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政府委員(
岡田修一君)
只今の御
質問でございますが、
資料につきましては、至急取揃えまして、次の
委員会までに御配付申上げたいと思います。
金利の点につきましては、
只今お答え申上げましたように、一応第一段の措置として、財政資金の利子七分五厘に、
政府の利子補給によ
つて利子、金利の率をそれに近付けるという措置をと
つたのでございますが、私どもとしては、との財政資金の七分五厘をできれば五分
程度まで引下げるように努力しなければならない、かように
考えておるのでございます。なお今度の
国会に提案されました国庫負担行為では、今後造られる新造船に対する利子補給でございますが、私どもの
考えといたしましては、これを過去の建造船に遡
つて実施する、こういう面についてもできるだけの努力を払いたい、かように
考えております。諸外国の金利の差を、日本の現在の経済として許す限りその幅を狭めるということに最善の努力をいたしたいと
考えております。
それから税の問題でございますが、一番の問題は、船舶に対する固定資産税の適用でございます。これは固定資産税が応益に基いて設定されるという
趣旨からいたしまして、船舶にこれを適用するということが非常に不合理であるのであります。実際の徴税に当りましても、幾多不合理の点が認められ、且つその税金は非常に高額であるのであります。新造外航船或いは改造外航船については、評価額の半分という特別の措置が認められておるのでありますが、それでも一番安い新造船で、年間八百万円の固定資産税を納める。これは乗組員の給料にほぼ匹敵する高額な税金であります。今日海運界が非常に不況になりまして、乗組員に対する給与支払に非常に困難を来しておりますので、こういう実情から、税金だけは、船が働いても、働かなくても、それに相当するものがとられるということは、海運業界にと
つても非常に苦痛でありますから、税体制の
改正、税の軽減を図らなければならんというので、目下大蔵省、地方自治庁と折衝中であります。これは何といたしましても改善する必要があると
考えております。なおもう
一つは海運に対する地方税としての事業税でありますが、これは他の自由企業が収益を対象にして課税されておるに反しまして、海運については、ガス、電気或いは私鉄のごとく独占性を持つた事業と同じような課税にな
つておる。このために今日各海運会社とも、非常に赤字に悩んでおるにかかわらず、課税されるというような事情に、海運界としてはそういう苦しい実情にあるのでございまして、これ又是非とも他の自由企業と同様に一律課税という方向に改めなければならん、かように
考えております。
それから乗組員の問題でございますが、御指摘の
通り、日本船は欧米船に比べまして、一割乃至二割
程度より多くの定員を乗込ませておるのでございます。これは
一つは電波法或いは船員法等の法律に基くものでございまして、私どもとしてはこの
改正によ
つて乗組員の定員を合理的にしなければならない、かように
考えておるのであります。併し戦前においても日本人の体力と、欧米人の体力との
相違から、多少日本の船のほうは多くの乗組員を擁しておりましたので、必ずしも同一というわけには参らないと思いますが、日本船に相応する乗組員の配置ということは是非とも実現の要はある、かように
考えておるのであります。
なお船価軽減についての一番の大きい要素である鋼材価格の引下げでありますが、
運輸省としては、御承知の
通り造船用の特殊鋼材に対する補給金制度によ
つてこれの引下げを図りたい、かように
考えて、
政府部内で折衝を続けております。御承知の
通り補給金制度は経済政策の基本線に触れておるものでありまして、なかなか容易に
政府部内の
意見がまとまらない。併しそれを何とか形を変えて
政府から補給金と言いますか、或いは技術証明というような形をとりますか、いずれにしましても
政府の助成による鋼材の引下げ措置を講ずる必要があるのでありますので、目下
政府部内で努力中であります。