○
前之園喜一郎君 これはあなたにくどくど質問することは無理かも知れませんが、
建設審議会の答申というものは、あの十六線は甲、乙はないと言
つておる。これはどうしても頭に入れてもらわなければならん。甲、乙なく一緒にやらなければならん。金がないなら
政府資金でやれ、これが結論です。ですからこれは
政府はどうしても、若し今言われるように、一から十まで
建設審議会に
責任を転嫁しなければやれんようだつたら、
建設審議会の議に従
つてどこまでも骨を折らなければならん。五億なら五億でできる、可能な範囲において十六線をやるべきだと私は思う。ところがそうでなくて
責任を転嫁する意味においてかどうか知らんが、
建設審議会に十線の選定を頼んだということは我々はどうしても腑に落ちない。甲、乙と分けて、この本線をやるためにいろいろの問題が起
つておる。事務的に政治的に又いろいろ技術的に問題が世間に流布されております。私丁度家へ帰
つておりましたのですが、鹿児島県のごときは一線予定線に入
つておつたことは御
承知でありましよう。二の二線の予定線というものは、三十数年前からや
つておつた山川枕崎の線は三十二年前から運動を始めて、そうして一遍は十二線の中に入
つておつた一ところが戦争が始
つて、そのうちの十線はやつたが
あと残された二線の中に入らなければならんということにな
つて、その後いろいろの
事情で延びくに
なつおる。当然これらは第一に
考えなければならん線である。又隼人、古江線のごときは、小川平吉という
鉄道大臣の時分にわざわざ鹿児島まで視察に来られて、これも三十年も前からのことで非常に必要な線だというので予定線にな
つておる。そのときはもつと距離が遠いのです。隼人、それから大隅半島の横別府といういわゆる古江とかいうところまでで、これはずつと昔に
建設しなければならん予定に編入されておつたところなのであります。ところが丁度私が病気で帰つたとき、当然この鹿児島の二線と宮崎の一線と南九州の三線というものは間違いなく入るものだとと思
つておつたのが入
つていない。調べてみると、非常にそれをきめるのにいろいろ政治的、或いは事務的な動きがあ
つて、或いは権力或いは政党の力、或いは甚だ言いにくいことであるが、そこに汚ない取引さえあつたように鹿児島あたりでは音沙汰されておる。これは恐らく事実でありませんでしよう。事実だつたら大変なことである。事実だつたら、私
どもどこまでも闘わなければならんが、私は事実でなからんことを切望するが、そういう噂が出ておる。そして鹿児島県民のごときは怒り心頭に発しておる。
運輸大臣の石井はなんだ、
国鉄総裁の長崎がなんだということを言
つておる。実にこれは非常に行過ぎた言葉でありましようが、こういう言葉が出るということは、
鉄道建設に対する地方民の
熱意が如何に大きいかということを示すものであります。これは三十年前、親の代から引続きや
つておるのです。この十六線というものは
建設審議会の
意見通りこれは一緒にやらなければいけない。残されておるのは、北海道の山の中とか、南九州の三線だけですぞ、あなたは御
承知ですか。こういうような不公平、不合理がどこにあるか。新生日本の
運輸行政を
建設しようとするならば、すべからく
鉄道の問題、
新線のごとき問題については十分なる
研究をして、誤りなき認識を持たなければならんと私は思うのであります。それを
自分で決定することができないで、諮問機関であるところの
建設審議会に選定を頼んだなんということに至
つては、これは言語道断です。そういうことをしなければやれんようではこれは困る、
国民は迷惑します。国の
産業というものはそれで破壊され、
国民の感情は悪くなります。私は実に残念でたまらない。誰が
考えても十六線のうち北海道と南九州だけを除くという理窟はないのです。この
委員の中の
人々、いろいろな人がそう言
つている。不公平だ、誰ということは私は言わないが、そういうことを言
つている。私が来ると
国鉄の相当の幹部のかたがそういうふうに私に言つたこともあるのです。
国鉄部内において或いは
国会議員の間において、
委員の間においても、そういう声が起
つておる。十六線のうち、南九州と北海道を残された
理由、又十線を選定された基準内容、それらについて詳細な御
答弁を願いたい。