運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-12-17 第15回国会 参議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十七日(水曜日)    午前十一時二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小泉 秀吉君    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小酒井義男君    委員            仁田 竹一君            一松 政二君            小野  哲君            高木 正夫君            中村 正雄君           前之園喜一郎君           深川榮左エ門君            鈴木 清一君   国務大臣    運 輸 大 臣 石井光次郎君   政府委員    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   説明員    日本国有鉄道営    業局長     津田 弘孝君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国有鉄道運賃法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○公共企業体等労働関係法第十六条第  二項の規定に基き、国会議決を求  めるの件(内閣送付)   —————————————
  2. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) これより運輸委員会を開催いたします。国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案並びに公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件を一括して議題といたします。
  3. 中村正雄

    中村正雄君 今日運輸大臣が見えておりますので、昨日の質問を繰返すことは時間も要ります関係で、昨日植田政府委員から答弁があつた点につきましては、速記録等によつてもう一度大田御検討願つて明日でも御答弁願いたいと思うのです。従つて、別な面から大臣にお願いいたしたいと思いますのは、一つ国鉄財政問題についてでありますが、このたび運賃改正をやるということで運賃法案提案になつておりますが、国鉄自体財政状態、特に運賃基準にいたしまして考えて見ますならば、いろいろな政策によりまして、現在の運賃自体は、出されております資料によつても、コストを賄うことのできない運賃になつておる。言い換えれば、赤字運賃になつておりますが、こういう赤字運賃国鉄に強いておいて、そうして収入によつて経費を全部賄えという独立採算制を強要いたしておる。こういう制度の下におきましては、いつまでたつて国鉄の復興もできなければ、国鉄の発展もできないと思うわけなんです。そういう関係から、このたびの運賃値上げを見ましても、昨日国鉄当局からの説明によつても明らかになつておりますように、従事員基準賃金を一万三千四百円にすると、それによつて年間年度におきまして現在の給与よりも百七十億程度のやはり増加になつて来る。この百七十億程度賃金増加をどうして賄うかという点に関して、運賃値上げにこれを求めておる。而も年間収入の大体一割に近いお金が足らないから現在の運賃の一割を値上げしようということでこのたびの運賃改正提案されているということは、まあ提案理由その他によつても大体推測し得ることなんです。従来国鉄従事員賃金が問題になりますごとに運賃値上げ国鉄はやつて参りました。言い換えれば、従事員賃金を上げるために金が足りなくなると利用者負担においてこれを賄うという運賃値上げ方法によつて来た。従つて、このたびもそれによつて、一割経費が足らないから約一割程度運賃値上げをやる。今後の情勢がどうなるかこれはわかりませんけれども、常識として考えまして、必ず一年に一回はベースアップの問題は起きる。そうしますと、この次のベースアップが問題になつたときも、必ず運賃値上げということは過去の例から考えて見まして起き得ることが想像できるわけです。そういたしますると、今までと同じことを今後何遍も繰返して行く。そのうちに自動車、飛行機等の発達によりまして、国有鉄道局体がだんだん衰微して行く。こういうことも私たちは予測せざるを得ない。従つてこのたびの運賃改正につきましても、本当に国鉄独算制を維持するために正しい運賃制度を樹立するという根本的な考えからの運賃是正であれば又別でありますが、単に二百億近い金が足りないから二百億程度の金を収入に求めるという運賃値上げ方法、これではどうも私はこの運賃値上げにつきまして輿論を納得さすだけの根拠がないと思うのです。従つて大臣に私お尋ねいたしたい点は、独算制を強要いたしております国鉄財政政府としては今後どういうふうに考えて行くか。現在一割値上げいたしましても、国鉄運賃赤字運賃になつておると思います。勿論国鉄運賃利用者負担するということになりますけれども、やはり公共性を持つておるものであり、やはり政策的に運賃考えなくちやいかん。そこにはやはり定期運賃であるとか、重要な物資貨物運賃につきましては、コストを割つた運賃ということも当然考えなくちやいかんと思います。これは併し国鉄自体負担すべきものではなくして、これによつて、生ずる赤字一般会計国民の税金によつて負担すべき性質のもののわけなんです。従つて、今後の国鉄財政につきまして、コストを割つた運賃を強要しておいて、この国鉄財政に対して、政府はどういうふうな面から国鉄財政建直し考えておるか、運輸大臣としての一つ国鉄勢政に対する根本的な方針をお聞きしたいと思うのです。
  4. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今度の運月値上げベースアップ費用をカバーするにも足りないくらいじやないかという点であります。これは来年年度になりまして運賃収入状況がどういうふうになりまするか、あの予算よりひどい増減はまあないだろうと思うのであります。まあこれははつきりしたまだ数字は出ておりませんけれども、そういたしますと、来年度又何か特別な金の出る問題が起りますればどうなるかというと、誠に切詰めた予算の形になつておりますので、その出途をすぐ考えなければならん。それには国鉄自体自分計算で物を運ぶという考え方からいたしますならば、収入を上げる、それには一番問題は又運賃の上げ、或いはその附帯のいろいろな収入の面の値上げというようなことを考えるのでありますが、そのほかの面が非常に少いのでありますから、結局又運賃の問題になるのではないかという心配は、依然としてそれはあなたのおつしやるように抜けないと思います。今度も御承知のように国鉄は、初め三割くらい値上げをして、そうしてそこに余裕を持たして、ただベース・アツプの問題だけでなく、国鉄そのものの改善その他の費用に充てて行くということにして将来の含みを持つておきたいということが希望でありましたが、何度も説明いたしまするように、一般に及ぼしまする財政上、或いは国民生活上の影響考えまして最低限の一割にとどめたというところに、国鉄財政としては依然としてその苦しさは残つて行くと思うのであります。この次は、それでは又来年も同じような問題が起つたらどうするかということであります。それはそのときになつて考えて見なければならんと言えば言抜けでありますが、その問題に今仰せのように、よく考えて行わなければならん問題だと私は思います。現在の形で行きますれば、又この運賃値上げをせざるを得んというような問題が当然まあ考えられるような数学的に傾向を持つと思うのでありますが、又国鉄そのもの自体経営の面から考えまして、今度もいろいろなお話が各方面で出ますように、まあ経営そのものの中の合理化と言いますか、その他の収入の面を上げ、或いは節約するものは節約し、或いは場合によつて国庫のほうから、今お話のようにお手伝いを願つて然るべきものもいろいろ考えられるべきものがある。これらのものを考案いたしまして、来年の運賃問題等について、全体の見通しをだんだん立てて行くように運んで行きたいと考えております。
  5. 中村正雄

    中村正雄君 今私のお聞きしておりますのは、来年度又不足な経費が出た場合どうするかという目先の問題ではなくて、根本的な国鉄財政に対して政府はどう考えているかということをお聞きしたわけなんであります。仮に今度の運賃値上げによりましても、今度の運賃自体コストをカバーし得る運賃では恐らくないだろうと思います。それは運賃値上げをする必要ということが人件費の高騰にあるわけで、並びに物件費もこれに伴いまして国鉄が必要とする石炭とは恐らく別な面から上つて来るだろう、そういたしますると、政府が出しておりまする資料によつて言いましても、二十七年度において旅客運賃が二%の赤字になつているし、貨物運賃は一九%原価を割つている。言い換えれば経費自体を賄うことのできない国鉄運賃、これは政策面から来ているわけで、私は運賃を上げよとは申しません、この政策面から来ております低運賃ということは、それぞれ現在の社会状態においては理由のあることでありまして、これは維持しなければいけないと思いますから、併しそれは一般社会政策の面でありまして現実に国鉄財政という面から考えますると、現在の運賃におきましても、旅客貨物とも全体において赤字運賃を強いられていることで、国鉄独算制を強要しているそのしわ寄せがどこに来るかといえば、一つ人件費一つは復旧のほうに来ると思います。従つてこの赤字運賃を強要しておつて、而も独算制を強要するこの国鉄財政に対しましては、どの内閣におきましても根本的に財政補強策を講じなければ国鉄はだんだん衰微すると思う。従つて政府として、運輸大臣としてこの国鉄財政について根本的にどう考えて行くかという僕は方針をお聞きしたい。私もそれに対しましては一応の見解を持つておりますけれども、私の見解は別にいたしまして、政府としてはこの国鉄財政をどういうふうにやつて行くか、言い換えれば二つ方向があると思うのです。一つ国鉄自体が本当に収支をカバーし、今後は独算制をやつて行く上に足るだけの運賃を根本的に考えるという方法一つあると思います。これは大きな分け方でありますが、もう一つ運賃はやはりいろいろの面から社会政策上こういう運賃を余儀なくされている、従つてこれによつて生じます赤字というものは、国鉄自体負担すべきものではなくて、別に政府のほうで交付金なり、補助金なり、そういう面で考えるという、大体分ければ二つ方法があると思いますが、政府はこの国鉄財政に対してどつちの方向によつて根本的に建直し考えているか、根本方針をお伺いいたしたいと思います。
  6. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) これは国鉄が独立したときから考えられた問題であつたと思うのでありますが、これは私の意見を申しますならば、考え方を申述べれば、国有鉄道として独立して行つて独立採算制ということを方針として立てられているものであると思うのでありますが、そういたしますと、独立採算制方向ということになりますと、今お話のように自分自身で賄つて行くとすれば、運賃を根本的に考えないとしよぼしよぼした考え方じやいけないのじやないかという点になります。併し実際問題といたしますと、今までやつて来ました運賃というものがもうすでに既存事実としてあるのでありますから、これを根本的に大きく動かすということは実際上として、議論上としては成立たつても実際上として不可能である。今度の運賃改正にいたしましても、平均一割ということにいたしまして、これはかなり予算技術上の問題もあると思うのでありますが、何でもかんでもそのままにして割上げておけば一番簡単であつたと思いますが、かねてから問題ありました運賃料率の問題まで入りましたのでありまするから、或るものは非常に高く上る、これではお話が違うじやないかという、非常にこんがらがつた問題がありますと同様に、今後は少し根本的に経営が成立つようにということにするには、やつぱりこれはむずかしいので、その線に沿つて行くにしても徐々に歩むより仕方がないと思うのであります。そうするとどうなるかと言いますと、国庫によつて援助する、一般予算のほうから国鉄が立つて行くような方向考えてやらなければならんということになるわけでありますが、それじやこういうものもこういうものもこういうものも、採算を割つているんだから、これは国家的な仕事だから国庫から全部補助しろということになると、財政上の金繰りの都合その他のものもありまして、なかなか思うように行かない。これを何と申しまするか、持ちつ持たれつで、一つの線は自己採算制に基幹を置きながらそうしてそれにだんだん近付いて行くように、又国家の財政の許す範囲において、その国鉄仕事の運行を破らないように援助をして行く、一般会計から援助をして行くというような実際上の問題になると、妥協せざるを得ないというようなふうに、私は考えております。それでまあ取りあえず問題にいたしますと、この間から問題になつております、今までの、今までにあるものは一応やるのでありますが、例えば新線建設の場合なんかはそれに対する利子負担というものは、国鉄のただ採算だけがらする経営では非常に困難な問題だ。まあそういうふうなものを国庫のほうから補助をするようにしてもらいたいというような線を考えております。
  7. 中村正雄

    中村正雄君 根本的な問題につきましては、恐らく一日かかつて質問は尽きないと思いますが、ただ大臣の一応のお考えもまだはつきりきまつておらないと思いますし、又政府自体方針としてもこれはさまつてないと思います。従つて少くとも国鉄が現在の状態ではいけないという点については、政府としても異論はないと思いますので、国鉄財政を今後どういうふうに持つて行くかという根本方針につきまして、一応早急に政府としても態度決定願つて、我々の意のあるところを酌んでもらつて国鉄財政建直しという方向に進んで行きたいと思いますので、この点につきましての質問はこの程度にいたしまして、御研究を願うということにいたしておきます。  次に先般国鉄からちよつとお聞きしたわけでありますが、今度の炭労ストによります列車削減によりまして、本年度相当予定収入減収があると思います。而もこれが年度の初めの五月、六月頃でありますれば、あと又カバーし得る日時もありますけれども、あと本年度余すところ三月ぐらいにして、二十億から三十億に近いような減収が生ずる可能性が相当あるわけでありますが、これを恐らくあと二月や三月でカバーすることは到底困難だと思います。従つて今出されておりまする補正予算自体を見ましても、大幅な増収が見込まれておりますが、これ自体炭労ストの起きない前にお組みになつ予算であります関係上、この数字もどの程度まで確実性があるか、恐らく政府としても自信はないと思います。従つて三月の末になつて見なければわかりませんので、どれだけ金が足らなくなるか、或いはお互いの考え方が杞憂であつて、完全に収入は確保できるという場合もあるかわかりませんが、万一予算に計上いたしております収入が、このたびの列車削減によつて確保できなかつたという場合においては、そのしわ寄せ国鉄自体財政において何とかしろということになれば、さなきだに困つている国鉄財政がますます窮屈になつて来ると思います。これは国鉄自体責任ではなくして、やはり大きな面におきます政府政治責任だと思いますので、若し列車削減によります減収ということが、国鉄財政に大きな影響を与えるというような事態になりました場合は、政府としてこれに対しまして何らかの補給の途を講ずるお考えはあるかないか、一応政府として大臣の御答弁を伺いたい。
  8. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 石炭ストによつては当然減収が予想されるし、これから先、年度末までの経過お話通りでございます。それをどう処理するかという問題は、年度末の計算を見なければならないのでございますが、これは国鉄の運営に影響を及ぼすような、迷惑な状態にならないように話を進めて行きたいと思います。
  9. 中村正雄

    中村正雄君 まあ具体的な措置は、今からお聞きすることはできないわけでありますが、まあ国鉄自体財政影響する場合に、政府としてもその措置考える、こういうまあ御答弁で、一応満足いたしておきます。  次にお尋ねいたしたいのは、これは運輸大臣としての一応の方針をお聞きしたいわけですが、今度の国有鉄道運賃値上案が出ておる。これは通るか通らないかは別といたしまして、一応まあ通る可能性が多いわけなんですが、そういたしますと、いつの場合でも関係しますのは、私鉄運賃です。国鉄運賃を上げますと、それに便乗して、私鉄運賃値上げが必ず申請されて来るし、そうして上つて来る。このたびの国鉄運賃値上げというものは、政府提案説明にもありますように、国鉄自体内部事情によりまする運賃値上げ、こうなつておりますので、若しこれが、運賃値上げ決定した場合に、私鉄その他からのこれに便乗する運賃値上げ申請があつた場合、政府はこれに対してどういう態度をおとりになるか、方針を承わりたい。
  10. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私鉄のほうからそういう問題が出まして、是非値上げをするというような申出が出ましたらば、これはそれぞれの機関にかけて研究いたしまして、適当だと思いましたならば、或いは値上げに賛成する、若し不適当でありましたならば、それを抑える、これは実際に出た上で、それからそれぞれの機関研究した上で決定したいと思います。
  11. 中村正雄

    中村正雄君 そういたしますと、国鉄運賃値上げに伴いまする私鉄運賃値上げについては、イエスかノーかというはつきりした態度決定しておらない、出ました場合には、個々具体的な問題について検討して、値上げの必要があれば認めるというふうな、具体的に個々の私鉄についてお考えになる、こういう方針ですか。
  12. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) その通りでございます。
  13. 中村正雄

    中村正雄君 そういたしますると、各方面から考えて、運賃値上げ申請があつても、値上げを認める路線もあれば認めない路線もあり、一般的に国鉄上つたけれども、これは国鉄自体内部事情から、私鉄運賃値上げというものは、これに便乗しては認めないという方針か、或いは国鉄が上げたらやはり私鉄運賃の均衡上げなければならないから、妥当であればこれを認めるというような、根本方針を持つておらない、出て参りました個々具体的な路線について考える、こういう方針考えていいですか。
  14. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 値上げ国鉄の関連において、当然こちらも上げたからというので上げてやろう、或いは国鉄だけは上げたけれども、これは認めないという既定の方針は持つておりません。
  15. 中村正雄

    中村正雄君 それに関連いたしまして今度まあ、貨物運賃も物によつては相当大幅の値上げになるような、国鉄の大体作業進行状態でありますが、又これに関連して問題になりますのは、小運送料金その他です。これに対しまして政府はどうお考えになつているか。
  16. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 小運送料金につきましては、貨物運賃値上げによりまして影響すると思いますが、まだ具体的にはきまつておりません。
  17. 中村正雄

    中村正雄君 今の政府の御答弁ちよつと私はわからない点があるのですが、貨物運賃値上げによつて運送料金影響するということですが、このたびの貨物運賃値上げというものが小運送料金に私は間接的には、これは物価全体として影響がないとは言えないかもわかりませんけれども、貨物運賃上つたから直ちに小運送料金影響するとは考えられない。従つて今回の貨物運賃値上げ自体も小運送料金値上げの必要から生じたものではないし、又等級改正というものも、小運送料金影響するとは考えられない。従つて私は政府方針としてはつきりお聞きしたいと思います点は、このたびの運賃値上げというものは、小運送料金等値上げをこれに便乗させないという確固たる方針がなければいけない。従つて影響するからまだきまつておらないというようなことで、国鉄は別として、運輸省自体として、今方針がきまつていないようなことで、私は運賃値上げを、国鉄自体申請を認めたり、或いは三割は困るから一割にするというような態度は、私はおかしいと思う。私の考えでは、貨物運賃値上げによつて運送料金には直接影響はない。従つてこれに便乗する小運送料金値上げを認めないという態度があつて欲しいと思うが、運輸大臣はどういうふうに考えるか。
  18. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この問題は勿論研究した上でなければはつきりしたことは申されないのでありますが、今政府委員から申しましたように、それが影響すると、そうして尤もたということであれば上げなければならないと思いますが、私は今それについてどうということは、はつきりしたことはもう少し研究して見たいと思います。
  19. 中村正雄

    中村正雄君 今方針がきまつていないのにお聞きするのは無理かも知れませんけれども、併し運輸省として、政府として、貨物運賃値上げをし、旅客運賃値上げするということならば、当然それに附随して私鉄運賃値上げも必ず関連して来るし、通運事業に関しまする小運送料金、或いは通運手数料と言いますか、そういうものが必ずそれに関連することは常識として考えられることです。それを参議院に法案が廻つて来てまだ研究中、研究しますというようなことでは、私は運輸行政として果して完璧を得ておるかどうか疑わしい。勿論きまつていないものをお聞きすることはできませんから、至急この点について御方針決定願つて、この委員会に御報告を願いたいと思います。  次に最後になりますが、運輸大臣にお聞きしたいのは、昨日国鉄当局に聞きまして、まあ一応の経過は承知したわけでありますが、一応運輸大臣として、運輸省としての一遍お考えをお聞きしたいのは、貨物運賃改正です。昨日も国鉄にいろいろ事情を聞きましたところが、今度の貨物運賃一割値上げと、それに便乗するということは悪い言葉かも知れませんが、これを機会に等級改正をやつておる。そうして主要な物資につきまして、一応どういうふうに運賃値上げ値下げになるかという割合が、貨物新旧等級比較表並びに値上率値下率の表をもらつたわけですが、ここに挙つておるのをちよつと見ましても、生活必需物資というものは大幅に運賃上つておる。一割値上げという一般的な世論の感じよりも、総収入一割の増収を確保するという方針でやられておりますので、大衆物資は量において多いという関係もあつて、一割の増収確保という点を一つ政策面としてお考えになつておるのかもわかりませんが、出ております表を見ますと、生活必需物資、これが大幅に値上げになつて賛沢品は非常に大幅に値下げになつておる。例を言いましてもいわゆる食料品であるとか、或いは木材類、そういうものは三割から四割の値上げになつておる。而も輸送の中で一番数量を多く占めるものが三割四割値上げになつておる。反対に酒であるとか、絹織物であるとか、ビールであるとか、こういうものは三割も四割も値下げになつておる。勿論等級改正につきましては、理論的な一定方針従つて国鉄がやつておるわけで、その一定の基礎に従つてつておる作業において私は間違いがあるとは考えられません。これは恐らく価額ということが今度の等級改正一つの要素になつておる。そこに私はこういう結果が出て来たと思われるのでありますが、政治的に見ました場合に生活必需物資が三割も四割も上つて賛沢品が一割値上げどころか三割も四割も下るというようなことが政治面から考えて妥当な等級改正であるかどうか。これに対して運輸大臣はどうお考えになるか御答弁を伺いたい。
  20. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この運賃料率改正の表によりまして、今お話のような点が幾つかあるように思います。私は国民生活に強い影響を及ぼすもの、特に農産物類が一番多く影響を及ぼしているようでありますが、そういうものについてはなお十分にいろいろ意見を聞き、いろいろ国鉄内において再検討してもらいたいということをお願いいたしております。
  21. 中村正雄

    中村正雄君 この決定国鉄側に権限があるわけで、運輸省といたしましては監督権においてこれをいろいろ指示監督できると思いますが、一応一般国民としては一割の値上げということのみ考えているのに対しまして仮に賛沢品が一割値上げどころか現在の運賃よりも二割、三割安くなる、そうして生活必需物資であります農産物につきましては、一割ではない三割も四割も上るということを国民が知つた場合に今度の運賃値上げにつきましてどういう感じを持つか、これは僕は大きな政治問題だと思うのです。従つてそれに対しましてなお国鉄としても作業中であり決定いたしておらないということでありますので、この点につきましては十分運輸大臣としてお考えになつて、こういう政治面に及ぼします影響、社会の一般感情に及ぼします影響等も十分お考えになつて、理論としては一応作業は誤りはないと思いますけれども、この改正するにつきましてとりました基本理念においてやはりこういう結果の出るような間違いが一つあるということと、出た結果が今申しましたようにお互いの生活に必要なものが高くなつて贅沢品が安くなつている。これだけは私は政治の面から十分是正しなければやはり国鉄に対します国民の信頼という面についても大きな罐が入ると思いますので、今なお国鉄作業中ということでありますので、少くとも参議院の委員会でこれが結末を付くまでに何らかの措置をお考え願いたい。その点がはつきりしなければ我々といたしましてもこの運賃改正につきまして賛否の態度を表明することはできない。こう思いますので、早急にこの点の調整を願いたいということをお願いいたしまして、一応私ばかり質問してもどうかと思いますので、私の質問は本日はこれで打切ります。
  22. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) ほかに大臣に御質疑ありませんか。
  23. 一松政二

    ○一松政二君 ちよつと運輸大臣に、先ほど中村委員から御質問もあつたようですが、更に多少同じ問題に触れるかも知れませんが、根本的に一つ考えを伺つておきたい。それは国鉄経営赤字が出ればそれを運賃値上げによつてカバーできるとお考えになつていると、私はこれは将来行詰ると思う。さらでだに道路がよくなればバスと自動車の競争に堪えられなくなる。大体世界の傾向を見ても、又鉄道は輸送機関としてバルキーなカーゴは鉄道輸送によるけれども、あと簡単な、簡単と言うと語弊があるが荷造りその他鉄道によるよりもトラック輸送によればドア・ツー・ドアで小運搬も要らない、荷造りも要らない、そうして非常に早い。現に神戸、大阪から秩父市に到達する。必要なる物資もトラック輸送のほうが今日すでに安いそうです。世界的に先ほど申したように交通機関としては特殊の物資を除いてももうどつちかというと過去の交通機関に全部ではございませんが一部的にそういう傾向が現われている。そうしてアメリカにおいてはすでにいわゆるコーチの旅客運賃よりも飛行機のほうが安いという現状であります。であるから日本もおつつけそういうことになるように、現に計画されておる東京、神戸間の高速度交通路のごときものがこれは恐らく実現するでございましようが、そうすると幹線の東海道線その他にも相当な私は影響を受けるであろうと考えるのであります。従つて運賃の値上率が悪いから赤字が出るのだというお考えでは私は国鉄経営は常に赤字に追われるのではないかと考えるのです。どうしてもこれをいつかの時期にはもつと抜本的にこの経営についてお考えを願わなければならんときが来はしないか、そういうことについて運輸大臣は今後の見通しに一体どういうお考えを持たれておるか伺いたい。
  24. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 今のお尋ねのようなことをほかでも尋ねられ、衆議院でも尋ねられたのでありますが、誠に交通全体の問題として考えまする場合に今お話のような昔のように鉄道一本のような時代と違いましてトラック、その他自動車、乗客も自動車、或いは貨物輸送も自動車によると、それから飛行機の発達というようなこと等を考えなければならんし、又汽車にいたしましても現在国鉄の持つておりまする線路のうち儲かつておる線、儲からん線と挙げますと儲からん線のほうが多いというような実情、一応仮定して計算される国有鉄道の財産に比して収入そのものの量の、営業量の少いというような問題等考えますると、これはなかなか今の行き方をずつと続けていつまでもやれるかどうかという問題はこれは相当問題だろうと思います。これからの新線建設は将来非常によくなるようなことはいろいろな関係であるにいたしましても相当な期間赤字経営ということが考えられる。併し国家としては是非やりたいという問題、一応開発のため、産業発展のためにやりたいという線ばかりでありますのでこれはやらなくちやならんというふうに考えております。果してそういうものの利子等を払えるかどうかという点も大事ですから、新線についても利子補給その他の問題を考えなければならないということ、これはただ出て来た一個の問題で、全体としては今お話のように赤字が出たからすぐ運賃だけしか収入の途がないので運賃値上げというだけでは本当に私は将来はなかなか経営困難な問題が起ると思います。これは何とか国有鉄道はまだ始まつて四年くらいでありまするから、独立経営としての行き方にまだまだ時をかさなければわからんという見方もあるかもわかりませんが、もう四年たちました経験があります、それを土台としての財政経理の面、そうして将来の見通しということについては、根本的にいろいろ考えて見る必要があるのではないかと私もそう思つております。これは研究を続けて見たいと思つております。
  25. 一松政二

    ○一松政二君 そこでもう一つだけ伺つておきたいのですが、これは先日監督局長にも伺つた問題ですが、人間の欲望には限りがない、従つて戦前の我我の生活の水準に返りたいということは、もう国民等しく願うところであるが、負けた日本がそう簡単にそこには到達できないことは、これは何人もわかつておりますが、或る意味においては団体交渉の威力をかつてそうして経営者又は国鉄のごときは、国鉄責任者に今日でもいろいろな要求をつきつけておる、これは一面私は大いに同情し、理解し得るべき点もあるとは考えますが、国鉄のごとき大きな厖大な財産を擁する経営にとつては、多少無理なことをやりましても、或る程度食い延ばしができる、国鉄を食つてしまえば相当期間私は食えるのは食えるかも知れませんが、これは結局国民の租税負担によつてこれを補うよりほかにないわけです。毎年々々裁定、或いは賃上げ、或いは年末資金その他で、私は将来頗る国鉄経営は、今のような組織と今のような従業員の考え方であるならば、赤字は毎年累積するだけだ、そうして運賃値上げできないという窮境に私は必ず追い込まれる。現に農村のごときは運賃どころの話じやない、現に最近においては野菜とか果物とかというようなものは運賃にも足りないという現状に追い込まれたわけです。ということは、過去の肥料なり労賃は只にしても買手がないような羽目に立至つた場合には、収入というものは元入はしておつても、収入は皆無な国民が現におるわけです。必ず自分たちがやつたものは報いられなければならん、大体報いられることを念願するのですけれども、先ほど運輸大臣も同感の意を表せられましたが、運賃値上げのみによつてこれはできない、さればそれに携わる国鉄の従業員も等しくこれを私は認識してほしい、そうして国鉄のごときは、私は国鉄の従業員四十幾万人の中のその大部分は、私は田舎の居住者が多いと思う、田舎の居住者と、それから都会の菜葉一葉もできないところに住む者とが同一賃金と同一待遇を、これは地域差の別は問題外にいたしますが、賃金を要求することそれ自身に、私は労働組合の中にも或る程度の矛盾はないか、田舎で自分の家から通い、或いは女房や子供が田地を耕やして、米は別に買つて食う必要もない、そういう人も等しく同一賃金を要求するわけです。今の組織は或る程度それも止むを得ませんでしよう。そうすれば田舎におる従業員は比較的裕福だ、裕福という言葉は差控えてもよろしうございますが、或る程度満足ゆき貯金もできておるが、都会にいる者は赤字に追われている。そうして常に赤字を標準として賃金を要求されるということになりますれば、私は結果これより不幸なものはないと思う。だけれども、今のいろいろな言上或いは慣習上差別待遇はできない。併し自分が就業しておる経営そのものはすでに赤字の累積に悩む時代が私は目の前にあると思います。そうすれば私は鉄道従業員の全体として、これは団体交渉その他のときにそういう点をはつきり私は認識せしめてほしい。従業員仲間で何か調整ができないものか。それからただ要求すれば必ず通る。それは或る場合には無理が通るでしようけれども、その無理は必ず将来尾を曳いて経営を弱化せしめ、鉄道というものをいわゆる時代遅れのものにしてしまつて、英国あたりに見るような、私も最近は行つて見ませんけれども、ものの本の報告によれば、随分もういわゆる時代遅れになつて、これを新らしくすることもなか、て困難な模様に書いてあるものを見たことがある。私はそういう轍を国鉄が踏まざらんことを念願するわけでございますから、今の抜本的な経営方法、或いはいわゆる公社制度、これらも厳に検討を加えなければなりませんが、と同時に、私は従業員諸君が経営それ自身というものの実態を把握するように、私は国鉄当局は勿論でございますが、運輸大臣がそういう観点から、私は経営のやり方について監督もされたいし、それからそういう方面で指導を怠らないように願いたいと思いますが、運輸大臣の御所見をもう一応伺つておきたい。
  26. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) お説誠に同感でございます。私どもは今国民全体の生活が非常に苦しい状態にあるということを考えますと同時に、私どもの関係しておりまする国鉄の従業員の待遇が少しでも良くなるということをこれは私どもの念願であります。そういうことに是非やつてやりたいという熱望を持つております。併し又国家の財政の懐ろ勘定、国鉄そのものの懐ろ勘定というようなことでなかなかそれもできない状態でありまするし、今度のペース・アップの問題にいたしましても、運賃値上げしなければどうにもならないというような状態であることは御承知の通りであります。これが続いて又ペース・アップ、又運賃値上げ、戦前の生活に足りない、もつと上げろというようなことで、運賃値上げ運賃値上げということで行きますれば、さつきもお話のありましたように、国鉄そのものが一体成立つか、成立たんか、国鉄そのもの国民の前に一体輸送の根幹として皆に国民からこれを用いられるかどうかというような大きな問題と考えますと、なかなかそう易々と考え得ない点等はあるのでございます。又そういう立場であることについて、国鉄そのものが何か問題のあつたときだけ皆にいろいろな情勢を説いてはなかなかそれは言い訳に終るということであります。この頃いろいろな問題で、パブリック・リレーシヨンの問題がいろいろありますが、一番やらなければならんところのことは、一つ自分のところの様子を知つてつて、成るほど我々はこうしなくちやならない、こういう心がまえでおるということを知つてもらうために、もう少しかねてからいろいろな情勢を智しめるということは、いろいろやつてはおいでだろうと思うのでありますが、なおその点について、私どもももつともつとふだんからうちのことは皆が知つておるというような状態に、是非知らせるような方法をとりたいと思います。
  27. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 ほかに質問するかたがあれば私はあとで……。
  28. 小酒井義男

    小酒井義男君 大臣に二、三お尋ねしておきたいのですが、先ず最初に只今一松委員のほうから御質問があつて、一松さん自身の考え方としてはいろいろあると思いますが、大臣考え方として、同感だと言われたことについて、私はちよつと明らかにしておきたいと思います。例えば同じ国鉄の職場に働く労働者が、都市におるから、地方におるからということによつて賃金の格差をつけるというようなことをやつた場合、能率において、都市の人だけが全部能率がよくて、地方の人が能率が悪いということではない。農村におる人でも優秀な従業員の諸君がおると思います。そういうのに、環境に応じて賃金が勘案されるということの考え方大臣が同感だということになると、国鉄の企業の能率的な運営というようなことは、これは麻痺してしまう、私はそう思うのです。やはり能率に応じて、そうして仕事の率等に応じて従業員の待遇を維持して行く、こういう考え方でやられないと、私は今のような大臣の同感だというような考え方仕事が順調に進んで行くというふうには思えないのですが、そういう点について、なぜ大臣は今の質問に対して同感をされておるのか、先ずその点を一つはつきりして頂きたいと思います。
  29. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私の申上げましたのは、今の敗戦日本の今日の状況から見て、そうして国鉄経営国鉄の立場、運送事業の全体の趨勢等から見て、国鉄の内部にいろいろな要求があつても無限に応ぜられるようなものではないということ、それからそういう問題からして、一体国鉄の内情はどうであるということを認識せしめるという、全体のそういうことについて全然同感であるということ、それから今お尋ねのあつた田舎居住者、それから都会居住者云々は、筋としてはそういうことが考えられるが、実際にはそれはできないことだろうと、一松君もそうおつしやつたと思いますが、筋としては成るほど田舎におれば、自分のところで野菜もできるとか、いろいろな問題もあるでしようが、併し実際上は無理だろうと思います。一松さんもそうおつしやつたと思います。
  30. 一松政二

    ○一松政二君 ちよつと今のに関連して……。今の小酒井さんの御発言に少し誤解されておる向きがあると思うから、一言ちよつと私から……。私はその点は、小酒井さんの今の御発言ですが、そうおつしやるならば、私は大部分の人が貯金ができたり、田舎でもいろいろ差があるでしよう。非常にむずかしい問題なんです、実は。むずかしい問題ですが、一つ考え方としてある。つまり常に食えないから、赤字だからということが、私は賃上げの根本だと思うのです。然らば従業員の一体何割がどういうふうであつて、何割はどういうふうであるかということの実態調査を国鉄でされたことがあるか。だから田舎で比較的まあ不満足ながらも満足されて従業されておるかたも、私はかなりたくさんあると思うのです。そうするとその中間をとれば、都会生活者と田舎の人との中間をとれば、まあ大体普通の場合にはいわゆる中をとるという考え方になる。そうだとすると、都会の人に気の毒であつて、田舎の人にいい。田舎の程度に引下げてしまえば、都会の人は生活できないという問題になつて、私は今具体的に直ちにそういうことをしたほうがいいのじやないかということは、これはむずかしい問題であるということは、今大臣もおつしやつたように、併しそういうこともいろいろ全体としてものを考えるときには、必ず頭に置かなければならん問題だと思うのです。全部が全部そうでないことは、大部分の国鉄の従業員のかた、その比率はよく私もわかりませんが、概観したところ、田舎のものは都会のものよりも、現在の給料によつて私は食えないことはないと思う。けれども併し食えないということが問題になつて来る。その多くの起つて来るもとは、都会におる人が一番シリアスに考えられると思う。併し国鉄としては均一の賃金を払うということになれば、田舎の人との均衡も頭に入れなければ、私は頗る不公平であろうと思う。そういう意味を申上げたので、何か能率に影響があつたり、直ちにそういう差別待遇をするのが当然であるかのごとき発言でなかつたことは、幸いに大臣も了承しておられるから、小酒井さんもその点は……。ただ全体の考え方としてはそういうことを考慮に置きつつ、私は団体交渉その他の要求に向われんことを希望するわけであります。
  31. 小酒井義男

    小酒井義男君 その問題はこれはここで取上げる問題でないと思いますので、この国鉄経営の問題についてお尋ねしますが、やはり国鉄値上げをする場合には、国鉄経営の内部において、これ以上合理化、或いは収入の増進を図るというような点がないかということを十分検討をされた上で、それらの措置を完全になされた上になお経営が成立たんというような場合に、国の財政的な措置をとるなり、或いは国民負担能力等に応じて運賃をどうするかということが考えられるべきものであると思うのです。今回の場合に、それでは国鉄経営の内部において収入の増進を図る途、経営合理化を図る途というようなものは検討をされたのか、そうして大臣としては、そうした余地は国鉄の事業の中にはないという考えを持つておられるかどうか、こういう点について一つ答弁を願いたいと思います。
  32. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 国鉄内の合理化、経理によつて金を出せるのでないかというようなことは、勿論これは一番先に私は考えなくちやならん問題だと思います。いずれ国鉄の当路者から御説明させますが、例えばよく話の出ますガード下の賃貸料が非常に安いとか何とかというような問題、用品の払下げというようなこと等についてもよく話が出るのでありますが、これはそういうふうなものを勘定に入れましても、全体のつまり国鉄ベースアップその他の経費の増すもの、それから増収をなすものと比べまして、なお且つどうしても足りないということで、ぎりぎりのところ一割の値上げということに私賛成したわけでございます。これは今度に限る問題ではないと思います。国鉄そのもののこれから先の経営の上におきましても絶えずほかで増収の途があれば増収を図り、冗費節約が必要で、できることであれば冗費節約を図るということは何としてもやらなければならんと思つております。
  33. 小酒井義男

    小酒井義男君 次にやはり運賃問題と裁定の問題はいろいろからんで来るのですが、昨日私は国鉄総裁には少し同じようなことを質問したのです、大臣は総裁とは立場が違いますから、こういう問題についてはどうお考えになつておるかということをこの際明らかにしておきたいと思うのですが、国鉄の戦後の復興、これに対していろいろな努力がされて来ておる。その一つの例として木造車が戦前と、戦後現在においては鋼鉄車との比率が逆になるほど鋼鉄車に改造がせられて来ておる。そうして旅客輸送の安全性が向上をしておる。こういうことは私は国の財産の価値がそれだけ高まつて来ておると思う。そういう仕事をやるのに運輸収入で賄つて来ておるからいろいろな国鉄経営内におけるところのしわがそこへ寄つて来る一つの原因になるのではないか、そのしわが現場で働く国鉄の従業員諸君の生活の改善、これも第三者の公正な判定によるところの裁定の実施さえもできないというところにしわ寄せをせられて、いわば国鉄の諸君の犠牲によつてそうした国鉄の施設の向上がなされて来ておるという点があるのではないか、そういう点についてどの経費から支出されておるかという質問をいたしましたところが、それはやはり一般収入からなされておるという答弁でありました。こういうのはやはり私は一般収入でなしに、国の資産がそれだけ殖えるわけですから、特別の予算的な措置をとつて処理されて行くのが妥当ではないかという考え方を持つておるのですが、大臣はそういう点についてはどうお考えになつておるかお伺いしたい。
  34. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 償却の費目の中から出しまして老朽になつておるものを新らしくするということは今も続いて戦後だんだんとやつておるのであります。これはここまでが償却にすべきか、これから先はそうでないかという、なかなかそれらの私は経理的な面をはつきり存じませんが、はつきりしたような、新線建設のようなものは、これは一つの別な考え方になるべきでありますが、老朽のものを直して行く、それが今まで木造であつたのが鋼鉄になつたというような、竹が木になつたというような式で変つて行くものをどこまでそれじや資産とし、どこまでこれは経費に落すか、これは会社なんかでも何割を経費にして、何割を資産にするかというように経理の行き方もいろいろあるようでありますが、国鉄は今のようなお話国鉄の総裁としておつしやつておるのなら、これは相当よい経理状態だろうと思いますが、その行き方は恐らく老朽施設を償却という考えでやつておると思います。これはそこらに多少実際上の経理の行き方に疑問があると思います。大体といたしまして老朽施設を直すという問題にいたしましても、国鉄考えておりまするのはもつと設備、施設等いろいろ直したいものがあるのであつて、今償却費に充てておりまする三百三億でありますか、それでやつて行つてはどうも十分に追付かない、もつと金を出してくれということでありますので、これは今度の運賃値上げによりましてもそういうようなものの増額という方面には廻りかねると思います。これは政府から金を出してもらいまして、借りましてそれでそれを進めて行きたい、こういうふうに考えております。
  35. 小酒井義男

    小酒井義男君 私は建設と保守は大体はつきりすると思うわけです。ただ改良工事というものがどれだけが償却……、現状のものを維持して行く限度で、それ以上のものが建設の部面に加わつて行く性格のものかということになると思うのですが、大体現状を維持するというところが私は保守の限度であつて、現状以上によくなつて行くというのは、これはそれだけ資産内容が向上するわけですから、一般経営費から賄つて行くということには無理がある。殊に国鉄のような政策的な運賃で抑えられておる企業においては特にその薬が強いと思う。若しそれでは国鉄の経理のやり方として今私の申上げておるような例が、それが経営費では賄い切れないのだという考え方で今後の経営をやるというようなことになつたとしたら、運輸大臣はその方針を認めて行くお考えがあるかどうか、この点を一つ……。
  36. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 国鉄のほうで賄い切れない場合は只今申しましたように是非やらなければならんものは国家から資金を出してもらつて、借入にするかどうしますか、それによつてだんだん直して行くというつもりでおりますが、又それを国鉄のほうで改良されて行く。例えば木造車が鋼鉄車になつた場合どういうふうにするかというような問題等につきましては、なお一つ実際問題として十分研究をして見たいと思います。
  37. 岡田信次

    ○岡田信次君 国鉄運賃が昨年の十一月一日に改正されて、それから又今回提出されたのです。而も今回の運賃値上げの内容を見ますと、ただ経営費の不足を賄うに過ぎない、今後の国鉄方針であるとか、或いはサービス改善であるとか、そういうようなことは一つ考えられておらない。而も提案理由説明にもありましたように償却の不足の分とか、或いは荒廃施設の取替えのための費用に対しては、別途の措置を講ずるというようなお話があつたわけですが、これら償却の不足なり或いは荒廃施設の取替えの経費と、こういうものは延ばせば延ばすほど殖えるのです。そういたしますと、まあ何か別途の措置を講ずるというようなお話がありますが、私はどうも又必ずや近き将来恐らく来年度早々にこの運賃値上げの問題が起きはしないかということを非常に恐れるものでありますが、その点について丁度中村委員質問にも関連するのですが、大臣の御見解を伺いたいと思うのであります。
  38. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 国鉄のいろいろ老朽施設その他の改善につきましての費用が、今度の運賃値上げでは別に出て来ないということはその通りでございます。そこでこの運賃値上げを一割にとどめまする場合に、大蔵大臣と話合いをいたしたのでありまするが、そうすると今お話のようにいろいろまあ悪いところを直すという問題等で、償却金だけでは手が廻りかねる問題がある。それは一体どうしてくれるのだという問題について話をしたことがあるのであります。それはそれをやらぬわけにいかないのだから、別個にそれは考えようじやないかということでそれを了承して残してあるのでありますが、それじやそれはどこまで金が出るか、金が幾らでもこちらの希望する通りに出て、そうして将来の何かはかに突発的なものがあつてもその運賃値上げの必要ないかという問題になりますると、今申したような程度の危いものを直して行くということを、今の償却金に加えて幾らかの仕事をやつて行く金の途はつくでありましようが、何か特別な問題が起れば又運賃値上げというような虞れなしとは私は言えないと思うのでありますが、これはまあ実際起つて見なければわからないのでありますが、そうなりますると今のお話のような点だけでは、私は運賃値上げということはすぐ考えたくないと、こう思つております。
  39. 岡田信次

    ○岡田信次君 私はこの償却不足にいたしましても、或いは荒廃施設の取替えの経費にいたしましてもこれは経営的な支出だと考えるのです。実際国鉄総裁その他しばしば言われるように荒廃施設の復旧には千八百億かかるのだ、これを一年延ばせば更に二千億になり、二年延ばせばもつと殖えるということはこれは明らかなことであり、而も経営的な支出である。而も今お話のあつたように又来年度には従業員のベースアップという問題が起きて来る。そうすると、どうしても確実な財源を求めるというふうなことになりますれば、いろいろ議論はありましようけれども、やはり運賃ということに落ちついて来るというので、又非常に近い将来にこの運賃問題が取上げられると思いますので、是非一つ鉄道の運賃政策に対し、或いは国鉄自体の今後の財政問題に対し根本的な施策を一つ樹立されることを強く要望する次第であります。
  40. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 承わつておきます。
  41. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 簡単に当面の問題だけ一、二質問いたします。  その前に私は一つこの会の運営について希望を申上げておきたいと思います。どうもこの政府委員というものは非常に委員会に出て来られるのが遅い。今日あたりでも十一時、参議院は本会議があるのですが、我々は運輸委員会があるというので本会議を中途にしてやつて来た。政府委員はもう来ているというので来て見たら来ていない。それから走り廻つて呼びに行つて、十五分とちよつとたつてから来るというふうなことで、午前中委員会をやるというのは実際には僅かに一時間しかやれないという状況にあるのですが、このような点はやはり政府委員、或いは国鉄当局で相当にお考えになつて頂きたいと思うのです。運輸委員会は参議院公報に十時からということにちやんと載つている。これは御覧になつているはずだ。呼びに行かんでもちやんと時間になつたら来ているぐらいにして、そうしてお互いにこの国鉄の運営に関するような大きな問題を控えているときに十分に論議を尽して、そうしてやらなければならんと、こう思うわけでありますが、どうか一つ将来はそういう方針で、まさか呼びに来なければ俺は行かんぞというような思い上つた気持でもなかろうと思うのです。さつさと一つ十時になつたら来てもらいたい。そうしてたまには委員会を待つておるようにして頂きたいと思うのです。我々が来てから二十分ぐらいして来られる、それから始まるのでは全く時間の空費でありますので、その点を私は最初に要望しておきます。  当面の問題だけ今日は一、二質問いたしまして、明日一般的の質問はしますが、一般部面で、炭労のストも中止になつて、今日あたり正常な運営ができることになるだろうということが思われるわけでありますが、これによつて国鉄が平常の運転に返るのはいつ頃になるのかという点、それから国鉄内部のいわゆる遵法闘争、賜暇闘争というものもまだ続いている。続いているならばこれをどういうふうに早く解決されるつもりか、その見通し。なおこの炭労争議行為はとにかく一時これは解決の曙光を見たとは言いながら、私どもは永久にストはないものだなんということは考えられないのであります。今回のストの性格を見てもその背後の、或いは思想的なもの、こういうような点は、私はやはり政府の感覚のズレが相当にあるのじやないかというような気持がするわけですが、国鉄としては常にそういうようなことを考慮に入れて、相当に長期のスト等が将来あつてもこの点に支障のないような準備を考えておられるべきものであろうと思うのであります。今回はいい教訓になつたと思うのですが、こういうようなことは常に私は準備を怠つてはならんと思いますが、そういうような点についての運輸大臣のお気持を承わりたいと存じます。
  42. 津田弘孝

    説明員(津田弘孝君) 只今前之園委員からお話がございました前段の、炭労ストの解決に伴つて国鉄は列車の現在の削減をどのようにして回復して行くかという点でございますが、その点につきましては炭労ストが解決いたしたといたしましても今後の石炭の入手状況が如何ように相成るかという点、果してスト前のようなふうにコンスタントに毎日々々入炭して参るかどうかというような点につきまして若干の議論もございまするので、まあそれらの点につきまして詳細に国鉄部内又石炭のそれぞれの会社、地域的な点も考慮に入れまして現在調査をいたしている次第でございます。現在も国鉄の本庁でその問題について会議をいたしているような次第であります。大体の見通しといたしましては、やはり本日は十七日でございますが、二十日頃まではやはり入炭の状況を少し見なければならんだろうと思つております。二十日以後、つまり二十日までは現在の第三次の手配、旅客、貨物共に三割削減というような状態を続けて行かざるを得ない、この数日間はそういつた現在のまま続けて行きたいと思つております。二十日を過ぎますると、先ず貨物につきましては、非常に年末を控えまして、貨物の輻湊する時期でございますので、二十日から二十五日頃までは第二次手配、つまり一割削減の第二次の状態に戻して行つたらどうだろう。二十五日過ぎますると、貨物のほうは若干出荷が落ちるのでございます。従いまして、又第三次手配にこの年末まで、三十一日まで戻したらどうかというふうに考えております。併しながらやはり年末は例月よりも貨物の状況が強調でございますので、入炭の状況が許されるならば第二次手配のまま、三十一日まで参りたいと思いますが、そのところは或いは第三次の手配に又戻らなければならないのではないかというふうに考えておるのでございます。それから一日から十日までは貨物関係は例年非常に出荷も鈍調でございまするので、これは状況に応じまして、列車キロの削減をいたしたらどうかというふうに考えておるのでございます。一方旅客関係におきましては、二十日までは現在の状態、二十日以後につきましては現在の第三次手配と、第二次手配との中間くらいの線、つまり第三次手配は三割削減、第二次手配は一割削減でございますから、その真中くらいの線で年末まで押通す。年始もそのまま行く。そして年末、年始には、何と申しましても押迫るに従いましてお客さんの輸送が強調をいたしまするので、若干の臨時列車も実現いたしたいというふうに考えております。そしてそのまま参りまして、一月の十五日……、現在考えておりまする運賃旅客運賃の改訂の日でございますが、この頃にはできれば平常の状態に、つまり現在の平常の計画運転キロまで戻ることができたならば幸いであるというようなふうに考えておるのでございます。これも入炭の状況等を慎重に関係方面と打合せ、又調査いたしました結果によらなければ判明はいたしませんのでございますが、大体旅客、貨物の輸送の波に応じまして、今申上げましたような手配を講ずるという前提の下に、現在作業をいたしておるような次第でございます。  後段の遵法闘争云々の点は私のちよつと所管外でございます。
  43. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 国鉄従業員の遵法闘争というふうなものは、誠に遺憾でございます。併し実際的の影響はさまで大きくなく、今は静かな状態でございます。で不測のこういうふうなこと、或いは怠業というようなものが起ることは実に遺憾なことであります。折角皆が……、いろいろ見方は違いますが、努力して、国鉄側もいろいろ話を進めてもらつておつた途中であります。まあどういうことでああいうことになりましたか、一日全員賜暇をとるというようなことが随所に起つたというようなこともあります。そういうことが一体許さるべきかどうかということにつきましては、国鉄当局においてどうこれを扱うかということは、今研究中であります。それはまあ後始末の問題でありますが、こういうことの起らないようにありたいということは万人願うところであります。特に国鉄のような、影響するところが、一般の人に激しいのでありますから、起つてもらいたくないのであります。それには、まあかねてからの国鉄側の、使用者側と従業員との間が、非常にお互いに親愛な、相寄る気持をもつともつと深くして、そういうことが起らないように希いたいのであります。その努力をされておるし、又実際国鉄の総裁初め幹部と従業員というようなものとの間は、私は非常に仲よく行つていると思いますが、残念なことに、ああいうふうな遵法闘争などが起つております。これはもう一日も早く解決することを期待するのでありますが、それには今後まあそういうものにいろいろな思想的の背景があるとか、何とか、いろいろなことも言われまするけれども、私どもはそれが本当に法に悖るような状態であるならば、はつきりした態度もとらなくちやならんと思います。又或る場合においてははつきりした態度をとり過ぎて却つて悪くなる場合も、結果としては起り得ることもあります。そういうふうなことも考えまして、今後の善後措置は十分慎重に国鉄でやつてもらうことにしております。  それから根本の問題といたしましては、今申上げましたように、両方がお互いの信頼感をもつと強めますように、それにはさつき御質問がありましたように、国鉄そのもの状態を、又一般従業員にもよく知らしめるようなこと等も、かねての一つの大事なことであろうかと、そういうふうに考えておる次第であります。
  44. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 最後の質問のお答えが抜けているのですが……。いや、このストが一時収まつた。まあ世論というものも相当に反映しておるけれどもまあ収まつたが、又いつ起るか私どもはわからないのです。これは単に賃上げとか何とかという問題だけじやなくて、大きな背景と、私は思想的なものを含んでおるのじやないかということ、これはまあ一部の見方もあるし、いつ再びこういうストが起らないとも限らない。だからこれは私はやはり国鉄としては、運輸当局は、そういうような場合にも周章狼狽しないように、今度のような列車の削減等によつて国民に迷惑をかけ、産業を麻痺させるというようなことのないように、常に万全の準備をして行かなきやならんものだと思うわけなんです。今回は、これは非常にいい教訓になられたと思うのだが、今後どういうような手を打つて、非常に望ましくないことであるが、不幸にして再びこういう問題が起つた場合に対処せられるつもりであるかどうか、その根本方針をお聞きしているわけなんです。
  45. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 石炭ストの、今度のような長いストというものは私どもも初めてぶつかつたように思うくらいであります。まあ幸いにいたして、と申しますか、石炭の貯蔵が九月の末に六十万トンという、今までに例のないくらい大きい石炭があつたために、どうやらこうやら今日まで来た。その間無為無策にして何もしなかつたじやないかという非難もそこには起つて来得るかもわかりませんが、まあいずれにいたしましても、この問題はどうやら明るくなつて来ましたが、根本の問題となりますると、今後も私は石炭ストその他、こういうものは起らんとは言えないし、起ると考えるのが普通な考え方だと思うのであります。これをどうするかという問題につきまして、これは今度の石炭スト等におきまして、世間も、世論も非常に考えさせられておるようなものがいろいろあるのです。こういう問題につきましては、今おつしやつたように、これを一つのいい教訓として政府としてとるべきものが何かあるかどうか、或いは政府の一方的なとか何とかいうようなものでなくても、そのほかの政治の行き方でやり得るものはどういうことをしたらいいかというようなもの等については、まあ根本は日本の国情はかくのごときものであるということを皆が知つてお互いに助け合う、今暫らく辛抱するという心持が一番大事だと思います。その教育が根本だと思いまするが、そのため実際の問題についてどういうことにするかということ等はなお政府でもいい機会だと思いまして、今の示唆を受けましたような点につきまして十分研究をいたして見たいと思います。
  46. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 少し御答弁が私の質問とずれておるのですが、今御答弁なつたようなこともありますが、実際問題として、今回は六十万トンあつたから、どうなりこうなり削減を重ねましたが運転はまあやつて来た、こういうことでありまするが、将来或いはもつと長いストがあるかも知れません。そういうようなことを考慮して、石炭の貯蔵その他等についてやはりお考えにならなければいかんのじやないか。六十万トンでなくて、三カ月も四カ月もストがあつても運転には差支えないというような準備を考える必要があるのではないか、それに対しては相当な資金が要ることでもあるから、そういうときこそ政府が資金を出さなければならん、或いは借入金をやらなければならん、そうして可能な範囲においてやはり準備をしておくという心がまえがあるのかないのか、こういうことを私はお尋ねしておるわけなんです。
  47. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) そういうふうな問題も今お話のように今度のストをいい教訓としましてそのくらいでは済まんような、もつと長いようなものもあるかもわかりませんが、どういうふうにしたらいいか、これを一つの命題といたしまして十分注意いたします。
  48. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 これで打切りますが、この場でその具体的対策をお尋ねすることは無理だと思います。いずれ私どもも国会が閉会になるとそれぞれ自分の選挙区に帰つて報告もしなければならんし、将来の見通し等についてもやはり国民に知らしめる必要がある。この国会の終りますまでに大体の見当をつけて一つお知らせを願いたいと思います。なお営業局長にお願いしておきますが、今お話になりました二十日以後の貨物並びに旅客列車の計画について具体的な計画書と言いますか、ダイヤ、そういうようなものを早急に委員会にお出し願いたいと思います。
  49. 津田弘孝

    説明員(津田弘孝君) 承知いたしました。
  50. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それでは本日はこれを以て終了いたします。    午後零時三十四分散会