○中川以良君 私は今日
日本の
道路を
整備する上におきまして、
只今要求されているより以上の
予算を取
つて道路の
整備をしなければならんことは痛感をいたしておりまして、又これに対する熱意も大いに持
つておるものであります。併しこのたび出て参りましたこの
法案を眺めますると、議員提出
法案でございまして、議員の諸君が余りに
道路の
整備を急速に実施するために熱情を一方的に傾けまして、これに
関連する種々の問題等に対する検討が足りなかつたのではないかと思うのであります。この国の特定の税の収入を特定の日一的に使うような
目的税式の形態をとると申しますることは、今日歳入は歳出の
財源といたしまして
一体的にこれを使
つて参るという、いわゆる
財政の原則に私は反するものであるように
考えられるのであります。殊にこれがために
財政政策の弾力性を失わしめることは、これは明らかなる事実であろうと思います。こういう点等につきましてはなお検討をされる余地があると思います。然るにかかわらず、
衆議院におきましてはかような
法案を僅か一遍の
委員会にかけたのみで、僅かの時間審議をしたのみで直ちにこれを本会議に緊急上程をしたというところに誠に粗忽な不明朗な、又後味の悪いものが私はあるのだと思うのであります。
衆議院の
大蔵委員会も、この
大蔵委員会といたしまして最も
関連性がある
委員会の
連合委員会を要求する余地すら与えなかつたというようなところは誠に私は議員提出
法案の将来の権威を確立するためから言いましてもこれは不愉快なることであろうと思うのであります。これが若しも
衆議院におきましてもつと論議をされておりましたならば、今日ここに
連合委員会を開いてかような論議が私は出なかつただろうと思うのです。そこにもう少し御努力がして頂きたかつたと思うのであります。ただ本日
予算を眺めますると、もうすでに
提案者が希望をしておられましたところの大体
財源はこの
道路の面においては確保されておる。百四十二億円が確保されておりますので、今急いで、又この
法案についていろいろな問題を取上げまして、大蔵省、
建設省の間に物議を醸すことは私はもはや必要はないのじやないかと思うのであります。特にこれを二十八
年度に実施をするという点につきましては、今の
補正の問題、その他種々の
関連性のある問題につきまして私はあらゆる疑義が生じて参りますると思うのでありまするから、これは少くも二十八
年度は一応
目的が達せられておりますので、このまま今の
予算を実施をして参りまして、二十九
年度において改めて検討を加えて然るべきではなかろうかと思うのでありまするが、実質において何ら
道路の
整備が遅れることも何もないと私は思うのであります。二十九
年度において、より以上のよい妙案も浮かんで参るのではないかと思うのでありまするが、こういう点につきまして、
大蔵大臣、
建設大臣は如何ようにお
考えになりますか、それを
一つ承わりたいと思うのであります。