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堂森芳夫君 先般来当
委員会で
保険の
診療監査の問題が取上げられておるのでありますが、丁度ほかの
委員会に出席しておりまして、実は
審議の
経適を余り知りませんが、問題はやはり
社会保険の
診療の
制度と申しますか、その
報酬の問題とか、いろいろな点にこれは大きな
関係がある問題だと思います。例えば、
厚生省に
医療制度というものを一体どうするかというような
根本問題にも全然
定見がないというようなところに
根本の原因があると思います。例えば、
厚年病院というものをお建てになる。それは
病院のできることは非常にいいことでありまするが、併しその
内容を見ますると、
赤字になる、
赤字は何とか補充して行かなければならん。これは
言葉を換えて言いますると、
個人の
開業医ではや
つて行けない。併し国費その他で補助する組織なら
病院も立
つて行くというところに私はやはり
社会保険の
診療費というものに大きな無理があると思う。例えば、細かいことですが、一回
往診に行くと五十円、今日
大学を出て五年も十年も
研究室におつた立派な
医者が五十円で、雨の中を傘をさしてとぼとぼと
往診に歩く、これは非常に馬鹿な話であります。そういうような
診療の
報酬一つ見ましても、今日子供でも五十円では使いに行きません。而も、立派な
医者が五十円の
往診で歩かなければならない。これは非常に大きな矛盾だと思います。或いは又
単価の問題、或いは
点数の問題、そういうものが全然物価の
値上り、いろいろな諸
経費の上昇、こういうものと睨み合せた妥当な
報酬にな
つていない。そういうところに、
医者としては
個人の経営といいますものに無理がある。そういう無理があるから
保険医が不正をしてよいと、こういうわけでは私はないのですが、そういう
意味で
社会保険によ
つて診療しておる
医師たちに非常にしわ寄せが来ておる。いわば国の
医療制度、或いは
社会保険制度、いろいろなものの不
定見と言いますか、そういう至らない点が、結局数万の
開業医、そういうものによ
つて、犠牲において五十円の
往診料で飛んで歩く、初診料が四十円、全くそれは一体どういうことかというようなひどい
報酬しか現在
医者には払
つていない、こういうところに私は
根本の我々が
考えなければな
らん点があると思います。私の県ではこういう経験がございました。昨年も
県立病院で
社会保健の
患者だけは、
単価の
値上りがあつたけれ
ども一つこれは
特別契約で十円とか十一円にしてくれ。その
代り足らん分は
県費で補助するということで、こういうわけで非常に
県会で問題になりまして、なるほど
県立病院は
県費で償うから
赤字にならない。じや
開業医は一体どうするか。
開業医にできないことを
県立病院だからできる。そういう頭の
考え方が大体
地方においても
民政部長、或いは県のそういうような
方面における
人たちの頭がそうなんです。結局
開業医というものは
往診料まで
言つてなんですが、五十円の
往診料で雨の中、雪の中も行かなければならん。こういう無理な
一つの
診療方針の体系が立てられておる、こういう点に無理があると思いますから、こういう点に対する重大な
厚生当局は考慮をして、そうしてそういうふうな無理がないように、無理を押しつけておいて検査だけは警察のように、而も
厚生省から来た
役人が人の
診療所に黙
つて入
つて来て挨拶もせずに、おいごら、と
言つて人の
診療所を探す、まるでギャングみたいなそういう
役人をあなたがたが雇
つておいて
地方に派遣するということは、一体どういうことかということかということが言えると思います。そういうことで
局長は一点
単価の問題、或いは
点数の問題、いろいろな問題に対して或いは
社会保険のいろいろな
病院のシステムをあなたがた持
つて行ごうとするのですか、そういう問題、大きく、広く
社会保険に関するいろいろな
行政をどういうふうにして行くかという
根本的な問題を
一つお尋ねしてみたいと思います。御
答弁を願います。