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小笠原二三男君 そこで問題になります点は、各
会派の
質疑の点でございますが、先ず
日取りの点でございますが、先ほど
官房長官は、もう前以て御
説明等があ
つて、我々に懇請されたので明らかでありますが、要するに
政府としては明日は
都合が悪い。その後にしてくれという
意向のようであります。その場合の
官房長官の
お話では、
予算等についての
下調べ等で中一日を置くというようなこともあ
つたようであるからということでございますが、今日まで最近の
参議院においては、そういう例を見ない場合がある。要するに
政府の
演説があれば直ちに
質問が翌日から開始されるという方向が
却つて多か
つたのではないかと思うのであります。
而も私第二の問題として申上げることは、今
国会は、
衆議院においては
独立後初めての
解散選挙が行われて、新
議員が出られて、そうして新
内閣ができて初めての
内閣の、
国会を通じ
国民に対する新
政策の発表の
演説だ。而もこれは
特別国会としては
日数が限定せられてお
つて、必ずしも無期限に審査の
都合等を
言つて、荏苒
国会を延期しておることはできない
事態があると思うのであります。そういう場合に、
国会に対しては
審議を促進せられることを懇請して来ておる
内閣側として、中一日といえども、これをブランクするというようなことは、我々としてはこれは賛成することができない。而も聞くところによると、二十分
程度の各
大臣の
演説だそうでありますが、そうであれば、これに対して
質問を展開する当事者の準備というものは、明日までには十分なし得るのであります。この点から
言つて私は、明日即刻
質問を開始して、少くとも新
内閣の新
政策に対して
国民の希望する、聞きたいという点をいち早く聞いて、今日における
国政の明確な
連営を期したいと思うのであります。
それから第三の点として、
官房長官が
お話になりましたが、
渉外事務のためによんどころないということでございますが、これは
占領下においては我々は常に
渉外事務ということで、
内閣のそういう
主張を
認めざるを得なか
つたし、
認めて来てお
つたのであります。併しながら
独立した今日において、
渉外の
事務と国権の
最高機関である、
立法機関である
国会に
国務大臣が出て来て
報告をし、それに
質問を展開するという
国会の要請のある場合に、こういう問題よりも
渉外事項が大事だというようなことは、私は聞き取れない。少くとも今日
新聞紙上で見ますというと、
国連軍との
協定等の問題もあるようですが、これは二、三日前に、一応の
報告を
岡崎外務大臣側から、
日本国の
意見を表明したにとどま
つて、次回これがいつ開かれるということも確定しておらないようでありますし、
従つて総理大臣の
出席は、初めからそういうものには必要がない。
従つて我々の知り得ない範囲で想像しますというと、
渉外事務と言いましても、大
公使等の
会見というような問題があるかも知れません。併しそれらは
独立国である限りにおいては、
政府側において
日程を組まるべきものであ
つて、何ら諸
外国の大
公使から指定ぜられた
日程でなければ会談ができないというようなものではないと思う。而も本日
施政演説があれば、
国会としては翌日
質問演説をやるという
意向がきまるかも知れないことは、
内閣としてはこれは素人であ
つても、もう想像しなければならんはずである。それらをしも十分考えた上で、明日
渉外事務のために、
国会に
出席して
国民を代表する
国会の
質疑に答えられない。それだけの重要な
渉外事務というものは今日
日本を取巻く国際的な環境のなかにあるのだろうけれども、我々は
占領下であれば、
渉外事務だとい
つて、そして
隠密裡には
マツカーサー元帥に会うのだとか、或いはドツジ氏と
会見しなくちやならんとかいうようなことで、ああそうでございますかと聞いたのでありますが、今日の
独立した
国会において、
渉外事務であるという一片の抽象的な言辞を以て我々ははあそうでございますかと聞いておくことは、
最高機関である
国会の
運営上、そういうことは
承知できない。
従つて我々は
内閣の取ろうとするその措置が、
国会の
運営と絡んで考えて見て、成るほど国家的に重要である。では
内閣総理大臣はそういうふうにすることも止むを得ないであろう。
従つて国会は一日
質問演説を延ばすだろうと、こういうことは、我々
十分討議もし、
理由如何によ
つては賛成することもあり得るわけなんであります。それをただ単に
渉外事務などと言われて、それで、へえ、そうでございますかと言うことはこれはできない。これは
国会並びに
政府との
関係においてもこういう点は明らかにしてや
つておかなければ、少くとも
行政府側から
国会が常に屈伏させられるというような形がそこに見られることにな
つて、
国会の
自主性というものは損われる。
従つて渉外事務というものは何であるかということを、今日
最高機関である
国会に対して
政府側から表明を頂いて、それ
如何によ
つては、我々十分考えてもいいが、それが明らかでない限りはなおそういうようなものは大した問題ではないのであ
つて、
国会としては
総理以下二
大臣の
出席を求めて、従来
通り明日から
質問を展開しなければならんと考えておるのであります。而も聞くところによると、非常に多くの
質問者が予定されておるようでありまして、これが三日も四日もかかる段になれば、
事態が明瞭になるのは、一日遅れれば遅れるほど遅れて来るわけです。
国会の
審議がそれだけ澁滞する。又
会期末において、いろいろな
粉乱の起る基になるのでありますから、
従つて成るべく限られた
特別国会において、十分な各種の
国会の
論議なり、或いは
審議を尽すという
意味から
言つても、私は明日直ちに
予定通りこれは
質疑を展開しなければならんと考えるのであります。
衆議院のほうにおいては二十六日にこれは予定されておる。
従つて参議院も二十六日にやるべきであるという議論は全然成り立たんのであります。明日
参議院においてなし得る
事態にあ
つて総理等の
出席がある限りにおいては、
衆議院においても一日繰り上げてこれをするというようなことは、当然
衆議院側としても考えられるでありましよう。併しそういうことは問題でない。ややもすると
参議院は、
衆議院に対して第二院である。向うが何でも先にやらなければならない。
参議院は後からやるのだというような
考え方は、これは非常に固定した
考え方である。
参議院も
衆議院もいろいろな
論議なり、
審議なりというものにおいては、それは先後の
関係はない。或いは
優劣はないのです。ただ単に
予算の
審議がどうだとか、何とか一部の特例だけはあ
つても、
一般の
国政に対して
審議する
独立した
機関としての
参議院と
衆議院においては
優劣の差はない。どつちがどう先に始めようが、後に始めようが、そういうことは問題ではないので、そういう
論議があればあ
つたで、私は一々それは論駁したいと考えております。
要するに今単に
渉外事務というくらいのことでは、
独立したこの今日における
国会としては、そういうことだけではこの重要な
質問演説を延して行くというようなことは、今の
事態、それからこの
特別国会の意義から
言つて容認することはできない。こういうのが私の
意見であります。でこの点について、
官房長官において
補足説明があるならば無論お聞きして、十分協力することにおいてはやぶさかでありません。併し今までの
お話だけのことであ
つては、全然これは
理由として取るに足りないということを申上げておきたいのであります。