○
衆議院議員(
田中角榮君) 非常に重要な問題でありますので、率直にお答えを申上げるのであります。ただ併し、
衆議院の
建設委員会としては、あなたが
只今仰せになりましたように、労農党のかたはおいでになりませんが、大体
全会一致でありましたので、そう申上げたわけで誠に御無礼でありましたが一この問題もいろいろ
審議の過程において論議せられたのでありますが、政府といたしましても、
自由党といたしても、
ガソリン税を
目的税にしようという
決定を欲してお
つたわけであります。それよりもうんと弱い案であります。弱い案と言うよりも
予算編成権を拘束してはならんとか、非常に
考えて、
予算編成権を拘束しないで、実効を挙げる
法律案というものはないかというので妙手を
考えたわけであります。そういう
意味から言いましても相当
議論がありましたが、
自由党といたしましては、
自由党ばかりではない、
衆議院の
建設委員会の各党の
委員からのお話でありましたが、いわゆるこの
法律案と同じものが出る場合のことを
考えてどうするか、尤も教育費の国庫
負担の問題もそうであるし、いろいろな問題でもこういう紐付きにな
つた場合は、
予算編成がそれ自体拘束されるのじやないかというような問題もありました。そういう問題を個々に分けていろいろや
つてみましたところ、原則的に最後に一致したのは、
道路費というものは今まで余りにも少なか
つた、少な過ぎた。世界のどこを見ても
日本の
予算は、御尤もであります、御要求
通り出したいのでありますが、何分にも
財源が不足でして、ということをすぐ申すのであります。私
たちが又
地方に行
つてもそうでありますが、代議士
たちが
予算さえあれば幾らでもできるのですがと言うのが馬鹿の
一つ覚えにな
つておるのであります。世界のどこの
予算編成を見ましても、
日本ほど
道路費の少いところはない。まして
自動車が一年間に十五万台ずつも殖えております現在の
状況から
言つて、この種の
法律案は出さないでも、少くとも
予算編成に当
つてガソリン税収相当額を下るような
予算を組むことがおかしか
つたのであります。
衆議院に
提案した当時でさえも組まなか
つたという
状態で、いろいろな問題はあ
つても、こういう
法律案で或る
意味で縛ることは、
道路整備の非常に緊急事であるということを前提とした場合、止むを得ないじやないかというような実際論に参
つたわけであります。而もこういう
法律案を出すことが、この種の
法律案を濫発する憂いにはならない。余りいわゆる細かくは申上げませんが、今の
状態で車をずつと殖して参り、
道路整備五カ年
計画をやりますと、大体この
程度の金をかけても十カ年か十五カ年に完全にペイをする。その場合に財政資金を投融資しても十分成立つのではないかというように、この種の
道路整備に大いに金を出すべきだ、こういうふうに
考えたわけであります。もう
一つはいわゆるこの種のものを作ろうとしても、実際国有鉄道から上
つたものを国有鉄道に全部かけるというようなことは成立ちますが、そのほかにおいて、こういう見返り
財源をそのまま取
つてうまく行くというようなことは実際としてないのではないかということが
考えられるわけであります。ただ競馬から上
つた利益を全部馬の振興のためにやるべし、それから競輪の
収入を全部自転車振興のためにやれというようなことを言いますが、今の
財源から
言つて、競馬から上
つた財源を皆馬にやるということは我々の感覚では
考えられない。実際において私学の儲けを全部学校建築に廻わしたらいいじやないかと
言つても、これは実際
数字上成立たんのでありまして、現実的な面から
考えて、こういうものを出しても、これによ
つて予算編成権がめちやくちやになるというようなことはない。その
意味で憲法違反という疑も全然ないと、こういうふうに結論付けたわけであります。もう
一つの具体的な
措置としては、
自由党としてはこの
法律案は万止むを得ない
措置として、この種の
法律は今後絶対に出さない、こういう決意でや
つておるのであります。