○内村清次君 いや、その問題はですね、これは又一斉賜暇の性格、即ち賜暇の性格というものは業務上の規約といたしましてもありまして、それが斉に賜暇をとる、或いは何人賜暇をとる、とる権利というものは即ち附与されたところの従業員にあるのであ
つて、そしてそれには勿論内部的の規約としては現場長の許可が要るというようなこともありましようが、併し最初の権利というものはやはり賜暇をもら
つたかたがた、即ち皆勤労働をや
つたかたがたに賜暇というものは附与される問題であ
つて、その点から掘下げて行きますると、賜暇をとるかたがたの法に対する正当性か不当性かというものはこれは具体的な問題です。具体的な問題としてよく論じなければならない問題です。直ちにこれが公労法の違反であるというようなことの断定ということはこれは早計であ
つて、併し私たちはそういうような事自体の現象が起る、起るということ自体に対して憂えておるわけです。これを何とかそういうふうに持たないようにできないものであるか。で、これは先ほど長崎
総裁も
委員会に出られれば直ちに自分たちはこの裁定に対しては十分誠意を持
つておるのだということは常におつしや
つておる。ところがそれが一歩組合との団体交渉の面にな
つて来ると、
一つもそれが現われておらない。私たちが側面から聞いておる即ち問題からしては
一つも出ていない。これは
総裁の意に反しておるのです。
総裁の意に反したいわゆる取巻の人たちの態度、一貫した態度がそこに私は何か流れておるような気分がするわけです。そうでないと団体交渉が直ちに決裂をするとか、或いはこういう行動が現われて来るというようなことにはならないと思う。だから若しもその長崎
総裁が
委員会の席上において出されるような一貫した精神というものを誠意を以て表現して団体交渉の場面に当てはめて頂きたい。そうや
つたならばこれは恐らく今後の、どうせ解決しなければなりませんが、
公共性がありますからして、事態を
国民の迷惑にならないようにして解決をしてもらわなくちやならない。その道程というものは私はもう限界が来ておる。当局者の方途は限界が来ておる。待つなら待
つてもらいたいということの言い分にしましても、
国会で判定をするまで待
つてもらいたいという言い分にしましても、やはりこれはまだまだ誠意の問題であ
つて、誠意が団体交渉の
方面に現われておりさえすれば、そういうようなことはお互いが了解し合うと思う。ところがや
つて来るところの話合いが、先ほど言いましたようなことで、ただ向うの組合に対するところの戦術面においては組合の分裂を
考えている。ただ表面的には内払というような精神で出て参りますけれ
ども、基本的な態度がきまらずして内払をしようということは、組合としてはやらないことはもう前例にも現われていること、又その誠意があ
つたならば、これは当局自体でもいつでも用意さえしてあれば、これは一日でも三十分でもそれで決定する問題です、内払いの問題は。それよりもなぜ基本的な問題を解決をするところの努力をお互いに了解し合わないか。私はこの点が問題だと思うのです。この点をやつぱりもうこの段階に
なつたならば
総裁が
国会ばかりに任せずに、やはり自分としての直接の労使
関係の場面において、
経営の
責任者としては先ほど言われた
委員会の誠意を団体交渉の面に現わしてもらいたい。私はこれが
総裁として最善のとるべき途であ
つた。同時にこれをやらずしてただほかのほうの空気を悪化するような
方面にのみ引ずられて行
つて、そうして結果が生じてから法によ
つて厳格に処断するというような態度は、今後においての解決というものは、私は解決はあ
つても重大な
影響を及ぼすような解決になりはしないかということが私は心配です。これだけ申上げておきます。今日の段階ではだからあなたのほうで厳格にやるならやるという御思想であれば、又我々は何をか言わんやです。併しこの結果というものは非常に重大なる問題にな
つて来るということだけの警告を私はや
つておきます。その前に何かとるべき誠意がありはしないか。何かこの際に
なつたらありはせんか。それはあなたが一貫してお
考えになるように、裁定は
一つ守
つて行こうじやないか、併し裁定は守るがこれだけはどうしてもできなか
つたというような言いわけのできる誠意はもう出すべき時機ではないかと、私はこれを最後に
一つ御注意申上げておきます。