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参考人(氏原久男君)
只今委員長のお話に、果して御期待に副
つて御説明ができるかどうかということにつきましては、単に一営業支店長といたしまして、全体的のことにつきましては通暁いたしておりません。極めて局部的な話にとどまると思います。一応それだけお許しを願いたいと思います。昨日、実は私出先から戻
つて参りまして、本日の会合に出席せよと本舗から連絡がございまして、支店長といたしまして、丁度年末で、いろいろ業務もございますので、十分な資料も得られませんので、果して御期待に副うかどうかということについては、今あらかじめお断り申上げておきます。
中小
金融特別店舗といたしまして、先ず概観的にいわゆる
市中銀行の中小
金融特別店と申しますのは、現在都市
銀行、
只今委員長のお話にありました十一行六十七カ店、信託
銀行五社五店、合計七十二店というものが中小
金融特別店として大蔵省の指定を受けております。これが二十五年の四月に中小
金融特別店というものが開設されまして以来、全国
銀行協会連合会の調査で少し古いのでございますが、本年七月までの七十二店の申込受付件数と申しますのは、三十三万一千二百十二件、申込受付金額一千三十六億八千七百万、そのうち
貸付承諾件数三十一万一千六百八件、約九二%とな
つております。
貸付承諾金額は九百三十億四千百万円とな
つております。この申込に対しまして承諾率と申しますか。これは件数におきましては九四・一%、金額におきまして八九・八%という、まあ高率を示しております。これを本年一月から六月の一カ月当りの平均
融資承諾件数並びに金額は件数が一万五千五百十九件、五十億五千六百万、前年同期の九千百九十件、金額にいたしまして二十五億八千五百万円という、倍数近い飛躍を示しております。これを当行の場合におきますと、当行におきましては、
只今特別店といたしまして全国に六カ店ございまして、十一月の最近の計数を申しますと、十一月の全申込件数一千三十八件、金額にいたしまして七億九千九百万円、そのうち承諾が八百三十四件、金額にいたしまして五億九千七百万円、調査中に係りますものが二百件、金額にいたしまして二億、
従つて拒絶いたしましたものが四件、二百万円ということにな
つております。殆んど応諾しているという
状態であります。この申込拒絶の四件の内訳も、その中二件が業態に対して将来不安性がある。それからあと各一件ずつが資産
状態が不良である。最後の一件が事業の経験が薄いということで拒絶いたしております。これを当行の目黒支店の場合におきまして、私のところを申して恐れ入りますけれ
ども、十一月中に申込を受けました額は、八十八件で九千六百万円、そのうち承諾いたしましたものは七十二件、八千四百万円、調査中のものが十六件、一千百万円ということでございまして、大体において私のほうに申込を受けたものは、全部申込に対しましてお受付いたしている次第でございます。
私自身の店におきまして、実は今日参りまして御説明するだけの十分な経験を持
つておらないのでございますが、目黒支店と申しますのは、本年四月二十一日に、従来の
一般金融店舗から特別店といたしまして新発足いたしまして、その間の当店の月別の
貸出残高を申上げますと、発足当時におきまして五千六百万円、四月末におきましては、つまり三月末五千六百万円でございましたけれ
ども、四月末におきまして七千百万円、五月末におきましては八千四百万円、六月、九千八百万、七月、一億一千九百万、八月、一億四千万、九月、一億六千百万、十月、一億六千八百万、十一月、一億九千三百万、昨日現在でございますけれ
ども、二億三千万にな
つております。
これを件数で申しますと四月が十五件五月が三十八件、六月が五十一件、七月が六十一件、八月が五十七件、九月が七十四件、十月が七十五件、十一月が七十九件、大体におきまして件数、金額とも、飛躍的に増大いたしておりまして、比較におきまして、特別店になりましてから五千六百万から発足いたしまして、現在二億三千万、約四倍の増加率を示しております。これは
先ほど来問題にな
つてお話に出ておりましたけれ
ども、取引先の、
貸出先の
預金の
貸出率に比します割合が、十一月末において
貸出金額の総額が一億九千三百万、これに対して
貸出先の取引
預金が総額一億二千四百万、比率にいたしまして六四・五を現在示しております。当行といたしましては、かかる
状態で中小
金融も現在経済界、社会情勢、そういうものの非常な重要性に鑑みまして、当期の営業方針の中にも特に
中小企業対策の推進ということにつきまして、先般十月全国支店百八十五カ支店長集りまして、これにつきまして特に頭取より厳に通達いたしました。又
一般の業務通達におきましても、毎回これを厳に申渡しておるわけでございます。広く門戸を開放して
企業の
要望に副
つて行くという線を推進いたしておる次第でございます。大体におきまして、私のほうの窓口の扱いのことを次に申上げておきたいと思うのであります。
大体中小業者のほうは、
資金につきましては非常に緊要性を持
つておるということにつきまして、私たち十分な認識を持
つております。又その御
要望に副うということにつきましては、商業市中
金融機関として特段の配慮をいたしておりますことは、今申上げました
通りであります。当店の場合におきまして、先ずお申込がありました場合に、私が先ずお会いいたしまして、これを取るべきか取らざるべきかということを先ず先決いたします。それでよろしかろうと申しますと、同時に借入れ申込書を頂いて、申込を受けて、大体において四日乃至五日以内に御実行申上げておる。確実に迅速に御
要望に副えるということの点は、どういう点に基因いたしておるかというと、
先ほど国民金融公庫の
参考人のかたからお話もありました
通り、商業
銀行と申しますのは、やはり
一般大衆の血と汗とこの尊い
預金を預からせて頂いて、これを確実に善良な管理者の下に運営をする義務を持
つている。
従つて貸出におきましても、確実な先と申しますか、この事業の範疇を又何に置くべきか、これは先ず経営者の
企業体におきましては、先ず信頼し得る業者である、事業の信用度が高い。マーケツトを持
つておる。販売市場を持
つておるということでありますとともに、短期の市中
金融機関のあり方といたしまして、短期の
資金を多くするということに専ら現在の
資金ポジシヨンがそういう面にも
つて行かれておりますので、確実な債権を私たちは御要求申上げております。ということは商業
手形若しくは単名貸としては確実に納入し得る代理受債的なもの、つまり代理委任事業を通じて短期貸をする。大体この二つの方針を持
つております。これが充足できないのは
信用保証協会の
保証に依存いたしております。この場合におきましては、
先ほど申上げましたように、内部手続は三、四日内に済みますが、
保証協会の調査
期間が大体二週間ほどでありますので、これも大体通常三週間以内に実行できる段階にな
つております。
それから第二の、なぜ迅速になし得るかということの問題点は、まあ私自身に亘りまして、非常に恐縮なんでございますけれ
ども、当行の特別店に対します行員の配置ということの点でございますが、私自身が過去三カ年におきまして、三年前には、本店外国課次長をや
つておりまして、二十五年の十一月から本年の四月までは丸の内支店で事業
金融をいたしておりました。四月以降、中小
金融特別店に籍を置いたのでありますが、いささかでございますけれ
ども貿易
金融、事業
金融、又今回の中小事業
金融の七カ月の経験を経まして、大体広く経済の面についての事情の或る
程度酌みとり方というものが大体においてわかつたのであります。で、現在
貸付係が七名でございます。内五名が
貸出の実際の衝に当り、内部的には事務、外部的には応接を受ける。二名が女子でございまして、これが内部事務手続をいたしております。
先ほど私がお話しましたように、私が先決いたしましたものを、その
貸付係に通しまして、これを事務段階に移すのでございますけれ
ども、この
貸付係の男子行員は、いずれも普通店におきましては
貸付係長でございます。つまり
地方で経験を踏んで来た者。そういつた行員を配置いたしております。よく御説明を承わらして頂きまして、それを迅速に処理することができる。又次段階といたしましてお取上げできなかつたものにつきましては、又私なりその係りの者が、如何にしたらこれが取上げ得るかということにつきまして、特別店としての、今
一つの任務でありますところの
企業の育成指導ということにつきまして、経理面を通じて私たちは努力いたして、次期段階には、それが大体に嵌るということの形を以て行な
つておるのであります。
今後の問題といたしましては、一営業支店長といたしまして、全般的には当行全般を代表いたしましてお話する段階ではないことを非常に残念に思うのでございますが、私自身といたしましては、この特別店舗の
融資対象の範囲が、従来資本金三百万円でありましたけれ
ども、本年の十月二十日、一千万円に資本金を持
つておるかたに対しまして
対象額が拡大されたのであります。従来我々が
要望いたしておりました三百万円の資本金の会社から一千万円までの会社の資本金を持
つておるものに対して、業務の
対象となし得るということにつきましては、我々の
要望が容れられたということにつきまして、非常に喜んでおるのでありまして、併しこの拡張によりましても、なお現在比較的金詰りの皺が寄せられて、中小
金融の
企業に対します
融資の増加を私たちは期待いたしております。で、
融資限度は同じく昨年の十二月に五百万円から千万円に引上げられております。資本金、
融資限度共に、現在においては千万円でありますけれ
ども、これを更にこの
融資対象の範囲内におきまして、
融資限度の一千万円を二千万円
程度までに引上げて頂きたい。と申しますことは、現在の
融資限度の一千万円では、私たちの取引先の事情から見ましても、やや窮屈でございます。まだ当店の場合におきまして七カ月の経験でございますけれ
ども、逐次取引は進化いたしておりまして、もうほぼ一千万円の段階に来ておるものが
相当ある。こう言つた
実情と、又中規模の会社の
企業の
金融円滑化に資するためにも、更にこの限度の引上を、私自身としては期待いたしておるところでございます。
それから又、
先ほどから業者のかたのお話もございますけれ
ども、できるだけ我々に対して
融資の受入態勢の整備をお願い申したい。
企業団体のかたもお見えにな
つておられますけれ
ども、
団体のかたを通じまして、
組合員のかたに
一つ経理の指導をお願い申上げ、我々の
要望いたしまするいわゆるバランス・シート、十分なバランス・シートは頂戴いたさなくても、我々で又御指導申上げてお作りいたしますけれ
ども、それはバランス・シートなり或いは金繰りというものを少し労を厭わないで頂きたい。例えば金繰りをや
つて頂く。これは二カ月も三カ月も先のことをお願い申上げるのではなくて、最近三カ月
あたりの実績と、当月、翌月
程度の大体収支見込を私たちの手許に頂戴いたしたい。そうすれば
金融機関というものは、
実情が或る
程度把握できましよう。
先ほど申しました人並びに事業、マーケツトというもの。そう言つたものを勘案いたしまして、速かに御
要望を充足することができるのではないか。そういうふうに
考えております。
それから最後に、この産業構造上、大
企業もあれば、
中小企業もあり、零細
企業もある。又
中小企業のうちには、我々といたしまして大中小に分類することもできると思うのであります。各々
政府関係の
金融機関もありまするし、
市中銀行もありますし、或いは
信用金庫、
相互銀行など、市中
金融機関もございます。各々その事業の
対象額に応じた取引機関を御送定願
つておきたい。で今日、当店が比較的金額はこうして融通いたして参りましたが、件数が比較的少いということは一方
疑念があると思いますけれ
ども、これは当店の立地条件が然らしめるところでございまして、更に私たち逐月僅かでございますけれ
ども、階段的に上
つて来ておる。これは又業者同士の間において、取引機関を信頼して頂き、お話をそれからそれへと通じて頂きたい。私のほうは積極的に宣伝がましいことはいたしませんけれ
ども、新聞広告その他によりまして、中小
金融店の存在も認識されており、最も信頼し得る店を又積極的に御利用願いたいということにつきまして、又全般的に皆様にお願い申上げておきます。
非常に局部的なお話で恐縮でございますけれ
ども、中小
金融当局者としての
現状並びにお願いをこの席をお借りしまして、申上げておきます。