運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-03-04 第15回国会 参議院 議院運営委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月四日(水曜日)    午前九時五十九分開会   ━━━━━━━━━━━━━  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            加藤 武徳君            草葉 隆圓君            杉山 昌作君           小笠原二三男君            相馬 助治君    委員            石村 幸作君            上原 正吉君            木村 守江君            小滝  彬君            安井  謙君            赤木 正雄君            小林 政夫君            高橋 道男君            三浦 辰雄君            矢嶋 三義君            東   隆君            松浦 定義君            大隈 信幸君   委員外議員            石川 清一君            岩木 哲夫君            千田  正君            木村禧八郎君            岩間 正男君   ━━━━━━━━━━━━━    議長      佐藤 尚武君    副議長     三木 治朗君   ━━━━━━━━━━━━━   国務大臣    内閣総理大臣  吉田  茂君    国 務 大 臣 緒方 竹虎君   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (庶務部長)  佐藤 忠雄君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   ━━━━━━━━━━━━━   本日の会議に付した事件 ○委員辞任及び補欠選任に関する件 ○食糧増産計画達成に関する緊急質問  の件 ○緊急質問の取扱に関する件 ○国家公安委員任命につき本院の同意  を求めるの件 ○衆議院議員吉田茂懲罰事犯の件に  関する件   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 議運を開きます。  常任委員辞任及び補欠に関する件。
  3. 河野義克

    ○参事(河野義克君) 日本社会党第二控室から、予算委員の曾祢益君が辞任せられて、原虎一君を後任として指名せられたいというお申出があります。
  4. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さように決定いたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  6. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 次に、緊急質問に関する件をお諮りいたします。
  7. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 先般保留いたされておりましたうち、高田なほ子君は撤回いたされましたので、これは印刷物に書いてございますが、下にございます通り決定いたしました。  なお新たにここに第三と出ておりまして、小笠原二三男君から、議員吉田茂君の懲罰に関し政府態度についての緊急質問、十五分の御要求で総理大臣官房長官を要求されて、三月四日、本日の本会議を希望するというお申出が出ております。
  8. 相馬助治

    相馬助治君 この緊急質問に関して、私ども小林亦治君の緊急質問是非この際お許し願いたいと思うのです。でこれは次の本会議を希望しているわけです。六日に予定される本会議を希望しておるわけであります。是非一つ認めを願います。
  9. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 小笠原君の緊急質問というのは……。
  10. 相馬助治

    相馬助治君 ちよつと待つて下さい。私から今、一つ話が出してあるので、それを若し何だつたら、おきめ願つてお話願いたいと思うのです。
  11. 加藤武徳

    加藤武徳君 小林君の質問の件ですが、食糧増産計画達成に関しての質問のようでありますが、これは勿論今まで論議しておるように、おのおの会派によつて立場が違い、又考え方も違うわけですから、私がこう申してもいや緊急なんだという工合におつしやるということは、一応想像されるわけですが、お互いの見るところでは、食糧増産計画達成それ自体が緊急な案件とは考えにくい節があるわけなんですが、この点どういうふうにお考えになつておりますか。
  12. 相馬助治

    相馬助治君 この問題については、実はこれは長い間この緊急質問晒し物のような恰好になつてしまつたのですが、最初これを出したときから若干事情が違つております。と申しますのは、政府委員会を通じてこの案件について、大体考えていることの所信めいたものを発表になつたそうです。それに対して小林君は又質問をしたそうです。併しその後それに連関して、どうしても質さなければならない新たなる事態があるので、是非この質問をしたいのだ。こういうことです。新たなる事態というのは、それの、そのときに政府が発表した構想なるものが、一部農林官僚デスクプランに過ぎないようなものを聞かされたので、どうしても質すべき新たなる事態があるのだ。こういうことなんです。  是非そのような意味で緊急と思われるのでお願いしたいのです。
  13. 加藤武徳

    加藤武徳君 私、委員会におきまする論議がどうであつたか。或いは政府がどういう答弁をしたかというようなことは十分知識は持つておりません。持つておりませんが、少くともここに掲げられた件名と、今相馬君が御発言なつた点のみを以てしては、どうも緊急性が薄いのじやないか。こういう私は感じがするのです。なお常任委員会でどういう議論があつたかを我々も会派内で確めてみたい。我が農林委員意見も聞いてみたいこういう感じがするわけでありまして、只今承わると今日の本会議でなく、次回の本会議を希望なすつておられるようですから、でき得べくんば今日は再び歩留して、次会にやつて頂きたい。こう思うわけです。
  14. 相馬助治

    相馬助治君 これは、我が会派の苦衷を一つお察し願いたいと思います。議運の。というのは、小林君のは三回に亘つて、その当日の日程その他の関係で以て、我々は見送つておるのですが、そういうことは緊急性がないじやないかというようにまぜ返して来れば問題は別ですが、そのような観点を以て、是非そういう状況がありますので、今日はお認め願つて、そこで認められた上からは、本日やるのではないから、加藤君からそういう意見があつたことを会派にお持ち帰りになつて、これは賢明な措置をお願いしたいと思います。今日ははつきりしたいというのではないから、是非、これは長い案件になつておるのですから、今日お願いしたい。これはどうしてもお願いしなければならない筋のものですから、重ねてお願いいたしておきます。
  15. 加藤武徳

    加藤武徳君 私は一応今のような反対意見は述べましたが、併し他の会派等におかれていや、いいじやないかということなら、たつて反対ではないことを申上げておきます。
  16. 相馬助治

    相馬助治君 私はたつてお願いなので、是非その辺をお酌みとり願いたいと思います。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、本日から予算委員会が始まり、総括質問一般質問等が始まりますので、懸案になつておる常任委員会を中心にして問題となつて来ておるような緊急質問は、でき得べくんば委員会総括質問等においてなされればよろしいかと思いますが、その会派において、本会議において質問したいという意向がある限り、私は必ずしも、我が会派もそういう事態の場合もございますので、反対ではございません。で、率直に申上げますと、これは言い苦しいことでございますが、私の会派で出ておる緊急質問認めて頂ける限り、小林君のほうの緊急質問のほうも賛成するのであります。(笑声)それが認められない限りは、論理整然とやはり反対をしたいということになるわけでして、これだけはきめておいて、あとは、そつちのほうの意見は別でございというようなことであれば、これは問題でありますから、緊急質問が出ておる限り、出ておるものについて一応の議論があつて、全体として緊急質問をどうするかということできめて頂きたいと考えます。
  18. 加藤武徳

    加藤武徳君 今小笠原君から、両緊急質問に対しての御発言があつたようですが、私はこれは分離して考えなければならん問題じやないかと。こういう工合に思つておるわけです。小林君の緊急質問に関して、私は緊急性に関して若干意見があるということは今申上げた通りであります。ところが農林委員会において質疑等を行なつた結果新しい事態が生れておるのだから、こういうことであつて従つてこの限りにおいて緊急性がやや濃化して来ておるのだ。こういう私了解の下に、たつて反対はしないと。こういつたわけなんでして、他の案件とは分離して結論を出して頂く。こういう工合考えます。
  19. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 緑風会のかたの御意見如何でしようか。赤木先生。(笑声
  20. 赤木正雄

    赤木正雄君 予算委員会も開かれていますから、一応予算委員会等において御審議なさつて、而もなお議運をお開きなさるのが穏当だと思います。
  21. 相馬助治

    相馬助治君 私はですね。小笠原君の意見、今の赤木君の意見はよくわかりますが、これは前からの委員会のことを一つ考えて頂きたいと思うのです。事、緊急質問に関して、前からの意見がどうだということを持出すことはおかしいようですけれども、ざつくばらんに考えて、これは三回に亘つて保留をしておる。而もこれは何とかして本会議緊急質問をしないで済むような事態本人も望んで、委員会においてもそういうふうに話を進めてみたのですが、どうしてもこれは本会議において質さなければならない。こういう状態なので、これは是非認めを願いたいと思います。小笠原君の場合は、これはまあ緊急質問の取扱いが、而もあなた自身会派から出ておる問題であるから、これをそういう形に御発言なさる意味はよくわかるけれども、これは一つ分離して、この問題を先ずきめて頂きたい。それから次に小笠原君のことを決定して頂きたい。  結論的に言えば、私どももこの緊急質問は許さるべきであるという前提に立つてこれはおるのですが、そのことは次の問題としても、是非この際小林君についての緊急質問は、一つお許し願いたい。こう思うので、重ねて発言します。
  22. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういうこともあるでありましようが、農林委員会で相当質問なすつたのですから、殊に御希望が明後日ということになつていますので、できるなら私は各会派農林委員会関係の人にも、どういうような審議状態になつているか、それを聞いて見たいと思うのです。それなら丁度明後日のことですから、まあ今日確定してきめられなくつても、明後日までに態度はつきりすればいいと思うのですが、如何でしようか。
  23. 相馬助治

    相馬助治君 私はこれを条理を尽して、こういう筋になるのだということを言うために、委員会のことのお話までしたのですが、それじや、その委員会のものに会派に帰つて聞いて見るということでは、他の法律案の問題と緊急質問の場合は、私は違うと思うので、我が会派としても、議事進行上この問題については長きに亘つて協調して保留して参つた従つて私が先ほどつたことを、もう一度繰返します。本日お認め頂きたい。併しこれについては相当反対意見が出たということは、本人にも会派にも伝えて相成るべくは善処したい。善処するとは申せないのですが、相成るべくは善処したい。従つてこの案件発言権は、是非一つ今日のうちに御許可を願いた忙こういうことを申しておるので、一つ議運の私の立場を諒とされて、これについては御賛成願いたいと思うのです。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 相馬君にお伺いしますが、この問題がこじれているのは次の点にあると思うのです。即ちこの小林君の緊急質問は数回に亘つて議題として出ているわけで、その都度保留になつて来ているわけですから、いよいよ本日から予算委員会が始まり、質疑が始まる、緊急だから是非今日やりたいというのだつたら、赤木君みたいな質問が出て来ないと思うのですが、緊急性があるから是非やりたい。併し次会においてやらしてもらいたいと。こういうところに、こちらにぴんと来ないところがあると思うのですが、その点の釈明を聞こうじやないですか。
  25. 相馬助治

    相馬助治君 これは、緊急質問をやる本人立場と、それから会派内においてその日の日程の睨み合せ、こういうことからして、私どもは今日の他の緊急質問案件等も見たので、これはこの次にやりたい。こういうふうに考えたのです。そのことはいささかも別な理由はないのです。
  26. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 如何でございましようか。  それじや、速記を止めて下さい。    〔速記中止
  27. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記をつけて下さい。
  28. 千田正

    委員外議員千田正君) 先ほどから、相馬さんのほうからお話のありました一小林君の緊急質問につきましては、過般来重要法案の本会議質疑等があつたために、順次遅れて今日になつたのでありまして、緊急質問として、議運としては、当然本質的には取上げていいと思いますが、相当時期も延びたので、各専門の委員会或いは予算委員会において同様の質問が相当出て来ると思いますので、この点においては、所属会派においてその辺を勘考されまして、若し重複されるような質問が、すでに、今日、或いは明日に起るようなことがあつた場合においては、その会派において、この問題について善処されるようにお願いをいたしまして、一応本質的には認めるということに、私は皆さんにお諮りを願いたいと思います。
  29. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 小林君の緊急質問に対しましては、只今千田君からの御意見もありましたが、そういう意味をも一応了解を頂きまして、これを認むるに異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう決定いたします。   ━━━━━━━━━━━━━
  31. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 次に、第三の小笠原二三男君の緊急質問に対しましては御異議ございませんか。    〔「反対」と呼ぶ者あり〕
  32. 加藤武徳

    加藤武徳君 まだ、社会党第四控室から御要求なすつた趣旨等を伺つておらないのですが、少くもここに書かれてあります件名のみから判断をいたしまして、私たち反対をいたします。
  33. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 加藤君、なかなか明敏な頭脳を持つておられて、私の質問したい意図を的確に御判断になつて反対というようでありまするが、この問題は、私は自由党であるとか、社会党であるとか、そういう立場緊急質問をしたいという意向ではないのであります。少くとも本院においても、我が党は反対でありましたけれども、多数を以て信任せられた総理大臣が、議員であつて総理大臣たる立場において発言せられたことから端を発して、一昨日のような衆議院におけるああいう前古未曾有な、国家的に考えるならば不祥な事態に陥つておる。こういう、衆議院においては議員吉田茂君の懲罰であるが、他院において信任して出してある総理大臣が、いやしくも懲罰容疑を以て委員会に付せられる。これ自体は、国内外に与える影響は非常に重大であります。又本院の立場に立つて考えた場合も、本日から予算の本審査が始まり、他の重要法案も、本日において一応提案理由説明を聞いて、予備審査に入るものもあるのでありまして、ああいう事態になつて政府議員吉田茂君の問題であるとして、政府自体関与せざるという態度官房長官談話等で発表しておられますが、併し政府は今後国会内、特に参議院に対してどういう考え方を以て臨まれるのか、一応その所信を質し、又政府が、ああいう懲罰問題で各般影響を与えておる問題について、どういう把握を持つておられるかお伺いすることが、参議院の今後の各種予算なり或いは重要法案審査のために重要な問題であると私は把握しておるのであります。  従つて、この際明快に政府側所信が表明されればいいのであつて、私は他にこのことを以て追及するとかしないとか、やろうという考えではない。今後参議院運営の問題と直ちに影響する問題であるからこそ、緊急性ありとしてこれをお伺いするのであつて、さもないと、予算委員会初め各委員会において、予算案なり、重要法案審議に入る前に当つて総理出席を求めて、個々にこの問題について所信を質し、その態度如何によつては、法案審査にも或いは予算案審査にも応じられない、こういうような態度が一部にでも出て来るようになりましたならば、却つて院全体の運営支障を来たすと考える。従つて、この点については各党それぞれ所信を質したいところでございましようが、そういう手続がなされないで、我が党から私が緊急質問に立つような結果になつておりますが、こういう問題を何ら措置することなく看過して、このまま本日からの本院の運営に入るということは、これはやはり支障を来たす。そう考えて、党派を離れて、一応政府所信をお伺いする。これは黙つてつて政府から積極的に所信を表明し、理解を院に願つて、そうしてあらゆる問題の審査に協力を願いたいというふうに出て来る問題でもないわけなんですから、こつちから切つかけを与えて、そうして答弁する機会を与える。所信を表明する機会を与えるということは、これは与党といえども必ずしも反対してはならん問題であろうと思う。緊急性の問題は、一応時間がありませんから、この程度に申上げまして、本会議において、私の質問内容をお聞きになれば、加藤君も成るほど緊急性があつたものだということは十分御納得行くだろうと思うのであります。  そういうことですから、各会派においても御同調を願いたいと考えるのであります。
  34. 加藤武徳

    加藤武徳君 今小笠原君から長々と御説明がありましたが、私たちとしては今の御説明ではこれは納得できない。又できる筋でもないわけであつて、一昨日の衆議院の本会議におきまするところの結果は、議員としての吉田さんを懲罰委員会審査に廻すという結論のみであつて懲罰されるか否かは、勿論今後の問題になつて来ることだし、衆議院常任委員会で昨日以来愼重審議を進めようといたしておりまする矢先、この問題と関連する事項を参議院の本会議において質問するということは、私は衆議院に対する礼でもない。このように考えておるわけであつて只今反対をいたしましたようなわけであります。
  35. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、衆議院に対する礼は礼として十分考えます。併し懲罰になるかならないかという問題を私は総理にお尋ねするものではございません。懲罰事犯に付されたということは、個人吉田茂君であり、而もその基盤の上に立つ総理大臣の問題でもあるわけでございますから、それが各般に対する影響考える場合に、未だ曾てない事態なのであつて、こういう点については、少くとも今後の民主政治考え、或いは道義の高揚を言うお方であればあるほど、一国の最高権威者でもあるわけであります。行政府最高責任者でもある方が、そういう事犯に付され、容疑を持たれるような結果になつたことそれ自体について、総理としてのお考えというものがあるだろうと思う。我々も又その点について期待するものがあるわけなんです。少くとも他の一般議員懲罰事犯に付されたということとは、問題の性質は違うと思います。  若しもこういうことがそのまま荏苒と過ごされるとするならば、鋭い政治感覚、厳しい政治道義、これは転落し堕落するだけであります。少くとも吉田さんだけが百年の内閣を持続するものではなくて、如何なる党でも、民主国家日本内閣を形成する者において、そういう事態になつて、なお政治的な感覚、或いは政治道義が廃れても構わんとするのであるか。そういう影響があつても台閣の首班たる方がそのままおつてもいいとするのであるか。将来長きに亘るデモクラシー政治の確立のために何らか処置せんとするのであるか。それらの点について、私は一国の指導者たる総理の見解というものは質さるべきであろうと思う。国民は少くともこの点においては期待しておると思う。私はそれで、道義的な政治的な問題として懲罰に付せられたことから起つて来る影響について、所信について伺おうとするのであつて、それが有罪になる、無罪になるということから、各般論議をしようと考えるのではございません。その点は念のために申上げて置きます。
  36. 加藤武徳

    加藤武徳君 事案はまだ懲罰に付するかどうか、この結論が勿論出ておるわけではないのであります。案件として持込まれれば、当然所管の常任委員会において、審議するということが当り前であつて従つて衆議院常任委員会において、先ほど申しますように、愼重審議を始めようじやないかという矢先、参議院がこのことに関して本会議政府態度を聞くということは、私先ほど言つたように、衆議院に対する礼でもないし、又常任委員会審議を始めようとしている懲罰委員会に対しても、私はその礼じやないとこういう工合考えるので、小笠原君の御発言は了承できません。
  37. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 加藤君の言うことと、私の言つていることとは、全然問題の把握の仕方が違う。ピントが合つていない。衆議院に対する礼々と言いますが、衆議院衆議院愼重懲罰事犯審議せられることを我々としても望みます。そのことと私の質問申上げることとは問題が遠う。  私の質問を申上げたいという基盤は、衆議院において懲罰容疑者と決定せられた方が本院においても多数を以て信任せられた不可分の総理である。従つて本院における今後の運営にも大きな影響を持つて来るであろうと考えられる。而も又そのことから、総理自身のお考え如何によつては、この政局担当についての決意如何によつては、本院における予算審査なり、或いは重要法案審議なりというものについても、それぞれ各党において影響が起つて来るであろうということも考えられる。又我々やはり国民を代表して委員に出ている者の立場に立つて新聞報道を通じての世論というものを反映して、この吉田総理所信を質し、又内閣の今後の政局に対する見通し、態度等についても、その決意のほどを伺うのであつて、そして参議院運営支障を来すまいとする意図に出た緊急質問なのであつて、そのこと自体は、懲罰有罪であるとか無罪であるとかいうことを、他から制約することでもなければ又本院としても越権の行為でもない。そういうただ単に懲罰事犯に付されたということであつても、前古未曾有のことである。恐らくどこの国会においても総理大臣がそういう容疑を持たれたという、それ自体においても大きな影響を与えていることは、これはお互の容れないところである。従つてそれらの点について質すべき点を質し、今後の参議院運営に資したい。  又技術的に言うならば、本日から始まる予算委員会なり、他の重要法案審議する委員会等で、この問題に端を発して必要以上の時間をとり、紛糾することを避ける。そうして一応本会議において代表的に質問をし、質すべき点を質し、そうして了とせられる向においては、各種委員会において各般審議が進められるとこういう態度をとるべきであろう。こういうことを考えておるのであつて、何ら私としては衆議院を拘束し、制約し、或いは侮辱し、軽視する、そういう意図はいささかも持つておりませんので、この点は念のために申上げておきたいのであります。
  38. 相馬助治

    相馬助治君 加藤君の反対意見を聞いていて、この小笠原君が緊急質問をしたいという点については、緊急質問すべき筋のものでないと言つているのか。緊急質問するに値いするのではあるが、この際やるべきではないと言つているのであるか、はつきりいたしておりませんが、私はこの小笠原君が出した緊急質問は、他院のきめたことに対して、その真相を追求するとか、結果をどうこうと言つているのではなくて、それに連関して起きた政府態度を聞きたいというのである。これはどうも緊急質問に値いする内容であろうと思います。  ただ問題は、こういうことが今まで先例もなく、而も又小笠原君のあと説明でわかつたのだが、予算委員会を初めとして、どの委員会においてもこの問題が、即ち政府態度はつきりしない限りにおいては審議に移らないというような事態が起つて来ることが予想せられるならば……。
  39. 加藤武徳

    加藤武徳君 それはあり得ないです。
  40. 相馬助治

    相馬助治君 そういう弥次がいけないのであつて、あり得るのです。一会派から協調を求められているのです。自由党は、だから私は不勉強だと言いたい。小笠原君からこの種の問題が出たらば、私はこれは自由党、与党自身が、その責任において小笠原君と交渉をして、何を意図しているのか。これはどう取扱うのか。こういうデリケートなことは理事会ぐらい開いてやつてもらいたい。第一の小林亦治君の問題でも、私はこの問題は微妙であるからと、自由党に今日話に行つている。あなたは居ないじやないですか。私が非常に議論しているときに、さようなることはあり得ないと。あり得るのです。すでに、小笠原君の会派では知らないけれども、私はある会派から、予算委員会でこの問題についてやりたいから、あなたの会派も同調してくれという話が来ている。だから我々はそういう問題に同調するよりも何よりも、これは議運において相当話合わなければならないという態度を持つておる。加藤君、私は声を荒らげたけれども、先ずこの問題は微妙であつて、これを、質問を許すか許さないかということは、私の肚はきまつていない。私はこれに賛成しようという意図はまだ持つていない。本会議でこれを取上げるべきだということについても、私は確信を持つていない。併しこういう緊急質問が一会派から出たからには、これに対してどう取扱うかという、議運においての取扱い方が非常に問題であろうと思う。  従つて私は加藤さんに聞くことが、二つあるのです。一つは、自発的にこの問題について官房長官あたりが議運等において出て、了解をしてくれというような話が、発言する意図があるかどうかを政府与党である自由党ではすでにお聞きになつてあるかないか。ことはまあ恐らくないと思いますが、所府自身も、それらのことは忙しいからなかなかできないと思うけれども、あるかないか。  第二点は、小笠原君のこの緊急質問案件は、緊急質問に値しないとおつしやつているのか。又この緊急質問に値するけれども、本会議で取扱うべきでないと言つているのか。これを一度承わつておきたい。  こういうことで揉むことは誠に迷惑です。
  41. 加藤武徳

    加藤武徳君 今日の案件の第一の問題に関して、只今相馬君の御発言なすつた点、これは我々も了承いたしておりまして、私はたまたま衆議院との交渉で私席にはおらなかつたのですが、趣旨はよく了解いたしております。  それから只今質問になられた二点の第一ですが、これは私たち政府とはこのことに関しては何ら話合いをいたしておりません。
  42. 相馬助治

    相馬助治君 わかりました。
  43. 加藤武徳

    加藤武徳君 併し、幸い、官房長官が御出席になつておるのだから、若し長官から発言があるというなら話は別個です。この点は全く話は別個であるということを申上げておきます。
  44. 相馬助治

    相馬助治君 そういうことは聞いていない。
  45. 加藤武徳

    加藤武徳君 それから緊急性はあるが質問に値しないというのか。さもなくんば緊急性がないというのか、というその点の御質問であります。
  46. 相馬助治

    相馬助治君 緊急質問に値しないとして反対しているのか。緊急質問案件としてはこの通りだと思うが、取扱い上本会議でこれをやるのは困るといつて反対をしているのかわからないのです。あなたの論が。だから小笠原君から、まるつきり食い違つておるということを言われておるのだから、私は焦点を合わしてくれと言つておるのです。
  47. 加藤武徳

    加藤武徳君 緊急性の有無に対しても我々議論があるし、仮に緊急性があるとしてもこのようなことを参議院の本会議で取扱うということは適当でない。こういう見解を持つております。
  48. 相馬助治

    相馬助治君 わかりました。
  49. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 今の小笠原君の御質疑、非常に御尤もな点がたくさんあると思います。けれどもただ根本について考えまして、今度のこの事件なんかは、新聞の論調を見て御承知でしようけれども、これは君子の争いと見ておるものは殆んどないと思つております。そういうふうな情勢でありますので、衆議院において起つた事件に、更に参議院も又巻き込まれると、非君子の争いに巻き込まれるというふうな印象を世間に与えるということは、参議院としても決して適切なことじやない。  併し小笠原君の言われたような、今度の法案審議その他について、一応政府意図その他を知りたいということはこれも御尤もだろうと思う。それでこれはなかなか普通の政策についての緊急質問というよりも問題も微妙でありますし、さつき相馬君のお話もあつたのですが、むしろ理事会あたりで、微妙な問題だから十分話合つておくべき問題じやなかつたかというようなこともありますので、これを私はもう一度、そういうふうなことでよく肚を打明けて話をして参議院として一体、余り政党政派の争いに巻き込まれたくない。殊に緑風会はそういうことを考えておりますが、そういう趣旨から、こういうふうな問題について、こういうことを本会議でやることが適切であるかどうかということ等もよく話合つてきめるほうがいいのじやないかというような気がいたしております。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 政党の争いた巻き込まれたくないということでありますが、その政党の争いに巻き込まれたくないということは、政策を中心としないいろいろな紛争に巻き込まれたくないということだろうと私は考えまして、その点はその通りであろうと考えます。  私の緊急質問の問題は、それら政策、政争の具に資するという意味合いを持つておるのではございません。今日あの事態が起つて以来、その起つた導因というものは、自由党内部のいろいろな内紛ということから結果として生じたことでもございましようが、それは一応おくとしましても、最近の新聞等において、解散か総辞職か等々の政局不安を伝えることしきりであります。こういう事態の場合に、本議場において、参議院としても、国会として日本の政治を担当するものの責任の立場から、政局に亘る問題について緊急な質問をするということは、これは当然許されることであつて、政策面に亘らなければ緊急質問はできないというような前例も未だ曾てないところでありますから、従つて少くとも私の申上げたいのは、政府はこの際所信を明らかにせられなければいかんことであろうと考え、少くとも官房長官談話による議員内閣とは関係がないものであるから内閣としては云々というようなことを言つておられても、やはり真相がどうであるか私にはわかりませんけれども政局不安を伝えることしきりであります。今日においてこそ、政権担当者からその所信も表明頂いて、そして参議院各種運営に資するということほど重大なものはないとさえ私は確信しているのであります。又そのことが議場を使つてやることができないというようなことは、これはあり得ないことである。過去においても幾多こうした問題は当院において起つた問題等においてもあつたわけで、従つて私としましては、少くとも自由党においては議場でそういうことをぶたれては困るというような状況については、私はわからんものではないが、併しこれを阻止して、ただ抑えて、そして今後の運営を完璧にして行きたい、こういうことであれば、これは片面だけの主張であつて、何らそこに納得の行く裏付というものが見出されない。そういうことでは、今後各般な紛争が参議院そのものの中にまで入つて来ることを私は恐れる。  従つてあなたのほうで、本議場でそれはやられることは困るけれども政府所信を聞こうということであるならば、その聞く機会は、明らかに委員として聞ける態度でこれは持つようにして、それで一つ勘弁してくれないかとか、或いはそれで了承せいと。こういうような各種意見でも出るならともかく、ただ単に反対々々で、私の主張、我が会派の主張に対して、それだけで防ぎ切れるものだと思つたら、それは大間違いである。議場でやらせないとなれば、各種機会をとらえて、この問題は起つて来る可能性がある。いつか一度はこれはけりを付けるような形になつて来る。これは一応の政府との質疑が行われて、そうして本日から予算委員会等も、自然に第一歩を踏んで来るようにすべきであろうと、私はそう思う。それら一切も何も持たないで、私は反対でございますということだけ言つたつて、全然それは問題の解決にはならんのである。先ず、少くとも緊急性ありということであれば、我が会派の主張であり、本日やりたいということであるから、これはお認めを願いたい。又これを認めることができないということであるならば、総理に、こういう問題について一応尋ねる機会を与えるというようなことででも、代案でも持つて来なければ、全然この問題は話のけりは付かんことになるというところまで匂わせておるわけなのである。
  51. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 緑風会さんから先ほど衆議院の争いは君子の争いとは国民は見ていないようだ。そういう争いに参議院も巻き込まれるのは好ましくない。こういうような御発言でございましたが、無用な争いの中に巻き込まれることは注意しなければならないと思いますが、参議院の本会議の意思決定として、ああいう新らしい事態が起つたということは、これはともかく認めざるを得ないと思うのです。  そこで我々はこれから参議院において審議を続けて行くに当つて、全くそれと無関係には私は、審議というものは続けて行かれないと思う。私は具体的に二問を発します。第一問は、社会党右さん並びに自由党さんにお伺いいたしますが、それは小笠原君の緊急質問は、緊急性は一応認めるが、本会議で取扱うような性質のものではない。そういう意味の御発言があつたと思いますが、うちの会派としては、飽くまでもこういう前古未曾有のこういう事態に立至つた以上、これから参議院審議を続けて行くに当つては、政府の責任ある所信というものを一応承わらなければ、参議院審議の車はうまく廻わらないのじやないか。具体的に申上げて、本日予算委員会が開かれますならば、必ずや予算委員会においても、こういう問題が出て来るでありましよう。従つて一応所信をともかく聞いて、それから車を廻わすことが最も能率も上り、妥当じやないか。こういう立場において緊急質問を出しておるわけですが、本会議で取扱うのには適当でないとお考えならば緊急性をお認めなつた以上、他に代案を持つていらつしやるのかどうか。その点が質問の第一点。  第二点としてお伺いいたしたい点は、これは我が院の議院運営委員長としての寺尾委員長にお伺いするわけですが、いわゆる五大重要法案審議するに当りましても、吉田総理が本会議出席されるというと、その法案が当該委員会にかかつた場合に、吉田総理としても一々出席しなくて楽だろう。ところが重要法案が本会議にかかつた場合に、その答弁に吉田総理がおいでにならないというと、当該委員会法案審議する場合に、必ずや総理出席というものが要請されるであろう。従つて重要法案審議する段階になつて総理は時間的に非常にお困りになるのじやないかということを私は議運の理事会でも発言したことは皆さん御記憶だと思うのですが、あの五大重要法案質疑応答の段階において総理が御出席になられたのは、警察法のときだけです。それ以外はおいでになつておられないわけです。そこへ持つて来て、今度、ともかくも厳粛なる事実として、衆議院においては懲罰事案として懲罰委員会に付託するということが決定されたわけです。そうなりますと、恐らくこの愼重審議が行われるでありましようが、その段階において総理懲罰委員会に必ず出席されるだろうと思います。又私たちは本院を運営するに当つて、向うの懲罰委員会総理出席されることができないような、そういうスケジユールも組むわけにも行かないと思います。そこで、多少具体的に申上げると、予算委員会にもおいで願わなければならない。或いは学校職員法の場合にも総理においで願わなければならん。或いは恩給法、スト規制法、或いは独禁法、こういう重要法律案質疑応答に、総理が本会議に出られていない以上、当該委員会において審議する場合にはおいで願わなければならんわけです。従つて衆議院懲罰委員会のスケジユールですね。これを総理出席を要求された場合に、両院のそれぞれ必要な委員会出席されるようにスケジユールを組まなければ、参議院の今後の重要法案審議に非常に私は支障が来ると思います。そういう意味において、参議院の議院運営委員長は、運営委員長として、絶えず衆議院側と連絡をとらるべきじやないかということは、先ほど緑風会さんから意見がありましたが、ただ紛争に巻き込まれるということでなくて、これに無関係参議院審議は進めて行かれないということを私は申上げているので、この点に対する議運委員長の御意見を聞きたいと思います。
  52. 相馬助治

    相馬助治君 矢嶋君から、私の会派態度というか、私の言つたことを聞くというお話ですが、少しおかしいと思う。  私さつき言つたのは、加藤君の小笠原君に対する反対の論拠が不明だから聞いたので、私はこれは緊急質問案件に値いするとか値いしないとか言つていない。併し折角の……。(「緊急性があると言つたよ」と呼ぶ者あり)最終的なことを言つていないのですよ。それで私は、その取扱について言つていないのです。  この問題が、私にしてみれば少しおかしいと思うことは、これは他の緊急質問と違つて、特にこの影響するところ広汎なので、本来ならばこの種の問題は、私ども会派としては国会対策委員会においても役員会においても、一応議を練つて議運出席して来る。そうして私どもの、そういう正規の会合においての今までの段階では、左から突如としてこういう緊急質問が出るということは、全く予想しなかつたのであります。而も小笠原君のあとで言つた説明を聞くと、何か代案があるならば別だということで、もう緊急質問の要求をして、同時に何か妥協案を出しそうなことをおつしやつておる。これはそういうふうな極めて微妙なことだから、これはうちの会派態度をどこまでも聞かれるとするならば、この取扱について理事会等でも持つてやるほかあるまい。こういう意見なのです。従つてこの代案がどうだこうだということについての、今の質問その他については、私ども会派では何も考えておりません。ただこの取扱を慎重にしろと言つているんです。
  53. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 私はさつき縁風会の……(「質問に答えなさい」「質問に答えないで、委員長はどういう手続で発言を許すんだ」と呼ぶ者あり)    〔赤木正雄発言の許可を求む〕
  54. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 赤木君は議事進行ですか。    〔「質問が完了しないうちに議事進行なんということで取り上げて、そういう議事法がどこにありますか」「そんな馬鹿なことがあるか」と呼ぶ者あり〕
  55. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 赤木君    〔「待て、何ですか。規則だけ守つて運営しなさい。質問が出ているじやないか質問が、」「質問に答えないでも、議事進行では許しているじやないか」「質問に答えなさい」と呼ぶ者あり〕
  56. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 赤木君に発言を願います。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 この緊急質問は、成るほど考える点もあると思いますから、時間もたちますから、やわらかに、一応私は理事会で、こういう緊急質問に対してどうするかということを、議事進行の観点から、理事会でお諮り願いたい。もうすでにだんだん時間もたちましたから、あらゆる観点からそういうふうに御処理願いたい。こう思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の質問に答えて下さい。
  59. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ず質問に答えられて、そうして議事進行をどう扱うか処理して頂きたい。一応質問質問として完了しておいて頂きたい。
  60. 加藤武徳

    加藤武徳君 先ほど矢嶋さんの御質問は二点あつたんですが、第一点の代案があるかどうか。この点に関しては、今にわかに発言する材料も持合わせておらず、幸い理事会が開かれれば、そこで私はいろいろ議論を申上げたい。こういうふうに考えておるわけです。  第二の点は、委員長に対してでございまするから、私どもは遠慮いたします。
  61. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 矢嶋君の只今私への御質問は、予算案参議院審議せられるようになつた。或いは五大法案に対するものも、参議院がこれから各委員会において重大法案として審議をして行かなければならん。こういう際に、総理出席等に対しては、十分政府並びに衆議院とも連絡をとつて行くべきじやないかということでありますが、勿論お説の通りであります。  従つて、そこで本委員会を開会するにつきましても、今後はこれは当然でありまするが、委員各位の総意に従つて私はこれを運営をして行くのでありまして、而もその委員各位の御審議に当つて、でき得る限り私の微力において支障なからしむるという方針を堅持して参りたい覚悟でございます。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで私は、重要な法律案を抱えておるわけでありますが、その審議をできるだけスムーズに進めて行きたい。そのためには委員長におかれて、衆議院懲罰委員会の今後の審議日程を連絡調査しておいて頂きたい。それに基いて本院は、各委員会の今後のスケジユールを組むと思います。
  63. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほど相馬君は、私が何か妥協するような話を、付度して言つておりましたが、人のことは勝手に言うていいことですが、私の真意は、ただ単に反対ということでは納まらないので、これをどうけりをつけて行くかということについて、代案等いろいろ意見というものを言わなければ話合いができないことなんだからということを加藤君に対して言うておるわけであります。従つてその話合いによつては、我々としてはこれを主張する問題もありましようし、或いは考えるという問題もあろうと思います。何らそういう段階に立至つておらない。ただ私は赤木君が理事会でこれを愼重に云々したいと言いましたが緊急質問は従来の慣行において、理事会等で愼重にということを言つても何をやるのか、その例を私は知らんのであります。その会派が主観的に、これは緊急性ありとして出て来たものについて、それぞれ議論があり、その会派の事情も認め合うということで、先ほどのように相馬君から出ております小林君の問題についても、情理合せてこれを決定しておるわけなのです。而もその場合には、相馬君は何ら私のほうの緊急質問については態度はきまつていないとは言つたけれども、そのときの論議の過程においては、一緒にされることは困るから一応は切離してもらいたい。切離してもらつてきめられた上で、小笠原君の問題については、私としてはやつて然るべきであろうと思う。けれども、一応は切離してもらいたい。こういうふうに態度は表明してあるのです。それを又とやかく巻き返してお話なさつて頂くことは誠に迷惑なことで、けれども、私はそういう言葉尻はとらえません。今始まつたことではないから……。そこでこの議事進行については、そういう理事会でやるという例が出ますと、得てして緊急質問は理事会でということになる形になるのですが、そういうことについて、提案しておられる縁風会さんとしましては、縁風会さん自身の真意として、この問題はどう扱われるのが至当であるとお考えになつて理事会に廻わそうとせらるるのか。これは提案したところの側の御意見がしつかりしておらないで、まあそこに廻して一応話してみよう。白紙でやろうじやないか。こういうようなことであれば、これは遺憾なことです。悪例となる。緊急質問の扱いにおいて、我々手に余ましてしまつて、ここで扱い切れないで理事会に廻つたなんということでは、誠に私たちとしても不本意なのです。で、縁風会さんとしてはこの点についてはどういうふうに処置せらるるようなお気持だかお伺いしたいし、この際、私も七重の大膝を八重に曲げて、「長い間私も議運に出ておる、一回だけは緊急質問をしたいのだが、今回こんなもので質問することになつたので、大変不承知なところであろうが、是非一つよろしくお願いしたい」と言えば、そういう情から、一生懸命言われれば、これは冗談話ですけれども、縁風会さんとしても、それは駄目だとは言いかねるであろうと思う。さつきからの例から言つても……。併し私はこれは冗談話として言うことだが、少くとも理事会に持つてつたらこういう私が先ほどから基本的に言うておる、政府所信が明らかにせらるる措置をとることについては御異存があるのかないのか。そういうことはやめておけ。黙つていて参議院運営をやつてつたほうがいいというのか。或いは一応基本的には、聞く点は聞くこととして事を進める。その聞くということには各種機会があるとしても、そういう態度をとるのか。この点は一応聞いておかないというと、前例の一ないことでありますから、私としては院の運営上、必ずしも賛成できないのです。  それで、まあ重ねて平たい言葉で申上げたのですから、平たい言葉でお答え願いたい。
  64. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 私のほうでは、理事会ということは、私の先ほど申上げたように、今度の問題について世間が国会を見る目必ずしも香ばしくないので、従つて殊に参議院としてなお更、今後の審議については愼重を期さなければならん。我々のほうでも、行動は最も愼重を期して、国民に対して国会はふしだらだ、変なものだというような印象を与えない必要がある。そういう際にこういう問題をいきなり取上げますと、こちらはそういう意思は毛頭ないにもかかわらず、国民側では、それをやはり色目で見て、いい印象を与えないことがあつては、参議院のためにとるべき方法ではない。併しながら小笠原君の、今後の審議を進めるために政府態度を聞いておくことが必要だと。これも御尤ものように私は考えます。併し取扱い如何によつては、先ほど私が心配したようなふうな印象を世間に与えてはならないので、取扱いの愼重を期する上において、理事会でよく相談し、微妙な問題ですから、そうしたらよかろう。こういうことでありますので、緊急質問は、理事会で決定するということは、今まで小笠原君の御発言通りなかつたかと思います。又これを前例にして、今後すべてのものを理事会でというのではありませんが、今申上げましたような国会立場国民国会を見る目ということについて、非常に今日は微妙なところにありますから、特別中の特別として理事会でこの取扱い方を慎重に話合つた上でやるほうがよかろう。  こういう趣旨なのであります。
  65. 相馬助治

    相馬助治君 私の先ほどの言葉に言及して、小笠原君から話があつたのですが、私はこの緊急質問はやるべきでないというような議論一つもしていない。  ただ問題は、小笠原君の発言にもあるように、政府考え方が何らかの方法で本院に反映するような方法があるならば別だ。こういう話があつたから、それは一つの、言葉を換えて言えば妥協だ。或る程度の方法論的には妥協する用意がある。こういうふうに了解することはこれは当然なことで、そこで私としては、その方法としては緑風会が言うたことと同じことになりますが、理事会においてその具体的な方法を取りきめて、そして小笠原君がこういう要求をしておるその趣旨も達せられるように持つて行くべきであろう。こういう立場から意見を発表した。ただ私として甚だ迷惑であるから再言しておきたいことは、先ほど申したのは、自由党に対して、この種の緊急質問は、この会議に来たら初めて知つたわけではあるまい。だから当然政府与党として、もつとこういうことについては細密な具体案をきめて、よくやつてもらわなければ困る。こういうことを言うたんです。それに対して質問があつたから、言葉がこうなつてつたんです。  結論的に言いますれば、私は緑風会考え方に賛成です。
  66. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 只今の杉山君又相馬君の意見で、政府所信を質すということについては反対ではないという態度が明白になつたわけであつて、取扱いの方法を、緑風会としては、国民の目というものを恐れると申しますか、国民考え方というものを背景にして、愼重に扱いたいという考え方は私も尤もであろうと考えて、その点は同感でございます。ただ我が党の主観的な立場は負います。国民の輿論ということについては、これは分析の仕方が違うので、その点は言及いたしません。  そういう状態であれば自由党のほうにもお尋ねしますが、その理事会というものにおいては、私の申上げた趣意が政府にも伝わり、政府においても所信が表明できるという機会が与えられるということについては御納得頂いておかないと、理事会になつてもこれはいろいろ紛糾することでございましよう。ですから、この点については、参議院としてはそれは方法の上では幾多のことがあるだろうが、私が最初申上げておる通り、我が党の立場に立つて、党派の立場に立つて主張してこの問題は来たのでないので、院全体の運営に客観的に影響するものが大きい。こういう政局不安の時代であるから、院として政府立場を問おうとしておる趣意なのでありますから、杉山君なり相馬君なりの意見に賛成して特にの中の特例として、理事会で取扱いを研究するということに賛成いたします。ただ自由党さんのほうにおいて疑義があつて、理事会になつて、もとのところから不同意、不承知だということで巻き返されるというと却つて困るので、そういう場合があつては困るから、自由党さんのほうの意見も伺いたいし、そういうことがまとまらんというような状況であるならば、一つ緑風会さんと相馬のほうにおいて、理事会においても自由党を納得せしめてやつて頂くように、一応下駄を預けて、賛成いたします。
  67. 松浦定義

    ○松浦定義君 私、ちよつと遅れて参りましたので詳しいことはわからないから、或いは間違つたことを申上げるかも知れませんが、今小笠原君から、緊急質問についていろいろ御意見があつたようですが、緊急質問として出ました限りでは、今までの緊急質問といたしましても、他の会派は必要でないと言つても、その会派の特殊性によつて必要がある場合があつて、了承して参つたのですが、今回の場合は、会派とか何とかいうことでなく、今小笠原君の言われたように、参議院立場ということも相当含まれておるようでありまして、実は私のほうの岩木委員はすでに予算委員会においてこの内容を質したいということすら言つておるわけであります。併しながら私どもは本会議において云々ということは、今考えてはいないのですが、今ここへ出て参りますと、今小笠原君から案が出ておりますので、私はこの内容を見て参りますと、議員としての吉田茂対の質問であつて総理大臣としてではないが、及ぼす影響というものは非常に大きい。併し参議院としてはできるだけこういうことにはタツチしないで、例えば衆議院懲罰動議が可決されて、その結果がどうなるのかということ、その結果を見通した上で或いはやるのが参議院立場であるかも知れません。併し今予算委員会、更に重大法案審議する上において、これは重大な支障を来たすので、こういう緊急質問が出たと思うが、私はその前に、本当に参議院というものを重要視されておるならば、政府は取りあえず予算委員会においても、或いは本会議においても、この種のことについて何らかの形で、私は参議院に対する話合いがあるべきだと思う。緊急質問が出る前に政府参議院に対して衆議院においては吉田茂そのものの懲罰動議が可決されたが、及ぼす影響総理大臣として政府としては重大問題であるから、今後の法案或いは予算審議の過程において、いろいろ支障がありましようけれども、こういうわけでありますという話があつてもいいと思いますけれども、幸い官房長官も見えておられますので、私はそういうような気持があるかないか。若しどうしてもそういうことがないとするならば、こういうことは参議院としては、異議なく了承いたしまして緊急質問は堂々とやるべきだと思います。  この点官房長官にお伺いいたします。
  68. 千田正

    委員外議員千田正君) 議事進行について……。  今の松浦君の質問があつたのですが、特に私がお伺いしたいのは、今の理事会が済まなければ、予算委員会或いはその他の委員会は開いてはいけないという建前で行きますか、どうなりますか。
  69. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 無論、私はそういう考えを持つて提案するのであつて、各委員会で、各個ばらばらに総理出席を求めてやられたのでは、政府も迷惑であろうし、又議院としても統制がとれない。従つてここ一時間や一時間半遅れても、この問題はきれいに片をつけて、そうして歯車を廻して行くほうが私はいいと思います。この問題を紛争の種にしようとは、私はさらさら考えておりません。
  70. 千田正

    委員外議員千田正君) そうであつたならば、早急に皆さんの御意見が一致したならば、理事会を開いて、各委員会は待機の姿勢でおりますから、運営のスムースに廻ることを希望いたします。
  71. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) そうすると、小笠原さんにちよつとお伺いしますが、この理事会は直ちにやることとし、本会議は、先ほどの小委員会できまつたように、すぐに始めるというあれですか。
  72. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 緊急質問が決定になりますと……、これは可能性は両方あるのですから、この緊急質問が決定になりますと、本院の定例の事の運び方として、その当日の日程の最初に載せるのでありますから、その議がきまらんうちに本会議は開かないという建前で理事会を開いて頂くことは当然であります。
  73. 加藤武徳

    加藤武徳君 今日の本会議日程は、すでに組まれておるのですし、先ほど委員会できめられました案件はそのまま進めて、そうして今日の本会議に間に合えば、勿論緊急質問を上程するということは考えられますが、それとこれは別個に、本会議をお進め願いたい。
  74. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この問題は、本日の本会議で行うことを要求し、そうして事務当局からもお話がある通り、これがまとまれば日程に組み入れるということを了承して議運が始まつておるのであります。そうしてこれは私の要求案件は、留保せられたものではないのであつて、継続してこれは審議の過程にあるものであつて、途中の段階で理事会を行うのでありますから、その理事会の結論を待つて、本会議についてはやつて頂かなければなりません。  そうでない限りは私はこのことをここで決して、本会議を開いて頂かなければなりません。少くとも、本日以後の参議院運営に関して、この問題について一応の結着をつけて私は進めたいと考えておるので、そのことのほうが、政府与党としても却つて歓迎しても然るべきだと思うのです。だらだらしないで、こういうことはきちつとけりをつけて、そうして話合いのつくことはつけて進めるべきであろうと思うのであります。参議院のほうに問題が移つて来て、初つぱなから私は、こういう問題で自由党と激突しようなどと考えておるのではなくて、そのことのためにも、私は一個の党の立場に立つて主張することをしないということを再三申上げておるのであります。まして本会議が本日一時間か二時間遅れることによつて参議院運営全体に支障を来たすとか、或いはそのような法案があるということもないのでありますから、順序を踏んで、手続をとつて結論が得られるようにして頂きたい。  これは委員長に特段に要望しておく次第であります。
  75. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 只今小笠原君の御意見、又これに対する自由党の意見がありましたが、この際、緑風会並びに社会党第二控室の御意見を聞かして頂きたいと思います。
  76. 千田正

    委員外議員千田正君) 議事進行について……。  私はこういうことで時間を費やすことは甚だ不本意だと思いますから、議運は一たん休憩に入つて、理事会を開いて、そうして再開をして、早く本日のスケジユールを廻して頂きたい。
  77. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 只今千田君の御要望のようにいたしたいために、御意見を聞いておるわけです。
  78. 赤木正雄

    赤木正雄君 結論といたしましては、やはり理事会を先になさらんと私はいかんと思います。
  79. 加藤武徳

    加藤武徳君 先ほど主張いたしましたが、小委員会は一応話が完全にまとまらなければいけないのですから、先ほどの私の意見を撤回いたします。
  80. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) では本委員会は、暫時休憩をいたしまして、直ちに理事会を開きます。    午前十一時十九分休憩    ―――――・―――――    午後一時二十四分開会
  81. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 再開いたします。  先ほど小笠原二三男君の緊急質問の問題を如何に取扱うかということにつきまして、理事会を開会いたしました。その結果を御報告申上げます。小笠原君の本会議における緊急質問はこれを取下げられて、当議運委員会吉田総理出席を求め、同君より質問をすることに決定をいたしました。  御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 木村守江

    木村守江君 私ちよつと、あの理事会の決定は、先ほどいろいろ論議れましたように、小笠原君の緊急質問は、これは小笠原君が緊急質問をしない場合には、各委員会等でこのような質問が繰返されて、委員会の議事の運営上非常に困るだろうというようなことから、ほかの機会にこういうようなことを取上げないように緊急質問をするのだというようなことで、勿論本会議で、こういうような論議をしないのだというような前提の下に、論議されたのではないかと思うのであります。  私ども会派としましてはこの問題につきまして、緊急質問をすること、並びに議運吉田総理を呼ぶこと等に対しては、終始反対して来たのでありまするが、理事会の意向が、先ほど申上げたような前提の下にきめられたのでありますが、実際問題として、本会議で突如としてああいうような質問がなされまして、この問題について吉田総理が又ここへ出て来て、いわゆる政府態度を述べるということは、実際問題としてもうこれは済んだんじやないかというように考えられますので、この点再考をお願いしたいと思います。
  83. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 木村君に伺いますが、それは自由党の態度として先ほどの理事会の決定を覆えそうということで御発言になつておるのですか。木村さんの個人の御意見ですか。  私は本会議場において、如何ようなことがあつたかは知りません。私は緊急質問を出している会派を代表し、そのことの扱いの結論として、こういう問題が出たので、私は又そういう仲介を、何だかんだということは真平御免なんです。理事会は、理事会で決定し、本会議は本会議として併行として一時から議運を開いて総理を呼ぶということになつておるのですから。第一、理事会の決定をここで、そのことについて各種論議をして来たものを議運に持ち帰つて報告の形式を以て了承ということになるので、それを又異議を申立ててもみ返す。まあそういう例は、私たちのほうこそ使いたいところなんだが、あなたのほうから、そういうことを言うのは、これはお控えになつたほうがいいだろうと思う。先ず、そういう瑣末な手続上、どこでどう聞いたからどうのこうの、私の希望としていることの緊急質問内容と、誰かが聞いたことが合うの合わんのというようなことは、私は非常に迷惑で、そんなことはもう問題外です。私の緊急質問の問題について結末を付けて、結論が出ておるのですから、その方法を以てやつて頂きたい。  我々も再三繰返して申上げておる通り、このことをいわゆる政争の具に供そうというような意味合いを以て質疑を展開しようという気持はいささかもないのです。而も短時間のところで用は済むし、家質的には、私は官房長官に質して、官房長官を以て代えてやつて行こうと、今朝からあの取きめから肚がきまつておるのです。まあ適宜措置して、進行して頂きたい。
  84. 相馬助治

    相馬助治君 もう理事会の決定は、員員長の言われた通りです。  ところが、議運に先んじて本会議が開かれて、そこで我が会派の波多野君から突如としてああいうふうになつた。これは会派内部の問題でありますが、議運の私としては予想もしなかつたことで甚だ迷惑をしておる。これとそれとは別で、やはり議運の理事会の決定の線というのは、明らかに一致しておるのです。従つてこれは木村さんがそういうことをおつしやるけれども、これは小笠原自身が、突如として行われたあの質問で全部聞きたいことが含まれておるから僕はやめるのだとでも言うなら、これは又問題は別だが、併しそういう筋から言うと、そういう小笠原自身が、辞退することすらもできないという段階と思う。理事会は決定しておる。従つてこれは我が会派の一人から、ああいう発言があつて木村さんのような発言の幾分の余地を与えたというようなことだと思いますが、話の筋は全く違うので、理事会決定の通り進められんことを私は希望いたします。
  85. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 只今小笠原君のお話の中に、自由党の私を指しての御質問でございましたから、私からもお答え申上げます。  只今木村君が申しましたのは、理事会以後のことについて、ああいう状態がありましたので、それを申上げながらお話をしたと存じますが、私理事会の決定は、只今相馬君のお話通りに、午前中の理事会で決定しておる。若しこれを変える場合には、又理事会を開いてその上で御相談しないと変えられないと思いますので、理事会の決定は、その通りに存じております。
  86. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは、理事会の決定を御承認賜わつたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 議院運営委員会の理事会の御決定に嘴を挾むわけではありませんが、理事会の申合せを委員会で御決定になる前に、若し許されまするならば、発言をいたしたいと思いますが、よろしゆうございますか。
  88. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御異議ございませんか。
  89. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、官房長官としては誠に言いたいという気持は十分わかりますが、院の決定、院の運営に関して議運が採決の段階に入つている場合に、行政府のかたの発言は控えて頂きたいと思います。これは止むを得ないことで、運営上のしきたりとして、さようお願いしたいと思います。(「異議なし」「進行」と呼ぶ者あり)
  90. 安井謙

    ○安井謙君 それは木村君がさつき提案したのは、一つのとに角、問題にするしないにかかわらず、新しい事態が一応あつたから提案したのであるし、その問題と関連して、今草葉君の答弁もあつたのです。そういう問題は、理事会の決定通りの事情とも違つた要素もあつたというようなこともあるのだから、この際一応、官房長官の話を聞くということは、これは皆さん認めてもらつていいのじやないかと思います。
  91. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは、議運委員長官房長官も、それぞれ立場が苦しい点はありましよう、そのことは十分承知しております。けれども、再三念を押し、草葉君からも自由党を代表する御意見があつて委員長の採決の段階になつて来てから、その発言の中途において官房長官発言を許し、その内容がこの決定に対して影響を与える与えないは、それは各人の自由でありますけれども、そういう段階において立法府の一委員会の決定の場合に、行政府のほうの発言はお差控えを願いたい。こういうことを申上げておるので、事情は私としても重々諒とする点はあるけれども、正規にやる場合には、委員長としても止むを得ないこととして、それは認める点は認め発言を許す点は許すとして、考慮される部分は、我々の側において考慮して行くことにします。
  92. 松浦定義

    ○松浦定義君 理事会の決定は了承されましたし……。(「まだだよ、それを諮つているのだから、ちよつと待つてくれ」と呼ぶ者あり。)
  93. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 今、私は理事会の決定をここで皆さんの御異議のないものとして、ここで私が宣言をいたしましたのでございますから、理事会の決定は、すでに決定いたしたわけであります。速記録をお調べ願えばわかることであります。
  94. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならば結構です。
  95. 松浦定義

    ○松浦定義君 議事進行……。  決定によりますと、一時から開会ということになつておりますが、すでに三十五分間ここに待つておるわけであります。従つて総理大臣出席がないということで、相当の時間が経過したのですが、総理大臣がなぜ出席されないか。その間の一つ中間報告をして頂きたいと思います。
  96. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は中間報告というよりも、只今の時刻において正規の議院運営委員会として決定したものですから、直ちにその措置をとられるようにお願いをするのと、その措置如何によつては、改進党さんのおつしやるように中間報告を承わりたい。今までの段階は、私は内交渉として交渉せられておつたのでございまするが、今からは正規のものでございますから、出席を求めて頂きたい。
  97. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 今、委員会としての御決定がありましたが、総理大臣懲罰事犯につきましては、すでに衆議院懲罰委員会に付議されまして、今日第一回の会議を開いたような状態でありまして、総理大臣をここに御召喚になりましても、先ほど本議場に述べたこと以外に、委員会のこの懲罰事犯に対する政府の見解或いは懲罰動議に対する見解ということは、総理としては言うことはできない。それだけに理事会の申合せの趣旨がどこにあるか知りませんが、それは総理として仮に委員会の決定に基いて出席いたしましても、先ほど本議場で申上げた以上のことを申上げるとが不可能な状態にあるということを私から申上げて、できますれば、何らかの便法を講じて頂きたい。  かように考えます。
  98. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 官房長官は、官房長官立場に立つて政府の内部の統制をとられる立場として、そのお話は一応わかりますが、総理大臣総理大臣として、人格を異にしておるのでありますし、私の質問内容については、まだ不明なのでございまするから、答え得るか、答え得ないかは、本院の委員会に出て来て質疑があつて実証せらるることでございますから、事前にそれだけの答しかできないという弁明を政府から聞くことは、私としてもそれは誠に迷惑なことである。できないならできないでもいいが、私はそういう手続だけはとつて、一応のけりをつけてもらいたいと思つておるのです。
  99. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 補足的に申上げますが、予算委員会等におきまして、他の質問の間に、この衆議院予算委員会における総理大臣発言について御批判があり或いは質問があり、それに答えることは勿論すべきであると思いますが、その同じような総理発言内容、或いは心境等につきまして、参議院の議院運営委員会においてそれを申上げなければならない理由、それが十分、はつきりしないと考えます。むしろ予算委員会において御質問を受けたほうがいいのじやないかと思います。
  100. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これはどうも言い過ぎられたようで、それはちつと、私はこれは何か言い廻しのまずい点があつたのではないかという点だけに聞き取つておきますが、参議院の議院運営委員会には、来て質疑に答える理由は見出し得ない。予算委員会等で、関連して質問される点については、答えると。これはもう一度、国会法なり参議院規則なりをですね、御覧頂いてから、見解を表明して頂きたいと考える。少くとも院の運営について、責任を持つておる議院運営委員会にこそ、これは行政府の首班たる方が出て、各種の問題について説明もし、質疑に答えられて、院の運営に資することは、これは基本的な態度なんです。  この点については、私は何か聞き違つたのではないかと思つておるのですが、もう一度御答弁を願つて置くと共に、そういう態度であれば、委員長なり、或いは委員長議長を通じて、総理出席を求めていることについて、あなたは未だ総理出席せしむることについて判断を持たない。そういう手続は取つておらない。こういう態度のようでございますが、さようでございますか。
  101. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 私は、まだその要求を正式に受けていないのでございますが、その御要求があつた場合に、それを拒否し得るとは考えておりません。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まだ要求を官房長官として承わつておらないそうですが、事務当局を通じて正式に内閣のほうに通告して頂きたい。  どうですか。
  103. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 理事会における決定の結果は、内閣の総務課にその要望をいたしてあります。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、私は念のために、理事会の決定というものによつて政府との交渉は内交渉であると。併し本日、ここで議院運営委員会として、理総の出席を要求して質疑をするという決定があつたから、これからは正式のものだから、正規の手続を取つて総理出席を求めるようにという要望を念のため委員長に申上げて置くのです。だから、その後の手続が取られているのかどうか。取られていないならば、ここに官房長官がおられるから、直ちにこれは手続を取つて頂きたい。それから官房長官は、そういう正規の手続があれば、拒否する理由はないと今申しているのですから、その通り手続を取つて、事を進めて頂きたい。  又官房長官議運に対する見解については、私はここで余りこれ以上は申上げたくないので、事の如何によつては、それは官房長官の見解についても承わるが、これは私の聞き遠いではないかと思つておるので、草葉さん、何か話があるなら承わりたい。
  105. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 先ほど小笠原議員の御質問、お考えに対して、官房長官からお話がありましたが、これはいろいろ前からの経緯によつて観点が両方違つておると思いますのでああいうお答があつたと思います。この点は皆さん御了承頂けると思いますので、御了承頂きたいと思いますが、そこで、先の理事会の決定に基いたときの、小笠原委員からの御発言の、いろいろこの参議院運営について大変含みのあるところを小笠原自身考えながら質問をしようとしておられる、あの言葉の中にも、吉田総理が都合が悪かつたら、又他の適当な方、官房長官でも結構ではないかという意味を含んでお話があつておるので、これは一つ、大変将来の参議院運営考えながら、やつておられることと私も考えておる。  従つて、その意味において、一つお取運びを頂きたい。
  106. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、本院においてその運営の中核たる議院運営委員会総理出席を求めることを決定した以上、この問題は形式的であつても、政府はこれに応じて一応の出席はさせなければならん。ここ一年有半というものは、総理出席がないので、各般の問題を起して来ておるのですから、ここでは一応、あらゆる審議を進める重要な第一日なのですから、一応は出席もさせ、そうして足らないところは、官房長官質疑をするという形を以て事を進めるほうが、万事円滑に事が進むと、私はそう考える。  もう今の段階では私の心境は、正直に申上げますと、形式的な点を固執しておるのである。
  107. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御意見もありましたが、只今正式に要望いたしておるので、暫らくお待ちを願います。    〔「暫時休憩」と呼ぶ者あり〕   ━━━━━━━━━━━━━
  108. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) その前に、一つ審議を願いたいのがありますが、大変日にちも少いので、一件、国家公安委員の任命につき本院の同意を求めるの件。  これをお諮りしてよろしゆうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) では、国家公安委員の任命につき本院の同意を求めるの件をお諮りいたします。
  110. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 国家公安委員の任命につき御院の同意を求めるの件につきまして御説明を申上げます。  国家公安委員金正米吉君は、三月六日に任期満了となりますので、再び同委員に任命いたしたく、両議院の同意を求めるため、本件を提出いたしたのであります。国家公安委員は、警察法第五条に規定されておりますように、警察職員又は官公庁における職業的公務員の前歴のない者の中から、両議院の同意を経て内閣総理大臣がこれを任命することになつております。  金正君は、お手許の履歴書で御承知の通り日本労働総同盟大阪聯合会会長、日本労働組合総同盟副会長等に就任し、昭和二十三年三月、国家公安委員に任命され、爾来民主的警察の運営管理に尽力されて来た者でありますので、今回政府において、再び同委員に任命しようとするものであります。何とぞ愼重審議の上、速かに同意せられるようお願いいたします。
  111. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 如何でございましよう。
  112. 加藤武徳

    加藤武徳君 明後日の六日に任期が満了するようでありまするが、本来は会派に持帰つて再び決定するのが建前ではございましようが、各会派意見がなければ、本日ここで御決定を願いたいと思います。
  113. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 六日に同意を与えても支障はないと考えますので、退散後持帰つて相談させて頂きます。
  114. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) では、只今小笠原君の御意見通り、一応会派にお持帰りを願い、六日に間に合うように御決定を願うことにいたしたいと思います。  御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) では、暫時休憩いたします。二時きつかりに再開いたします。    午後一時五十一分休憩    ―――――・―――――    午後二時三十一分開会
  116. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 再開いたします。  吉田内閣総理大臣出席せられました。
  117. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 本日から、本院としましていよいよ予算委員会における予算案の本審査が始まりますし、先ほどの本会議において重大法案の五つのうち、独占禁止法案の問題についての趣旨弁明も伺いましたので、政府の公約しておられる重要法案予備審査等も行われる。院としては重大な段階に立至つたのでございます。  然るところ、一昨日の衆議院における議員吉田茂君、即ち総理大臣でもある方が、懲罰事犯に問われ、懲罰委員会に付せられたということ事態は、院の今後の運営についても政府所信如何によつては重大な影響を与えるものと私は考えます。又そのことから起る政局の昏迷から、新聞紙上等において、総辞職か解散か等々の報道がなされ、国民は斉しく沈痛な思いを持つて、このゆくえを見守つておる段階でございます。そこで私は党派を離れて参議院運営する委員会に参加する一員として、又国民を代表する議員として、この際吉田総理大臣所信の一端をお伺いしたいと考えるのでございます。  先ず第一の点は、今日新憲法による政党政治が確立されているのでございまして、自由党といえども社会党といえども、天下の公党であつて、それは直ちに政党の如何は国政に影響するところが大きいのでございまするが、一昨日の衆議院会議における、ああした総理大臣でもある、議員吉田茂君の懲罰問題が、自由党の内紛から可決せられたということは、これは重大であります。新聞紙上等においては、「政策面等においての争いでなく云々」とありますが、少くとも天下の公党自由党、その基盤の上に立つての総裁、そのかたが、総理としてある身分でありながら、議員立場懲罰事犯に付せられる、その付せられる経過というものが、総裁が統制しておる自由党内の方々の態度如何にかかわつたということ。この点は池田通産大臣の不信任可決の場含にもあつたことで、事ごとに今日の政局の昏迷は、これは総裁である吉田氏の自由党の統制如何が問題の紛糾点になつておるところでございます。自由党のことは自由党のことで任して欲しい。これはむしろ党内のことであるということで、参議院会議で、どなたかの質問のときに総理は御答弁になりましたが、こういう状態の、党を率いる総裁、而も総理大臣が、今日においてどういう心境を以て、この政党のいろいろな紛争が、国政に対して影響を与えているか。総裁の立場においても、総理大臣立場においても、統制して行かれようという御決意を持つておられるのか。その点は公党の総裁であり、その基盤の上に立つ総理所信を承つて置きたいのであります。  第二の点としましては、事、いやしくも議員として懲罰事犯に付されたとしましても、不可分の関係にある総理大臣がこうしたことになつたことは、前古未曾有のことであります。従つて、その委員会の裁定の結果が如何ように決定しようとも、そういうことにまで総理大臣である吉田氏がなつたということについては、国の内外に与える影響は大きいのであります。内、国民に対しては政治の不信を買う。外、諸外国に対しては、日本民主政治のあり方について疑惑を持たれる。こういう点もございましよう。而も吉田総理大臣は、今日の独立国家として出発するに当つて道義の高揚を公約し、御熱心にこれを主張しておられるお方でありまするが、俗に言う風上に置けないというような、そういう結果を生み出した御本人である総理大臣として、これは責任を強くお感じになつておられることであろうと考えるのであります。而も、吉田総理大臣としまして、百年の長きに亘つて内閣を持続し得るものではなくて、民主政治である限り政権の交替があるわけでありまするが、如何なる政党の総理大臣であつても、行政府最高責任者である方が、そういう懲罰事犯容疑に付せられたということ自体だけでも、重大な問題であつて政治道義の高揚なり、或いは政治的な感覚をなお著るしく鋭く磨き上げなければならない今日、これらを荏苒見過ごしておつては、民主政治の確立はあり得ないと私は感ずるものでございます。従つて結果としては、不可分の関係にある総理大臣として、国内外に与えておる影響は大きいのでございますから、総理はこの際、総辞職をするとかいうようなことで、責任をおとりになるというお考えがおありになるのかどうか。これも又明快にして頂きたいのであります。  又第三の問題としましては、今後参議院運営には、これは大なり小なり影響して来る問題でございまするから、この際総理としまして参議院に対して、如何なる態度を以て臨まれ、今後の予算案なり、重要法案なりについてどういうことを期待しようとしておられるのか。この点も明快にお答え願いたいと思うのであります。  その他幾多の質問がございますけれども、私、一問一答で質問します場合、又その間言葉の行き違い等もあることを恐れまして、一通り質問をいたす次第でありまして、この際総理大臣の一括して御所信を御表明頂くことを望みます。
  118. 吉田茂

    ○国務大臣(吉田茂君) 先ほど本議場において、一応私から述べておりますが、私の予算委員会における言葉が、いろいろな紛擾を来したということは、誠に遺憾に存じます。併しながらすべては懲罰委員会の決定、或いは衆議院における決定を待つて政府は慎重に考慮いたす考えであります。それまでは一身上の弁明もいたさなければ、又政府としては、何らの行動をとらないつもりであります。
  119. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これ以上質問いたしましても、御答弁を期待することはできませんが、ただ一つ、そうでございますならば、懲罰事犯如何ようにでも結着を見た場合においては、総理大臣としてそれに処する態度は、これが参議院においても御表明頂けるかどうか。即ち白であるとなつたにしましても、今日の事態を招いた責任は、総理として深く御自覚になられるところであろうと考えるのでありまして、これが黒であるとなつたならばなおのことであります。従つて私らは、白黒の問題如何はこれは本院の知るところではございませんが、これは静かに注意して他院の決定を待つとしましても、その後に総理大臣の積極的な意思の表明が、本院において聞かれるかどうか。この点をお伺いしておきます。
  120. 吉田茂

    ○国務大臣(吉田茂君) たびたび申した通り衆議院におけるこの問題の決定を待つて政府は進退いたす、措置をいたすつもりであります。その点は御了承願います。  従つてその後に参議院において、如何なる態度をとるか、これはこの問題が決定したのちにおいて参議院で明らかにいたします。
  121. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では、官房長官にお尋ねいたしたいと思いますが、官房長官は、この間の新聞談話で報ずるところによりますと、誠に技術的にただ単に分けて、議員として懲罰になつたのだから、政府内閣と切り離した問題としてこれを考慮して、このこと如何によつて事を考えるというような状態で、政府の、或いは総理の責任問題というようなことは考慮しないという筋合いの御発言がありましたが、事、いやしくも生きた政治において、そういう技術的に割り切つて考えて、早く申すならば、又俗な言葉で申すならば、ありとあらゆる意味合いにおける国民の批判なり、或いは国会の批判なりというものを頬かぶりをして、その結果を待つて政府態度を措置するというようなことが、民主政治の基本的なありかたとして正しいのかどうか。私は非常に疑問とするところであります。併し長官としましても、この点についての御答弁が願いたいし、先ほど総理大臣質問をしましたことは、政府の代表的なスポークス・マンとして、おやりになつておる官房長官にも、そのままの質問をいたしてみたいと考えるのでございまして、ここに官房長官の御所信も承つておきたいし、特にこういう幾多の論議もあり、政局を不安の状態に置いて、参議院に、今後官房長官として期待せられるものは何であるか。私はつきりとこの点は御説明願つておきたいと思うのであります。
  122. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたします。  私が新聞紙に話をいたしました。即ち総理懲罰事犯についての私の発言、これは衆議院におきまして懲罰動議がまだ成立しない以前の私の考え、批判でありまして、一旦これが懲罰動議が成立して、懲罰委員会にかかりました今日といたしましては、私はこの問題について、懲罰委員会が白黒を決定いたすまで一切申上げません。只今総理大臣からこの委員会の席上申された通り立場におります。  それから参議院に対して何を望むかということは、今日懲罰委員会がまだ進行中でありまして、決定を見ない今日におきましては、政府が二十八年度予算と共に提出いたしましたいわゆる五大法案、その他の法案が、幸いに参議院の御審議の結果、通過することを一に希望しているのみでありまして、衆議院における懲罰委員会の決定が、白か黒かきまりましたときにおきましては、その決定に従つて政府態度考えなければならんと思つておりますことは、只今総理大臣からお答えいたした通りであります。
  123. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 参議院としましては、午前中にも申上げましたが、多数を以て総理大臣を指名することに同意している立場があるのでございまして、白黒という結果如何にかかわらず、ああいう事態を惹起して、各方面に重大な影響を与え、国政についての権威を失墜し、国内外に悪い影響を与えたという点については、これは深く自覚もし、責任も感じておられるところであろうと考えますが、その点の御所見は如何でございますか。
  124. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) あのことが、今日このような物議を醸したことに対しましては、政府として責任を感じておりますが、懲罰に取上げられました内容そのものに対しましては、只今政府としては一つ意見を持つております。ただ先ほど申上げましたように、懲罰委員会が進行中でありますので、この場合、この場所におきまして、積極的に政府のほうから、その所見を申上げることは差控えたいと考えております。
  125. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では今後の問題でございまするが、今朝以来緊急質問なり或いは議院運営委員会なりに、総理出席を求めるということは非常に困難であつたわけでございまするが、これは過去何年間に亘つて累積せられて来ている問題であつて、一方の立場に立てば参議院軽視であるということで、幾多物議を醸した事実が過去においてあつたのであります。ところがああいう懲罰事犯等において物議を醸し、責任を深く痛感せられるであろう政府当局において、院の要請に応えて、総理大臣出席なり或いは各大臣の出席等をなさらない。所労その他の理由を以て出席が励行せられない。こういうふうなことは、今後においてはこれは許されないことであります。院としては許されないことであるし、官房長官が、予算案の成立なり、重要法案の成立を期待する、懇望するという限りにおいてはなおのこと、この問題は重大でありまするが、今後においては内部的な事情もあるだろうし、又出席することによつて、我々のように言葉のがさつな者との話のやり合いで、トラブル等が起る等のことも予想せられる、一応考えられることがあろうとも、今後は総理大臣出席要求があつた場合には、これに応える答弁も又、誠実に行われるものと本院において期待していいのか。この際官房長官に、改めてお伺いしたいのであります。
  126. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) すべての点について、最善を尽したいと考えております。今日までも、人間でありますのでときどき所労或いは病気等で、参議院だけでなく衆議院に対しましても、出席ができなかつた場合がありますが、そのようなときは、できるだけ早く御了解を受けるつもりでありますし、大体御了解を得て参つたつもりでおります。併し初めに申上げましたように、今後最善を尽しまして、皆さんの御協力をお願いしたい態度に出たいと思います。
  127. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 総理大臣並びに官房長官の御答弁には、私は幾多不満なものがございますが、政府の言うごとく懲罰事犯如何によつて、そのときにおいて、本院においても政府の見解が表明せられるとのことでございまするから、それまで私たちとしては静観したいと思いますので、この際これ以上の質問はいたさないつもりでございます。私においては、そういうことをいたさないつもりでございます。
  128. 相馬助治

    相馬助治君 実は、先ほど内閣総理大臣に当然発すべき質問ですが、午前中の理事会での取りきめであつたので、私は敢えて発言を遠慮したのですが、この際、官房長官に一点伺つて置きたい。  それは、政府の代表としての官房長官であり、副総理であるという立場から御答弁願いたい。というのは、総選挙後の吉田内閣の成立についても、それから今回の懲罰動議が衆議院で成立したことについても党内の紛争の理由を以て最初世間が予想したとは遠うような結果が、又非常に手間取つた醜態が現出したと思うのです。そういう党内の紛争については、私は物を申しません。又物も聞きませんが、問題は、政党政治であるこの現在において、そういう党内の紛争によつて国政が渋滞しておる事実は、これは蔽うべくもないと思う。そういう意味において私の聞きたいのは、そのような党内の紛争によつて国政が渋滞しておるとするならば、今後においても非常にこれは問題であるから、この種の問題に関しては国政の渋滞を来さない意味において、且つ又世間に対する一つの回答としての政治的責任から、どのように考えておるか。即ち党の紛争に対してどういうふうに考えておるかということを私は聞いておるのでなくて、党内の紛争によつて、国政の渋滞を来たしておる。今まで。従つて今後予想される国政の渋滞を来たすべき党内の紛争に対しては、国政を円滑にやるという角度から、政府はどのような政治的見解を持つておるか。  こういうことを私は一点聞いて置きたい。
  129. 緒方竹虎

    ○国務大臣(緒方竹虎君) 党内のいろいろな問題は、天下周知のことでありまして、ここで私申上げません。甚だ、今御質問相馬君と同じように、遺憾に思うのでありますが、同時に政府といたしましては、党内事情の如何に拘らず、国政処理に当りましては最善を尽しておるつもりであります。その国政の運営につきまして、党内の事情が多少とも支障を与えておる。そのことに対しましては、政府といたしましても党の幹部と一緒に、できるだけこれを改善して行きたいという決意を持つております。まだ悉く目的を達していないのは御承知の通りであります。今後もその熱意を続けて、できるだけ国政の運営に差支えないようにして参りたい。かように考えております。昨年の総選挙後まだ一年もたつておりませんし、総選挙におきまして約束しました国民大衆への誓い、それに対しましては、飽くまでも党としての責任、政府の責任を感じまして、国政の運営につきましても、又政府の進退につきましても、最も愼重考えるべきである。  かように考えております。
  130. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十六分散会