十二月三日の水曜日でなければ本会議が開かれないというので、又途中で十二月上旬と法案を変えた次第でございまして、そういう深い慮りがあつたのではないのでありまして、正直に私は実情を申上げておるわけで、何とぞ一つ賛同をお願いいたしたいと思います。
  14. 千葉信

    千葉信君 衆議院のかたがたが非常に熱心におやりになられたことについては、私も敬意を表するものでありますが、ただもう一点、それではお尋ねしたいのは、御承知通り衆議院のほうはこの法案は二十九日に本会議を通過したのです。私どものほうでは今日この委員会で多分採決になるでありましよう。そうして今日更に本会議に上程ということになるわけでありまして、私ども立場としては、一般事態の真相を知らないために、何か衆議院のほうで二十九日に上つたのに、参議院のほうは三日までこの法案を掴み放しにしておつたような印象を与える虞れがなきにしもあらずです。そこで私のほうとして、この際一応はつきりさしておきたいことは、この法案を、例えばこの問題を処理する場合に、私ども一番真先に心配いたしましたことは、一体、当時十一月の二十七日頃でありましたが、この法案が若し仮に参議院で十一月の二十八日とか、或いは衆議院でも十一月二十九日というふうな日に、両院ともこの法案が通過した場合に、実際上公務員の手に給与の入る時期、つまり確実に支給できる時期というのは、この法律案通り一括支給を行える時期というのは、いつかということをいろいろ検討したのですが、実際上は仮に二十九日にこの法律が国会を通過しても、十二月の三日頃まではどうしてもかかる。そうして又実情は一日、二日、三日と給与支払いになつておりますので、まあ従つて最終の十二月三日程度でなければ、一括支給ということは事実上困難だという、そういう条件があるということが判明いたしましたので、そこで私は今日の本会議参議院が上げることができれば、事実上これは公務員に対して不利益を与えるようなことにならないという見解で、今日まで来たわけです。衆議院のほうではこういう点について御考慮の上で、若くは又十分にお考えの上で、この法案を処理なされたかどうかお伺いいたします。
  15. 有田二郎

    衆議院議員有田二郎君) 先刻も申上げたように、大体これは衆議院側考えたことではないのでありまして、参議院人事委員会皆さんがお考えなつたことに、衆議院賛同いたしたのでありますので、一日も早く支給したいという参議院人事委員会の御趣旨に沿いまして、こういう方向をとつたものでありまして、全く参議院の十二月三日になりました事情につきましては我々も同感であります。ただ衆議院が邪魔にならないように行動して来た点を一つ御了承願いまして、御賛同を賜りたいと思うのであります。
  16. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 大体今の千葉君の要点は、人事院在り方というものから考えて、人事院も、衆議院がかような法律案議員立法として出すまでに、もう少し公務員に対して現下の事情考えて、公務員立場を擁護するという人事院であれば、それらしくもつと考えたらどうか。こういう点と、それから衆議院のほうにおかれても、一応やはり人事院権限なり現在の在り方というものに対して十二分に尊重して、人事院をして健全な公務員の擁護の機関たらしめるようにやつてもらいたいと、こういうことに尽きるのじやないかと思うのであります。で、一つこの点は衆議院のほうを代表して有田さんもお見えになつておるんですから、一つ今後とも衆議院としても、そういう今千葉君の言つた点をですね。いろいろ法案等審議、或いは議員立法に対しましても十二分にお考え願いたいと思う。同時に人事院に対しても、もう少し親切に議員立法でかような措置をするまでに、人事院がもう少し考えておらにやいかんじやないか、こういう点であろうと思うので、その点は十二分にお考え願いたいと思う。私もかように思います。
  17. 有田二郎

    衆議院議員有田二郎君) カニエ委員のおつしやる通り御尤もであります。これは非常に急ぎましたので、その間非常に手落ちがあると思いますけれども参議院のあなたがたの御意嚮を、衆議院人事委員会が各党一致して御賛同申上げて、政府なり或いは人事院なり、或いは私共としましては、参議院の自由党の政調会なりに折衝し、又野党の皆さんも、それぞれ参議院皆さんと折衝して、ここへ持つてつたような次第でありまして、まあ手落ちのところはたくさんあろうと思いますが、一日も早く支給したい、こういう精神に則つてやりました。この点も御賛同願いまして、御協力を願いたいと思う次第であります。
  18. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは大体この法律案はですね。まあ質疑と申しましても、今千葉君の言つた二点が大体質疑というよりは、むしろ我々委員会としての要望を纏めて千葉君が言つただけのことでありますから、その点さえ十二分に衆議院さんのほうでもお考えを今後いたされまして、なお今回の法律案については、衆議院のほうでも我々の意のあるところをお汲みになつて、骨折つて頂いたのでありますから、この点、多といたします。  なおこれに対する質疑はもう他の議員もあるようでございませんから、質疑はこの程度にいたしまして採決に入りたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  19. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 門田定藏

    委員長門田定藏君) それでは質疑は終局したものと認めます。  続いて討論に入ります。御意見のあるかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  21. 千葉信

    千葉信君 私は本法案に対して賛成いたします。特に十二月分の給与の繰上げ一括支給という問題については、全体の公務員諸君からも非常に熾烈な要求のあつた問題でございまして、この問題はこの法案によつて解決をされると考えまして、私は欣快に堪えない次第であります。併し、ただ私ども参議院議員としても、それから又参議院人事委員会委員としても、その立場から一言、この問題に当つて事態を明らかにし、釈明をしておかなければならないことがありまするから、それを申上げて、そうして双手を挙げて賛成するものであります。  御承知通り、十二月二日付の参議院の公報にも、議案という項目のところに、先月の二十七日に、私ほか四名の発議で、只今提案になつておりまするこの法案と実質的には内容の変らない法律案提案されております。そうして衆議院のほうがこの案件提案審議をするに際して、私どものほうから潔くこの法案を撤回いたしております。ところで、こういう一つの曲折を経ました理由について、恐らく国民諸君、或いは公務員諸君は不可解な気持をお持ちになると思いますが、私どももこの議案の撤回に至る経緯については、いささか不可解なものを感じているわけでございます。御承知通り衆議院参議院両院があつて、一方の議院に対して提案せられておる案件と同一の内容を有する法律案が、他の一院から提案せられるということについては、私は徳義上あり得るべからざることと考えております。又従つて、一度提案せられたものに対する、その議案に対する権威というか、若しくはその権威に対する尊重というか、こういうことはお互い議院としては当然これはとらなければならない態度だと思うのです。併しそれが事実上こういう事態に陥つた、今日の事態に陥つたということについては、これはこういう問題、特に政争の具に供せられてはならない問題が、いささか政争の具に供されたかのような感銘を、若しも公務員諸君に与えたとしたら、これは我々議員として、お互いにこういう問題の扱いについては十分慎重な態度をとらなければならないと思う。先ほどの質疑で明らかになりましたところによりますると、例えば、参議院の本会議の開催の期日とか、或いは給与支給日が十二月の一日であるというお考の上に立つて取急がれたというのでありまするから、事実は質疑の中でも明らかになりましたように、実際に給与が、この法律の成立によつて支給される最も近い期日というのが十二月の三日でございまして、従つてそういう面から言いますると、私ども両院関係において、この問題を考えました場合に、もう少しこの問題についてはお互いに反省の余地のあつたやり方がなかつたかというふうに考えざるを得ないわけでございまして、まして実際の支給期日等について、何らの支障を起すことのなかつたはずの見通しまで立てて扱つていたという点から見ますると、なお更この問題は強調されなくてはならない点だと思う。本来ならば、当然これは国民諸君が、或いは又公務員諸君が、これに対して不可解な印象というか、或いは何らかの臆測を持つようなことを避ける立場から、本法案参議院の本会議に上程された場合に、以上申上げたような点等について、明らかに討論の中でこの問題を闡明する必要があると考えたのでありまするが、それではいささか大袈裟過ぎるという印象も生じない限りではありませんので、私としては、この委員会における以上の討論によつて参議院立場から、従来の経過の一端を以上の討論の中で明らかにする意味で、私はこれを本会議で申上げることを遠慮するつもりでございます。  以上の点を明らかにして、私は本法案に対して賛成いたします。
  22. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今千葉君から縷々述べられた通り、そういう重要な給与のこういう問題が政略的に用いられるということは遺憾である。併しながら、この点は衆議院有田君よりも、これはもう縷々御説明があつて事態は一応委員会としては了解してもいいじやないか、こう思います。ただ私は先ほど千葉君が言つたように、こういうような公務員現状は、我々だけでなく、一般国民も又人事院もよく知つておる筈なんで、こういつたような現状で、而もべースアツプの分も早晩十二月に追つかけ入つて来るのでありますから、だから公務員懐ろが、生活がもう行詰つて、につちもさつちもならないという現状にあるのですから、だからこれは議員立法として、やはりその前に人事院みずから、とうにこういう前の繰上支給を終えた途端に、次の繰上支給考えて、そうして立法措置をしなければならんというのは、これは当然じやないか、この点については非常に遺憾に思うわけです。併し衆議院さんのほうにおいても又人事院のほうにおいても、今後十二分にかようなことのないように一つ注意をするというような趣きもあるのでありますから、この点は一つ十二分にやつて頂きたい。なおこの問題は、もう首を長くして全国の公務員諸君が一日も早からんことを待つておるのですから、我々としてもいろいろ議論はあるのですが、議論は一応このくらいにいたしまして速やかに本会議において可決されるようにいたしたい、かような意味において賛成をいたします。
  23. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 他に御意見はありませんか。……それでは他に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。一般職職員等俸給支給方法臨時特例に関する法律案について採決いたします。本法律案を原案通り可決することに賛成のおかたは挙手を願います。    〔賛成者挙手
  25. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 全会一致でございます。よつて法律案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答要旨討論要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 千葉信

    千葉信君 委員長に一任することに異議はありませんが、ただ注文があります。それは只今質疑なり、或いは討論の中にもありましたように、この法案に対する参議院の従来の態度なり、それから衆議院参議院との関連におけるこの法案の取扱いの態度等について、質疑なり討論によつて明確になりました事項については、参議院権威のために、積極的に行動した参議院立場の上から言つても、その点を委員長報告において明確にされんことの希望を付して私は御一任申上げます。
  27. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 了解いたしました。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長議院に提出する報告には、多数意見者署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは、順次御署名を願います。   多数意見者署名     カニエ邦彦  北村 一男     溝口 三郎  高田なほ子     千葉  信  紅露 みつ   ━━━━━━━━━━━━━
  28. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 次に石炭手当に関する件を議題といたします。  内閣より菅野長官が御出席になつております。御質疑のあるかたはお願いいたします。
  29. 千葉信

    千葉信君 菅野さんにお尋ね申上げますが、本年八月石炭手当支給されてからのち、いろいろと支給金額の点等について、公務員諸君から政府に対しての要望があつたわけでありますし、又私どもとしても、この問題については従来しばしば政府話合をして参つたのでありますが、そろそろ北海道の各地の状態を見ますと、もう積雪一尺を超えて、而も零下二十度というような、完全に冬期の生活に突入しておるわけでありまして、一方においては石炭事情等も諸般事情から可なり逼迫を告げておるようでありますから、この際一つ政府としてもこの問題に対して善処せられたいと思いまするが、政府のこれに対する御方針をこの際承わりたいと思います。
  30. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) お答えいたします。本年の石炭手当の単価は一トン六千百円にきめまして、八月に支給をいたしたのでございまして、そのことが本院におきましてもいろいろ御質疑がありました場合に、政府といたしまして、その後の単価の傾向等を見まして、できるだけの考慮を払いたいという旨をお答え申上げておつたのでございます。その後北海道におきますところの石炭の値段をずつと見て参りますると、大体五月頃から九月頃までの様子ではむしろ横這いで、値上りの傾向は見られなかつたのでございます。従いまして歳末におきまして、石炭の単価を上げるというふうなことは、一応考えられないような状態であつたのでございます。然るところ、御承知のように石炭の関係の労働者と使用者との間に、不幸にも争議が起つておりまして、それが非常に長引いておるような状態でございます。一応九月頃までは横這い、或いは多少の下廻り傾向でありましたので、北海道における公務員も別に石炭を買急ぐというような様子はなかつたのでございますが、その後炭労の争議のために、而もそれが長びく予想のために、単価が次第に上つて参りまして、十月の実際に石炭が要る頃になりますと、先の品物薄を見通して単価も上昇しかけたのでございます。そういうような現状を見まして、而も北海道におきましては、石炭は主食に次いでの必需品でありまして、これなくしては生活ができないという状態も充分に考慮いたしまして、政府は何とか単価の値上げをいたしたいと考えております。  併しながら補正予算におきましては、本年の八月にきめました六千百円を基準としておりまするので、大幅な値上げは到底できないのでございまして、補正予算が通りまして、予算の運用上でできるだけの余裕を作つて、一トン当りの単価を多少なりとも上げて支給をいたしたい、かように考えております。従いまして金額等をはつきり申上げる段階ではございませんが、今のところ概算の見通しで申上げますると、本年の単価が六千百円でございまするが、それを六千四百円程度までに上げたい、こういうつもりで目下検討中でございます。この辺ぐらいまでならば、何とか各庁の予算のやり繰りでできるじやないかという見通しをつけて、数字を検討しておる次第でございます。併しながらまだ補正予算も実は審議中でございますので、勿論この補正予算が通つたらという条件でございまするので御了承をお願いたいと思います。
  31. 千葉信

    千葉信君 この問題については非常に菅野長官が御努力されたことを承わつておりますが、この上とも一つ北海道の彼らの生活の実情から鑑みて、できるだけ善処されることを要望いたしまして、私は以上で質問を終ります。
  32. 門田定藏

    委員長門田定藏君) 他に御発言がなければ、本日はこれで閉会いたします。    午後十一時十九分散会    —————・—————