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1953-02-20 第15回国会 参議院 建設・大蔵連合委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十日(金曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。   建設委員    委員長     下條 恭兵君    理事            赤木 正雄君            石川 榮一君            松浦 定義君    委員            深水 六郎君            前田  穰君            三浦 辰雄君            田中  一君   大蔵委員    委員長     中川 以良君    理事            木内 四郎君            伊藤 保平君            菊川 孝夫君    委員            黒田 英雄君            西川甚五郎君            平沼彌太郎君            小林 政夫君            小宮山常吉君            杉山 昌作君            堀木 鎌三君            木村禧八郎君   衆議院議員            田中 角榮君   国務大臣    大 蔵 大 臣 向井 忠晴君    労 働 大 臣    建 設 大 臣 戸塚九一郎君   政府委員    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    建設政務次官  三池  信君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○道路整備費財源等に関する臨時措  置法案衆議院提出)   —————————————
  2. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 只今から建設大蔵連合委員会を開催いたします。  道路整備費財源等に関する臨時措置法案を議題に供します。只今出席政府委員発議者田中角榮君、並びに富樫道路局長石破官房長出席しており、三池建設政務次官石原主計局次長は間もなく出席いたします。戸塚建設大臣向井大蔵大臣愛知大蔵政務次官衆議院予算委員会等関係出席困難の模様でございます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 小林政夫

    小林政夫君 前回の連合委員会でも大蔵大臣建設大臣、而も二人お揃いのところで是非我々は質問いたしたい。大蔵委員会としてはそういうふうに申入れしてあつたわけでありますが、本日見えないことになると、どうももう一回連合委員会を開いて頂かなければならん。今日はちよつと質疑しにくいと思う。
  4. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 大蔵大臣建設大臣に対しましては、委員長から更に強く要請いたすことにいたします。それでその回答が来ますまで、両大臣を除いた部分について質疑のおありの方は、一つ質疑願いたいと思いますけれども、かような計らい方は如何でございましううか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それではそのように決定いたします。
  6. 杉山昌作

    杉山昌作君 今委員長、それではそのようにということですが、その前に申上げたいと思つたのですが、今のお計らいは両大臣が御出席に若しならなければ、やはり引続いて連合委員会をお開きになるということを前提として出て来られるまでは、出ておられる人に対する質疑だけを続行する、こういうふうに解釈してよろしうございますね。
  7. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 私が申上げました考え方は、只今小林委員から強硬に御意見がありましたので、その旨を伝えまして委員長から交渉いたしてみまして、両大臣からの返事によつて改めて御相談申上げたいと考えて、先ほどのような意見を申上げたわけであります。そういうふうに御了承願いたいと思います。
  8. 田中一

    田中一君 今のような大蔵委員のほうでは発言がなければ、このまま休憩いたしまして、大臣に交渉して大臣がどうしても来られなければ、来られないような措置をとつて頂きたい。で、大蔵委員から発言がなければこれは委員会を持つ必要がなくなる。振替えて単独に建設委員会をお開き願いたい。こう考えます。
  9. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記をとめて。    午前十時四十九分速記中止    ——————————    午前十一時五分速記開始
  10. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記をつけて。質疑のおありの方は御順に御発言を願います。
  11. 小林政夫

    小林政夫君 今の主計局から渡された資料ちよつと説明して下さい。
  12. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 今お配りをいたしました資料は、道路整備費の今年の予算、それからこの臨時措置法によりまする場合の今の予算のうちで、この臨時措置法の第三条でございまするが、その規定に該当いたしまする金額というものを比較いたしたのでございます。ガソリン税は御覧のように百五十八億三千百万円でございまして、これが収入見込として歳入予算に計上しておる額でございます。見合いの支出のほうになつておりまする道路予算関係金額全体は百六十七億でございまして、このうち直轄補助特定道路分でありますが、この三つに分れるわけであります。この三つにつきまして、臨時措置法第三条の規定でこれを拾つて見ますると、直轄の六十八億は五十億に相成ります。この六十八億のうち臨時措置法第三条に該当いたしまする金額が、そこで十八億ほど減つております理由でありますが、これは備考に書いてありますように、附帯事務費調査費、それから地方負担、これは第三条には補助金及び負担金とございまするので、直轄事業で全額支出いたしまして、三分の一を地方から負担金としてとります。従いまして補助金及び負担金ということに相成りますると、国のネツトの支出が即ち三分の二に当る支出というものに相成りますので、その地方が国に納付いたしまする分担金の分は差引く必要があるのであります。それを差引きまして五十億七千万円という金額に相成ります。  それからもう一つ申上げておきますが、新設改築修繕というものがあります。従来から提案者のほうから御説明ございますように、新設を除いてあるのであります。実は如何なるものが新設であるかということにつきまして、なお議論の余地があるかと思うのでありますが、この場合におきましては開拓道路、これは開拓地に新らしくつけます道路、これは完全なる新設に属しまするものが多いわけであります。併しながら開拓道路の中におきましても、既存道路を中心にいたしまして、それを改良して参るというものもございまするので、建設省のほうと御相談いたしまして、大体八割見当を見ておいたらどうであろうか、開拓道路の中の八割見当は純粋の新設に属する、あとは現在、道路改良費以下に載つておりますものは、既存道路に対しまして、これを改良いたす、回復いたすというものでございまするので、新設というものが除かれまする点につきましては、開拓道路の中の約八割という金額を除きまして見てあるわけであります。  補助のほうは計上額のうち特に除くものがない。  特定道路でございますが、これは百六十七億の中に入つておるわけであります。これは例の特定道路有料道路特別会計のほうに繰入をいたします金額でありますが、これはこの条文におきまして、道路法及び道路修繕に関する法律というものに基く国の負担金又は補助金ということが書いてございますので、これは繰入れまして、それだけ将来道路貸付料の形で入つて参りますから、負担金補助金という言葉に該当いたさないというふうに考えまするので、これが全額落ちる。  以上が道路事業費百六十七億のうち百二十四億というものが、この第三条に照しまして、この三条に該当いたしまする金額に相成つております。  その次に、都市計画のほうにおきまする事業費のうちの改良の分でありますが、これはこの第三条に該当いたしまする条件を備えておりまするもので、道路法規定にあります負担金又は補助金といたしまして十二億八千七百万円、合計いたしまして百三十七億四千七百万円というのが、この第三条このままの形におきまして成立いたしました場合、解釈上拾われる金額でございます。そういたしますと、上の百五十八億三千百万円という金額比較をいたしますと、一番下の欄外にございまするように、二十億八千四百万円という金額がそれだけ赤字と申しますか、法律に基きまして計上いたしまするためには、それだけの金額が現在御審議を願つておりまする予算では不足をいたしておるということに相成るわけであります。なお御参考に申上げておきますが、先般来この委員会の席上でも御議論のございました自動車用ガソリン消費量というものとこれを睨み合せて見ますとどういう工合になりますかということをちよつと申上げますが、自動車用に使われますガソリン割合につきましては、八割乃至九割というようなお話がございますが、現に安定本部が策定をいたしておりまする本年度ガソリン消費割合というものを見ますと、自動車用ガソリン消費割合が八七%三という数字になります。この数字が実際にどのくらいに相成りますか、実際にやつて見なければわかりませんが、一応安本のガソリン配給計画と申しますか、計画数字を基礎にいたしますると、八七%三という数字になりますので、それを乗じますと、自動車用ガソリンを消費する金額が百三十八億二千万円、従いましてこの計算は、先ほど申上げました百三十七億四千七百万円、それと睨み合せますとまだ若干不足をいたしておるということに相成りまするが、これは条文上はそう読めるわけではないのでありますが、先般来この委員会で御議論になりましたような計算によりますと、そういうことになりますということを一言附加えます。
  13. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 関連して……これは成るほど一応御説明はわかりましたが、この法案に謳つている道路整備五カ年計画ですね、結局五カ年計画と、それから今度政府で一応出しておられるこの資料に上れば、二十八年度道路関係予算全額、それとの関連がつまり出て来るわけですね、従つて今の査定されたいわゆる予算案数字との比較の問題なんですけれども、五カ年計画というものとの比較一つお聞かせ願いたい。
  14. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。この法律案によりまする五カ年計画案というのは、二十八年度以降五カ年間に亙るガソリン税収入総額を約一千百億と押えているのでありまして、あとからお手許にお配りいたしますが、大体今のところ第一案としては、総事業量二千七百五十五億八千余万円、このうちの予算額千六百六十億というものを押えておるわけであります。そうしますとガソリン税収入総額が一千百億円でありますので、これの差額といたしまして五百五十億円ばかり一般財源からこの法律案によるところの特別道路整備五カ年計画費用を捻出してもらわなければならないという勘定になるわけであります。勿論昭和二十八年度予算案に組まれております道路費の内訳というものは、この法律案が通過した場合には、新らしく作られる五カ年計画案の中の第一年次分のうちに含まれるわけであります。
  15. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今のは閣議を経ない五カ年計画ですから、ここに法律にいう五カ年計画とは認められないわけではありますけれども、この大きな目的からいつて是非閣議で認めてもらいたいと思う。五カ年計画のおよそ原案的なものから割出されたのかと思うのですが、そういう点からいうと、もう一回伺いたいのですけれども、この法律案通つてままになるなら、一体二十八年度幾ら一般会計から更にこの目的のために入れたいという数字になるのですか。二十八年度でいえば……。
  16. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。数字といたしましては二十億八千四百万円が二十八年度ガソリン税収入見込額と先ほど主計局次長説明せられた二十八年度予算案の本計画に見合う金額を差引きました金額でありますので、この程度金額は二十八年度予算にでき得るならば、他に財源が求められるならば、是非補正して頂きたい、こういうふうな考えを持つております。
  17. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 大蔵委員会でむしろ大蔵委員の方からというお話があつたが、こちらからも発言していいというお許しだものだから、関連した意味で又お聞きしたいのですけれども、この策三条のところで建設委員会でやつたときには、ガソリンから上つて来るこの税収入というものはその線まで出してくれというのじやなくて、第二条でいうところの閣議を経た五カ年計画に基いた必要量というものに対して、その一部分としてガソリンの中から上つて来る税をぶち込むのである、従つていわゆる一般会計のほうから、公共事業費のほうから当然継ぎ足すのであるといつたような御発言があつた。ところが今むしろ提案者からこの数字でいう二十億でいいのだというお話のように聞えるのですが、その点どうなんですか。
  18. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) そういうふうに了解されるような発言をしたのは遺憾だと思いますが、勿論提案の当初から申しました通り主要国道並びに重要府県道を五カ年整備計画にいたしますと、一カ年最低五百六十億ずつの経費を要求するわけでございますので、私たち考えから申しますと、道路予算として年度当初大蔵省事務当局に要求いたしております金額、即ち四百七、八十億乃至五百億という必要量限度があるわけでありますが、併しこの法律案によつて道路整備緊急性を強調いたしておりましても、財源的な問題でいろいろ制約を受けると思うのでありまして、只今申上げましたのは最低限これ以上出せないという場合であつて最低限二十億は補正しなければならない、できるならば私としては、前の委員会でも申上げましたように十五カ年乃至二十カ年くらいに道路整備を行うためには、最低限二十億といたしてそれ以上できるだけ多額に持つて行きたい。私の目標では昭和二十八年度公共事業費道路予算に組まれた八十八億プラス二十億程度のものを、即ち百億くらい補正願えれば誠に幸甚だと考えておるわけであります。
  19. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今のこの問題をめぐつて、結局大蔵委員のかたがたが先般来発言されておつた問題ですが、ここにはつきり数字との関連において明らかなんです。そこでそのこと自体が両大臣是非同時に御出席願つて特に大蔵委員としてもお聞きしたいし、我々建設委員のほうでも政府としての統一ある答弁を、この財源確保目的税ということでなく、目的税ということを打消している、ガソリンを多く使うほうの道路だけを直すのではなくて、而も提案理由にあるように、自動車さえ通らんような所まで直すというあの考え方従つて行くのだというお話であつたから、それは目的でないとして、いわゆる自動車の多くある所だけを直して地方中小都市、或いは農山村の方面における部分までも等しく直すという意味解釈したとしても、金の問題がここに出て来る。そこで建設委員会でもどうも政府の統一ある答弁を求めたい。まあ財源確保法だろう、言葉を換えれば……、だからそれについてどういうふうに考えられるかということが問題なんです。まあ次長さんがいらつしやるのですが、一つこれが通つた場合、仮にこのまま通つた場合、それを執行しなければならん行政の立場としてはどういうふうになるか、一つ先ず直接の御担当の方として御意見をお聞きしたいのです。できれば……。
  20. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 提案者から御説明がございましたように、提案者のお気持としては、このガソリン税相当額プラス・アルフアーというお考えのようでございますが、先ほど来御説明申上げておりますように、この法律条文そのもの解釈といたしまして最低限度必要な金額は、ここにございまする二十億八千四百万円の金額でございます。従いまして法律がこのままの形で通過をいたしますと、政府としてはこれだけの金額計上補正をいたすことをいたしませんと、法律予算との間に矛盾を来たすのではないかと思います。それでは一体補正をする気があるかというお尋ねだろうと思うのでありますが、これは大蔵大臣もいろいろの機会にお答え申上げておりますように、新らしく財源を追加をいたしまして補正をいたす用意は目下のところ政府としてはないということを繰返して申上げておりますので、その立場を申上げます。以上附加えてお答えいたします。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 簡単に、大臣が見えるまで一、二大蔵当局に質問したいのです。道路の必要なことはもう今までどの委員諸君お話になりましたからここに申上げる必要はありませんが、これによりまして非常に道路費が殖えるということになりますが、大蔵当局はこの法案の出ない、つまり大蔵当局は今まで公共事業費を按分しておられましたあの観点は、道路その他の災害、或いは農林関係公共事業費でありますが、それをすべての点から公正なものとしてやつておられたのでありますか、その点をお伺いしたい。
  22. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) お尋ねの点は公共事業費におきまする各種事業振合いを公正であるという建前で予算を組んだかということですか。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうです。
  24. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 申すまでもなく、公共事業各種事業の間におきまする振合いの問題は、これは毎年度多少違つて来ております。本年度について申上げますれば、御承知のように災害を含みましても、公共事業費増加割合は二割程度災害を除いて見ますと三割くらいのところです。そのうちで道路は、これは特定道路の繰入を除きまして約七割なので、相当強い重点を置いた査定になつておるわけであります。河川が相当やはりこれは高い割合になつておりますが、大体道路に一番重点を置き、次に河川という解釈であります。農業関係食糧増産関係は二割から三割の間になつております。そこら辺のバランスの問題につきましては、これは事務的な振合いの問題もあり、或いは又やや大きい立場からの御意見もありまして、こういうふうにきまつております。大体本年度におきまして組みました割合というものは、大きな見当におきまして妥当ではないかと思つております。  なお御参考までに申上げておきまするが、私どもは過去におきまする、例えば戦争の前におきます公共事業金額と、今日におきます公共事業金額との増加割合というものを見ておりますが、この場合におきましては今問題になつております道路について見ますると、昭和七年から十一年までを平均いたして見まして、物価指数で直しますと、大体百三十億程度になつております。ただこのうちには昭和七年乃至九年におきまして、当時時局匡救土木事業の大きなものがありまするが、それを差引きますと百億を切るようなことになつております。そこら辺から見まして昔の道路公共事業の中におきまする、土木事業の中におきまする割合が適正であつたかどうかという意見いろいろ議論がある患いますが、伸び方といたしましては相当いい割合になつておるように承知いたしております。ただ河川状況は戦後非常に悪くなつておりますから、河川伸び方、砂防の伸び方も相当伸びておりまするが、道路だけを取出して考えて見まして、ほかの財政支出全体と睨み合せまして相当いいところに行つておるのじやないかというふうに大ざつぱに考えております。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 従つて今回の道路費はいろいろな情勢からして非常に殖えていますが、結局この法案をお考えの結果から見ますと、事務当局からしていろいろな公共事業費を勘案されてこれは非常にアンバランスになつておる、そういうようなお考えをお持ちですか、どうですか。
  26. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) アン・バランスとおつしやるのは両方の面があると思うのでありまするが、先ほど来申上げておりまするのは、大体道路河川、そういつたものの現状と今まで注ぎ込んで来た金、そういうものを考えて見まして大体バランスの合つておるところじやなかろうかというふうに考えております。
  27. 小林政夫

    小林政夫君 先ほどお話があつたから念のために主計局のほうに確認をしておきますが、要するにこの法案が通れば予算補正しなければならんということですね。
  28. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) さようであります。
  29. 前田穰

    前田穰君 いろいろ伺つおるのですが、私よくわからないのですが、非常に愚問かも知れませんが、一応念のために伺いたいのです。この法律の趣旨は、ガソリン税に相当する金額公共事業費一つ道路事業費として計上しろという意味でありますか、或いは現在の公共事業費は一応据置いて、そうしてそのほかに五カ年計画に基くガソリン税と同じ金額を更に附加えろという意味であるかということが、どうも私もう一つはつきりしないのですが、それはこの前に頂いた五カ年計画予算を見ますというと、事業費が二千七百五十億になつております。そうして只今頂いた一枚刷りの表では、臨時措置法に基く予算が百三十七億、こうなつておる。これなんか一体どういうふうに繋がるのかさつぱりわからないのであります。従つて先刻申上げたような疑問が起るわけなんです。
  30. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。立案の当初の私たち考えでは、道路費用が非常に少いということが前提であります。もう一つ現行ガソリン税というものが禁止税的なものであつて、いわゆるガソリン税減免運動が起きております。併し現在の状況から見ましてガソリン税を廃止したり減税を行えないということが前提であるならば、ガソリン税を納めております大半の業者であるところの全国道路業者の決議に言つておりますように、目的税といたしまして、全部道路改良費用に充てなければならない、こういう二つの前提条件を置きましてこの法律案を起案いたしたわけでありますから、狙いといたしましては、少い道路費用というのをもつと大幅に増さなければならない。そのためには日本道路を五カ年乃至十カ年で以て整備をする計画を立てなければいかん、その意味におきましてこの法律によつて五カ年計画を立案する、そうしてガソリン税収入相当額をその五ヵ年計画費用の一部に充当したいというのでありますから、財源が、財政上許すならばガソリン税収相当額プラス公共事業費ということを考えておるわけでありますが、最悪の場合、どうしても財政上許さないという場合でも、最低限度として五カ年計画費用ガソリン税収入相当額を下廻つてはならないということを考えておるわけであります。
  31. 前田穰

    前田穰君 そういう意味はこの法律の本文ではつきりわかるのでしようか、どうもこのすらつと読んでおりますと、私の今御質問申上げたどつちかの一つ解釈しなければいけないのじやないかと思うのですけれども、少なくともガソリン税に相当する額と、こういうことがこれでわかるのでしようか。  それともう一つは、当然鋪装その他の改築並びに修繕費用はこれだけ計上しなければならん、そうすると新築であるとか、その他調査とか何とかそういつた費用は当然別に組まなければならん、こういうことになると思うのです。今のお話で少くともということにすると、この二十億ですか、二十億ばかり本年度は増してもらいたいということは、一体どういう意味になるのでしようか。
  32. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。この法律案を立案しますときに当り、先ほど申上げました通りどこの国でも、もうすでにガソリン税道路目的税規定いたしております国がたくさんあります。日本においては目的税になつておりませんので、少くともこの法律案を制定することによりまして、新設を除く道路改良その他の費用の中にガソリン税収相当額を組入れるべしと、こういうのでありますから、いわゆる予算を組むときに財源が許すならば、ガソリン税収入相当額プラス何ほどかを計上するのが、これはもう当然だと私は思います。但し実際問題といたしまして、この法律が出ることによつて一つ財源を拘束されることさえも困るというような御意見もございますし、実際上とにかく五百億の理想的な道路整備計画を持つてつても、財源が捻出できないので、道路費としてそうたくさん計上できないのだという場合を仮定いたしますと、その場合においても法律義務としては、当然この法律規定するガソリン税収入相当額だけは、道路費予算としてもらわなければならないわけであります。勿論道路新設費用はこの金額以外であります。そういう立場から見まして、最も財源不足をしておる状態であつても、いわゆる昭和二十八年度政府が見込んだ百五十八億三千百万円というものは、二十八年度新設を除く道路改良等を含む五カ年計画費用として政府は計上しなければならないわけであります。その意味から最小限度この法律案が通過した場合には、主計局次長が言われた通り二十億余の金額補正しなければならないということになるわけであります。
  33. 前田穰

    前田穰君 私の第一問はこの第三条で少くとも「当該年度税収入額に相当する金額を、」これこれの仕事のために計上すべきだという意味解釈できるかというお尋ねを申上げたのですけれども、それに対する明快な御答弁がなかつたように思うのです。  それからもう一つは二十億本年は増して欲しいのだということの意味一体どういう意味かということをお尋ねしたのですけれども、それもはつきりしないのですが、あとのほうの御質問は言葉を換えますと、本年度道路事業費の中からこの法案の内容に該当する工事費を除いてそれが二十億になるというのか、どういう意味なのかよくわからない。
  34. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。第三条に規定いたしましたものは御説の通り少し幅はあります。幅はありますし、厳密にガソリン税収入相当額プラス幾らということは規定しておりませんが、いわゆる実際問題で、そこまで規定しないほうがいいのじやないかという考えでありまして、第三条の規定で当然その年度の揮発油税法によるところの税収相当額はこの五カ年計画費用として盛らなければならない法律義務が生まれて参ります。  それから第二の問題として、昭和二十八年度予算の中に組まれております、この法律で以て法律の適用を受ける部分金額は先ほど申上げた通り三十七億余万円でありまして、そうしますとこの法律が通れば、この法律によつて自動的に政府は最少限二十億は補正しなければならないということでありまして、政府財源が許すならば、二十億よりも多く、先ほど申上げた通り三十億も五十億も、できれば百億も補正を組まれることを期待いたしております。
  35. 前田穰

    前田穰君 私はこの第三条を読んでおりますと、ガソリン税の当該年度の収入額に相当する金額よりも多くもなく少くもなぐ本法に規定しておる事業に当てるのだと、こういうふうに解釈するのが一番本当なように思うのですが、少くともこれだけの金額でいいということは、これではどうもちよつとわからないように思うのですが、如何でしようか。  それと、そのあとの問題について建設当局にお伺いしたいのですけれども、本年度予算の中で、本法案規定する事業以外の費用というものは、どれだけ盛られるのでしようか、或いは精密にわかつていないかも知れませんけれども……。
  36. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。第三条によつて規定いたしておりますものは、最小限度ガソリン税収入相当額を組まなければならないというのは、前の第二条を御覧になるとよくわかるのですが、前二条に「昭和二十八年度以降五箇年間における一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路のほ装その他の改築及び修繕」と書いてありますが、ここにある二条に規定しておらないもので以て政府が当然年度予算に組まなければならない道路もあるわけでありますから、そういうものから言いますと、いわゆる第三条に規定したものは最小限目的税と同じ効果を挙げたいというような金額考えておりますので、最小限度考えるのが至当ではないかということを考えております。なお建設当局からの御説明もあると思いますが、先ほども御答弁申上げました通り昭和二十八年度予算の中に組まれております道路費用のうち、本法によらないものは百六十五億五千万円から百三十七億四千七百万円を引いた額、即ち二十何億でありますが、その程度が本法によらない道路費であります。
  37. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 建設大臣が見えましたので、大蔵大臣はもう少しすると御返事があることになつております。そこで建設大臣、なかなか多忙なようでありますから、建設大臣に先に御質疑願えれば大変結構だと思いますが……。
  38. 前田穰

    前田穰君 委員長、私の今の質問はどうなんですか。
  39. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止
  40. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記を始めて。
  41. 小林政夫

    小林政夫君 建設大臣が見えたからということでありますが、大蔵委員としてお願いをいたしておりますのは、両大臣御列席のところで質疑をしたいというわけです。お二人の顔を揃えて頂きたいというわけです。併し建設大臣だけに御質問のある方はおやりになつて結構だろうと思います。
  42. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 両大臣つてもらうということを努力中でありますが、もう少しすると御返事があると思いますので、建設大臣に単独に御質疑のおありの方は御質疑をお願いいたします。
  43. 杉山昌作

    杉山昌作君 建設、大蔵両大臣のお揃いのほうがいいのですが、私は建設とか大蔵とかいうことよりも、内閣の一人という立場で御質問申上げたいと思います。  今提案されている法案の内容は、御承知の通り政府の権限を設定するとか、或いは国民の権利義務にかかわる問題ではなく、道路の改修というものは非常に大切なものだから、政府はこれを五カ年計画を立てて閣議で決定しろ、その決定を実行するためには財源においてこれこれの財源を調達しろという政府の施策に対する指図なんであることは御承知の通りだと思います。こういうふうな政府が国会とは独立して行政権の主体として施策を遂行するときにその施策に対する指図注文というものは、従来国会の意思は決議という恰好を以てやつて来たことも御承知の通りだと思うのであります。決議は、その効果は政治的なものであつて法律的なものではない。従つてその決議があつてもやるかやらないか、やるということについてもどうするかということが政府の判断によるわけで、そこに政府の政治的責任が起るし、又国会はそれに対する独自の見解を以て批判することができるということであると思うのであります。ところが今申上げましたように、これが法律になつて出てしまう、そうすると決議と違いまして、政府はこれを呑むの呑まないの、どうするのということは全然できない、がんじがらめに施策をきめられるということになる。そういたしますと、ここで国会が政府の行うべき施策についてこの軽重前後を具体的に指図したことになる。政府一体そういう指図を受けて仕事をした場合に、政府の政治的責任はどういうことになるのか、それをどういうふうにお考えになりますか。
  44. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 只今お尋ねにつきましては、議員提出の法律が今お話のような意味で、言葉は悪いかも知れませんが、行き過ぎるような場合があることについて、政府としては非常に心配をしてはおりますが、只今の問題について申しますというと、その御趣旨は私もよくわかる。又建設大臣立場からすればその意味を了解することはできるのでございます。ただそれが政府予算編成という面に今お話のような意味でやや難点があるような場合を考えまして、私といたしましては、今直ちに明確にどうするという御返事を申上げるところまではつきりいたさないのでありますが、併し現在の制度でこういう法律が成立つような場合には、何とかそれに対して善処するというほかはこの場合の制度としてはないのじやないか、かように考えております。
  45. 杉山昌作

    杉山昌作君 答弁が少し違つておるのですが、私はこれが通つた場合に政府は如何に対処するかということを伺つておるのじやないので、こういうふうに政府が独立に行政権の主体として政治的責任を以てやるべき施策の前後軽重についてまで国会が法律でがんじがらめにされる、そういうふうなことを一般に対してこういう問題でなしに、これが前例となつてこういうことが将来起るかもわからん。そういうことを考えて、そういうことを一般に対して政府は、そういうふうに国会が法律でがんじがらめに政府の自由意思がいささかも働くことのできないようなふうに施策の内容まできめられた場合に、その施策の実行並びにその施策を実行しようとすれば、それと前後するいろいろな施策の軽重の問題があると思いますが、それらの判断ができなくなると思う。政府としてはそういうふうな問題に対する政府の根本的な御見解を承わりたい。
  46. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 只今のような御心配の点につきましては、最近内閣におきましてもこういうことが頻発するようなことでは困るのというので、今後議員提案等の場合にはあらかじめもう少し連絡をとつて、事務的にも政府只今の御指摘のようながんじがらめになることのないように事前に話合い等をいたさなければならんというので、先般もたしか各省にそういう意思を政府から通達いたしまして、そういう困難な場合が起きないように処して行きたいというふうにやつておりますが、この事態はそれより前のことでありますので、これについては又別の処置を考えたければならんと、かように存じております。
  47. 杉山昌作

    杉山昌作君 まあ政府の内部で今後そういうことのないようにするというような御通達をなさつたというのですが、それは政府の内部のことなんで、議員がどういうふうな発案をするか、これは別問題になると思いますので、将来こういうふうな趣旨の法案が出ないということは今の政府内部のお取極め或いは通達では防ぎ得ないということを私は考えるのであります。まあそれはともかくとして、こういうふうな法案が出まして、これにつきましては、先般来発案者田中角榮君のお話によりますと、政府のほうでもう少し道路の改修を重視して予算も十分つけてくれればこの法律は要らないのだということをはつきり言つておられます。そういたしますと、少くとも政府自身を、言葉が大き過ぎますが、政府道路施策或いは道路政策とその他の問題との軽重前後の考え方に対しては信任していないということになるのであります。従つてこの法律通りますと、国会は政府道路についての施策については信任ができなかつたということを表明されたということになると私は考えますが、政府はそれに対してどういうお考えを持つておりますか。
  48. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) ちよつと今のお尋ねの趣旨を私が取り違えておるかも知れませんが……。
  49. 杉山昌作

    杉山昌作君 もう一度申上げます。先般来の発案者の御説明を聞きますと、どうしてこういうふうな無理な法案を出すのだということに対しまして、政府のほうで道路の改修ということにもう少し熱心であつてもつと金を、予算をつけてくれればこういうものは要らないのだ、五百億もつけてくれれば要らないのだというふうなお話もありました。まあ五百億は別としても、十分やつてくれれば要らないのだというのです。政府道路政策について十分やつてくれないからこれを出すのだ、こういうことになる。そういうような趣旨で出された法案を国会が成立せしめるということは、政府の少くとも道路の政策或いはそれに伴う財源措置について政府を信頼してなかつたのだということの国会の表明となると私は考えるのですが、政府はそれに対してどういう御感想をお持ちでございますか。
  50. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 只今の時期でありましたならば、提案者政府といいますか、建設省と申上げたほうがいいと思います。の道路政策に対する計画をだんだん御承知になつて、それに応ずる趣旨で出されたんだと、私はかようにまあ考えますが、ただそこが一つの省の計画で、直ちに政府全体の予算の編成に困難な点が起きるというような点もあるのではないか。又勿政府としては、そういう道路政策にいたしましても、政府全体としての考え方で、予算を十分に見るということになるのが勿論望ましいのでありますけれども、これは結局財政、或いは財源の全体の考え方から言つて、なかなかそう思うように行かない場合もあるのであります。その間と何と言いましようか、無理にやろうという意味でこの提案があつたのではない、私はかように考えておりますが、その結果が無理になる点があるかも知れんという点は実は心配をいたしておるのであります。若しこの具体的な問題について言いますれば、補正予算はやらない方針だというところに、たまたまそこにガソリン税の収入という関係から行くというと、多少の予算よりも違つた金額が出て、補正予算をやらなければならないような羽目に、このままではなるかも知れない、そういう点になりまするというと、やはり政府の根本の方針のほうに重きを置かなければなりません。そこはどういうふうに善処していいか、私もいろいろ考えておるのでありますけれども、決して御指摘のように、全然政府の方針を無視してやられたものだとは、この具体的の問題については、私は考えておりません。
  51. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今大臣のお答えになられた気持を察して、この法案と結び付けてお尋ねいたしますと、本年としてこの第二条によつて、二十八年度以降五カ年計画をお立てになつたそのものを、大臣建設大臣として閣議に諮る、その諮つたいわゆる計画に基いて、この第三条以下のいわゆる問題になるわけであります。だから二十八年度は、これからこの法律通つた暁に、かねて建設事務当局考えており、持つておられるいわゆる五カ年計画を検討されて大臣閣議に出されるわけですから、本年としては補正等の財源が今のところないのだから、従つて変態的ではあるが、二十八年度予算案として上つておる計数そのものを出すのだという言葉に翻訳できるように思うのですけれども、その点はどうですか。
  52. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 補正予算は出さないと言つておるのでありますから、只今お話のような計数の余りがある、そういう場合に補正予算を出さなければできないのでありますから、その点については又別の考えをしなければならんということを申上げたのであります。なお道路の五カ年計画というのは、建設省においては大体計画を立てておるのでありますけれども、閣議で決定をしたというところまではまだ参つておりません。
  53. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 では、私はこの五カ年計画閣議で決定しておるじやないかなどとは申上げていないのです。この法律がいよいよ通つてしまえ施行される立場になる、立場になられれば、第二条によつていわゆる建設大臣は二十八年度以降の計画を出して、閣議の決定を求められる、その際に大きな方針に従つてということになれば、目下のところ財源がないのだから、従つてこの五カ年計画に当つては、総量としては一応の数量をお踏みになるかも知れんが、二十八年度に首を出す初年度計画としては、いわゆる予算案に盛られておるうちのこの法律に示す補充の範囲内の額を出して行くんだということになるだろうと思うのですが、その点はどうかということです。私は大臣に聞く、大臣に責任があるのだもの、通れば。
  54. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) ちよつと私はまだ慣れませんから質問の御趣旨を取り違えるかも知れませんが、仮に五カ年計画閣議に出して、本年の二十八年度予算と第一年度の差額があつた場合に、その差額については、先ほど申上げたような措置をとらなければならんのであります。これは閣議の際に併せ考えて決定を見ることになるだろう、こういうふうに考えます。
  55. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 いや、そういうお答えでは私のほうとしても困るのです。はつきりわからないために困るのですけれども、結局五カ年計画を立てられ、そうして財源はない、そうなると、何としたつて私は一応先ず五カ年計画を出される際には、財源のことも考えるというのだが、一方においては財源はないのだ、補正は組まないのだという今日の場合としては、どうしたつてあの予算に合うような数字で先ず本年度は我慢するということになつて来るのは理の当然じやないかと思うのですから、その点をお聞きしておる。
  56. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) それは結局予算が決定した後に考えていいことではないかと思います。
  57. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 どうもこの点ですね、やはり大蔵大臣建設大臣とお揃いにならないといけないという点はこの点からもあろうと思うのです。これは第二条と第三条の関係ですね。一層これが通つたときにはどうするかということを建設省としてちと御研究になつて頂きたいと存じまして……今打切ります。
  58. 田中一

    田中一君 建設大臣が就任に際して、自分は曾つての前大臣佐藤建設大臣の政策を踏襲するということをはつきり建設委員会で明言しております。佐藤建設大臣は就任に際しまして、ガソリン税目的税として道路整備に充てようということを政策としてはつきり打出しております。これに関連しまして補正予算の前国会におきまして閣議決定、或いは閣議の了解事項になつておるという言明もしておつたために予算委員会向井大蔵大臣に質問いたしました、私から……。そうしますとそうした閣議決定並びに了解事項はございませんと、こういう答弁がありまして、それにかかわらず戸塚建設大臣が就任に際して前建設大臣の政策を踏襲すると、こういう説明をなすつていらつしやる。今ここで小林さんの質問並びに三浦さんの質問を聞きますと、あなたは国会を軽視していらつしやる。少くとも自由党の第四次吉田内閣におきまして建設大臣並びに内閣の一員としての発言をそのままやると言いながら、今又逆な答弁をしていらつしやる。これは無論衆議院におきますところの警察庁その他の関係におきまして或いは二枚舌を使うようなことになつては困るから警戒していらつしやるものだと思いますけれども、これは了承いたします。併しながら、議員の議員立法を今後閣内において是正しよう、抑制しようなんということは恐れ入つた話です。あなた自身も議員としての職責を持つていらつしやるならばかかる発言が当委員会においてなされることは行き過ぎでございます。この点についでは十分釈明をして頂きたい。  同時に、今三浦委員から御指摘になつたように、これが若し通つた場合にはあなたはこれに従わなければならない。従うべきが当然のことであります。従つて従うならば従うということをはつきりと明言して頂きたい。この二点について要求いたします。
  59. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 私は決して国会を軽視するような気持を持つておらないのであります。若しそういうふうにお聞き取り頂きましたならば、それは私の意思に反するものであると御了承願います。法律通つた場合には勿論それに従う、尊重することが当然だと思つております。併しそこを先ほど申上げたのは、予算編成とからんで非常に難点の出て来ることを心配をいたしておるのだと、こういうふうに申しておるのです。
  60. 田中一

    田中一君 私も大臣と同じようにこの法案通つたならば政府はお困りになるだろうと思いまして、提案者にも再三再四、我々ばかりじやございませんが、大蔵委員のかたがたもその点を心配しまして再三再四どうなるかという質問をしているのです。あなた自身が前大臣の唯一の善政と言いますか建設行政のうちの善政、ガソリン税目的税にしようということを体していらつしやるならばこの際はつきり他の閣僚が何と言おうと、この法律通つた場合には何とかして補正予算を提出しようという努力を試みますという態度を持つて頂きたいのであります。従つてあなたは前大臣の政策を踏襲すると言いながら逆の答弁をしていらつしやる。一体あなたは前大臣の政策を踏襲する意思があるかないか先ず第一にお伺いしたい。
  61. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 私が先般前大臣の政策を踏襲すると申上げましたのは、そういう具体的にいろいろ面倒な関係にあることをそのままにという意味で申上げたつもりじやないのです。道路なら道路、港湾なら港湾、或いは河川なら河川というものについての今後の政府考え方については前大臣のしたことと何にも変らないように行きたいと考えます。こういう意味で申上げたつもりであります。なお只今の問題につきましても、私何も前大臣と変つた行き方をしようというふうに考えておるものではございません。それで又若しこの法律通つた場合に、只今お話のように補正予算を組むように努力する。この点も私努力しているのであります。私一人が努力してもそれができるかできないかというようなことも考え合せたものですから、いろいろそれがはつきりしないようなお答えをしておつたような次第であります。
  62. 田中一

    田中一君 速記録の取寄せを願いたいのです。佐藤建設行政の唯一のいい点は、道路整備に熱意を示し、ガソリン税目的税として取上げて、日本の国土の整備をやろうというところが非常に、唯一の政策でございます。無論自由党の田中角榮君が各派に呼掛けまして、自分の力では足りないから、各派の力を借りましてこの議員立法をしたものと考えます。従つて建設大臣提案者田中角榮君と一脈通じていて話合いがあつたものと思います。にもかかわらず今大臣衆議院における予算委員会のあの紛糺を見ましても、なかなかおつしやりたいことも言えないような点も了承いたしますけれども、この点はもう一度提案者とよくお話合いの上佐藤建設行政を踏襲するならば、たつた一つの美点であつたところの、如何なる理由があろうとも、予算を如何に変えても、自由党内閣の建設行政のいいところを活そうという熱意があるならば、もう一遍提案者と御研究願いたい、話合いが願いたい。そして大蔵委員のかたがたも、我々建設委員のものも安心する答弁があれば即刻これを採決に持つて行こう、こう考える。又大蔵委員のかたがたも恐らく御承知であろうと思いますが、大蔵大臣並びに建設大臣が言明されるならば了解すると考えますから、この点時間がないから、まあ私の希望するならば大蔵大臣と一緒にお話合い願つてここで答弁願えれば一番いいと思いますからこれ以上追及いたしません。
  63. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  64. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記を始めて。
  65. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 先ほどのお尋ねのこの法案によらない道路費は二十八年度当初関係予算につきましては百八十億五千五百万円と百三十七億四千七百万円の差額、即ち四十三億円がこの法案にはないということであります。
  66. 前田穰

    前田穰君 一応了承しましたが、本法案の質問はまだたくさんあるわけですから………。
  67. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それではこれで休憩いたします。    午後零時九分休憩    ——————————    午後二時七分開会
  68. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 午前中に引続きまして建設大蔵連合委員会を開きます。  只今発議者田中代議士のほかに、向井大蔵大臣戸塚建設大臣三池政務次官、富樫道路局長石破官房長石原主計局次長と参つております。御質疑のおありの方から順次御発言を願います。
  69. 小林政夫

    小林政夫君 先ず第一に、この田中氏ほかの提出されておる本法案についての、両大臣の見解を、一応概括的に先に承わりたいと思います。
  70. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 先ほど大体私の気持は申上げたつもりでありましたが、道路設備計画の仕事を進めて行く上に、この法案による財源が確保されているということは、誠に望ましいことだと考えております。
  71. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) この法案は、法文上は目的税規定したものではございませんけれども、実際は目的税制度を採用するに等しいと思うのでございますが、どうも目的税としてしまうことは、歳入歳出の財源として一体性を有するものとする現在の財政の原則に反するというふうに私は思うのですが……従つて予算編成の弾力性を失いやしないか、そう考えるのです。道路建設ということには、予算編成上にも十分力を入れましたので、私としましては、目的税という性質のものにならないことを希望するものであります。
  72. 小林政夫

    小林政夫君 大体大蔵大臣のお考えになつておる筋と、私の考えておることと、あらましの点においては見解は合つておるのでありますが、建設大臣は、午前中杉山委員の質問に対しての御答弁もありましたが、我々の見るところではどうも、提案者も、これは目的税にするのではない、こう言われますが、法案の趣旨から考えてかなり目的税に近い。が、一応提案者の趣旨通り考えると、要するに百何十億という予算を必ず道路整備費に組め、こういうことの内容の法案でありまして、一応現在政党内閣として責任を持つてこの予算の配分等をやられるときに当つて、どうも建設大臣としてこの道路整備費予算がとりにくいという政治力……簡単に言えば、建設大臣の政治力の不足を、国会の援護射撃によつて補うというような意味しかない法案であると思われるわけですが、建設大臣としては、非常に趣旨は結構だと言われましたが、建設大臣としては趣旨に賛成されるのは当然であると思いますが、そういうような点についての見解は如何でしようか。
  73. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) その点については、午前に杉山委員の御意見にも私お答えを申上げておいたのでありますが、こういう方法が果して最善であるかどうかという点については、国務大臣立場からすれば考えられる余地があると思いますけれども、現在の制度では、議会の議員の提案ということは尊重しなければならんことは申上げるまでもないのであります。果してこれが当を得るものかどうかということについては多少の難問がないわけではありませんが、建設大臣立場といたしましては、今申上げましたように、御趣旨については必ずしも反対をしておるものではない、かように考えております。
  74. 小林政夫

    小林政夫君 どうも建設大臣の先ほどの概括的な御意見を承わつたときには結構だと言われて、今は、多少具体的な法文に即しての御意見だと思うのですが、多少疑問があるというような御答弁でありますが、道路整備にうんと重点を置かなければならんという意味において、この法案の趣旨は結構だとおつしやるなら、これは誰しも大いに連合委員会でやつておつた今までの質疑応答の過程において、ここに御出席委員道路整備にうんと力を入れようという気持においては誰も変りがない。ただこういう法案についてどうかということでありますので、この只今田中氏ほかから提案されているこの法案についての、具体的な、法案に即した御意見を承わりたい。
  75. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) これは提案者のお考えなつたことでありまして、私からあまり批評がましく申上げることは差控えたいと思います。又建設大臣が、何か提案者と相通じてというような意味お話がありましたが、私も前任者もさような考えがあつたとは思つておりません。
  76. 小林政夫

    小林政夫君 大蔵大臣は、先ほどこの趣旨の法案が出るということは、やはり相当予算配分をやる場合に窮屈になるから好ましくない、簡単に言えばそういう御意見でありました。私も全く同感で、こういうことをやるとすれば、例えば農林省のほうで計画している食糧増産五カ年計画というようなことも、やはり予算の裏付をしようということで、こういう筆法で別にこの法案自体が目的税でないということを言われるならば、一年間に幾らの予算を確保しろ、少くとも最低これだけの予算を組めという意味法案にしか過ぎないわけでございますから、非常に各方面にそういうことが起つて来るだろうと思う。重ねて大蔵大臣の見解を確認いたしておきますが、大蔵大臣としては、こういうような法律で以て予算配分についての制約を受けるということは好ましくないというお考えと了承してよろしうございますか。
  77. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) その通りでございます。
  78. 小林政夫

    小林政夫君 それでは更に進みまして、この法案が通過した場合においては、事務当局の計数によつて考えましても、予算補正をしなければならんということになるのでありますが、田中氏ほか提案者はこの法案の通過を非常に願つておられるわけです。必ず通したいというお気持でありますが、通つた場合には大蔵大臣としては補正予算をお組みになりますか。
  79. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 補正予算は組むか組まないかでなく、組めないと私は考えております。財源の上から……。
  80. 小林政夫

    小林政夫君 そうしますと組めない。まあ法律になれば組まざるを得ないということになるわけでありますが、一応今の補正予算を組めない。まあ組めないにいたしましても、衆議院予算委員会等において大蔵大臣は、補正予算は組まないということを言明いたしておりますが、これは政府の方針でありますか、或いは自由党とも打合せた上での自由党内閣としての方針なのか、その点を承わりたい。
  81. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 自由党と私は打合せておりませんが、政府としては私の方向で進んでおります。
  82. 小林政夫

    小林政夫君 この法案提案者を調べて見ますと、二十六名中の過半数は自由党所属議員の方であります。それで絶対に補正予算は組まないと言われている現政府大蔵大臣……まあ現内閣は補正予算を組まない、併しこの法案が通れば法律上どうしても組まなければならん、そういうようなこの法案が、大蔵大臣は初めから法案として望ましくないと言われているわけですから、この法案にも勿論反対なんでしようが、建設大臣として、自由党所属の国務大臣である自由党内閣の一員としての建設大臣のお考えは、その点如何ですか。
  83. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 只今お尋ねの趣旨は、補正予算を組むか組まないかという意味のことでありますか……私が自由党員でありましても別にこの法案提案とは関係をいたしておりません。又この法案は各会派から出ているように承知いたしているのでありますが、その法案そのものには私は全然関知いたしておりません。従つて補正予算の問題は、只今大蔵大臣の御意見もありました通りで、政府としてはなかなか今から考えていることだとは私は言つておりません。
  84. 小林政夫

    小林政夫君 ちよつと私の質問の趣旨を取り違えておられるようでありますが、現在大蔵大臣は自由党員ではない。が、今吉田内閣は自由党内閣と言われており、その建設大臣は自由党員であつて、国務大臣をやつておられる。併しその吉田内閣は補正予算を組まないということを言われる。然るにこの補正予算を組む立場に追い込まれるべき法案を、発議者の大部分、過半数は自由党員である、こういうことについて、自由党に所属をしておられる国務大臣としての建設大臣の御意見を聞いたわけです。
  85. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 私が努力をする、或いは善処するということは申上げることができると重います。私が自由党員であるからどうということはちよつと私にはわかりかねるのですが……。
  86. 小林政夫

    小林政夫君 いや自由党内閣として……、自由党内閣ですよ。大蔵大臣はこれは党員じやございませんからしようがないとしても、要するに吉田内閣は自由党内閣である。その自由党内閣が補正予算を組まない、こういう立場をとられておるのに、この法律が通れば必ず補正予算を組まなければならんことになる、そのなるべき法案を自由党所属の発議者が過半数以上を占めてやつておるということについて、自由党内閣としてはどうお考えになるかということなんです。
  87. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 大蔵大臣が党員でなくて私が党員でありましても、内閣を組織している以上は同じ考えでなければならんと思います。
  88. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると間接的におつしやつたわけでありますが、建設大臣としてもこの法案は好ましくないということになるわけですね。大蔵大臣は好ましくないということなんですから……。
  89. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 内容については建設大臣としては道路整備という面から非常にいいと思うのでありまするが、ただこの法案が若し大蔵大臣を非常に束縛するようになるというような見地から考えられる点があるという意味においては、私も政府の一員として心配はいたしております。こういうふうに考えております。
  90. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると発議者田中さんに伺いますが、今の質疑応答をお聞きになつてつて政府は、内閣は絶対に補正予算を組まない。あなたは自由党員としてこれを是非通そうとしておられる。而も衆議院は通しておる。そうすると一体自由党員として差支えございませんか。
  91. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 差支えないと思います。これは両大臣と私は予算の問題に対し、特に二十八年度補正予算が組まれるのか組まれないのかという問題に対して見解が多少違つております。いわゆる違つた立場からものを考えて結論を出した場合に、私は大蔵大臣建設大臣只今申された表現そのままと私の考えは違つておりますのでそれだけ申上げておきます。
  92. 小林政夫

    小林政夫君 甚だ……併し自由党としてはいろいろの御覧がある。最近は特にいろいろな同じ自由党同士でもいろいろ分れておるようで、いろいろ意見があるでしようが、どうも私らの政党内閣としての責任は政治を行なつてもらうという意味においては甚だ不可解だと思うのですが、一応それは別にして、それでは建設大臣にお伺いしますが、要するに、要はこの法案を出した発議者の趣旨は、道路整備費を少くとも今年度ガソリン税収入くらいの百五十八億という程度のものは道路整備費に確保したい、こういう趣旨なんですね。そういうものは、やはり責任ある政党内閣としての予算配分の方針としてこういうようなことをやらなければ、あなたのお力ではこれが確保できないというお考えですか。それとも大蔵大臣と話合つて、二十八年度は勿論今計上されておりますが、二十九年度、それ以降においてこの程度道路整備費は確保できるというお見通しですか、どうですか。
  93. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 来年度以後のことについては又そのときの状況もありましようから果してどういうふうになるか存じませんが、道路整備という面から行けば成るべく財源を確保しておくことがいいことである、かように考えております。
  94. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 先ほどの御質問に対してもう一遍お答えを申上げたいと思いますが、内閣の閣僚としての両大臣補正予算に関する問題と、私がこの法律案提案しておりましてこの法律案法律として公布せられた場合に二十八年度補正予算を組む組まないは別にして、とにかく財源としての処置は当然なさなければならないということは前以て申上げた通りであります。これはもう法律義務として自動的に政府は組まなければならん。ただその場合に大蔵大臣が言われるようにして財源が全然ない、なくて新らしく補正予算を組むことはできないという場合には、法律予算案とが食い違つたものになるわけであります。又私の考えでは現在の段階において大蔵大臣及び自由党の閣僚の一人としての建設大臣が、国務大臣の資格で答えられたいわゆる今の段階において、吉田内閣としては二十八年度補正予算を組まないということと、この法律通つてから二十八年度一ぱいにこの法律で以て要求するところの額が組めるであろうという私の見方とを一緒に考えることはいけないのではないかということを考えます。何となれば、今大蔵省はガソリン税収額だけでも百五十八億見ておるわけでありますが、私の調査の結果によりますと、二十八年度ガソリン税の収入は、少くとも二百億を上廻るのではないか。皆様が証人として呼ばれた事業者団体も二百万リッター以上を使用する、こういう証言がありましたし、現行ガソリン税の税率で行けば二百億を上廻るわけであります。そういうように今の二十八年度予算審議の過程において財源はないと言われても、新らしい面から私は財源は殖えるという可能性はある、こういうことを考えましてこの法律案が要求するところの法律義務を政府が果すには昭和二十八年度一ぱいに何らかの処置をすればいい、又それは可能ではないか、こういう見方に立つておりますので、大蔵大臣及び建設大臣の表現の方法は違いますが、実際の問題には食い違いはない、こういうことに考えております。
  95. 小林政夫

    小林政夫君 それはあなたのおつしやつたのは、財源がないという意味から言えば逆で、ガソリン税収が殖えて、今予算では百五十八億見積つておるのが二百億になる。その二百億は、道路費が殖えるでしよう、この法案で行けば……。併し現実の問題として今政府が提出しておる予算は二十億足らない。現在の百五十八億にガソリン税を見積つた金額比較して二十億足らない。この二十億はこの通りやろうとすればほかの費目を削つてつて来なければならない。ガソリン税が殖えて百五十八億が四十二億殖えて二百億になるから、それで二十億財源が出るじやないかという筆法で財源があつたとは言えない。この法律案通つた場合にどうしてもよその何らかの費用を削つて二十億持つて来なければあなたの狙つておられるガソリン税収に相当する金額をこの道路整備費に充てるということはできない。だから財源がないというのは恐らくその意味たろうと思う。そうすると今のようにガソリン税収はまあ自然増収と言いますか、殖えても、この法案のことは実行できないということになる。それと、私はお忙しい両大臣が見えておるからあなたに対する質問はあとにしようと思つたのですが、今のようなお話をなさると、少くとも衆議院はこの法案を通しておるが、参議院は今予算審議の最中です。そうすれば田中さんは一つ真つ先に立つてあの組替は議会でできるのだから、自由党みずからこれに合うような組替予算を作るべきじやないか。何も政府がこの法律を通して組替えなければならんということはない。今参議院で審査中でありますから、あなたのほうで提案して予算修正案をお出しになつたらどうですか。
  96. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 私は前にも申上げております通りこの法律案提案が現在審議せられております二十八年度予算案編成よりあとでありましたので、私は二十八年度中にこの法律案の趣旨が徹底すればいいのでありまして現在の予算の組替を要求しなくても財源の新らしい捻出を考えまして、二十八年度一ぱいに道路整備五カ年計画の支障にならない程度予算が盛られれば結構たと考えております。
  97. 小林政夫

    小林政夫君 併しその点は今の政府のほうでは絶対に二十八年度中には補正予算は組めないと言つておる。而も明らかに予定せられることですね、これが通れば……。必ず二十億どこかから持つて来て少くとも補填しなければならんということは予定せられておる。それを同じ国会の意思で一方では予算に当然要るべき費用を見込まずして、変えるべき、修正さるべき点を修正せずして法律案を通すということはおかしいので、当然今の審議の過程においてあなた方はこの法案の趣旨に副つた組替えをして、修正して予算をおどりになるべきだと思う。
  98. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 同じことをお答えするようで誠に恐縮でありますが、これは議員提出法案でありまして、特に現在審議しております二十八年度予算案と直接の関連を持たなかつたわけであります。その意味におきまして私は当然あとから法律になるところの法律によつて現在審議中の二十八年度予算の組替予算を要求すべきではない、こういうふうに考えております。なぜかと申しますと、あなたのお言葉を返すようでありますが、いわゆる議員立法は、この法律案に限らずまだいろいろ予算関係のある法律が今日にも明日にも出るかもわかりません。その都度もうすでに既定の事実であるところの予算の組替を要求するということは正しくないことだと私は考えております。勿論あとから起つた法律によつて二十八年度予算を制約しようという場合には、当該年度期間内にこの法案の趣旨が貫かれればいいのではないかということを考えております。
  99. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 両大臣とも衆議院予算委員会関係があるそうですから、できれば発議者に対する質疑あとにして両大臣だけ先にしたいと思います。
  100. 小林政夫

    小林政夫君 今の委員長の趣旨によつて提案者に対する質疑あとにいたします。  先ほど建設大臣から道路整備費についてのまあ二十八年度以降、今二十八度予算は提出されておりますが、二十九年度以降についても同様の熱意を以てやられるかどうかという点をお伺いしたわけでありますが、大蔵大臣としては大体において財政規模が現在の通りであると仮定いたしまして、二十九年度においてもこの程度道路整備費は組めるというお考えでしようか。
  101. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) この程度道路費は出せるつもりでございます。
  102. 小林政夫

    小林政夫君 私は一応両大臣に対する質問を終ります。
  103. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあ大体小林君が主要な点について御質問いたしまして、問題点は非常にまあ明らかになりましたので、私は重複しないように質問をいたしたいのですが、まあ結局問題になる点は衆議院でこの法律案通つてしまつて、それから予算案衆議院通りこつちに廻つて来る場合ですね。まあ御承知の通り法律案予算案に優先しますから、政府は当然この補正を組まなければならない義務ができるのですね。組まなかつたらこれは法律違反になるのです。その責任はどうなつておるかですね、この点私は大蔵大臣にお伺いしたいのです。若しこの法律案通りますと、大蔵大臣補正をお組みにならないと言つておりますけれども、お組みにならなければこれは法律違反で、責任が出て来ると思うのです。この点大蔵大臣はお考えになつているかですね。
  104. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 法律上の義務が生じますれば何とかの方法で善処しなければならないと存じております。
  105. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その何とかの方法というのは、結局何かの費目を、ほかのほうの歳出を減らすか、減らしてそれに充当するか、或いは又新らしい増額補正をするかですね、しなければならないわけです。今のお話では何かの方法ということは結局補正を組むということなんですね。で、その補正が減額補正になるか、或いは増額補正になるかわかりませんが、大蔵大臣財政支出が殖えるような形の補正は出さないつもりであるということを衆議院ではつきり言われております、従いましてこれは減額補正を出すよりしようがない。二十億と、それから更にこの地方負担分がやはり問題になると思います。地方負担分が一応この通りにやるといたしまして、これはまだ確定しませんが、この最高でやるとすると四十七億ですか、四十七億、そうしますとただ二十億だけの問題じやございません。そこで地方負担分に対してもやはり問題が生じて来るのでありまして、それをどこかで増額補正しないとすれば減額補正、どこかの歳出を減らさなければならない、或いは建設予算のうちなら治山、治水を削るとか、災害復旧費を削るとか、何らかの犠牲によつて出さざるを得ない。そうしますと、現在提出されておる予算案が違つて来るわけなんですね。違つて来るのです。そうして我々に審議させる予算案はこの法律案と無関係予算案を参議院において予算委員会で審議させられるとなると審議できないわけなんですね。非常に矛盾した予算なんです。この点非常に私は重大だと思うのですよ。この点大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。
  106. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 只今の御質問に対しましては、さつき申上げましたように、そのときに至りまして善処いたす考えでございます。
  107. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは非常に無責任なんでありまして、この予算案というものは政府の政策を数字に織込んで出されたのであつて、この裏には政府の政策というものが裏付としてあるのです。殊に道路費について道路計画というものがあるわけでありますから、それがちやんと具体的に明らかに積み上つて来てこういう種目になつているのでありますね。而も道路費だけでなく、ほかについても、各省予算についても下から積み上つて来てそうして政府の政策がそこに裏付になつて来ているのであつて、若し何とかする、善処するという場合にはほかの計画が動くわけなんですよ。そうすると、この予算案の基礎になつておる政策というのは変つて来るのですね、いろいろな計画が……。そうしますと、正しく言えば今度出される予算案はその別な計画が動くのに、それと異なつた形の前提の下に予算案が出て来るのでありまして、それは厳密に言えば審議の対象にならない。今大蔵大臣も非常に苦心されておるように、衆議院では警察法の問題で予算措置が問題になつております。これはこの問題は警察法の問題以上にもう極めてはつきりとこの予算組替の責任が出て来るのであつて重大な問題です。これは重大問題ですよ。従いまして、何とかそのときになつて善処するというのではいけないのであつてもうこのままが通れば確実に二十億足りないということが予定されるのです。はつきり出ています。ガソリン税百五十八億に対してこの計画通りやれば百三十七億幾らになります、ですからこの予算通つてしまえば政府に重大な責任が出て来るんです、その責任を私はお聞きしている。何とかそのときになつて善処するというのでは、私はそれはこれから予算を我々が審議する場合に筋が通りません。もう少し明確に……問題ははつきりしているんですから、二十億足りないんです、その足りない二十億をどうやつてこれを捻出するか。自然増収のお話がさつきありましたが、これはガソリン税ばかりではございません、所得税でも、法人税でも、その他でも自然増収はあるかも知れません、併し自然増収があるからといつて不特定財源をあらかじめ確定的に見て充てるものじやありません、これは大蔵大臣よく御承知の通りです。そういうことはできません。予算を編成する場合に不特定財源財源として充てることはこれははつきりできない。自然増収はあるかも知れない、ないかも知れない、一番重要な問題はここにあると思うんです。これは明らかにして頂きませんと我々は予算審議できません。予算委員会で大きな問題になります。私は警察法以上の、予算的には、大きな問題になると思います。この点あらかじめ明確にして頂きませんと困るんです。
  108. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) お説は御尤もですが、議員から提出されましたこの法条に対しまして、今これが通過してどういう措置をとるということをはつきり申上げることはできかねると存じます。
  109. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあそれは大蔵大臣立場としては確かにそうでありましよう。非常に窮地に追い込まれることは認めなくちやならんですね、これは非常に明らかであります。そこで私は建設大臣にお伺いしたいんですが、二十億足りないわけですが、要するにこの法律案が通れば二十億余計に道路費に計上しなければなりません。そうしますとこの二十八年度道路関係予算として出されたこの予算の裏付となつている道路計画と、この法律案通つた場合の道路計画とは違うはずです。従いましてどういうように違つて来るか、その点を明らかにして……私は前に資料を要求しておりました、二十八年度道路関係予算として計上されたものと、それからこの法律案通つた場合に道路計画というものはどう変つて行くのかですね、とにかく予算でも二十億殖えるんですからそこに計画が変つて来なければならんはずです。そうしますと二十八年度建設省予算として出ておりますその裏付となつている道路計画は、これは違つて来るんですから、補正の場合にやはり当然道路計画も違つて我々のところへ出て来なければならんはずです。この点これが通れば補正を組まなければならんのですから、補正にどういう計画を用意されているのかお伺いいたしたいんです。
  110. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 案は議員の提案になつておるものでありますので、現在私のほうがその連絡をして計画をということはございませんが、若しそういう場合に道路整備費に多く使い得るようになりますれば現在持つておる道路政策を一層増進さして行くことができるというふうに考えております。この案の行末と言いますか、きまる前からその計画を私のほうでどうというわけには参らないと思います。
  111. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうもそういう無責任なやり方では困るのであつて、二十八年度予算を要求されているのです、建設省はですね。それはちやんと計画があつて要求されているのです。その計画が動いて来るのです、二十億殖えることによつてですね。ですからそういうものの裏付なくして、費目を明らかにし、そうして爾後計画というものが明らかになつて来なければ、そういうものが現われているということは不当じやないですか。建設大臣にお伺いしたいのですが、実際はその法律案の裏付として、年次計画というものが明らかにされてないのですね。それから費目も明らかにされてないのです。こういうようなただ五カ年計画となつておりますけれども、建設省にやはり五カ年計画というものはあつてですね、そうしてこの法律案提案者計画とはつきりマッチしているなら問題ありませんが、これまで建設省としては、道路計画というものがちやんとおありのはずです。そういうものと矛盾が出て来ないか。従つてこういう費目が明らかでない、年次計画も出ていない、こういうような法律案建設大臣としてどういうふうにお考えになつているか。
  112. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 二十八年度予算に計上してありまする分については、道路計画はできているのであります。併し今の問題は政府提案しているものではございませんので、それに基いて計画をということは後になつて見なければわからないのであります。
  113. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 何かよそごとのように考えられているようでありますが、この法律案通つてくれれば、国会できまつたならばしようがないから計画を変える、まあ変えざるを得ないようになると思うのです。併しながらさつき小林君も何回も質問された通りですよ、大体大部分が自由党の諸君が提案されているのに、そこが非常におかしいと思うのです。これはもう議論になりますから、時間をとるだけでありますからもうお伺いしません。非常に私はもう杜撰な法律案であると思うのです。で、政府は窮地に追い込まれると思うのです。私は何も政府を救う意味で言つているのじやなくて、予算を提出する場合に、あらかじめこういう法律案通つたときに、その補正の組替というものは政府は用意されていなければならんはずです。相当連絡がとれてなければならん。それをしないで、私は今後この法律案が通つちやつて予算が出て来た場合、これは予算の審議の対象にならない。補正されて出て来れば、そういう重大な問題が起つて来ると思うのです。  次にお伺いいたしたいのですが、予算審議権との関係ですが、大蔵大臣はこれは予算の審議権を拘束するとお考えになりませんかどうか、その点をお伺いしたい。
  114. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) これは予算審議権を窮屈にすると存じます。
  115. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この法律案は、形式は成るべく目的税にならないようにということで作られておりますが、提案者の御説明では閣議においては目的税とする、揮発油税をですね、そうしてその発表は別途に行うというような了解になつたと聞きましたが、大蔵大臣は揮発油税を目的税とするというようなことについて、そういうお考えなのかどうか、その点をお伺いしたい。
  116. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 目的税としたいという希望の出ました際に、私は異議を唱えたのでございますが、それでいろいろたびたび話合いまして、どうともきめかねている間にこの法案が出たのであります。ですから目的税とするということに同意したことはないのであります。
  117. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうも閣議の中に立入つては変ですけれども目的税にするということは閣議で決定したわけじやないですね。
  118. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 決定はしません。
  119. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一応了解事項とそういうようなことですか。
  120. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 了解までも行つてないつもりで私はいつているのです。
  121. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 非常によくわかりました。今まで提案者はその点を非常に有利に御説明になつておりますので……。実際よくわかつたのです。大蔵大臣が先ほど御答弁のように国会の予算の審議権を窮屈にする、こういうお考えでありましたので、実質的に目的税にしようという法案に賛成される、法案というより揮発油税を目的税にするということについて賛成されるはずがないと思う。それで建設大臣はどういうようにお考えなんですか、大蔵大臣は、これはやはり国会の予算審議権を窟屈にする、私は継続費よりなおこれは悪いと思つておるのですが、建設大臣はどういうようにお考えですか。
  122. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 只今大蔵大臣から了解事項までもなつておらんというお話がありましたが、その点についてはいろいろ意見があつたようでありますが、了解があつたものと建設省としては考えておるのであります。それでこの法案通つて行けば、継続費よりももつと面倒になるというお話でありますが、或いはそういうふうな面も出て来るかも知れません。併し私は提案者でもございませんので、若しこの法律ができた場合には、それの取扱については大蔵当局とも連絡をとつて、善処して参るという以上にはこの際お答え申上げかねます。
  123. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 実は両大臣がおいでになつたらもう少し実質的な御返事があつて事務当局の何と言いますか、言い逃れ的な答弁だけでなしに、非常に解決の方途を見出すのじやないか、かように私は考えておつたのですが、余りお逃げになると意地の悪い質問をいたさなければならない。お逃げにならないでちやんとおつしやれば、私どもはそう意地の悪い質問はしない。先ず意地の悪い質問から見本を見せますが、両大臣が折角おいでになつて、この法律衆議院通つて参議院で今かかつておることは御承知の通りであります。最初小林委員に対する答弁では、補正予算は組めないのだ、それから建設大臣提案予算関係関係ないのだ、こういうふうにおつしやる、私はこれは実に驚き入つたことをおつしやるのだと、自由党内閣というものは国会を何とお考えになつているんだろう。木村君は法律から義務が生じるというのですが、私は憲法上非常に間違つた両大臣が態度をおとりになつておる。これは法律ができれば当然義務が生じるということ、これはもう当然のことなんであります。で、まあそういう意味で、国会で以て成立しましたらそれに副うて処置をする、そこまでは……。それ以上入ると又のらりくらりになりますから、先ず最初に、国会がきめようがどうにもしようがないのだというふうなお態度でなくて、国会がこの法案を通しましたら何とか処置はしなくちやならんということだけは、改めて御声明になりますか、なりませんか。
  124. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 国会がきめられたならば、何とか処置をしなければならんと存じております。
  125. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 建設大臣から同じように御答弁頂きたい。
  126. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 同様でございます。
  127. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 そうすると何らかの処置をしなければならんということは、予算に変更が起る、それでこの法律は施行期日は公布の日からすぐ、即日施行でございます。それから第二条では、建設大臣は議員立法だと言われるが、どうも建設大臣は放つて置くと無能だから、「二十八年度以降五箇年間における一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路のほ装その他の改築及び修繕の案を作成して閣議の決定を求めなければならない。」と出ております。そうすると大臣がどうもなすべきことをなさんから、第二条であなたはしなくちやいけない、こういうことを言うのであります。だからあなたはこの法案通つたら、第二条でどうしてもおきめにならなければならない、その際に国会に対して責任を負われるのは、建設大臣と同時に大蔵大臣も連帯して国会に責任を負われることになります。それに対してどうお考えになるのかどうかということをお聞きしたい。
  128. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 連帯して責任を持たなくちやならないのですか。それは仕方がないと思いますね。
  129. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 建設大臣答弁願います。
  130. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 同じことを申上げるより仕方がないと思います。
  131. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 そうするとこの問題で大蔵大臣一つお聞きする。継続費というものは財政法上三カ年と限つております。五カ年の継続費というものは財政法上認めておりませんが、それについてどうお考えになりますか。
  132. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) これは継続費でないのじやございませんか。
  133. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 大蔵大臣は、五カ年計画というものが有機的にでき上るわけであります、そうして五カ年計画をしてそれを行政上きちつときめたものにしなければならない。そうすると、それでこの法律は五年の間は臨時処置で財源をもう予定している、五年の間は……。財源を五年予想しておつて、こつちでは継続的に知らないのだとおつしやるわけには行きません。こう思うのです。
  134. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君)金額は一年一年にきめるのじやございませんか、そういうふうに私は聞いておりますが……。
  135. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 じやあ建設大臣に……。
  136. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 同じことを申上げるようですが、五カ年計画計画としては立ちましても、やはり一年ごとにきめて行くやり方もあると思います。
  137. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 建設大臣は、私はそうは言えないと思うのです。つまり大蔵大臣はまだ形式的に逃げる道がないでもない。併しそれは三百代言式であり、誠に不誠意なものだと思いますが、建設大臣道路計画というものは一貫した計画ですよ。そうしてそれが遂行されないと非常に支障が起るから、委員会がわざわざ五カ年計画というものを計画に入れたのです。あなたとしては五カ年計画はともかく閣議でおきめにならなければならない。もう一つはこの法案をお出しになつて審議を求めた以上は、これと合せて五カ年計画なるものを、はつきりおきめにならなければならない、国会の審議の上に……そういうふうに考えますが、どうですか。
  138. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 五カ年計画を立つて閣議できめましても、やはり財政法上は一年ごとに区切つて……。
  139. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 非常に苦しい御答弁をなさらなければなりませんが、私はそれじや両大臣にこれからが……、今まではやや意地の悪い方面から何したのですが、実は我々が予算審議に当つて、この法律の第三条に言うところの道路整備五カ年計画、これはもうみんなこの法律道路五カ年整備計画というものが基本になつております。ところが、道路整備五カ年計画というものは、事務当局なり、どうも建設委員会じやいろいろな案があるらしい。併しそれはまだ案であります。国務大臣として責任を議会に負うべき財政計画の裏打ちになつた、そうしてさつき木村君が言われたように、ここに積み立てできたものがあるわけです。ここに閣議決定を、あなた方が行政大臣として国会に対してこういうふうにするのですという国策をはつきりお示しになつて、初めて審議のできるものです。どうも百五十億ぐらい収入があるだろう、俺のほうの財源が足りないのだ、五カ年計画はお前らはまあ黙つている、五年たつと、千六百億でございましたか、その程度のものが要るつもりなんだ、これじや法律に五カ年計画五カ年計画、これを中心に言つている以上、これが実体がないのです、そんなものを一体この法律に盛られるということは、これは実際おかしいのです。で、率直に申しますと、これは閣議で両大臣がすでにきめてなくちやいけない。あなた方が本当の誠意を持つて道路整備計画をなさろうとするならば、こういうものは両省大臣の間できまつておるべきはずのものです。それをきまらないものだから、こういうふうな法律案になつて来た。それは提案者もそう言つておられる。両大臣で本当に我々の要求する来年度百五十億くらいの財源、又或いはそれが殖えて行くかも知れないが、最低そういうものを確保されれば、こういう法律を出さなくていいのだ、これは実際議員立法という以上、行政府のやることが実体的なものです。それは全く陰のもの、胎児だ。そしたら田中委員長は、胎児だけれども生まれる、こう言われるのですが、これは田中さんの頭下、尤もだと思うが、行政をあずかつておられる我々のような財政をやる者は、年次計画がきちんとできて、個々の道路計画が、裏打ちがなければいけない。そうしなければ、胎児が、片輪ができるか、目つかちができるか、びつこができるか、どんな器量で生まれて来るかわからない。その中で財源だけは何を見るのだ、こういうことは私は非常に無責任だ。それに大蔵大臣が同意されるとすると、先ず大蔵大臣は、財政は全然責任が負えない、率直に言つて、組替そのものよりも実体がないものに対して、或る程度の確定財源を与える。目的税だとか、それから……いや、これが目的税かどうか、或いは形式的な議論をする前に、私は大蔵大臣として、財政を担当する大臣としてこの法案でも責任をお持ちになるということは言えないと思います。大蔵大臣はどうお考えになりましようか。
  140. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 私もこういう法案法案とは申しませんが、何年計画というものに対しては、大蔵大臣は責任を持つのは困難だと思います。
  141. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 責任を持つのは困難だと言われるのですが、いやしくも国会が通過すればあなたが責任を負わなくちやならない。そうすると、自然にそういう提案者の趣旨も実質的に通り、そして行政の方針をおきめになる、建設大臣とおきめになれば、その責任を持てる。なすべきことをなされないで、荏苒放つて置かれるからこういう法案になつて来たのですが、そういう点について大蔵大臣建設大臣と至急御相談になる御意思がありますか。
  142. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 財政のことを考えまして、今の道路予算を組んだわけでございまして、今の法案につきましては、只今まだ建設大臣と話合いを進める考えは持つておりません。
  143. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 建設大臣建設省の五カ年計画を立てるときだけでなしに、実際建設大臣だけでもこういう計画を立てられるときは、財政的な裏付というものをはつきりされる年次計画を立てられるのが、行政府の長として当然だと思いますが、その点についてはまだなされていないようですが、なされますかどうですか。
  144. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 省内の道路計画としては調査して立てておるものがあるのですが、まだ閣内と、或いは大蔵大臣と、というところまで参つておりません。
  145. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 建設大臣は他人のようなことを言われるけれども、余り何をされると、又私元に戻つて意地の悪い質問に入つてもよろしうございますが、ただここで建設大臣の常識として、あなたも官界に長くおつた大臣として、国会に責任を負う計画というものは、財政的の裏付がきちんとできるものを、何十年先は別でありますが、少くともそういうものがあつて、初めて建設大臣としての御責任が果せられるのだという常識をお持ちなんでしようか、どうでしようか。
  146. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 財政の裏付までできたきちんとした計画を立てることは困難です。今のところは、先ほど申上げたように、五カ年の道路整備計画は、事務当局として研究されたものがある程度でございます。
  147. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 どうも自由党の政調会が、自由党では案があるようですが、政府にはないようだというようなことを言われるけれども、これは実は書いて来るのはみんな建設局でございますよ、財源も何も。これはそんなことをおつしやると、わからなくなるのですよ。何でも資料が出ておる。それでなければ、立てる必要がない。だからそれは私はわざわざあなた方を一つまらんことでいじめたくないから言つておるんですが、併し少くとも大蔵大臣と十分隔意ない懇談を遂げ、或る程度二十八年度を初め、二十八年度以降についても御協議なさるべきが、こういう法案が国会に来ておる以上は当然なことだと思いますが、それをなさいませんか。
  148. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 急速に大蔵当局と十分の連絡をとりたいと存じております。
  149. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 大蔵大臣のほうはどういうふうな能一度をとりますか。
  150. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 協力を求められたら応じます。
  151. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 両方がそういうふうだから大臣じやないと言うのです。大蔵大臣はやはり道路についても自分のほうが精極的にやる。建設大臣がそつぽを向いていても取上げなくちやいけない。事務官僚は何とかかんとか小さなことにこだわつておる。今日の段階においてもどうも余りやつてないように思われるのですが、あなた方両大臣は毎日顔を合わしておる。やろうと思えばすぐ計画ができるはずです。それでなければ、私はまあほかの委員の方が触れられましたことは成るべく触れませんし、私は予算委員会委員でもありますので、二十八年度予算審議に当つて相当この点は意地の悪い御質問をしようということを考えておりますが、何とかしなければならないということは、これだけははつきり申上げておきます。勝手な真似はおできにならん。どうかそういう点について両大臣は、私は希望いたしますことは、これは実際言うと行政運用の穴なんです。盲点なんです。行政運用の盲点がここに出て来ておる。率直に言えばこれはお互いの皆さん方が、行政運用されて行くのに責任を持たれれば、実体的のものができておれば、これだけの問題は起らない。わざわざ両大臣がおいでにならなくてもあつちで御相談なさつておるひまがあつて、できればできるのです。そういう私どもが行政運用の尻拭いを、而も法案としては非常な難点の多い法案、ただ一方においては道路整備したいという非常な国民的感情と結び付いて出て来たことは認めるのですが、そういう点についてこれは私どもがその尻拭いを実はさせられるのは実際私は成るべく国会は最高の機関としていろいろ法案を立法いたしますが、行政運用の尻拭いに私どもはできるだけ参りたくない、こういうふうに考えますので、特に大所高所から御留意を願いたいと思います。以上で私は質問を一応打切ります。
  152. 中川以良

    ○中川以良君 私は今日日本道路整備する上におきまして、只今要求されているより以上の予算を取つて道路整備をしなければならんことは痛感をいたしておりまして、又これに対する熱意も大いに持つておるものであります。併しこのたび出て参りましたこの法案を眺めますると、議員提出法案でございまして、議員の諸君が余りに道路整備を急速に実施するために熱情を一方的に傾けまして、これに関連する種々の問題等に対する検討が足りなかつたのではないかと思うのであります。この国の特定の税の収入を特定の日一的に使うような目的税式の形態をとると申しますることは、今日歳入は歳出の財源といたしまして一体的にこれを使つて参るという、いわゆる財政の原則に私は反するものであるように考えられるのであります。殊にこれがために財政政策の弾力性を失わしめることは、これは明らかなる事実であろうと思います。こういう点等につきましてはなお検討をされる余地があると思います。然るにかかわらず、衆議院におきましてはかような法案を僅か一遍の委員会にかけたのみで、僅かの時間審議をしたのみで直ちにこれを本会議に緊急上程をしたというところに誠に粗忽な不明朗な、又後味の悪いものが私はあるのだと思うのであります。衆議院大蔵委員会も、この大蔵委員会といたしまして最も関連性がある委員会連合委員会を要求する余地すら与えなかつたというようなところは誠に私は議員提出法案の将来の権威を確立するためから言いましてもこれは不愉快なることであろうと思うのであります。これが若しも衆議院におきましてもつと論議をされておりましたならば、今日ここに連合委員会を開いてかような論議が私は出なかつただろうと思うのです。そこにもう少し御努力がして頂きたかつたと思うのであります。ただ本日予算を眺めますると、もうすでに提案者が希望をしておられましたところの大体財源はこの道路の面においては確保されておる。百四十二億円が確保されておりますので、今急いで、又この法案についていろいろな問題を取上げまして、大蔵省、建設省の間に物議を醸すことは私はもはや必要はないのじやないかと思うのであります。特にこれを二十八年度に実施をするという点につきましては、今の補正の問題、その他種々の関連性のある問題につきまして私はあらゆる疑義が生じて参りますると思うのでありまするから、これは少くも二十八年度は一応目的が達せられておりますので、このまま今の予算を実施をして参りまして、二十九年度において改めて検討を加えて然るべきではなかろうかと思うのでありまするが、実質において何ら道路整備が遅れることも何もないと私は思うのであります。二十九年度において、より以上のよい妙案も浮かんで参るのではないかと思うのでありまするが、こういう点につきまして、大蔵大臣建設大臣は如何ようにお考えになりますか、それを一つ承わりたいと思うのであります。
  153. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) そういうふうに願いますと大蔵省は非常に助かるのでございます。実は建設大臣の前任のかたとはたびたびお話をしまして、道路整備については力を入れるというお話をしまして、そうして目的税とすることは勘弁してもらいたいということを言つておるうちにこの法案が出て来た。従つて隔意なき了解というふうなことも、両方で違つておる考えでおつたかも知れませんが、道路をよくしたいということは、大蔵省においてもこれは口先だけでなく、計画を持つていたわけなんでございます。従つて今おつしやる通り、二十八年度予算においても、道路費用はほかの費目に比べまして相当によくなつておると私は信じておる次第であります。今度この案が二十八年度予算に出て来まして、さつき申したように苦境に陥ることを救い得れば非常に私としては仕合せだというふうに考えます。
  154. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) これは提案者の意思でもあると思いまするが、私といたしましては、すでに本年度予算は計上されておるのでありますので、二十九年度に延期されましても一向差支えない、かように考えております。
  155. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 二点ばかり大蔵大臣お尋ねしたいと思います。  第一の点は、将来成るべく或る種の税を何かのために使うというこういう方向は或いは認めて行くというか、まあ止むを得ん、そういうふうにやつて行こうという方針であるかどうか。例えば具体的に申しまして、道路整備も必要でありますが、それと勤労者の住宅建設というのも非常に私は必要だと思います。従いまして僕らとしてはそれは何よりも緊急の問題だと思います。而も今の上り工合から見ますると、源泉徴収される勤労者の所得税、これは一番成績が上いのであります。従いましてその成績のよい一部を以て、何割かを以て勤労者住宅整備のために使う、こういう法律案を実は出そうと思つておるのでありまして、これは我々の所属する社会党としましては当然考えるべきだと思うのでありまして、若しそれが出るとしたならば、大蔵大臣、或る程度これとよく似た問題だと思うのでありますが、御賛成願い、或いは賛成できないまでも今回と同じような態度をおとりになるのかどうか、その点をお伺いしたい。
  156. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 御質問の勤労者住宅ということは、丁度今の道路の問題以上に私は強く考えておる次第であります。イギリスが戦争後に一番一先に住宅を復旧することに金を使つたということを聞きまして、これはやはり民生の安定、従つて政治をよくするために必要なることに早く手を打つたのは感心だというふうに考えております。それで私も不肖ながらこの間の予算には住宅はほかのものよりもやはり力を入れたつもりでございます。それで初めの問題に戻りまして、勤労者の所得の一部を勤労者の住宅にするということは私はにわかに御賛成はできないのですが、併しながら勤労者住宅なり、或いはその他の住宅を荒廃した、状態から元へ戻しますために十二分に力を尽そう、それで今のあなたのおつしやる目的税としなくても目的を達し得るように努力をする考えでおります。
  157. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 あなたのような理解のある、而もイギリスにおられましてイギリス労働党の政策を非常に礼讃される大蔵大臣がおられるときはいいけれども、いろいろ大蔵大臣の変更等もございますので、自由党では特に大臣がお変りになる率は多いので、そういう関係からしましても、我々としては成るべくこの法律で五カ年間は而も一戸の住宅にたくさん雑魚寝をしているという状態が解消されるまでは、一つこれだけは勤労所得税の中から必ず住宅建設費用に廻すべきである、こういう法律を作つておきますと非常に安心できると思うのでありますが、こういう法律が出るとするならば、これは或る程度暗黙の了解をされた場合には御了解願えるものと思つて、今後は一つあなたのところに運動に出かけようと思うのでありますが、これは御了解願えるかどうか。(笑声)
  158. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) いわゆる法律になりますと非常に窮屈になりますので、それは御勘弁願いたいと思うのでありますが、併し御趣意はよく了解いたしました。
  159. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 或る程度はこういうこともお考え願えるものというふうに私は了解して、大蔵大臣がこの程度の点については、これとよく似合う問題だと思いますので、これは法律にしてもらつては困るというが、これは法律一になつても差支えないということはちよつとどうもおかしいように思うのでありますが、次の問題に譲りまして、ガソリンはここ五年間のうちに相当これは自動車を主体といたしまして、この質疑応答を見ましても自動車の問題1を主体として取上げておりますが、ガソリンが今後航空機に相当五カ年のうちには使用するようになるだろうと私は思うのでありますが、提案者のほうで、田中さんにちよつとお伺いしたいと思うのですが、ガソリンは主として自動車に使つてこれは道がよくなる、こういうのが趣旨だと思うのであります。そうしますと将来このガソリン税の負担が航空機との按分というようなことは、五年先は相当国内航空というようなものも、航空機のガソリンの使用量というものは非常に大きくなるのじやないかと思うのでありますが、この点を御検討になつて提案になつているかどうか。その点一つお伺いした
  160. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 前回の委員会にも同趣旨の御質問があつたのであります。私の考えでは世界の各国ですでに道路整備のためにガソリン税目的税規定いたしておりますところが殊に多いので為りますけれども、私どもも当初においてはそういうふうにいたしたい、併しいろいろな論議の余地がまだありますので、現在の段階においては、道路整備のためにこの種の法案の立案をいたしたわけであります。併し道路整備五カ年計画を作成するに当つて日本道路整備を行おうということになりますと、何回か申上げました通り年間約五百億円の道路費を十五カ年間以上継続的に注ぎ込まなければ、日本の産業経済の基礎としての道路の使命は達成せられないという状況であります。その意味におきまして、新設を除く道路改良修繕その他工事費の一部にガソリン税税収相当額を見積りたいというのが本案の趣旨であります。その意味におきましては、ガソリン税ができるだけ多量に徴収せられて、この法案により入れられるところの予算がより多くなることを期待いたしております。ただそれは一方的な見方で、航空機が非常に多量なものを使うというような場合、自動車が使つておつたような感覚で全部道路費に注ぎ込むことがいいか悪いかという問題は、いわゆる道路整備五カ年計画を行なつている過程において、別に揮発油税の税率を下げるとか、又航空用ガソリンに対しては別な定めを行うとかいうことで、この法律とは全然別個な立場で再検討を要することであるというふうに考えております。
  161. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 次に建設大臣ちよつとお尋ねいたしておきたいと思うのでありますが、この五カ年計画によりまして、この法律案が通過いたしましたとするならば一体どの程度五カ年内に通路が整備されるものであるか。そんな折角やかましく論議して通つてみたところが、余り道がよくならなかつたという結果では幻滅の悲哀を感ずると思うのでありますが、どの程度よくなるものであるかということについて、本当に概括でよろしうございますが一つ説明願いたい。而もここに確約と申しますか、五年後に一つお目にかかりたいと思いますので、その点お聞きしておきたいと思います。
  162. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 計画提案者のほうから……。
  163. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 結構です。
  164. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 前にも一度申上げましたが、簡単に五カ年計画を行なつた場合どのような結果になるかということを申上げます。  大略申上げますと、一級国道中交通上著しく禧路となつております区間の改良を促進し、その全部が完全に自動車交通可能となります。第二には東京、大阪間の一級国道を自動車交通に快適な近代的・鋪装道路として完成をいたします。第三には二級国道中交通上著しく禧路となつております区間の改良を促進し、その全部を一応交通可能の道路とすることができます。第四には京浜、名古屋、京阪神並びに北九州等の重要産業地帯の一級国道及び二級国道を円滑な自動車交通が可能となるように改良し、鋪装します。第五はその他の自動車交通が一日三百台以上の道路の区間は全部鋪装が完了します。その次は幹線道路におきまして、現在自動車交通不能又は荷重制限を行なつております橋梁を殆んど全部永久橋に架け替えます。なお水資源、農林水産資源の開発、又は鉱工業、国際観光事業等振興上特に重大な役割を持つております道路改良は著しく促進をせられると思うのであります。なお災害を未然に防止するために必要な個所の災害防除工事を相当数行いたいと思つております。自動車交通上著しい支障を及ぼす悪路面は現在よりも数倍して改良いたざれる、その総工事費は大体二千七百五十五億八千万円ということを仮定いたしておりまして、これに対する予算額は千六百六十億、本法律案によるところの財源としては千百億を想定いたしておるわけであります。
  165. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 確かに地方を廻つて見まして、道路のこれでは貧弱だと思うもの、又、橋梁にいたしましてもこれでは困るというのがたくさんあることを我々は見ておりまして、これは確かに早く何とかしなければならんと思つておるのでありますが、提案者とその趣旨において同感でございますが、さて今度これだけで必ずしもまあ今おつしやつたようなことを全部はなかなか困難だということになりますと、将来如何でございますか。あなた方のまあお考えとしては自動車、乗用自動車、或いはバス等のこれから上る税金をまあ地方自治体はこれは勝手にやることになると思うのですけれども、その種の税金を国税として自動車の輸入、或いはその他の税金を成るべくこれに注ぎ込むというようなだんだんとこういう構想をお持ちになつているかどうか。即ち自動車関係・主として陸上交通関係で得るところの収入を成るべくだんだん殖やして行く、こういうお考えを持つているかどうか、その点をお聞きしたい。
  166. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 現在約六十万台ありまして、戦前の約三倍になつているわけであります。一年間に十万台乃至十五万台ずつ増加いたしておりますので、五年後十年後の自動車の数というものは飛躍的に増大するものと考えております。と同時に、自動車が仲用いたしますガソリンの消費量も相当大きくなると考えております。その意味におきましてガソリン税の税収は現行の法規通りで行く場合には年間相当量ずつ増額をして行くと考えております。
  167. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 もう一点お伺いしたいのは、こういうふうにガソリン税をまあ主として充てるということになりますと、ガソリン税の対象になる分だけを成るべく大蔵省のほうで査定しそうになると思うのでありますが、これより多いやつは結構だと思うのですが、できたら又ガソリン税だけに限定するようになつて来ないと本限らんと思うのですが、五カ年先を見通しまして、今の国際情勢の動きからしまして、ガソリンは主としてアメリカから輸入するということになると思うのでありますが、今の朝鮮の戦線の動き、或いは台湾の動き等から考えまして、これが規制をされる、向うから輸出を規制をされるということも一応考えなければならんと思うのでありますが、そうなつた場合には、大蔵省ではまあガソリン税を充てて来たが今度殖えるまでというのはこの五カ年計画に支障を来たすというような見通しはないかどうか、その点についても考慮しておかなければならんと思いますが、そういうときの措置をどういうふうにお考えになつていますか。
  168. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。国際情勢の変化等我々が予測できない事態に当面いたしましてガソリンの消費規制が行われるということを前提として考えますといろいろな問題が起きて来ると思いますが、私の現在の立場考えますと、そういうことは起り得ないのではないかということを考えております。若しそういう場合が万一起つたと仮定いたします場合、大蔵省当局が特に道路整備五カ年計画に対してこの法律を固守いたしまして非常にガソリン税収入が少くなつたその金額以内に道路費を抑える虞れがないかというような御質問であつたようでありますが、私はこのガソリン税税収入額と相当額を以て全部賄おうとするわけではありません。世界各国の例を見るまでもなく、もうガソリン税目的税としておるところがたくさんあるのでありますから、日本道路が悪い現状に鑑みまして少くとも道路改良費の一部に充てなければいかん、最小限度道路費というものはこの税収入額と相当額を下廻つてはならないということが提案者考えでもあり、又国民の考えでもありますので、大蔵省当局がそのような事態が起つた場合、それよりも少くこの法律案を楯にとつて道路費が減少するというようなことは常識上考えられない。その場合は大蔵省当局も、先ほど申された通り道路愛護の感覚は私たちと同じだというのでありますから、ガソリン税収入は減つても当然この五カ年計画を遂行できるように良識ある予算を組まれるであろうことを期待しておるわけであります。
  169. 前田穰

    前田穰君 議事進行について。大蔵大臣非常に次が急いでおられるようなんですが、大蔵委員側の質問も質問ですが、我々も大蔵大臣にお伺いしたいことがあるのですが、どういうふうにお取扱い願えましようか。
  170. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 じやもう一点大蔵大臣お尋ねしまして、私質問を打切ります。
  171. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) それからあと小林さんから大蔵委員側でもう一点あるという申出があります。  ほかにまだございましようか。そうすると、菊川さんがもう一点と小林さんからもう一点と……。
  172. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 じや大蔵大臣に最後に簡単に御質問申上げますけれども、この法律の精神を酌まれまして、少くとも今の状態でガソリン税が殖えれば結構でありますが、仮に減るようなことがあつても、減税々々と言われますから、ガソリン税を減らすというような事態がありましても、少くとも現行の税収入額くらいは今後この法律案通つたとしたら、仮に税金の額が減つてもそれ以上に財政的な措置は講ずる責任をお負い、責任と言いますか、政治的な責任をお負いになるだろうと思うのでありますが、それだけの御用意があるかどうか、この点をお伺いしたい。
  173. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 只今の御質問の御返事の前に申上げておきたいのですが、私はこの法案の成立を歓迎してはいないということでございます。これは誤解のないようにお願いしたいと思います。  それから今の御質問でございますが、これは目的税的にガソリン税をお扱いになると、どうもガソリン税が減る場合には道路税も減つて来るだろうと勿論思います。そこでさつき中川さんに申上げたのですが、こういうふうに縛らずにいてもらいたいということを当時の建設大臣と話合つたわけであります。ですから道路愛護は勿論でございますけれども、ガソリン税が減つて道路費用は減らないということは只今申上げかねると存じます。
  174. 小林政夫

    小林政夫君 私は堀木さんとは違つて、内閣に非常に親切心を以つて最後にお尋ねしますが、先ほどのお話、私の質問に対して大蔵大臣財源がないから絶対に補正はできないのだという御答弁。木村委員、堀木委員の質問に対しては、法律が通れば何とか善処しなければならないということでありますが、そうなると、そういう話を聞いておつたので恐らく菊川委員大蔵大臣黙認するのかというような質問が出たのだと思うのですが、好ましくない法案である、而もあなたの手では絶対に補正予算は組めない、財源関係で組めない、こういうことであれば、大部分の過半数の発議者が自由党議員であるこの法案については、自由党内閣としては撤回方なり然るべき措置をとられるべきじやないかと思うのです。そういう意味で私はお尋ねしておるので、もう一点最後に財源関係上現在のところは不可能であるということを言われるのかどうか、多少その点がぼやけておりますから、はつきりさせて頂きたい。
  175. 向井忠晴

    ○国務大臣向井忠晴君) 最初に申上げましたように、これが通りますとその際において財源補正予算を組みますことは不可能と私は考えております。
  176. 小林政夫

    小林政夫君 私の質問に対して建設大臣は常におおむね、経過はありましたが、大蔵大臣と同意見でありましたが、今の大蔵大臣の御意見には如何ですか。
  177. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 大蔵大臣只今財政上困る点が出るだろうというような意味でのお話だつたと思いますが、私は勿論それに反対する意味ではありませんが、法律が成立いたしますればやはりそれに従うよわほかないのじやないか、これは十分尊重しなきやならんと、かように考えております。(「政府大臣答弁が食い違つておる」と呼ぶ者あり)
  178. 小林政夫

    小林政夫君 私はそういう御答弁がありやせんかと思つて先ほど来一体補正予算を組まないということは内閣の方針ですかということを念を押してあります。それであなたも私の前回の質問については大蔵大臣と同意見であるということを言われておるので、大蔵大臣が困難であるということならば、当然あなたも困難だという御答弁をなさるべきだと思う。通つた後において法律的に義務ができることは当然です。当然ですが、併しそうなつては今の吉田内閣は補正予算を組めない、財源がないから組めないのだということを言つておるのなら、あなたとしてはこういう法案が通ることについては全力を挙げて阻止するべきだと思うのですが、如何ですか。
  179. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 大蔵大臣は先ほどこの法案が通ることは好ましくないというふうにお答えになわ空したが、私はこの法案がどうこうという批評は申上げない。で、法律上の、つまり法案が通れば法律上の義務が生ずるので、善処いたさなければならんだろうというふうな、先ほどからお答えを申上げているのであります。
  180. 小林政夫

    小林政夫君 善処をしなければならんということは、これは明らかなんですね。法律が通ればやらなければならんことは当然です。併しあなたの自由党内閣は、絶対に補正予算を組めない、大蔵大臣財源がないから組めない、こういうことを言つておられるのだから、この法律通つては困る、困られるだろうと思う。その点は如何かというのです。
  181. 戸塚九一郎

    ○国務大臣戸塚九一郎君) 大蔵大臣が言われたのもそういうふうな意味かも知れませんが、この処置について困る点が或いは生ずるのであるということで、私も先ほどから大蔵大臣と同じように申上げているつもりでありますが、法案通つた場合には善処するほかない、こういうふうに申上げているのであります。
  182. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  183. 下條恭兵

    委員長下條恭兵君) じや速記を始めて下さい。  これを以ちまして連合委員会を散会いたします。    午後三時四十七分散会