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1953-03-09 第15回国会 参議院 決算委員会決算審査に関する小委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月九日(月曜日)    午後一時四十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     谷口弥三郎君    委員            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            飯島連次郎君            加賀  操君            伊達源一郎君            栗山 良夫君            成瀬 幡治君   政府委員    経済審議庁総務    部会計課長   塚本  茂君    郵政省経理局長 中村 俊一君    労働大臣官房会    計課長     百田 正弘君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設大臣官房会    計課長     齋藤 常勝君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    行政管理庁長官    官房会計課長  嶋田 正雄君    農林省農林経済   局統計調査部長  安田善一郎君    労働省職業安定   局失業保険課長  三治 重信君    会計検査院事務    総局検査第一局    長       池田 修藏君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保榮君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大澤  實君    日本国有鉄道経    理局長     高井 軍一君    日本電信電話公    社経理局長   横田 信夫君    日本電信電話公    社建設部長   関  雅雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件昭和二十五年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度政府関係機関收入支  出決算内閣提出)  (架空経理に関する件)   ―――――――――――――
  2. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは只今から決算審議に関する小委員会を開会いたします。  先ず第一番に農林省関係の五百六十八号について農林当局から先ず一番先に御説明を願います。
  3. 安田善一郎

    説明員安田善一郎君) 委員長の御指名に従いまして御説明申上げます。私どものほうのこの件は昭和二十五年度におきまして青森三重和歌山の三つの統計事務所におきまして総額九十二万円の使用が当を得ませんでしたので検査を頂きましたのでありまして、会計検査院の御報告にあります通りでありまして誠に恐縮に存じております。その中の青森といたしましては旅費物品費計七十四万円を次のようなもの等に不当の流用をいたした点でございます。事務所の田舎にありまする出張所が当時民家を借りておりまして、戦災地でもありまして、非常に民家のほうの立退きの要求も多く、又代りのものを入手するのに非常にむずかしいときでございましたので、総額のうち四十七万六千円を庁舎購入に取りあえず流用いたしました。そのほか会議費約八万円、厚生費約九万八千円、光熱費四千円強、旅費の立替え、職員が随時現場出張いたしますので、旅費の立替えを旅費でないものから出しておりましたものが、架空名義で、先に一部して、あとで訂正しておりましたのでございますが、八万七千円、支出の同額の七十四万六千円について当を得なかつたものでございます。本省といたしましては、これに対しまして庁舎購入旅費物品費から流用して使いましても、当を得ませんことで、その結果といたしまして、庁舎については二十六年三月におきまして国有財産に移管いたしまして又旅費の立替え等につきましては、国庫に納入をいたして是正措置を講じました。又責任者に対しましては、本省においてよく反省もいたしまする半面、事務所職員にも意を用いまして、青森統計ばかりでなしに、青森統計を特に念を入れますし、全国に亘りまして経理職員研修、間違いなきを期し、綱紀粛清のための研修、講習の会もその後開いております。特に責任者所長庶務課長経理係長につきましては、本件に関しまする額は必ずしも多くないけれども、貴重な国費でもありますし、方法が当を得ないこともございまして、いずれも公務員法に基きまする減給措置を講じましてその後他に就職も斡旋し、将来過ちをなからしめるように訓戒をいたしまして、所長経理係長農林省の役人でないようにいたしました。  三重県につきましては、十一万六千円強のものの雑給与から火事見舞金厚生費支出いたしましたものであります。これも支出において当を得ないものであると思つて恐縮に存じております。これは当時やはり事務所の一出張所がその郡の町村会の建物の一部を借りまして仕事をいたしておりましたのですが、出火を見ましたので、出火がどうも私どものお借りしている庁舎から出たのでありまして、それに応じまして予算に計上されて使途を適法に持つておりません雑給与から、附近地の慣例に従い、火事見舞金五万五千円を町村会に謝罪の意味も以ち、見舞意味も以ちまして、今後町村会庁舎が復興を見ました際にも、入れて頂いて、仕事ができるように公務の遂行が支障がないように所長が図つたものでございます。又もう一使途厚生費でございまして、当時職員一人が百五十円という人事院基準によりまして、御存じのお方もあると思いますが、創立早々の際に、いわゆる作報調査をやる者が、いわゆる労働強化で、非常に忙しい時でありましたので、職員に対するリクリエーシヨン計画を、人事院計画、指図に従いまして、基準に従いまして、実行いたしましたものの、何としても県下に散らばつておる職員を集めて厚生するのに不足を来し、特に当時として厚生費に特別の予算の計上がありませんので、別の費用で計上してあつたうちを、百五十円厚生費に充てようということでございましたので、所長が少し足らざるところを、総職員について六万一千円を流用したものでございます。これも訓告をいたしますと同時に、特に厳重な注意も払いまして、その後所長の異動をいたします際には、爾後そういうことをしないようにという意味も兼ねまして、配置転換をいたしました。  和歌山につきましては、総額六万二千円のものにつきまして、作物調査数字確定がなかなかむずかしい、被害その他も起つてつたのでありますので、予定よりも、作物収量数字をきめる会議の回数が殖えまして、と申しますのは、この会議附近農事試験場長や県の庁お方のような部外の人でもございましたので、会議費に四千四百六十円、自転車の修繕費などに、職員調査機能が落ちることを慮りまして二万二千円、その他賃金、運搬料物品購入費庁舎の借損料、計六万二千円を流用したものでございます。これも前二件と同様に、総額は、計上してある予算内でありましても、流用禁止科目につきまして、止むを得ざるに出でても、不当であるといたしまして、この所長庶務課長等につきましては、三重と同様の措置を講じて、今後の遺憾なきを期している次等でございます。本省といたしましても恐縮に存じておる次第であります。
  4. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 右に対しまして会計検査院のほうからありますか。
  5. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 五百六十八号架空経費の問題でございますが、只今農林当局から御説明があつた通りでありまして、私どもとして特に申上げることはございません。当局者も非常に遺憾の意を表されまして、跡始末をきちんとやつておられます。
  6. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 委員のかたに何か御質問でもございまするか。別にございませんなら、一応これは承認することにして、先へ進みたいと思います。それでは農林省関係のかたはこれでよろしうございます。有難うございました。次は、郵政省関係。それでは郵政省関係におきましては六百七十八号の件につきまして先ず当局から何か御説明ございますか。
  7. 中村俊一

    政府委員中村俊一君) 六百七十八号の件の御説明を申上げますが、これは東京鉄道郵便局の事案でございまして、御承知のように鉄道郵便局全国に十四カ所ございますが、それぞれ郵便物鉄道によつて運搬いたしまする際に、その運搬をいたします係員及びその中で郵便の区分けをしたりなどいたしますいわゆる移動郵便局とでも申すべきものでございますが、この郵便局に、鉄道郵便車乗務いたしますものに旅費を支給いたすことになつております。この旅費一般旅費でございませんで、特定旅費と申しまして一般旅費より低い旅費を支給いたしておるのでございます。で、ほかの一般郵便局にはこういつたものはございませんので、この件はもつぱら鉄道郵便局に特有の事件と申上げてよかろうかと存じます。で、事件内容は、その旅費服務表によりまして列車に乗る人と乗らない人とははつきり分れておるのでございますが、この乗らない人の名義を用いまして乗つたようにして旅費を六十数万円出しまして、これを会議費懇談会費等流用いたしたということでございます。鉄道郵便東京鉄道郵便局だけでも東京、上野、新宿、両国、小山、千葉というそれぞれ八支所を持つておりまして、郵便物鉄道線路ごとにそれぞれ処理いたしますための連絡所といつたようなものがございまして、ただ一局でございましても名前は鉄道郵便局でありますけれどもこうい思うにいろいろ分れておりますし、大抵の事務所鉄道の駅の構内或いは又その附近にあるといつたような特殊の事情もございまして、いろいろ懇談会筆必要であるということを本省でも認めておりますし、又郵政局におきましても、直接の監督官庁でありますところの郵政局におきましてもそれぞれそういう意味経費は見ておるのでございますが、その経費を更に超えまして六十数万円という大きな金額のものを局長がみずからこういう方法によつて使つたということは大変遺憾なことに存じております。で、従来こういう事件は他の鉄道郵便局は勿論でございますし、ありませんでしたので、大変私どももこの件を重視いたしまして、而もこれをやつた者が当該郵便局長という責任の地位にあるものでありまして、これを将来一罰百戒という趣旨からいたしまして、この郵便局長並びにこれに関係いたしました根本という者はそれぞれ懲戒免職にいたしまして、この件が再び他にこういつたようなことの起らないように又こういう不当な支出をしないようにということをそれぞれ関係の向きへ徹底をいたしまして、再燃をしないように措置をいたしたのでございますが、いずれにいたしましても多額のものを架空経理によりまして使用したということに対しましては、十分将来注意いたしまして、再びこういうことのないようにいたしたいと思います。  以上がこの件の内容でございます。
  8. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 本件につきまして会計検査院のほうから何か……
  9. 大澤實

    説明員大澤實君) ことの内容只今郵政省のほうから御説明願つた通りでありますが、本件は先ほど一般のほうで、一般のほうといいますか、普通の委員会で御審議頂きました二百三十七頁の七百三十三号として職員不正行為に書かれてあります東京鉄通郵便局局長青木某外一名の不正行為、これと時期を同じうする問題でありまして、結局本件の六百七十八号に取上げましたのは、この青木某不正行為がわかりまして、会計検査院といたしましても検査いたしました結果、服務表に記載している出張日数旅費請求出張日数とが異つているというところから調べまして調査した問題でありますが、結局結論といたしましては、六十万五千円というものは架空出張であつた服務旅費であるということになりまして、その使途はちよつと書いてありますように非乗務職員に対して約三万円、それから部内懇談会費等いわゆる大体の会議費的なものに五十七万円というものが使われているのでありますが、これは検察庁側のことになると思いますが、恐らく犯罪を構成しないという見解だつたと思いますが、この点に関しては起訴されていないような次第であります。
  10. 加賀操

    加賀操君 ちよつとお伺いしますが、この六十万五千円というのは予算の額に対してはどのくらいの割合になつておりますか。
  11. 中村俊一

    政府委員中村俊一君) 東京鉄道郵便局に対する旅費総額は、今年度におきましては二千五百六十二万円ということになつております。それに対する六十万円でございますから、どういうことになりますか、三%……
  12. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) ちよつと一点だけ。乗務員固定服務旅費から非乗務職員給与のほうへ廻したという、それは何か部内で一種の労働攻勢的なことがあつて、待遇に対する水平的要求か何かというようなこともあつたのでございますか。そうでもなかつたのでございますか。
  13. 中村俊一

    政府委員中村俊一君) お答えします。実はここに書いでございますように、固定服務ということになりましたのは、終戦後アメリカからの郵政関係指導者の、何と申しますか勧告に基きまして一定郵便線路には一定の人を固定して、毎日々々同じ人を同じ線路を乗せたほうが能率的である。こういうことで従来我が国で長年やりておりました方法とは全然違つた方法をとつた。それ以前はどういうことにしておつたかと申しまするというと、それぞれの線によりまして一定の期間は乗せますが、順番にやつてつたのであります。これは例えば東海道線を乗る人と、それから東北線を乗る人と、こういつたようなことはいろいろな勤務条件上差がございまして、いやな線には誰も乗りたがらないというようなことで、成るべく服務の権衡と、そしていわゆる給与平均化と申しますか、こういうことで、長らくやつておりました。そういう習慣が急にこういう固定服務になりましたために非常に打撃を与えたということは、これは事実でございます。そういうようなことをこの青木という鉄道郵便局長が考慮いたしまして、こういつたことをやはり企てたのがそもそもの動機であつたのですが、それがその程度でとどまつておればよかつたのですが、だんだんそれがルーズになりまして、こういうような他のほうに発展して行つたということに相成つたのが真相でございます。
  14. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかに御質問ございませんか。……それでは第六百七十八号につきましては質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。それでは郵政省関係はこれで終えまして、次に電通省関係の七百三十四号から七百四十五号までを一括して説明を願います。先ず第一番に電通当局のほうから……。
  16. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 只今お尋ねになりました七百三十四号から七百四十五号の十二件は、架空名義支払つてこれを濫りに使用したものという問題でございます。これを具体的に申上げますと、わかりやすく申上げますと、こういうことであります。  いわゆる俗の言葉で切投げと申しておりますが、直営工事でやるべきものを、直営工事をやらずに、正式な契約をせずに、事実は請負工事に出しまして、報告直営工事でやつたということにして報告する。そうして請負業者に金を払う。この金を払うだけでなしに、このときに浮いた金をほかに廻して、その金を不当なところに使つたと、架空名義で支払いこれを濫りに使用した、こういう問題が十二件会計検査院から御指摘を受けたわけですが、このうち私たちのほうの自己の会計監査で見つかつたものも相当あります。それから勧告によつて会計検査院がなお詳しくお調べになつたという状況もございます。  そこで一体このような切投げというようなことをどうしてやつたかという原因でありますが、こういうことをやりました原因につきましてはいろいろあるわけでありますが、先ず第一には、そんな必要の場合には請負工事をさせたらいいじやないか、それをどうして禁止したかという問題が一つ起るわけです。ところがこれにつきましては大体当時、本省只今公社になつておりますが、当時本省におきましてこういう直営工事は大体電気通信、いわゆる電気的な仕事は全部直営でやり、いわゆる土木的な仕事のみで電気的に関係していないことは請負わしてもよろしい、電気的なものは全部直営でやるという方針をとつてたわけであります。この方針をとりましたにつきましては、実は当時司令部GHQのほうから大分強い勧告があつたわけであります。併しそGHQ勧告があるからといいまして、ただ「イエスマン」的にそのまま受けたのではなくして、理論からいうと正しいのであります。アメリカあたりでも電気的な工事は大体直営で、A・T・T、アメリカン・テレフオン・テレグラフ・カンパニーという電話会社が大体直営でいたしております。併し直営アメリカでも、その電話会社の中の別の専門会社がやつておるわけです。これが理論的には正しいということが言えるわけです。そういう意味で、電気的なもの、これは直営で行くと、土木的工事請負に出してもいいと、こういう方針をとつております。併しそこに相当無理が事実上現場においては相当つたということは確かに言えるわけでありまして、季節的に或る工事が非常に嵩まる、非常に進駐軍工事あたりで短期間に急がれる。或いはその工事現場において人が足らない、それから物の持合せもないというような場合には、これは直営として相当むずかしいからとにかく請負に出せ、併し通牒直営で来ておるから直営という形で結果の報告をしておけと、こういうようなことに相成つた面もあるわけであります。そこでこれについてどういう対策をその後講じて参りましたかということでございますが、私いずれにいたしましても、こういう切投げ工事、そういう請負工事請負工事として報告しろと、嘘を報告するということは非常に悪いことでありまして、切投げ工事を、いわゆる隠してやる切投げ工事を一切報告しろ、全部真実の報告をしろというきつい通牒を二十六年四月二日に出しまして、それから又一面請負工事の幅をどんどん拡げて、場合によつてそういう電気的な工事であつて請負に任してもよろしい。請負に出したほうが安くつくし、又その工事を進捗するのにはよろしいという場合は出してよろしいというように中央方針も変えて参つたわけでございます。殊に二十七年度以降はその幅を非常に拡げて参り、むしろ請負工事を全面的に認めまして、請負工事が安くつくなら相当請負工事を活用してもよろしいという請負工事方針を変えて参つたわけであります。そういうようにいたして、必要な場合に飽くまで直営工事一本でなくして請負工事にしてもよろしいという線をとつて参りましたので、今後におきましてはこの請負工事一本でやるという場合に嘘を報告しなければならんという問題は今後なくなろうかと考えております。  次にこの問題で隠した切投げ工事をやつておいて、その金を不当な方面へ充当いたす。一体どつちのほうに充当いたしたかという問題があるわけでありますが、これもこの範疇を分けて申しますと、第一に充当いたしておりますものは、建設本部のほうの人夫賃に充当しておる。これは本部人夫賃と申しますのはどういうものかと申しますと、本部においても成規の人間はおるわけであります。併しこの本部のほうの仕事相当波がありますし、それから又殊に官庁経理のときには年度末に重なることが多い、そういう山のときに人夫を、臨時事務員を使う。ところが大体本部あたり定員の枠で相当きつく縛つておるわけで、そういうものを使う余地がひどく制限されておる。そこで安易に就いて行く一つの傾向があつて工事現場臨時人夫使つたことにして、それを本部人夫使つているその今夫賃にこれを払う、そういうので架空処理をやつておる、これについてどういう措置をやつてきたかと申しますと、実は臨時人夫というものが、場合によつて本部でも必要があれば、本当に止む得ないときは使つてもいいんじやないかということを、その後どうしても仕方がなければ、これは人夫という費目があつてもよろしい。併しこれは本当にそうルーズに、経営を楽にするのに使うという意味であつてはいかんわけでありますから、それで現場工事人夫本部へ使うということは一切やめろということを、昭和二十六年八月二十九日通牒を出しまして、それ以来厳重にこれを遵守いたすことにいたしております。この臨時人夫問題はほかにもいろいろ問題があるわけでありますが、一応定員というもので枠をしばつておりますので、臨時人夫は現在もまだおります。併しこの臨時人夫というものは二カ月毎に……、長いものも相当あるのでありますが、二カ月毎に契約を更新しておる。これも相当そういうふうに事実上長くおるものを、急に首切るわけにもいかんという問題もあるわけでありますが、併しこれは経営上にもできるだけ非常に人を少なくして行こうという場合において、実質上の人員でありますので、経営上はこれをしめて行くということに相当努力いたしております。  次にどういう費目になお充当いたして行くかと申しますと、第二には、現場工事材料等に充当いたしております。現場工事材料に充当するのは当り前のことでありますが、工事材料等に充当するということはどういうことかと申しますと、実は物もどういう物が本省調達品で、どういう物が通信局調達品で、現場はどういうものしか買えないと、こういうふうに定めておるわけであります。本省調達品地方調達品いわゆる通信局調達品、それから現場調達で、これは物品購入の方式としては現在でもとつておりますが、このほうが正しいと思います。大量購入中央で購入して行つたほうが経済的であるという場合には、いわゆる本省購入通信局購入、それから地方で数量を或る程度まとめて行つても、本省で運賃そのほかを考えて行くと、地方でやつたほうがいい、これは地方調達品にしております。現場のどこで買つても、余り値段が変らないという雑品のようなものは、現場購入品にしておる。その調達をしておる品物の分類をいたしておるわけであります。これは現在も採用いたしておる制度でありますが、ただこれも原則的には正しいけれども、その現場で僅かの品物が来ないために全体が動かない。而もそのものがとにかく町にあるというようなものもあるわけであります。それを急ぐ場合にはそういうほうに物品要求をしましても、なかなか来ないということで、要求もせずに現場買つてしまつてやるものは、現場で買うものは幾分値段が高くなつて来るのも止むを得ないわけでありますが、そういう場合に急いで買つて来る。そしてやはりそれを買つたということにせずに、今の切投げ経理からそれを出している。こういうことをやつておるわけであります。この点も今もやはり先ほどから申しましたように、物品といたしましては中央で購入するもの、それから地方通信局で購入するもの、現場で購入するもの、これが現在も同じような体系をとつておりますが、ただその後措置を講じましたことは、今後そういう嘘のことをやるな、併し場合によつてはそういうように分けた地方調達品本省調達品であつても、どうしてもこのうまく行かん場合には、この物はどうも来そうがないからこれを先に買つてやるぞということを言つておれば許可をする。それを嘘をつくなという通牒昭和二十六年六月三日に出しまして、どうしても必要な場合にはこれを承認するから、嘘のことを言うなという通牒で、その後こういう問題をなくしようという手段を講じております。なお物品以外におきましても、これは本委員会におきまして昨年度二十四年度の決算委員会相当注意を受けましたわけでありますが、いわゆる各自現場におけるところの箱番、いわゆる監督者詰所、それから監督員詰所箱番、そういうものは或る程度必要だ、これを又嘘を言うのはいかんということで、大体この工事費に対する比率を……、どういう工事に対してはどの程度使つていいんだという、この基準を示しまして、それでやつてもいいんだ、而もそう無駄を使つちやいかんのでその比率を示しまして、どういう程度工事にはどの程度を、監督員詰所なり箱番なりに必要な経費使つてよろしいと、こういうことの指示をいたしまして、これが昭和二十六年の八月に出しております。でそういう意味でとにかく架空処理をやるなという通牒をいたしまして、その後ずつと来ております。従いましてこういう事故はその後だんだん少なくなつおります。し、まあ今後は絶無を期してやつておるわけであります。  なお、その次にどういう費途に使つておるかと申しますと、いわゆる部内外折衝費と申しますか、関係の人と一緒に飯を喰う、或いは料理屋で飯を食うというようなこともやる。そういう経費に充当いたしておるわけでありますが、これはどういう場合にやつておるかと申しますと、やはり工事現場におきまして起工式がある、完成式がある、或いは土地について、或いは道路の関係について、道路とか土地とか建物、橋梁或いは地下工作物、或いはそういうものを移転してもらう必要があるというような場合に、そういう管理者といわゆる懇談会をやるというようなことを現場でやる。これも事実或る場合には必要であります。でそういう意味におきまして、これを全然やるなと言つても事実上むずかしいと思う。併し当時はこれは費目になかつたという点があつたわけであります。そういうことに充当いたしておる。それから部内のほうにも起工式の場合など暗に部内のもの同士、或る程度部内のものも一緒に入つて一ぱいやる。それから設計の打合せ、それから現場においての工法上の打合せ、そういう場合などにも一ぱいやる。こういうものにも使つておる。この問題はルーズにやるということは非常に経営上も困る問題でありますし、又当然国といたしまして、国の経費を無駄に使うということにもなりましたので、非常によろしくないことでありますが、併し或る程度はこれも必要なことがある。これを絶対やつてはいかんということになると、又架空処理をやらざるを得ないという点も起りますので、これにつきましても昭和二十六年七月十八日に、起工式、完成式、それから部外の折衝費というものについては、これ又一定比率を設けまして、一定基準を設けまして、こういう程度はやつてよろしい、それ以上はやつてはいかんという基準を設けて通牒をいたして、それに則つてやらせる、部内同士でやらせる場合は茶菓費以外は出してはいかん、茶菓費の基準はこれだけという通牒を出しまして、この無駄使いをその後締めるようにと、こういうようにいたしております。  なお、その次に充当いたしております経費は、現場の人間のいわゆる士気高揚のために、まあ待遇ということではなくて、現場のものの士気高揚のために慰労費とか、諸手当とかいうようなものを出しておる。いわゆる成規の手当でないものを出しておる。こういうことであります。これにつきましては、この給与の低い点もあるわけでありますが、同時に工事といたしましても、工事を予定期間内にいわゆる突貫工事をやるというような場合、或いは夜間作業を非常に長期間継続してやろうというような場合、そういうような場合にやはり現場工事長としては、部下を使うために何らかこの激励をしてやらんとうまくいかん。それで併し正式には出す道がないというようなことで、これを充当いたした。これにつきましては、どういう手段を講じて参りましたかと申しますと、この諸手当というようなものは、成規のもの以外はやはり出してはいかん。併しこれを長期夜間作業をやる場合、夜相当長時間に亘つて食事時簡をこえてなお居残りをさすというような場合に、補食費を或る程度つてよろしい。いわゆる補食費というのは、物を買つて食事を食わすわけです、これは元来は食事そのものをとつて食わしてやるわけですが、場合によつて、それに相当する、一食五十円、低いのですが、一食五十円の単位でそれをやつておる。食事をとつてやるのが本当でありますが、五十円で勝手に食えということをやつてよろしいということにいたしております。で、この五十円につきましては、現在これではちよつと無理だという声も上つておりますが、一応それでやつて、それを隠した形でやるなということの処置を講じて来たわけであります。  以上のように、この架空名義支払つてこれを濫りに使用したと申しますのは、以上のように、切投げで直営工事でないものを請負工事にやらしておきながら、直営工事のような形で架空経理をいたした、而もその経費を今のような使途に又架空で充当いたした。その中には必ずしも必要不可欠だと思われない経費、これは無駄な経費にも使つてつたようなものもあるので、無駄な経費使つてこれを国に損害を与えたというようなものもあるわけであります。そういうものにつきましては、国に損害を与えたと認めるべきものにつきましては、弁償命令を講じて来ております。で、資金前渡官吏の樫崎、或いは大橋工事長、佐成工事長、或いは前島工事長、こういう人々に対しまして、総額約百三十万円くらいに上つておる金額を国家、国に損害を与えたものとしてこの弁償を命じて、そのうち、これは分納になつておりますので、まだ全額は入つておりませんが、少しずつこのおのおのの人が払つて来ておる、こういうような情勢であります。一応……。
  17. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 只今問題になりました十二件について会計検査院のほうから御説明願います。
  18. 大澤實

    説明員大澤實君) この七百三十四号から七百四十五号まで同じような架空経理があるのであります。これは二十五年度の決算検査に移りますときに、会計検査院といたしまして、丁度ここに出ております七百四十一号、七百四十二号、秋田それから北海道帯広の工事現場検査しましたところが、架空経理をされている事実があるという心証を得まして、そしてたまたま電通省内部の内部監査によりましても、その次の七百四十三、七百四十四に出ております神戸、下関のほうにこういう事例があるという報告に接しまして、これは個々の問題ではなくて全国的な問題ではなかろうかと思いまして、特に会計検査院といたしましても、この工事につきましての特別な検査を執行したわけであります。その概要は二百三十八ページから二百三十九ページに書いているところに記述してありますですが、結局、実地検査いたしました箇所は、職員の数とか出張旅費関係で、二十七カ所について実地検査を執行いたしたのであります。その際、二十七カ所についてはここに書いてあるような事例がある。そのほかのところもあるのではないかということで、電通省のほうへ調査を委託して、電通省内部の内部監査によつてそれが調べた結果、総合いたしますると全部で四十数カ所に亘つてこうした事例があるということになつております。それでここへ掲げましたのは、そのうちのいわゆる架空経理しましたものを、本部へ、本部人夫賃として提供しただけの分を一応あとの備考記事によりまして、そのほかにも使つておるものをここに掲げたわけであります。二百四十二ページのあとのほうの備考のところに小さな字で書いてありますが、本表掲記以外の工事において本部提供人夫賃になるということが(イ)(ロ)と分けて書いてありますが、このほかに、二十数カ所からは本部に対する人夫賃だけが支出されておる。まあ調べた結果それだけがわかつたということになつております。  そこで、こうした同じような類型的な事例が全国的に行われた原因ということにつきましては、只今電々公社の経理局長のほうから御説明があつたような事情は確かにあつたと思いますが、併しそれよりももつと根本的なところは、この建設部の職員というものが日本電信電話工事株式会社から引継いだ職員が多くて、まあいわば、仕事をすればあとの帳面の整理は適当でいいじやないかというような頭が建設部の本部並びに現場出張所の人たちに相当先人的にあつたのではなかろうか。であるから、もう仕事があれば、金は予算使つて仕事をすればよいのだ、あとの整理はまあ適当にという気持があつたのではなかろうか。その結果が、一応人夫賃に出した金をプールしましてそれで切投げの金で材料を買う、或いは部内職員の士気高揚のために一席設けるというようにまあ使つていた。あとは何と申しますか、ほしいままに、思つた通りに使う、こういうような経理でやつたということは、根本の官庁経理に対する認識が非常に欠如しておつた、このことが私は根本の原因ではなかろうかと思います。  なおこうした事例が出まして、只今理局長のほうからもお話がありましたように、それぞれの処置は、電通省、今の電々公社としても相当そのほうの処置はとつておられますので、二十六年度の決算検査、つまり昨年行われました決算の実地検査の結果によりますと、相当この点も注意してみましたのですが、昨年新規にこうした事例があつたということは検査の結果判明したものはありません。ただ、二十六年度の決算検査報告にも二件ほど掲げてありますが、これは二十五年度の決算上まだ調査不十分で未確認としたもので、いよいよ数字が固まりまして報告に掲げてあるものが二件ほどあります。まあこれと同じ事態であります。そしてこれに対して、事情は相当いろいろな点で諒とすべき点もありましようが、検査院としても、こうした架空経理がこのまま処分なくして済まされるということはよろしくないと思いますので、大体におきまして懲戒処分の要求をいたすということにしまして、二カ月間十分の一ぐらいずつ減給するという懲戒処分の要求を、予算執行職員等の責任に関する法律に基いて要求しました。或いは要求についていろいろ審議中であつたところのものは、昨年の四月、例の予算執行職員責任等を免除する政令が出たので、本人の犯罪行為に基く以外は弁償責任を免除されることになつたので、その当時審議中であつたものは審議を中止して、すでに懲戒処分の要求を向うへ、電通省のほうへ送付してあつた分については、電通省のほうで、本人の犯罪に基かなければ、やはりこの懲戒処分は免除するという手続をとりました。なおその前にすでにそれぞれ処分の済んだものがある、これはそのまま懲戒処分を行われたのであります。こういうことになつております。
  19. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御質疑はありませんか。
  20. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 極めて簡単なことを一、二お伺いしたいのですが、会計検査院報告によりますと、元の電々工事株式会社の業務を統合して会社側の職員をそのまま建設部の職員として採用した。それが官庁予算等の経理規定を軽んじた一つの原因になつておるということが報告されておりますが、その当時の人数と、現在のこの会社から来た職員の数はどういうように変化しておりますか。
  21. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 只今検査院からお話がありました通りでありまして、この電々工事株式会社は私のほうに吸収いたしましたのは、実はGHQの命令に基いて吸収いたしたわけであります。でその吸収いたした場合に、やはりまあ官庁企業としてはこういう制約があるんだということはよく通達いたしておつたのでありますが、併し会社事務はこれはいいところは確かにあるので、会社事務が大体現場にぽかつと工事費の枠を与えまして、それでもう何をやつてもいい、早く工事をやつて、余せばいいという競争をやらしておつた。それがこの制約が入つたので……。とにかくそういうように工事が早くできて目的を達すればいいんだという意識というものはやはりいつ行つても変らないのです。而もそこで官庁の先ほどのような制約を加えたので……。そんな馬鹿なことがあるかということも確かにあつたのであります。  お尋ねの点は、当時二十二年六月六日に引継ぎました人員は千四百五十名、そのうち七百四十七名、約半数ですが、半数ちよつとですが、これが当時の、電気通信施設事務所、そこへ入りこれが建設をやつておりました。あと七百三名は中央逓信局へ、各地へばらまいた、こういう形でおります。その後の人間が、今私のほうに現在建設部というのでありますが、建設部に今六百五十名くらいおります。
  22. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると、昭和二十二年に引継いだ当時の千四百五十人から現員の六百五十名を引いた残りはどうなつております。
  23. 関雅雄

    説明員(関雅雄君) 只今ちよつと補足をいたします。二十二年の六月六日に千四百五十名を引継いだというのは今申上げた通りでありますが、そのうち七百四十七名これを電気通信施設事務所というのを設置いたしましてそこへ移しまして、残りの七百三名というものを地方の当時逓信局へ分散させたわけでございます。これが電気通信省の発足によりまして、これが二十四年六月一日でございますが、このとき建設部という名称に変りました。その七百四十七名のうちから又削られまして定員は六百五十名となつたのでございますが、先ほども理局長からちよつとお話がございましたように、本来の直営工事というものを請負工事に切り替えて行くということになりまして、極く最近におきましては二十七年度からは直営工事を全然いたさず請負工事だけにいたしました関係で、これの積算事務とか監督事務とかいうようなことで管理事務だけ残りましたので現在定員は二百七十名になつております。
  24. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると七百三名という地方に分散した職員はそのままですか。
  25. 関雅雄

    説明員(関雅雄君) これは各地方逓信局の建設工事の管理要員となつておる者もありますし、工事現場に分散しておる者もあります。ほうぼうに溶け込んでおるわけであります。
  26. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると事実千四百五十名のうちから現在公社の身分を持たなくなつた者はどのくらいありますか。こまかなことはいらないのですから。
  27. 関雅雄

    説明員(関雅雄君) その点につきましてはその後においていろいろやめた人もありましようし、又工事会社などへ出た人もありましようし、現在このうちの何人が電々公社の身分を持つておるかということは、今データーを私持つておりませんから、ちよつと調べます。
  28. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 今のお尋ねの点のお話はこういうことだと思いますので、補足いたしますが、当時の会社の連中で、ところが、実は電信電話工事会社の中へ行つた人も、もと逓信省から行つた人もあります。それが一緒になりまして、その後請負にできるだけして行くというなにもありまして、その中からやめて行つた人もありますし……。そういうように入つたり出たりして、前身がもと逓信省におつた人もあるものですから、入つて来たらその後本当は溶け込みまして、それほど目を付けなくてもいいように溶け込んでおるものですから、これはよほど分けて行かないと、建設部長の言いましたように、正確に何人ということはわからないと思います。殆んど今溶け込んでおりますので……。一緒になつてつてもわからん人が相当多い、こういうような状態になつております。
  29. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 経理局長のお話を伺つていると、会計検査院から報告を受けた基準によると、金額でやはり切投工事使つたのが一番多くてその次が使用内訳の中では工事材料とか或いは部内外の折衝費というものが多い、それで特に新聞を賑わす電々のトツプ記事というものは大抵やはり折衝費ということが一つの問題になつて来ておるのですが、この内外の折衝費を、只今説明によると工事を始めたからと一ぱい、出来上つたと言つちや一ぱいやる、夜間作業だからと言つて一ぱいやらなければこれは工事というものは進まない慣習が非常に深く浸透しておるやに聞きとれるのですが、こういうことはなかなかさつきの簡単に基準なんかを示したところで厳守できるものじやないと思う。こういう慣習というものは、ですから私がさつき人数を追及した意図というものはやはりそこから出ておる。こういう基準というのが示されてはおりますけれども部内外の折衝費というものは、昭和二十五年度にはそれほど莫大な金額には上つてないようですが、工事材料等購入代並びに部内外折衝費とこう一括して挙げられておりますが、このうちの部内外折衝費というのを抜出すとどのくらいになりますか、工事材料と切り離すと……。
  30. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 工事材料購入代等が六百五十八万円、部内外折衝費が三百三十一万円になつております。
  31. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それは七百三十四から七百四十五までの合計ですね。
  32. 横田信夫

    説明員横田信夫君) その通りです。
  33. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 この三百三十一万円という折衝費の中に、何ら説明には出ておりませんが、対進駐軍関係の折衝費というものは含んでおりますかおりませんか。
  34. 横田信夫

    説明員横田信夫君) それがまあ当時進駐軍がおりまして、よく全国を見て廻りましたので、それも含んでおるかもわかりませんが、これは分類できておりません。それほど特別に大きく進駐軍だけにあつたというようなものはないのですから、ただ始終進駐軍が廻つておりましたので、幾分その中にあつたかもわかりません。
  35. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 ここで質問を私は打切りますが、たしかこれは昭和二十六年の問題であつたと思うのですけれども、ときどき電通関係の政治献金について新聞に大きく出たことありますがね、次官以下かなり大きな被害があつたようでしたけれども、当時私ども同じ決算をやつてつたのですが、ずつとあの内密等を追及してみると、まあやむにやまれない進駐軍関係の折衝費に非常に使われておるということを聞いて、非常にお気の毒に私は思つたのです。併しそういつた一つの先入主から遡つて昭和二十五年度のこの三百三十一万円というのを見ると、只今の御説明でも進駐軍の関係は必ずしも多い部面を占めておるようにはちよつとこれは聞取れないので、そうなつて来、ると、やつぱり会社から引継いだ職員、それから曾てそれまで行われておつたやつぱり現業特有の慣習、そういうことがずつとまあ積り積つて、累積して、こういう結果を惹き起しているのではないかと考えるものでありますから、工事にはおのずから期限があることですから、どうしても期限を厳守して仕上げるということは、やはり非常に大事な条件には違いないけれども、少くともやつばり官庁の経理である以上は、おのずから経理に対しては一定基準もありますし、それから予算を執行して行く上にはおのずから予算執行上の統制が守られなければならないと考えられますので、そういう点は一つの基準を設けて遂行しておいでのようですが、現在でもその基準等に対しては非常に厳重にお示しになり、又事実それは守られておりますか。
  36. 横田信夫

    説明員横田信夫君) そのお話の点重々皆御尤もでありまして、私のほうもそういう通牒は先ほど申しましたように、それぞれの通牒が出ております。でそれが徹底するのはちよつとひまがかかるのですが、もう今は徹底しておると思います。  それから検査院の御説明がありましたが、実は二十六年度もそういうことでこういう御指摘を受けたものが、二十五年度から継続分はありますが、先ず新らしいものは検査院の御指摘事項にもありません。私のほうの内部でも会計監査をやつておりますが、当時の情勢と比べまして、我々のほうの会計監査の結果も先ず趣旨は相当徹底していると私たちは大体確信いたしております。
  37. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それでは二十五年度の問題についてはもう私はこれで質問を終りますが、同じ公社のほうの関係の二十六年度の検査院の検査報告、それから説明等をよく拝見した上で、又この問題について私は質問をしたいと思います。この点は一つ十分繰返さないように御注意をお願いしたいと思います。
  38. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかに御質疑ございませんか。
  39. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 一つだけお聞きしたいと思います。架空名義により支払つたものというものと、架空名義によりみだりに支払つたものというふうになつておると思いますが、みだりに使用したというのと、ただ簡単に、みだりがない架空名義により支払つたものというのは、形式上どういう相違があるのですか。
  40. 大澤實

    説明員大澤實君) この号数の前に出しておる見出しの記事は、大体書いてあることが比較的わかるようなことを簡単な言葉で書こうという趣旨をとりまして、大体のところ架空名義のものは架空名義により支出したもの、或いは支払つたもの、これは支出と支払とは会計の内部手続の方法の違いだけで来ておるのでありまして、ただそれだけで区別してあるのですが、この七百三十四号から四十五号までは余りにも全国的な事項であり、而も内容を見ますと、先ほどからお話になりましたように、部内外の折衝費に相当の金が使われております。或いは本部のほうへの人夫賃を出しておるというように、その使い方も普通の小さな一部局で少しやつたという仕事よりも広汎でありますので、特にまあ強調するという意味でありますか、みだりに使用したということを加えたのでありまして、特に個々の内容を比べれば、架空名義で支払つたものとして書いてあります。例えば次の七百四十六号というものと本質的な相違は何もありません。備考の註をどう書くかは、そのときの何と言いますか、まとめるときの感じで書いておりますので、特に区分の標準というものはありません。
  41. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 ついでにお尋ねしますが、この架空名義によつて支払つたというようなことにも、在来の慣習で経理部のほうにそういう様式がちやんとこさえてあるものですか、この品目なんかを変えるのは、下のほうの使つた者が勝手にやつて来たものを、そのままお使いになるのか、こういう形式にこう変化して架空的でもやれというようなことは、会計のほうの方針になつておるのですか、どうですか。
  42. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 私のお答えは今のお尋ねに丁度マツチするかどうか……、私の若し答えが間違つておりましたら又御訂正願いたいと思います。お尋ねの点は大体こういうように了解いたします。先ほど御説明いたしましたように、例えば工事材料等購入費というものは、現場だけの雑費についての物品費として出ております。併しほかの本省準備品や地方準備品というものは、そのものを要求するようになつておりますので、それだけにそういうものの費用までは現場物品費には出ていない。併しその場合にまあ直営工事といたしまして、これは決算上こういうようにいたしておりますが、その現場決算する場合に、本省準備品のものを使いましても、やはり使つたところでそれだけ物品が要つたということで決算をする。併しこういうものについては地方でこういう種類のものを買つてはいかん。だから現金関係としてはそれだけのものが地方で使えるが、現金としては行つていない。ところが今の金自身としてはまあ物を買おうと、宴会に使おうと、何にしようと、まあ一本のものですから、現場のほうとしてはその予算の枠を超えてここにまあ超えてやる。金自身はある、併し予算的の枠自身としてはこういうふうに縛つておる。こういう関係予算の中でほかのものに使つたものをこの枠で使つたのだという報告を出しておる、それが架空処理になつて来る。まあこういうことになるのです。
  43. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 今の工事費のところでは私よくわかりませんが、この接待費とか、宴会費とかいうようなものは、高級のお役人が関係しておられる場合も相当ありますか。
  44. 横田信夫

    説明員横田信夫君) この部内外折衝費、七百三十四号から七百四十五号に出ております部内外折衝費の、これは各事項について相当、例えば七百三十四号で部内外折衝費に三十二万四千円使つておるわけでありますが、これが一回でなしに何回かに行われておる。併しこれに直接まあ当時の高官と申しますか、これに参加しておる問題はありません。ただ高官というのが、現場工事長を前提として、現場工事長なり、その辺のところが大体対象になつて、やはりその関係の人と一緒に飲んでいるということで、当時の高官というものは私たちの調べた範囲ではこの中には直接載つておりません。
  45. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 宴会費が旅費になつたりいろいろするのは、会計上の技術でなさるのですか。そういうことをしてくれということを要求して来るのですか。
  46. 横田信夫

    説明員横田信夫君) こういうようにしてくれと言つて来た場合は、通信局で調べたり、或いは本省で調べたりして、それならいかんと言つたり、それなら予算の組替をやつてやろうというようなことができるわけです。それならそれであとの報告は嘘の報告が残らんでいいわけですが、大体こんなものを言つたつて組替してくれつこない。それで現場で直接こういうふうにしたことにして来るわけです。ここで問題になつているのは、皆そういう意味で、こういうふうにしてくれとあらかじめ言つて来たわけじやないわけです。
  47. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかに御質疑ありませんか。
  48. 波江野繁

    専門員波江野繁君) ちよつと委員長の許可を得まして検査院のかたにお尋ねしますが、架空経理でありますから、表面の処理は捻出の上で出ていると、そうすると実際架空のほうはこれは表面に出ていない数字でありますが、これの資料は全部合つてこの金額がまとまつたんでしようか。大部分の資料は合つたが、ほかのいわゆる金額のはつきりしないものはこつちのほうだつたろうという推定でこの金額の合計が出ておるのか、実際の計数の出ました根拠はどうなつておりますか、それだけ伺つておきたいと思います。
  49. 大澤實

    説明員大澤實君) 只今専門員の御疑問の通り会計検査院でわかります証拠書類には、賃金とか、或いは旅費とか備品費というものに何を買つたということで、いわば嘘の領収書は検査院に出て来ると思います。それが何に使つたかということになりますと、まあ向うへ実地に参りまして、それだけ使つてない、例えば備品費でこういうものをこれだけ運賃を払つているというものを運送屋へ行つて調べてみましても、それだけの運賃はもらつていないということはこちらでわかりますが、然らばそれは何に使つたかということになりますと、結局工事長なり、工事をやつているところの資金前渡官吏などからこう使つたという報告を先ず第一としてこちらとしては一応聴取して、その報告と、なおできますれば例えばこれはどこで誰が来て一緒に飲んだということになりますれば、できるだけ領収書、その本当の領収書をどれたけ集めているかを一々調べまして、結局そういうものを調べますと、ここに出て来る金額のうち領収証書で成るほど使つたということが確認できるものは約千六百万円ございます。この領収証書で大体使つた先がわかります。それからあとの分は、それぞれの現場でこう使いましたという報告を一応こちらとしては受けまして、その報告は間違つているということの確認はこちらもできませんので、その金額でこの数字は整理してある次第であります。
  50. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは七百三十四号から七百四十五号の十二件につきましては、質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは次に七百四十六号について当局のほうから一応説明を聞きます。
  52. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 七百四十六号も先ほどの十二件と幾分類似したものでありますが、これは当時尾道の海底線工事事務所におきまして、当時は進駐軍の海兵隊の将校あたりがしよつちゆうここによく来ておりました。そのほか海底線工事事務所というものの尾道には見学が相当多かつた。併しこれはやはり先ほどのように交際費とかそういうものは、交際費的に使える経費は上のほうからは示達いたしてなかつたわけであります。併しやはりこういうのがありますので、この程度の接待費を必要とするというために空出張をやつたり、或いは空人夫使つたり、そういうことなり、それから帳簿外の鉛を売つてその金を以て充てる。それから工事費を水増してその使つたことにした金を浮かしておる。こういう金を二十七万六千円ばかり浮かしまして、それによつてその接待費にも一部充てる、それからテニスコートを一面作る、こういう経費に充当いたしたわけであります。それからなおこの問題は、当時尾道におきましても職員の住宅がなかなかない。併し住宅予算としての配賦はない。そこで何とかその住宅を工事に直接必要だという名義で住宅を建てよう、そういうことで倉庫を建てたことにして実は職員の住宅を建てた、こういうことをやつてつたわけであります。これはそういう意味におきましてやはり架空処理であります。で理由はそれぞれ言い分は首肯される理由もあるのでありますが、併しいずれにしろ会計法上違法の処置でありまして、誠に遺憾であります。接待につきましても先ほどの基準がこの場合にも該当するわけでありますが、なおこういう不動産の倉庫を建てたことにして住宅を建てたというものは、その後住宅としての固定資産の整理をいたしております。なおこの当時の責任者であります工事事務所長はすでに退職いたしておりますが、当時処分といたしましては減給十分の一、一カ月の処分にいたしております。そのほかの所長以外のものにつきましても一応処分は内定いたしておりましたが、これは恩赦によつて一応処分の内定はそのままにして免除ということになつております。なお念のために申上げておきますが、先ほどの七百三十四号から七百四十五号、それから七百四十六号このものにつきましても処分表をお手許に差上げてあります。その処分表の中に括弧してありますのが実は内定してあるけれども、内定したところへ恩赦でこれを免除した。内定のやつを参考までに書いてあります。処分表の中に括弧のしてないものはその通りの処分に相成つておる、こういうわけであります。
  53. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 会計検査院から本件につきまして……。
  54. 大澤實

    説明員大澤實君) 特にございません。
  55. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 別に御質疑もないようでありますから、一応質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。それでは電通省のほうはこれで終りまして、次に労働省のほうに移ります。  それでは七百八十八号と七百八十九号を一括して当局から説明を求めます。
  57. 百田正弘

    政府委員(百田正弘君) 東京都の労働局並びに大阪府の労働部におきまして、昭和二十五年度に、ここに報告してございますような不当経理支出を生じましたことは非常に遺憾であります。簡単に御説明を申上げます。  昭和二十五年におきましては、丁度例のドツジ予算の影響がありまして、企業整備が非常に多く行われた年であります。失業保険受給者が非常に増大いたしまして、約四十数万に達した年であります。東京及び大阪におきましては、それぞれ全国の一割くらいの失業者を出しております。そういう関係で保険金の支出は非常に増大する一方、保険料がこれに追いつかないというような事情でございましたので、保険料の完全徴収、並びに保険金のいわゆる不正なる受給を防止いたしますために相当繁忙を極めたのでありますが、そのために諸種の打合会議、或いは職員の超過勤務費、その他に不足を生じまして、正当の手続をとらないで、自動車借上料、或いは印刷代からこういう方面に非常に充当いたした次第でございまして、事情はその通りでございますが、成規流用の手続をとらないで使つたということは極めて遺憾でございまして、この点につきましては、厳重注意をいたしたわけでございます。並びに労働省といたしましても、かような東京、大阪等の大都市の特殊事情に鑑みまして、予算の配賦そのものにも考えなければならない点が相当あると思いますので、その後そういう点に特に留意をいたしまして、やつておるような次第でございます。  極めて簡単でございますが、事情を御説明申上げました。
  58. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 会計検査院のほうから、この件について御説明がございますか。
  59. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 特に補足することはありません。
  60. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それではほかに御質疑がございますか。
  61. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) ちよつと只今の御説明の終りのほうに、今後はその予算の配賦について特に考慮を加えるようにしたいというような意味のお話がありましたが、それをもつと具体的に言うと、どういうことになりますか。
  62. 三治重信

    説明員(三治重信君) 二十六年度から地方の徴収の事務の範囲をきめまして、その徴収の事業所の数、被保険者の数、そういういろいろの業務の基準を作りまして、そういうものの基準によつて、業務量に基く予算の配賦基準をして、それによつて配賦するというふうにしまして、実際の各府県の細かい業務の指数を統計資料によつて作成する。それの動きを各四半期毎に見まして、配賦をするというふうにいたしたのでありまして、このときも先ほど会計課長からのお話がありましたように、二十五年度のときには急に失業者が多数になり、保険料の徴収が思うように経理の上にできなかつたというような関係の急激な変化でありまして、十分そういう計数がうまく出なかつた。で、その後そういうことの経理の不始末をなくするように、地方の業務量によつて予算の配賦ができるようにと思つて基準を作つて、その基準の動きを見て、予算の配賦をするというふうにいたしたわけでございます。
  63. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今のお話は、仕事量によつて、こういつた予算が配賦できるようなスライド制かなんかになつておるのですか……率かなんかで……。
  64. 三治重信

    説明員(三治重信君) さようでございます。地方からの保険の適用事業所数、被保険者数の報告、それから受給資格者……。失業者が出まして、安定所へ出頭しますその受給資格者の数、それからそのうちで受給する失業者の数、そういう指数を見て、それぞれの単価をあれして、予算の配分を、基準を作りまして、それを四半期別に割つて配賦する。業務量の増減に応じまして、予算を或る程度伸縮するような方法で、予算の配賦基準をきめております。
  65. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今おつしやる予算というのは、架空名義で以つて不当支出をやらなければならないような予算、即ち雑費に類するような、或いは食糧品、会議費というようなものに類するような予算のことでございますか。
  66. 三治重信

    説明員(三治重信君) この二十五年度の東京、並びに大阪の、この会議費、その他打合せのための諸雑費のやつは特例でありまして、その後のやつのこういう諸雑費につきましても、こういう大府県の特別会合、ほかの県からの連絡のために会合するとか、そういうやつは、その集める時期、その都道府県との連絡のための特別のやつは、特別にそういう当該開催府県に特別の経費として配賦するようにしております。
  67. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 わかりました。
  68. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかに御質疑もないようでございますから、七百八十八号、及び七百八十九号の二件につきましては、質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは労働省関係はこれで終りまして、次に建設省関係に移ります。  それでは只今から建設省関係の八百三十三号から八百六十三号までを一括して説明を聴取します。  先ず第一番に当局から説明を願います。
  70. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 昭和二十五年度の決算に関しまして、ここにお示しになつております通り、多数の不当経理乃至は不正事件というものの発生いたしましたにつきましては、建設省といたしまして誠に申訳なく考えております。これが原因といたしましては、申上げればたくさんございます。例えてみますれば、終戦後新らしい会計法規に馴れなかつたことでありますとか、或いは職業安定法によりまして、いわゆる切投げと称しておりました人夫供給業者を使うこういうようなことができなかつたことでありますとか、資材の統制価格がありますのにもかかわらず、これによつては到底資材の調達ができなかつたことでありますとか、或いは年度当初予算の配賦が非常に遅れたことでありますとか、甚だしきは工事予算が、年度改修がなかなかつかない、決定もしない。一方工事は出水期を控え非常に急がれるというような状況下にありますとか、或いは職員の生活が極度に苦しかつたために、職員組合のいわゆる労働攻勢が非常に強かつたことでありますとか、或いはその他いろいろ例を挙げれば、たくさん理由として弁解が、さして頂ければたくさんあると思いますけれども、要するに建設省の工事担当者、上から下までが遵法精神に欠けておつたというところが一番の大きな原因だと考えております。なお、ここで単に弁解なしに、一点だけわかつて頂きたいと思いますことは、建設省の工事現場に携わつております者は、やはり大部分が技術出身の者でございまして、どうしても工事第一主義と申しますか、法律的に……、まあ遵法することも勿論必要でございますが、目の前の必要な工事に迫られれば、或いは少しは無理をしても、予算がまだ正確にきまらんでも、この工事をやらずにはおれんというような、まあ工事第一主義ということに若干偏重したというような点はわかつて頂きたいと思いますが、要しまするに、官紀弛緩ということがやはり一番大きな原因であつたのじやないか、かように考えまして、申訳なく思つておる次第であります。幸いにその後世情も落ちつきますし、なお検査当局、並びに検察庁からも種々取調べを受けましたというようなことがありまして、特に会計検査院から非常に時宜に適した御指導、御指摘を頂きまして、又建設省におきましても、昭和二十五年の秋から二十六年、七年にかけまして、いわゆる遵法精神の向上、官紀の振粛ということに非常に熱心に努力いたしまして、幸いに昭和二十六年度以降におきましては、こういう不祥事件は非常に例が減つておる状況でございますので、二十五年度にこれだけの違反行為があつたということは誠に申訳なく思つておりますが、何分よろしくお願いいたしたいと、かように考えております。なお関係者をそれぞれ処罰いたしますとか、或いは現金の残つておりますものは返せますとか、その他いろいろ事務的な改善もいたしておりますが、御質問によりまして、更に詳しくお答えいたしたいと思います。
  71. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 以上の件につきまして、会計検査院から御説明がありますか。
  72. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 建設省の地方工事事務所架空経理につきましては、二十四年度に私ども検査をしておりますと、あちらこちらでこれが見つかつたのであります。たしか五カ所ぐらいな検査報告じやないかと思いますが、三千五百万円ぐらいの架空経理を見つけたのであります。どうも見ましたところ、全国的な傾向としてまあ極端に言えば極く特殊なものを除いて……、この特殊なものと申しますと、非常に堅い、まじめな所長、非常に堅い所長のいるようなところでありますが、こういうところを除いて、どこもおしなべてこういう幽霊人夫とか、空材料とか、こういう架空経理をやつているのじやないだろうか、こういう印象を受けまして、二十五年度は非常に貧弱な陣容ではありましたが、全力を挙げまして、この架空経理を見付けるということに当つたわけであります。その結果、ここにございますように、四億四千七百万円という大きな金額が出たわけであります。  二十五年度の検査報告の一つの特徴と見られるのは、この架空経理でありますが、全体で五億二千八百万円ほどが挙つておりますが、そのうちここに三十一カ所からんでおります建設省の分が四億四千七百万円、こういう大きな金額が出て、私ども驚いたのであります。  検査の結果を申上げますと、百四十二工事事務所がございます。このうち私ども検査できましたのはたつた四十七であります。百四十二のうち四十七カ所でありますが、この四十七カ所のうち三十一カ所で、検査の結果これが発見された、こういうまあ本当に驚くべき事態だつたのであります。金額も四億四千七百万円、それもすでに検査当時までに四億一千二百万円使いまして、手許に三千五百九十三万円、約三千六百万円という金を以て盛んにまだこれをやつているというような状態で、私ども驚いたのであります。これは何とかして早くこういう幽霊人夫や何かで、予算を超過してしまう……、大部分は後に国の工事なり、何なりに還元はされますが、こういう違法の経理と、会計法も経理手続も何もおかまいなしに現金化して、そいつを手当り次第に使うような、こういうような経理は早く一掃しなきやいかん、こういうことでいろいろ建設省の当局とも御相談いたしまして、これを見付けて先ずなくす、全国からこの悪い傾向を一掃するということで一年余りやつたのでありますが、二十五年度の検査報告を書きます当時の状況は実にひどい状況だつたわけであります。このために、現金を持つておりますので、強盗が入つて、宿直員が殺されて金を盗られたとか、こういうような非常に悲惨な事件も起きましたし、それから検察庁からは公金横領容疑で引張られる、こういう事態も全国では一、二にとどまらなかつたのであります。  こういう非常に異例な経理、これを早く一掃しようということで、関係者が皆一生懸命になつたわけでありますが、二十六年度の検査の結果は、これは非常な改善の跡を見せたのであります。二十六年度には六十一事務所、前年は四十七事務所でありましたが、二十六年度には六十一事務所検査をいたしまして、十八事務所にこの架空経理が見つかつたのであります。併しこの十八事務所で見つかりました架空経理というものは、もういわばやめてしまいましたあとの状況だつたのであります。先ほど三千五百万円もの現金が、二十五年度の実地検査のときに、右から左に動いて、まだ活溌にやつていた、こう申上げましたが、二十六年度の検査のときには、十八事務所合計いたしまして、たつた二千六百円しか現金を持つていなかつたのであります。これは明らかにすでにやめてしまつた前の名残りがはつきりしたと、こう申上げられるのでありまして、二十六年度におきまして新らしく架空経理を始めたというところは、私どもとしては殆んど見受けられなかつたのでございます。これは一年半余りの関係者の努力が実を結びまして、全国的にいやな幽霊経理がまあ建設省に関する限り、全国的傾向としてはこれは一掃されたということを今御報告できる段階になつております。  偶発的な事故としては、或いは今後ともあちらで一つ、こちらで一つというように起るかも知れませんが、従来この二十五年度に検査報告を作りました当時のような、全国的な傾向としての架空経理、これは一掃することができた、こういうふうに考えております。
  73. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今のお話のように、会計検査院のお話しによりますと、二十五年度は非常に悪かつた。二十六年度は非常によくなつたということはですね。これは建設省自体で以てまあ行政監査をしつかりやるとか、或いは事務指導をやるとか、それからそういつた何といいますか、行政事務の的確な、厳格な指導というようなものの結果ですか。それとも何か建設省としては、そういうものの起らないような、そういうことをしなくても、架空経理をしなくてもいいような、何か特別な措置をおとりになつたかどうか、それを承わりたいのです。
  74. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 建設省でいろいろやつたと申しますと、甚だおこがましい次第でございますけれども、本当に二十五年の秋から二十六年度一ぱいにかけましては、これだけのために各地方建設局長を何回も集めております。又最末端の工事事務所長、或いは出張所長の会議、講習会というようなものを、全国でもやつております。まあ私みずから実は監察官をしておりまして、一年半ばかりというものは一生懸命やつたつもりでございます。不当経理架空経理ということをすれば、理由の如何にかかわらず、もうこれはやめてももらうということを厳重にやつたつもりでございます。  なお大蔵省その他の方面で会計法規なども若干実情に合うようにやつて頂いておりますが、このために特に或いは食糧費を殖やして頂きますとか、旅費を殖やして頂きますとか、交際費を殖やして頂きますとか、こういうことはいたしておりません。  ただ、まあ今私が申しましたのは、そういうことはやりましたけれども、やはり時勢の力なり何なりというものが一番大きい原因ではないかと、かように考えております。
  75. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかに何かありませんか。
  76. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 今の宮本さんの御質問の点、建設省当局としてはおつしやりにくい点もあるかと思いますので、私から補足させて頂きます。  これは二十五年度の検査報告を作つた当時は、先ほども申上げたように、非常に乱脈であつたわけでありますが、これが検査報告に出まして、私どもといたしましてもできるだけいろいろと御注意申上げ、この原因もいろいろとお互いに寄つて研究したのであります。それでいろいろまあ隘路と言われる面も実は数が非常に多かつたのであります。例えば継続費がないとか、直営工事については予算が繰越しがむずかしいとか、それから或いは公共事業費の認証が予算の配賦を非常に遅らせるとか、こういうような面も多々あつたのであります。これが極力隘路を切り開いてしまおうということで、建設省当局も非常に努力されたのであります。いわゆる隘路と称せられるものは、現在ではもう一掃されたと言つてもいいのであります。まあそういうものよりも……にもまして一番強い原因というのは、私どもが見るところでは、これは取扱者の心がまえ、国の会計をやつて行く上においては非常にいろいろな制約がございます。会計法を初めとして、こういうものに従つて行く、行かなければいけないのだという心がまえというものが一番大事じやないだろうか、こういうことでまあ先ほど遵法精神というようなあれがございましたが、こういうものを第一線の人に叩き込むことが一番大事じやないだろうか、第一線の人はこういうことをやつておりまして、ほうぼうから叱られ、ときには検察庁に引張られたりするのでありますが、実は余り悪いと思わんでやつているのであります。先輩から教わつたというような場合もあつたようでありますが、終戦後の非常に経理の紊れた惰性として余り悪いとも思わないでやつていたという傾向が非常に強かつたのであります。で、先ほどお話がございましたように、いわゆる技術第一主義と申しますか、工事さえやれば、経理はまあ少しぐらいはどうでもいいじやないか、こういうような風潮も相当強かつたようであります。で、これを叩き直せということで、建設省当局も非常に一生懸命おやりになつたわけであります。それでこれが見つかりますと、現在では非常な厳罰を以て臨み、程度の悪いものはやめさせてしまうというくらい強い態度を建設省の当局はおとりになつているのでありまして、こういういろいろな積極的な手が総合されまして、非常に短かい期間でありますが、たつた一年半かそこらでこれを切り絶つてしまつたわけでありまして、これはほかの省の架空経理についても、一つの教訓として学んで然るべきところじやないかと思つているのであります。私どもとしては、会計検査院としてできるだけの手を打ちましたが、建設省の首脳部が非常に一生懸命になつてこれを一掃されたという点については少なからん実は敬意を払つている次第であります。
  77. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 別に御質疑はございませんか。……それでは八百三十三号から八百六十三号につきましては、質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。  それではついで八百六十四号から八百六十八号を一括して問題に供します。
  79. 齋藤常勝

    政府委員(齋藤常勝君) 八百六十四番から八百六十八番までについて簡単に説明いたします。  第一の八百六十四は、荒川の上流工事事務所で改修工事の労力費としまして経理されました二十六万二千円、これは事実は附帯工事費であります。地元に負担金をかけなければならない。それをかけてなかつたわけです。そういう御指摘でございまして、誠に遺憾と感じまして、その後措置いたしました。二十七年の四月末にはこれを全部徴収することにいたし、徴収済みでございます。  八百六十五番、これは高岡の工事事務所で借入金を以て材料を買つたというわけでありまして、これもちやんと措置は済んでおります。誠に遺憾でございました。  次の八百六十六番、これは天神川の工事事務所におきまして、架空の移転補償費五十一万円を支払いに立てて、借入金の利子に充当したという事件でございますが、この件につきましては刑事事件に一応なりましたけれども、無罪ということになりまして、一切の措置は済んでございます。  それから八百六十七番、これは松山の工作事務所におきまして、予算を無視して物品を購入したという事件でございますが、これも年度内に四百五万の未払金ができたものでございますが、翌年度において全部支払い済みでございます。  次に八百六十八番、これは信濃川工事事務所で起つた事件でございますが、いずれも物品会計に関する件でございまして、全部御指摘の通りでございますが、措置いたしております。いずれも遺憾な極みでございまして、今後こういうことはないように十分注意したい所存でございます。
  80. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは只今の八百六十四号から六十八号について会計検査院のほうから何かございますか。
  81. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 只今議題となりました案件は、前の架空経理に附随いたしまして、架空経理そのものではございませんが、ここに抜き出しまして批難したわけでございます。ここにございますように借入金で工事をやつたり、或いは多量の帳簿外物品を保有していた、こういうのであります。中には会計検査院検査のときに物品をトラツクに積んで眼のつかないところに移した。それが検査のときにほかの機会から発見されたというようなものもございます。地建の経理というものは架空経理を中心にいたしまして相当繁れていた、こういう案件をここに並べたのであります。
  82. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) これについて御質疑ございませんか。
  83. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これは小峰局長ちよつとお伺いしたいのですが、直轄工事経理が著しく紊乱しているもの、こういうことで八百三十三以下八百六十八まで挙つているわけです。著しく紊乱しているものというのと、ただ著しくという字がついてないのといろいろな使いわけがしてあるようですが、この程度というものは何か基準があるのですか。
  84. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 飯島さんの御質問でありますが、比較の問題になると思います。この二十五年度の建設省の地方建設局の事務所は冒頭にございますように、私ども百四十二の事務所のうち四十七しか検査ができなかつたわけでございます。四十七検査いたしますと、この幽霊経理架空経理をやつているところが三十一もあつた。こういうのでございまして、こういうふうになりますと、これは全般的な傾向として著しくと言わざるを得ないのでありまして、これが一つ二つ大きな事件があつたというのとちよつと違いまして、全国的な傾向としてこれを見ざるを得ないわけでございます。それでこの直轄工事経理全国的に著しく紊乱していると、こう書いたのでございまして、ほかには先ほど御審議のありました電通省の経理紊乱もありまして、あれも全国的な傾向でございますが、金額が漸く四千万見当でございます。これは今の四十七検査いたしました、そのうち三十一あつて、而もその総額が四億四千七百万円というような大きな金額でございまして、かようなな点から本件につきましては、特に検査院は著しくという強い言葉は使わないのが普通でございますが、これにつきましては、一応使つているわけでございます。
  85. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それでは次に建設省にお尋ねいたします。著しくという意味が非常に明瞭になりましたので、実際我々も著しいと思います。建設省の経理は……。そこでこの主要内訳を見ると、この借入金の返済とか、或いは材料費であるとか、手当であるとか等等に使われておつて、どこをこうめくつて見ても、さつきの電通省のように渉外折衝とか部内の折衝費とか、そういつたようなものが発見できないのです。全然ありませんか。
  86. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 初めに先ほどもお答えした次第でありますが、二十五年度におきまして、これだけの架空経理をしたということにつきましては、もう申訳なく思つております。お尋ねの渉外関係等には殆んど建設省は、こういう工事費から捻出した金を使つておるものとは考えておりませんが、御報告にもあります通り、大部分のものは工事費に還元したとは言いながらも、なお給料諸手当に一千四百万円、職員厚生費に八百万円、食糧費に三百万円、本局に送金しておるもの二百万円、河川読本代百万円、こういうものがあるわけでありまして、架空経理のうち特にこれについては遺憾に考え申訳けなく存じておる次第でございます。
  87. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私の聞いているのはそういうことでなくて……。
  88. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 電通の部内外折衝費に相当するものは建設省では食糧費であります。この食糧費に三百十四万四千円使つておりますが、これは予算が十九万円余りしかないので、この幽霊人夫によつて捻出した現金などを食糧費に廻したのであります。約三百万円という流用があるのであります。結局電通の部内外折衝費というものは飲んだり食つたりした金であります。この食糧費も同じであります。ところが、電通の場合に四千万円に対してたしか三十一万円でありましたが、これは四億という大きな捻出に対しまして三百万円、率は非常に違つておりますが、食糧費が部内外折衝費に当るのではなかろうか、こう見られるわけであります。
  89. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 食糧費三百十四万円というのは、私ども決算委員の常識から考えると、四億四千万円に対してはちよつと少な過ぎるように感ずるのですが、少くはないのですか、建設省当局で……。過少ではありませんか。
  90. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 御質問でございますが、我々といたしましては、この食糧費なんというものはでき得ればこういうものは全然使わないというのが本旨でございまして、特に工事費から流用するということは、これは一銭たりといえども、あつてはいかんものと、かように考えておる。必要なれば予算に当然計上して措置すべきものである、かように考えております。事実食糧費と申しますのは、いろいろ会合その他がありますので必要なことは必要でございますけれども、少くともここにあります三百万円というものは一銭も使用すべきものではなかつた、かように考えております。
  91. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これはちよつとこの案件と話題が外れますけれども、例えば建設省の現場で起工式だとか竣工式だとかいうことを実施しておられますが、ああいうときの経費というものはどういう費目から出しておりますか。
  92. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 現に昭和二十八年度予算におきましては食糧費として計上いたしておりますものも二千数百万円になつておるかと思いますが、それから出すのが本旨でございます。併しながら地方によりましては、地元の協賛会でありますとか、そういう地元の町村の方でございますとか、そういう方面で若干の応援を願うと申しますか、そういう方面と共同主催で起工式、竣工式をやつておるような実情かと思います。ただこれも不必要に贅沢にならないようにということは、機会のありますたびに注意はいたしております。
  93. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると、大体食糧費というのが、いわゆるそういう場合の渉外関係予算上の費目としては、それに該当するわけですね。
  94. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 渉外費と申しますか、これは食糧費と申しますのは、予算の性質が会議をいたします際にお茶を出しますとか、簡単な菓子を買いますとか、これに使うのが本旨でございます。お尋ねの本当の意味の交際のためには建設省所管では交際費年間二百四十万円計上いたしております。それが本来は交際に使うべきものと、かように考えております。
  95. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 交際費が二百四十万で、それから食糧費が二千万余りということのようですが、これは二十八年度ですね。二十八年度のことは論外にいたしまして、二十五年度の経理で、私はやはり建設省であれだけの仕事を一年間に達成するために、この会計検査院で指摘されたこれだけの金額四億四千万円余りというものは、或る意味ではやはり事情やむなきに出ていることもでもある。だけれども、それにしてもそういつた食糧費というようなものが、どうも我々決算委員の常識として、他のそういう現業をたくさん持つておられる省に比べて、どうも少な過ぎるような気がするから、それ以外の費目で何か非常に無理をしておられるのじやないかということを考えるのですが、そういうことはございませんか。
  96. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) ほかの方面で無理をしないように厳重に注意はいたしておりますが、今後もそういう憂いが絶無とは考えられませんので、先ず第一にそういう食糧費、交際費的なものを使わずに済むように十分指導して行きたいと、かように考えております。ただ現場の担当者の方面では、建設省本省のものに対しましては、食糧費が足らん、会議費が足らないということは、これはしよつちゆう言つてつております。これは事実でございます。我々も政府部内におきましては、できることなら増額してもらいたいということは、やつておりますけれども、何分にもこれは国民の税金によつて賄われるものでございますから、外部に対して食糧費を上げて頂きたいというようなことは、この際建設省といたしましては申上げかねる、かように考えております。
  97. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これは今直ぐというお答えを要求しませんが、この使用内訳ですね。ずつと八百三十三から出ておりますが、使用内訳の種類別の統計というものは、ちよつとこの表で読み取れないのですが、おわかりですか。例えば工事請負費、借入金返済、労力費とか、材料費であるとか、諸手当であるとか、そういつた項目別のトータルはございませんか、なければあとで結構ですが。
  98. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 一応ここに内訳を作つてつてはおりますけれども、私も実はまだ目を通しておらない状況でありますので、後日資料として提出いたしたいと思います。
  99. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 では私、最後に一言伺いたいのですが、私ども決算という立場で数回建設関係現場を拝見しているのです。そうしてそういつた会議員という肩書を棄てて、やはり日夜、河川なり或いは砂防なりに従事している現場をしばしば訪れて見て、なかなか御苦労の仕事をやつているにもかかわらず、非常にそういつた予算費目、その他から言いますと、随分無理なところがあるので、例えば期限を切られた突貫工事なんかをやつておる場合、それは超過勤務手当というものも思うように勿論出せていない、そういう苦労の末に、結局期間内に工事が仕上つたというふうな場合には、まあそういつた人たちの労をねぎらうということも、一つの社会常識でもありましよう。そういつた場合に、私は先ほどの電通を引合に出してはいけないかも知れませんが、あそこでは部内外の折衝費というものがはつきり表に出て来ておる。これはいいことか悪いことか、批判の余地はあると思うけれども、見様によつては正直な、実際の結果というか、現実の姿というものは、電々の現場と建設の現場はそう著しく異つておるとは、私ども見受けられない。ところがこういつた我々の前に示される経理内容というものから見ると、金額からいつても、親金に対する比率からいつても、非常に大きな違いがあるので、私は何か非常に無理がしてあるのではないか。その無理という意味は、これは建設省の親元に対しても無理があるのではないかと思いますし、そこに無理がないとすれば、現場で働いておる人に非常な無理が強いられているのではないかというふうに感ずるので、そこいらのところを一つ十分……、国の経理ですから、勿論これは十分予算の統制と、それから会計規則を遵守して行つて、本則を外れては勿論いけないと思いますけれども、そういう点について、さつきもお話のあつたように、例えば仕事が完成した、竣工式をやつた、或いは請負に付するとか、そういつた中間の折衝をやるとかという場合には、若干のやつぱり食糧費というものを必要とすることは我我も止むを得ないと思いますので、そういう場合に、例えば一つの基準を示すとか、そういうふうな経理上の手続というか、そういうことはやはり必要だと思う。漠然として、而も成るべくこういう表に出て来る金額を抑えるというようなことは、どこかにその無理が行くに違いないので、私はそういうことを、詳しい材料を持つておりませんから、あえて追及しようとは思いませんけれども、そういう非常に表面だけはいいけれども、内部に無理をいつまでも包蔵されないように、又そういう無理があれば、必ずいつかはそれが現われて来るのですから、そういうことのないように、この希望を申上げまして質問を終ります。
  100. 波江野繁

    専門員波江野繁君) ちよつと一点だけ、実は前の案件の分ですが、前のほうの案件たくさんあります中に、検査院の記述によりますと、河川読本購入代というのが何カ所にも出ておりますが、何かこれは工事上非常に参考になる本でありますのか、どういうものであるのか、それだけちよつとお聞かせ願えれば結構だと思います。
  101. 石破二朗

    政府委員(石破二朗君) 私も実は技術のほうがわかりませんので、はつきりしたことは申上げかねますけれども、あの本は大体建設省の職員が中心になつて執筆いたしたものでございまして、まあ値段も安いものでございますが、私よくわかりません。値段に比較してはよくできた本ではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。
  102. 加賀操

    加賀操君 この説明書の八百六十六に書いてあることを読みますと、ちよつと説明もありましたが、その担当者は引責退官させられたと書いてありますが、ずつと前の二件から比べて、何かほかに理由があつて退官させたと、こういう意味ですか。前に退官させたのは国側の件一件なのでございますが、この八百六十六、ここに書いてある以外に何かあつたのかどうか。
  103. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 八百六十六は、これは鳥取県の天神川の分でございますが、これはここにありますように、移転補償を早く払つてくれという強い要望がありまして、予算がつかないうちに銀行から金を借りまして払つたわけでございます。そうしてそのあとで予算がついたときに返したわけでございますが、それまでの利息を出す途がなかつたわけでございます。この補償料を月掛いたしまして、五十一万円というのは、これは利息でございますが、払つたわけでございます。これが検察庁の問題になりまして、そのときの所長は検察庁へ引つ張られてしまつたのでございます。それでこういう架空経費で国の用途に使つたものは、大体はまあ引つ張られないのが普通なのでございますが、引つ張られましても大概無罪になるのでございます。ところが、これは鳥取の地方裁判所で有罪判決になりまして、先ほど無罪ということでありましたが、無罪ではないのでありまして、ただ執行猶予が付いたのであります。執行猶予が付いたせいか、第一審で服罪いたしまして、そのために当然失官したと、そういう事情にあるわけでございます。ここには非常に簡単に書きましたが、今のような犯罪として有罪の判決を受けたと、こういう事実があるわけでございます。
  104. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかにございませんか……別に御質疑もないようでございますから、第八百六十四号から第八百六十八号につきましては、質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは建設省関係はこれで終りまして、次に経済安定本部の問題に移ります。  それでは経済安定本部の第九百九十号から第九百九十二号を一括して審議をいたします。先ず経済審議庁の塚本会計課長から説明を聞きます。
  106. 塚本茂

    政府委員(塚本茂君) 本件会計検査院の御指摘の通りでありまして、東京、大阪、鹿児島の各地方経済調査局において、架空名義によつて支出したものでございます。現在これは行政管理庁の系統になつておりまする地方行政監察局、こういうことになつておりまして、経済審議庁がこれを引継いでここで御説明申上げるゆえんのものは、二十七年度の決算までは、経済審議庁において残務整理をするという経済審議庁の発足のときの法律に基いて決算事務を担当しております関係で、経済審議庁が御説明申上げた次第でございます。  詳細につきましては、それからその対策につきましては、行政管理庁の会計課長の島田さんがお見えになつておりますので、後刻御説明なさると思います。  今申上げました通り、これは検査院の御指摘の通りでありまして、こういう事態が発生いたしましたことは、誠に申訳のない次第と考えておるわけでございます。で、私どもはこういうことが起らないように、かねがね注意をしておつたのでありますが、不幸にしてこういう事態の発生をみましたことは、これは誠に遺憾なことでありまして、こういうようなことが今後再び起らないように、その後十分注意もし、それから監督も厳重にし、関係者はそれぞれ処分をしております。で、鹿児島の件につきましてはこれは刑事事件にも関連し、第一審において有罪の判決を受けております。それから残つた金につきましてはこれは国庫に収納済でございます。
  107. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 行政管理庁の島田会計課長から何かお話がありますか。
  108. 嶋田正雄

    説明員(嶋田正雄君) 本件につきましては、経済審議庁の会計課長より只今説明があつた通りなのでございます。本件につきましては、東京、大阪、鹿児島、いずれも架空支出をいたしまして、役所の、経済調査局の仕事の性質上、いわゆる経済統制を円滑に実施するという特定の用務を持ちました官庁であつたために、その当時各種関係筋との折衝のために、こういう経費を必要といたしましたわけございます。誠にこういう方法を以ちまして経費を捻出いたしましたことにつきましては、申訳ないと存じておる次第でございます。この事件が起りましてから、只今説明のあつた通り、各地方経済調査局に対しましては、厳重にあらゆる方法を以ちまして警告を発して、その後全面的に経理面の粛正を目指して参りました次第でございます。簡単でございますが……。
  109. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 会計検査院のほうから……。
  110. 池田修藏

    説明員(池田修藏君) 只今議題になつておりまする経済調査局の架空払いでございますが、ほかの省における架空払いと大体の態様は大同小異でございまして、特に申上げることもないかと思いますが、只今政府当局のほうからも御説明がありましたように、特にこの中でひどいのは東京、鹿児島と思われるのでありますが、鹿児島は現に業務上の横領で起訴になりまして、一応地方裁判所の判決はございましたが、本人不服として控訴中でございまして、東京のほうは不起訴になつております。ですが総体にみまして、この食糧、交際費にも相当の金額が使つてありますし、幾らか程度がここのは少し派手じやなかつたかというような感じを抱いておるのであります。  先ほど飯島委員からもございましたように、御意見の表示がありましたように、止むを得ない経費使つておる部局も相当ございます。この前私の担当いたしました国税庁関係につきましては、そういう経費相当あるように申上げましたが、それらに比べまして、経済調査局のほうが幾らかどうも派手じやなかつたかという感じを抱いておる次第でございます。  簡単でございますが、それだけの意見を申上げます。
  111. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御質疑はございませんか。
  112. 加賀操

    加賀操君 この統制がなくなりましてから、お尋ねするのはどうかと思いますが、先ほど調査庁のほうから、その筋の交渉があつたと、こういう話もありましたし、検査院のほうからいろいろほかのほうより少し派手でなかつたかと、こういう話もあつたのですが、私もどつちかというと、役所の性質上、これは少し派手でなかつたかと思われるのですね。それで今の説明の中に、その筋との交渉で非常に余計要つたと、こういうなら又別ですが、何か私は少し役所の性質上、どうかと思う気がするのですが、その点如何でございますか。
  113. 嶋田正雄

    説明員(嶋田正雄君) 御指摘の通りでございます。関係官庁その他との交渉に費消されたものなのでございます。中央といたしましても、その点誠に申訳ないということで、各地方官庁に対しましては、その後厳重なところの措置をとりまして、規制をいたして参つたわけでございます。
  114. 加賀操

    加賀操君 私はその筋と聞いたのですが、今の御説明関係官庁ということですから、日本の役所だと思うのですが、どうも調査庁の性質上、それほど日本の内部の役所と交渉するには、どうも少し派手なような気がするのですが……。そのくらいでよろしうございましよう。
  115. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) ほかに御質疑はございませんか。それでは三件に対しましては、別に御質疑もないようでございますから、一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないと認めます。
  117. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 先ほど御質問の八百六十六号の検事側の勾留処分でございますが、これは執行猶予付ではあるが、有罪判決は鳥取の地方裁判所では確定したと申しましたが、これは確定しないで、本人が控訴したそうでございます。極く最近、一月の末ということですが、控訴審で無罪の判決があつたということを実は今聞いたのであります。私どもはまだ無罪判決を見ておりませんが、一応そういう事実がございましたことを、私のほうで確定的に申上げたことは取消さして頂きたいと思います。これは調べまして、専門員のほうにでも、その結果を御報告いたします。
  118. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは次に国鉄関係の議題に移ります。国鉄関係の千二十四号につきまして、先ず当局から説明を聞きます。
  119. 高井軍一

    説明員(高井軍一君) 本件検査院のほうの御指摘の通りでありまして、誠に遺憾に存ずる次第でございます。事実は元青森建築区長が助役に命じまして昭和二十四年の六月から二十六年の二月までの間に五十件の工事書類を偽造いたしまして、全額を他費目流用したという遺憾のものでございます。こういうことが起きました発端と申しますのは、責任者であります区長が前任の区長の病死の後任者となりまして、二十四年の五月に着任いたしまして、事務引継ぎをいたしたのでありますが、前年度に行いました工事で、実際に追加工事をいたしたのでありますが、資材の入手難による工事施工時期の遅延とか、或いは資材の値上りとか、設計の誤りとか、予算の不足というようないろいろな原因によりまして、殊に丁度年度経過後でもありましたので、追加工事に対しては、設計変更という正式な手続をすることができませんで、これらの工事代金が未払いのままでありましたので、この当時の問題の建築区長は管理部のほうへ伺いましたところ、これ又怪しからないのでありますが、区長の先決工事予算内で処理をするようにというような指示をいたしたのであります。それで他工事名義工事を起しまして、未払工事の代金の支払いをいたしたということが、これが発端であるのでございます。その後、これが発端になりまして、追加工事費とか物品代の支払いに当りまして、管理部のほうへ会議をしたり、或いは独断で直接に空工事を以て支払いまして、工事会社のほうへ前借金を以て支払い、そして後に空工事で返済したというようなことでございます。それでこの発覚しました動機は、警察に対する投書であつたのであります。いろいろ検察庁におきましてお取り調べの結果、私腹を肥しているという事案がありませなんだので、不起訴の処分と相成つたのであります。併しこのやりましたことは、誠に遺憾な点でありますので、責任を追及いたしまして、建築区長は停職二カ月、停職期限が過ぎましてから、これは退職をいたしております。それから管理部のほうの課長であります施設課長は戒告をいたしております。この因は先ほど発端のとき申上げましたごとく、初め、当時は予算があとから来るであろうという、いわゆる見越し工事をいたしたのであります。それでこういうことは以後の問題といたしましては、そういうような見越し工事予算があとから来るであろうというような想像の下にやらないように厳重にいたしております。尤も当時は御承知のようにドツジ予算の際でありまして、あとからひどく縛られておりますが、あとから幾らか、何とかなるであろうというような観測の下にやつてつたのであります。それから、この材料の、空工事をやりまして材料を買つたのでありますが、これは当時の進駐軍のCTSのほうから現場を見廻りに参りまして、先刻の床なりガラスなりが非常に悪い。これでは全部の施設に故障が起きる。そういうものにこれをやれということがありましたので、建築区長の成規の手続をとらずに、やつたことにいたしまして、床を直し、そうして板ガラスを買つたというようなわけであります。それから、その点につきましては、現在におきましては、材料の入手が順調に参つておりまして、当時の資材の状況と非常に違いますので、これは防止はできるというように考えております。それから、中には会議費用に充当いたした、食糧費に充てたというのがあるのでございます。これも誠に遺憾な次第でありまして、先ほどもほかの官庁のほうで御議論もあつたように拝聴……、御議論と申しますか、事実があつたように拝聴いたしておるのでありますが、実際申しますと、そういうような会議その他で食糧費の要ることはあるのでありますが、額が非常に少いので、こういうようなことに相成つたと思うのでありますが、この食糧費につきましてはよく、以降は、現場の限られた予算でありますが、現場のほうから局のほうへ上申させまして、そうしてそこでこの乏しくともできるだけのことを提供してやるというようなことをいたしておるのでありますが、これは食糧費が非常に少いので、こういうことは以降とも絶無であるということは、残念ながら確言いたしかねるのでありますが、これは各現場との連絡を保ちまして、かかる失態の起きないように十分注意いたして参りたい、さように考えております。
  120. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 本件に関しまして、会計検査院の……。
  121. 大澤實

    説明員大澤實君) 内容只今高井経理局長のお話の通りでありますが、この架空経理を割つて見ますとほかの工事を、予算によらない工事をやつたというのは六十万円、それから修繕用資材を買つたのが十四万円、合せて七十五万円くらいは、若し成規にやれば当然国鉄の予算で出し得るもの、そいつをわざわざほかの工事名称を起して、金を出して払つておるということでありまして、何故こういうことになつたかと申しますと、建築区に一応の先決の範囲というものがあるのでありますが、それに対して管理部のほうといろいろ打合して、こういうことをしたい、又そんなことをやつちやいかん、そいつはどうも手直しすることは技術者としてむずかしいからというような話合いのためにやつたやつが、成規にこうやつたということを表面に出せないというような事情もあるらしい。だから考えて見ますと、それが実際にやらないならば、それでいいのですが、そこで表面はやらずにおいて、ほかの工事をやつたようにするならば、もう少し建築区なら建築区の区長の先決が、本当の先決で必要なものをやらせるような裕りをもつてやられたら、こうしたわざわざ架空工事名称を起して金を出して、それを使うということがないようになるのではなかろうか、何と言いますか、規定を厳守するの余り却つてこうしたことを起すことになるのではなかろうかという感じが一応するのであります。あとの三十万円程度ですか、一応例の青函連絡船の場所であります関係上、いろいろ接待費が要つたようでありますが、これはほかの架空経理と同じような問題でありますが、先ほど申上げました七十五万円のものに対しましては、もう少し内部の仕事のやり工合で、わざわざ架空経理を起さないでも済んだのではなかろうかと考えるのであります。なおこれが百六万円というのは五十件の工事でありますが、一件々々にいたしますと二万円の工事ということになります。こういうことにいたしますと、我々会計検査院といたしましては、個々の工事現場というものは、なかなか全部拝見しきれない。従つてこういうことは部内の監査機構におきまして、諸工事に対する竣功検査というものは、相当徹底的にやつて頂く必要があるのではなかろうかということを感ずる次第です
  122. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御質疑はございませんか。
  123. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これですね、この問題とは全然無関係な話ですが、ちよつと大澤さんにお尋ねするんですがね。今あなたがおつしやつたような、こうやつたらいいんじやないかというような意見があるわけですね。会計問題について。そういうようなものを会計検査院全体としてまとめですね。どこかに出されるような機会とか、そういうようなことは今まであるのですか。
  124. 大澤實

    説明員大澤實君) この会計検査院法におきましても、行政又は法令、制度の改善を必要と認めた事項に対しての意見具申権はありまして、何と申しますか、大きな問題といいますか、例えば会計職員の資質の向上に資する方途だとか、或いはそれに対する待遇の問題だとか、そうしたいわゆる取扱方針というようなことに関しましては、それぞれ主管大臣又は大蔵大臣に文書を以て意見を具申しておる例もありますし、又そういう権限もあるのであります。只今申上げましたような点も勿論まとまりますれば、その都度、国鉄なりそれぞれの関係当局へ意見として改善意見を表示する権限を持つておりますし、又そのように努力しております。ただなかなかそうした問題がいよいよ具体的にまとまりますまでに困難でありますので、改善意見を表示した件数は少うございますが、そうした方面に専ら力を注ごうということを我々としては常に考えておる次第でございます。
  125. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 例えば一つの工事に対して接待費と申しますか、そうした飲食費というか、そういうものはおよそ何%ぐらいあれば妥当だというような、そういうような結論もおよそ物差しとして持つておられるわけですか。
  126. 大澤實

    説明員大澤實君) 今の問題は検査院の内部でも一応話はできまして、大体架空経理というのは接待費が多い。だから或る程度基準をきめて、この程度まで予算に組めばいいということを、主計局長或いは大蔵大臣に意見を表示するという必要があるのではないかということは出ましたが、結局結論としましては、接待費、いわゆる飲食費というものは十を与えたら十では済まないのだ。いわゆる基準というものはないのと同じことになるのではないか。例えば今までお茶一杯で済んだのが、予算が来れば、そこにお銚子一本をつける。足りなければ又どこかで捻出するということになりますので、私個人といたしましては、接待費に関しましてはやはり予算の枠というものは厳守する。その予算を幾らにするかということは、財政とも睨合せでありましようが、現在の大蔵省の査定している接待費、交際費、それが妥当であるかどうかということは、簡単に申上げかねますが、少くともそのできた範囲においてやるべきだと、こう考えております。つまり百を与えたら、やはり百で済ます人は百で済ます。やはり百で済まさん人は多くなるんで、予算を増額しても大して効果はなかろうかと私は考えております。
  127. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 国鉄の問題については私は質問ありません。ただ架空経理がこれでもう終りだということになりますから、これは会計検査院を主にしてお尋ねなり希望なりを二、三申上げておきたいと思う。各省の架空経理をずつと通覧して見ると、なかなか捻出の技術に巧拙いろいろあるようですね。実に巧みに出しているところがあるかと思うと、甚だ実に拙劣な出しかたをしているために、醜状を我々の前に、如何にも是非一つ何とか文句を言つて下さいとばかりに、我々の眼の前に出して来ているのもありますし、表向きは幾ら突つついても食糧費も飲食費も殆んどとるに足りないということであつて、事実はこれに対して数倍、数十倍する金を使つているというところもあります。ですからこれはなかなか今のお話のように、会計検査院としては、まあその道の玄人ですから、如何に費目を上手にやつてみても、現場行つて見れば、すぐ直感でおわかりになることとは思いますけれども、併しやつぱり国の予算統制や、はつきりした会計の規則を遵守してやるという建前からすれば、やつぱり各省間に共通する、各省と言つても、現業官庁と非現業官庁とは非常に違いがありましようが、それらをもう少し細かく比較検討されて、或る程度基準というものが私はやつぱり出されていいんじやないかというふうに考えるのですね。ですからそういう点については、まあこれは決算よりは、むしろ問題は予算に反映することですから、我々決算委員会としては、でき上つたことをかれこれ小やかましく姑の嫁いじめみたいな気持でやろうとは毛頭思つていないが、済んだ決算の結果が、来るべき予算の上に何とか反映して、こういうことを未然に防ぎたい、防げないにしても、この件数を何とか減少させたいということが、我々決算委員の共通の心持であり、念願であるわけですから、一つ会計検査院でも、そういう御意図の下にそれぞれ御意見なり或いは係数整理などをしておいでになることと思いますので、今日で架空経理については、昭和二十五年度を終るということになりますから、できれば一つ小委員長あたりを中心にして、何とか、折角終つたこの機会に、直接の会計検査院の担当の方々と、こういつた架空経理の案件が批難の上にできるだけでなくなつて来るように、できれば昭和二十八年度からは、これをうんと著しく減るように、そういう何とか打合せというか、研究会と申しますか、そういうことを持たれる必要を私は最後に痛感するわけです。これは一つの私の個人としての意見です。それだけ申上げて終ります。
  128. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) それでは只今国鉄関係の千二十四号、これはもう御質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 谷口弥三郎

    委員長谷口弥三郎君) 御異議ないものと認めます。  これで本日は全部終了しました。    午後四時三十九分散会