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1953-02-12 第15回国会 参議院 建設委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十二日(木曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     下條 恭兵君    理事            赤木 正雄君            石川 榮一君            松浦 定義君    委員            島津 忠彦君            深水 六郎君            飯島連次郎君            前田  穰君            三浦 辰雄君            田中  一君            小川 久義君   国務大臣    労 働 大 臣    建 設 大 臣 戸塚九一郎君   政府委員    建設政務次官  三池  信君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省河川局長 米田 正文君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件(河川局  及び道路局関係予算に関する件)   —————————————
  2. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 只今から建設委員会を開会いたします。  建設大臣から発言を求められております。建設大臣……。
  3. 戸塚九一郎

    国務大臣戸塚九一郎君) このたび佐藤大臣あと建設大臣を命ぜられまして、一向物馴れないもので、却つて皆さんに御迷惑をかけることが多いのじやないかと思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。まだ昨日、ようよう仕事のほうの話を事務当局から説明を聞いているような程度でありまして、只今いろいろ私の考え方というようなことまで申上げるに至つておりません。大体先日政務次官から建設省としての考え方については皆様に申上げたことと存じますので、私もその方針を一応踏襲して努力いたして参りたい、かように考えております。なお、将来のことにつきましては、すべて研究、勉強をいたしまして、又皆様に御相談申上げたいとかように考えております。  取りあえず今日は就任の御挨拶だけを申上げます。   —————————————
  4. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それでは最初河川局関係予算につきまして、米田局長石破官房長から一つ説明を願います。
  5. 米田正文

    政府委員米田正文君) それでは御説明申上げます。前回官房長から建設省予算の概要について御説明申上げましたうちの河川局関係予算について、その内容を申上げます。  この前申上げましたように、河川局関係としては河川等事業費という項目と、災害復旧項目と、砂防という項目と大きく分けますと三つに分れます。予算関係からして、継続費設定されますと、新らしく項が設定されますので、鬼怒川外河川事業費の項と、それから利根川外二河川という項が二つ設けられております。  先ず最初河川等事業費内容を申上げます。この河川等事業費内容直轄河川改修費直轄河川維持費直轄河川総合開発事業費河川調査費中小河川改修補助費局部改良補助費災害復旧助成補助費と、それから海岸堤防修築費補助費と、それから更に、海岸関係災害復旧助成費というように、内容が細かく分れておるのであります。なおそのほかに河川総合開発事業費補助というように分れております。それらを極く概略申上げます。  お手許の、河川と書きまして内地二百十八億、北海道二十九億計二百四十八億というような内容なつております。直轄河川改修費は二十七年度で七十六本の直轄河川実施いたしておりましたが、二十八年度においては新らしく信濃川分水路区間を再改修意味新規として新らしく採択をし、更に広島県の郷ノ川を新規河川として取上げることに予定いたしました。従いまして七十八本に二十八年度はなる予定でございます。予算の額は二十七年度八十億であつたものが二十八年度に九十二億の予定にいたしております。それから直轄河川維持費でございますが、これは今申上げました河川の中で十本だけ改修ができておる区間について維持を行うものであります。これは従前から継続をいたしてやつておる事業でございます。  次にはその内容を申上げますと、維持費補修費というのを今年初めて設定をいたすことにしました。それは維持費というのは或る相当延長の長いものができ上つた区間についての維持費でありますが、補修費というのは非常に局部的に改修をする意味でありまして、例えば護岸等が損傷をいたしておる、そういうものを補修して行く、これは局部的な補修でございます。それを各現在の直轄河川について緊要のものから実施をしようという意味でございます。それから直轄河川総合開発事業費でございますが、これは本年度二十八年度においては、従来のもののほかに新らしく七カ地点直轄総合開発事業、いわゆる多目的ダム実施しようというのであります。その個所は青森県の岩木川の目屋、それから埼玉県の荒川の二瀬、それから木曾川の丸山地点、それから京都府の由良川の大野の堰堤、それから愛媛県の肱川の鹿野川地点それから熊本県の球磨川の新橋とか岩手県の和賀川の仙人という箇所であります。その七カ所を新らしく取上げることにいたしております。その直轄総合開発のいわゆる多目的ダムは、二十七年度で、北上川の上流にあります膽沢川の堰堤が本年完成をいたす。一本だけは二十七年度完成をいたす。で継続をしてやりますものは、  雄物川の鎧畑と、天龍の美和と、二カ地点継続してやりますから、直轄総  合開発事業としては七カ所、実はこの  ほかにまだ六カ所直轄部分がありますが、これは継続事業設定されておりますので、別途に項を別にいたして計上をされております。これはあとで申上げます。  その次に河川調査費でございますが、これは一般直轄河川等調査をいたしますものと、それから多目的ダム調査をいたしますものと合して組んでいます。総額八千六百五十二万九千円ということになつております。  その次に河川改修費補助といたしましては、その中で中小河川改修を今年度二百四十七本実施をいたしておりますが、このうち二十七年度で十八本完成をしますのと、それから今、今年中小河川でやつておりますのを他の予算費目に振替えるものが二カ所、合計二十本が二百四十七本から減ることになりまして、結局二百二十七本継続事業として実施をして、更にそのほかに新らしく、新規を四十本程度採択をする予定で、合計二百六十七本を二十八年度には実施をいたしたいと思います。局部改良は、今年度五百五十三個所実施をいたします。で、今年度で百七十七個所完成をいたしますので、継続といたしましては三百七十六個所と、それから二十八年度新規を二百二十四個所、合計六百個所実施をいたすことになつております。それから災害復旧助成でございますが、これは河川災害に伴う助成事業でございます。本年度二十七年度には七十八カ所実施をいたしておりますが、今年完成を八カ所といたしまして、十十カ所継続にいたします。新たに二十カ所採択をしておりますので、合計九十カ所を二十八年度実施する。  その次に海岸堤防修築費補助でございますが、これは十億四千四百七十万円、その内訳でございますが、海岸堤防修築でございまして、これは予算一億九千二百八十一万円、それから浸蝕対策、これは海岸浸蝕をいたしておる区域についての対策でございます。五千六百三十万円、それからやはり海岸の極く一部分局部改良でございます。これが六千万円、これは二十八年度の六千万円は二十七年度と同額の六千万円でございます。それから更に災害復旧助成、これは海岸関係災害復旧助成でございます。主として高潮の対策事業でございます。六億五千八十九万円程度でございます。これは東京、大阪、兵庫が主な地点でございます。その次も災害復旧助成でございます。これはやはり海岸災害に伴う助成事業でございます。  その次に河川総合開発事業費補助、いわゆる府県実施をいたします多目的ダムでございます。これは継続のものが九河川新規に九河川でございます。その内容はずつと継続をいたしておりますものは、銅山川以下旭川、那賀川、木屋川、宮川、小丸川、一迫川、野川、赤川、この九河川でございます。新規には小又川赤谷川、真名川、輯保川、芹川、綾川、古座川、佐波川、矢部川の九河川でございます。このうち小又川佐波川は実は他の費用で二十七年度ですでに実施をいたしておるものでございます。  次に河川事業調査費補助、これは二千四百二十万円でございますが、河川調査補助でございます。府県に渡す補助でございます。一般河川調査、それから多目的ダム、いわゆる河川総合開発事業調査費補助、それから海岸関係調査費補助地盤変動調査費補助等項目内容に含んでおります。地盤変動対策事業費というのは、これは地盤沈下に伴う対策事業でございます。二十七年度一億であつたものを二十八年度には三億にいたします。  それから特別鉱害対策事業費補助、これは特別鉱害法によりますもので二億一千七百六十七万五千円、それから一般鉱害対策事業費補助、これは昨年成立いたしました法律に基いて一般鉱害対策事業費補助として四千万円を見込んでおります。  そのほかに北海道関係のものがございます。北海道関係直轄河川改修費河川改修費補助河川事業調査費河川事業調査費補助海岸堤防修築費補助等がございまして、北海道だけで二十一億五千八百万円程度でございます。このほかに実は項を新たにした継続事業でございますが、継続事業としては内地関係では鬼怒川総合開発事業費、五十里の堰堤、これは二十八年度に六億、猿ヶ石川、これは北上の水系でございますが、六億七千万円、物部川の永瀬の堰堤継続事業費三億六千万円というものは、鬼怒川ほか二河川として継続事業として別途に設定いたしております。項が新たになつております。それとこれは二十七年度から継続事業なつたものでございます。更に今年度から新らしく継続事業として設定されたものが利根川ほか二河川でありまして、利根川藤原堰堤と江合川の鳴子堰堤が四億、十津川の総合開発猿谷堰堤が三億、これだけが計十二億が新らしく継続事業として設定をされようとしておるのでありまして、これが項が又新たに、別になつております。更こ北海道では七億四千二百五十万円という。これは別の継続事業費設定をされております。以上が河川等事業費内容でございます。  その次に砂防の問題でございますが、砂防内地関係としては直轄砂防が二十七年度十一億七千八百七十五万六千円、二十八年度に十二億三千八百七十五万六千円計上いたしております。砂防事業費調査費は二十八年度に千九百二十九万円を計上いたしております。それから砂防事業費補助、これが各府県への補助でございますが、二十七年度に三十億三千八百万円、二十八年度に三十四億六千四百万円表計上いたしております。内地関係だけで合計いたしまして二十八年度四十七億三千四百四万六千円、北海道関係砂防といたしましては五千四百万円を、これは事業費調査費を含んでございます。砂防全体といたしましては内地北海道合せまして四十七億八千八百四十四万六千円となつております。  それから災害でありますが、災害直轄河川災害復旧費は、内容直轄河川災害復旧と、北海道国費河川復旧費国有海岸災害復旧費と三項目からなつておりますが、二十七年度三十二億六千万円であつたものを二十八年度に十四億三千七百万円に予定をいたしております。これは減つておりますが、この内容は、実は直轄河川災害復旧費といたしましては、もう過年度災害全部なくなつて済ませました。それで二十七年度災害だけが残つております。従いまして二十七年度災害を、二十八年度で全部完成をする予定の金額でございます。それから災害復旧土木事業費補助、いわゆる府県災害補助費は二十七年度二百十八億でありましたものを、二十八年度には二百三十六億六千六百万円というものを予定いたしております。これは実はこの委員会でも予算要求の当初においては、いわゆる三、五、二の比例で過年度災害を全部解決をしたいということを申上げたのでございますが、政府部内のいろいろ折衝の結果、財政上の都合でそういう方針が貫けなかつたのを誠に申訳なく思つておりますが、大体二百三十六億では、今までの過年度災害、二十三年度から二十七年度に至りますまでの大体三割に相当する額でございます。  以上で河川等事業費砂防事業費、それから災害事業費、それから継続事業二つ項設定されております。予算項目の項といたしましては五項目なつております。以上であります。
  6. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 只今河川局長説明に対して御質問がある方は御質疑を願います。
  7. 田中一

    田中一君 今局長説明の中の細かい各河川の表ができておりますか。できておりましたらそれを提出願いたいと思います。
  8. 米田正文

    政府委員米田正文君) 今日できておりませんが、次にこれを用意して持つて参ります。
  9. 田中一

    田中一君 次にと言わずに、でき次第に個人々々の委員にお届け願えませんか。
  10. 米田正文

    政府委員米田正文君) よろしうございます。用意のでき次第いたします。細かい資料をお渡しして説明するとよくおわかりになつたと思いますが、或いはおわかりにならなかつたかと思います。
  11. 田中一

    田中一君 それを拝見してから質問したいと思います。
  12. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今のに関連するのですけれども、そうすると直轄河川維持のほかに今度は補修というやつができた。ちよつと数字を聞きそこなつたのですけれども、それは維持費の中にあるのですか。それとも細分として今田中委員の言われた、それをもらえば出て来るのですか。
  13. 米田正文

    政府委員米田正文君) それは直轄河川維持費という中に、維持費補修費と二項目あるのです。
  14. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 わかりました。
  15. 石川榮一

    石川榮一君 只今局長さんのお話維持費ですが、この維持費は重大なんで、ややもすると、大蔵省あたり維持費なんかは殆んどどうでもいいように考えているように見られるのですか、この維持費大蔵省に十分に認識させる方法として、何か特段の対策建設省は持つて折衝したことはありましようか。
  16. 米田正文

    政府委員米田正文君) お話のように、実は維持費改修事業費に劣らん重要な経費でありまして、折角多額経費をかけまして改修をやりましても、その維持が不十分なために維持管埋といいますか、平たく言えば、手入れが不十分なために、折角の工作物が決潰をするというような例が非常に多いので、私どもとしては是非維持費を相当多額経上して、その事前防止に努めたい、こう考えているのでございますけれども、その点が財政関係でどうも十分に参りませんでございました。併し補修費が非常に僅かでございますが一億という補修費がつきましたのは、これは維持費をやつている区域以外で各河川ちよちよつと直せば、非常に効果的に災害未然防止になるという区域が非常にありますので、この一億は是非有効に使いたい、こう考えて、そうしてこれによつて災害を減らして行きたいという考えをいたしております。
  17. 石川榮一

    石川榮一君 御趣旨はよくわかりますが、補修費を特に加えたということは、維持費というものに対する認識財政当局にないというのでここに補修費というものを採入れたようにも考えるのですが、この際維持費ということでなく、何かもう少しぴんと来るような名前に……、いわゆる補修費維持費でなくても補修費でも結構ですが、そう変更して財政当局認識を与えさせるような費目にすることは如何ですか。御意見を伺いたいと思います。
  18. 米田正文

    政府委員米田正文君) 御意見全く同感でございます。我々も一つ研究をいたしたいと思います。
  19. 島津忠彦

    島津忠彦君 河川の部に地盤変動対策事業補助費とあるのですが、特殊土壌に対する費用はこの中に入つておりますか、どういうふうになつておりますか。
  20. 米田正文

    政府委員米田正文君) 特殊土壌は、実は砂防費予算の中に入つているのでございまして、地盤変動対策の中にはありません。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 一、二お伺いいたします。直轄河川総合開発事業費はこれは三分の二を出して、河川総合開発事業費補助は二分の一になつていますが、つまり国でやる場合には三分の二を出して、府県の場合に対しては二分の一ということになつておりますが、それじや国でやるものと府県でやるものとはどういうところを以て境としておられるのですか。
  22. 米田正文

    政府委員米田正文君) 実はこの問題は、法律的な解釈としてはやはり今の河川法を適用したいというふうに考えるわけであります。直轄事業はやはり国で施行する河川事業という建前から三分の二を国の負担とし、三分の一を地方負担とするというようなことになつております。なお総合開発事業費補助の分は、やはり中小河川と同じような、地方実施する河川事業に対する国の分担金として二分の一を負担するという形でやつております。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、直轄河川関連しているものは直轄のほうでなさり、直轄でないものは府県補助関係がされる、こういうふうに解釈していいですか。
  24. 米田正文

    政府委員米田正文君) さようでございます。直轄河川で、適用区域で且つ国が直轄を施行する点の条件を具備しているものを三分の二、こういたしております。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の国が直轄するその範囲を聞きたいのですが。
  26. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは現在実施をいたしておりまする直轄河川に重要な関連を持つ地域における堰堤というように考えております。
  27. 赤木正雄

    赤木正雄君 昔直轄河川で施行した重要な河川に対して、現在はその河川直轄でありません、つまり工事はできてしまつた。言い換えれば、そういう以前の直轄河川に属したものに対しては国の施行対象にならんのですか。
  28. 米田正文

    政府委員米田正文君) 既成河川でその上流にやる場合でございますか。それはここには例はございませんが、そういう場合も将来起きるだろう。起きたらやはり直轄としてやることはあると思いますが、併しこれも必ずやるということも言えないのは、現在既成河川なつておりますと、一応府県の管理になつておりますので、それをもう一度その河川のある区間について国直轄で施行するという方針をきめなければならんと思います。
  29. 赤木正雄

    赤木正雄君 その問題はあとにしまして河川改修費補助の中に二分の一と三分の一とありますが、これはどういうふうなことですか。
  30. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは二分の一というのは、御承知のように従来の中小河川事業費でございまして、それから三分の一といいますのは、その中で局部改良というのがございます。それは極く局部的に河川改修をやるのですが、これは補助を三分の一ということにしております。
  31. 赤木正雄

    赤木正雄君 次に特別鉱害対策事業費補助は〇・八と〇・七三ですか、こういうふうに区別がありますが、これはどういうのですか。
  32. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは特別鉱害のほうは特別鉱害法によつて率がきまつてございますので、その率でやりましたのが第一類が大体八割補助でございます。それから第二類と申しますのは、これは第二類は七割三分ということになつておりますが、これは一類と二類はどういうものかと申しますと、一類というのは強制採炭によつて直接被害を受けたもの、それから第二類はそれの隣接地区でそれに関連の非常に強い区域、こういうふうに分けてございます。それから一般鉱害のほうはこれはもう法律で二分の一の補助ということになつております。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 地盤変動対策事業費補助がやはり三分の二と二分の一とありますが、これはどういうふうなことですか。
  34. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは愛知県外十河川つてございますが、地盤沈下対策としての計画の中で、基本的な工事と申しますか、基本工事については三分の二を補助する。それからそれに更に改良的な部分がどうしても食つ付くのですが、その改良的な工事については二分の一というふうにいたしております。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川総合開発調査の場合に多目的事業をする、その際に例えて申しますと、発電事業関係が当然加わる場合があると思いますが、この発電関係調査もこれに加えてあるのですか。
  36. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは河川総合開発調査調査費といたしましては、この総合開発調査をやるのでありまして、堰堤を中心としての調査ではありますけれども、或る程度発電地点等調査も行なつていたと存じます。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 今お話しの発電事業を仮に会社がやるとか、そういう場合においては、その発電事業者のほうから調査費を出して然るべきものと、こういうふうに考えますが如何ですか。
  38. 米田正文

    政府委員米田正文君) 御尤もでございますが、実は総合開発計画を立てる程度調査でございまして、いよいよ事業をやるということになると、実施計画的なものは、これはもうやらないことになつておりますので、その点は電気事業者が決定すれば、それが当然負担することになると思います。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 大臣にお伺いしたいのですが、お伺いするというよりも私の考えを申上げて、この次の委員会でも、その次の委員会でも結構ですから、これに対する大臣のお考えを伺いたいと思います。  御承知通り治水事業が非常に大事なもので、これがために災害でもあれば、非常に耕地も荒され、又生命をなくする。この観点治水事業の重要なことは昔から今日まで変りません。併しこの予算の大要を見まして、砂防費が殖えていない。なぜ砂防費が殖えないのか、これはもう局長さんが非常に御努力なすつたことは私はよく存じております。又佐藤大臣も非常に御努力なすつたこともよく存じています。併し初め四十三億、大蔵省の示したものが四十八億で、僅かに五億しか殖えていない。これも財政都合でと言つてしまえば、それで済むかも知れません。けれども御承知通り河川改修をやりまして、だんだん堤防造つてもだんだん河床が上つてしまう。そうすると又河川改修をやり直さなければならん。これは利根川の例にしても江戸川の例にしても、今までの河川改修をやつた例が、その例をずつと踏んで来ている。その観点からいたしましても、どうしても砂防が大きな治水事業の一環をなす水源の植林、砂防河川改修、この三者が有機的に、而も順序を迫つて施行されて、初めて治水目的が達するということは、もう古今東西を通じて議論がないのです。日本治水政策におきましても、御承知通り明治五年にオランダからデレーケその他五人の技師が来て、淀川信濃川木曾川と、そういう河川改修をやらしたときに、これらの技師は、淀川河川改修をするのはいいが、先ず上流を調べよというので、日本の十大河川を全部踏査した結果、日本河川のような上流相手に、ひとり河川改修をいたして堤防だけ造つても、決して目的は達しない。そういう観点からして砂防に重点を置いて、たとえて申しますと、明治十四年の淀川改修費は六万円、六万円のうちの四万円は上流砂防に当てた。河川改修には二万円を当てた。又木曾川も同じように六万円のうち、四万円は砂防に持つて行つた。あとの二万円は河川改修に持つて行つた。これでもまだ砂防費は少いから、これを倍にして欲しい。若しも倍にすることができなければ八万円にして、そのうち六万円を以て上流砂防をやつてあとの二万円を河川改修に持つて行く。要するに上流を治めてから下流の河川改修に持つて行くのが、これが治水の原理だ。そういう方針でやつて来ていたのが、二十年後にこれらの人がオランダに帰えりますし、又明治二十二年に大水害がありまして、今までの治水政策は根本的に変つてまつた。いわゆる河川を重点的に考えて、砂防は殆んど無視された。その政策は、ずつと今日まで河川改修或いは治水政策に及んでいるのであります。そうして殊に又この多目的ダム、こういう需要はだんだん殖えて来まして、これも大臣恐らく御承知と思いますが、随分今まで発電のために造つた堰堤も、土砂で埋没して、その機能を没却している例がたくさんあります。一々例を挙げろとおつしやれば挙げますが、この例はたくさんあります。電源開発法案を審議したときにも私は申したのであります。そういうふうにこの多目的のダムを造るときには、先ず以て上流砂防を根本的にやる—こういう附帯決議まで付してあの法案は通過しているのであります。こういう観点からして、これは多くの人々、殊に一つ言い過ぎか知れませんが、衆議院の諸君にしても、とにかく自分の地元のほうから早く堰堤造つて多目的ダム発電をし、或いは多目的の—種々の目的ならば、やつて欲しい、こういう要望が当然出ますし、一方翻つて上流を見れば、折角造つた堰堤が又埋つてしまう。最近建設省治水政策がだんだん変つて来まして、最近はむしろ堰堤によつて洪水を阻止する、これは非常に結構なことと思います。思いますが、今申した通りに今までは堤防と河床の闘い、競争でありました。今度は堰堤が埋まる埋まらんの又大きな競争になつております。この観点からでも、一層この砂防事業はますます重要性を帯びて来たのであります。私も、ここに挙げた河川につきましても、その上流の事情をよく存じております。その事情を知つておるだけに、果してこれでいいか悪いか、この際に日本治水政策を根本的にお考え下さらないと、やはり百年経つて災害が起つて、折角造つた堰堤も埋つてしまう。何のための多目的だか、これは当然そういう結果が現われるのであります。でありますから、私はこの治水政策大臣は果して是とされるか。この際日本の永遠の治水考え、又利水を考えて、いいか悪いか十分御検討を願いたい。これを私はこの次でもその次でも結構でありますからして十分将来の観点から、いろいろの方面から御検討されて大臣の御所信を承わりたい。これを申しておきます。
  40. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ほかにございませんか。
  41. 小川久義

    ○小川久義君 この直轄河川総合開発事業費の中に、天龍川と入つておるのは、この中には三峰川も含まれておりますか。
  42. 米田正文

    政府委員米田正文君) 天龍川というのは三峰川も入つております。
  43. 小川久義

    ○小川久義君 そこで、この三峰川のダムの問題に対しましては、前委員会で地元の様子を申上げて、それに対して善処かたをお願いして置いたのですが、その後ますます反対陳情が多くなりまして、特にその実情を訴えたものを、警察隊長の手で怪文書を発行したということで、取調ぺをしておるということを言つて来ておりますが、この点に対しましては、この前の委員会でお願いして置いた御調査ができておりますればお聞かせ願いたいと思います。
  44. 米田正文

    政府委員米田正文君) 三峰川の問題に関しましては、現在調査程度の仕事をやつておつたのでありますが、現地の地元の関係において反対がまだ相当強くありますので、当局である建設省の現地の事務所並びに県の関係の当局等と現地の地元のかたと折衝を続けておるのでありまして、まだその結論に関する点にまで行つておりませんので、今私どもは極力現地と折衝を重ねるようにという指示をいたしております。まだそれに関する詳細な報告は参つておりませんけれども、何回もやつて妥結に到達するようにという指示をいたしております。
  45. 小川久義

    ○小川久義君 年頭の林知事の挨拶に、美和村も県と連繋を持つて委員会もでき、明るい見通しを持つたということを述べたということに、非常な不満と反対をしておられる。何の話合いもしないで知事が勝手なことを言うと、従つてそういう地元の妥結もつかん先に、大蔵省ではすでに予算がつけられておるということを書いてありますが、これが事実なら、相当これは考えるべき点じやないか。その主眼であるダムを造る地点が、この間ボーリングをさせるという約束を町民として来たのですが、それが、県が具体案を示さない、何の具体案も示さない、了解もないのにもう妥結がついたということを知事が述べておるということなんですが、それで、その後来た反対の意見なんですが、相当建設省、監督官庁である建設省自身が御出張になりましてお調べ願わないと、先般石川議員と二人派遣されまして、調査に行つて来たときの実情よりも一層悪化しておるように推定される。我々が二時間に亙つて二人で懇談をした結果は、県と交渉する委員を作るということと、村民の希望する地点と県が希望する地点と、両地点ともボーリングをするということを了解を得て来たのですが、その後県において具体的な案を示さないために、より以上反対の空気が強くなつておるように推測される。こういうことが強力に進められ、紛争が猛烈になることは、折角法案を作り、総合開発をやるべき方向を示した最初において、全国的にも影響が大きいと思いますので、これは一つ出先機関にばかり任しておかれてはよくないと思う節も多いので、直接係官を派遣されまして、地元の意見をもつとよく聞いてもらう。我我が行きましたときも、県当局、出先機関は列席できないのであります。その連中が出ると却つて反対が強くなる。従つて控室に隠れておつて、我々だけが話合をするというような恰好でありますので、その紛争の上に立つて、指導的立場においてこれを妥結をする方策を速やかにお立て願いたい。これは予算と少しかけ離れたようになりますが、やはり予算関連のあることでありまして、それが円満妥結をみないために、折角とれた予算も執行不能になるということになると思いますので、この際直接係官を派遣されて実態を調査し、一日も早く円満妥結の途を開いて頂くよう、大臣一つ特にこの点に御留意下さいまして、然るべくお取計らいを願いたいと思います。
  46. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ほかにございませんか。なければ最後に一、二お尋ねしたいと思います。  この河川関係予算を見てみますと、前年度と比較の増減が出ておりまして、減つておるのは災害復旧費だけのようであります。で先ず第一にお尋ねしたいのは、河川予算全体として二十七年度に比べて何パーセント増額になつておるかということをお伺いしたいと思います。
  47. 米田正文

    政府委員米田正文君) 河川予算としては災害まで入れますと約二一%であります。
  48. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) そうしますと、伺いたいのは、例えば災害復旧などは、二十七年度災害だけだからして、十四億三千万あれば全部二十八年において復旧できるという御説明だつたわけであります。又赤木委員から今砂防予算が五億しか殖えておらないということの強い指摘があつたのですが、私が心配しますのは、現在提案されている予算が通過しますと、あのまま通過するとすれば、相当インフレが起るであろうということが予期されるわけであります。又予算関係考えなくても、すでに鉄道運賃その他の値上りがあつたのですから、相当こういう工事費に対しては経費が膨脹して参つて、仕事の量からいえば金額との比較においてどういう関係になるかということに対して、私は相当疑問を持つておるのですが、物価の値上りを建設省としてはどの程度というふうに見ておられるか、この点を一つ河川局長でも官房長でも結構ですが、お答え願いたいと思います。
  49. 米田正文

    政府委員米田正文君) まだ実は二十七年度と二十八年度の物価と申しますか、特に土木工事から見た物価の値上りというものについて正確な資料ができておりませんが、大体の推定としては約二割に近い値上りではないかと、今のところ予想いたしております。従いまして若し二割に近いものであるといたしますと、予算増が一二%といたしますと、むしろ事業量は減るという結果になります。で、我々といたしましてはそれらの詳細な検討はなおいたしますが、あとは現地の能率の向上に特に本年度は力を入れて、事業量を落すことのないようにというように考えております。
  50. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) そうしますと、まあ土木関係の物価騰貴といいますかが二〇%で、予算の額では平均すると二一%上るということになると、その程度のことは従来もやつたと思われるし、今後もやると思うけれども、これには限界がある。そうしますれば、仕事の量に換算した場合に、この予算で見ますと、前年度からどれだけ仕事の量が減るかということを、大掴みでいいから一つ説明願いたいと思います。
  51. 米田正文

    政府委員米田正文君) 今申しましたように、まあ二〇%に達しないかも知れませんが、約二〇%近いじやないかという見通しでございますが、そうしますと、仮に二〇%としますと、一二%増になりますと、あと八%の減になるのですが、事業が最近非常に機械化されて参りましたので、機械化による能率向上というようなもの、並びに現在非常に労働者の労働意欲も上つてつて来ておりますので、私共としては、八%程度ならば、今言いましたような方法手段で、大体事業量を落さないで済むことができるというように考えております。
  52. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) その次にもう一つお尋ねしたいと思うのですが、二十八年度建設省予算書の中で、八百五十五ページのところに、「上記の河川等事業費には「国土総合開発法」に基く北上地域特定総合開発事業計画による北上川改修事業、和智川総合開発事業及び中小河川改修費補助等に要する経費九億五千七百五十万円が含まれている。」とあります。その次のページに行きますと、「上記の砂防事業費には「国土総合開発法」に基く北上地域特定総合開発事業計画による砂防事業費一億円並びに「特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法」に基き特殊土じよう地帯の保全をはかるための砂防事業費六億五千万円が含まれている」。と書いてありますが、この北上地域の特定総合開発事業計画というものは確定しておるのですか、どうですか。その点と、その次のページも同様にこの計画がすつかり完成しておつれそれに基いてこの予算が盛られたのかどうか、ということを一つ説明願います。
  53. 米田正文

    政府委員米田正文君) ここに説明のあります北上川の総合開発計画については、御承知のように北上川の計画が第一にでき上つたのであります。先だつての閣議にかかわまして、北上川だけが一応計画完成をいたしたという段階にございまして、この予算の編成のときまでに間に合いましたので、それを国土開発を所管いたしております審議庁としてはぜひ開発法としての予算を見たいという希望であります。大蔵省もそれに賛成しまして、それで各省の北上川関係予算を一応集計をいたし、その中で河川関係の分を我々といたしましても抜出しまして、審議庁で取りまとめたのであります。それを大蔵省と協議をした上で、こういう説明書になつたのであります。
  54. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ほかに御質問ありませんか。
  55. 深水六郎

    ○深水六郎君 只今河川局長から、予算は一二%増しておるけれども、大体建設関係の物価騰貴が二〇%ぐらいだろうと見込んでおるとおつしやいましたが、第一に、この予算を提出されるときから、そういうふうに考えておられたのかどうかということが第一。  第二は、この二〇%程度の建設関係経費が増大するという根拠を資料で一つ項きたいと思います。
  56. 米田正文

    政府委員米田正文君) 今の第一の問題は、毎年、そういうことをいつも頭においてやつておるのでありますが、これは事業実施するのが四月からで、予算編成いたしますのは八月頃からやつておるので、大分実施期と予算編成の時期はずれがございますので、実際の物価というものがはつきり掴めない時期でございます。併し大体としては、最近はそう大きな間違いはなかろうという考えで、一年間の時間差を見て考えておりますので、昨年の八月に今年度、二十八年度予算を編成しますけれども、二十七年度予算も前年の八月ぐらいにやはり編成をいたしておりますので、大体そのときの情勢の見当で、一年間のずれで、そういう見通しを立てております。  あとの御質疑のは、ちよつと今聞きとれなかつたのでございますが……。
  57. 深水六郎

    ○深水六郎君 いや、その二〇%程度の騰貴というのも、ただ単なる見込みであるか。それともあなたのほうで何かの根拠によつてこれを出されておるのかどうか。結局これは、今度の予算は必ずこれくらいは物価騰貴を来すというあなたのほうの見込みであるわけですか、その点を聞いておきたい。
  58. 米田正文

    政府委員米田正文君) それは物価指数を、大体土木事業関連の深い物価指数を取りまとめて計算をいたしております。
  59. 深水六郎

    ○深水六郎君 その資料を一つ提出して下さい。
  60. 米田正文

    政府委員米田正文君) まとまりましたら……、
  61. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 砂防のことについて一つお伺いしたいのですが、渡良瀬川上流の足尾ダムの費目は、直轄砂防事業費という中に含まれておりますか。
  62. 米田正文

    政府委員米田正文君) 足尾はこの直轄砂防事業費の中に含まれております。
  63. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 昭和二十八年度予算高は幾らになつておりますか。
  64. 米田正文

    政府委員米田正文君) 二十八年度内容については、現在各河床全体にわたりまして検討中でございまして、まだ決定をいたしておりません。
  65. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 この問題は、御承知のように、昨年度も仕事が行き悩んでおりますので、渡良瀬川の改修工事と非常に深い関係がありますのと、それからこのダムの完成計画年度完成しないと、沿岸民の不安が非常に高まつておりますので、特に今年度内に是非一つ完成するように予算の配分において努力を願いたいと思います。
  66. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは実は見返資金で一挙に解決をしようとして着手をした経緯がございますが、その後、見返資金がばつたり杜絶えたというようなことで、当初設備した大仕掛の設備も、その後縮小をいたしたというような経過を辿つております。お話のように、このダムを早急に解決をするということは非常に必要なことだと考えております。ただ二十八年度完成をし得るや否やは、先ほど赤木委員からもお話がありましたように、砂防予算というものの全体の枠が五億という程度にとどまりますので、できるかどうか、一々検討をして見た上で考えなければならないと思います。
  67. 赤木正雄

    赤木正雄君 先に委員長からの御質問の際出ました建設省所管一般会計予算参照書、この書に掲げた内容については、私少し疑問がありますが、それは今私質問しませんが、これはどこで責任を持たれるのでしようか、この内容については。
  68. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは大蔵省で印刷して大蔵省が国会に提出をいたしている書類でございます。で、大蔵省として責任を持つべきだと考えます。
  69. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、大蔵省が書いたこのすべての説明り中に、建設省としては当然注意されて、又悪いところは訂正されておるべきと思いますが、それに対してされているかどうですか。
  70. 米田正文

    政府委員米田正文君) 勿論この数字等については、大蔵省が独自で書いたというよりも、我々の予算要求書が大蔵省に出ていますので、この要求書と、最後の折衝において決定をいたした数字について、その内容大蔵省で書いたのだ思いますが、もともとの数字は各省から出た数字でございますので、勿論数字等については各省も責任を持つべきかと思います。
  71. 赤木正雄

    赤木正雄君 数字の点ではありません。技術上のことでありますから、これは私又後日よく建設省の御意向を承わつてから質問することにいたします。
  72. 前田穰

    ○前田穰君 後日細かく伺う機会があると思いますけれども、この海岸堤防修築費補助、これで十億ばかり計上されておりますが、これで府県の要望する工事のどれくらいの割合が達成されるわけになりましようか。
  73. 米田正文

    政府委員米田正文君) 県の要望全部取りまとめますと、非常に、これの数倍ぐらいのもので、実は県の要望には非常に遠いのです。今年度、二十八年度に審議願つておりますものは、地元におきましては非常に不満だと思いますが、今日の情勢でどうもこれより以上予算の計上ができなかつたので、これらについてもつと重点的に、有効なものから実施をするというように進めたいと思います。
  74. 前田穰

    ○前田穰君 どれくらいの割合になつておりましようか。
  75. 米田正文

    政府委員米田正文君) 要求の四分の一程度なつております。
  76. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ほかにございませんでしたらば、道路予算説明に移りたいと思つております……。
  77. 深水六郎

    ○深水六郎君 ここへ海岸堤防修築費補助の、今前田さんから御質問があつたのですが、説明のところに「府県管理に係る」と書いてありますが、これは府県管理になつておるところだけをここに書いたのですか。府県管理以外のやつはございませんか。ここに挙げられている計数は……。
  78. 米田正文

    政府委員米田正文君) 何でございますか。
  79. 深水六郎

    ○深水六郎君 いやこれに、説明にですね。海岸堤防修築費補助というところに、説明に「府県管理に係る海岸堤防の改築」と、こう書いてあるのですが、結局これは現在府県管理になつている堤防に関するだけの問題でございますね。全然今なつていなくて、こういうようなところがあるわけですが、そういうようなところは含まれていないわけですね、この要求には。
  80. 米田正文

    政府委員米田正文君) 二十八年度予定のものは現在府県管理になつておるものだけに限定をいたしております。
  81. 赤木正雄

    赤木正雄君 それに又関連しまして、これは海岸堤防法ですか……、海岸保全法の関係がありますからして、建設省といたしましては府県管理に係つているものだけを対象とされるのか。それ以外なものを対象にされるのか。その御意向を承わりたい。
  82. 米田正文

    政府委員米田正文君) 海岸保全法が成立いたしますと、その法律によつて多少方針が変つて参るかと思いますが、現在のところは従前の方針継続いたしまして、海岸堤防修築は現在府県管理になつておるものにするという方針で、現在は行つております。
  83. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 只今赤木委員の、この配布いたしました資料に関しましてご質問がありまして、河川局長が御答弁申上げましたに関連いたしまして、私から若干訂正さして頂きたいと思います。お手許に差上げております建設省所管の予算、一般会計、特別会計、政府機関その他を一括して差上げておりますが、これは建設省から御酌付いたしましたのでございまして、この内容につきましては建設省の責任でございます。その点を御了承願いたいと思います。なお誠に申訳ございませんが、その中に若干数字の印刷誤りが数個所に亙つてありますのを正誤いたさずに、そのままに配付いたしておりますが、この点は後ほど訂正さして頂きたいと思います。ミスプリントがありましたので、訂正さして頂きたいと思います。あとで正誤表を差上げたいと思いますから、御了承をお願いいたします。
  84. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) では次に道路関係予算に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それでは道路関係予算について道路局長説明を求めます。
  86. 富樫凱一

    政府委員(富樫凱一君) 道路関係の要求予算について御説明申上げます。前回官房長から御説明申上げました通り、道路予算は二十八年度におきまして百四十二億六千八百万円を要求いたしております。このほかに有料道路関係で二十五債要求いたしておりますが、この二十五億を入れますると百六十七億六千八百万円でございます。この有料道路を除きましたのと昨年の道路予算と比較いたしますと、六二%の増加になつております。以下この通路予算内容につきまして御説明申上げます。  この予算内地北海道に分けますと、内地が百七億七千万円、北海道は三丁二億二千八百万円ということになつておりまして、その内地の内訳から御説明申上げたいと思います。内地の道路事業費を内訳いたしますと、直轄道路改修費と、それから道路事業調査費と道路改修費補助と道路事業調査費補助、大きくこの四つに分けられます。  で、この直轄道路改修費におきましては三十九億二千六百万円でございまして、この内訳が道路改良に二十九億八千九百万円、それから踏切除却に六十万円、鋪装に七億九千五百万円、補修に八千二百万円となつております。これは国が直轄でやります道路事業でございまして、改良につきましては国が三分の二を負担いたします。踏切除却しついても同様三分の二、鋪装についても三分の二でございまして、補修につきましては二分の一でございます。この直轄でやります改良の個所数を申上げますと、道路につきましては五十八個所ということになりまして、新規として八個所をやるということになつしおります。又長大橋につきましては五個所でございます。新規を二個所とることにいたしております。踏切除却は新規が二個所であります。鋪装につきましては三十三個所をやることにいたしておりますが、このうち新規が八個所でございます。補修につきましては三個所をやることにいたしておりますが、新規は二個所でございます。これらの個所につきましてはまだ省議を経ておりませんので、個所数だけを今日は申上げさして頂きたいと思います。次に道路事業調査費でございますが、これは二千五百八十万円でございます。これを以ちまして将来実施いたします直轄工事計画線の調査並びに実測調査実施いたしたいと考えております。次に道路改修費補助でございますが、これが六十八億一千七百九十八万円でございます。これを小分けいたしますと、道路改良が十八億六千六百二十万円でございまして、これは補助率が二分の一でございます。それから踏切除却が三億四千七百二十万円でございまして、補助率が二分の一でございます。それから特殊改良というのがございますが、これは二十七年度におきましては局部改良として要求いたしまして、この局部改良は道路のうちほんの一部を改良すれば非常に実効が挙がるというふうなものを選んだわけでございますが、なおこの特殊改良といたしましては、そのほか路盤等が非常に傷んでいるというふうなものは、この特殊改良の中で賄いたいという考え方で特殊改良といたしたわけでございます。これの補助率は三分の一でございまして二億七千五百万円を要求いたしております。それから橋梁整備でございますが、橋梁整備は十九億一千四百五十七万円でございまして、この補助率は二分の一でございます。次に補修でございますが、補修といたしまして五億六千八百五十一万円を要求いたしておりますが、補助率は三分の一でございます。なおこの補修の中で二十七年度と変りましたのは砂利道補修がございません。二十八年度におきましては砂利道補修には補助いたさぬということになつております。それから軌道補修も二十七年度はございましたが、二十八年度においては要求いたしてございません。同じく道路標識も二十八年度においては要求いたしておりません。又橋梁補修の中で二十七年度には木橋の補修というのがございましたが、この橋梁補修の中は永久橋の補修でございまして木橋の補修は要求いたしておりません。これらの補修を合せまして五億六千八百五十一万円でございます。次に災害防除でございますが、これが一億九千百二十万円で、補助率は三分の一でございます。この災害防除と申しますのは未然に災害を防ごうというものでございまして、危い箇所については未然に改良工事実施するものであります。次に鋪装でございますが、鋪装が十六億二千百五十万円であります。これも補助率は国道に対しましては二分の一、地方道に対しましては三分の一ということになつておりますが、この二十七年度におきましては地方道に対しましては二分の一でございましたのが、二十八年度においては事業量を増そうという趣旨から三分の一にいたしております。次に地盤沈下地帯の道路でございますが、これに三千三百八十万円を要求いたしております。これの補助率は二分の一から三分の二とありますが、道路におきましては二分の一だけでございます。  次に道路事業調査費補助といたしまして七百十万円を要求いたしておりますが、これの補助率は四分の一でございます。これは二十七年度におきましては三分の一でありましたが、二十八年度におきましては補助率を減らしまして四分の一ということにいたしたのでございます。これらを合せて内地におきましては百七億七千六百八十八万円でございます。  そのほかに次の頁でございますが、特定道路整備事業の特別会計に繰入として二十五億があります。これは本年度財政出資ということで一般会計からこの特別会計へ繰入れるということになりましたものでございます。なおこの二十五億の内容につきましては後ほど説明申上げます。  次に北海道でございますが、北海道の道路事業費といたしまして、三十三億二千八百八十二万五千円でございますが、これを分けますと、直轄道路改修費と、それからその下のほうにありますが、道路事業調査費、それから道路改修費補助並びに道路事業調査費補助、大きく分けますと、この四項目なつております。  で、直轄道路改修費北海道開発局が実施いたします分でございまして、これは皆国費であります。全部国費で賄います。この直轄道路改修費の総額は二十七億五千三百三十万円でございます。これを小分けいたしますと、改良に九億二千八百六十万円、鋪装に一億四千八百万円、補修に九千三百三十万円、維持に三億九千七百三十万円、橋梁に十一億六千百九十万円、災害防除に二千四百二十万円ということになつております。  その次に道路事業調査費でございますが、これが一千万円を予定いたしております。  次に道路改修費補助でございますが、これは北海道庁が実施いたします分でございまして、この改修費補助の総額は五億六千四百六十万六千円になります。それを小分けいたしますと、改良が四億九千六百八十万円、一枚めくつて頂きまして、特殊改良費二千三百四十万六千円、補修に四千八十万円、災害防除に三百六十万円、こういうふうに要求いたしております。  なお補助は、北海道の道路事業調査費補助が九十万円ございます。  それでなお北海道につきましては、補助率を改良は十分の六、それから特殊改良、補修は三分の一、道路事業調査費については四分の一ということになつておりますが、二十七年度におきましてはこの六割が五割でございました。  次に有料道路の内訳を御説明いたします。こちらの刷物の四百三頁にございます。この中に新規に入りましたものは、直轄道路整備事業分といたしまして松江国道でございます。それから特定道路整備事業貸付分といたしまして、立山登山道路以下が新規でございます。立山登山道路、裏磐梯道路、阿蘇登山道路、霧島登山道路、高野山登山道路、十日町—来迎寺、これは橋梁でございますが、これだけを新規に取入れております。これに事務費等を入れますと二十五億になるのでありますが、この二十五億が今回は一般会計から繰入れられることになりましたので、これは特別会計にとりましては都合のよいことでございまして、利子のない金を入れて頂くわけでございますので、特別会計としての運用は都合がよくなると、こう私どもは考えております。  以上簡単でございますが、道路関係予算について御説明申上げました。
  87. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 御質疑がございましたら……、ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  88. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会