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1953-03-05 第15回国会 参議院 運輸委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月五日(木曜日)    午後二時一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小泉 秀吉君    理事            岡田 信次君            高田  寛君    委員            入交 太藏君            植竹 春彦君            一松 政二君           前之園喜一郎君            高木 正夫君            内村 清次君    衆議院議員            關谷 勝利君   国務大臣    運 輸 大 臣 石井光次郎君   政府委員    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省海運局海    運調整部長   国安 誠一君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君    運輸省国有鉄道    部長      細田 吉藏君    海上保安庁長官 山口  傳君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○臨時船質等改善助成利子補給法案  (内閣提出) ○水先法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○日本航空株式会社法案内閣送付) ○日本国有鉄道法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○地方鉄道軌道整備法案(衆議院送  付) ○海上保安官に協力援助した者の災害  給付に関する法律案衆議院提出)   —————————————
  2. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それではこれより運輸委員会を開会いたします。  先ず臨時船質等改善助成利子補給法提案理由を御説明願います。
  3. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 只今上程されました臨時船質等改善助成利子補給法案について説明申上げます。現在我が国海運界現状をみまするに、一方において、我が国経済の自立に資するため、優秀なる外航船舶建造を促進する必要がありますることは周知の事柄でありますが、他方、我国海運界は、戦時中に急造いたしました戦時標準船と言われる粗悪な船舶を大量抱えておりまして、このうち大型船外航に就航しうるものは殆んどこれを改造して外国航路に就航させておりますが、なお国内航路だけにしか就航できない小型戦標船、その他これに準ずる低性能船舶相当多量残しているのであり、これらの船舶は極めて性能が悪く従つて経済的には殆んど価値の無いものであり、而も国内航路就航船腹量は、国内沿岸荷動量と比較して、二十五万重量トン程度が絶対過剰の現状であり、これら低性能船舶の整理は我が国海運再建上喫緊の要務であります。かれる事情からして、これら小型戦時標準船解撤を促進すると同時に、外航船舶建造を図るといういわゆる船質改善助成を行い、以て日本海運を健全化せんとするのがこの法律案提出する理由であります。  次にこの法律案による船質改善助成のあらましを申しますと、昭和二十八年度外航造船建造する船主が、これに関連して、戦時標準型E型船舶及びこれに準ずる低性能船舶解撤する場合には、当該外航船舶建造資金の融通を行う市中金融機関に対して、その資金の融資について年二分乃至五厘の利子補給政府が行うことができることとし、これによりE型その他の低性能船解撤を促進することをその骨子といたしております。  なお本法案実施するための予算措置としては、昭和二十八年度以降八ケ年度を通じ、総額一億八千五百二十二万円の利子補給金予算支出されるはずであり、内二十八年度予算としては三千四百万円が計上される見込であります。又これによつて昭和二十八年度内に外航造船三十万総トン建造に伴い戦時標準型E型船舶その他これに準ずる低性能船舶を約七十隻、十万重量トン解撤することが可能となるものであります。   ————————————— 何とぞ慎重御審議上速かに御可決のらんことを希望いたします。
  4. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 次に水先法の一部を改正する法律案を上程いたします。先ず大臣より提案理由の御説明を願います。
  5. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 只今提案されました水先法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  この法律案によつて改正しようとする要点は、次の二つの点であります。一、水先強制される船舶範囲を改めること。二、一部の水先区について、その区域を改めること。右の改正について以下順を追つて申上げます。  第一は、水先強制される船舶範囲に関する改正であります。強制水先制度は、昭和二十五年三月一日以降、横浜、神戸、関門、横須賀及び佐世保の五港において実施されておりますが、現在、外国船舶についてはすべてが、日本船舶については外航船舶はすべて、内航船舶総トン数五百トン以上のものが強制水先対象とされているのであります。併し、これらの船舶のうちには強制水先制度実施後の実情に鑑み、必ずしも水先強制する必要がないと認められる比較的小型船舶も含まれており、又、水先業務に使用する水先艇その他の施設も現在の業務量に比べ未だ十分とは申されない状況ありますので、実情に即するように水先強制される船舶範囲を改めることにより、船舶運航能率の増進と水先業務の円滑な遂行を図る必要が認められるのであります。  即ち、右のような現状に即応する措置といたしましては、外国船舶については、実際上水先を必要としないと認められる総トン数三百トン未満を、日本船舶については、外航船舶外国船舶同様総トン数三百トン未満を、その他の船舶は常時国内航海に従事している改E型船舶等を除くこととして、総トン数トン未満を、それぞれ強制水先対象としないことといたしました。  なお、日本船舶について水先強制免除の資格を有する船長が運航することにより強制免除される場合は、現在、内航船舶のみに限られているのでありますが、これは適当でありませんので、外航船舶にも及ぼすことといたしたのであります。  第二は、一部の水先区の区域について、実情に副わない点があるのを是正しようとするものであります。即ち、留萌及び新潟水先区についての改正は、港域変更に伴い、水先区の区域港域のそれと一致させるためのものであり、佐世保水先区については、水先人の乗下船が現在の水先区の区域外で行われている事実に鑑み、水先区の区域を拡大しようといたすものであります。  以上簡単でありますが、この法律案提案する理由の御説明を終ります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを希望いたします。   —————————————
  6. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 次に、日本航空株式会社法案議題に供します。提案理由大臣からお願いいたします。
  7. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 日本航空株式会社法案提案理由について御説明申上げます。  我が国民間航空は戦前すでに相当の水準に達していたのでありますが、敗戦の結果、戦後六年余は全く壊滅の状態にあり、一昨年十月に至つて漸く外国航空機のチャーターを以て国内航空を開始するの途が拓け、その後平和条約の発効によつて航空活動に関するすべての制限が撤廃されて今日に至りましたが、この数年間が世界民間航空界最大躍進期であつたため、この間の立遅れは、遺憾ながら、その回復は容易ならぬことであります。特に国際航空の面では、すでに十一に上る各国航空会社が、自国政府の手厚い保護を背景に我が国に乗入れて、定期航空業務実施しているという状態にあることは、御承知通りであります。  このように我が国航空が立ち遅れてはおりますが、航空事業、殊に国際航空運送事業近代国家進歩発展に必要不可欠のものであると共に、将来ますますその重要性を要ることは明らかでありまして、各国政府もその故にこの事業に対し、国家出資補助金その他直接間接種々助成を行つているゆえんでありまして、四面環海我が国としては、一日も早くこの立遅れを回復し、我が国独自の国際航空運送事業を持つ、」とが必要であると存じます。  併しながら、我が国において自主的な国際航空事業を持ち、公正な競争心よつて国際航空界に進出するためには、相当多額の資金を要することは明白であります。私が只今「自主的な」と申上げたのは、借物でない、即ち実質的に外国に支配されるものでないという意味であり、又「公正な競争によつて」と申しましたのは、例えば運賃破りのダンピングなどをしないで、優秀な航空機によるすぐれたサービスによつて競争するという意味でございます。一機七、八億円近くもする優秀な飛行機を相当数揃え、整備施設も完備するには相当資金が要るわけでありますが、これは民間資本力のみを以てはなかなか困難であります。  そこで政府といたしましては、英、仏、蘭その他各国の実例に徴し、国際航空運送事業に積極的な国家的助成策を講ずることとし、十億円の政府出資を来年度の予算に計上すると共に、民間資本力をも結集して、言換えますれば官民協力して、我が国資金施設、技術の全力を一本に集中して、強固な基礎を有する特殊法人設立し、これをして国際線及びその基盤となる国内幹線を総合的に経営せしめることが最も妥当であるとの結論に達した次第であります。以上の意味において、その特殊法人基礎法規として、ここに本法律案提案した次第でありますが、なおこの日本航空株式会社なる新会社政府出資による特殊法人ではありますが、政府の干渉はできるだけ排除し、民間企業の長所を発揮し得るよう特に十分なる考慮を払つた次第でございます。以下その内容を大略申上げます。  先ず会社目的でありますが、本会社は、国際路線及びその基盤となるところの国内幹線における定期航空運送事業並びにこれに附帯する事業経営することを規定しております。本会社国際航空実施するほか、国内幹線をもやることにつきましては、何分にも当初は少い機数を以て、これを最も効率的に使用する必要がありますので、国際線と共通に使用できる大型機を使う国内幹線を包含せしめた次第でありまして、このことは単に航空機差しくりのみならず、整備施設の充実、乗員の訓練及び間接費の低減という点からも必要であると存ずる次第であります。  本会社株式は、会社の性格上記名式額面株式とし、又その所有については航空法第四条の趣旨に基き、三分の一以上の外国資本を排除いたし得るよう株式譲渡制限に関する規定を設けたのであります。  次に政府は、本会社に出資することができることとし、初年度十億円を出資することを附則を以て明らかにしておりますが、将来追加出資する場合は勿論予算に計上して国会の御審議を願う建前であります。  本会社に対しては、政府出資のほか助成策として、社債発行限度を通常の株式会社の二倍まで拡張し、又来年度予算案では予定しておりませんが、公益上必要のある路線運営維持のために将来補助金を交付し得る道も開いてございます。  本会社に対しては、できるだけ民間企業の特色を発揮し得るよう政府の統制を避けるのが趣旨ではございますが、政府出資等会社特殊性から、必要最小限度規制はこれを行わなければなりません。かかる規制といたしましては、取締役のうちで特に会社を代表する取締役の決定に関する取締役会の決議、定款の変更社債募集その他重要な財務的処分、毎営業年度基本的事業計画等運輸大臣認可にかけることといたしました。その他、毎営業年度終了後における財産目録等提出日本航空株式会社なる商号の独占、その他この法律の施行を確保するため必要な罰則についても規定してございます。  更に、附則を以て会社設立の際の手続及び経過的措置について規定を設けているのでありまして、即ち、本法は公布の日から施行いたしますが、会社、の設立運輸大臣設立委員を命じて掌らせます。現在の日本航空株式会社、は株主総会特剔抉議があつたとき」は、本会社営業全部を出資し、本会社にその権利義務を承継して解散することを定めましたが、これは前述のように我が国航空の総力を本会社一本に集中する趣旨であります。なお、その際における現存の日本航空株式会社資産については、評価委員を命じて公正な評価によつて会社に引継ぐようにいたしました。その他、本会社設立の際の政府出資分等に対する登録税免除運輸省設置法改正等関係法令についても所要改正を行うことといたしております。  以上簡単でありますが、本法案提案理由並びにその内容概略を御説明申上げた次第であります。何とぞ十分御審議の上、速かに可決せられますようお願いいたします。   —————————————
  8. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 次に、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案議題に供します。
  9. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 只今から日本国有鉄道法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申上げます。日本国有鉄道公共企業体として発足いたしまして以来おおむね四年を閲したのであります。この間其の設立趣旨を生かし、能率的な運営図つて公共福祉を増進し得るよう種々その制度に検討を加えて参つたのでありますが、今回特に急を要する会計の章を主といたしましてその企業性を伸長するため、日本国有鉄道法所要改正を加えますために、この法律案提出いたすことになつた次第であります。  日本国有鉄道は同法第一条に明示いたします通り、その能率的な運営により、公共福祉を増進することを目的とするものでありますからその事業運営基盤たる財務活動につきましては、十分にその企業性を発揮し得るようにいたすべきことは勿論であります。併しながら又日本国有鉄道全額政府出資公共企業体として一般民間企業とその本質において性格的に異るものであり、公共福祉の見地から国の特殊の関心と監督に服す必要のあることは申すまでもないことであります。本改正におきましてもこれらの事情を考慮いたしますと共に、他面昨年新に公共企業体として設立されました日本電信電話公社制度等を十分参酌いたしておる次第であります。  次に改正要点といたしましては、日本国有鉄道予算の形式、予算繰越利益金処分現金取扱資金調達等の諸規定つきまして、企業にふさわしいように所要整備を加えますのがその第一であります。  次に役員及び職員に関する給与準則について現行法では予算の中で給与の額として定められたいわゆる給与総額をこえてはならないこととされておるのでありますが、今回特別の給与につきましては若干の弾力性を与えたことであります。  第三に日本国有鉄道は一定の条件の下においては関連事業投資し得ることを明らかにしたことであります。以上が改正の主な点でありますがこれが詳細につきましては、内容説明を申上げる際にゆづりたいと存じます。  以上を以ちまして提案理由説明を終りたいと存じますが、何とぞ慎重御審議上速かに可決あらんことをお願申上げます。
  10. 植田純一

    政府委員植田純一君) 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案内容につきまして、補足御説明申上げます。  先ず第一に第三条の関係について申上げます。現在日本国有鉄道投資しております事業は、帝都高速度交通営団のみでありますが、これは同営団法に特に日本国有鉄道より出資できる旨の規定があるのに基いているのであります。  このほか日本国有鉄道投資について運輸大臣認可を受けて業務に直接関連し、且つ、業務運営に必要な事業投資できる旨を明にいたしました。なお、予算総則において投資目的及び金額を掲げるごとになつております。国会の御審議によりましてこの点がきまることに相成るのでございます。  次に第三十七条第二項中「七月三十一日」を「六月三十日」に改めますの一は、決算完結期限現行より一ケ月繰り上げたのでありまして、これにより企業の成果を早く判然させることにより、日本国有鉄道事業能率的運営に役立たせたいと考えておる次第であります。  次に第三十九条は日本国有鉄道予算弾力性を与える規定でありまして、事業体予算の性質上この弾力性が当然含まれるべきものと考えられます。なおこの弾力性内容につきましては、予算総則に掲げることになつております。  次に第三十九条の二に規定いたします予算の作成及び提出についてでありますが、現行法によりますれば、日本国有鉄道予算は、運輸大臣が適当と認めたものについて、大蔵大臣が必要な調整を行うことになつておりますが、この建前は変りませんが、この調整を行う場合、大蔵大臣運輸大臣協議することに改めました。  次に第三十九条の三に規定いたしております予算内容につきましては、現行法では政令により予算総則歳入歳出予算債務負担行為と定めておりますが、これに更に継続費を新たに加えて法律をもちまして、予算総則収入支出予算継続費及び債務負担行為と明示することにいたしました。現行政令にある歳入歳出予算収入支出予算と改めました。  次に第三十九条の四の予算総則については、総括的規定として前に述べました三十九条の予算弾力性に関する規定を含むほかは、日本国有鉄道投資目的及び金額予算繰越に関する経費指定等規定を新に追加いたしましたが、その以外については現行政令規定いたしておりますことと大差ございません。  第三十九条の五は収入支出予算の区分の規定でありますが、資本勘定損益勘定及び工事勘定の別に区分し、更に項に区分することとにいたしております。  第三十九条の六の予備費につきましては、ほぼ現行法と同様であります。  次に第三十九条の七の規定は、日本国有鉄道事業の円執な遂行に資するため、国の予算におけると同様継続費を設けることにいたし、数事業年度にわたつて支出することができるようにいたしました。  次に第三十九条の八から第三十九条の十三までに規定しております債務負担予算議決予算議決の通知、追助予算予算の修正及び暫定予算につきましては、内容ほぼ現行法と同趣旨であります。  次に第三十九条の十四の予算流用等について申上げます。予算実施にあたりましては、流用等については原則的に日本国有鉄道に任せることといたしまして、特に予算で指定いたしましたものについては、運輸大臣承認を要することにいたしました。又予備費の使用につきましても、予算流用につき指定いたしました経費に使用するときは運輸大臣承認を要することにいたしました。  次に第三十九条の十五に規定いたしております予算繰越は、現行法では契約等支出の原因となつ行為をしたもので、支払義務を生じなかつたものを繰り越すことになつておりますが、これを支出予算のうち支出を終らなかつたものを原則として繰り越し得ることに改めました。なお継続費繰越については完成年度まで順次繰越して使用することができるように定めました。  次に第三十九条の十六及び第三十九条の十七に規定いたしております資金計画収入支出等報告につきましては現行とほぼ同一であります。次に第四十条から第四十条の三までに規定いたします決算については、現行法では決算添付書類として提出しておりました財務諸表を決算書類として提出するほかは現行法とおおむね同趣旨であります。  次に第四十一条に規定いたします利益及び損失の処理について申上げます。現行法では日本国有鉄道経営利益を生じた場合は、予算で定める場合を除き、その利益政府一般会計に納付することになつており、又半面損失を生じた場合において政府は必要と認めるときは損失に対して交付金を交付することができることになつております。これは日本国有鉄道経営意欲の減退延いては独立採算性の本旨にもとると考えられます。これを改めまして損益計算利益を生じたときは、利益積立金とし、欠損を生じたときは繰越欠損金として整理することとし、これに伴つて政府交付金はこれを廃止することにいたしました。なお資産評価による評価益等資本取引により生じましたものは、資本積立金として整理し、これによつて資本実体的維持図つた次第であります。  次に第四十二条に規定いたします業務に係る現金取扱について申上げます。業務に係る現金原則として国庫に預託することは現行法と変りませんが、例外として郵便局又は銀行等に預け得る場合が規定されております。現行法におきましても現金を安全に取扱うため、日本銀行の支店又は代理店を簡便に利用できない場合で政令で定める範囲内に限つているのを、業務上必要があるときは政令で定め得ることに現行規定を拡張いたしました。  次に第四十二条の二に規定いたします借入金及び鉄道債券について申上げます。現行法では借入金政府からのみ借り入れることができるようになつておりますが、これを改めまして政府からのみでなく、民間からの借入れの道をも開きましたそのほか、第五項以下に鉄道債券消滅時効鉄道債券発行事務銀行又は信託会社に委託できる旨の規定、これに伴つて受託会社権限等について商法の規定を準用する旨の規定を設けております。更に借入金の未借入額及鉄道債券の未発行額については翌事業年度繰越し得る旨の規定を設けております。  次に第四十四条について申上げます。現行法は第四十四条において日本国有鉄道は、その役員及び職員に対して支給する給与について給与準則を定めなければならない。この場合においてこの給与準則は、予算のうちのいわゆる給与総額範囲内でなければならない旨を規定しております。この規定の後段即ち給与総額範囲内でなければならない場合の例外といたしまして、本条に第二項を加えまして、能率向上により生み出された収入の増加又は経費の節減により生じた金額の一部を予算の定めるところにより、運輸大臣認可を受けて特別の給与として支給する場合は、給与総額範囲を超えた給与準則を作成し得ることとして、日本国有鉄道能率向上を振起いたしたいと考えます。  次に第四十五条におきましては、大蔵大臣実地監査権というのが現行法にございまするが、これを削除いたしまして、大蔵大臣予算実施に関する報告運輸大臣を経て徴し得ることに改めました。  次に第四十七条に規定いたします運輸大臣大蔵大臣協議を要すべき場合は、資金関係あるもののほかは会計規程基本事項認可の場合に協議が必要であるごとにとどめまして日本国有鉄道に関する財務監督を整理いたしました。  最後に本法律は本年四月一日より施行することにいたしておりますが、昭和二十七年度決算につきましてはなお旧法の例によることに附則規定いたしております。  以上本案の内容につきまして概略説明申上げました。   —————————————
  11. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それでは次に地方鉄道軌道整備法案議題といたします。先ず衆議院議員關谷勝利君より提案理由説明を願います。
  12. 關谷勝利

    衆議院議員關谷勝利君) 只今議題となりました地方鉄道軌道整備法案につきまして、提案者を代表いたしまして提案理由並びにその概要を御説明申上げます。  御承知通り地方鉄道軌道の中には、戦後の混乱を脱1して立直りの顕著なものもありますが、地方によりましては、まだ、運輸量が比較的少いため、経営維持の困難なものが多いのであります。従つて地方鉄道補助法による補助昭和二十二年で停止になつて以来、地方鉄道軌道営業廃止を行うものが続出して、終戦以来その件数は二十二件にも上つております。今地方鉄道軌道を具体的に検討しますと、経営が困難なため営業廃止の寸前にあるものの中には、例えば、降雪のため冬期間は他の交通機関がすべて杜絶して、鉄道だけが唯一の交通機関になるというようなものが相当数に上り、又これに似た例は、山間地帯についても考えられるのでありまして、これらは、いわば陸上の離島航路ともいうべきものであります。而も、このような鉄道の多くはその地方住民負担力から見て、限度と思われる高運賃をもつてしてもその維持は困難であります。このような鉄道を廃止いたしますと、沿線住民の生活に及ぼす影響は誠に甚大で、生活物資その他日常生活に必要なものの確保が不可能になるのであります。従つて、かような鉄道は、国策上存置してその経営維持させる必要があります。  又、電源開発、重要資源の開発が各地で進められておりますが、そのためには、先ず、道路の開設、改良又は鉄道の敷設が前提となるわけでありまして、そのいずれが有利かと考えますと、地形の関係や重量貨物の輸送の問題から見て、鉄道の敷設のほうが、道路に比べてその二分の一乃至三分の一程度の用地利用で済みますので、遥かに有利な場合が相当あります。こういう産業開発の目的を持つて敷設される鉄道は、その目的とする開発が相当な段階に達するまでは、収支相償わないのが普通であります。その間、育成的な措置を講ずることが必要で、やがては自立し、国民経済に大きな寄与をすることは明らかなのであります。  以上のように、国民生活上不可欠な鉄道維持するため、或は重要資源の開発上重要な鉄道の建設を促進するために、国家において適当な助成措置を講じる必要があります。  最後に、日本国有鉄道の新線建設に伴いまして、その鉄道線路が地方鉄道軌道に接近又は並行して敷設されますと、地方鉄道業、軌道業は非常な打撃を受けることになります。従来、我が国がこういう鉄道を敷設した場合には、国においてその損失を補償することになつておりましたが、これは地方鉄道業、軌道業の公益性から見て当然のことでありますが、日本国有鉄道という公共企業体ができましたので、政府日本国有鉄道との関係を明確にすると共に補償金額につきまして、最近の金利状態等を考慮して新たな立法措置を講じまして、旧規定を廃止する必要が生じたのであります。  以上述べましたような事情と、現在の国家財政の実情とを勘案いたしまして、慎重検討を重ねました結果、成案を得ましたので、ここに法律案として御審議を願うことにいたした次第であります。  以下法案の大要を申上げます。  第一は、天然資源の開発、その他産業振興上重要な鉄道新線、並びに国民生活上不可欠な鉄道に対する助成措置であります。先ず、如何なる鉄道助成対象とするかの点でありますが、今後敷設される鉄道新線及び本法施行の時に運輸開始後十年を経過していない鉄道のうち天然資源の開発、その他産業の振興上特に重要と認められるもの、並びに設備の維持が困難でありながら、その運輸が継続されなければ、国民生活に著しい障害を生ずる虞れのあるものであります。以上の鉄道に対しましては、平素特別の指導監督をいたしまして、極力経営の健全化を図らしめることといたしますが、それにもかかわらず、なお経営困難と認められるときは、その鉄道維持助成するための補助をすると共に、こういう鉄道の輸送の安全並びに企業合理化上必要な改良に要する借入金につきまして、金利の一部補給を行うことになつております。なお、補助対象となる鉄道につきましては、地方税の減免ができる建前といたしました。これは、国庫の補助を必要とするほどの鉄道でありますから、最も関係の深い地方公共団体もまた相応の援助をなすべきでありますので、地方税を減免できるように特に規定したわけであります。  第二は、地方鉄道軌道に関する営業補償の規定であります。現行地方鉄道法及び軌道法には、こういう営業補償の規定がありますが、日本国有鉄道という公共企業体設立されましたことと、営業補償の金額の算定につきまして、最近の金利状況等に照して妥当な方式に改める必要がありますので、現行法規定を廃止しまして、新たにこの法律規定することといたしました。即ち日本国有鉄道が新線を建設したために、これに接近し又は並行する地方鉄道軌道営業が困難になつた場合において、営業廃止による損失又は営業継続の場合の減収を日本国有鉄道が補償することといたしましたが、この場合、日本国有鉄道鉄道建設が政府の命令に基く場合には、政府日本国有鉄道にその補償金額を交付することといたしました。更に現行法には廃止補償金額算定の場合の収益還元率が法定されていましたが、これを金利体系の変動に順応できるよう政令に移すことといたしました。  第三は、地方鉄道軌道補助に関しましては、一元的にこの法律によるのが望ましいと考えましたので、地方鉄道補助法及び北海道拓殖鉄道補助二関スル法律を廃止いたしますと共に、現在、北海道拓殖鉄道補助二関スル法律によつて補助を受けているものの既得権は十分に尊重するよういたしたことであります。  以上が、この法律の概要でございまして、これらの措置を講じて地方鉄道軌道整備を図ることにより、産業の発達及び民生の安定に貢献いたしたい所存でございます。  何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第でございます。   —————————————
  13. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 次は海上保安官に協力援助した者の災害給付に関する法律案議題といたします。ちよつと速記をとめて下さい。    午後二時四十九分速記中止    —————・—————    午後三時七分速記開始
  14. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 速記を始めて下さい。  それではこの海上保安官に協力援助した者の災害給付に関する法律案審議は、今日はこの程度で質疑打切りにして次回にしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それではさよう取計らいます。   —————————————
  16. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それでは建設委員会に上程されておりまする議員提案の海岸保全法案の懇談会をいたしたいと思いますが、そして懇談会でよければこの委員会を一応閉じたいと思いますが、御異議ございませんか……。  それではこれを以て委員会は本日は終了いたします。次回は追つて御通知申上げます。    午後三時九分散会