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1953-03-09 第15回国会 参議院 運輸委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月九日(月曜日)    午後三時二十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長            小泉 秀吉君    理事            岡田 信次君            高田  寛君    委員            入交 太藏君            植竹 春彦君            仁田 竹一君            一松 政二君           前之園喜一郎君            高木 正夫君            内村 清次君   政府委員    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省海運局海    運調整部長   国安 誠一君    海上保安庁長官 山口  伝君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○海上保安官協力援助した者の災害  給付に関する法律案衆議院提出) ○水先法の一部を改正する法律案(内  閣提出)   —————————————
  2. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それではこれより運輸委員会を開会いたします。  先ず海上保安官協力援助した者の災害給付に関する法律案議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑を願います。
  3. 一松政二

    一松政二君 第一条の協力援助というのを具体的に一つ説明して下さい。
  4. 山口伝

    政府委員山口伝君) この法案の目的といたしておりますことは、本来海上保安庁海難救助に当り、或いは犯人逮捕に向うわけでありますが、四囲状況部外の方、即ち職務によつて行うのでない方の応援を求める場合が出て参ります。そういつた場合に海難救助、或いは海上における犯人逮捕等部外の方の応援を求める、職務執行上外部の方にお手伝いを願つた場合、そういうことから起るそういう人に対する死傷に対する補償というものは従来の法令では欠けておりましたので、丁度陸上にある警察官或いは消防官等民間の方が協力された場合にかような先例ができておりますので、それに倣つてさような応援の場合にそれぞれの救助を国として見ようということでできておるわけでございます。
  5. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 私が今質問しているのは、協力援助内容を具体的な点について聞いているのです。趣旨はよくわかつておりますけれども……。
  6. 山口伝

    政府委員山口伝君) 例えば犯人逮捕の場合には、その附近にありました民間の漁船その他の船に応援を求めなければならんような場合があるわけでございますから、そういう場合に保安官のほうで協力を求める場合、又海難救助につきましても、巡視艇だけで不十分な場合に最寄りの船に応援方を頼む、そうして海上保安庁職務である海難救助或いは犯人逮捕とかそういつた職務執行援助を頼むわけです。
  7. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 協力援助ということは具体的の場合は、私は非常に複雑になつて来るんじやないかと思うのですがね、例えば海難救助のために或る町村などの消防団等援助を求める場合があるのですな、現にそういうことはあつたと思うのですが、そういう場合に団長そのものは実際において現場には行かなかつた、途中までしか行かなかつたというような場合ですね、これは具体的の問題です、ところがたまたまそれが災害を受けた、実際にその協力援助はしていないが、具体的にはしていないが、その道程において或いは精神的な協力をしたとか何とかいうような場合はどうなのですか。
  8. 山口伝

    政府委員山口伝君) まあこの原案にありましたところでは、海上保安官が電話でとか或いは口頭で応援を求めたということが第一の要件であるわけでありますが、その他四囲状況協力することが相当と認められる場合までは含めたのでございます。従いましてお話のような場合に、その船が救助に出発しました途中で事故が起きたような場合、その出る動機が何らかの形で海上保安官のほうからの連絡によつて出たのであれば、それはまあ救助に出たと認めざるを得ないと思います。
  9. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 そうすると結局途中で遭難に会つて、実際においては協力をしなかつた場合でも、やはり協力援助という範疇に入るという、こういうことなんですか。
  10. 山口伝

    政府委員山口伝君) 問題のその船号とくほかに本職があるでありましようが、その場合に海上保安官側かつ何らかの連絡があつて、その救助の品的で出港してその途中で不幸にして事故を起したという場合であれば、やはりそれは応援に、求めに応じて出たしいうことに考えなくちやならんと思います。
  11. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 今の協力援助という範囲が非常に私はあいまいになつて来るのではないかという気持がするわりなのですが、これは修正案にも出るだろうと思いますが、やはり修正案の三条にも多少あいまいな点があると私は思うのですが、援助に出る途中、或いは援助に出る準備中に災害を受けたような場合にもやはり協力援助に入るのでしようかね。
  12. 山口伝

    政府委員山口伝君) 今のように連絡があつて、そのためにその船が行動しておれば途中であつてもそれはやはり救助向つた応援してくれたということに考えなくちやならんと思います。
  13. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 その点はそれだけにしておきましよう。私は第三条に大分疑問があるのだけれども、修正案のほうに……。
  14. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) ほかに質疑はございませんか。質疑が、ございませんようでしたら質疑打切りということでよろしうございますか。ちよつと速記をこめて下さい。    午後三時三十八分速記中止    ——————————    午後四時一分速記開始
  15. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 速記を始めて下さい。海上保安官協力援助した者の災害和付に関する法律案質疑を次回に譲ります。   —————————————
  16. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 次に、水先法の一部を改正する法律案議題といたします。これはこの前大臣からの提案理由説明があつただけで、まだ政府のほうから詳しい説明はなかつたのですが、質疑に入る前に一応政府から説明を求めたほうがいいと思いますが、如何でしよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それではどうぞ。
  18. 国安誠一

    政府委員国安誠君) 水先法の一部を改正する法律案内容を少しく詳細に御説明申上げます。  本改正案の先ず第一は、これはお手許逐条説明という書き物がお配りしておると思いますが、それを御覧願いまして、お聞き願うと便利かというふうに考えます。  最初に、この目次の改正というようなのがございますが、これはこの前の法律案のときに字句の間違いがありまして、条文に一条ズレがありましたので、それを訂正するだけのものであります。  次にこの十三条の改正でございます。十三条の改正は、強制水先制度改正に関する問題でありまして、この中に問題が二つございます。第一が、水先強制される船舶範囲を改めること、その次が水先強制免除資格者であることにより、水先強制免除される場合を改める。それから第三が、附随的なことでございまするが、水先強制免除資格附与方法を改める。この三つてございます。    〔委員長退席理事岡田信次委員長席に着く〕   第一の水先強制される船舶範囲を改める問題でございますが、ここに外国船日本船二つに分けて御説明をいたしたいと思います。第一の外国船舶につきましては、現行規定におきまして、すべての外国船舶水先強制されるようになつております。本改正案におきましては、従来からの実情に即するように、総トン数三百トン未満のものを除外することにいたしたのであります。次に日本船舶でありまするが、日本船舶の中で国際航海に従事する船舶、それと国際航海従事しな  い、それ以外の船舶、この二つに分けまして、先ず国際航海に従事する船舶についてでございまするが、現行規定におきましては、外国の港へ出航し、又は外国の港から来航するすべての船舶水先強制されておるのでございますが、本改正案におきましては、外国船と同様に、総トン数三百トン未満のものは強制対象から除くことにいたしたのであります。で、次に国際航海に従事する以外の日本船舶についてでございますが、現行規定におきましては、日本国の各港間において、旅客又は貨物運送に従事する総トン数五百トン以上の船舶が、すべて水先強制されておりますが、本改正案におきましては、総トン数千トン未満のもの、これを全部強制対象から除外することにいたしたのであります。  次に、水先強制免除資格を持つことによりまして、水先強制免除される場合を改めたのでございますが、それにつきましては、先ず現行規定におきまして、船長水先強制免除資格を有する者であることによりまして強制免除される場合は、日本国の各港間におきまして、旅客又は貨物運送に従事する船舶、及び(強制水先港こ省令で定める外国の港との間における連絡船であつて日本国民、又は日本国法人の経営に係るものに限られておつたのでありますが、本改正案におきましては国際航海に従事する日本船舶船長であつても、水先強制免除資格要件を充たす航海実歴を有する者というのがございますので、この制度国際航海に従事する日本船舶にも適用することにいたしたのでございます。その次に日本船舶を所有することができる者が、これは船を借りた場合の問題でございますが、その船を借りました場合におきましても、仮に外国船舶を借入れました場合におきましても、特にいわゆる期間傭船と称されるものを除きましたならば、その乗組員日本船長であるとかということがございますので、その場合にも同様資格ある者は強制水先免除するという規定を入れたのでございます。  更に本改正案におきましては、現行規定においてこの水先強制免除資格要件を充たす航海実歴を有するところの航海士船舶を導く場合にも、水先強制免除したのでございますが、本改正案におきましては、この航海士というのがその資格を持ちましても免除しないことにいたしたのでございます。  それから第三の改正点でございますが、これは水先強制免除資格附与方法を改めたい。現行規定におきましては水先強制免除資格要件を充たす航海実歴というものを認証するために、海技免状に裏書をすることにいたしておるのでございまするが、これは船舶職員法によりまして、海技従事者の免許の更新制、及び免状携行義務制規定しておるのでございまして、現在の規定はいろいろと不便がありますので、本改正案におきましては海技免状に裏書することをやめることにいたしました。これに代るものといたしまして。海技免状とは別個に、海運局長認定によるところの認定書を交付することにいたしたのでございます。以上が十三条の改正要点でございます。  次に第十四条及び第十五条の改正でございますが、この点は従来の規定の不要の個所を削除いたしたのでございます。  次に第三十条の改正でございますが、これは水先業務の現況を調査するための必要な規定を挿入いしまして、規定の整備を図つたものでございます。即ち現行規定におきましては、単に水先に関する事項の届出を規定しておりまするが、この「水先」という字句では多少範囲が狭くなりますために、不明確になりますために、この「水先」という言葉自体を、「水先業務」に関する事項というふうに改めることと、更に第二項では、特別の必要がある場合には、組合又は水先人に対しまして、帳簿その他の必要な書類提出を求めることができるというふうに改正をいたしまして、適正な水先料の設定、水先サービスの向上、その他水先業務の適正な運営を確保する措置を講じることにいたしたのであります。以上が条文によりまするところの改正要点でございます。  更に別表改正がございまするが、この別表改正はこの水先の区域の変更に伴つて自動的に改正したものでございます。これは留萌及び新潟更に佐世保、この三つにつきまして地域を合わすためと水先人の乗下船の位置を合わすためにそれぞれ改正いたしたのであります。大体以上が本改正案要点でございます。
  19. 岡田信次

    理事岡田信次君) 只今政府のほうの説明がございましたが、続いて専門員のほうで調べた事項が多少あるようでございますから先にそれを聴取することにいたしたいと思いますが。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 岡田信次

    理事岡田信次君) それでは田倉専門員
  21. 田倉八郎

    専門員田倉八郎君) この法律は、聞くところによりますると、水先審議会答申を基にして所要の改正を加えたもののようですが、若干の疑問がなくはないのであります。つまり十三条によりますると、同じ日本船でも、それが外航船、つまり外国日本との間を航行する場合は三百トン以上の船は強制水先を付けなければならんし、ところが内航船は一千トン以上のものというふうになりまして、そこに七百トンの開きがあるんですが、これは恐らく内航船国内の港に慣れておるから、習熟しておるから、強いて強制水先にしないでもよろしい、こういう意味かと思われます。併しながらもつと具体的に考えてみますと、同じ内航船でもその船が往復する港というものはおのずからきまつておるので、例えば横浜と名古屋の間だけを往復しておる内航船は先ず門司なら門司という強制水先には入ることはないと、そういう船もあるわけです。それから同じ外航船でも例えば台湾の基隆門司の間を往復している場合だと、外航船ではあるが、門司航域には非常に習熟しているということになるのでありまして単に外航船、内航船というふうな形式だけではその水先区に習熟しておるかどうかという区別にはならんように思うのであります。従いまして内航船外航船ということだけでこういう区別を付けるのは理論的にはおかしいじやないか。若し当該船長がその水先区に習熟しておる場合には強制水先が要らんというなら第十三条の但書で処理すれば済むことじやないか、こんなふうにも思えるのであります。同様な理由でこの十三条の原案によりますると、海上保安庁の船、国有鉄道の船、そういうものは常に必ず強制から免がれておりますけれども、これも船長が変つたばかりのときには、船はしよつちゆう出入りするかも知らんが、その船長は必ずしも習熟しておるとは限らん、まだほやほやであるという場合もあるだろうし、若しその船長当該水先区に習熟しておるから強制はしないんだというなら、これ又第十三条の但書で処理してもいいのじやないか、こんなふうに思われますので、その点が若干の疑問を存するわけであります。それから改正の第三十条の二項ですが、これも今更改めて新らしくこの帳簿その他の書類提出を求めるというまあいわば行政的干渉をする必要がどこにあるのか、こういう点も相当疑問があるように思われました。以上であります。
  22. 岡田信次

    理事岡田信次君) 水先法の一部を改正する法律案に御質疑のおありの方は御質疑を願います。
  23. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今専門員からも疑問の点を指摘されたのですがね、船の大きさを主にして、従つて船長の熟知ということが考えられないようにも思えるわけなんだが、この専門員の疑問は私の疑問でもあるのですが、この点一応提案者の御見解を伺いたいと、思います。
  24. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 大体外航船外国船を含めて、それから内航船とのトン数のバランスがとれていないという御指摘がございましたが、その点誠に御尤もなんでございまするが、実は内航船につきましても、先ほど専門員からちよつと申上げましたように、この水先審議会というのがございまして、これはお手許参考資料の中にその答申案というのが入つておりまするが、この答申案ができるまでにいろいろ議論をいたしました。日本船主からはいろいろと注文が出まして、その中に特に内航船については全部この強制水先を廃止してもらいたいという強い要望が実はあつたのであります。その点はいろいろ外国の例を見ましても、国によりましては強制程度対象船舶もおのおの非常に異なつております。内航船は全部強制免除するこいうところも例えばソヴイエトの、ごときものは、そういうところがございます。併し諸外国の例を見ましても、余り外国の船と日本の船とを差別待遇をする国はそうない。その差別程度につきしてもいろいろ程度がございますが、皆或る程度適当な均衡をとつているというのが例でございますが、我が国においても全然内航船強制対象から外すということは如何かと考えられますので、適当な基準を置いて成るべく実は船主の希望に副うようにいたしたいという二とを考えました結果、一応千トンという線で切つたのでございます。この千トンにつきまして、なぜそれじや千トンにしたかという点でございますが、これは必ずしも千トンということにはつきりとした理論的根拠があるわけじやございませんで、大体千トン以下の船が日本国内沿岸を航行している船の大部分でありますので、これをのけることによりまして日本船主要望の殆んど大部分が満たされるのではないかという点から、一応千トンということにいたして、これ以下のものは免除するということにいたしたのであります。このくらいの程度でありますれば、外国の例を見ましても、そう外国船日本船差別待遇したというほどのことではないし、日本船主側要望を満たし得るという点から、一応こういう線を出してみたのであります。
  25. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そういたしますと、これは水先法の精神の一部とでも言いますか、運航能率増進だとか、水先業務の円滑な遂行を図る目的で、この改正は出ているというのが第一の理由なんだが、水先人と船・主の間の妥協をするのに都合がいいように、水先業務の円滑なる遂行のためにという理窟には副わないけれども、内航船は千トンにし、外航船は三百トンにしたんだと、そう了解すればいいのでしような。
  26. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 今の内航船はもう少し後ほど申上げますが、外航船につきましてこの三百トンという数字をとりましたのは、これは従来からの外国船並びに日本船にしましても外国の港との間の強制水先をとりました実績をとつたのでございます。これによりますると、三百トン未満のものは殆んど従来とつていないという実績がございますと同時に、大体我が国港則法によりましても、五百トン未満、或いは関門におきましては三百トン未満でございます。そういうものは錨地の指定を受ける必要もないというような規定がございますので、その点は三百トン以下であればおおむね従来の実績に徴し、或いは港則法実績に徴しましてもまあこれは水先をとる必要はなかろうというので、この点は三百トンをとつたのでございます。それから内航船の千トンでございますが、これは只今申上げましたのは、おおむねこの結果だけを実は事実をとつて申上げたのでありまするが、千トン以下の船でありますると、船長もおおむね日本国内の港をあつちこつち行つて、ほぼ大体の港の状況にも習熟しておるということも従来からの実績でも、実情でもあります。と同時に国内沿岸を航行しておりまするならば、その港或いはこれから入らんとする港の最近の変つた模様なり、或いはその後の何と言いますか、港湾の事情なりを同僚並びに乗つておる乗組員その他からもおおむね或る程度の知識を得ることができるであろうという点から、特に外国の港に行つてつて来るというような船とは少し変えて、トン数引上げても実際の港湾秩序なり何なりから行きましても支障はなかろうという観点から千トンに引上げたのでありまして、ただ単に水先人船主との間の妥協という意味だけでこういう線を持ち出したのではないのであります。その点特に御了解を願いたいと思います。
  27. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 いや私の質問要点は、本件に関しましてはさつき専門員指摘されたように、外航船の三百トンの船の船長と、それからして内航船のほうは千トン以下の船長とが、その船の大きさがう」ういうふうに違つてつて、そうして船長自身の技能というようなものを考えて行くというと、どうも水先強制にする、例えばその船長では港の安全運航能率増進支障を生ずる虞れがあるから強制にするのだというのならば、そこに外航船、内航船の大きさに差があるということはどういうことかというのが専門員一つの疑問だろうと思つて、その点を私も伺いたかつたのであつて外航船を三百トンに切つた理由、内航船を千トンに切つた理由というようなことは、これは今私の質問外であつて、その点はあなたの御説明で一向私は疑義はないのですが、重ねてその点を伺いたいと田』います。
  28. 岡田信次

    理事岡田信次君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  29. 岡田信次

    理事岡田信次君) 速記を始めて下さい。
  30. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今の御説明でよくわかりました。それから先刻専門員から言われた官船ですね、お上の船とか鉄道の船は水先を付けないでもいいのかという、これは大体外国の慣例なんかをやはり準用したものと思つているのですが、それでいいのでしよう。
  31. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) その点は御指摘通りでありますし、それから官庁船につきましては従来も除外されておりますし、将来何かそういう問題が起りそうな場合にも政府部内であらかじめいろいろ連絡協議いたしまして、経験者を乗せるような内部的な打合せも可能だと思つてこの点は除外いたしたのであります。
  32. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 それからもう一つそれに附加えて……、これには海上保安庁と国鉄だけがありますが、いわゆる保安庁の船は、あれは軍艦である、軍艦でないという議論もあるが、軍艦でも軍艦でなくても私はかまわんが、この保安庁の船もこの中に入るのでしような。それでこれを若し入れてないのならどういう理由でこれは入れなかつたか。
  33. 国安誠一

    政府委員国安誠君) 只今の点はお説の通りこういうものは実はこの法律に明示してないものは省令で皆書くつもりでおります。各省が省令で書く予定としましては、今の保安庁船舶、それから漁業監視船、それから海難救助に従事する船舶、更に定期旅客船その他官庁船、その他更に特に運輸省でこの船は除外すべきものと認めたものといつたようなことを書こうと実は考えておりまするが、只今指摘ありましたような法律の中には海上保安庁船舶と書いて特に保安庁というものは落してございますが、これは実は海上保安庁船舶ということによりまして、特に緊急性を要するようなものといつたようなものを全部一括、引つくるめたつもりでございます。従いまして海上保安庁の船ということによつて保安庁船舶も同様な意味で含まれるというつもりで、法の重複を避ける意味からこれは特に省令に落したのであります。更に日本国有鉄道連絡船といつたことも書いてございますが、これもまあ特に日本の港と港との間におきまして常に反復同じ航海に従事するというものを除外する意味におきまして、代表的なものとして実は挙げたのでございます。その他は漏れたものは省令で皆規定するつもりでおります。
  34. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうするとこの十三条の、運輸省令ですか、省令で定める船腹というものは、或る程度相当大幅にどんどん今お話のように伸びて行くことになると了承していいですね。
  35. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 大体現在の法律におきまして除外されておるものは除外するつもりでおります。
  36. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 それから今逐条説明のほうの順序で少しお伺いしたいのですが、これでいうと五頁に行くのですが、「水先強制免除資格要件を充たす航海実歴を備える者」という、この水先強制免除する資格要件というのは、具体的に言うと、これは省令でおきめになるのでしようが、どういうことに了承していいのですか。
  37. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 只今の御質問は御指摘通り省令規定いたすのでございまするが、その内容といたしまして今予定しておりまするのは、現行法におきましては総トン数五百トン以上のものについてとございますが、改正規定によりますと三百トン、これは現行法によりますると、関門水先区は十五回、これは一年間でございまするが、その他の水先区は十回以上入出港した者についてそういう強制免除資格をとるということになつておりまするが、改正案によりますると、関門水先区においては六回、その他の水先区においては四回ということに回数を減らしましてこの資格要件を緩和いたしたいと考えております。
  38. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 これは政府の御方針は確定と認めていいのですか、今のお話は。
  39. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) それは水先審議会に諮りました案でございますので、確定とお考えになつて結構かと思います。
  40. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 次は第九頁のところの第三十条の改正は、水先業務の現況を調査するため必要な規定の整備云々というふうに書いてありますが、「水先業務の現況」というのはどういうことを意味するのですか。
  41. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 水先業務の現況と申しまするのは、これは非常に抽象的に規定してございまするが、何か問題が起りましたときに、従来からいろいろ届出その他の方方によりまして水先業務の概況をつかんでおりまするが、随時必要なときに或る一定の期間の状況というものを、ただ従来の届出なり報告ではつかみ得ないことがございまするので、その場合に或る時点を限り、或いは一定期間を限りそういつた状況を調査する必要があるという場合の「現況」でございまして、その都度その内容は変つて行くと考えております。
  42. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私の質問は、もう一つ最後に伺いたいのですが、三十条の二項ですね。「水先業務の適正な運営を確保するために特に必要があると認めるときは、組合又は水先人に対し、帳簿その他の書類提出を求めることができる。」というようなふうになつておるようですけれども、これは何ですか、これによつてどういうことを狙つておるのですか、この改正をしたいというところから。
  43. 国安誠一

    政府委員国安誠一君) 只今の点につきまして御説明申上げたいと思いますが、これは先ほど申上げました水先審議会の審議の過程におきまして、このたびは制度自体の改正と共に水先料金の改正をいたしたのでございますが、その際に水先料金を如何なる程度引上げるべきかという点につきまして、実は運輸省が従来からとつておる資料だけでは的確な資料と言うわけには行かない点が出て参りましたので、特にその際にいろいろと資料を要求いたしたのでございまするが、それにつきまして今度は船主側から、水先人の出して来た資料はどうも信用ができないといつたような意見が大分出まして、相当議論をいたしたのでございますが、その際はとにかく今回は一応出た資料で、提出された資料で問題を済ましておいて、将来運輸省におきまして特に水先人のそういつた提出した資料につきまして厳重に、何と言いますか、正しいものが出るような方法をとるという条件附になりまして、政府といたしましても何らかのそういつた措置をとる必要が出て参つたのでありまするが、ここに規定いたしましたところの帳簿その他必要な書類という問題の個所でございますが、従来から若し必要があるならば実際上の書類提出をしてもらつておるのでありますが、それだけではどうも納得行かないといつた場合には、その本になるところの帳簿自体も場合によつて提出してもらいたいということで、一項入れることによりまして、実際にその帳簿と出て来た書類と両方合せまして、果して出た資料が正しいかどうかということを船主側なり或いは水先審議会の中立委員なりの本当の納得の行けるようなものにしたいというところから、特に帳簿提出を求めるということも一項入れたのでもります。その点は実際果して正しい帳簿が出されるかどうか、或いはこれはやつてみないとわかりませんが、こういう規定を入れることによりまして、水先人に対して政府もいろいろと厳重な監督をしておるということを御了解願いまして、出る資料自体が、その精神的な影響によつて本当に正しいものが出るようなことになることを願つておるわけでございます。
  44. 岡田信次

    理事岡田信次君) ほかに御質疑は、ございませんか。
  45. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ほかに御質問がなければ、ちよつと二、三分でいいのですが、速記をとめて懇談に移してもらいたい。
  46. 岡田信次

    理事岡田信次君) ほかに御質疑はないようでありますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 岡田信次

    理事岡田信次君) 速記をとめて下さい。    午後四時三十八分速記中止    ——————————    午後四時五十四分速記開始
  48. 岡田信次

    理事岡田信次君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時五十五分散会