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古井委員 ちよつと聞き漏らしたのですけれども、今度取上げなか
つたのは財政上の
理由でこの問題を取上げていない。事情が許すことになればすみやかに実行したい、こういう
意味でありましたね。
それでは次の問題に移ります。軍人恩給について多分福田
委員からお尋ねがあ
つたと思います。同じことであるかないか、ちよつとわかりませんが、軍人恩給四百五十億、これは私は
政府がこれを取上げて実行に移されるということはけつこうだと思
つておる一人であります。なぜかと申しますと、さつき申した
ように、社会保障とか申してもなかなか大きくは進展しないという一面があるのでありますから、これを別にして、従来既得の権利を持
つておる者の権利をはばむことはできないだろう、軍人恩給の問題については、とにかく新しい問題じやなくて、従来権利を持
つておる人間のその権利をどうするかということが問題であ
つたと思うのであります。これは白紙にして、新しく軍人に恩給権を与えるという問題じやなか
つたはずだと思います。この点はまことに財政上はむずかしい点があることは十分わかるのですけれども、財政上の
理由だけで権利を無視するということは筋が通らぬ。それならば私も旧官吏でありますけれども、われわれの文官
関係の恩給も同様に停止するとか、減額するのが至当である。われわれ文官
関係の者だけは恩給をもらえる、それから軍人
関係の人はもらえぬ。これではいかにも不つり合いであるし、財政上の
理由であるというなら両者は同じでなければならぬ、こういうふうに従来思
つて来てお
つたのであります。一部には一種の感情的なものがあ
つて、戦争の
責任者であるといわぬばかりの論もあ
つたようであります。しかし全軍人にそういうことを
考えるということはどう見ても間違いであります。これは要するに、今幸いに無きずで免れて来ている人間が、罪を一部の者になすりつけて、自分たちだけ得をし
ようというか、うまくやろうという、むしろずるい
考え方だというふうに思
つて来てお
つたのであります。とにかく財政の許す
限度においてこの問題がある解決を得るということは、私はけつこうだと思
つておるのであります。き
ようすぐさまあの四百五十億というものをふやすということは財政が許しますまい。けれども同じ四百五十億を使うにいたしましても、やはりあの案にはまだ考慮を要すべき点はあると思うのであります。これは細目になりますから、私も若干具体的な点について
意見もあり伺
つてみたい点もありますけれども、き
ようは割愛して置きたいと思
つております。ただ問題は、既得の権利の問題であるというところは重要な点であり、財政の許す限りはやはり考慮を加えて行かなければならぬ、拡充のことも
考えて行かなければならぬ、改善のことも
考えて行かなければならぬと思
つておるのでありますが、この辺はどうお
考えになるか、なおまたこの問題はすでに問題がああいうふうに提供された以上は、これをめぐ
つてその
関係者の要望というものは非常に熾烈にな
つて来ると思うのであります。政治的に
考えても、これを無視することはできない
ようにな
つてしまうと思うのであります。そういう点についてどういうふうなお
考えを持
つておいでになるものか一点お伺いしておきたいと思います。