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説明員(
太宰博邦君) これは保母さんと助手を設けることにいたしました。その保母さんと助手との人件費の三分の一を見て上げるということです。二人分の人件費です。
それから百五十四番の児童の環境改善に必要な
経費一億三千十二万六千円、これは新規
要求になります。
内容を申上げますと、児童遊園地でございます。いろいろ児童の環境改善を
考えて見たのでありますが、やはり一番今適切だと思われるのは、子供に健全なる遊び場所を与えてやること、それは実を申しますと、これは建設省のほうで都市
計画の一環として毎年そこばくのものを作
つてもら
つておるのでありますが、如何にも間に合いませんので、これを
厚生省のほうから
要求する。大体人口十一万以上の都市に、約五十六ヵ所ありますが、個所数として百七十八ヵ所ほどを設けたいというので
要求してございます。児童局といたしましては大体そういうような程度でございます。
それから
保険局に入りましてずつと行きまして百六十五番、百六十五番の
社会保険の国庫負担、それから百六十六番の健康保険組合の
補助、百六十七番の
国民健康保険の助成、この三つが主でございまするが、これはやはり社会保障
経費のほうで細かくございますので、それで申上げたらいいと存じますので、社会保障
経費の一番最初をめく
つて頂きますると一、
社会保険というのが冒頭に出ております。その次の(1)
厚生保険、これは
厚生保険特別会計
関係でございます。(イ)(ロ)(ハ)とございますが、この
内容といたしましては
結核療養所をやはり保険のほうで
整備する。
先ほど申上げた
結核対策の中で
社会保険関係の分が四千床ございます。その中の
政府管掌の健康保険では千七百床を増床したい、これの
整備費。それから(ロ)の健康保険
事務費、前年度から十分の十国庫負担にな
つております。それから(ハ)の健康保険給付費、これが給付費に対しまする国庫負担十分の二の割合で
要求してございます。それから次にめく
つて頂きますと、年金保険の
事務費は十分の十でございますが、年金保険の給付費は、現在
一般の養老その他については
一般人と坑内夫と二色に分けまして、
一般のほうは国庫負担が十分の一でございますが、それをやはり十分の二にしたい、こういう
経費であります。それから船員保険では、(イ)に
結核の療養所
整備費がやはり二百床ほど出ております。それから船員保険の給付費の中で疾病保険
関係が健保と同様十分の二国庫負担新規
要求でございます。あとは変りございません。それから三番目、(3)健康保険組合、これは
補助金になりますが、これは
政府管掌と同様、やはり
結核療養所の
整備関係二千百床分、それから
事務費は十分の十国庫負担にな
つております。保険給付が新規で十分の二国庫負担を
要求しております。それから
国民健康保険補助、これは(ロ)の
保険者補助というところを見て頂きますと、
事務費の
補助はこれはもう同様十分の十でございますが、そこの(4)、給付費
補助、これが新規
要求になりまして、十分の二の国庫
補助になります。それから直営診療所建設費、これは前年も四億円入
つている
経費でありますが、約十億ほど又新たに
要求してございます。それから(ハ)は振興奨励交付金、これは二十七年度から新たにできました制度でありまして、保険料の徴収を促進するための奨励交付金でございまして、それに対しまする金額前年度四億に対しまして、明年度はその条件を緩和してもう少し広い範囲の
国民保険にも及ぶようにしてもらいたいというような意味合いも含めまして十二億二千九百万円、それから再建
整備貸付金は、これも再建
整備資金貸付法に基きまして、やはり保険料の未収がありますために
赤字が出た組合に対する貸付の制度でありまするが、それの条件をやはり前年度よりも緩和してもらいたいという
要望を含めまして、前年の四億から十五億へこれをふくらまして
要求してございます。それから(ホ)は前年同様ですが、(ヘ)直営診療所の災害復旧の
補助、これはやはり直営診療所が災害にかかりました際に、国のほうで
補助してもらいたいという
要望が熾烈なるものがございますので、それを新たに二分の一計上。それから(ト)のほうは国保の災害特別貸付金、これは先般の鳥取の火災の際にも起つた問題でありまして、火災が起ります、そうしますと
国民保険の被
保険者が烏有に帰します。税のほうは免税等の
措置がとられておりまするので、
国民保険につきましても保険料乃至保険税を勘弁してもらいたい、そういうことになりますると、
国民保険を運営する財源がなくなるわけであります。それでそういう場合に特別貸付の途を国から開いてもらいたいということで、明年度におきまして新たにこれを
要求した次第であります。大体以上がこの
社会保険に関します国庫負担、或いは国庫の助成の
経費の主なものでございます。
次に事項別のほうに戻りまして
引揚援護庁、明年度から内局になりますので引揚援護局と出てございます。この中で百六十九番、旧
軍人戦傷病者及び戦没者遺家族等の援護に必要な
経費、これが前年度百七十五億というものから若干減りまして百五十九億にな
つておりますが、これは
遺族年金及び
障害年金でございまして、これは
只今軍人恩給の復活に関する答申が先般ございまして、これに対する
政府の態度がきま
つておりません。一応現行のままで
要求いたしまするとかような数字になるという意味合で出したのでございます。これは明年度
予算が
政府部内で固まりますときには形が少し変るものじやないかという予想もございます。それから百七十番の引揚援護局の事業に必要な
経費、大体明年度は引揚人員を約三万人と
考えてそれを基礎にいたしまして必要なる緊急援護、或いは引揚に対する促進及び留守家族援護の愛護運動に対する
補助金、それから引揚者の無縁故者に対する住宅の建設或いは今兵舎に入
つておりますものを疎開させまするための疎開住宅、こういうものの建設に要する
経費等がこの中に含まれてございます。それから百七十一番の留守家族等援護に必要な
経費二十五億三千四百四十二万円、
内容は未復員者
給与法に基く
給与費と特別未
帰還者給与法に基く
給与でございますが、このうち特別未
帰還者給与費につきましては、これも
一般の未帰還者の留守家族に対しても何らかの援護の
措置を講ずべきじやないかという意向も現在ありまするので、或いは明年度
予算が固まりますまでの間には若干の変更があるかも知れんと一応思われます。
それから百七十二番、外地遺骨遺体の
処理に必要な
経費、これは太平洋の諸島方面或いはビルマ方面でまだ戦野に遺骨として泣いております分があります。そういう霊を調査いたしまして、或いは現地で慰霊をする、或いは遺骨、遺品などを持ち帰りますそういう調査、或いは慰霊を行うための費用でございます。それから百七十三番、沖縄在籍者にかかわる
給与、復員
処理に必要な
経費、これは沖縄に在籍にしておりまする未復員者につきましては、今まで調査して
給与するだけの段階に至
つておらなか
つたのでありますが、漸く独立と共にこの
経費を計上してこの人たちにも
給与の手を伸ばしたいという、こういう
経費であります。百七十四番の
遺族貸付金に必要な
経費二十三億一千七百万円、これは例の
弔慰金の公債を、五万円乃至三万円の公債を担保にしまして、九割まで貸付けるという
経費でございますが、実は或いはこれは
大蔵省所管で、やはり
国民金融公庫あたりの
出資という形になるかと思いますが、その口火を一応我々の
厚生省のほうで切
つておきたい、こういうことでこれを
要求したわけであります。百七十五番の更生
資金貸付は、前々年度まで入
つておりましたが、二十七年度に落ちております。明年度はこれをやはり二億ほど
要求いたしておるのであります。
次に附属機関のほうに入りますが、これは格別申上げるものは少いようであります。ただ百七十九番の国立予防衛生研究所
経費の中に、広島、長崎に落ちましたあの原爆症状、あれの調査研究費が約千三百万円ほど入
つてございますが、これは現在広島及び長崎には予研の一施設として原子爆弾研究所というものがございまして、原爆症状について長期の
計画を以て調査を進めておりまするが、広島、長崎両市の市内に住んでいる人ばかりじやなしに、市外、いわゆる原爆の影響がないと思われる土地、地域に住んでいる人であの当時原爆の被害を受けた、そういう人たちの調査もして、両者を比較しながらや
つて行きたいというためにその人たちの健康状態を調査し、或いは病気に
なつた場合に入院せしめまして臨床的にその症状を調査するというような
経費でございます。
それから百八十二番の検疫所に必要な
経費は今朝ほども
ちよつと申上げましたが、行政協定に基きまして駐留軍の軍用艦船に対して夜でも検疫を実施してやるという、いわば二十四時間勤務体制というものを布くために必要な
経費。それからもう
一つは現在検疫所が二十五ヵ所ございますが、更に七ヵ所これを殖やして欲しいという
要望がございまするので、その分の必要な
経費が計上されてございます。
それから次に国立療養所の項がございまするが、ここでは簡単にベツト数等を申上げますが、先ず百八十四番の国立
結核療養所の経営に必要な
経費、これは既設分の療養所の
経営費なのでございます、百六十八ヵ所、入院のベツト数が五万九千五十床分の
経営費でございます。次の百八十五番は、国立の
結核療養所の増床が三千床予定しておりますので、その三千床分の三ヵ月分の
経営費でございます。それからその次の百八十六番は、
国立病院の中から療養所に明年度十六ヵ所、三千五百床を転換いたしたいと
考えておりまするので、その三千五百床分の
経営費でございます。百八十七番は癩療養所の、現在十ヵ所ございます、ベツト数で一万二千五百床分の
経営費でございます。それから百八十八番は、現在三ヵ所精神頭部療養所がございます、その千三百床分の
経営費でございます。それから百八十九番は増床、精神頭部療養所を、やはり精神
対策を進める意味合いで、国立につきましても八百床増床したいと
考えております。その八百床分の三ヵ月分の
経費でございます。それから百九十番は、箱根にございます脊髄療養所一ヵ所百二十床分の
経費でございます。それから次には、特殊医薬品は大体申上げるほどのことございませんが、百九十三番が二億一千二百万新規にな
つておりますが、これは患者に対しまする給食の鍋、釜、或いは洗濯機、消毒機などが古びて来ましたので、それを整理したい。それから百九十四番から以下は、増床の
整備予算、建物を建てたり、それから設備を改善する
予算がずつと入
つております。百九十四番は、
結核療養所増床三千床分の
経費でございます。百九十五番は、古く
なつた建物、それの復旧の
経費であります。百九十六番は、癩療養所千五百床の増床に必要な
経費でございます。及び各所修繕費が若干入
つております。主なものは千五百床の増床に必要な
経費であります。それから百九十七番は、癩患者の寝具を四ヵ年討画で一新するというので、その四分の一の
経費でございます。
それから百九十八番は、国立癩研究所を新築するために必要なもの、癩に関しまする国立の研究所を新たに設けたいという意味でこれを
要求してございます。百九十九番は、これは精神頭部療養所、
先ほど申しました国立分八百床を増床いたしますために必要な
経費でございます。二百一番、看護婦宿舎の
整備、これは四十五ヵ所を建替えたりする費用でございます。それから二百二番国立療養所の看護婦養成所の
整備、これは甲種看護婦療養所五ヵ所、準看護婦養成所五十ヵ所を新設いたしますための
経費でございます。大体主なものを極く簡単に申上げますと、さような程度でございます。それから衛生試験所は、申上げるほどのことはございません。
光明寮は、大体東京と塩原、神戸にございます、光明寮の学級を一年生が二年生に
なつたという意味で進級するために殖やしたいというのと、それと或いは塩原みたいに、例えばあんまのクラスしかございませんが、はり、きゆうのクラスを一ヵ所設けたい。同じく神戸にも一ヵ所設けたいと、こういう
経費は、目新らしいところといたしまして、いつまでもあんま、はり、きゆうでもあるまいと、新らしい職業を開拓すべきではないかというので、或いはラジオ、或いは縫工、ミシンでございますか、或いは家畜というようなものに
一つ新職業を設けたい、そのクラスを一ヵ所神戸に増設したいというところが新らしいところでございます。それから国立身体障害者更生指導所に必要な
経費、これは相模原に現在あります分を本年度頂きました
予算で国立東京第一
病院の脇に移設しまして建てつつありますが、それの継続の
事業費、建物を建てる
経費及び
事務費、
経営費と合せました分でございます。それから次は、保養所と、国立教護院は格別申上げることもないかと思います。それからずつと参りまして、麻薬の取締官
事務所でございます。二百十七の麻薬取締官
事務所建設に必要な
経費、これは
先ほど申しましたように
一般の麻薬取扱業者に関する行政的な指導査察という面は府県に委託することにいたしまして、専ら国は警察的取締方面に、犯罪検挙という方面に専念すると、こういう
考えで、東京、横浜、大阪、神戸、ここに取締官
事務所を設けたい、大都市とそれから主な港にこの取締官
事務所を設けて、おのずからそういう地域に重点を置いて取締をしたいと、こういうことであります。それから二百十八番と二百十九番は、麻薬中毒患者に対しまして、これを収容いたしまして、この病気を治してやるという施設であります。これは非常にむずかしい施設でもあります、
法律的にもいろいろ研究する過程があると思いますが、一ヵ所だけテスト・ケースという意味で設けて見たらどうかというので、一ヵ所分を建ててそれを運営するに必要な
経費であります。以上が
一般会計のあらましを申上げた点でございます。
特別会計は、技術的な問題がございますので、その主なる
考え方の変りました、つまり改正したいと思われまする主な点だけを申上げて見たいと思いますので、恐縮でございますが、備考欄あたりに
ちよつ
ちよつとお書きを願います。
先ず一番の
厚生保険特別会計におきましては、先ず範囲を拡張したいという問題が第一にございまして、これは土建業者、或いは学校の
職員、それから
病院の
職員、それから社会福祉事業の
職員、そういうようなところに働いておりまする
職員について、健康保険の恩典に浴しておりませんので、このたび適用範囲を拡げたいと
考えております。それによりまして約六十四万六千人ほどの人に適用が拡がります。そのうちの八割が
政府管掌に入り、二割が組合管掌に入るであろうという予想でございます。それから二番目には、給付期間が現在二ヵ年にな
つておりまするが、これを三ヵ年に延ばしたい。主な理由は、
結核患者は二年間ではやはり転機をとるのに短うございます。三年ほどかかるという見通しを持
つておりまするので、その分を二年を三年に延長したいと、それから三番目に改正を
考えておりまするのは、標準報酬が現在二万四千円で頭打ちにな
つておりまするのを、三万六千円まで
引上げてみたいと、それから四番目には、
先ほど申上げました給付費について、国庫から二割ほどの繰入れを
考えております。以上のような点の改正を
考えております。なお、日雇労務者に対しまする健康保険の制度の創設につきましても目下検討しておりまするが、その辺はこの数字の中にはまだ入
つておりません。極力急ぎまして、明年度概算の本決りになりまするまでに何らかの結論を出したいというふうに
考えております。
それから次の年金勘定では、主な改正を
考えておりますのが、一番の範囲の拡張は健保と同様でございます。それから二番目の標準報酬は、現在二千円から八千円までにな
つておりまするが、これを三千円から三万六千円までの間に拡げたい。それから三番目の保険の料率でありますが、これは老齡給付が明年度から始まりまするので、将来に対する見通しを立てて見ますると、現行の千分の三十、坑内夫は三十五でございまするが、かような低率では採算がとれませんので、千分の九十くらいまでには
引上げなければいけないのじやないか。併しこれを一緒に
引上げるのでは、影響が激しいと思いまするので、年次
計画を以て
引上げをする。二十八年度は差当
つて千分の四十くらいまでに
引上げたいという
考えでございます。それから四番目には、養老年金の増額でございます。これはまあ幾らから幾らというわけには申上げられませんが、現在は千二百円という極めて低い額で、これはとても
お話になりませんので、
相当額の、とにかく老齡年金だという名に値するだけの額には
引上げねばなるまいか、こういうことで
考えております。同時に資格期限を二十年から十五年にする。その代り年齡は五十歳のものを五十五歳、五十五歳のものを六十歳というように、五年ほど年齡の点は
引上げて行きたい、かような点を養老年金の増額
関係で
考えております。
それから
障害年金は、
先ほど結核関係で医療給付の期間を二年から三年に引延ばしました
関係上、
障害年金の
支給の時期は、歩調を合せまして二年か三年にしたい、その他若干の改正がございます。
それから脱退手当を廃止したいという意向でございます。それからその次に、国庫負担が以上の計算からいたしますると現在国庫負担が、
一般の被
保険者についての給付は十分の一、それから坑内夫については十分の二でありまするが、これを引つくるめまして十分の二、全部十分の二の国庫負担にしてもらう必要がある、かような
考えでこれを積算してございます。それから三番目に
厚生保険の業務勘定がございまするが、ここでは一番目の三十九億何がしの中に年金の業務が、いよいよ養老年金の
支給開始と共に複雑になりますので、年金の機械化の
経費が十六億ほど入
つてございます。それから船員保険につきましては格別申上げることはございません。
それからその次の
国立病院特別会計の
経費でございますが、これは問題になると思われます点は、現在九十九ヵ所ございまするが、
地方移譲の問題でどうなるかということでありまするが、今朝ほども申上げましたように、この
国立病院移譲の法案が七月の末に通過いたしまして、それ以後
地方との折衝を進めておりまするが、そのスタートが遅れました
関係で、目下
地方と折衝をや
つておる段階でございまして、一月違いますると相当見通しも違
つて参つております。それで明年度
予算の固まります直前を基礎にして、
大蔵省ともう一遍話合うことにな
つておりまするが、一応ここにおきましては九月の見通しのと申しますか、或いは我々の立場から極くこれを固く
見込みまして、九十九ヵ所のうちで、
地方に移譲されるのが二十一ヵ所、それから療養所に転換するのが十六ヵ所、残り六十二ヵ所につきましては明年度につきましても、年間一ぱいの
経営費を見ておく必要があろうか。それから移譲されます分につきましても、明年度の初めから幾分……、半分くらい初めから行くかも知れんが、半分くらいは年度半ばから行くかも知れないというような固い予想を立ててございます。そういう予想の下にこの料金、歳入の面、それから歳出の面というものを組んでございます。ただそのうちの十二番目の甲種看護婦養成所、これは新設を七ヵ所したいという
経費が入
つております。これは乙種看護婦養成所を転換すると、こういう意味でございます。
大体以上雑然と申上げましたが、明年、二十八年度の
一般会計及び特別会計の
予算概算
要求のあらましを申上げた次第であります。