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1952-12-18 第15回国会 参議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十八日(木曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     下條 恭兵君    理事            赤木 正雄君            松浦 定義君    委員            島津 忠彦君            飯島連次郎君            前田  穰君            三浦 辰雄君            田中  一君            小川 久義君   国務大臣    建 設 大 臣 佐藤 榮作君   政府委員    建設大臣官房官    房長      石破 二朗君    建設省計画局長 澁江 操一君    建設省河川局長 米田 正文君    建設省道路局長 富樫 凱一君    建設省住宅局長 師岡健四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (建設行政一般に関する件)  (総合開発問題に関する件)   —————————————
  2. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それでは只今から建設委員会を開会いたします。  建設行政に関する調査を議題に供します。最初に建設行政一般につきまして田中委員質問を許します。
  3. 田中一

    田中一君 私は只今計画局長住宅局長道路局長の三人のかたがたに質問いたしますが、第十三国会で防火建築帯指定、いわゆる耐火建築促進法なる法案を出しまして、二億円の予算を以て実施期に入つておる現状でありますが、大体この法案は、火災その他の災害防止土地の合理的な利用、これが一番大きく取上げられたところの問題でありまして、都市造成といいますか、こういう点につきまして関連する何らの……法文のうちに関連性を持たないというような欠点があるように考えられるのです。で、この指定に当りましては、建設大臣当該地方地区の長、いわゆる市町村長、並びに都道府県知事意見を聞き、同時に国家消防長官意見を聞いてこれを指定すると、こうなつております。一方都市計画法によりますと、大体都市計画審議会ですべてを審議し、それから建設大臣決定して、内閣が認可を与える、こういうことになつておりまするが、村井防災課長から、先般この問題につきまして各地区から来ておりますところの要求書といいますか、計画書を拝見いたしましたところが、横浜市などの例を取りますと、相当大巾に長期に理想的な不燃化都市を作るような計画を持つております。これに対しまして国は無論補助金を交付し、並びに起債などの便宜も図つておるように聞いております。そこで我々考えますのに、今日の都市形成現状におきましても、交通その他あらゆる面において、都市というものはもう無論空中に、延びるのは当然でありますけれども飽和状態に達しておる。従つて抜本的な新らしい構想の下に都市造成計画を立てない限り、この一方住宅局の持つておりますところの防火建築帯指定が続々と行われる場合、十年、二十年たたずして恐るべき都市が出現するのじやなかろうか、こういう不安を感ずるわけであります。従いまして政府といたしましては、この問題につきまして、各三局長共に話合いをし、同時に一応これならば少くとも十年、二十年或いは五十年、百年後の都市の形というものが頭に浮んでおつて計画しておるのかどうか、こういう点について総括的な質問を各三局長から伺いたいと存じます。  先ず計画局長から、この防火建築帯指定に絡んでどういう態度で臨み、どういう都市が今後不燃化都市として出現するかという構想を伺いたいと思います。
  4. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 私の所管いたしておりますところの都市計画観点からいたします只今質問のありました防火建築帯設定の目的なりその計画なりということにつきましては、私ども極めて適切であり、又将来の、只今お話がございましたようなこの都市内の土地高度利用ということが非常に叫ばれ、又必然的にそうなる関係にあり一まず情勢を察知して参りますと、極めて私は適切であるというふうに考えるわけでありますが、これには勿論都市計画の立て方の上から参りまして、如何なる地域防火建築帯指定して行くかということが一つの問題であろうと思います。それからなおこの街路との関係において、どれだけのつまり幅員、或いは計画を持たして将来に備えることが必要であるか、都市交通量との睨み合わせその他を考えてやるというふうに考えておる次第であります。大体そういうまあ根本的な原則に立つて処理したい、こういうふうに私ども考えるわけでございます。
  5. 田中一

    田中一君 住宅局長から横浜市の大体の計画を御説明願いたいと思いま
  6. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 只今計画局長お話で、御説明で、防火建築帯都市計画関連についてはたしか済んだと思いまするが、御承知のように防火建築帯防火地域設定されるものでありまして、防火地域はその都市全体の将来の発展も考慮して決定されておると思います。その上に立つて防火建築帯指定するわけでありまするが、この場合に、只今指摘になりました通り、私どもとしましては将来のその都市発展を常に考慮に入れまして、将来に禍根を残さないような指定をいたしておるわけであります。  只今お話になりました横浜市の問題でございまするが、これは御承知のように接収地が相当あつたわけでございます。これが相当広範囲に解除になるということになりましたので、この際に少し根本的に、いい機会でありまするので、防火建築帯を徹底的にやつて横浜市の不燃化を図ろうじやないかということで計画市当局において立てましたので、耐火建築促進法の趣旨から申しまして、非常に結構だということで、非常な援助を与えておる次第であります。
  7. 田中一

    田中一君 この防火建築帯指定に当りまして、従来横浜市なら横浜市が持つておりまするところの都市計画というものが、現在の今の横浜市の場合、接収地解除になりそうだから、そこに計画を立てているのだということで、今までの都市計画そのものに対する検討を加えなきやならんじやないか、この点について計画局長どうお考えなつておりますか、今のままの都市計画でいいのか、或いはこの際もう少し再検討して、新らしい都市計画を立なければならないのじやないかということについて計画局長はどうお考えですか。
  8. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 横浜市の防火建築帯設定と睨み合せて従来の都市計画を再検討する必要はないかというお話でございますが、実は御承知のように今回接収解除されました地域そのものは、従来から防火地域にすでに計画上は考えていた地域でございますので、そういう関係がございまして、そこに新らしく防火建築帯という問題が出て来た、こういう関係になつて参つたわけでありまして、その意味で従来のこの計画を再検討する必要は先ずないと、こういう結論から、市当局の出した計画を私どもも承認することにいたして現在になつているようなわけでございます。
  9. 田中一

    田中一君 私は今のような終戦後の状態で行きますと、自動車の数というものは年々十万台ぐらいずつ殖えて来る傾向にあると思います。横浜市の場合も恐らくその増加率東京ほどの率で殖えないかも知れないけれども、少くとも港として相当交通量も殖えると思うのです。その際今までの計画でいいとお考えなつている点、根拠ですね、一体車交通量はどうなるか、輸送というものが、トラックその他で以てどのくらいの見込で以て今までの計画でいいというか、従来までの持つております横浜市の都市計画を先ず御説明願いたいと思います。
  10. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 横浜市のやはり具体的な接収解除跡地の問題でございますが、これは御承知のように震災都市計画を立てまして実行いたしました地域、それから今後に組合施行区画整理をやらなければならない地域、二通りに分けられるわけです。前者の震災後の復興整理計画で立てましたものにつきましてはその計画をそのまま踏襲するという形をとりまして、あえてこれに変更を加えておりません。それから区劃整理の中の組合施行地域につきましては、これは只今お話になりましたような意味を以ちまして、将来の交通量その他を勘案して立てました計画に基いて決定をいたしておるというふうになつておるわけでございます。
  11. 田中一

    田中一君 今の御説明は、震災後というのは、震災というのは戦災のことですか、戦災後の計画ですか。
  12. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 関東震災後の計画でございます。
  13. 田中一

    田中一君 関東震災から少くとも三十年ぐらい経ております。それで今までのように年々十万台から増加する自動車、こういうものを考えまして、あなたはそれで差支えない、計画を修正しないで差支えないというお考えですか、どこまでも。
  14. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) もとより将来計画のことでございますから、できるだけお話のありましたように十年乃至二十年先の自動車交通量その他を勘案して立てるべきであろうと思います。ただ御承知のように戦災復興計画全体の問題といたしまして、東京の場合におきましても、震災後の、関東震災後の復興計画は一応そのまま尊重いたしまして残しておくのを一応前提にいたしております。そういう政策上の方針をそのままこの横浜の場合にも当てはめて行きたい、こういう考え方に立つておるわけであります。
  15. 田中一

    田中一君 道路局長に伺います。やはり横浜の市街地も国道を結ぶ道路があるのでありますが、今日までの交通量、そういうものから勘案しまして、三十年前の計画で将来三十年、百年後までも差支えないとお考えなつておりますか、それとも修正しなければならないとお考えなつておりますか、どつちですか。
  16. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 横浜まで行きます国道も、もうすでに新京浜国道というものを作りまして二本になつております。道路計画といたしましては、都市計画できめられた線に則つてつておるわけでございまして、その将来の見方都市計画とは多少異つておりまして、割に近い将来を道路局としては見るわけであります。只今つておりますのは、従来ありました計画の線によつて実施しているという形になつております。
  17. 田中一

    田中一君 お三人の局長東京銀座日本橋方面のあの交通地獄というものは御承知と思うのです。耐火建築帯というものは、地下室も含めたところの助成方針なつております。若し仮に三十年前の計画でそこにその建設をやつた後に、若しも我々が東京中央部におけるところのあの交通地獄の姿が再び現れて、そうしてこれを再検討しなければならんという時期には相当な金がかかる、又不可能に近いことだ、これを考えてやらなければならない問題と考えておりますが、計画局長はどこまでも今までの三十年前の計画で心配ないという全くの自信を持つて答弁なさつておるのですか、その点は一つ将来の日本の姿を勘案なすつて、責任ある御答弁を願いたいと思います。
  18. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 誠に御尤な御質問でございまして、率直に言いましてこの東京、大阪、まあ京浜、阪神と申しますか、そういう大都市中心地域における交通量の激増して行く関係は、これは十分注目して行かなければならんというふうに私ども考えております。そこでお話のように交通量の激増に伴う街路その他の計画をもつと大巾に将来を考えておかなければならない、誠にその通りだというふうに私ども考えております。  それからもう一つの問題は、今日の駐車場の問題、これも大都市に主として関係ある問題でございますが、現在非常に問題になつております。これらにつきましては住宅局と緊密な連繋をとりまして、御承知のように駐車場施設民間建設でいたす場合においてこれの助成考えるという方法一つ仕組まれておるわけです。これは資金上の関係からそういうことを助成し、これを慫慂する方法において道路駐車、そういうことによる交通の隘路というものを解決して行くことといたしたいと考えておる次第でありますが、一方都市計画立場からは、如何なる地域においてどれだけの駐車予定数を以てこれに対するいわゆる都市計画を立てなければいけないかということを現在検討いたしているようなわけでございます。ただ然らば、私が苦干疑問に思いますことは、勿論広ければ広いほどいいということも考えられますけれども、併し実際問題としては都市現状経男を以つてしてはなかなか今の戦災復興の跡始末でさえ非常な困難に遭遇しているという状況に、かてて加えて又新らしく計画拡める、その事業化を図るということに相成つて参りますと、これは都市の現在の財政力からいたしましてかなりむずかしい問題になる、やはり計画としましては、ただ計画があればいいということではございませんで、それが実行に移される裏付けがやはり或る程度相伴うという、具体的な実施を見込んだ計画でなければいけないというふうにも考えるわけであります。そういつたような点等を睨み合せて、その現在の都市財政力その他と睨み合せつつ解決して行かなければいけない、こういう考え方でいるのでございます。従いまして都市交通の非常に激増する状況から行きまして、幅員をできるだけ増せばいいということは勿論根本的に考えておりますけれども、現実の問題としては、戦災復興事業の問題というものを今かなりの財政負担でやつている都市現状から勘案して、やるべき時期、やるべき計画というもののやはり適切な時期を選ばなければならん、私はなかなかむずかしい問題ではないかというふうにまあ考えるわけです。根本的には田中さんの仰せられることは誠に御尤もだと思います。併しただそれを実行に移す方法においてはかなりいろいろな問題を広い視野から考えて行けかなればいけない、こういうふうに考えております。
  19. 田中一

    田中一君 今計画局長お話だが、私は今現在が時期だと思うのです。あなたは三十年前の計画で以て今やつてもいいのだというお話ですけれども、今横浜市のようにああいう大巾な耐火建築帯を造ろうとする場合に、今こそその時期だと思うのですよ。あなたの言うように三十年前の計画そのままで以て進んで行くとすれば、それこそ国民にしても国にしても、或いは横浜市においても負担し切れない時代が来るのじやないか。今こそその時期じやないかとこう考えているのです。現在横浜市が計画するような接収解除地に…今こそ原つぱで何もないでございましよう、併しながらそこに統一されたいい町ができれば、そこにやはり交通というものが増大して来ることは間違いないことなんですよ。その際に三十年前の計画を以てやつて行くだけで差支えないものかどうか、これは非常に疑問があるのですが、時期の問題は今だと思うのですが、これに対しては局長どう考えていますか。
  20. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この横浜市の場合につきましては、私先ほどの答弁の中で十分尽せなかつたと思いますが、只今仰せになりましたような解除地区で原つぱになつておるというような、いわゆる戦災復興と同じような立場における地域につきましては、勿論お話のような将来計画を見込みました計画を立てまして、その上に立つて防火建築帯設定すると、こういう方法をとつているのでございます。
  21. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ちよつと速記をとめて。    (速記中止
  22. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それでは速記を始めて。それでは建設大臣から国土総合開発計画について特に全般的な問題から切離して、総合開発計画に対する方針を御説明を願いたいと思います。
  23. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先だつて来当委員会には暫らく欠席いたしましたので、皆様がたに対してお話申上げる機会を失したのであります。その間に国土総合開発法に基く開発計画推進についてのお尋ねがあつたやに伺つておるのであります。それについてこの機会に少し詳しく話をして見ろということでございます。先ずそれをお話申上げまして、或いはお尋ねの点に触れておらない点がありますれば、後に説明を補足さして頂きたいと思います。  そこで国土総会開発法の企図しておりますところは、国土自然的条件を考慮いたしまして、経済社会文化等に関する施設総合的見地から国土を総合的に利用し、開発し、保全して、産業立地適正化を図り、社会福祉の向上に資することにあると思います。この観点に立ちまして昭和二十五年六月本法施行以来各都府県はその地域内の土地、水その他資源賦存状況災害状況交通運輸状況等の現況を調査分析し、各都府県総合開発計画を作成しつつあるのでありますが、昨年十二月に資源開発国土保全対策に関し特に重要な内容を保有すると考えられる十九の地域特定地域指定しまして、すでにそのうちの五地域総合開発計画の作成を終つておりまして、只今総理大臣にその計画を提出しておる次第でございます。  総合開発の狙いとするところは、第一に国土利用開発保全策の施策を総合的に計画実施して、建設行政合理化を図るところにあるのでありますので、各府県が作成しました計画を十分検討いたしまして、今後国も地方公共団体建設行政遂行上の基本となるに足る計画を樹立したいと考えている次第であります。  第二に、その計画が確立いたしましたならば、その計画に盛られているところの事項のうち根幹となる事業に対しては、国の責任において積極的にこれを推進して参る考えであります。特に本年六月本法改正の結果、特定地域については総合開発計画国土総合開発審議会に付議されまして、総理大臣に対し審議結果の報告又は勧告があつた場合、政府はその報告又は勧告に基いてその計画根幹となる事業よりなる開発計画閣議決定をいたしまして、毎年度これが予算措置を講ずることになつておりますので、計画決定には慎重を期し、計画決定された際は、その計画に基いて国及び地方財政の許す限り積極的に事業推進を図つて参りたいと考えておる次第であります。大変簡単でありまするが、要綱につきましてのみ只今申上げた次第であります。
  24. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 御質問ございませんでしようか……。なければ私から大臣お尋ねしたいと思うのですが、昨日経済審議庁事務当局説明やその他を聞きますと、どうも国土総合開発ということに対して割合熱がないわけではないが、基本的な調査など熱心にやつておらないように思うのです。例えば只見川の問題について昨日聞いたのですが、電源開発など非常に急いでおつたということのためにですね、両県からまだ出て来ない。あの総合開発計画が、両県でいろいろな問題があるため出て来ないというようなことに対しても政府として積極的にこれを促進するような方法も今まで割合とつていなかつたというようなことがまあわかつて来ておるわけです。それからもう一つはつきりして来たと思うのは、河川法に難点があるというか、国として割合力強くやれないというようなこともあるということも我々わかつて来たのですが、この点に対して大臣はどういうお考えを持つておりますか、一つ
  25. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 今お尋ねになりましたように総合開発計画というものはなかなか規模が広大でありますだけに、又つかみどころが非常に困難と申しますか、基本的調査資料を持たない限りこの計画推進して行くことが非常に困難な事業でありまして、それだけにこの法律の運用に当りましての基礎調査を確保すると申しますか、調査を完成するということが先ず第一の大きな仕事だと思うのでございます。これに対しての熱意がやや御指摘のように不十分である、こういう点はこれは私ども関係省の者といたしましては、特に今後注意をして参らなければならないと思います。而もやはり総合開発計画というふうなものになりますと、只今申上げるような性格から非常な熱意を持たないとなかなかその事業は進むものではありません。過去においても役所が不得手といたします点は、調査を完成するということじやないかと思いますが、この計画遂行に当りましても同様の欠陥が暴露されておるのであります。これは御指摘のような点につきましては、今後一層の熱意を以てこの基本的な資料収集整備、先ずそれを実施する。そのうちからそれぞれの機関にお諮りいたしまして、根幹となる事項を取上げて、そうして推進して参りたいと思います。  そのうちの一例としての只見川お話が出ておりますが、これは今まで只見川総合開発というお言葉が言われておりますが、只見川総合開発根幹をなすものは、何と言つて電源開発に相違ないのであります。ただ総合開発についての、只見川総合開発の場合の電力開発計画につきましては、過去において日発或いはOCI等調査はできておりますけれども、この調査資料についてはいろいろの抽象的な批判もあるのでありますので、電源開発促進法が効力を発生しております今日になりますると、電源開発審議会と申しましたか、あの審議会がこれらの材料を如何ように取扱うかという問題に必ず当面するものだと思います。その点が一つのポイントでありまして、この審議会の活動に待つて只見川電源開発の問題は解決を見て行くだろう。かように私は考えております。  又只見川の問題は御承知のように、我が国の電源開発観点から立てば非常に重大な大きな価値と意義を持つものですが、それが今まで論議されておる本流案或いは分流案、こういう両説の取扱い等政治問題もあるわけでありまするので、かような意味合いのことを考えますると、大きな電源地帯である、従つて経済的に及ぼす影響は非常に大きいし、同時に又それが尤も政治的な問題でもありますだけに、扱いかたは慎重にはしなければならんが、やはり急速にこれを取上げて解決しなければならない問題だろうと思います。そうするとこの国土総合開発の十九地区の中から見ましても、只見川水域というものは早急に取上げられて、そうしてこれの研究を遂げられる運びになるように、この意味合いにおいては審議会等政府も積極的に話かけなければならん。そういう場合に建設省立場におきましてその政策に十分協力して参る、かような考え方を持つているわけであります。
  26. 小川久義

    小川久義君 総合開発について実態を見た面から申しますと、私はあわてちやいかんと思う。十分な調査を遂げて着手せんと、今日十九地区指定されて、皆一時に着手しようとしておりますが、先般三重県の宮川総合開発現状を見、又いろいろ話を聞いて見ますと、どうもまだ土地買収なり補償がきまつてもおらんうちに起工式をやつてしまつた。四万四千キロの電気を起すために五十三万七千円という借金をせんならん。その電力を、三年くらいの計画だが、これは延びると思うが、五年も七年もかかつた場合、県の財政的負担が重くなつて来て、県財政に支障を来すような面も出て来る。それで長野の三峰川現状を見てもボーリングさえも断わるというような恰好でありますし、これは無理に推し進めることも必要な面もありますが、もつと基礎的調査を十分にして、然る後に着手すべき点もあるのじやないか。この点に対しては十分目安のついたものからやつて頂く、府県にしますと隣りの県がやつたから我が県もやらなければならんというのであせつている県もあるようであります。先ほども申上げました通り三峰川地域の連中が予定地ヘダムをやつてもらうのがいやなために宮川へ聞きに行つた。一反歩百万円でなければ買収に応じないという強硬な地主もあるということを聞いて来た。それはそういう見方が本当とすれば、未解決のまま起工式が行われておることは、これは不自然である。そういう点を十分一つ急ぐ面は急いでもらつて結構ですが、調査を十分、又それに伴う円満解決のつくべきものはしたあとやつてもらう。特にこの電源ということは、先ほど大臣が言われた通り総合開発根幹電源開発電力開発にあるように皆できております。その電力なるものが果して将来有効に、又県が金をかけて収支を償うだけになるかならんかということに相当疑問があると思う。その点は一つ十分実態に即したような御調査をお進めの上やつて頂きたいということを御希望申上げておきます。
  27. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 今小川委員から質問がありましたが、これに関連して、これは大臣の御答弁ではなくて、事務当局でよろしいですが、三峰川総合開発お話がありましたが、これはどの程度まで進展しているのですか。
  28. 米田正文

    政府委員(米田正文君) 三峰川に関しましてはすでに調査を、研究を相当進めまして、二十七年度から事業の一部に着手したいというので、実は調査と併行しながらも本年度から工事費を一部つけたような次第であります。併し本年度工事をしながら調査をしておりましたが、ダムの地点等の地質がまだ調査を十分やる余地があることがわかりまして、現在まだ続行いたしております。で、もう二、三カ月かからないと地質のはつきりした結論が出て参らんのじやないかと思います。それが出ることによつてこの総合開発根幹決定いたしたいと思つておりますが、実はまだ今日地質の結論が出ておりませんので、はつきり申上げられません。
  29. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 河川局長お話では、まだ十分調査が出ていないが、併し大体プランはできておるようで、私は現に二十七年度から予算をつけたいとか、つけるとかいうことを聞いておりました。実は私は大臣に聞いて頂きたいのですが、これは御答弁がなくてもいいのですが、三峰川調査は大体しておるとおつしやいましたが、あの流域全体どなたが踏査されたのでしようか。
  30. 米田正文

    政府委員(米田正文君) 建設省としては係の者がそれぞれ現地に参りまして調査に参加をいたしました。なおこちらでも計画の策定について本省が中心になつて進めた次第であります。
  31. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 いや、私の申しますのは流域全体のことです。堰堤を築造なさる場所は無論地質調査或いはその他の調査をなさつておられますが、流域全体を踏破されているかどうかということ、それがされない以上はあの計画が施行できるはずはないのです。おやりになつたなら、どなたが何をされたのですか。
  32. 米田正文

    政府委員(米田正文君) お話のようにあの総合開発計画を進めますには全流域の調査が勿論必要でございます。特にあの河は、御承知のように非常に荒れ河でございまして、河底が相当に荒れておる。むしろ非常に隆起をいたしておる状態でございます。山地の状況も非常に悪い、それらのことも一連の調査の中に入れて勿論やるべきで、今度の総合開発計画の中にもそれを織込んでやることにいたしております。で、誰が調査に行つたかと申上げますと、実はまだそこまで詳しく私調べておりませんので、御了承願います。
  33. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 まあ察するに踏破していらつしやらんというふうに了解したほうが公正らしい、実際私は全部流域を廻つていますからそれで申すのです。あれは、三峰川コースを私はテントを持つて廻りました。それで参謀本部の地図にもない大崩壊地がある。これは大正六年の水害による大変化です。これを見ないであそこに電源開発の堰堤を作りましても、埋まることははつきりわかつております。そういう所がありながら、ただ現状の……、堰堤を作る箇所だけを査定なすつては、とんでもない将来間違いを来します。あの電源開発法を審議した場合も、私も委員といたしまして……特に大臣にこれは御注意願いたいのは、どうせ今日日本の電源開発をやつても、堰堤が幾ら埋つているか、甚しいのはすでに全部埋つてしまつている、私はこれは数を以てあのときにすつかり説明したのです。成るほどそういうふうなら、これは電源開発関連して、どうしても上流を治めなければならんという皆さんの意見で、あの法案審議の結果として、あれに関連して上流に砂防を行う、こういう決議案が附いているはずです。そういう決議案を附けてあの法案は通過している。これは参議院ではそうなつております。これは特に大臣は御注意願いたい。で、要するのに、今まで折角堰堤を作りましても、なかなかどういうふうに埋まるか、これは私は今も申したいのは、発電会社はこれはなかなかやりません、と申しますのは、何回も私は同じことを申すのですが、大臣は初めてですからちよつと申上げます。北大の中谷君と二人電源の各会社から頼まれまして、どういうふうに土砂が埋つて行くか調査してほしい、ではしようというので、先ず以て只見川において調査をしよう。でいよいよ調査する人員もきめまして、これからかかろうというときになりましたら、調査をやめてくれ、それは堰堤がだんだん埋まることが世間に発表されると困る、これが電気会社の魂胆だ。そういう実例があとますからして、国で或いは大きな会社で電源開発をやろうというときは、どうしても上流に土砂が流れないようにする、これには山腹工事でも渓流工事でも両方やる。それをやつて頂かなければできないということを特にお願いして、これに関する予算をとくと考えて頂きたい。これは私は特にお願いいたします。  それからこれに関連してちよつと大臣に……お忙しいようですが、ちよつと関係がありますから、簡単ですから御説明願いたい。それは海岸砂防地帯振興臨時措置法、こういう法案が出るらしい。これは議員提案と私は思いますが、この法案の内容を見ますと、この趣旨は、海岸砂防地帯は潮風又は飛砂による災害が甚だしく、又農業生産力は著しく劣つているので、これが災害の防止及び農業の生産の基礎条件の整備に関する事業を速かに且つ総合的に実施することによつて、当該地帯の保全と農業生産力の向上とを図り、以て農業経営の安定と農民生活の改善に資する必要がある、これがこの法案を提出する理由である。こういうふうになつております。そこでこれは、尤も林野庁に関係がありますが、建設省にも関係があるのです。と申しますと、要するにこれは海岸砂防なのです。で、海岸砂防はどこでやつているか、大部分これは農林省の林野庁でやつております。併し治水に関係のある砂防は海岸でも建設省がやつております。  例えて申しますと、鳥取県の千代川の河口、或いは遠州灘の大田川の河口、これは皆建設省予算を取つてつています。こういう法案がほうそれで出ますと、折角今までやつていた林野庁にしても、あの茨城県の那珂川の河口のごとき実にいい成績を挙げているのです。今更林野庁でやつているもの或いは建設省でやつているものを、今更却つて農林省でやらなくてもいいと思います。これは折角大臣が一番最初におつしやつた、成るべく統一してやろうという御方針に反しますから、若しもこの法案が出るときには、これは大臣一つ自由党の幹部として十分お考え頂きたい。これは私希望します。
  34. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 今の海岸砂防法の話は私も耳にしております。これは政府提案ではなくて、御承知のように議員提案で出されるやに伺うのでございます。いつもの問題でありますが、各省でいろいろの仕事をして頂くことは非常に結構であります。併し同時に又それらの工事を受けますほうからみると、建設省関係か農林省の関係か、十分わからなくて、国民とすれば場合によると戸惑いすることもあるやに聞くのでありますが、できるだけ国の予算が一括で使うように将来とも工夫すべきだと思います。只今お話は更に直接国会の問題になるわけでありますが、大変この席で申して恐縮でありますけれども、自由党内部の問題につきましてはよく相談をいたしてみたいと思います。
  35. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 大臣にこの際お尋ねしたいのですけれども、今まあ或る一つの河のダム等を作る場合においては、十分その上流の砂防については、或いは山腹砂防まで含めて考えなければならん、もうすでに例があるじやないか、例は申されなかつたが、私の知つている例でも、例えば庄川の小原ダムのごとき、あれは建設昭和十七年頃であつたかと思いますが、建設後五年ですでに四九%四というものが埋つてしまつていたというので、一つの代表的な例になつております。そのことはまさにそうなんであつて、私は更に同時に一般に荒れた山林自身からやつぱりやらなきやならないのじやないか、ああいつた山腹が荒廃をしているというようなその現象、その場所だけじやなくて、そういう地方は多くはどうも切つて切り放し、而も再三丸裸にするものですから、うつかりするというとじきそういう状況なつて来る。従つて私は山腹も含めてその問題は解決すべきものだろうというのが基本的な考えなんです。これには恐らく大臣も御異存はないと思うのです。  それに今度は関連いたしまして、曾つては例の国土省問題がありました。その際に一つの焦点としてあつたのは、林野行政というものをむしろこのような国土状況或いは山林の遺憾ながら荒廃している現状から見れば、林産物需給逼迫という、言葉を換えて言えば林産物を生産させるという経済面で行政区分を取上げないで、むしろ国土保全というような面から、林業の半分の面である国土保全の面というものから取上げてやつたほうが、今日の日本の状況から言えばいいんだというのが恐らくあれは趣旨だつたと思うのです。ところがいろいろな議論で、結局あれは他の企てと共におじやんになつたわけなんですけれども、そこで又一つのそれに派生して考えられることは、山林のせめて荒廃になつている部分、今禿げて或いは地滑りをして、どうしても或る種の簡単ながらも工事をしなければいけないという部分だけでも、せめて一つのほうに統一したらいいのじやないかという問題が出たわけなんです。私はそのときに言つたんです。それは今日非常に、非常にというか、或る程度現状健全だと思われる山林でありましても、乱暴にこれを取扱えば直ちに日本の気象の状況、地質の関係からして、いわゆる砂防と山腹工事等を要するような山になつてしまうし、又逆に今日非常に禿げて困つていると言つても、適切な簡単な而も砂防工事をやれば、やがてはいわゆる林産物の生産基盤になる。すべての自然現象というものはやつぱり生きているのだから、その生きているという前提で取扱う必要がある。その生きのいる自然の山野に対して、人間の福祉を増強するためにいわゆるいろいろな工事なり事業が進められているのだから、併せてやつぱり考えるのが妥当であつて、現在ただ目の先禿げているからといつて、その禿げている部分だけをどつちこつちへ持つて行くということは考えないで、やつばり根本的に考えたらどうなんだろうと考えます。こういうのが私の一つの持論なんです。そういうことを言つて行くというと、あの問題の際には、まあ産業的な関係一つも持たない国土省的なほうに行くのと、広く農林漁業の産業の線列からこれを離されたんでは一般農山村が困るというこの二つの議論になつたのは御承知通りだと思うのです。最近そういうような問題を大臣のほうとしてはお考えになられているかどうですか、この際にちよつとお聞きしたい。
  36. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先だつてもこの委員会国土省的な性格というか、或いは国土省設置についてどう考えるかというお尋ねがあつたわけでございます。その際私答えましたのは、やはり国としての仕事は、基本的な方策が数カ所に分れるということはこれは非常な問題があるでしよう。いわゆる総合統一が取れるということが政策としては絶対に必要だと思う。併し各部門におきまして時世と共に分業化し更に専門化するということは、これは当然のことだと思います。だから分業化し専門化することを不都合とは言わない。専門化し分業化するが、総体としての総合的統一性が保てる、これが政治ではないでしようかということを実は申上げたのでございます。  国土省の性格も、勿論立派な御議論だと思います。言い換えて申しますと、分業化し専門家するという点はどういう点にあるかと申しますと、私ども建設省が土木工事をいたしておりますが、農業土木というものにつきましては、これは非常な専門的な技術だろうと思います。併し治水というか、河の問題になりますと、この技術はこれは殆んど建設省が自他共に許すものだろうと思います。例えば鉄道が幾ら鉄道建設をやるといたしましても、この堤防工事なり或いは洪水対策の土木工事には不向きであります。実はそういうものじやない。今問題になります砂防工事にいたしましても、この山林砂防或いは渓流砂防、こういうような区分、分け方をいたしておりますが、それぞれの立場においての専門的な議論があるのだろうと思う。だこの砂防のことにつきましては、私は余り素人でありまして詳しく事情はわかりません。わかりませんが、砂防についての分化、専門化というものはどうも少し行過ぎの現状じやないだろうか、もう少し統一が取れて然るべきじやないだろうかというような感じがいたしておる。この点は私率直に私の意見を申上げるというか、感じを申上げるのです。この点はうんと御批判を頂きたいと思います。先ほど赤木さんのお話、これはもう我が国砂防についての大権威者でもあられまするし、又今のお話も、山或いは森林行政の立場からいろいろの御要望が出ておるのだと思います。それらの点は、現在の段階ではまあ地域的な区分の程度のように考えられまして、技術上の問題には余り触れておらないのじやないか、これは私素人の感じでございます。この辺は農林省、建設省のセクシヨナリズムでこの問題を取扱わなで、更に政策が国として総合的統一性を持つように是非とも進めて参らなければならない一つの適例じやないかと思います。先ほど言われました海岸砂防の問題もありましようし、或いは海岸保全の問題もあります。更に又河川の改修の際におきましても関係各省の間でいろいろの議論があるようであります。これらも大所高所に立つて政策の総合統一性は是非ともそこなわないようにしたい。併し同時にそれぞれ分業化し専門化していることは承認すべき事柄じやないかと、実はかように考えております。
  37. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 私それに関して、総合門発という問題は、十九の個所をいろいろの角度から検討してきめられた。それから地方は地方で以てそれぞれの総合開発というものを県は県なりにやつておられる。これらの問題は、私はやはり日本の国として、水というものを何としても中心にして展開されべきものだと思うのです。でそれに関して、水との関連において今の問題もやはり出て来るのです。私は今、私見だがというお話もわかるのです。そこで私どもの尊敬している専門の赤木さん、誰も専門家と言われている赤木先生と同じく、私もその後輩で、やはり林業というものをやつているのです。で砂防の問題というものは、学問的に言えば、日本の教育の中では山林砂防、渓流砂防も含めて林業という一つの部門で日本の教育のあれではできているのです。それだから実は砂防というもの、或いは山林のいわゆる復旧といいますか、健全化という問題に対する政府の関心が、非常にまだ財政的に言うと足らないのだ、こういう問題が第一番に叫ばれることであり、その次には、一体どこでどういうふうに分化的に進むなら、区分するとすれば区分するか、或いはそれを一緒にしておいたほうがいいのか、そういうような問題に問題の所在があると私は思つているのです。何してもああいつた目に見えない方面のぼうに、今の分類で言えば、建設省関係の砂防事業にいたしましても、農林省関係が今持つております治山、砂防、或いは更に従来あつた山林、植林の問題にいたしましても、大きな建設という、一番ダメッジを受けることの多い、一番問題の多いものを中心としている建設関係としては一段とお力添えを願いたいということを私はここにお願いして、質問を終ります。
  38. 小川久義

    小川久義君 先ほど申上げました三峰川の問題なんですが、実は今から一月前になりますが、あの美和村という村から、ダムを設置しようという地点の村です、そこから反対の陳情に参りました。何としてもここにダムを造ることには反対である、農地が四十町歩ほど埋没する、人家が三十四戸も沈んでしまう、どうかしてこれをやめる法はないかということで、三人連れで陳情に来ました。その結果この委員会で諮つて、特に現地を調査に行こうということで、石川委員と私が行つて来たのです。現地に行つてみますと、役場の二階に反対陳情の連中が押し掛けまして、中には女の人も泣いて手を合せておる、やめてくれと。この農地がなくなつては我々は食うことはできんというようなことで、青年団長だとか婦人会長だとか、そういう連中も来まして、非常な反対をしておる。それから、君らの気持はわかるけれども、国が総合的に開発しようということは、君らをより以上よくしようということなんだから、そこを一つ了解してくれと、いろいろ懇談した、二時間も。ところがボーリングをやらせない、県が計画しておる地点の地盤を確かめるためにボーリングをやろうとしても、妨害してやらせないということでありましたので、それではボーリングだけやろうじやないか、県にもやらせろ、ここならいいという地点が又あるのです、村の連中の。合流点がありまして、合流点の上でダムを設置してもらつたらいい。だからその所、両方ボーリングしようということにまとめて来たのですが、その後の経過がおわかりならお聞かせ願いたいということと、只今赤木先輩からの話によると、どうしても上流を治めなきや埋まつてしまう地点だということもお聞きの通りですが、地元がそのくらいに反対し、河川としても上流砂防をやらなければ、その発電ダムも埋まつてしまうという虞れがあるとすれば、再検討の必要があるのじやないか、こう思いますが、河川局長のほうではそういうことに対しての今までの調査、それならその後の地元の様子もわかりましたらお聞かせ願いたいと思います。
  39. 米田正文

    政府委員(米田正文君) 今のお話のように、三峰川開発に関しましては、水没地の犠牲者のかたがたの反対が従来ありました。現地における調査も十分にできないような実情であります。併し最近に至りまして現地のかたがたも、総合開発をやるという基本的な線は呑むという情勢に変つて参りました。ただ問題は事後処理をどうしてくれるか、水没地の補償を具体的にどうするかという問題、或いは今後立退いて、我々の定住すべき土地はどこにあるかというような具体的な問題を解決してもらわなきや困るというので、地元側の委員とそれから県側の委員と同数の委員会をこしらえて協議をしようということまで進みました。現在その委員の人選中でございます。いずれ近いうちに委員会が設立をされまして協議を始めることと思います。それで一部調査等にはそういう委員会ができれば着手をさせるというところまで参りました。現在計画の進みましたのはそういう犠牲者の換地と申しますか、そういう土地を作つてやる、それにはできますダムの水を利用することによつて土地改良をやる、その土地に入れて上げようというので、下流側の右岸と左岸の両地区に現在の所有地に相当する土地を作つて上げるというような計画を現在県として進めております。それを今犠牲者のかたがたに、犠牲になるべき人を連れて行つて、現地を見せたりしていろいろ工作をやつておる実情でございます。  それから先ほどの砂防の問題でございますけれども、これはもう当然やらなきやならん問題だと思いまして、来年度の予算編成の御説明を先般申上げましたときも、砂防といたしては、ダムの埋没に対する砂防というものは特に重視して予算に盛つてあるということを御説明申上げたのですが、そういうように建設省一つの施策の重点としても、今後のダム埋没の問題については慎重対策を進めるという方針でございます。のみならずこの水系の三峰川上流についても砂防対策を十分やる考えでございます。
  40. 小川久義

    小川久義君 只今局長の御説明の線までは、私も現地に行つた当時までの様子でわかつております。ただ御質問申上げるときに省きましたが、お答えが出たので、僕の尋ね方が足りなかつたのですが、そこまではわかつております。総合開発自体には反対でないことも知つております。それからその村の反対の連中が役場の二階におりまして、先ほど申しましたボーリングを県の希望する地点、村の希望する地点、両方ともやらせようというところまでまとめたのは、石川君と僕と二人で二時間余りかかつてまとめて来た。それと同時に、君らは相談相手を早く作れ、その委員を出すこともその席でまとめて来た。ところが県のかたも、出先機関のかたもその席へは列席できない状態である。そういう人が出ると却つて反対の意見が強まるために、控室に待たしておいて、石川君と僕が出たような様子でありますので、まあこれ以上ここで申上げてもしようがないので、これは一つ建設省として、善処、指導してもらいたい。現地の人は反対側の連中と顔を合せることもできんような状態である。そうして控室におつて、僕ら二人だけが出て話をまとめて来たので、そういうことも一つお含みの上で……、犠牲という二字があつては困る。これは総合開発全般だと思うが、国が一つの法律を作つて、その線に向つて事業をやれば、犠牲という二字は絶体除けなければならん。より母上喜んでくれる態勢を作らなければいかん。先ほどちよつと申しました通り宮川の現地に行つて調査して来た。立退かなければならん人の調査をして来ている。そうして「おらもう田圃は百万円出しても離さんがだ」という人の意見も聞いて来た。平岡ダムの調査もして来た。でまだ仮屋の中に住居しておる人もおりますが、立退料三百五十万円、宅地の造成費が四百万円、一軒の立退をしてもらうために七百五十万円の金がかかつておることは、現地の人も調査済みなんです。そういう点も、今下流の土地を心配してやるということも、そのときの話にありましたし、それから国有林があるので、山を欲しい者には山をやろうということも出ておつたのですが、それを先ず解決して、然る後に着工しないと、局長の話では二十七年度からすでに予算を付けて仕事をさせる運びだというようなことでありますが、そうなると却つて紛糾に紛糾が強まりまして、折角の計画も無駄になる虞れがあると思いますので、この点一つ十分あなたのほうでも調査し、指導してやつて頂きたいということを希望しておきます。
  41. 田中一

    田中一君 ちよつと大臣に伺いたいのですが、これは経済審議庁の所管になつておりますけれども国土調査法による調査ですね、これは特定地域指定とか、或いはそういつた実地踏査といいますか、そういう方面に何か役に立つておりますか、或いは利用しているのですか。全然関係ないでやつているのですか、どつちですか。
  42. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) その点はできるだけ審議庁に聞いて頂きたい。審議庁のほうが専門でありますので、審議庁のほうへお尋ね願いたいと係から申しておりますから、率直に申上げておきます。
  43. 田中一

    田中一君 そうすると、河川局などではこの調査というものは全然何も利用しないということですか。
  44. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) いえ、この調査建設省の窓口になりますので、各府県より出て参ります資料もございますので、建設省としては十分それらの資料も参考にいたすわけであります。
  45. 田中一

    田中一君 そうしますと、この調査の対象というものはどういう方向に向つているのですか。私はこの国土総合開発一つの役目を果すのじやなかろうかという点から伺うわけです。
  46. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 国土調査法と建設省の仕事の関係でございますが、これは実は国土調査法自体は、あのときに、立案の過程で御承知のように、全国の土地分類、ランド・クラシフイケーシヨンを見るということが法律の目的であるわけでございますが、併し実際問題としてそういう大規模なランド・クラシフイケーシヨンを今短時日の間にやるということも不可能なことでございます。そこで今大臣からお話もありましたように、できるだけこれは総合開発といいますか、そういうものと結び附けて重点的に国土調査をやるほうが適当ではないか、こういう考え方で、私のほうといたしましては、経済審議庁にもその観点に立つて重点を置いて頂くようにお願いをいたしております。実際問題といたしましても、五万分の一のそういう土地利用図を作成することを国土調査法の関係においてやつて頂くというようなことでお願いをいたしておる。そういうようなふうになつております。
  47. 田中一

    田中一君 国土調査法による調査費では、水資源どもやはり只今説明観点から調べておりますか。
  48. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) やはりお話のように調べております。
  49. 田中一

    田中一君 そうすると、結局国土総合開発調査費の中ですね、実質的には……。ただ予算を取るために二つの口座を設けたということなんでしようか、それとも今おつしやつたように別の目的があるけれども、今ここでこの現在の段階では御説明のような状態にあるのだということでいいのですか。
  50. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) この国土調査法の目的は、飽くまで土地利用図乃至は土地利用或いは土地土地分類といいますか、地質或いは現況といつたようなものを中心にしておるのでございます。国土調査法、国土総合開発法調査関係は、むしろ具体的な計画、そういうものと、計画を立案する過程において必要な調査をやつておる場合があるというので、お話のように若干ダブつておる点もございますが、その重複はできるだけ避けて行つておるつもりでございます。ただ法律の立案される動機が若干違つておつたのでございますが、実質の運営がその後両者結び附くような関係なつて来た、こういうふうに御了解願いたいのでございます。
  51. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 それに関連して、いわゆる総合開発のことをお尋ねするのですが、国土調査のほうは主に農地……あれは山林もありましたが、どういうふうな価値があるのか、それを調査するのが根本の方針と覚えております。そうするとそれで調査なすつて、それから国土総合開発のほうで仮に調査なすつて、堰堤を作つて多くの土地が埋まる、そういう場合に埋まる土地の面積はそれでわかりますが、国土調査の結果を参照しておられるか、同じことをやつておられるのか、それならば調査費を一本にして、無駄の調査費を省いたほうがいいのです。非常にそこに折角の国民の税金が無駄になつておるように思うのですが、これはどうなんですか。これはむしろ建設省、あなたのほうの御関係ですから、局長でも結構です。大臣でなくても局長からでも御返事願えれば……。
  52. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 御指摘になりましたように国土調査或いは総合開発調査というようないろいろな調査費が法律の違うごとに違う、或いは所管が違うたびに違うというような問題がいろいろございます。私どもといたしましては、できるだけそういうものを、調査一つの体系そのものがやはり私は現在必要じやないかというふうに考えております。御指摘になりましたように、国土調査でやつたものを又総合開発調査調査する、こういつたような無駄をやるべきではございませんし、又重点もおのずから両者一応連絡してやるべきものだと思います。そういう意味で、私は調査費の使い方、或いは調査計画ということ、そのことがやはり関係省の間でよほど緊密にやられるような方向へ努力しなければいかん、こういうふうに考えております。
  53. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 仮に国にそういう調査の特別の機関がありまして、それでなさるならそういうことができましようが、恐らく各県に流して各県が調査すると思います。そうすると土木が調査して、土木は土木の部面で土地調査をしましようし、又国土調査をする、結局同じことを二重にする、それには厖大な費用が要る、紙代にしても大変なものです。実は私は法案審議のときに、それがはつきりしないので随分反対をいたしたのです。だから、今あなたのおつしやつた国土調査はどういうことをやつている、それから土地調査はどういうことをやつているかということをはつきりわかるように、今日でなくてもいいから、よくわかるように一つ書いて下さい。そうしてそれによつて又よく研究したい。
  54. 田中一

    田中一君 区画整理の問題で非常に各都市とも戦災復興事業が遅れておる。これはなぜかと言いますと、法律がないからなんです。特別都市計画法をずつと調べてみましても、どうも市民の利益を擁護するという建前に立つていない。調べてみましても、結局都道府県知事なり或いは事業者が適当な審議会を設けて一方的にそれをきめているという形なんです。そうして、文句があるなら訴願せい、こういう形の都市計画が特別都市計画なんです。こいつを土地収用法のあのくらいまで民主化された、国民の利益を図るという建前に立つならば、もう少し戦災復興も進捗し、同時に先般文書課長ですか、説明したような戦災都市の復興促進法案なり、こういう法案を出す必要はないのです。基本法がないわけです。こいつに対して、まあ大体私は二年越しにこれを建設省に向つて要求しております。併しながらまだ出て来ない、耕地整理法を準用して……、耕地整理法というものはもうない。この廃法を準用して現在やつているという現状なんです。そこで大臣は、この次の国会に土地整理法、非常に民主的な、国民の利益を図る法律を立案して出す用意があるかどうか、若しも用意がないとすれば、議員提出で出す決意でおりますから、その点明確に一つ決意のほどをお示し願いたい。
  55. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 田中さんのお話土地整理が非常に遅れておる、この点私も同感であります。これはひとり戦災、非戦災地ばかりじやなく、その他の都市におきましても土地の整理が非常に遅れておる。殊に戦災都市におきましては将来の計画にも支障を来すのじやないか、土地はどんどん値上りをして行く、そうして目抜きの場所を空地のままで放置して、そうしてその利用を挙げ得ない。或いは又これを暫定的に許しておくと、既存事実というか、一つの事実を作つて、将来非常な禍根を残す。これはまあ各都市とも困つておられるようであります。殊にそれらの都市に官庁が入ります場合において一層私は問題を引起して、例えば停車場の位置であるとか或いは郵便局、電話局を設置する、こういうような場合になりますと、予算で縛られておるために非常な問題を将来に残すというか、解決し得ないために、将来に負担を増加しておるものが多い。建設省関係におきましても、市内の道路の問題だとか或いは鉄道線路の問題等、いろいろ問題があるわけであります。それらの問題を、将来適当なときに実施する場合に予想される法律上の困難さを考えますると、御指摘のような法律はどうしても必要だろうと思います。そこで建設当局もいろいろ御批判を頂きました結果だと思いますが、在来の研究に更に拍車をかけておる状況であります。只今のところ、できるだけ早く成案を得て政府自身がそういうものを国会の御審議にかけたい、かような意向を持つておる次第であります。  只今のところ、然らば来国会は必ず出せるかという見通しになりまするが、只今鋭意研究中だというのが、今事務当局の申上げ得る最大限であるようでございます。私のこのお話を伺いましたので、更に督励もいたしてみたいと思います。その上で或いは委員会のほう等におきましても十分御連絡を申上げまして、皆さまがたの御協力を賜りたい、かように考えております。
  56. 田中一

    田中一君 今大臣の見える前までも、結局そこに結論を持つて行こうと思つて伺つたわけです。例えば横浜などに防火地帯を指定するといる場合ですね、いろいろな問題が起き薫るのです。うつちやつておけばうつちやつてくほど市民の不利益になる。そこで都市計画法並びに土地整理法を早急にしなければ、これはますます市民のほうが迷惑する。そうしてそれを促進するためには別な戦災都市復興促進法案という法律を政府は準備しておるようです。これは本末顛倒しております。これを解決する基本法がなくて、何もないですよ。なくて促進させようなんということはこれは大きな間違いです。従つて大臣からの言明もありましたので、計画局長は真剣に取組んで、二年越しの懸案を解決して頂きたいと思います。
  57. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 昨日の田中、赤木両委員の人事問題に対する質疑に対しまして官房長から補足説明の申出がありますから、これを許します。
  58. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 昨日資料を持つてつておりませんので、答弁が甚だ不明瞭だつたと思います。大変失礼申上げましたことをお詫び申上げます。  田中委員お尋ねになりました五所川原の岩木ケ原工事事務所の出張所の、遠隔の地におる職員の待遇改善と申しますか、給与の改善に関してどういう措置をとつておるかというお尋ねに対しまして、全然方法がないから止むを得ないと申上げましたが、それは間違いでございまして、予算、決算及び会計法によりますと、非常な僻陳の交通至難な地におる職員に対しましては前渡しする方法がとれることになつております。ただ実際の問題といたしまして、これは工事事務所長なり地方建設局長、そういう順序を経て私のほうへ参りまして、それから大蔵省に協議してやらなきやならんことになつておりますが、私のほうもうつかりしておりましたが、現地のほうもぼやくしておりましたので、果してその必要ありやなしや、田中委員の御指摘の点もありますので、至急そういう措置をこちらからとつて、遺憾のないようにしたいと思います。  それから赤木委員お尋ねになりました富山工事事務所の職員で、富山市にいる者と上流の上宝砂防出張所でありますとか三里出張所、こういう所に勤務しておる者との給与の違いはどうかというお尋ねがありましたが、給与は、いわゆる本俸、扶養手当、勤務地手当、これは同じでございます。勤務地手当は工事事務所の所在地主義によつておりますので、出張所が如何に遠方にありましても同じでございます。事務所の通りであります。ただ違いますのは、日額旅費として渡しておるのが違つております。これも現実にどれだけ出張しておるかどうかはわかりませんが、予算の配付の基準といたしておりますのは、富山工事事務所、本事務所におる者一人に対しましては月九百十円という計算で渡しております。それからその上流の上宝砂防出張所、これに勤務しております職員に対しましては一ケ月二千八百円、それから三里出張所に対しましては千三百円、かように相灰つております。なおこのほかに寒冷地手当が年一回出るわけでございますが、仮に職員の本俸、これは仮定がつきますが、本俸が一万一千四円であり扶養手当が千三百十九円だつたと仮定しますと、富山におきましては年に寒冷地手当が五千五百四十五円、上宝砂防出張所におきましては九千八百五十八円、三里出張所におきましては五千五百四十八円、かような計算に相成つております。なお先ほど仮定として本俸、扶養手当などを申上げましたが、これは十月の中部地建の職員の給与の平均に二割をかけておるものでございます。なお僻地手当のことに関しまして人事院とどういう交渉をしておるかというような御趣旨の御質問がありましたが、これは昨年やりましたけれども、実は私のほうが勤務地を工事事務所所在地主義によつておりますので、出張所が相当離れておりましても僻地手当というものを現在出しておる所は、それに該当する所がありませんので、一カ所も僻地手当を出しておる所はありません。ただ実際は僻地手当といいます額は非常に少いものでありますので、結果は僻地手当をもらいますよりか、僻地におりましても、工事事務所所在地の勤務地手当によつたほうが現実の収入は多いという結果に相成つております。なお北海道のほうの実情も調べて参ろうと思つたのでございますけれども、丁度間に合いませんので、この次の機会がありましたならば、係の職員に連絡いたしまして適当に取計らいたいと、かように考えております。
  59. 小川久義

    小川久義君 先ほど田中委員の法律化の要望に関連しまして、道路敷地であるとか川敷地、それから先ほど言つておられました総合開発によるつぶれ地、こういうことで道路局、河川局だとかで買収価格が相当違つておるのじやないか、根本的には安過ぎはしないか。富山の実例を申上げますと、常願寺川の改修敷地は二万七千円で買収しておる、小矢部川へ行きますと三万五十円、こういう実態なんですね。とこつが富山県の過去の例からみますと、田圃一反というものは一石の米価に十九をかけたものが最低のような売買が行われて来ておる。最高は三十倍、三十五倍になつたこともありますが、最低が十五石の米の代金が一反歩の農地の価格というのが通例であります。そういうふうに割り出しますと、七千五百円の十五倍でありますと十一二万になるはずでありますが、それが二千七百円くらいで買収されておつて、これは非常な無理がある。その該当者に聞いてみますと、君らがこの価格で買収に応じないなら、この工事をよそへ持つてつて、お前のところは堤防にされても知らんぞということで抑えておるそうですが、そういうことでは極めて不公平極まるので、我々歩いた中にはもつと一高額で買収しておるところも聞いておりますが、その法律を、今のことは法律にないからですが、田中君の話では、都市に重点を置いたような話でありましたが、立法されるとすれば、そういうことも一本にされたほうがいいと思いますので、その法律のできるまでは、農地その他に関係のある各局が御連絡願つて、少くとも建設省内における買収価格くらいは、土地の事情によりますが、一つの基準を以て平等の取扱いをして頂きたい、こう思いますが、その点に対して各局長の御意見をお伺いしたい。
  60. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 実は公共事業、或いは建設省内部の公共事業買収する土地価格でございますが、これは従来いたしておる方法は、やはりそれぞれの実施機関でございます現場に主として担当させておる。又そのことが一等事情に合うという考え方に立つておりますが、只今指摘になりましたように、それでは甚だ土地の補償費というものが地域によつて非常にアンバランスである、又その事業の部門によつて非常にアンバランスであるということが現実の問題として起つて参ります。それで只今どういうことをやつておりますかと申しますと、これはまだ具体的な問題にまで突込んでおりませんけれども、各現地とも連絡をとりまして、少くとも建設省内部におきまする土地の補償基準というものを一定の適正な価格に持つて来るべく一つの基準を作成して行きたいというふうな方法をとつております。又一面にはこれが土地収用法の一つ実施さるべき問題でもございますので、これも収用法の実施を完璧ならしめる意味におきまして、全国の、御承知の法律に基きます土地収用審査会の連絡会議という形におきまして、これは建設省内部だけでございません、国鉄もございます、農林関係もございます、そういつたような土地の補償をしなければならない各公共事業部門を持つております関係各省の協議会、そういう方法推進して行きたいというふうな仕組で進めておるわけであります。土地収用法の関係は、専ら都市内の宅地その他を重点に置くという関係で、若干重点が変つておるのであります。そういう点で両者併せてやるというわけには参らんと思いますけれども、今申上げたような方法で努力をいたしたいと思います。
  61. 小川久義

    小川久義君 もう一言、実態をそのまま申上げますと、去年土地買収したのですが、そこには完全な水門を作つてやるという条件で坪九十円で買収したのですが、ところがその水門は未だできない、又こしらえる様子もなさそうなんです。その条件が附いておつた坪九十円を、何も条件のない所に当てはめておるのが現実です。そういうことで押して行つて、先ほど申上げました通り、若し君らがこれに応じなければ、この工事費をほかへ持つてつてしまうぞということことで押付けでおるのでは、これは非常な弾圧であると思います。そういう点は一つあなたのほうからも注意して頂いて、そういう弱い百姓なんという者は、審議会に申立てをするとかいうことはできないように永らく習慣附けられておりますので、建設省におかれては親心を以て飽くまでも適正な補償料をやるように御努力願いたいと思います。
  62. 田中一

    田中一君 官房長にちよつとお伺いしたいのですが、昨日伺つた生保内に事務所があつて、それから作業をしておる所は鎧畑の現場だという場合には、先ほど赤木さんの質問答弁された九千八百五十八円というものが附くのですか、それともこの日額旅費が附くという話ですが、日額旅費は幾らですか。
  63. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 生保内のあれは今年できた工事事務所でございましたので、私うつかりして名前を知らないものですから失礼いたしましたが、玉川工事事務所というのだと思います。これは日額旅費が上宝砂防出張所と同じく二千八百円、これは大体一カ月に二十日間出張するであろうという予想の下に予算をつけております。これはこのほかに寒冷地手当の関係は年に六千八百四十六円という計算に相成つております。
  64. 田中一

    田中一君 有難うございました。
  65. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 官房長にお伺いしたいのですが、私説明を伺つての疑問ですが、この工事事務所というもので地域給というものは盛つておいて、そして実際やつておる現場についての寒冷地は工事事務所の寒冷地のクラスと違つたクラスを適用する、私は現実問題として、当然そういうようにしてもらうべきであり、大変結構だと思うのですが、それは運用でやつているのでしようか、そういうことはでき得るのですか、それだけちよつと……。
  66. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 私の御説明が足りませんでしたが、勤務地手当とそれから寒冷地手当、これは同一の性格、根拠があるという前提でやつておりますので、勤務地手当は事務所による、寒冷地手当は現場のほうによるという方法はとつておりません。
  67. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 そうなればさつき冨山のお話で、寒冷地手当はその事務所の裁量より多くなつたように私は御説明を聞いたのですが、現実問題としては、私は奥地にいる人はできるだけ或る程度手厚くして差上げたほうが実際に即するということについては賛成なんです。賛成なんだが、それを運用でおやりになられておるのかどうかという点を……。
  68. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 誠に申訳ありませんが、取調べましたところでは、上宝砂防出張所は九千八百五十八円と確かに先ほど申上げましたが、私が今申上げましたのと少し矛盾いたしますので、もう一ぺん取調べさして頂きたいと思います。
  69. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 ただ私は現場のほうを成るべく手厚くして、誠心誠意やつてもろうということに賛成なんですから、その辺は一つ
  70. 田中一

    田中一君 河川局長に聞きたいのですが、今の岩木川の関係ですが、河口の囲繞堤が東側のほうはほぼ本年度でできるようになつているようですが、西側のほうは農林省も建設省予算化してするつもりがないように聞いているのですが、一体あれは二十八年度はどういう工合に扱うつもりなんですか。
  71. 米田正文

    政府委員(米田正文君) 只今お話のように岩木川の下流十三湖の沿岸の問題でございますが、あれは大分前からの話でございまして、当時建設省は下流の右岸側と申しますか、今やつております所でございますが、即ち囲繞堤の着手をいたしました。これは当時安本がありまして、安本と相談してやつたのですが、その後順調に仕事も進みまして、今年度で完成をいたす予定でございます。左側のほうは当時実は農林省がやりたいという意向がありまして、安本が調整いたしまして、それじや左岸のほうは農林省でやるようにしたらいいじやないかというような意向がありまして、右岸は建設省、左岸は農林省でやろう、同時にそれは囲繞堤をやりますると、内部の背後地の土地造成を伴うものである。そこで当然内部のこの背後地の関係は農林省の土地改良事業或いは埋立て事業として助成をして行かなければならん。そこでその関連がありますので、農林省はすでに左岸地区にそういう土地改良事務所をこしらえたようでございます。そこでそういうふうにやり始めたのですが、どういう関係か、農林省の側の仕事は進まなかつたものですから、そこで最近そういう今のお話のような問題が現実に起つているわけですが、我々実は農林省は左岸のほうに事務所をこしらえるし、或いは囲繞堤もやり、中の土地造成もやるのみならず、右岸側の我々のこしらえた囲繞堤の背後地についても農林省がやると、こういうふうに考えておつたのでございますが、それがうまく行かないようになつておりますのが今日の現状でございます。そこで折角作つた農林省の事務所がありましので、我々はそれを期待しておつたのですが、それがどうしてもうまく行かないという実情にありますので、来年度予算の前に我々のほうと農林省ともう一度協議をやつて、それによつてきめようということで、今事務当局同士で話合いをするという段階まで参つております。まだ話合いはいたしておりません。そういう準備をしております。
  72. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 恐縮ですが、私から計画局長一つお尋ねさして頂きたいと思います。昨日私が経済審議庁のほうへいろいろな資料の要求をしておきましたが、一つそれを今日の委員会に提出してもらうように要求しておいたのですけれども、先ほどの連絡によると、一切挙げて建設省のほうから資料を出してもろうことになつているという連絡があつたのですが、その通り審議庁から連絡があつたかどうか、伺います。
  73. 澁江操一

    政府委員澁江操一君) 現実に経済審議庁からは連絡は受けておりませんが、委員会から資料の提出を御要望になつておるということは私も承知いたしております。それで問題は只見川地域の総合計画に関する県側の資料というものを我々に提出してもらいたいという御要望のように聞きましたが、実は何回か資料の作成につきましては両県側とそれぞれ打合せをいたしております。と申しますのは、建設省が一応対県の関係におきましてはそれぞれ資料をまとめるということになつておりますので、そういう関係におきまして資料をまとめつつ私たちは打合せをいたしておるのであります。ただ県の正式の意思表示としての資料の提出を実はまだ受けておりませんので、これを至急督促いたしまして、それを委員会にお示しするようにいたしたいと、かように考えております。
  74. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 私が昨日審議庁に要求したものは、現在まで審議庁で持つておる資料、例えば金沢の農地事務所が農林省に提出した資料、これはすでに審議庁の当局は我々の手許にありますと、昨日言明をしておりますから、そういうものを含めて今日の委員会に是非出すようにと、こういうふうに要求をしておいたのです。正式に引受けておらなければそれで結構なんで、これは審議庁のほうへ督促しますから結構です。  ただこの際お願いしておきたいのは、恐らく建設省にもあるのだろうと思うのですが、只見川地域では何と言つても雪融けの水が財産なので、この水に対する調査をどれくらいやつておるか。例えば尾瀬原にはどれくらい雪が降つて、雪融けの水がどのくらいの量があるか。田子倉にはどのくらい、或いは内川、それぞれの地域別にして水の量を一つ調べた資料があつたら出して頂きたいと思います。  もう一つは、今計画しておるダムの予定地、これは只見とか田子倉、内川とか言つておりますが、それ以外にダムを造る適地があるかないか、というのは、あれの代りに造るという問題でなくて、あれを造つた上に水が豊富であるならば、更にもつとダムを造つたほうがいいと思うので、そういう適当な地域があるかどうかという調査もあつたら、併せて次回までに資料を御提出願います。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  75. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記を始めて。
  76. 田中一

    田中一君 住宅局長に伺うのです。が、防火建築帯指定に当つて計画局とよく打合せをしまして、計画局長も三十年前の現状のままでいいんだという御見解恐はらく修正されたものと思うのですが、従つて木造地域、木造の現在あるところの防火地区に防火帯を作る場合に十分計画局と検討、連絡をとりまして、なお道路局とも連絡をして、将来の交通量その他の面についても万全の策を立てて指定して頂きたい。これは決して防火建築帯を阻止するものではなくて、防火建築帯の将来に禍根を残さないようなものに作つて行きたいという気持から申上げるのであつて、この点現状指定のある場合どうなつておりますか、一応住宅局長の現在までの交渉の経緯を伺いたいと思います。
  77. 師岡健四郎

    政府委員師岡健四郎君) 只今お話のありました通りに私ども考えておるのでありまして、防火建築帯の御指定に当りましては十分計画局、又必要に応じまして道路局とも協議いたしまして指定をしておるわけであります。
  78. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会