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1952-12-04 第15回国会 参議院 運輸委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月四日(木曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小泉 秀吉君    理事            岡田 信次君            高田  寛君            小酒井義男君    委員            入交 太藏君            植竹 春彦君            仁田 竹一君            一松 政二君            小野  哲君            高木 正夫君            内村 清次君            鈴木 清一君   政府委員    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    運輸大臣官房会    計課長     辻  章男君    運輸省船舶局長 甘利 昂一君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君    運輸省航空局長 荒木茂久二君    海上保安庁長官 柳澤 米吉君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   説明員    日本国有鉄道経    理局長     高井 軍一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般運輸事情に関する調査の件  院運輸萎  (運輸省日本国有鉄道関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) これから運輸委員会を開会いたします。  昨日の申合せ並びにお話によりまして、今朝は先ず運輸大臣からこの所管事項について質問をするということでありましたのですが、そのつもりで手配をしておりましたのですが、今朝運輸大臣はどうしてもこちらのほうに来られるわけに行かんような事情があるそうでありまして、了解を求めに参りました。委員部からそういうお話がありましたが、どうも来れないということならば仕方がないから、一応大臣に対する質問は今朝は見送りまして、昨日御相談いたしましたように、運輸省所管予算に関して政府説明を聞きたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それじやさようにいたします。運輸省官房会計課長辻君
  4. 辻章男

    政府委員辻章男君) それでは私から簡単に二十七年度運輸省所管一般会計補正予算の大綱について御説明申上げます。  先ず歳入予算でありますが、補正によります追加額は十三億一千五百七十三万円でございますが、これをすでに成立いたしておりまする当初予算額九億五百七十九万六千円に加えますと、歳入予算総額は二十二億二千百五十二万六千円と相成ります。補正額として追加決定いたしましたものは、昭和二十七年法律第二十四号商船管理委員会の解散及び清算に関する法律に基きまして、同委員会清算剰余金といたしまして、八億三百三十六万一千円、雑収入といたしまして在日米駐留軍との契約に基いて、駐留軍の行うべき業務日本政府で実施するため、その経費収入額五億一千二百三十六万九千円を計上いたした次第でございます。  次に歳出予算でございますが、歳出予算補正額は、追加といたしまして十四億四千七百二十八万九千円でございますが、一方修正減少額といたしまして、二億六千九百六十万六千円でございますので、差引いたしまして、十一億七千七百六十八万三千円の増加と相成ります。これをすでに成立いたしました当初予算百七十八億六千三百四万九千円に加えますと、歳出予算総額は百九十億四千七十三万二千円と相成ります。歳出追加額の主なるものは、政府職員の給与を本年十一月より改訂するために必要なる経費といたしまして、四億八千四百八十二万七千円を計上いたしております。次に海上保安庁において二百七十トン型以上の巡視船装備を強化するために必要なる経費といたしまして、二億二千七百七十四万六千円、次にヘリコプター購入いたしまして、警備救難業務に使用するために必要なる経費といたしまして、四億二千百五万一千円を計上いたしております。次に昭和二十七年法律第二百九号公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の改正によりまして、港湾災害復旧事業費といたしまして一億二千七百五十万円、次に本年九月二十四日明神礁におきまして遭難沈没いたしました海上保安庁水路部観測船第五海洋丸の代船購入並びに整備に必要な経費といたしまして七千五百万円等が主なるものでございます。  次に修正減少額でありまするが、昭和二十七年八月五日の閣議決定に基きまして、既定経費の節約を図るとの方針に従いまして、総額二億六千九百六十万六千円を節約いたしまして、修正減少する次第であります。  最後国庫債務負担行為といたしまして、外航貨物船建造のために必要な船舶建造融資利子補給といたしまして、昭和三十四年度までの総額三億三千五百五十三万八千円、又昭和二十七年法律第二百二十六号離島航路整備法に基きまして、離島航路船舶建造及び改造のための資金貸付利子補給といたしまして、昭和三十八年までの総額一千二百八十七万一千円の二件を要求いたしております。  以上簡単でございますが、運輸省所管一般会計予算補正概要でございます。
  5. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 御質問、御質疑等ありましたらお願いいたします。
  6. 内村清次

    内村清次君 そうすると、今回の追加予算額では何ですか、ヘリコプター購入ですね、これがまあ新規関係四億二千百五万一千円ですか、これが新規で、あとは政策的な問題はもうありませんか。どうですか。
  7. 辻章男

    政府委員辻章男君) 只今の御質問ですが、政策的という点も、解釈によりましていろいろになると思うのでございますが、今おつしやいましたようなヘリコプタターを警備救難業務に使用いたすということは大きな新規項目になると思いますが、それ以外には外航船舶建造融資利子補給の問題は終戦後初めての試みでございますし、法律を要する事項でもございますので、今申しましたるような趣旨からは大きな政策的な問題になるかと思います。なお離島航路のほうは、これはすでに法律が前国会において成立しておりますので、その方針に従いましていま、了算を計上いたしたというわけでございますが、まあそういう関係でございます。
  8. 内村清次

    内村清次君 そうすると、港湾災害復旧事業費ですね、一億二千七百五十万円、これでですね、港湾対策としての災害復旧事業の何パーセントが完成するのですか。
  9. 辻章男

    政府委員辻章男君) ちよつと今御質問のパーセンテージの資料を今ここに持つていないのでございます。大体この金額によりまして、二十三年度災害分が二千八百万円、二十四年度災害のものが約千八百万円、二十五年度災害のものが約五千二百万円、二十六年度災害のものが約二千九百万円合計で一億二千七百万円と相成つている次第であります。
  10. 高田寛

    高田寛君 この駐留軍の行うべき業務のために日本政府で実施するところの経費というのは、これは内容はどういうものですか。
  11. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは気象台関係業務でありまして、これは気象台関係業務が主なものでございますが、一部海運局関係業務が入つてございます。事項ごとに、簡単に御説明申上げますと、先ずマーカス島において気象観測業務日本側でやつてもらいたいということで、駐留軍気象台との間の契約によりましてこの業務を行なつております。これに対しまして、駐留軍よりドルによつて歳入を得ておるわけでございます。それから俗にX点T点と言つております個所は、大体三陸沖、もう一個所は大体土佐沖海洋の二個所におきまして、船舶を派遣しましてやはり気象業務を実施いたしております。それに要する経費駐留軍より国庫歳入にいたしているものでございます。  以上が気象台のものでございますが、海運関係といたしまして、船舶動勢駐留軍のほうに報告をしてもらいたいという申出がございまして、これに応じている次第でございますが、これに要する経費といたしましてやはり駐留軍のほうより歳入を得ております。  それから最後航空局関係といたしまして、駐留軍の使つておりまする飛行場に種々の人的な協力を求められまして、向うの、まあ要望する技術者その他を派遣しておりまする費用を駐留軍より歳入として受取つております。以上四項目でございます。
  12. 高田寛

    高田寛君 この補正予算では航空関係は何も入つていなういようですが、この航空要員養成というようなことをもつと力を入れるとか、或いは航空管制要員を早く日本のものを養成するとか、そんな方面の経費というものは別に補正予算に組み込む段取りにならなかつたのですか。
  13. 辻章男

    政府委員辻章男君) おつしやる通り航空関係要員、並びに保安要員養成につきましては、運輸省といたしましては是非このチャンスから早急に開始したいということで強力に折衝したのでございますが、財政規模等の問題もございますし、又まあ、あと予算にいたしましても三月ぐらいのことであるから、本予算においては十分考慮するが、まあ補正においては財源等関係より見送つてもらいたいということで話合いが付きまして、いわゆる折れた次第でございます。
  14. 小酒井義男

    小酒井義男君 説明資料の三ページの終りから四行目ですか、石油製品割当事務が不用になつ経費ということで削減をされておるようですが、石油割当については確かになくなつたと思うのです。併し陸運局関係で扱つて行く自動車登録事務とか、いろいろな新しい仕事が随分殖えておると思うのですが、併し削減をされただけで、それらの業務内容というものが殖えておる部分は、一体どういう形になつてこれだけの不用なものが出て来たかということを少し詳しく説明して頂きたいと思います。
  15. 辻章男

    政府委員辻章男君) いろいろおつしやる通りでございまして、陸運局関係といたしましては、年々自動車車両の急激な増加に伴いまして、非常な繁忙を極めておるわけでございますが、一応石油製品の統制のために必要な経費といしまして計上されたものは、その仕事がなくなれば予算からは落すというのが一応原則でございますので、その原則に従いまして落されたわけでありますが、ただその中で、実は一部駐留軍車両が、講和発効後におきましては、やはり駐留軍関係軍人軍属車両一般日本車両と同じように扱いを受けますので、ここに急激な車両増加を来たすものですから、一部そのために必要な人員並びに経費は節減から解除されております。
  16. 小酒井義男

    小酒井義男君 解除をされておるということですが、実際従来の陸運局関係人員で以てして、更にこれを減らし得るような実情にあるのかどうかということです。私、最近陸運局の現地へほかの用事があつて行つたところが、非常に事務が輻湊しておつて、もう登録なんかの受付事務なんかでは外来者が並んで受付を待つておるというような形で、非常に忙しい状態のように見受けたのですが、こういうような状態であつても、これを減らし得るような余地があるのかどうかということに対して疑問を持つわけなんです。そういう点はどうなんですか。
  17. 辻章男

    政府委員辻章男君) おつしやる通り、非常に繁忙を極めておるのでございますが、一応予算取扱方といたしましては、減るものは減らす。殖えるものは新らしくとるというふうな考え方になつておるものでございますので、来年度の車検及び登録関係につきましては、根本的に洗い直しまして、是非充実を期したいと思つておる次第でございます。年々車両が殖えるに従いまして、一面行政整理その他によりまする人員減少の傾向もございまして、非常に仕事が殖える一方人が減るというような関係で、おつしやるような非常に窮屈な状態にあることは事実でございまして、来年度におきましては何とかこれを打開いたしたいというふうに考えているわけでございます。
  18. 小酒井義男

    小酒井義男君 そうしますと、石油割当事務減つた分は、それだけ人員は減らして行く。併しその逆に、自動車関係事業量が殖えて行くという問題に対しては、その実情をなお検討されて、来年度予算の際にはそれを要求をして行く方針だ、こういうふうに聞きとつていいわけでございますか。
  19. 辻章男

    政府委員辻章男君) さようでございます。
  20. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから次に海上保安庁関係で、ヘリコプター六機を購入するするために四億二千百五万一千円の補正がされておりますが、この内容ですね。ヘリコプターが一機一体どのくらいのものか、そうしてこれはヘリコプターに対する乗員人件費なども含まれているかどうか、この点を一つ……。
  21. 辻章男

    政府委員辻章男君) このヘリコプター関係概要を簡単に申上げます。これはヘリコプターを今一応予定しておりますのは、六機を購入いたしたいという考えでございます。大体ヘリコプター一機の値段が概略五千万円程度と見込んでおります。それからこれに要しまする基地を五カ所、大体函館、新潟、舞鶴、大村、横浜、この五カ所を基地にいたしたいという考えでございます。これの基地整備に約五千万円程度を見込んでおります。それからその基地の建物の新営といたしまして約五千万円を見込んでおります。以上がヘリコプターの必要な経費の内訳でございます。  それから先ほど人員の問題がございましたが、ヘリコプター操縦経験者というものは非常に日本では少のうございまして、むしろ逆に飛行機操縦経験者のほうが多いという実情にございますので、実は本年度におきましては、アメリカ等訓練に出しまして、その訓練を経た者によつてこれを操縦をやらして行きたいというふうな考えをいたしております。
  22. 岡田信次

    岡田信次君 今のヘリコプターのことなんですが、この説明書を拝見いたしますと、航続距離が大きいと書いてありますが、航続距離が二百四十マイル、時速八十六マイル、大体三時間しか飛べないのですね。そうすると百マイルしかとにかく行けない、それで航続距離が大きいと言えるのか。それから、こういうヘリコプターは沿岸の哨戒、遭難船発見、人命の救助その他の義務を持つている。ヘリコプターは悪天候のとき果してできるのかどうか、それらを考え合せて、ヘリコプターが一番これらの任務を遂行するのにいいのかどうか。
  23. 辻章男

    政府委員辻章男君) お説のように、ヘリコプターは割合航続距離はあるのでございますが、飛行機等に比べますと、その航続距離がないのであります。そのために実は六機に対しまして基地が五カ所というのは割合多くなつておりますが、大体いわゆるこの基地の相当のものは中継基地といたしまして、そこで補給して、遭難個所の捜索に向くといたしますれば、その遭難個所に近い基地装備補給をいたしまして向つて行きたいという考えを持つておる次第でございます。それから航続距離その他につきましては、飛行機には劣るわけでございまして、実は来年度におきましては飛行機航空機も併用いたしまして、この警備救難業務充実を図りたいと思つておる次第でございますが、ただヘリコプターの特徴といたしまして、一定の地点の上空で相当時間停止できるという点が、遭難船等発見しまして無線等で連絡の場合には飛行機よりも有利な点ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  24. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つ遭難船発見なんかの場合は恐らくこれは天気が悪い。天気が悪いときに、その上でもつてとまつてやることができるのですか、どうですか。
  25. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは荒天の度合にもよりますが、専門家の話を聞きますと、まあ或る程度荒天には耐え得るということでございますが……。
  26. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つこの船舶利子補給なんですが、両方とも外航貨物船建造のための利子補給並びに離島航路利子補給、三十四年まで、三十八年までというふうになつておりますが、相当長いやつは、はつきり三十四年までは三億何がし出す、三十八年までは一千万円出さなければならんというように、今から十年先ですか、或いは七、八年先のやつがわかるのですか。
  27. 辻章男

    政府委員辻章男君) この算定の方法でございますが、大体今の市中金利を一割一分程度と押えまして、これを七分五厘ぐらいまでに下げるための補給というふうに計算をいたしております。  それでありますから、市中金利が高低、その後変化いたしますれば、その算定の基礎は崩れて来るわけでございますが、一応その金利が続くものというふうに考えておる次第でございます。  それから償還の如何、償還の多いか少いかによりまして、まあ現実に残つておりまする貸付残高会社ごとに、或いは銀行ごとに変つて来るわけでございますが、これは大体外航船のほうで申しますれば、据置期間竣工までの据置といたしまして、その後均等償還して行く、仮に現実償還がなくてもその償還をしたものとして補給金のほうといたしましては計算して行くという考え方に立つておるわけでございます。
  28. 高木正夫

    高木正夫君 ヘリコプターに関することですが、ちよつと私ほかのほうで仄かに聞いたのですが、保安隊のほうではヘリコプターを買うことにしておつたのだが、それよりも双発の小型の飛行機のぼうが性能がいいしするので、そのほうに替えたいというような希望を持つておるということを承わつたのですが、その辺の研究十分にやられたのでしようか、どうでしようか。
  29. 辻章男

    政府委員辻章男君) その点につきましては、海上保安庁のほうで専門家がいろいろ寄りまして検討した結果、飛行機ヘリコプターとまあ併用することが一番望ましいという結論に達しまして、先ず補正におきましてはヘリコプターを一部買つてもらうという考えに立つております。で、先ほど申上げました通り、来年度分といたしましては、是非航空機追加いたしまして併用してやつて行きたいというふうに考えておる次第であります。
  30. 高木正夫

    高木正夫君 値段もそう違わないそうですね。
  31. 辻章男

    政府委員辻章男君) 値段はちよつと私航空機のやつは今覚えておりませんが、ヘリコプター性能のいいものになりますと相当高くなりますから、今のところ大体四、五千万円くらいとしておりますが、まあやはりヘリコプターのほうが幾分安いのでございますが……。
  32. 小野哲

    小野哲君 ちよつと伺いたいのですが、先ほど会計課長からヘリコプターに関連した問題として、乗員外国に派遣して訓練する、予算書を見ますと、百八十万円程度が計上されておるわけでありますが、それは一体いつ頃までに訓練をさせまして、今回の補正予算に計上されておるヘリコプターを六機購入して、そしてこれを実際使用に供するのはいつ頃になるのか。特に補正予算で四億円程度を計上されるということは相当緊急な必要があるから計上されたのだと思うのですが、百八十万円の海外派遣費を計上して、それを訓練して実際ヘリコプターを使用するというのは一体いつ頃になるのかどうか。こういうふうな点をもう少し詳細に伺つておきたいと思います。
  33. 辻章男

    政府委員辻章男君) 只今訓練計画等に対する資料を持つておりませんので、早速調査いたしまして御答弁申上げたいと思います。
  34. 小野哲

    小野哲君 もう一つつておきたいのは、巡視船武装の問題なのですが、相当長距離に亘つて犯人逮捕その他保安上の必要から巡視船武装を強化する必要がある、こういうことになつておりますが、そのために機銃であるとか、或いは小口径砲等船舶装備するのだ、その基準としては二百七十トン以上の巡視船二十六隻にこれを装備するための経費として計上されておる、こういう説明になつておるのですが、この問題は極めて微妙な問題で、巡視船というものは純然たる海上保安上の目的を持つておる、こういうふうに我々は考えておるのですが、その他の今問題になつておる武装の強化の問題と関連いたしまして、果してこれだけの装備をしなければ巡視目的が達成できないのかどうか、こういうふうな点についてもう少し保安隊との関連における御説明を伺つておきたいと思います。
  35. 辻章男

    政府委員辻章男君) 総理府の保安庁警備隊海上保安庁との関係でございますが、これは有事の際と申しますか、非常の際におきましては、海上保安庁所属船舶及び人員警備隊一体となつて行動するという建前には相成つておりますが、平時の際におきましては海上保安庁純然たる平和的な機関といたしまして、治安の維持と警備救難を行うということに相成つておるわけでございます。そういうここに計上いたしておりまする装備の問題は、もつぱら平時状態におきまする海上保安庁機能を十分に発揮するがために必要な事柄といたしまして要求を出した次第でございますが、これは今の現状においてこういういわゆる武装をしなければ巡視船としての機能が十分に発揮できないかどうかという点でございますが、これは朝鮮近海その他におきましては、御承知のような密輸密航その他の相当物騒な船が横行しているのでございまして、これらは相当の武器を携行しているわけでございますが、現状海上保安庁巡視船といたしましては、ただ個々の乗組員が拳銃を持つているに過ぎないというふうな状態でございますので、是非この程度装備を持ちませんと、俗に申しますれば向うになめられるという結果に相成りますので、最小限度要求といたしまして、ここに挙げておりますよらな装備要求している次第でございます。
  36. 小野哲

    小野哲君 それに関連しまして、今お話のように一旦非常事態の発生の場合におきまして、巡視船警備隊一体となつて行動を起す、こういうふうに一応お聞きしたわけですが、その場合に私は二つの場合をお聞きしたい。  一つ非常事態においてごの巡視船行動が第三国から見ると申しますか、或いは外国から見ると申しますか、当該関係当事国から見た場合において、拿捕の対象になる危険性があるのではないかということが一つ。それからもう一つ平時においてごの巡視船がこれだけの武装をいたしまして、保安上の責務を果して行く場合にその能力から見まして、この装備された武力以上に相手方から或いは攻撃を受ける、或いはこの装備のみによつては到底所期の目的が達成できないという場合において、保安庁所属警備隊協力が可能であるのかどうなのか。これらの協力関係と申しますか、こういう点について一応の御説明を伺いたいと思います。
  37. 辻章男

    政府委員辻章男君) 非常にむずかしい問題でございますが、大体武装いたしましても、この武装を発揮いたしまして、いわゆる砲なり機関銃を撃つということが海上保安庁の本来の目的ではないのでありまして、むしろ先ほど申上げましたように、相手方になめられるということのないように、いわば伝家の宝刀といたしましてこの装備をしたということによりまする、威嚇的な影響によりまして密航船密輸船等に対抗して行くのが本筋であるというように考えております。従いまして、何かの場合に警備隊の応援を求めるということは非常に大きな政治的な判断に相成ると思うのでありますが、事務的な考え方といたしましては、そういうことは先ずないというふうに考えております。
  38. 岡田信次

    岡田信次君 船の建造融資利子補給ですが、この説明書ではよくわからないのですが、三十四年まで三億三千五百万何がしかが要る。本年度補正には幾らつているのか。これから考えて、八年間は一年四千万円になるのか、又十年間にして、年に幾らになるのか、この点説明書でははつきりしていないのだが、どうですか。
  39. 辻章男

    政府委員辻章男君) それは建造外航船のほうを例にとつて申上げますと、これは竣工時期まで据置き、竣工後五カ年半年賦償還ということに計算をいたしております。従いまして、竣工いたしまして、半年経ちますれば、それだけ残高が減つて行くということになりますので、従つて利子補給金額も減つて行くということに相成るわけでございまして、カーヴを描きますれば、竣工後、例えば船が竣工したときが一番の頂点でございまして、だんだんと三十四年に向つてそのカーヴが落ちて行くという恰好に相成るわけでございます。  それから予算におきましての立て方といたしまして、これは大体今のところ補正予算が成立いたしまして、年が明けましてから利子補給契約に相成ると思いますが、どうしても船舶建造には十カ月程度がかかつて参りますから、現実補給金として国庫の支出と相成るのは、来年度の問題と相成るわけでございます。本年度内に利子補給契約を結ばなければなりませんので、いわゆる国庫債務の負担行為ということによつて国会の承認が必要になるわけでございます。現実には本年度国庫支出の金は一銭もないのであります。
  40. 岡田信次

    岡田信次君 そうするとあれですか、外航船のあれを例にとりましても、来年度以降は新らしい船を作らないという御計算なんですか。
  41. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは来年度の問題には、ここでは一応予算的には全然触れていないわけでございまして、本年度内に金融機関利子補給契約をいたす分だけについて国庫債務負担行為として計上している次第でございます。ですから若し二十八年度におきましてこの建造利子補給によりますものを活用いたしまして、外航船を作つて行きますれば、二十八年度予算におきまして、やはり国庫債務負担行為といたしまして国会の御審議をお願いするというふうに考えております。
  42. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 最前の小野さんの質問に関連しまして、装備の点について何か今までの例として、いわゆるこれだけの装備をしなければならないという限界は、あなたの御説明によりますと、威嚇のために、まあ大体なめられるのは困るからという意味に聞えたのですが、少くともそういう簡単な私は考え方で御説明されたのではちよつと納得がしかねるのですが、例えば今までの例として、これだけ予算を見積り、これだけの装備をしなければならなかつたというような実情はどこかにあつたのでありますか。
  43. 辻章男

    政府委員辻章男君) 只今海上保安庁関係のかたがおりませんので、あれでございますが、これはいろいろ具体的に、巡視船密輸密航船等に遭遇いたしましたときの状況を申上げまして、こういう事態に対してはこういう程度装備が必要だというふうに申上げるのが一番適当だと存ずるのでありますが、丁度今海上保安庁関係の担当官がおりませんので、早速海上保安庁と連絡をとりまして、御納得の行くような御答弁をいたしたいと思います。
  44. 内村清次

    内村清次君 運輸省関係予算はごの程度にして……これからはやつぱり担当官に、今言つた海上保安庁だとか、公安局だとか、こういうような予算と関連のあるようなことについては、もう少し詳しく聞きたいのです。それでこれは又各部の説明でやりまして、一応国鉄の予算のほうに切換えて頂きたいと思います。
  45. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 大体この程度で今日のところはよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 もう一つちよつとお尋ねしておきますが、職員給与についての補正額がここに出ておるのでありますが、これは人事院勧告のべースそのものを基調としているのでございますか。
  47. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは内閣の方針によりまして、人事院勧告よりも下廻りました大体現行ベースの二割程度のぺースアツプということを基準にした金額でございます。
  48. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 そういたしますると、大体国会で官公庁と合して、ベースの数字が違つて来れば、おのずからこれはその予算の範囲内ですから、考慮はされるように考えておられますか。
  49. 辻章男

    政府委員辻章男君) ちよつと今の質問が聞き取りにくかつたのでありますが……。
  50. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 これは勿論我々のほうとしては、こういうふうにきまつた案という形で解釈しているのです。というのは、きまつているから……、従つて給与ベースの関係は他官庁との関係もございましようから、結局国会で審議の結果この増額はおのずから出て来ると、そういうような決定があつた場合には、十分それは含まれるわけでございますね。
  51. 辻章男

    政府委員辻章男君) 若し国会のほうでそういう政府の予定しておりまするベースアップよりも上廻るような修正があつたというような事態を考えますると、恐らく同時にこのベースアップに必要な予算につきましても増額になるような運びに相成るというふうに考えております。
  52. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) ちよつと伺いますが、ヘリコプター航続距離二百四十マイルというと、ヘリコプターがスタートしてから二百四十マイル動けば、あとは動けなくなるという意味に了解していいのですか。これはどういうことですか。
  53. 辻章男

    政府委員辻章男君) 大体そういうことでございます。
  54. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) そうするというと、百二十マイル以上のところに遭難或いはいろいろな救難の事故があつたという場合には、ヘリコプターは役に立たないということになるわけなんですな。
  55. 辻章男

    政府委員辻章男君) そうであります。
  56. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それでは運輸省一般予算の御質問は、先刻内村委員の言われたように、まだその詳細研究する余地もありますから、そのときは関係当局、各局といいますか、そういうところの担当官に出てもらうごとにして、この辺で一応打ち切ります。   —————————————
  57. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) 次は鉄道関係予算に対しての御説明を鉄道監督局長から承わります。
  58. 植田純一

    政府委員(植田純一君) お手許に配付いたしました資料によりまして御説明申上げます。補正予算資金計画という表を睨みながら御覧願います。  先ず損益勘定でございますが、昭和二十七年度の当初国鉄損益勘定予算は、歳入歳出共に二千九十九億五千万円でございます。それに対しまして、職員給与に関する仲裁裁定その他その後の新らしい事情によりまして、これが補正を行うことになつたのございまするが、補正額は真中の欄にございますように、先ず収入し面におきましては、輸送量の増加に伴いますところの増収を五十七億四千万円を見込んでおります。旅客収入が三十八億余、貨物収入が十九億余ということになつております。雑収入、これは不用品の売却等を主としたものでございまするが、これの増加が十四億三千四百万円でございます。以上の収入増の合計が七十一億八千万円になるわけでございまするが、当初において予定いたしました収入を合計いたしますると、以上で二千百七十一億三千万円に相成る次第でございます。一方支出の面におきまして、経営費が相当増額いたしておりますが、この内訳は給与の改善によりまして百三億二千万円、輸送量増加に伴いますところの経費増加によりまして十一億三千万円、又石炭の購入単価が当初の予算に比べまして相当増額しておりますし、又電力料金も相当値上りをいたしましたが、この石炭、電力単価の値上りによります増加が四十五億九千万円、一面におきまして経費の節減を十七億一千万円見込みました。この内訳はその次のページにあるのでございますが、補正の内訳という合計欄を只今申上げました次第でございます。  以上申しましたように、経営費におきまして百四十三億三千万円の増加となりますほかに、借入金の増加によりますところの利子増加を六千万円を見込むというようなことになりまして、当初の予算におきまして予定いたしておりました支出二千九十九億五千万円と合計いたしますると、二千二百四十三億四千万円に相成る次第でございます。これを先に申しました収入の合計二千百七十一億三千万円と比べますと、七十二億一千万円の収入ということに相成ります。この収入不足をどうするかという問題であつたのでございまするが、運賃の改訂によりまして、この運賃の改訂は大体旅客一月から、貨物は二月からそれぞれ一割に相当するところの増収を見込む、かような方針によりましてその額が四十二億一千万円、これを運賃改正の増収額として見込みましたような次第でございます。なお三十億円不足いたしますので、これは借入金によつて賄うことといたしまして収支のバランスをとることにいたしたわけであります。運賃改訂につきましては、予算面におきましては以上申上げました通りでございますが、改訂の具体案につきましては、運輸審議会の答申も出て参りましたので、早急に国会に法案といたしまして提出、御審議を願うことに相成つております。  次に工事勘定でございますが、国鉄の工事勘定は当初予算におきまして四百十六億七千万円として成立いたしております。その内訳は自己資金が三百六億七千万円、借入金百十億円、四百十六億七千万円でございましたが、この補正予算におきまして合計二十億の借入金の追加ということに相成つております。その二十億の内訳といたしましては、鉄道建設関係経費といたしまして新たに五億円を計上されたのでございます。又電化設備費に新たに十五億円を追加計上いたしまして、合計二十億円でございます。鉄道建設関係におきましては、先に鉄道建設審議会の答申によりまして、本年度予算補正を待つて着手すべしとされました新線十六線及び営業休止線三線、合計十九線のうちどれだけ今回の補正予算を以ちまして工事に着手するかということにつきましては、改めて鉄道建設審議会におきまして審議して頂いておつたのでございまするが、そのうち十三線を着工すべき旨の答申がございまして、そういう段取りになつております。又電化設備費関係におきまして新たに十五億円追加になりました。これは当初予算におきまして計画いたしておりました浜松、姫路間の電化計画を促進するために計上された、かような次第でございます。三枚目に鉄道工事経費補正予算の内訳が載つてございまするが、大体日本国有鉄道の補正予算の極めて概略でございまするが、以上の通りでございます。
  59. 一松政二

    ○一松政二君 石炭と電力の単価の値上げによつて四十五億九千万円と一口に出しておるが、この石炭は一トン当り幾らつて、それから電力は幾らつたのか、その内容ちよつと聞きたい。
  60. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 石炭関係は当初予算におきましてはトン当り五千五百八十一円という予算でございました。実際契約単価におきまして六千二百三十八円、トン当り六百五十七円、これは全体の平均でございますが、増加を要するのでございます。全体の使用量六百十一万六千トンと想定いたしまして、石炭費の値上りが約四十億円、電力のほうの関係は五円から、これも平均でございますが、買電におきまして二割七分八厘値上りになりまして、これの電力費の増加が約五億七千万円、かような内訳になつておる次第でございます。
  61. 一松政二

    ○一松政二君 そうすると、下半期の石炭の契約は、鉄道は全部確定した上のこれは予算ですか、或いは見込みですか。
  62. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 石炭につきましては、下半期につきましては見込みでございます。大体上半期の実績に比べまして下半期はむしろ高くなるのが通常の状態のようでございまするが、大体上半期の実績によりまして見込みを立てました次第でございます。
  63. 一松政二

    ○一松政二君 そうすると、石炭を一応据置きの値段で大体行こうとしておつたように伺つてつたのですが、結局値上げを認めざるを得ない立場に追い込まれておるのが実情考えていいわけですね、大体上半期の値段を踏襲して行くというように聞いておつたわけだ。結局止むを得ず値上げを承認しなければならんように只今つておるということですね。
  64. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 只今説明申上げましたのは、すべて当初の予算、組んでおりました当初の予算に比べまして、それだけ追加しなければ契約がむずかしい、こういう意味の、当初の予算に比べましての話でございます。
  65. 一松政二

    ○一松政二君 もう伺いたいのですが、借入金を三十億円しておる。そうして給与改善に百三億二千万円予定しておるが、この三十億円の借入金というのは、どういうわけでこれを借入金によつておるか。この借入金の性格を伺いたいのです。赤字を借入金によつておるということであれば、個人の経済から見ると、つまり生活費が足りなかつたから、それを借金に持つて行つたといつたような恰好に一応見えるのですが、ほかにそうじやない意味が説明できますか、
  66. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 本年度予算といたしまして、運賃改正の時期等から申しまして、運賃改正によりますところの増収額というものも限られておるようなわけでございます。従いまして本年度に関しまする限り、収支のバランスという意味からの借入金でございます。
  67. 一松政二

    ○一松政二君 それではただ機械的の説明なんであつて、足らないから借入金によつたというわけなんで、私の聞かんとするところは、いわゆる健全財政か、或いは健全なる鉄道の会計の建前からして、足りんものは借金して行くということは、その筋が通らんように私は考えるから伺つておるのであつて、足らんだけ借金によつたのだという説明では説明にならないのです。甚だ不健全な借金をしておるというふうにしかならないのですが、そう解釈してよろしいかといかということです。
  68. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 平年度といたしましては、勿論収支の、バランスをとつて参れる考えでございまするが、本年度におきましては止むを得ず、特殊の事情といたしまして借入金を必要といたしたような次第でございます。
  69. 一松政二

    ○一松政二君 その特殊の事情説明を伺いたい。如何なる特殊の事情があつたのか、それを承わりたい。
  70. 植田純一

    政府委員(植田純一君) その点はさつき申しましてように、経費と収入関係、勿論収入関係におきまするところの運賃の改正の額、或いは時期等にも関係したのでございまするが、どうしてもごの運賃改正によりまして四十二億程度の増収しか見込めませんので、本年度といたしまして、収支のバランスをどうしても合わす必要がある。そういう点から借入金に仰がざるを得なかつたわけであります。
  71. 一松政二

    ○一松政二君 そうではなくて、給与改善費に百三億というものをとられた故に、私はこの不足が起つて来たのだと思うのです。給与改善に百三億というものを見込まなければならなかつたから、三十億円赤字が出る。運賃の値上げというものはそうむやみやたらにいつもできるものではないのであろから、私はこの三十億円の借入金というものは、まさに食い潰しの経済を如実に行なつておるという感じがしておるのです。これ以上あなたに追及することはこの際私は差控えたいと思います。  ただもう一つつておきたいことは、今度の電産のストライキですね、電産のストライキによつて列車及び貨物の削減を行なつておる。そうしてこの電産のストライキ及び石炭のストライキがいつ収束するかわからん、今日或いは速急に解決するかも知れないが、併しながらこれによる収入減を一体幾ら見ておるか。これはこの予算以後に私はそういう状態が起つて来るだろうことを心配するから、この点を伺つておきたい。
  72. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 炭労ストに伴いまして第一次及び第二次の列車削減処置を行なつておりますが、実は今後の炭労ストがどういう運びになりますか、その今後の進展如何によりましては、重大な影響を及ぼすかと存じまするが、本日のところにおきましては、その見通しがつきかねておりますので、この運輸収入の状態につきましても、国鉄当局におきましても慎重な検討を目下行なつておるのでございますが、目下のところ、その将来の見通しがつきかねますので、はつきりとした運輸収入の見通しというものは、現在数字的にはつきかねておるわけであります。ただ現在のところ、北海道におきまして最も列車の削減が大きいのでございますが、北海道におきましてはこの二日から三十日までの間におきまして、旅客列車は一五%、貨物列車は二〇%程度の列車削減を行なつておるのでございますが、これに対する運輸収入の影響といたしましては、旅客列車削減と同じ程度の運輸収入の響きは勿論ございませんが、旅客一五%の列車削減に対しまして、旅客収入におきまして約一一%程度の運輸収入の影響があるという資料が出ておりまするが、全国的に申しますると、今後の進展如何等の見通し等にもよりますので、数字的な影響につきましては、目下検討中でございます。
  73. 一松政二

    ○一松政二君 輸送量の増加に伴う収入増を十四億四千万円見込んである。ところが石炭のストライキが起つて、もう鉄道の収入に私は相当な影響があつたはずだと思うのです。この五十七億計上した場合には、この石炭の減産による鉄道の運賃収入減ということを見込んでおつたか、見込んでいなかつたか、見込んでいないだろうと私は想像するのだが、見込んでいなかつたら、過去に九月、十月……九月は大したことはなかつたか知れないが、十月、十一月、この二カ月間にもうすでにその集積は現われておるはずだと思う。この石炭の輸送量の減つただけの収入減はおよそ幾らになつておるか、伺いたい。この五十七億四千万円の増収を計上されるときに石炭のストライキは私は勘定に入つてなかつたのじやないかと思うのですが、であるとすれば、石炭の輸送が減つただけ、今後の列車削減でなくて、過去において、或いは現在までに石炭が数百万トン輸送量がすでに減つているはずです。それの収入減とごの増収の見込みとの関係についてお聞きしたいのです。
  74. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 勿論この補正予算の数字におきましては、今回のストということにつきましては勿論考えておりません。更に只今石炭の輸送減による収入の減というお尋ねでございましたが、十月までは石炭の輸送減による収入減という事態は現われておりません。
  75. 一松政二

    ○一松政二君 十月に現われていなければ、十一月、十二月には現われるわけですね、そこは大体数字がつかめるはずなんです。殆んど鉄道輸送が大部分で、まあ船の輸送もありますけれども、船に行く分もあるはずですが、従つて今後の貨物列車及び旅客列車の削減、及び過去における石炭の輸送量の減退と、将来又なお続く石炭の輸送量の減少による収入減というものがあるはずです。これが何億になるか、何十億になるか、恐らく三億や五億の金額じやないと思うのです。そうすると、この三十億円の借入金にとどまらずして、これが三十五億円になり、四十億円になり、或いは五十億円になるかも知れない、ますます不健全な私は経理の方法だとまあ考えるわけです。これは私の意見になりますが……従つて、この給与の改善というのは、これは例年の例になつてしまつている。何か物価がえらく下落することがあれば別問題だけれども、そうすれば又運賃の収入減が来たされる。であるからこの予算の立て方に対して、私はこれは甚だ不健全であるという私の見解だけを述べて、この質問は一応打切つておきます。
  76. 岡田信次

    岡田信次君 輸送量の増加による増収については、私もいろいろ意見があるのでありますが、今一松委員からお話があつたからやめまして、その次の雑収入の増加十四億何しがしというのは、元の予算に対して約三〇%に達しておるのですが、それの主なるものと、それから給与改善が百三億、これはいわゆる仲裁裁定を完全に実施するというわけであるかどうか。それから第三点に、旅客と貨物の運賃を一月、二月から上げるということになつていますが、何故に両方とも一月にするとか、二月にするとか、一緒にできなかつたのか。それからもう一つ最後に工事経費で以て、工事経費で軒並みに減額しておりますが、これは何か特殊の事情があつたのか、その点は仕事が進まなかつたから金が余つたのか、この四つをお伺いしたいと思います。
  77. 高井軍一

    説明員(高井軍一君) 雑収入の十四億余を見込みました内容を申上げます。年初予算を編成いたしました以後におきまして、諸料金の値上によります収入の増加を二億、それから数量の増加によりまする、輸送量の増加によります収入の増加が三億七千万円、それから国鉄の持つております死蔵品の一掃整理を計画いたしまして、十億五千万円計上いたしました。そのうち年初予算で一億九千万円というものが予定に上ぼつておりますので、その増が八億六千万円、以上で十四億という工合に計算いたした次第であります。
  78. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 第二点の給与改善の百三億は裁定を完全に実施する建前のものであろかどうかというお尋ねでございますが、これは国家公務員との均衡等も考えまして、第一項の基本給におきましては一万三千四百円というベースは実施いたしまして、ただ実施時期を十一月から実施、かような政府方針に基きまして計上いたしてあるわけでございます。なお二項、三項、四項いわゆる団体交渉によりまして、改訂をせよという点につきましては、勿論団体交渉の結果を待たなければ額は確定いたさないのでありますが、これにつきましても、一応政府といたしましては、国家公務員との振合い、全体としての振合等を考え、一応の見込みによりまして計上いたしましたものが合計で百三億二千万円でございます。  第三点といたしまして、列車と貨物の実施時期のずれている点につきましては、勿論こういうような国鉄の経理状況でございますので、できるだけ早く実施するというのが要請されておるのでございますが、ただ貨物につきましては、大体の輪郭がきまりましても、等級表の細部に亘るところの資料の調整等、旅客に比べましてその実施までの準備に相当の日数を要しますので、その点止むを得ず旅客よりも実施時期が遅れるというような状況に考えておるのでございます。  次に第四点の工事経費につきまして、諸設備費におきまして、各項目につきまして節減をいたしておりますが、これは工事経費におきますところの総経費増加、これは工事経費におきますところの給与改善の関係経費増加がその最も大きなものでございまするが、その総経費増加分を充すために設備費の節減を図つたわけなんでございまして、具体的に大きな工事計画の変更に基きましての節減ではなくて、総経費を生み出すための節減と、かように御承知おき願いたいと思います。
  79. 小野哲

    小野哲君 ちよつとお伺いしたいのですが、昭和二十七年度日本国有鉄道補正予算資金計画の中の表のうちで、支出のところで減価償却費と特別補充取替費という項目がありますが、これがどういうふうな関係で置かれておるのか、当初予算補正額と比較いたしまして、補正額のほうが零になつておりますが、この点について一つ説明願いたい。
  80. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 国鉄の資産は御承知の通り再評価いたしておりませんので、帳簿上の価額そのままで減価償却費を算式によりまして出しますと、こういう三十七億という数字が出るのでございます。併しながら、国鉄の資産は再評価いたしますれば相当厖大なものであるということは申すまでもございませんが、現実に資産の補充取替えということを年々やつて行きまして、施設を維持して行く必要がありますのでございまするが、その場合にどうしてもこの帳簿上の減価償却置だけでは足りないということはまあ当然わかるのでございまして、それで昭和二十四年に一応資産の調査をいたしまして、そのときの昭和二十四年の財産価格を基といたしまして減価償却を算出いたしてみますると、約三百三億程度のものになるのでございます。従いまして、国鉄の施設を最小限維持して行きます上におきまして、どうしてもそれだけの経費を減価償却いたしまして計上する必要がありますので、この帳簿上の三十七億に対しますところの差額を特別補充取替費といたしまして計上いたしておるような次第でございます。この合計が実質上の減価償却費に該当するものと御承知を願いのでございます。ただ現在の財産価格はさつき申しましたように、昭和二十四年を基といたしておりますので、今日におきまして果してこれで適当であるかどうかということにつきましては、いろいろ議論もございまするが、一応算出の基礎はそういうことでございます。
  81. 小野哲

    小野哲君 私もこの減価償却費とそれから特別補充取替費というものを実質的には加えたものが償却費ということになるであろうとは想像するのですが、どうも国鉄の現実の資産の評価から見まして、果してごの程度でよいかどうか。それは先ほど一松委員からも御指摘になりましたが、国鉄の健全財政を確立して行くという点から申しますと、その点が一つのキーポイントになるのではないかとこう思うのです。まあこれは目下御検討中でありますので、なお将来の問題として御検討を願わなければならんかと思いますが、同時に資金の調達との関連におきましても、運賃制度の問題並びにその他の財源措置というものがこれ又健全財政の重要な要素となるものと思いますので、先ほど来収支の均衡を維持して行くのが国有鉄道の健全財政の主眼であると、これはまあ動かない点でありますが、そういう線から進めますと、果して今回の補正予算についてこの程度でよいかどうか。運賃の改訂につきましてもなお議論の余地があるのではないか。それと関連いたしまして、国有鉄道の資金計画自体の内容において相当研究を要する点が残されておるように思いますが、これは又適当な機会に審議をするごとにして、次に伺つておきたいことは、今回の借入金の中で五億円が新線建設に補正計上されておりまして、すでに建設審議会から答申されましたうちの十三線を新たに着工するというふうなことになつたようでありますが、これも又借入金でやつて行くことが果してよいかどうか、こういう問題がありますが、鉄道公債の発行、或いは又鉄道建設資金というものを国有鉄道の自己資金によつて賄うべきであるか、或いは一般会計の負担においてやることが妥当であるか、こういう問題がありますので、一応これは借入金で充当はされておりますが、この点についてもなお将来研究の余地があるのではないか。  それから電化設備費に新たに十五億円を追加計上されまして、浜松、姫路間の電化計画を促進するということになつておりますが、この補正予算の十五億円の追加計上によりまして、本年度内における工事の計画はどんなふうになつておるか、言換れば、どこからどこまで電化し得る状態になるか、この点を伺つておきたいと思います。
  82. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 御承知の通り、この浜松から姫路までの区間のうち、浜松、名古屋間を本年度において着工いたしておりますが、この十五億の補正によりまして浜松、名古屋間の工事を促進いたしまして、この間の完成時期をできるだけ早く繰上げたいと、本年度補正予算の意図はそういう意図で組まれておるわけであります。
  83. 小野哲

    小野哲君 今の十五億円の追加計上で浜松・名古屋間の工事を極力早く完成して行こうというような、こういうふうなことなんですが、更にこの計画は浜松・姫路間ということになつておりますが、大体浜松・名古屋間の完成の時期ですね、いつ頃の御予定になつておりますか。
  84. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 現在の計画では、名古屋までの開通をこの補正予算によりまして、旅客、貨物共おおむね二カ月程度繰上げまして、旅客は八月、貨物は十月を目途として計画いたしております。
  85. 小野哲

    小野哲君 それは二十八年ですね。
  86. 植田純一

    政府委員(植田純一君) はあ、そうです。
  87. 高田寛

    高田寛君 先ほどの一松委員の御質問に関連した問題ですが、借入金の三十億というものはこれはどういう見通しから、又どんな経過を経て三十億という借入金の金額がきまつたのか。これはただこれだけ足りないからこれだけ、三十億にしたというだけのものじやなかろうと思うのですが、その辺をもう少し伺いたい。
  88. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 本年度補正予算に際しまして、先ほどお話申上げましたように、支出の面におきましては給与の改訂というものが大きな要素でございます。これに対しまして、この収入の面におきましてどうしても経営収入を以て賄うのが建前なものでございますので、この運賃改正につきましては国鉄当局も当初におきまして、もつと大幅な運賃改正を希望いたしまして、できますならば本年度におきましても運賃改正によりまして収支の均衡を保つて行こう、かような意図でやつたのでございますが、政府方針によりまして運賃改正によりますところの増収額がおおむね一割程度、旅客一月から、貨物二月から実施いたしまして、一割程度の増収を見込むということに落着きましたので、従いましてごの収支の均衡が本年度におきましては先申しましたように、どうしても借入金によりましてその差額を賄うということになつたのであります。
  89. 高田寛

    高田寛君 本年度は三十億借りればそれで収支の辻褄が合うのだということはわかるのですが、今度の予定されている一割程度の運賃値上げは、現在の情勢からの見通しとして、この三十億借入れても、これは来年度において収支の均衡を合わし、それからなおこの借入金は返還し得る、三十億なら返還し得る、こういう見通しを以てきめられているのかどうか、その点の見通しを伺いたいわけなんです。
  90. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 来年度予算につきましては、実はまだはつきりと申上げることはできないのでございまするが、当初二十八年度予算、現在要求いたしております二十八年度予算を作りました以後、本年度のいろいろの方針がきまつた関係もございますが、大体来年度におきまして、一割の運賃増収を以ちまして均衡を保つて行かなければならん、かように考えております。ただこの場合におきまして最も問題になりますのは、先ほど来話がございましたいわゆる施設の維持のための減価償却、これにつきましては、でき得ますならば現在の価格を以て評価した額に相当する減価償却を以て施設の維持を努めて参りたい、かように考えまして、この減価償却の増加ということを考えておつたわけでございまするが、これがこの程度の運賃増収を以ては非常に困難になつて参るのではないか、まあかように考えられます。従いまして、そういう点につきましては別途更にそういう面につきましては、政府資金の融通その他によりまして、その点で遺憾なきを期して行きたい、かようなつもりで見通しを立てておる次第でございます。
  91. 高田寛

    高田寛君 じや質問を変えまして、今度ごの補正予算で諸設備費のうち三億九千九百万円減少しておりますが、この中で特に減つておるのは車両費の一億七千二百万円となつておりますが、そうすると当初予算に予定されておつた車両のうちどういう車両がこれで減少するか、本年度作製のうち減少するかというその点を一つ伺います。まあ機関車を減らすのか、貨車を減らすのか、客車を減らすのか、これは今はつきりしなければ又後日でも結構であります。
  92. 一松政二

    ○一松政二君 ちよつと関連しておることだけ……。今の借入金の問題ですが、今の監督局長お話ですと、来年度は私は更に非常に暗いような気がする。この不健全さが、来年度は更にもう一つ不健全の程度が、予算のきめ方如何によつてもつと増加するような気がいたしておるわけです。そうして運賃の値上げなんということがこれは無限に行われるものじやない。海上運賃は今日暴落しておるし、そのほかバスやトラックによる競争というものはますます激化するので、そこへ人件費は、これは私はこれを削減することが非常に困難であるが故にこういう不健全な収支予算を出しておると思つておる。来年度はそういう収支を合せるために減価償却の金額で場合によつたら手品でもするよりほかに行き方がないような印象を与えておるわけですが、それではますます不健全になる。どうか、その経費が増せば運賃収入で賄えるのだ、運賃の増収によつて賄えるのだという考え方のないように、これは国民所得やそれから種々の情勢によつて、そう国鉄が希望し、或いは国鉄従業員が希望するがごとく運賃というものは無限に値を上げられるものじやない。従業員の給与やその他については無限に欲望があるわけなんです。そこの調節が問題なんであつて、この国鉄の経営そのものを私は不健全に陥れないように私は特にこの際希望しておきたいから、更に今の高田さんの質問に対しての御答弁で強くそういうことを感じましたから、来年度予算を組むにしても、予算を実行する上においても、その点を特に考慮しておいて頂きたいと考えるわけであります。
  93. 内村清次

    内村清次君 ちよつと質問をしたいと思いますが、時間が今日は余りないようでございますから、資料の問題を一つお願いしたい。只今の各委員のお考え方、これは又総体的に国鉄の予算、国鉄の今後の増収対策、その公共性を発揮したところの増収対策というものは根本的に考えなくちやならない問題です。これはやはり運輸大臣方針としてまだ私たちは論議しなくちやない問題があるだろうと思うのです。これは又方針関係につきましては別の機会にお願いいたしますとして、資料関係ですが、今回電化の促進によるところの十五億の借入金ですね、これによつて延長がどれだけなされてそうしてどれくらいの石炭節約その他の剰余が期待できるかというようなこと、これが第一点です。  それから第二点は鉄道公安官の現在の数と、それからこれに対する給与総額、それから鉄道公安官に対する国鉄としての見込み、これを廃止していいか悪いかというような見込みの所見を入れて頂きたい。  それから第三番目には高架線下の用地使用料です、これがどれくらいになつておるか、同時に又高架線下の用地の総坪数、これを一つ明らかにして頂きたい。  それから第四番目に、未使用船舶の利用ですが、現在の船舶関係で運航しておらないとか、或いは予備船として、これはまあ修繕待ちとか、いろいろの事故関係の予備船は別といたしまして、そういうような船舶関係から言えば台数、それから又利用するところの計画があるかどうかという問題。  それから第五番目に、先ほどは雑収入のうちにも一部出しておられたようでございますが、今国鉄に死蔵品としてのレールだとか、或いは又電線だとかのいろいろな死蔵品があるはずでありますが、この各品目の総量及び価格の対比ですね。  それから第六番目には郵便車、食堂車の増収対策、現在の使用料金の問題、これを一つ明らかにして頂いて、これに対する増収対策。  それから第七番目に、駐留軍輸送協定の現下の運送料金と全使用収入ですね、これを明らかにして頂きたい。  それから第八番目には、団体旅客募集を国鉄で直営して一体どれくらいの収益が増加される見込みであるか。現在どういう経路でこの団体募集の料金をほかに出しておられるかどうか。  それから工事の入札請負、この請負によつて、これも請負制度の改革によつて、例えば建設省関係での坪数に対する請負単価及び鉄道におけるところの請負単価が大分差があるようでございますが、この点に対する比較ですね、これを一つ。  それから乗車券の委託販売の率の改訂をすべきかどうかという問題に対する所見。現在の率ですね。  それから未収入金の回収、これの促進ですが、現在の未収入金がどれくらいあるか。これは関係個所があるはずですから、以上の問題をごの次の委員会までに一つ資料として出して頂きたい。  それからただ一言申して質問いたしますが先ほどこれは高田委員からも御質問がありましたが、工事経費といたしましての、これは額としては諸設備費が三億九千九百万円、約四億くらいで、額としては少いようでございますが、併し重要な問題が皆削られてしまつておるようですが、例えば車両費だとか、それから信号保安設備費だとかそれから船舶費、自動車費とかいうような将来の増送対策に欠くことのできない問題がごうやつて削られておるのですが、これでいいのであるかどうかという問題ですね。なぜこれをここまで削らなくちやならんか。僅か四億でございますが、削らなくちやならないか。この点に対しては監督局長説明できますか。ただ給与問題の経費だけでどうしても借入金を大蔵省も出さなかつたということでなくして、みずからこれを切らなくちやならないというようなことで来年度の増送対策に対して支障はないかどうかという問題ですね。これだけ一つ聞かして頂きたい。  あとの給与関係の問題はこの次の委員会のときに譲ります。
  94. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 今の内村委員のお問いに対しまして、各項目につきまして、具体的にこの金額を生み出す場合に当りましては、勿論今後の増送、或いは又効率向上をできるだけ阻害しないように十分考えたいと存じております。
  95. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 時間もありませんから、資料の点については内村君の今出された資料に足しましてお願いしたいのは、ここに今出ている中で、補正額の内訳の中に、仲裁裁定について基本給は別といたしまして、いわゆる二項、三項に亘り、団体交渉で決定しなければならない超勤、特殊、寒冷地、石炭手当等があるのですが、すでにここに数字として大体出されておるようでありまするけれども、これは現行労組との協定の範囲内におけるパーセンテージを基礎として出したものかどうか。今まで労働組合と当局と、こういう超勤、特殊、寒冷地手当等については、いわゆる協定があつたが、その範囲内で基本給に対するパーセンテージを出してやつてつた。それで総額を出す。たまたまここ出ておるのは、数字がすでに出ておるということは、あなたのほうではすでにそれに対して今まで協定の範囲内におけるパーセンテージを基礎にして作り上げたと解釈せざるを得ない。これを一つお示しを願いたい。というのは今団体交渉をやつて協定ができていないのにもかかわらず、すでにあなたのほうでこういうものを出されておるということが、どうも不審に堪えない。基本給なら先ほどの御説明のように、基本給の額については十一月実施ということにおいてこういう差を見積つたというけれども、二項、三項のこの項目については何ら説明されておらん、従つてこの点を出して頂きたい。よくその例といたしまして、ここに出されるのは、輸送量増加によつてはつきりここに数字が三九三・と出ておる。これはすでに基礎があつて出すはずですが、こういう点から考えまして、私は何かここに基本、基礎があつて出したものと思いますが、この資料を……。  それから、先ほどから借入金の問題の伸縮性についての問題でありまするが、皆さん大分御質問なされたので、大体要は私もわかつて来たのですが、ただ問題は、一番最初、はつきり言えば、一割値上げというものは、当局の計画内でなかつた。最初は三割ということを盛んに言つてつた。併しその裁定については、それでは三割という要求なら完全実施ができる。一割だからできないといういわれはない。いわゆるそういう言葉を以て当局では話しておられたのが、三割値上げを許してもらえれば完全実施もできた、併し一割だからできない、従つて一松さんの質問のように、結局労働組合が賃金を要求するから値上りをするのだというような考え方一般の国民に与えるような状況になつておる。国鉄職員は値上りになつて決して喜んでおらない。併しおのずからそうさせるように、国民とそういう印象を与えるような用い方になつておる。だからたまたま委員である一松さんからだつてそういう質問が出て来た。この点は私は非常に不満だ。まあその理論は別といたしまして、三割を予定しておつたところが、それが結局一割に政府のほうで削られてしまつた。それで補正予算を、この年度内に使うべき補正予算を三割値上げ……勿論来年度予算、通常予算で二、三割上げなければならないというのに一割になつた。それでそのために裁定はどうしても完全実施ができなくなる。而も率から考えれば私は三割だつたら完全実施、一割になつたからできないというならば、その三分の一という数字にしては余りにもほかを節減してないと思うのです。ほかの経費を節減してない。ですから少くとも私は三割を予定してそれだけできなかつたのだけれども、ただ実施をあれだけやつた、三十二億しかの相違しかない、三十二億しかの相違しかないとするならば、私は少くともこれは値上げをしなくても実施でき得ると思う。どつちにしても私はそれにもかかわらず借入金は三十億しかしてない、ですから私はこの三十億という借入金というものの限界をどういうところでつけたかというところに疑問があるわけです。完全実施をしてあと三十二億出すためには六十億の借入をしてもいいじやないか。最初の計画を三割にしようとしたのができなかつた。一割になつたからそれじやほかの費用を節約する代りに、裁定実施の三十億が不足なら、今少し六十億を要求したつていいはずだ。従つてこの三十億という借入金をなぜ三十億程度にとどめなければならないかということを、はつきりしなければならないのであります。借入金に対する私は限度というものがあり得るのかないのか、この点を聞いておきたい。ですからお答えを願うのは、借入金を三十億しか計上していないけれども、こちらではどのくらい要求したか、だけれども、どういう理由でこのように削減されたか、それともこれ以上は要求しなかつたかという点をちよつとお答え願いたいと思います。
  96. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 勿論経営収入といいますか、損益勘定におきまして借入金をするということは、特に例外的な措置なんでございます。従いまして、当初から借入金というものを予定していなかつたことだけは事実なんでございます。先ほど来申しましたように、一応給与の改訂につきましても、成るほどお説の通り、団体交渉によらなければそれが確定しないという要素が多分にございますが、一応政府としましては見込によりまして予算をきめまして、従いまして経営費の補正額も一応そういう見込に基きまして予定いたしまして、その上での運賃改正の増収と睨み合せまして、先はど申しましたように本年度における、どうしても収入支出のバランスをとるために例外的な措置としまして三十億借入れをした、かような実情になつております。
  97. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 そうしますと、結局先ほど一松さんが言われるように、列車削減による結局収入減というものが予想外に出て来た、そういたしますると、ここで審議いたしましたこの予算にもおのずからそういうものを加えれば、これは借入金のほうへ結局行かなければならん、諸経費あとはもう絶対にどうすることもできないということは、この間総裁が自己資金がないということをはつきり言つてつたが、そういたしますと、そのような状態については、借入金を今後どんどん申込んでも、政府のほうでは受けざるを得ない立場であり、それは申込んでも向うではすぐくれるということはできるはずですね、要求できるわけもすね。
  98. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 勿論現在の財政状況から申しまして、政府資金は非常に窮屈でございまして、この三十億を借入するにつきましても、相当の折衝があつたわけでございます。勿論三十億の借入金の限界、どうして三十億にとどめなければならなかつたかという、三十億というこの限界につきましては、いろいろ考え方もございますでしようし、必ずしも三十億例えば融通がつきやすかつたとか、或いはそれ以上は非常にむずかしかつたということではなくて、政府資金が非常に窮屈な、本来なれば少しも借入金が認められないような状況でありまするが、国鉄の財政状況から見ましても、どうしても三十億借りなければ収支が合わないような事情で、いろいろ折衝いたしました結果、三十億の借入金が認められて収支の均衡がとれた、かような状況になつております。従いまして、今後いろいろの状況の変化によりまして、この予算が著しく改まらなければならんというような事情が起きましたときには、勿論いろいろと又折衝を重ねるつもりでございまするが、必ずしもその場合の見通しというものにつきましては、今日におきましてははつきりついておりません。
  99. 高木正夫

    高木正夫君 私も簡単に一つ資料をお願いしたいと思うのです。それは今すぐでなくてもいいのですが、私の観察では、地方の田舎のほうでは、ガソリンカーのような体の小さくてフリケンシーの大きい車を動かすほうが、収益が上るというものもかなりある。これは国有鉄道としても大分研究されておるようですが、これが果して収益が上るのか上らんのか、私の観察では上ると思うのですが、それをお調べになつておれば、一応その資料を頂戴したいと思うのです。これは将来の積極的な増収策としてです。それだけお願いしておきます。
  100. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それでは国有鉄道の予算説明は、只今委員各位のほうから相当広汎な資料提供の御要求があるようですからして、そういうものが揃いましてからもう一度続行するということにして、今日はこの辺で打切つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それではさように取計らいます。それで資料がいつ出て来るか、或いはいつやるかということについては、監督局のほうとも十分交渉して、この次には十分資料を揃えた上で一つ続行するごとにいたします。   —————————————
  102. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それから非常に時間が過ぎましたが、先刻の運輸省予算説明の間に、海上保安庁長官が来たら話がわかるというようなことが二、三あつたようでしたが、たまたま保安庁長官が来て待つておられますから、僅かの時間でございますから、あれをちよつと答弁して頂きましたら如何かと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) それじや海上保安庁長官
  104. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) 先ほどの御質問に対しましてお答え申上げます。鈴木委員から御質問に相成りました、海上保安庁装備を強化するということが補正予算に載つておる、只今御審議願つておるのですが、この装備は大体三インチぐらいの砲を積むつもりで、この砲の使用の目的は、現在海上保安庁船舶は海における法の励行を行い、漁船の保護を行なつておりますが、現在ピストルを持つておる程度で、従いましてこれらの船艇が動いておりますときに、或いは足の速い、或いは兇悪なものがありまして、これらに対して停船命令等を出すという目的を以ちまして、こういう装備をしたいと考えておるわけであります。この砲を持ちましたために、或いは国際的に何らかの事態が起る可能性がありとすれば、非常に問題と相成ります。海上保安庁といたしましては、この砲はあつてもなきがごとき精神を以て進んで行きたい。どこまでも紛争を起すことは絶対に避けて行くという行き方をとつておるのでございます。この辺を御了承願いまして、海上保安庁はどこまでも御承知の通りに、人命の尊重ということを主体としてやつております。指導精神をそれで盛り上げておりますので、御了承願いたいと思います。  なお、小野委員から御質問がありましたヘリコプターの使用、このヘリコプターにつきましては、本補正予算におきまして大体六機ということに相成つております。このヘリコプター目的でございますが、これはもうよく御承知だろうと思いますが、ヘリコプターは主として初めの考え方が、浮遊機雷の発見ということにあつた。従いまして御承知の通り飛行機等でやりますると、非常に微細のものでございますので、発見に困難があるのではないかということを懸念したわけであります。このヘリコプターで行いますれば、速力、或いは或る個所でとまつて、異様なものがあつたときは観察が割合細かくできるということを考えて、ヘリコプターを使おうということに考えておつたわけであります。勿論航続距離等から考えまして、相当の遠くにおきまして哨戒その他を行いますのには、飛行機のほうがむしろいいのではないかと考えられますが、我々のほうはそういう意味におきまして、ヘリコプターの特殊性を活かそうというように考えております。又難破船が起きましたときの人命の救助というようなことから考えましたときにも、これが発見に対しまして、遠距離に対しましては飛行機のほうが有効だと考えられますが、併しこれらの人の人命を救うというようなことには、やはりヘリコプターが適当ではないかというように考えております。これは御承知の通り一長一短がございます。これらの点から考えまして、でき得れば併用がいいのではないかと考えられまするが、我々のほうとしてもその実施について、十分今研究しておるところでございます。なお御質問の中に乗員訓練ということがございましたですが、この乗員訓練も御承知の通りヘリコプター乗員というものは、或る程度訓練を要するものでございます。現在私のほうといたしましては、本予算が通過いたしますならば、直ちにこれが購入ということと、それとマッチいたしまして、搭乗に経験のある人々を或る程度採用いたしまして、これに対して約二カ月訓練ということを、大体の計画ができ上つておる次第でございます。  なお、御質問の中に、警備隊においてもヘリコプターその他の計画がある。それについて海上保安庁も両方が一緒になりはしないかというような御質問もあつたように記憶しますが、この点につきましては、海上保安庁は先ほど申上げました通り、どこまでも人命を救い、海上における法の秩序を守るということが主体でございまして、先ほど申上げましたような趣旨のものを持つということに相成つておりますので、御了承願います。
  105. 小野哲

    小野哲君 ちよつと私先ほど伺つた中で御答弁の足りない点がありますので、補足的に伺つて御答弁を頂きたいと思いますのは、ヘリコプター乗員は特殊な技能が必要である、これは私只今の御答弁で了解するわけなんです。差当り六機を購入して、それを動かすための技術要員が直ちに確保できるのかどうかということと、それからもう一つは今回の補正予算追加計上分を予算書について見ますというと、海外に派遣して訓練を受けさせるのだ、そのために百八十万円内外の経費が上つてつたと記憶するわけです。そうしますと、特殊技術を必要とするのだが、海外にまで派遣して行かなければ操作ができない、操縦ができないということなら、折角六機を今補正予算に計上して購入したつて、別に役に立たないじやないか、併し今のお話のように差当り六機を動かすだけの要員が確保できるのだ、併しなお将来の技術用員の訓練、或いはパイロットを養成するために本年度補正予算として人件費を百八十万円でしたか追加して、そうして海外に派遣して行くのだ、従つてこの補正予算は六機分の操縦者等の海外派遣費のみならず、なお将来ヘリコプター訓練のためにはこれだけの経費が要るのだから、二十八年度においてもなお予想しつつ、取りあえず百八十万円を本年度補正予算に計上したのかどうかと、こういう点がまだはつきりしないものですから、そういう点を多少細かい点だつたものですから、海上保安庁から伺つたほうがいいのじやないかと思つてお待ちしておつたわけです。
  106. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) 只今お話でございますが、お説の通り大体現在の六機のヘリコプターに対しまして、人員としましては乗員が大体十五人ぐらい必要だと思います。それから整備費が三十人以上要ると思います。これらの者及び通信要員が若干必要だと思います。これに対する手当としましては大体先ほど申上げました通り、経歴を持ちました者の目当てが全部ついておるのでございます。なお海外派遣の分でございますが、これはお説の通り、御承知の通りヘリコプターが日一日と変つて参ります。そうして現在のヘリコプターの型が来年になりますると、もうすぐ変るのじやないかというふうなことも懸念されます。で、これらに対しまして我々としては将来に備えまして、これらをやはり検討をし、それらの人が直接に又帰つて来て、今残つておる人聞の訓練を行うというような行き方をとりたいと、かように考えておる次第でございます。
  107. 小野哲

    小野哲君 大体わかりましたが、この百八十万円というのは、ヘリコプターの研究のための海外派遣の経費であつて、必ずしも乗員そのものを養成するのみが目的ではないと、こういうふうに了解していいでしようか。
  108. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) 大体そういうふうに考えております。
  109. 内村清次

    内村清次君 委員長一点……。海上保安庁関係で、今巡視船の例えば武器ですね、それから又乗員の携帯の武器、こういうのでアメリカから貸与を受けておるというような点はありませんか。
  110. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) 現在のところ全然ございます。ピストルを持つておるだけでございます。
  111. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 今長官のお話ですと、まあ今保安庁ではどこまでも人命救助ということが目的だということで、まあそれは結構だと思います。ただそういうあれが心配になつて、そう思つておるので装備について御質問したいのですが、例えば三インチ砲を持つようになつた。そうすると、御承知のように目的向うにあつて、三インチ砲を持たざるを得ないから持つのであつて、ところが逆にその対象物なるものがこれ以上の装備をして来る場合をも想定しなければならない。そうすると、又それに対抗して持たなければならないという理窟にもなつて行くわけです。そういたしますると、非常に警備隊との関連に近付いて来る。ですから、若しも真に人命救助ということを主眼にするならば、少くとも私は装備というものにそう重点を置かなくてもその精神を貫けることができると思う。で先ほどから小野さんの質問に対しまする答弁の中では、平時という言葉と有時という言葉を使つておる。そういたしますると、平時、有時の関連から警備隊にだんだん接近した装備にならざるを得ないことになつてつて最後にはそれでは有時のときにはこれも海上保安庁の警備船も全部いわゆる保安隊のほうと同じような使命を帯びて行かなければならなくなつて来るのではないか、こういうことのその前提として、そういうときに備えるためにも装備というものもおのずからだんだん理由を付して、理由を向うに転嫁して、どうしてもこれだけ持たなければ使命は果せないのだ、それだから持つのだということにだんだん籍口しておのずから警備隊のいわゆる装備より以上、ただ人命を救助するのだという精神はそこにあるけれども、実際の問題は装備というのはそうでなくなつて来るというような状況になつて来る虞れがあるというので質問したのです。そうすると、口径三インチ砲は今の状態なら口径三インチ砲でいいというお考えで、この三インチというのをお出しになつたのですか、将来ということを何ら考えずにお出しになつたのですか。それともこれはあと将来どういうことがあろうとも、まああなたがたの考えのうちではこれ以上の装備はしまいと、それ以上になつたらいわゆる保安庁の管下から変らなければならないだろう、こういう想定があられるのでしようか。
  112. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) 御質問の点でございまするが、海上保安庁といたしましては、先ほど来申上げました通り人類愛の上に立ちました官庁でございまして、これらの装備につきまして、これ以上大きくするかというお話でございますが、海上保安庁といたしましては、これ以上の大きな砲を積む必要は絶対にないと……。
  113. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 現状において。
  114. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) 将来におきましても……。ということは、海上保安庁目的は先ほど申上げましたような目的でございまして、これによつて敵を傷めろとか、その他の考えを持つておりません。どこまでも法の秩序を維持するために使うものであります。併しながら御承知の通り爆薬その他を持ちました密漁船その他がございますので、或るときは相当の機関銃等で抵抗を受けるというようなことがございます。で法の秩序を維持するためにこれらを威嚇するということはあり得ると思います。併しその程度を出ずることは絶対にないのであります。
  115. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 ただ私の心配は先ほど申上げましたように、それではその爆薬等を持つておる密漁船なるものが、こちらの装備というものを知つていれば、より以上上廻つた装備というものを今度彼らの常日頃の装備として備えるようになつたならば、これに対抗するためにはより以上ということを考えざるを得なくなつて来るだろう。
  116. 柳澤米吉

    政府委員(柳澤米吉君) そういう場合はちよつと想定が困難でございますが、併しながら我々のはうといたしましては、そういうことは起り得ないのじやないかと思います。ということは、我々の持ちました今回の装備以上のものを持つた何ものかが来るということは、よほど重大なときではないかというふうに考えております。これらの点に対してはすでに先ほど申上げた通り、我々の力では及ばないときではないかと考えます。これに対しては別に別途対処しなければなるまいと考えております。我々としましては、法秩序の維持を自分の力の範囲内でできることしかやらないつもりであります。
  117. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 私の質問の気持は、そういうふうに相手あつて仕事であるので、おのずから相手がこつちを敵と見れば、こつちに対する向うとしての装備を持つということもだんだん上つて来ざるを得なくなる。本当にあなたが言われるような趣旨におけるところの指導精神を持つておられるあなた方だとするならば、私はあえてピストルだけでもいいのじやないか。精神さえそごにあつて、その精神を全うする意味においては、それを徹底する意味においても、あえてこれ以上こちらから武装する必要はないのではないか。武装をすれば敵を挑発して、それ以上の武装を持つということになるから、私はそれが不安だからあなたにその限界を伺つたので、その点の気持でありますから、これ以上は質問いたしません。
  118. 小泉秀吉

    委員長小泉秀吉君) そうすると、大層時間も過ぎましたが、今期の航空機のほうの質問もできるかと思つて、航空局長にも来て頂きましたけれども、今日はこの程度でとどめたいと思います。次回は来週の月曜にして、又よく御相談してきめることにいたします。  これを以て散会いたします。    午後一時十三分散会