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1953-02-25 第15回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
分科員
は
昭和
二十八年二月二十一日(土曜日)
委員長
の
指名
で次の通り
選任
された。
主査
塚田十一郎
君
植木庚
子郎君
重政
誠之
君
砂田
重政
君
永野
護君
塚原
俊郎
君 南
好雄
君
川崎
秀二
君
櫻内
義雄
君
宮澤
胤勇
君
西村
榮一
君
河野
密君
伊藤
好道
君
—————————————
会 議
昭和
二十八年二月二十五日(水曜日) 午前十一時十九分
開議
出席分科員
主査
塚田十一郎
君、
植木庚
子郎君
植原悦二郎
君
佐治
誠吉
君
重政
誠之
君
砂田
重政
君 中
助松
君 目高
忠男
君 南
好雄
君
吉江
勝保
君
櫻内
義雄
君
高橋
禎一
君
松浦周太郎
君
宮澤
胤勇
君
河野
密君
西村
榮一
君
伊藤
好道
君
兼務
中曽根康弘
君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 向井 忠晴君 法 務 大 臣
犬養
健君
出席政府委員
国家地方警察本
部長官
齋藤 昇君
大蔵政務次官
愛知
揆一君
大蔵事務官
(
大臣官房長
森永貞一郎
君
大蔵事務官
(
大臣官房会計
課長
) 木村 秀弘君
大蔵事務官
(
主計局長
)
河野
一之君
大蔵事務官
(
主税局長
)
渡邊喜久造
君
大蔵事務官
(
管財局長
) 阪田 泰二君
大蔵事務官
(
銀行局長
)
河野
通一君
大蔵事務官
(
為替局長
) 東條 猛猪君
国税庁長官
平田敬一郎
君
分科員外
の
出席者
大蔵事務官
(
大臣官房文書
課長
) 村上 一君
大蔵事務官
(
主計官
) 大庭 金平君
大蔵事務官
(
主計官
) 谷川 宏君
大蔵事務官
(
主計官
) 福田 勝君
大蔵事務官
(
主税局調査課
長)
庭山慶一郎
君
大蔵事務官
(
理財局総務課
長) 吉田
信邦
君
大蔵事務官
(
管財局国有財
産第二
課長
) 牧野 誠一君
日本専売公社総
務部長
小川 潤一君
—————————————
二月二十三日
分科員永野護
君、
塚原俊郎
君、
川崎秀二
君、河
野密
君及び
西村榮一
君
辞任
につき、その
補欠
と して
中助松
君、
薄田美
朝君、
松浦周太郎
君、辻
文雄
君及び
前田榮
之助君が
委員長
の
指名
で
分科
員に
選任
された。 同日
分科員
中助松
君及び
松浦周太郎
君
辞任
につき、 その
補欠
として
大島秀一
及び
川崎秀二
君が
委員
長の
指名
で
分科員
に
選任
された。 同月二十四日
分科員大島秀一
君、
薄田美
朝君、
砂田重政
君、
辻文雄
君及び
前田榮
之助君
辞任
につき、その補 欠として
中助松
君、
日高忠男
君、
植原悦二郎
君、
河野密
君及び
西村榮一
君が
委員長
の
指名
で
分科
員に
選任
された。 同日
分科員植原悦二郎
君
辞任
につき、その
補欠
とし て
山崎岩男
君が
委員長
の
指名
で
分科員
に
選任
さ れた。 同日
分科員山崎岩男
君
辞任
につき、その
補欠
として
植原悦二郎
君が
委員長
の
指名
で
分科員
に
選任
さ れた。 同月二十五日
分科員植原悦二郎
君、
中助松
君、
日高忠男
君、
川崎秀二
君及び
櫻内義雄
君
辞任
につき、その補 欠として
佐治誠吉
君、
吉江勝保
君、
砂田重政
君、
松浦周太郎
君及び
高橋禎一
君が
委員長
の
指名
で
分科員
に
選任
された。 同日 第三
分科員中曽根康弘
君が本
分科員兼務
と
なつ
た。
—————————————
本日の会議に付した事件
昭和
二十八年度
一般会計予算
中
大蔵省所管
昭和
二十八年度
特別会計予算
中
大蔵省所管
昭和
二十八年度
政府関係機関予算
中
大蔵省所管
—————————————
塚田十一郎
1
○
塚田主査
これより第一
分科会
を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。不肖私が本
分科会
の
主査
の職を勤めることになりましたので、何とぞよろしくお願いいたします。 第一
分科会
は、
昭和
二十八年度
一般会計予算
、同じく
特別会計予算
及び同じく
政府関係機関予算
の各案中、
大蔵省所管
並びに他の
分科会
の
所管
以外の
事項
の審査に当ることに
なつ
ておりますので、まず
昭和
二十八年度
一般会計予算
、同じく
特別会計予算
、及び同じく
政府関係機関予算
中、
大蔵省所管
を議題といたします。これより
政府委員
よりの
説明
を求めます。
中曽根康弘
2
○
中曽根委員
ちよつと
議事進行
について……。
大蔵省所管
その他の問題については非常に重要な
問題点
があります。特に
安全保障諸費
や
防衛支出金等等
の問題については、
国民
としても見のがすべからざるものがある。
責任大臣
が出ておらなければ責任ある答弁ができないと思う。
大蔵大臣
をぜひ呼んでいただきたい。
大蔵政務次官
ではだめです。
塚田十一郎
3
○
塚田主査
動議
は了承いたしました。
説明
を終りまして質疑に入る段階から……。
愛知大蔵政務次官
。 〔
中曽根委員
「
動議
ではない、要求です。
大臣
を呼んでください。」と呼ぶ〕
愛知揆一
4
○
愛知政府委員
昭和
二十八年度
一般会計歳入予算
並びに
大蔵省所管
の
一般会計歳出予算
、各
特別会計歳入歳出予算
及び
政府関係機関収入支出予算
について御説明いたします。 まず
一般会計歳入予算
について申し上げます。
昭和
二十八年度
一般会計歳入予算額
は九千六百五億六千百三万九千円でありまして、これを前年度
予算額
九千三百二十五億三千五百八十二万八千円に比較いたしますと、二百八十億二千五百二十一万一千円の
増加
と相
なつ
ております。以下各部について簡単に御説明いたします。 第一に、
租税
及び
印紙収入
は総額七千八十億四千九百万円でありまして、これを前年度
予算額
六千八百五十三億二千六百万円に比較いたしますと、二百二十七億二千三百万円の
増加
と
なつ
ておりますが、かりにこれを今国会における
改正
を行う前の
法律
によつて算出いたしますと、その総額は八千九十億七百万円を見込むことができますので、二十八年度
予算計上額
は
税法改正
の結果等により、千九億五千八百万円の
減税
を行つたものということができるのであります。右の
減税額
のうち、六十七億円は
特別減税国債
の購入に対するものでありますが、その残りの九百四十二億五千八百万円は
税制改正
によるものであつて、これは
国民租税負担
の現状にかんがみ、さきに
昭和
二十八年度
分所得税
の
臨時特例
に関する
法律
によつて実施いたしました
所得税
の
軽減措置
の
平常化
、
相続税
の負担の軽減、酒税の
税率引下げ等
を行うことによつて、国民の
租税負担
の一層の
軽減合理化
をはかるとともに、
租税負担
の調整、課税の
簡素化
及び資本の蓄積に資する等のために、税制の
改正
を行うこととしたのであります。その結果、
所得税
につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば三千四百四十億七千四百万円となるべきところ、
特別減税国債購入
による分二十五億円を含めて九百三十一億円の
減税
を行うため、
収入見積額
として二千五百九億七千四百万円を計上いたしました。そのうち
源泉所得税
千七百四十九億八千七百万円、
申告所得税
七百五十九億八千七百万円と
なつ
ております。
法人税
につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば、千八百九十六億二千六百万円となるべきところ、
特別減税国債購入
による分四十二億円を含めて百二十九億円の
減税
を行うため、
収入見積額
として千七百六十七億二千六百万円を計上いたしました。
相続税
につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば、三十一億八千万円となるべきところ、十億四千三百万円の
減税
を行うため、
収入見積額
として二十一億三千七百万円を計上いたしました。
富裕税
につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば、二十七億一千三百万円となるべきところ、
昭和
二十八年分から廃止するため、その
年度内収入見込額
十八億八千百万円を減じ、前年分の繰越し
決定見込額
及び前年度よりの繰越し
滞納額
について、その
収入見積額
として、八億三千二百万円を計上いたしました。再
評価税
につきましては、第三次再評価を行うことによる
増収見込額
十五億円を含めて、百二十七億八千七百万円を計上いたしました。酒税につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば、千四百六十億六千百万円となるべきところ、
税率引下げ
による
減税額並び
に
小売価格引下げ
に伴う消費の
増加
及び
密造酒
の
減少
による
増収額
を見込み、その
収入見積額
として千四百六十二億二千百万円を計上いたしました。
砂糖消費税
につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば、二百八十七億六千九百万円となるべきところ、
税率引上げ
による
増収額
を見込み、その
収入見積額
として三百四十三億二千五百万円を計上いたしました。
物品税
につきましては、
改正
前の
法律
を適用すれば、二百三十九億四千三百万円となるべきところ、二十億円の
減税
を行うため、
収入見積額
として二百十九億四千三百万円を計上いたしました。なお
有価証券
の
譲渡所得
に対する課税を廃止することとし、おおむね旧
有価証券移転税
になら
つて有価証券取引税
を創設することとし、その
収入見積額
として二十七億五千万円を計上いたしました。 以上申し述べました税目以外におきまして、二十八年度に計上いたしました
収入見積額
は、
取引所税
一億九千九百万円、
通行税
二十三億四千百万円、関税二百四十億円、屯税二億五千万円でありまして、これに
印紙収入
百六十七億三千三百万円を加え、
租税
及び
印紙収入
の
合計額
は七千八十億四千九百万円と相
なつ
ておるのであります。 第二に、
専売納付金
は千四百三十九億百十六万円でありまして、これを前年度
予算額
千三百十三億一千八百七十万九千円に比較いたしますと、百二十五億八千二百四十五万一千円の
増加
と
なつ
ております。その内訳を申しますと、
日本専売公社納付金
千四百三十三億九千八百七万六千円、
アルコール専売事業特別会計納付金
五億三百八万四千円と
なつ
ております。 第三に、
官業益金
及び
官業収入
は百四十一億二千六十万八千円でありまして、これを前年度
予算額
百三十四億六千三百五十万三千円に比較いたしますと、六億五千七百十万五千円の
増加
と
なつ
ております。以下、そのおもなる内訳呼ついて申し上げますと、
印刷局特別会計納付金
二億八千八百四十六万六千円、
国営競馬特別会計受入金
十一億九千八百三十九万七千円、
刑務作業収入
十八億九千九百五十六万四千円、
病院収入
九十七億五千四百七万七千円、製品等売払い
収入等
九億八千十万四千円と
なつ
ております。 第四に、
政府資産整理収入
は、百二十九億八千四百七十一万一千円でありまして、これを前年度
予算額
二百十六億七十七万九千円に比較いたしますと、八十六億一千六百六万八千円の
減少
となります。そのおもなる内訳について申し上げますと、
国有財産売払代八
十七億六千六百六十五万八千円、
特別会計等整理収入
二十六億六千六十九万三千円、
政府出資回収金収
八十五億四千七百五十三万円と
なつ
ております。 第五に、雑
収入
は三百五十九億三千二百九十八万三千円でありまして、これを前年度
予算額
五百三十九億五千三百二万三千円に比較いたしますと、百八十億二千四万円の
減少
と
なつ
ております。以下そのおもなる内訳について申し上げますと、
官有財産貸付料
十一億五千八百五十九万二千円、
配当金
及び
利子収入
九億三千二百六十一万三千円、
日本銀行納付金
九十六億千四百万円、
当籤金附証票受託発売者納付金
十一億円、
自転車競走納付金
十九億一千九百万円、
恩給法納金
及び
特別会計等恩給負担金
四十七億五千五百三十六万四千円、
資金運用部特別会計受入金
十九億九千五百十万六千円、
国有林野事業特別会計
及び
自作農創設特別措置特別会計受入金
二十二億七千九十四万七千円、
公共団体工事費分担金
四十八億三千百五十九万千円、
授業料
及び
入学検定料
十億三千百九十一万三千円、免許及び
手数料
十億一千三百六十九万二千円、懲罰及び
没収金
十一億四千三百七十九万四千円、弁償及び
返納金
六億三千六十一万四千円、特別調達資金受入れ十一億九千六百八十八万六千円と
なつ
ております。最後に前年度
剰余金受入れ
におきましては、
昭和
二十六年度の決算によつて生じました
剰余金
から
昭和
二十七年度への繰越し
歳出予算額
の財源に充当した金額を控除した歳計上の純
剰余金
四百五十五億七千二百五十七万七千円を計上いたした次第であります。 次に、
大蔵省所管
の
一般会計歳出予算
につきまして、その概要を御説明いたします。
昭和
二十八年度
大蔵省所管一般会計歳出予算額
は、千九百十三億九千百八十九万八千円でありまして、これを前年度
予算額
二千八百二十二億六百四万一千円に比較いたしますと、九百八億一千四百十四万三千円の
減少
と相
なつ
ております。この
歳出予算額
をまず組織に大別いたしますと、
大蔵本省
千六百九十二億五千九十万五千円、
財務局
十八億七千八百八十八万二千円、
税関
十五億七千六百四十五万五千円、
国税庁
二十億九千百八十六万円、
税務官署
百六十五億九千三百七十九万六千円と
なつ
ておりますが、これをさらに
組織別
におもなる事項にわけて説明いたしますと次の通りであります。
大蔵本省
におきましては、
大蔵省設置法
に定める
本省内部部局
の
一般事務
を
処理
する等のために必要な
経費
として(項)
大蔵本省
に八億八千六百三十三万三千円、旧令による
共済組合等
からの
年金受給者
のための
特別措置法
に基き、旧
陸海軍共済組合
及び
外地関係共済組合等
からの
年金受給者
に対する年金の
支払い
及びこれに伴う
事務費
を
非現業共済組合連合会
並びに
日本製鉄八幡共済組合
に交付するため必要な
経費
として、(項)旧
令共済組合等年金特別措置費
に十一億二千九百七十五万六千円、
平和回復
に伴い条約の履行その他書後
処理
に関し諸般の施策を講ずる必要が生ずるので、その
処理
のために必要な
経費
として、(項)
平和回復善後処理費
に百億円、
安全保障条約
に基く米軍の駐留に関連し、わが方で支出を必要とする
経費
として、(項)
防衛支出金
に六百二十億円、
日本国有鉄道
、
日本電信電話公社
及び
資金運用部特別会計
へその
国庫預託金
についての
利子相当額
を交付、または繰り入れするための
経費
と
日本銀行
へ
供託金利子相当額
を交付するため必要な
経費
として、(項)
国庫預託金等利子
に三億一千五百九十万円、
国債償還
の
支払い
に充てるため、
国債整理基金特別会計
へ繰り入れるために必要な
経費
として、(項)
国債償還
に二百二十七億八千六百二十八万九千円、
国債利子
、
借入金利子
及び
大蔵省証券割引差額
並びにその
事務処理
に必要な
手数料
及び
事務費
を
国債整理基金特別会計
へ繰り入れるために必要な
経費
として(項)
国債諸費
に二百二十二億二千九百八万八千円、
政府所有有価証券
のうち、
国際電信電話株式会社等
の株式を処分するため必要な
経費
として、(項)
有価証券処分費
に一億六百九十万円、
国家公務員
のための
国設宿舎
に関する
法律
に基き、
国家公務員
の住宅を安定するために引続き宿舎を設置するに必要な
経費
として、(項)
公務員宿舎施設費
に十億円、
政府関係機関等
において必要とする資金に充てるため、国が出資するために必要な
経費
として、(項)
国民金融公庫出資
に三十億円、
住宅金融公庫出資
に六十億円、
農林漁業金融公庫出資
に百億円、
中小企業金融公庫出資
に三十五億円、
国際航空事業出資
に十億円、
国際電信電話株式会社法
に基き、
国際電信電話株式会社
の設立に際し
日本電信電話公社
が同会社に現物出資したものに対し割当られた株式を
政府
が譲り受けるので、
当該株式
の対価を株式の処分に応じて
公社
に支払うために必要な
経費
として、(項)
日本電信電話公社交付金
に二十億円、
平和条約
第十五条に基く
連合国財産補償法
による
連合国財産
の補償に必要な
経費
として、(項)
連合国財産補償費
に百億円、次に
予算
に超過し、または
予算外
に必要とする
経費
に充てるための
経費
として、(項)
予備費
に三十億円、台風及び
地震等
の予測することのできない災害に対処するため
予算
に超過し、または
予算外
に必要とする
復旧事業等
に充てるための
経費
として、(項)
災害対策予算費
に百億円等を計上いたしております。 次に、
財務局
におきましては、
大蔵省設置法
に定める
財務局所掌
の
一般事務
を
処理
する等のために必要な
経費
として、(項)
財務局
に十五億六千六百六十七万三千円、
賠償指定解除施設国有財産
の警備、保全及び
処分等
のために必要な
経費
として、(項)
特殊施設処理費
に二億五千百七十二万五千円等を計上いたしております。 次に、
税関
におきましては、
大蔵省設置法
に定める
税関所掌
の
一般事務
を
処理
する等のために必要な
経費
として、(項)
税関
に十一億二千七百八十万四千円、
私設保税地域
に常時
税関官吏
を派出するために必要な
経費
として、(項)
特派官吏費
に二億四千五百四十二万五千円、
税関業務遂行
上の
監視艇建造
に必要な
経費
として、(項)
税関船舶建造費
に一億一千六百六万円等を計上いたしております。 次に、
国税庁
におきましては、
大蔵省設置法
に定める
国税庁所掌
の
一般事務
を
処理
する等のために必要な
経費
として、(項)
国税庁
に十八億七千六百八十四万円、
税務職員
を養成するとともに、職員を再教育して
徴収技術
の向上をはかり、あわせて
税務職員
の教養を高めるために必要な
経費
として、(項)
税務職員養成訓練費
に二億二百二万円等を計上いたしております。 次に、
税務官署
におきましては、
大蔵省設置法
に定める、国税局及び
税務署所掌
の
一般事務
を
処理
する等のために必要な
経費
として、(項)
税務官署
に百二十五億一千二百四十六万五千円、従来の
徴収実績
から見ましても、多額の滞納が予想される現状でありますので、これが滞納の
整理
と
差押え物件
の
処分等
の措置を実施するために必要な
経費
として、(項)
滞納整理費
に五億八千七百五万九千円「酒類の密造が
酒税収入
に及ぼす影響の甚大であるのにかんがみまして、これが取締りの徹底を期するために必要な
経費
として、(項)
酒類密造取締費
に一億五千百七十四万四千円、
税務官署
の庁舎、
耐火書庫等
の整備に必要な
経費
として、(項)
税務官署施設費
に二億五千二百五十二万八千円、内国税の
過誤納金
の払いもどし及び
青色申告制度
に基く
還付金
に必要な
経費
として、(項)
租税
払いもどし金に三十億円等を計上いたしております。 次に、
昭和
二十八年度
大蔵省所管
の各
特別会計歳入歳出予算
につきまして、その概要を御説明いたします。 一は、
造幣局特別会計
におきましては、
歳入歳出
とも四十一億三千百十八万四千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますと、
歳入歳出
とも十七億三千百五十一万四千円の
増加
と相
なつ
ております。その
増加
いたしましたのは、
原材料費
及び
商品費等
の
増加
に対応するものであります。 第二は、
印刷局特別会計
におきましては、
歳入
五十四億六千四百八十四万円、
歳出
五十億五千百六十四万五千円、
差引歳入超過額益金
四億一千三百十九万五千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますると、
歳入
において二億三千二十九万七千円を
増加
し、
歳出
において二億五千百十七万六千円を
増加
いたしております。
増加
いたしましたおもなる事由は、
歳入
におきましては
製品売払代収入
の
増加
によるものであり、
歳出
におきましては、
給与改訂等
の
増加
によるものであります。 第三は、
資金運用部特別会計
でありますが、該
会計
におきましては、
歳入歳出
とも三百四十四億五千八百二十一万八千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますると、
歳入歳出
とも九十一億一千二百二十四万四千円の
増加
と相
なつ
ております。
増加
いたしましたおもなる事由は、
歳入
におきましては
資金運用部資金
の運用による
利子収入
の
増加
によるものであり、
歳出
におきましては、
郵便貯金
その他の預金に対する
利子支払い
の
増加
によるものであります。 第四は、
国債整理基金特別会計
でありますが、同
会計
におきましては、
歳入歳出
とも二千七百五十二億三千百二十万七千円であります。これを前年度
予算額
に比較いたしますると、
歳入歳出
とも四百四十七億六千三十四万一千円の
増加
を見ておるのでありますが、その
増加
の内訳は、
債務償還費
において二百九十八億七千八十九万一千円、
国債利子
、
借入金利子
及び
短期証券割引差額
において百四十三億一千九百六十三万三千円、
国債事務取扱い諸費
において五億六千九百八十一万七千円と
なつ
ております。 第五は、
貴金属特別会計
であります。同
会計
におきましては、
歳入歳出
とも三十六億九千土百十三万二千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますると、
歳入歳出
とも二千二百三十六万六千円の
増加
と相
なつ
ております。
増加
いたしましたのは、
金産出量
の
増加
に対応するものでございます。 第六は、
外国為替資金特別会計
でございますが、同
会計
におきましては、
歳入歳出
とも六十七億一千七百六十六万二千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますると、
歳入歳出
とも六億七百八十八万六千円の
減少
と相
なつ
ております。
減少
いたしましたおもなる事由は、
歳入
におきましては、一部外貨を
外国為替銀行
に保有させました結果、
外国為替等売買差益
及び
為替売買
の
予約手数料等
の
減少
によるものでございます。
歳出
におきましては、
事務費
及び
予備費
の
減少
によるものでございます。 第七は、
産業投資特別会計
でございますが、同
会計
におきましては、
歳入歳出
とも七百十四億三千六百三十五万九千円でありまして、
歳入
におきましては、
国債
の発行並びに旧米国対日援助見返
資金特別会計
の
余裕金
の承継、
受入れ等
による
収入
を計上し、
歳出
におきましては日本開発銀行、日本輸出入銀行に対する貸付及び
電源開発株式会社
に対する
出資等
に要する
経費
を計」上したものであります。 最後に、
昭和
二十八年度
大蔵省関係
の各
政府関係機関収入支出予算
につきまして、その概要を御説明いたします。 第一、
日本専売公社
におきましては、
歳入
二千二百四十六億二千三百五十三万四千円、
歳出
八百四十六億二千三百五十三万四千円、
差引歳入超過額
一千四百億円に、
昭和
二十八年度末のたなおろし
資産増加額
三十三億九千八百七万六千円を加算いたしました、一千四百三十三億九千八百七万六千円が
国庫納付金
であります。これを前年度
予算額歳入
二千百二億八百三万八千円、
歳出
七百九十七億八百二万八千円、
差引歳入超過額納付益金
一千三百五億円に比較いたしますると、
歳入
において百四十四億一千五百四十九万六千円、
歳出
において四十九億一千五百四十九万六千円、
差引歳入超過額納付益金
において百二十八億九千八百七万六千円をそれぞれ
増加
いたしておるのでございます。 以下各
事業別
におもなる事項の概略を御説明いたしますると、
タバコ事業
におきましては、二十八年度における
製造数量
は九百三十六億本、
販売数量
は九百三十八億本でございまして、前年度における
製造数量
九百一億本、
販売数量
八百九十四億本に比べますと、製造において三十五億本、販売において四十四億本を、それぞれ
増加
いたしておるのであります。
タバコ事業関係
の
予算額
は、
歳入
二千十七億一千四百二十八万円、
歳出
六百十七億一千四百二十八万円、
差引歳入超過額
一千四百億円であります。
塩事業
につきましては、二十八年度における収納及び
購入数量
は、
内地塩
五十五万トン、
輸入塩
百五十五万トン、計二百十万トン、塩の売払い
数量
は、
食料用塩
百五万四千トン、
工業用塩
百五万トン、計二百十万四千トンでありまして、前年度
予算
におきましては、収納及び
購入数量
は、
内地塩
五十二万トン、
輸入塩
百四十万トン、計百九十二万トン、売払い
数量
は、
食料用塩
百万四千トン、
工業用塩
八十五万トン、計百八十五万四千トンと
なつ
ております。なおただいま申しました
食料用塩
売払い
数量
のうちには、輸入原塩を再製したもの等を含んでおります。
塩事業
関係
予算額
は、
歳入歳出
とも二百二十億五百九十八万九千円と
なつ
ており、これを前年度
予算額歳入
歳出
二百十一億五百六十五万七千円に比べますと、
歳入歳出
とも九億三十二万八千円の
増加
と
なつ
ております。 次に、しようのう事業におきましては、
歳入歳出
とも九億三百二十六万九千円と
なつ
ており、これを前年度
予算額
、
歳入歳出
八億八千七百五十六万円に比べますと、
歳入歳出
とも一千五百七十万九千円の
増加
と
なつ
ております。 第二、国民金融公庫におきましては、
収入
二十一億六千百五十五万円、支出十五億四千二百七万四千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますと、
収入
において八億一千七百六十八万七千円、支出において五億七千九百二十五万四千円をそれぞれ
増加
いたしております。
増加
いたしましたおもなる事由は、
収入
におきましては、貸付金利息
収入
の
増加
によるものであり、支出におきましては、
事務費
、業務委託費及び借入金利息等の
増加
によるものであります。 第三、住宅金融公庫におきましては、
収入
二十九億九千三十二万七千円、支出二十三億七千七百四十一万円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますと、
収入
において十億九千百二十一万四千円、支出において九億八千三百二十八万三千円をそれぞれ
増加
いたしております。
増加
いたしましたおもなる事由は、
収入
におきましては貸付金利息
収入
の
増加
によるものであり、支出におきましては、
事務費
、業務委託費及び借入金利息等の
増加
によるものであります。 第四、農林漁業金融公庫におきましては、
収入
二十五億一千五百六十六万五千円、支出二十二億六千七百六十一万三千円でありまして、
収入
は貸付金利息等によるものであり、支出は
事務費
、業務委託費、借入金利息等に要するものであります。 第五、中小企業金融公庫におきましては、
収入
五億七千六百四十九万五千円、支出四億二千九百六十五万二千円でありまして、
収入
支出とも、農林漁業金融公庫と同様であります。 第六、日本開発銀行におきましては、
収入
百八十億七千八百六十八万六千円、支出四十五億七千六百三十八万九千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますと、
収入
において五十六億七千五百五十九万五千円を
増加
いたし、支出において五億二千六百七十一万五千円を
減少
いたしております。
収入
の
増加
を生じましたおもなる事由は、貸付金利息
収入
の
増加
によるものであり、支出の
減少
いたしましたおもなる事由は、借入金利息の
減少
等によるものであります。 第七、日本輸出入銀行におきましては、
収入
十五億五千六百四十五万三千円、支出四億六千四百二十五万九千円でありまして、これを前年度
予算額
に比較いたしますと、
収入
において一億四千八百二十七万九千円、支出において三億一千四百八十二万一千円をそれぞれ
増加
いたしております。
増加
いたしましたおもなる事由は、
収入
におきましては、貸付金利息等の
増加
によるものであり、支出におきましては、
事務費
、借入金利息等の
増加
によるものであります。 以上
昭和
二十八年度
一般会計歳入予算
並びに
大蔵省所管
の
一般会計歳出予算
、各
特別会計歳入歳出予算
及び
政府関係機関収入支出予算
について、その概要を御説明いたしたわけでございます。
塚田十一郎
5
○
塚田主査
これより質疑に入ります。
河野
委員
に申し上げますが、通告順によりましてあなたの質疑の番でありますけれども、
大蔵大臣
とは先ほどから連絡しておりますが、まだ連絡がつきません。
河野密
6
○
河野
(密)
委員
大蔵大臣
が出なければだめです。
塚田十一郎
7
○
塚田主査
それでは午前はこの程度にして、午後から質疑に入りたいと思います。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ————◇————— 午後一時三十九分
開議
塚田十一郎
8
○
塚田主査
休憩前に引続き会議を開きます。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますから順次これを許します。
河野密
君。
河野密
9
○
河野
(密)
委員
大蔵大臣
と、法務
大臣
の出席を追加して要求してありますが、どうぞ。 まず
大蔵大臣
の関係から御質問申し上げます。今われわれに審議を委託されております
予算
でありますが、この
一般会計予算
を拝見しまして、この中に大きく言
つて
四つの欺瞞と申しますか、インチキというと言葉が過ぎるかもしれませんが、欺瞞が含まれておると思うのであります。その一つは
予算
の規模の問題であり、二つは
減税
の問題であり、第三は防衛費の問題であり、第四は重要法案に伴う
経費
の問題でございます。私がちよつと検討しただけでもこの四つの点について重大な欺瞞性があると考えますので、それらの点について御質問申し上げます。 第一の
予算
の規模の問題でありますが、この
予算
の規模を
政府
は九千六百五億円に押えて、昨年度よりも二百数十億しかふえておらないからして、大してインフレも助長するものでもなければ何でもない、こういうことを
大蔵大臣
の演説の中にも明らかにいたしておるのでありますが、私の見るところによりますと、なるほど九千六百五億円に
総額
は押えてありまするが、前年度において一般
会計
から
支出
されましたところの出資及び投資は七百七十二億円でありますが、今度は二百三十五億円で、五百三十七億円というものは当然一般
会計
から
支出
さるべきものが他の特別
会計
にまわ
つて
おるのであります。もしこれを一般
会計
から
支出
することになりまするならば、
予算
は当然一兆を越えておるべきはずだと思うのであります。この点について
大蔵大臣
はどう考えておられるか、まずこの点を伺いたいと思います。
向井忠晴
10
○向井国務
大臣
この点は
政府委員
から御返事をしたいと思います。
河野一之
11
○
河野
(一)
政府委員
予算
の規模の問題でございますが、
政府
投資が産業投資の方に移つた状態に
なつ
た。
河野
さんのおつしやるように、そういうふうな計算をいたせばおつしやる通りでございますが、これは産業投資の方のそういつた投資を入れましても、この
予算
の
説明
書にもございますが、大体前年度通りというふうな姿に
なつ
ておりまするので、
予算
の規模として非常に大きく
なつ
ているという御批評は当らないのじやないかと考えております。
河野密
12
○
河野
(密)
委員
一般
会計
から当然
支出
すべきものを、また前年度より
支出
しておりました分をこれを特別
会計
にまわして、それをそのまま算術計算的に寄せ集めるというものはちろん疑問でありまするが、少くともこれを彼此計算しただけでも、昨年度に比べてはるかに大く
なつ
ておる。
政府
の言う二百八十億ではないと思いますが、この点はいかがですか。
河野一之
13
○
河野
(一)
政府委員
産業投資
会計
の数字を一般
会計
に合せて計算いたしますれば、これは
河野
さんのおつしやる通りでございますが、しかし
国民
所得に対する割合といたしましては、大体前年通り。
産業投資特別会計
を設けましたのは、従来でもそういうことを申しますならば、見返り
資金
もございましたが、見返り
資金
がなく
なつ
たに伴いまして、新しいいろいろな投資をする、また追加投資をいたす財源としまして
産業投資特別会計
において
特別減税国債
を発行する、こういう建前にいたしたので、全体といたしまして
予算
規模が非常にふえているということには相ならないのじやないかと思
つて
おります。
河野密
14
○
河野
(密)
委員
予算
規模の問題になりましたから、今度は
大蔵大臣
からお答えしていただきたいのですが、
一般会計予算
はなるほど九千六百五億円でございますが、これに三十幾つの特別
会計
、それから
政府
関係機関の
経費
を加えまして、ここにいただきました
説明
書によりますと、一兆八千億であると思うのであります。これは前年度よりもはるかに大きく
なつ
ております。さらにこれに加えて地方財政をわれわれは計算に入れなければならないと思うのでありますが、地方財政を入れた純計は、むろん専門家でないから、われわれには計算はできませんが、少くとも二兆七、八千億に達すると思うのであります。この計算がまずどのくらいになるか、
予算
の全貌を明らかにしていただくことと、その
予算
が前年度に比べて、この全貌がどれだけふえているか。今
主計局長
がお述べに
なつ
たように、大してふえてないというのであるか。私の見るところによれば、二千億はふえておると思うのでありますが、どうであるか、その点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
向井忠晴
15
○向井国務
大臣
私が勘定をいたしてみました場合に、二兆八千億余と、昨年に比べて歩合で見ますと、六分ないし七分ふえておる。そうしますと、二千億まではふえていないわけでございます。この程度ならば、さつきお話になりましたインフレーシヨンというふうなこともなかろうと思う。そう私は考えております。 なお詳しい数字がお入り用でしたら……。
河野密
16
○
河野
(密)
委員
一応
説明
していただきます。
河野一之
17
○
河野
(一)
政府委員
予算
の純計でございますが、一般
会計
、特別
会計
、それから各
公社
、公庫等全部合せまして、国の関係におきましては二兆三千四百八十八億円、前年度が二兆二千七十二億円で、千四百十六億円ふえております。地方財政を入れまして、地方財政どの間のたとえば補助金でございますとか、平衡
交付
金でございますとか、そういうものを差引きました純計といたしましては二兆八千三百八十三億円、前年度が二兆六千四百五十三億円でございまして、千九百二十九億円ばかりふえております。この内容は、一般
会計
で二百八十億円でございますが、特別
会計
におきまして、たとえば米の買入れ
数量
へ価格の関係もあるのでございます。
河野密
18
○
河野
(密)
委員
私は、
大蔵大臣
に承りたいのですが、今二千億まではとおつしやいましたが、一千九百億幾ら、約二千億のものが、私の想像の通りふえておるのであります。それで全体を通じてこの程度のものはとおつしやるのですが、
昭和
二十八年度の
国民
所得は、私の承るところによると五兆六千七百億、これに対して、二兆八千三百億というこの中央地方を通ずる財政
支出
というものが予定されている。これがはたしてインフレーシヨンにならない、大したものじやないという
大蔵大臣
の見解はどういうところから出て来るのか、私はこれをまず承りたいと思います。
向井忠晴
19
○向井国務
大臣
私は二千億という数字もございますが、前年度と比較しての割合ということに相当考慮をしてよろしいというふうに考えます。それで生産規模の拡大とか、あるいは輸出入の国際収雰関係とか、いろいろの面から見まして、国の財政規模といいますか、経済規模が大きく
なつ
て参る、それにつれてただいまの二兆八千億というふうな国の
支出
が起
つて
来ているので、前よりも二千億近くふえておるということは、インフレの材料になるほどではないというふうに考えております。
河野密
20
○
河野
(密)
委員
見解の違いといえば見解の違いでありますが、
大蔵大臣
は、それではインフレーシヨンが起る原因というものは一体どこにあるとお考えに
なつ
ておるのでありますか。この点を承りたい。
向井忠晴
21
○向井国務
大臣
私はインフレーシヨンの起りますのは、大体通貨の膨脹、それに対して物資の供給不足、これが一番大きな原因になるものという考えでございます。それで、ただいまのように二千億の財政の
支出
超過に対しましても、物資の供給が十分で、また日本の輸入というものは、これは金を吸収するもので、輸入超過はいい現象ではございませんけれども、通貨の吸収という方には役立つものと考えておるのであります。
現状
においてはそういう作用がお互いに作用しまして、それと貯蓄とか、あるいは冗費に金融を差控えるとかいうふうな点で、インフレは起らずに済むという考えを持
つて
おります。
河野密
22
○
河野
(密)
委員
はなはだ心もとない御答弁ですが、
政府
の
資金
がこれだけ大幅に年々ふえて放出されて行く、散布超過も千三百幾ら、あるいは千四百億といわれておるのでありますが、そういう場合に、
政府
がこれに対する何らかの対策を講じないで、漫然としてこれはインフレーシヨンにならないんだという楽観論を述べておられる点は、私はとうてい納得することができないのであります。 そこで次にお尋ねするのでありますが、一般
会計
に限
つて
けつこうでありますが、この
支出
されました
経費
は、これは行政費、防衛費、文教費、あるいは社会保障費というものの区分に従
つて
どういう割合に
なつ
ておるか、お示しを願いたいと思います。
河野一之
23
○
河野
(一)
政府委員
予算
のわけ方というものは非常にむずかしいのでございまして、これをごらんになる方のいろいろな判断によりまして、あるものは社会保障費と見、あるものはそうでないと見る。たとえば恩給のごときは社会保障の
経費
に入れる方もございます。入れない方もございます。また、これを普通の人件費と見る方もございますので、実はわれわれといたしましてはそういつたようなことにつきましても確定的な
経費
の分類ということをいたしておりません。ただ
予算
の
説明
にもございますように、このような
経費
を、まあだれが見ても大体納得が行けるであろうという程度のものに分類してお出しいたしておるわけであります。防衛関係の
経費
ということでありますればすぐ出ますが、その関係費につきまして
河野
さんのおつしやつたような数字としては、今ただちにどういうものを取入れてということは計算いたしておらないのでございます。簡単でございますれば何でございますが、そういつた事情でございます。
河野密
24
○
河野
(密)
委員
これは私ははなはだ心得ないと思うのでありますが、大蔵省で毎年出しております「国の
予算
」というものには、ちやんとそれを分類して出しておるはずなんです。その分類に従
つて
われわれは検討するだけでも非常に参考になる。これをはつきりしていただきたいと思います。
河野一之
25
○
河野
(一)
政府委員
「国の
予算
」は、実は役所の中の一部の若い人の試作的な研究資料でございまして、実は非常に恐縮いたすものでございますが、かりにあの分類が正しいということによ
つて
や
つて
みたらどうかというようなことでございますれば、できないことではないのでございますが、ああいう分類は数字といたしましては非常に混雑いたしますので、あの分類でよろしいということでありますならば、資料としてお出ししてもよろしいと存じます。
河野密
26
○
河野
(密)
委員
それではこまかい数字はけつこうですから、あとから資料として提出を願
つて
おきたいと思います。 そこで
大蔵大臣
にお尋ねするのでありますが、われわれの考え方によるならば、
支出
された
経費
が生産的に使われて、それが生産増強に役立つものであるならば、私は必ずしも
資金
が多く散布されたからとい
つて
、ただちにインフレーシヨンを呼ぶものとは考えないのでありますけれども、しかしその
支出
のものが
消費
の部面に当るものであり、それが一独占的な事業の価格をつり上げる傾向のものであるとするならば、私はこれはインフレーシヨンを促進する大いなる要因になると思うのであります。従
つて
そういう
経費
をどういうふうに吸収するかということが重大な問題だと思いますが、その点について不幸にして今日まで、この
委員
会におきましても大蔵省の案としても、何らわれわれは承知しておらないのでありまして、
大蔵大臣
はその点について、どういう施策をも
つて
この散布されたる
資金
の吸収をはかろうとなさるのであるか、これを承りたいのであります。
向井忠晴
27
○向井国務
大臣
資金
の吸収と申して、これという一つの方法は私は持ち合せておりませんが、しかし主として貯蓄あるいは銀行の政策ということで、余剰の金が市場にだぶつかないような方法をとるつもりでございます。
塚田十一郎
28
○
塚田主査
河野
委員
に申し上げますが、御要求の法務
大臣
は第二
分科
で要求いたしておりまして、第二
分科
に入
つて
おられるそうです。なるべくひまを見て来てもらうように繰返して要求してありますが、向うから、もしあちらに関係のあるものならばあちらで御質疑願えないか。こういうことであります。
河野密
29
○
河野
(密)
委員
私は大蔵省と一緒に承りたいのですが……。
塚田十一郎
30
○
塚田主査
なお要求をしておきます。
河野密
31
○
河野
(密)
委員
なおこの
資金
の吸収の問題につきましては、金利の問題とか市中銀行の操作の問題とか、こまかいことになりますから、もしなお時間がありましたら承ることにいたします。 次に、今度の
予算
の規模についてでありますが、私は、
大蔵大臣
が財政演説で述べ、この
委員
会においても繰返してお述べになりました言葉は、ここで読み上げる煩を避けますけれども、
国民
所得に対する比率において若干の
減少
と
なつ
たとか、あるいはその財政投融資の
総額
を含めた場合の割合も本年とほぼ同程度だとかいうようなことは、私はこれは間違いであると思うのであります。この点はただいまの御答弁によ
つて
もはつきりしたように、財政の規模において中央地方を通じて二千億の
増加
に
なつ
ておるのであ
つて
、その割合も大同小異であるというようなことでは、私は納得ができないと思うのでありますが、私はその次に質問を進めたいと思います。 この
予算
を拝見してわれわれが大きな欺瞞であると考えまする第二点の点は、千九億、約一千億の
減税
をや
つて
おるということであります。なるほどこれによりますと、税法上においてはいろいろな処置を講じておられるのであります。しかし実質の
歳入
の面から見ると、七千八十億の
収入
を見積
つて
おりまして、前年度補正
予算
を含めて六千八百五十数億に比べると、約二百三十億の増収と相
なつ
ておるのであります。しかもこれだけではわれわれは納得が行かないのであ
つて
、地方税をこれに加えた場合においては、私の計算によりますと、さらに百五十億の増収を見込んでおるのであります。しかもこれは非常に甘く、内輪に見ておるのでありまして、今計画されております地方税の徴収方法によりますと、これよりはるかに上まわると思うのでありますが、少くとも中央地方を通じては数百億の増収を見込んでおると思うのであります。これをしも
減税
と称することができるのであるか。この点について
大蔵大臣
の御所見を承りたいと思うのであります。
向井忠晴
32
○向井国務
大臣
税法上の
減税
というようなお話でございましたが、これは所得の
増加
に伴
つて
税収がふえるというふうに私は考えますので、やはり
減税
の実施ということはやつたものと考えております。
河野密
33
○
河野
(密)
委員
はなはだたよりない答弁ですけれども、この数字によりましても、実質的に四百億の増収を見込んでおります。
大蔵大臣
は実際に御存じかどうか存じませんが、税金の申告をするときに、前年度の申告額よりも少い申告は認めないということが、今日の税の申告の前提条件に
なつ
ておるのであります。これによ
つて
見ると、自然増収、自然増収と申しますけれども、実質は自然増収じやないのです。一定の計画増収なんです。計画増収であるならば、これは増収と見るべきが至当であると私は思う。この点に対して
大蔵大臣
はどうお考えになりますか。
向井忠晴
34
○向井国務
大臣
私もこの申告税の場合に、前年度に比較してどうとかいうふうなさ差紙の来ておることを承知しております。しかしながら、これでも
つて
実際に
収入
のない者に無理に税金をかけるというふうには考えませんので、やはり無理な増収をはか
つて
行くというふうには考えておりません。
河野密
35
○
河野
(密)
委員
そこでこの七千八十億という税収は、財政需要というものを見込んではじき出した数字であるか、それとも実質的の
国民
生活の実情を見てはじいた数字であるか、この点を承りたい。
向井忠晴
36
○向井国務
大臣
ただいまの御質問をしろうと流に解釈しますと、いる金だからとろうとしたというふうに解釈いたしますが、そういう意味じやなく、やはり前年度の
収入
を見て、それにことしの経済界の事情というふうなものを考えまして、数字を編み出したもの、そう御了解を願いたいと思います。
河野密
37
○
河野
(密)
委員
この税収の問題は、もし
大蔵大臣
が今御答弁に
なつ
たような趣旨で、ほんとうの賃金給与の増額によるはね返り分である、こういうふうにするならば、
昭和
二十九年度においてはおそらくこういう増収というものは見込み得ない結果になるだろうと思うのであります。従
つて
もし本年度においても貯蓄公債三百億を発行せざるを得ないということでありますならば、
昭和
二十八年度の
予算
はなるほどこういうことではじつまを合せることができても、次の二十九年度の
予算
は組めないはずだと思うのであります。
大蔵大臣
が言うがごとく、貯蓄公債は二十八年度限りのものである、こういうことでありますならば、二十八年度の
予算
というものは、二十九年度の
予算
はもう自分たちの手では組まないのだという前提のもとに出した
予算
だと思うのであります。この点、むしろ
大蔵大臣
にその答弁を求めることは無理かもしれませんが、少くとも本年限りの
予算
で、あとはもうおさらばだという
予算
だと私は思うのであります。
向井忠晴
38
○向井国務
大臣
これは、私は前にもどなたかに御答弁を申し上げたと思いますが、二十九年度の
予算
を組まないという考えではないのですが、二十九年度において経済界の事情が改善されませんで、税収も
増加
の見込みを立てられませんときには、
支出
を制限しまして、公債は出さずに、そうして増税をしないでや
つて
行ける、そういう考えでおります。
河野密
39
○
河野
(密)
委員
そこで税の内容について少しお尋ねしたいのでありますが、今度の
減税
の計画を見ますると、大体
所得税
に重要点を置くと申しておりまするが、当然考えられなければならない
源泉所得税
の実質的な
減税額
というものはわずかに十一億、それから
申告所得税
がこれに次いで、
法人税
の
減税
が百十二億、さらに
富裕税
を廃しておる、こういう
減税
のやり方をしておりまするが、この精神はどういうところにあるのか承りたいと思います。 〔
主査
退席、南
主査
代理着席〕
渡邊喜久造
40
○渡邊(喜)
政府委員
今の実質的な
減税
が
源泉所得税
について十一億という点につきまして、私の気持としましてはちよつと納得できない点があるのですが、おそらくその十一億という数字は、二十七年度の補正
予算
の
予算額
と二十八年度の
予算額
における
歳入
見積り乏の差額が十一億減に
なつ
ておるというところで、実質的
減税
が十一億というふうに御指摘に
なつ
たと思
つて
おりますが、われわれといたしましては、やはり俸給、給与がふえまして、所得全体が上
つて
行く場合におきましては、おのずからそこに自然増収というものは当然考えていいんじやないか。その自然増収をも
つて
そのまま増税と考えるということはいかがかと思
つて
おります。従いまして、現行の税法そのままの場合におきまして期待されます
収入
に対しまして、今度の
税制改正
によりまして相当の
減税
が行われているわけでございます。従いまして、その間においての差額がやはり今度の場合の
減税
だ。これは税法上の
減税
だけであ
つて
、実質的な
減税
ではないのじやないかという御指摘のようでございますが、CPIの上りなどを見て参りますと、それはきわめてわずかなものである。物価水準が全面的に上
つて
おりますれば、御指摘のような点がさらに再考されなければならぬと思
つて
おりますが、
現状
におきましては必ずしもさようでない状況でありますので、やはりお話に
なつ
ております税法上の
減税
は、ほとんどそのまま実質的な
減税
であるとわれわれは考えおります。なお
法人税
等におきまして減がありますのは、一つは
法人税
におきましての最近の自然増収の額がそれほど多くないということと、
法人税
において幾つかの資本蓄積等のために
減税
措置
を行
つて
いるということにおきましてそういう数字が出ているわけでありまして、
減税
の方向といたしましては、
所得税
を中心とし、特に所得の少い人の
負担
を中心とした
減税
に
税制改正
を持
つて
行くつもりでございます。
河野密
41
○
河野
(密)
委員
あとの
富裕税
の問題について御答弁を願いたいですけれども、ついでに申しておきますが、所得が五百万円の者は、今度
富裕税
を廃止して
所得税
の税率を
改正
したことによ
つて
、その税
負担
の関係はどうなるのか。所得一千万円の者についてはどうなるのか。資料でもけつこうですが、今御答弁できれば御答弁を承
つて
おきたいと思います。
渡邊喜久造
42
○渡邊(喜)
政府委員
富裕税
の廃止につきましては、その施行の結果を見て参りますと、非常に徴税技術上手数が多い割合に
収入
としては比較的少い。特に、不表現の財産と申したらよいと思いますが、現金、預金等を把握する上において、いろいろな意味で支障がございまして、
課税
の衡平という意味におきまして、これを何とか衡平なる
課税
をして行こうとしますと、非常に手数がかかる。その手数を抜きます。と、おのずからそこに不権衡が起るという点、それからもう一つ、無収益財産についてある程度の
負担
を課するということが
富裕税
の一つの大きなねらいに
なつ
ておりますが、実施してみますと、やはりそこに非常な納税上の無理があるといつたような点、かれこれ勘案して、むしろ
所得税
によ
つて
、大きな所得について
負担
を課して行く方が適当である、こういうふうな結論が一応出ましたものですから、
富裕税
を廃止しよう、
富裕税
を課することによりまして、
所得税
の調査についても相当の便益があるのではないかと、立案当初においては考えられていたのでありますが、結局や
つて
みますと、
所得税
の調査における手数と
富裕税
の調査における手数と、結局同じように並行しなければできないのでございまして、
所得税
がわからぬと
富裕税
もわからぬというような状況でございます。そのような意味におきまして、むしろ
富裕税
をやめまして、
所得税
の高額の方の
負担
を
税率引上げ
によ
つて
増す行き方の方がよいのではないかというのが、大体
富裕税
を廃止するという考え方の中心であります。 なお今御要求になりました資料の問題につきまして、所得と財産の額とのバランスは、人によりまして非常に違います。これはよくおわかりと思いますが、割合に財産が多くて所得が少い人もございますし、所得が、たとえば俸給、賞与等の所得の方でございますと、所得がありましても、いわゆる
富裕税
の
負担
の少い人、こういう人がございまして、その間必ずしも一致した数字はちよつとできないかと思います。何らかの仮定のもとにおいて
負担
を比較してよろしいというお許しを得れば、一応資料として提出したいと思
つて
おります。
河野密
43
○
河野
(密)
委員
富裕税
を廃することによ
つて
、この税を免れて、しかも
所得税
の税率が引上げられた税率の適用を受けるという人について、私は比較していただいてけつこうだと思います。そういう意味の資料をひとつ出していただきたい。 それから
富裕税
を廃することによ
つて
、これを免除される人の数はどのくらいになるのでございましようか。
渡邊喜久造
44
○渡邊(喜)
政府委員
富裕税
につきましては、御承知のように同居家族につきましては合算してございますので、私の方も一応の調査といたしまして、同居家族をも含めたものをかけるというふうに考えて計算がしてありますから、それで御了承願いたいと思います。さきに御配付申し上げました
説明
書の十七ページにございますが、三万七千九百四十九件ということに
なつ
ております。人数は、今申しましたように同居家族も入りますから、同居家族の数を大体三人だとすれば、三倍になる、こういう数字になると思います。
河野密
45
○
河野
(密)
委員
そこで私は
大蔵大臣
にお尋ね申し上げたいのですが、
税制
改革についての根本的な考え方というものは、
大蔵大臣
としてはどういうところに置いておられるのか。さきに私は、中央地方を通ずる
税制
の根本的改革について大蔵省はどういう予定を持
つて
おられるかということを承つたのでありますが、今に至るまでその根本的な改革に対する発表がございません。先ほどから質問しておりまするように、中央は
減税
をしても、地方税においては、今度の案によりますると実質的にははるかにたいへんな増税になると私は見ておるのであります。中央地方を通じて
税制
の改革をや
つて
負担
の均衡をはかるということでなければ、掛声だけで一千億とか何千億とか言
つて
みても、これは単なるから念仏に終ると思うのでありますが、この点についての
大蔵大臣
の所見を承ります。
向井忠晴
46
○向井国務
大臣
税金全体のことから考えます場合は、やはり余裕のある者からと
つて
、余裕の少い者からはとらずにおくというのが原則と思うのであります。その趣旨で、余裕のある者には高く、
収入
の少い者には率を安くするという方針で進んでおるのですが、ただいまお話の地方税がふえるということは私も心配しておりまして、極力その方を圧縮して、そうしてしかも地方の事業の立ち行きますように、従
つて
経費
の節約ということを地方では特にや
つて
もらいたいというふうに考えているのでございます。それから今日までに、地方税の
収入
というものは大体自然増収でふえているというふうに思うので、税率が上つたという点がさ、ほどに多いとは私は考えておりません。
河野密
47
○
河野
(密)
委員
大蔵大臣
は今度の地方税の
改正
案を御存じですか。
向井忠晴
48
○向井国務
大臣
私は実は全体にわた
つて
見ませんでしたが、ただ一部私の持論に似寄つた点につきますと、経済状態のかわつたためにふえるということ、いわば
収入
に対して何分というふうな割合で勘定すれば増税にならないものを、数字の上に現われたのは増税になるというふうなものを私は見ました。これはさしつかえないものと考えております。たとえば一例をあげますと、トラツクの税金など、何年も前に一台幾らというふうな率であつたのを、今日一台幾らを引上げるということがあります。そのほかに著しく
収入
に対する歩合を上げるというふうな率は、私はまだ見なかつたのであります。もしそういうのがありましたらよく研究いたします。
河野密
49
○
河野
(密)
委員
大蔵大臣
の言われたのはどういう税金を言
つて
おられるのですか。
向井忠晴
50
○向井国務
大臣
私の申しましたのは、トラツク税とか宿屋税とか、そういうものであります。(笑声)
河野密
51
○
河野
(密)
委員
そういうものは地方税ばかりではないのですよ。
向井忠晴
52
○向井国務
大臣
それはそうですよ。 〔南
主査
代理退席、
主査
着席〕
河野密
53
○
河野
(密)
委員
大蔵大臣
は少し地方税を勉強しなければえら過ぎると思いますね。せめて地方税というものはどういう体系をしているかくらいのことは、
大蔵大臣
として御勉強なさ
つて
しかるべきだと思いますね。どんなものでしよう。
向井忠晴
54
○向井国務
大臣
それはこの間問題に上りました点について思い浮べたのでございます。
河野密
55
○
河野
(密)
委員
別に私は
大蔵大臣
をここでどうしようというつもりではないのですからそう御心配なさらなくてもよろしいのですが、
大蔵大臣
である以上は、税金の名前くらいは覚えてください。税金の名前も知らないで、いかに敗戦国といいながら実際日本としてもずいぶん情ないものだと思いますね。今地方税で一番問題になるのは市町村民税なんです。市町村民税の徴収をどうするかということが一番大きな問題なんです。あの税金をつくつたときには、私も関係していた一人でありますけれども、あれは、その市町村に住んでいる者がそこに住んでいるというしるしに、ごく軽微なものを
負担
するということで出発した税金なんです。それが今日、市町村においては税収の重要なる部分を占めているという結果に
なつ
ている。これはもちろん自治体が強化されたという関係もあ
つて
、そうなるべき事情があつたと思うのですが、この市町村民税に根本的な検討を加えなければならぬ。今日市町村民税は、設定したときの趣旨に従
つて
、その地域内に住んでおりまする人であれば、寄
宿舎
に住んでおる女工や一家の中に働いている女中に至るまで徴収されている実情なんです。しかもそういう市町村民税が地方税
収入
の中心に
なつ
ている。今まで三つのとり方でありましたものが、今度は所得の一割まではよろしいという。そのとり方をきめることによ
つて
、これは大幅に増収されるであろうとわれわれは考えているのです。実際は数字よりもはるかにたくさん税金がとれるに違いないのであります。そこで
政府
の
減税
政策というものは欺瞞なのであ
つて
、口には一千億
減税
と称しているけれども、中央、地方を通ずる全体の税
収入
を見た場合に、前回私が申しましたように、
政府
の示した数字によ
つて
も四百億の増収になる。その上に今各市町村において計画されている税のとり方をも
つて
すれば、おそらくそれよりもはるかに上まわつた増収を見込まざるを得ない結果になる。そうなれば、かりに中央で
減税
ということになりましても、地方においては実質的には大きな増税になる、羊頭を掲げて狗肉を売るもはなはだしきものであると言わなければならない。これを
大蔵大臣
はどう考えるかということが、私の質問の趣旨なのですから、その程度のことだけは理解して御答弁を願いたいと思う。
向井忠晴
56
○向井国務
大臣
私もそういう税をとられておりまして、これが非常な苦しみであるということを体験しておるわけであります。またそれは、各地方で倹約してくれればこんなにとられなくても済むと思
つて
おる次第であります。それで先ほど申しましたように、地方において節減をしてくれて、この税が重くならないように、また軽くできるように努めて行きたい。そう考えておる次第であります。
河野密
57
○
河野
(密)
委員
私は今の
大蔵大臣
の答弁では満足しませんけれども、これはあまりこまかくなりますから、また時間があつたらあとで伺うことにいたします。 次に、私がこの
予算
を拝見して納得のできない第三の点は、防衛費の問題であります。防衛費におきまして千四百五十億に本年は削つた、こう言
つて
おりまするが、これはいただいた資料によりましても、われわれが見るところによれば防衛費というものは少しも減
つて
おらない。実質的には、むしろ二十八年度に限
つて
見るならば、そこに使用される分は、過去の未使用分を入れてふえるであろうという見当をつけておるのでありますが、その点について
大蔵大臣
はどうお考えになりますか、まずこれを承ります。
向井忠晴
58
○向井国務
大臣
保安庁費というものがございまして、それは昨年度よりもふえております。この点は定員をふやしませんでも、装備の充実、また改善というふうなことで
経費
がよけいいるのであります。これはやむを得ないものと私は考えております。それから前年度の使い残りという分は、それぞれ使い道のきまつたもので、これも明年度において
支出
はされて参りますけれども、性質上は二十七年度の
経費
と私は見ております。二十七年度に使わなかつた分をも
つて
、二十八年度によけい使うのだというふうには私は解釈いたしませんが、少くも二十八年度の
予算
において、保安庁の
経費
はふえておることは事実であります。
河野密
59
○
河野
(密)
委員
防衛費の未使用分につきましては、資料もいただきましたし、この
委員
会におきましても問題になりましたから、私は同じことを繰返してお尋ねはいたしませんが、私のここでお尋ねいたしたいことは、この防衛費の中の安全保障費において、道路をつくるという
経費
が計上せられております。私の見たところによりますと、東京・座間の間の道路をつくるのについて四十五億円、北海道の千歳・札幌間の道路をつくるのに九十五億円、こういうのが計上をいたされております。それから
平和回復善後処理費
の中に、これまた道路費というものが計上いたされております。さらに一般
経費
の中に公共事業費というものがございまして、これが千二十億計上をされておりますが、その中に道路関係の費用が百六十七億計上をされております。一体安全保障費による道路と
平和回復善後処理費
による道路と、公共事業費による道路と、これはどういう区別があるのでありますか、これをまず承りたいのであります。
河野一之
60
○
河野
(一)
政府委員
安全保障費でやります道路については、一定の原則を立てておるのでございます。これはすべて日米合同
委員
会の道路
分科会
において決定をいたしましてや
つて
おります。いろいろな種類があるのでございますが、まず代表的なものでありますと、キヤンプだとか演習地へのとりつけ道路で、駐留軍からの要望により改良または新設を行うもの、たとえて申しますと福岡県の板付の航空基地に行く道路であるとか、あるいは横浜を通りまして座間のキヤンプに行きます道路であります。それから駐留軍のキヤンプや飛行場、射撃場に使用された結果、その中の道路が通れなく
なつ
た、そのためにつけかえ道路を新設するというような場合もあります。それからキヤンプ、演習場へのとりつけ道路、またはキヤンプ等の連絡道路でありますが、一般の交通に駐留軍の交通によ
つて
相当支障がある場合、こういう場合が入れられておるのでございます。それにはいろいろ例があるのでございますが、たとえて申しますれば、自動車の交通量が千台以上でも
つて
、そのうち半分以上を駐留軍が占めておる場合、その他いろいろ具体的な例がありますが、そういつたような標準を立ててや
つて
おります。それから港湾でございますが、これは駐留軍の要請によ
つて
専用の施設をつくる場合がございます。たとえば駐留軍の飛行機の不時着の場合に、救命艇の基地を整備いたしておるのでありますが、これは従来港湾を占領中は使
つて
おりましたので、それを解除してもらうとともに、新しい基地をつくる、あるいは浮橋、さん橋等をつくるという例がございます。それから駐留軍が専用に決定いたしたもの、それから両方共同使用に
なつ
ておりますが、大部分が事実上向うが使
つて
おるといつた場合、そういうものにつきましては、それの代替となるべき施設をつくるということで、これは具体的に現に専用いたしておりますベースの能力と、それによりまして不足いたしまして、新しく代替地としてつくらなければならないものの能力というものを調査いたします。もちろん同一のものをつく
つて
おるわけではありませんが、そういうものを個々にわた
つて
審査いたしておるわけであります。
河野密
61
○
河野
(密)
委員
この道路は安全保障費による道路、それから公共事業費による道路、それから
平和回復善後処理費
による道路というふうに
なつ
ておりますが、この道路の建設を担当する官省は一体どこでやるのでありますか。相互の連絡、
予算
の彼此流用の関係等はどういうことに
なつ
ておりますか。これを承りたいと思います。
河野一之
62
○
河野
(一)
政府委員
平和回復善後処理費
の道路というのは、どういうふうに申し上げましたか、ちよつと記憶いたしておりませんが、横浜などにおきます接収の土地が解除せられて、モーター・プールに
なつ
ておりましたのを、都市計画で道路として直すといつたような場合、これは代替施設ではございませんが、
平和回復善後処理費
で出したこともあります。少し例が違うのでありますが、こうした
経費
につきまして、道路の関係は建設省において
所管
いたしております。港湾は運輸省でございますが、それぞれ具体的な工事の施行につきましては地方の出先がや
つて
おります。府県道等につきましては、府県に
予算
を配付してやらせております。
河野密
63
○
河野
(密)
委員
安全保障費のあれも、日米の道路
分科会
というのでありますか、実際においてこれに基く道路を建設するというような場合においては、これはやはり建設省を通し、あるいは地方公共団体に委託してやる、こういうことに
なつ
ておるのでございますか。
河野一之
64
○
河野
(一)
政府委員
合同
委員
会には大蔵省、建設省、運輸省からも出まして、駐留軍関係当局と協議をしてや
つて
おるわけであります。駐留軍当局からこういうものをや
つて
くれと言
つて
来た場合に、はたして先ほども申し上げましたような基準に該当するかどうかということを審査いたしまして、その上で決定をいたして、
所管
庁に
予算
を配付いたしておるような次第であります。
河野密
65
○
河野
(密)
委員
この公共事業費による土木事業と、それから安全保障費による土木事業、あるいはその他のものによる土木事業というものは、すべてこれは相互に連絡をも
つて
や
つて
お
つて
、彼此相重複したり、あるいは両者の間に相競合したりするというような事実はないのでございますか。
河野一之
66
○
河野
(一)
政府委員
今申し上げましたような関係でございまして、こまかい具体的な点になりますと、道路は一般の交通でございますし、また建設省では道路整備五箇年計画というようなものを立案に
なつ
ておられるようでありまして、具体的にはそういうものが絶対にないとは申し上げかねるのでありますが、先ほど申し上げましたように、駐留軍が通るにいたしましても、重車両のものを通すとか、あるいは幅員が狭くて非常に交通事故が多いとかいうことで、普通の道路の建設としてやるには、そこまでやる必要がないような程度のものをやるということに
なつ
ておりまするので、具体的に、道路として絶対に重複がないとは申し上げかねるのでありますが、性質上は違
つて
おるのでございます。
河野密
67
○
河野
(密)
委員
安全保障費その他を建設省その他に流用する場合においては、
予算
総則に書いてありますあれで行くわけでございますね。それで繰越明許費というものは、大体私は財政法によ
つて
翌年度限り使うものだと思うのでありますが、安全保障費その他については、これは翌年度限りに使うもの、こういうふうに承知してよろしいですか。
河野一之
68
○
河野
(一)
政府委員
この繰越しには、財政法にもございますように、いろいろな例がございまして、一番代表的なものは繰越明許費、この
予算
の丙号でございますが、それによ
つて
や
つて
おります分、それからこれは
会計
法にもございますが、事故繰越、年度中にやるつもりでいろいろやつたけれども、天候その他の諸種の関係による事故繰越。それから継続費につきましては、これはずつと逓次繰越ができる。それから特別
会計
におきましては、いわゆる
予算
支出
未済額の繰越、この四つのカテゴリーがあるのでございますが、
河野
さんがおつしやいましたこの安全保障費につきましては、これは
予算
の繰越明許費として翌年度だけしか繰越ができない。但しこれに対しては、普通の
会計
法の規定にございまする事故繰越、もちろん契約をいたさなければなりませんが、そういつた事故繰越はできるものというふうに考えております。
河野密
69
○
河野
(密)
委員
今の御答弁によ
つて
明らかでありますように、私は大体この安全保障費は翌年度しか使い得ないものだと思うのでありまして、そういたしますと、冒頭に申し上げましたように、
昭和
二十八年度の防衛費というものは一千四百五十億円で、前の年よりも三百五十億減したから、これは防衛費が減
つて
いるのだということは、ますますも
つて
言えなくなると私は思うのであります。当然安全保障費の未使用額分は、
昭和
二十八年度に使わなければならぬ結果になるのでありまして、私はこの防衛費は、少くとも本年度よりは減
つて
おらぬ、こういうふうに言
つて
さしつかえないと思うのであります。
大蔵大臣
の御所見を承ります。
河野一之
70
○
河野
(一)
政府委員
繰越明許費として御承認をいただいておりますものが、明年度においてどの程度の繰越しになりますか、これはちよつと年度末に
なつ
て、みませんと何とも申し上げかねるのでありますが、その繰越しの結果——これは実
支出
額でおつしや
つて
いるのだろうと思いますが、どういうふうになりますか、年度末まで参
つて
みませんと、ちよつとその辺の計数の見当はつきかねると思います。
河野密
71
○
河野
(密)
委員
私は防衛費の点につきまして、
政府
の考えております一千四百五十億というものは、これは一応の
予算
の数字ではあるけれども、実質的にはそれよりはるかに
昭和
二十八年度におけるものは多くなる、かように考えておるのでありまして、これは私はこの
予算
を通じてみての、
政府
の大きな欺瞞であると思うのであります。 次に御質問申し上げたいのは、重要法案とこの
予算
との関係であります。先般私が警察法の
改正
案についての御質問を申し上げました点にも触れるわけでありますが、この
一般会計予算
によりますと、義務教育費の国庫
負担
分として九百二十億が計上いたされております。もし同時に提案されておりまする義務教育学校
職員
法案ですか、これが審議未了になるか、あるいはこれが否決になるというような場合、少くとも審議未了に
なつ
て通過をしなかつたというような場合において、この
予算
との関係はどういうふうに
大蔵大臣
は考えておりますか、これを承りたいのであります。
河野一之
72
○
河野
(一)
政府委員
法案の審議未了というようなことを、私どもは予定はいたしておりませんが、
予算
の総則におきましては、地方財政平衡
交付
金と義務教育費国庫
負担
金とは、相互に移用ができるというような
措置
をと
つて
いるわけであります。
河野密
73
○
河野
(密)
委員
法務
大臣
は見えないでしようか。
塚田十一郎
74
○
塚田主査
第二
分科
が終りましたらこちらへ来るということに
なつ
ているそうですが、まだ終らないようです。
河野密
75
○
河野
(密)
委員
それでは
大蔵大臣
にお尋ねしますが、今度の警察法の
改正
は、もちろん大蔵省の担任ではございませんが、この警察法の
改正
に伴う
予算
措置
については、当然大蔵省も十分の関係を持
つて
おるのでありますが、この新しく
改正
されようとする警察法の
改正
に伴いまして、大蔵省の理解しているところによると、警察費の全貌というものは一体どういうことになるのでありますか、これを承りたい。
河野一之
76
○
河野
(一)
政府委員
全貌と申しますか、二十九年度の平年度におきましては、警視以上のものが人件費として約三十億程度に相なりますが、その他の通信施設あるいは装備等の
経費
があるのでございます。これは今年度の
予算
に計上してありまする額よりはふえないで行けるというような考え方をと
つて
おります。すなわち本年度におきましても、警察の
経費
として二百二十億ばかりに
なつ
ておりますが、その
総額
はふえないと思います。
河野密
77
○
河野
(密)
委員
私の伺いたいのはそういうことでなく、今警察費として支弁されておりまするのは、国家地方警察費、それから自治体で
負担
しでおる自治体の警察費、それから地方財政
交付
金として
負担
しておりまするもの、この三つにわかれておると私は思うのでありますが、国家地方警察費は今お話の通り二百二十億でございますが、地方で
負担
しておる警察費を幾らと考えておるか、また財政平衡
交付
金の中における警察費の
負担
は一体幾らであるのか、そういう全貌をここで明らかにしていただきたい。
河野一之
78
○
河野
(一)
政府委員
正確な数字は、御必要でございますれば調査の上お答え申し上げますが、大体自治体の警察が地方の財政におきまする計画として考えておりますのは、約三百億でございます。ところがこれが、基準財政需要という平衡
交付
金の計算の基礎に
なつ
ておりますのは、たしか二百、三、四十億であつたと思います。その差額につきましてはいわゆる地方の税で、平衡
交付
金をもらわずにや
つて
おるというような関係に
なつ
ておるかと存じます。
河野密
79
○
河野
(密)
委員
平衡
交付
金八百二十億の中に、これはむろん全体としてつかみ勘定で渡しておるのでありましようが、これが警察費にまわる分は、一体どの程度に見ておられますか。
河野一之
80
○
河野
(一)
政府委員
この点は実は私の
所管
ではございませんので、御答弁いたしかねる次第でございます。八百億の平衡
交付
金でありますが、今度は義務教育費の方が全額国庫
負担
ということに相なりますと、基準財政需要をかえなければならないのでございます。これをかえる法案が提出される予定でございますが、新しく計算いたしませんと、ちよつと正確な数字を申し上げかねるのであります。先ほど申し上げました数字とおそらく大してかわることはないというふうに思
つて
おります。
河野密
81
○
河野
(密)
委員
私がお尋ねするゆえんのものは、先般来この
委員
会において、警察の
改正
をや
つて
も財政の点については何らの出入はないのだ、この
予算
の限度内でまかなえるのだという全般的なことだけであ
つて
、実際自治体の警察費をどれだけ
負担
しておるのか、平衡
交付
金の中において警察費として
支出
しておるものは幾らであるのか、そういう点の全貌が一つも明らかに
なつ
ておらぬのであります。それにもかかわらず大丈夫々々々と法務
大臣
は何を根拠にして言
つて
おるのか、私は法務
大臣
が来たらこれを尋ねたいと思います。
主査
、法務
大臣
が見えない間はどうしましようか。
塚田十一郎
82
○
塚田主査
質疑が継続しにくければ何ですが、そうでなければ問題を保留して、別に
大蔵省関係
は各局長並びに
国税庁長官
全部そろ
つて
おりますから、それらに対する質問がありましたら、御継続願いたいと存じます。
河野密
83
○
河野
(密)
委員
それでは警察法の
改正
に伴う問題は、法務
大臣
が来るまで保留してその先の質問をいたします。 以上申し上げましたようなことで、私の見るところでは、この
予算
案は四つの点においてわれわれが納得し得ない大きな問題があると思
つて
おるのであります。その他の点で、こまかい点になりますが、少しくお尋ねをいたしたいのは、
政府
のお出上に
なつ
たものを見ますと、
歳入
の面において、もちろん
租税
及び
印紙収入
が先ほど申し上げましたように七千八十億でございますが、
官業益金
及び
官業収入
というのが百四十一億計上されております。官業というと一体どういうものであるか、われわれが検討してみますると、刑務所の作業
収入
、病院の
収入
、学校農場及び演習林の
収入
というようなきわめてこまかいものをさして
官業収入
と言
つて
おるのであります。私は
大蔵大臣
に尋ねたいのでありますが、
政府
は病院の経営を官業だと考えていらつしやるのてしようか。
河野一之
84
○
河野
(一)
政府委員
お答え申し上げます。御指摘の点は非常にごもつともだと思うのでございます。明治時代
予算
制度が始まりまして以来、ずつとこういう名称でや
つて
おりますので、これは国鉄とか専売とかいう意味のものでなしに、官として行
つて
いる事業というような意味で書いておるわけでございます。
河野密
85
○
河野
(密)
委員
私は刑務所を官業としてやられてははなはだ迷惑だと思うのでありますが、刑務所作業
収入
、それから国立病院だと思いますが、国立病院の
収入
というようなものをすべてこれ
官業収入
というのは、私は
予算
の体裁からい
つて
も、はなはだも
つて
不体裁なことだと思うのですが、
大蔵大臣
はこれをおかえに
なつ
たらどうかと思うのですが……。
向井忠晴
86
○向井国務
大臣
よく研究いたします。
河野密
87
○
河野
(密)
委員
次にお尋ねいたしますが、
政府
からいただきました財政法第二十八条による参考資料を見ますると、国家が
負担
しなければならない問題といたしまして、南満洲鉄道
株式
会社に三億七千五百万円というものを
支出
する、これを
昭和
二十八年度以降において
負担
するということがありまするが、これは一体どういうものでありますか。私にもほぼわか
つて
おりまするけれども、一応御
説明
を願います。
河野一之
88
○
河野
(一)
政府委員
ちよつと前のところに関連して申し上げます。刑務所を
官業収入
というのはおかしいじやないかというのは、ごもつともでありますが、刑務所の囚人を外へ出していろいろな仕事をさせておるわけでございます。その
収入
、あるいは刑務所の中でいろいろな作業をいたしおる、そういうようなことで
官業収入
という言葉がこの中に出ておるわけでございます。 それから御指摘のものでございますが、これはた上か満鉄の未払込み株金であります。これは過去におきまして、
予算外
契約としてや
つて
おるものでございますが、この満鉄の問題につきまして今後どういうふうに
処理
されますか、その点がまだ未決定でございますので、ここにありますものといたしましては、従来これらは財政法の附則で、たしか国庫債務
負担
行為となるということに
なつ
ております。そういう関係で、過去にこういうものがあるということで出しました次第でございます。
河野密
89
○
河野
(密)
委員
過去にあるというのですが、少くとも二十七年度においては、これは
支出
しておりませんのですが、二十八年度以降において三億七千五百万円というものを特に計上しなければならないという理由はどこにあるのでありましようか。
河野一之
90
○
河野
(一)
政府委員
これは必ずしも
支出
するという考え方に立
つて
おるものではございませんで、過去におきましては、そういつたものにつきまして
予算外
契約をいただいておりますので、権限としては、将来満鉄が清算いたします場合に、
政府
の出資義務が一応
法律
上あるものでありますから、その場合においてはそういつだ場合も起り得るかもしれぬという意味で書きましたものでございます。
河野密
91
○
河野
(密)
委員
南満洲鉄道
株式
会社の出資をするという
法律
が現に生きているから、そのためにただ
予算
の面だけこう出しておる、こういう趣旨なのでございますか。
河野一之
92
○
河野
(一)
政府委員
さようでございます。
河野密
93
○
河野
(密)
委員
私はこの南満洲鉄道
株式
会社の
法律
が生きているからとおつしやるならば、これはやむを得ないのですが、こういう
経費
を計上したのは、おそらくこれは外債
処理
と無関係ではないのではないかと思うのですが、その点はどうでありましようか。
河野一之
94
○
河野
(一)
政府委員
満鉄の外債は、旧外貨債
処理
法で全部
政府
の方に承継いたしております。そうして
国債
に
なつ
ております。
河野密
95
○
河野
(密)
委員
そうしますと、この南満洲鉄道
株式
会社というものの出
資金
は、
政府
が出資するということにしておいて、——これは南満洲鉄道
株式
会社が復活をするという予想のもとに出資をする、こういう趣旨なのでありますか。
河野一之
96
○
河野
(一)
政府委員
そういうわけではございませんので、現在満鉄は閉鎖機関に
なつ
ております。これは清算
整理
中でありまして、おそらく出資をするという事態はもちろん起らぬだろうと思いますが、一応
法律
上の義務としては、会社法も生きております。また現在清算中でもありますので、かつ過去において
予算外
契約としてと
つて
おるものでありますから、一応計上しておる次第でございます。
河野密
97
○
河野
(密)
委員
そうしますと、この南満洲鉄道
株式
会社の出
資金
を
支出
することによ
つて
、閉鎖機関に
なつ
ておる南満洲鉄道
株式
会社が
政府
に要求する権利があるわけでありますか。
河野一之
98
○
河野
(一)
政府委員
現在閉鎖機関に
なつ
ておりまして、閉鎖機関の清算人がございます。その清算のために払込み出資をする必要があれば、
法律
上はできるのでございます。これは債務の方がどういうような
措置
になりますか、それは清算人の方における決定にまちませんと、現実に払込みをするようになるかならぬかわかりませんが、
法律
上は一応そういうふうなことができるという建前でございます。
河野密
99
○
河野
(密)
委員
そうすれば、南満洲鉄道
株式
会社の清算人が、
政府
に対してこれだけのものを要求する権利を持
つて
おる、こういうふうに解釈できるわけですか。
河野一之
100
○
河野
(一)
政府委員
閉鎖機関の清算人としては、
法律
上そういうふうな権限を持
つて
おるものと考えます。
河野密
101
○
河野
(密)
委員
南満洲鉄道
株式
会社の清算によ
つて
受益すると申しますか、利益を受ける者はどういう関係の人々ですか。
河野一之
102
○
河野
(一)
政府委員
たとえば社債権者でありますとか、旧満鉄に対していろいろな請求権を持ち、また従業員などの退職手当とか、そういうものが現在のところ考えられるのじやないかと思います。もちろん満鉄自身も、こういう出資の払込み請求権も
法律
上はございます。財産等もございますから、そういう関係の清算をやつた上でありませんと、何とも申し上げかねますが、受益者としてはそういうものが考えられます。
河野密
103
○
河野
(密)
委員
私はこれは重大な問題だと思うのであります。南満洲鉄道
株式
会社社は、たまたま
政府
が出資をするという保障を与えておるから、こういうふうにすでに閉鎖機関になり、実体はなく
なつ
たものでありましても、これに対して
政府
が過去における契約に従
つて
出資をするということでありますると、同じような場合において、外地機関について当然いろんな問題が起
つて
来ると思うのであります。ことに外地における日本人の財産の賠償という問題も、これは当然起らなければならぬ問題だと思うのです。しかるに南満洲鉄道
株式
会社に対してだけこういう
措置
をとられるという何かの理由があるのか。特別な理由がなければならぬはずだと私は思うのですが、いかがでしようか。
河野一之
104
○
河野
(一)
政府委員
閉鎖機関につきましては、未払込みの株金というものは、満鉄のみならずすべての会社についてあり得るわけであります。満鉄につきましても、もちろん普通一般の株主もあるわけでありますから、その未払込みの義務というものは、
法律
上はあります。ただこれは
河野
さんのおつしやる通りに、現実にこれを払い込むかどうかという問題につきましては、これまた別途の問題でございまして、そういう関連があるということは、私はお話の通りごもつともなことだと思
つて
おります。
河野密
105
○
河野
(密)
委員
くどいようですが、そこで承りたいのは、社債権者、それから重要なる株主というようなものはどういうものがあるか、これをはつきりしていただきたいと思います。
河野一之
106
○
河野
(一)
政府委員
ただいま手元に持ち合しておりませんので、適当なときに申し上げたいと思います。
河野密
107
○
河野
(密)
委員
私はこういう問題について、
政府
にもつとはつきりした御用意があ
つて
しかるべきかと思うのでありますが、
委員長
ごらんに
なつ
て、野党が騒ぐのが無理ですかどうですか。ひとつ公平に裁断をくだしてください。
委員長
の所見を伺います。
塚田十一郎
108
○
塚田主査
政府委員
において十分調査をせられて、至急御回答あるように希望いたします。
河野密
109
○
河野
(密)
委員
次に私がお尋ね申し上げたいのは、戦後財産税の徴収をいたしました際に、物納と称して、いろいろな株券なり、あるいは土地なりを物納したものがたくさんあると思うのであります。それらの全貌についても承りたいのですが、特に株券につきまして、今日株が非常に値上りをしておりまするが、これらの問題については、大蔵省はどういう処置をおとりになるのでありますか。
阪田泰二
110
○阪田
政府委員
物納によりまして
政府
の所有になりました株券等につきましては、だんだんとその
処分
をはか
つて
参
つて
おるわけであります。いろいろ内容が区々でありまして、中には市場性のないものも相当ありまして、そのためには従業員
処分
をいたしますとか、縁故者に売るとか、そういう
措置
をと
つて
おるものもありますし、市場性がありまして、市場で値段の出ておるものにつきましては、時期を見て適当に
処分
をしつつある状態であります。
河野密
111
○
河野
(密)
委員
これは、財産税の場合においては物納をしておりますが、その財産税の額は大体決定しておるわけであります。今日の
評価
に従うならば、その財産税の納入すべき額よりも、はるかに株の値が高く
なつ
ているものも相当あると思うのであります。そういうものにつきましては、いかなる処置をおとりになるか。
阪田泰二
112
○阪田
政府委員
財産税で物納になりました財産につきまして、土地、建物というようなものにつきましては、これは納付価格よりも現在価格がおおむね上
つて
おるわけでありますが、株につきましては必ずしもそうではないのでありまして、一応の
評価
をきめて、納付価格として納めさせましたが、その後会社の内容がよくないということで、その値段ではとうてい
処分
できないというものも相当あるわけでございます。いずれにいたしましても、財産税の納付関係につきましては、その納付価格でも
つて
納付されたことに
なつ
ておりまして、
政府
の財産に
なつ
ておるのでありますから、
政府
といたしましては、これをできるだけ有利に適切に
処分
して行く、こういうことをはか
つて
おるわけであります。
河野密
113
○
河野
(密)
委員
処分
に対する利益はすべて
政府
の
収納
するところである、こういうわけで、その税を過納したというような
措置
は、これには適用にならないのでありましようか。
阪田泰二
114
○阪田
政府委員
お話の通りでございます。納付のときにおきまして、納付価格によ
つて
それだけの税金を納めたものと
整理
をいたしておるのであります。その後の値上りあるいは値下りは、あとからどうということはいたさないのであります。
河野密
115
○
河野
(密)
委員
もう一つお尋ねいたしますが、戦後における特別な金融
措置
としての第二封鎖の問題でありますが、第二封鎖によ
つて
封鎖されました財産、これはどういうふうに今後処置されるのか、この点を承りたい。
河野通一
116
○
河野
(通)
政府委員
お答えいたします。第二封鎖によりまして一応打切られました預金は、御承知と思いますが、金融機関再建整備法に基きまして、これをいわゆる旧勘定に入れたわけであります。その後その旧勘定に入れました打切られた預金に見合うべき資産が、あるいは土地の値上り、あるいは株その他
有価証券
の値上り等によりまして、現在では旧勘定を調整勘定という言葉を使
つて
おりますが、この調整勘定の利益が出ました場合におきましては、その利益の範囲内においてこれを打切られた預金者その他の債権者に返すことに
なつ
ております。その返し方は、打切られた順序の逆の順序で返して行くということが
法律
にちやんと書いてあります。そういうことでありまして、現在まで、昨年の暮れに大体
支払い
ができる見通しのものは、現在では大体銀行でありますが、銀行につきましては、将来にわた
つて
大事をと
つて
もなおかつ
支払い
ができると思われる範囲のものにつきましては、第二封鎖の打切られたものに対する
支払い
を調整勘定でやることを認めまして、現在すでに一部の銀行は、打切られた預金者に対して百パーセント
支払い
をいたしております。中には五〇%あるいは三〇%というものもありますが、そういう形で現在
整理
いたしております。ただ問題は、
政府
から
補償
金をもら
つて
おりますものにつきましては、
法律
上
補償
金を先に返した後でなければ、これを打切られた預金者に返すわけに参りません。たとえば保険会社等にありましては、
政府
の
補償
金は相当多額に
なつ
ておりますので、これらにつきましては、まだ
支払い
をする実際の力はないと思
つて
おります。もう一点は、対外関係の債権債務は非常に多額に上
つて
おります。これは銀行とか、あるいは保険会社等がありますが、こういうものにつきましては、今後の外交折衝によりまして、これらの渉外関係の債権債務はどういうふうになるか、これらの問題もありますので、これらの渉外関係の債権債務の非常に多額に上
つて
いるものにつきましては、いましばらく今後の外交折衝の結果を見た上でやりたい。なおそれで利益がある場合は打切られたものに返す、こういう方針をと
つて
おります。
河野密
117
○
河野
(密)
委員
私は以上をもちまして、法務
大臣
に対する質疑の部分だけを除いて質問を終りますが、私この際に
大蔵大臣
に要望しておきますが、
大蔵大臣
がいろいろな大蔵省の事務とか、あるいは財政のこととかいうことにあまり通暁しておられないということは、万々私たちも承知で質問を申し上げておるのでありますが、それにしましても、税金の名前を知らないとか、それから実際において大蔵省の実態について、財政の問題について、あまりに勉強が私は足らないと思うのであります。そこで年輩者であり、大先輩である
大蔵大臣
を前に置いて、われわれそういうことははなはだ申し上げたくないけれども、私はこれは
大蔵大臣
もよく考えていただきたいと思うのです。なぜそういうことを言うかというと、先日来この
予算
委員
会における一般の印象が、あかたも野党は柄のないところへ柄をすげて騒いでいるのだ、こういうようなことを与党並びに
政府
の方ではしきりに言
つて
おられますが、私は今日、一番皆様方に御了解の行くように質問をしておるつもりであります。
主査
もよくお認めに
なつ
ていると思う。それにもかかわらず、私が質問している間において、もう数回、私たちがもうそんなことならば審議は続けられないとい
つて
もさしつかえないような御答弁をなさ
つて
いらつしやる。実際これは真剣にひとつ考えていただきたいと思うのであります。われわれは、何も
予算
委員
会において
政府
のあげ足をとろうとか、そういうようなことを毛頭考えているわけでなく、
国民
の疑問とするところのものは、われわれもまた疑問とするところのものである。それを明らかにしたいという趣旨にほかならないのであります。少しくその趣旨をつつ込んでお尋ねをすると、ほとんど
大蔵大臣
はこれに対して御存じない。私はこれではあまりに情ないのではないかと思うのでありまして、十分ひとつ肝に銘じてお考え願いたいということを
最後
に申し上げておく次第であります。
塚田十一郎
118
○
塚田主査
伊藤
好道
君。
伊藤好道
119
○
伊藤
(好)
委員
私はごく簡単に資料のお願いであります。第一にお願いしたい点は、
政府
の方から
委員
会にいただきました防衛関係の費用の使用状況であります。これは去年のときにも、十一月三十日現在で使つた額と、今後の使用見込みというようなものをいただいたわけであります。それから今度もまた、一月末現在の使用状況、それから二月、三月の使用の見込額、二十八年度に繰越し使用の見込み、こういうような形で資料をいただいたわけであります。しかし何分これは厖大な費用でございますので、
河野
氏は大体これで今までの状況がわかつたというようなお話でありますが、私は実はいま少し詳しい資料をいただきたいのであります。 〔
主査
退席、軍政
主査
代理着席〕 その第一の点は、今まで一月末現在で使用された契約の内容、そういうような点にわた
つて
もう少し詳しい資料をいただきたいのであります。それと申しますのは、実は私どもはちよつと必要があ
つて
、武器等
製造
法案の参考資料を通産省からいただいたのでありますが、これはいろいろな発注状況とか、生産能力の関係について、各会社別に相当詳細な資料を実はいただいておるのであります。それで防衛関係の費用につきましても、私はそれに似たような、詳しい具体的な形における使用状況がわかるものをひとついただきたいというのが一点であります。 それからいま一つは、三月末までに締結されないで、二十八年度に繰越される分について、あらかじめ契約を結ばれる見込み、その契約の内容、こういう問題についても資料をいただきたいのであります。これをひとつお願いいたします。
河野一之
120
○
河野
(一)
政府委員
契約と申しますか、
支出
負担
行為と申しますか、これは実は
防衛支出金
につきましては、大蔵省で一本でや
つて
おりますので、見ておるのでございますが、安全保障費その他につきましては、非常に
支出
宮が多数に上
つて
おりまして、府県もございますし、地方の建設局、運輸省の港湾事務所等もございまして、何月何日という詳細なものを出しておりますので、われわれそういうふうなお話がございまして、目下調査しておる報告をとりまとめておる次第でございます。明年度に繰越されますものにつきましても、これも現実の契約ということになりますと、設計を立てて入札をするということになりますので、その契約額が幾らになるか、今の段階でどうであるという数字はちよつと申し上げかねる次第であります。
伊藤好道
121
○
伊藤
(好)
委員
ただいまの
防衛支出金
の方は大蔵省だけで、あとの方はいろいろ直接の担当の当局がかわ
つて
いるというお話は、よくわかるのであります。そこで第二の
安全保障諸費
以下は、役所別でもけつこうだと思うのでございますが、必ずしも同じ形式でなくていいと思うのでございます。今ここで私どもがいただいた以上に、もう少し詳しい資料をいただきたいと思います。それから将来のことは、むろんまだ御契約の決定といいますか、いろいろな未定のところもございましようが、たとえばいただいたものの中でも、二十八年度に繰越し使用見込額の中が二つにわかれておりまして、使用継続、民有不動産の
購入
費、返還財産の
補償
費云々、こういうようなことにわかれておるのでございまして、そうして総計が出ておりますから、これを少し具体的にしていただければ、大体私どもの要求の見当がおつきになる、こういうふうに思うわけでございます。 〔
重政
主査
代理退席、
主査
着席〕 それから第二以下でも、百八十三路線の新設、改良、鋪装、札幌・千歳間道跡以外にそういうものがありますが、その百八十三路線の名前だとか、地域、こういうようなものをできるだけ具体的にしていただきたいと思うのでございます。これは
予算
の中でたいへん大きな金額でございますし、過去にわれわれは、防衛とか軍事関係の費用が、国会の十分の審議なくして、一括承認のもとに使われた経験を持
つて
おりますので、特にそういう点でお願いするのであります。 それからいま一つは、私の印象なんでございますが、十一月までに使われたものと、十二月、一月と二月の間に使われた金額、さらに二月、三月に使われる金額、こういうようなものをごく大ざつぱに、しろうとの目で見ましてもわかるように、むろん契約というものは、平均に契約されるものでないということは、非常によくわかりますし、土地の使用とか、その他非常にむずかしいものがありますから、時間が経過するにつれてどんどん進捗して、従
つて
経費
の
支出
が非常にふえて来るという一般論はわかりますが、それにもかかわらず、どうも
主計局長
のお話を承つたことがあるのでございますが、費用が十分節約されて何らのむだ使いがなくて使われているかどうか、こういうことについては、幾らか私どもは疑問を持たざるを得ないのでございますから、そういう点をも考慮していただきまして、この点の資料については、たいへん押し詰まつたようではございますが、特に私はお願い申し上げる次第であります。
河野一之
122
○
河野
(一)
政府委員
移しがえ使用をいたしましたものにつきましては、積み上げた数字でありますので、道路は百八十三路線ございますが、これは全部
内訳
がございます。それは御提出申し上げることができると思います。使用の二十八年度以降のものにつきましては、現にいろいろ折衝その他をしておるものがございまして、この前にも申し上げましたように、いろいろ直したり何かしておりますので、いろいろ交渉中のものとしてあれいたしましたので、この点はまだ契約が決定していないものもあります。この使用済みの分につきましては、
内訳
がございますから提出を申し上げます。ただ七月二十九日まで向うが施設区域を使用いたしておりますので、それからいろいろ具体的に配置がえ、こちらの接収を解除するのにつきまして具体的な配置がえをいろいろやりまして、その場所等につきまして、また設計等につきましてもなかなか交渉がきまりませんでしたので、年末におきましてうんと出たような次第であります。意外に最近において非常に進捗しておるというような事情でありますので、御了承をお願いいたします。
伊藤好道
123
○
伊藤
(好)
委員
契約というような言葉は不用意でありましたが、契約だけでなくて、たとえば設計ならば設計中のものが大体どの見当というようなところもあ
つて
いいと思うのです。現実の状態がそうであればそれでけつこうでありますから、ぜひ具体的な、全体としての総合がわかるような資料をいただきたいと思います。それからあとは私は大して特にお伺いしたいことはありませんが、ただいま
河野
委員
が言われました満鉄関係の
予算
のことでございますが、これはどうでございましよう。何か最近清算の関係が進捗して来た、単にただいま御
説明
に
なつ
たような、
法律
上請求権があるから、万一請求された場合に備えて
予算
をあらかじめ計上しておくというようなことではなくて、清算が具体的に進んで来て、実際に今年度計上しなければならない必要が起きているというような事態が実際にあるのじやないでしようか、これをひとつ伺いたい。
河野一之
124
○
河野
(一)
政府委員
これは単に形式の問題であるわけでございまして、財政法の二十八条で「国庫債務
負担
行為で翌年度以降に亘るものについての前年度末までの
支出
額及び
支出
額の見込、当該年度以降の
支出
予定額並びに数
会計
年度に亘る事業に伴うものについてはその全体の計画その他事業等の進行状況等に関する調査」これを出せということを要求しておるわけでございます。過去においてやりました国庫債務
負担
行為——昔は
予算外
契約と言
つて
おりましたが、実はそれを全部出すことに
なつ
ておるわけでございます。昔そういうものについて
予算外
契約をちようだいしておりまするので、その分を、出す出さぬは別といたしまして、全部網羅して出しておる、こういう形式的な意味でございます。
伊藤好道
125
○
伊藤
(好)
委員
実は私もしばらく満鉄の嘱託をしておつたことがございますが、私自身の感じたところでは、何か最近清算の関係が進捗しているのじやないかということを実はちよつと耳に入れたのです。ただいま
主計局長
の御答弁を聞いておりますと、たいへん慎重な御答弁でございますが、もしそれが事実ならば、やはり事実をお話いただいた方がいいと思いまして、私は答弁を要求したのであります。
阪田泰二
126
○阪田
政府委員
ただいまの満鉄関係の未払込金の関係でございますが、これは
昭和
二十年に増資いたしましたもので、
政府
の持分が現在三億七千五百万円ございますが、それを債務があるということでそのまま一応計上した、こういうことであります。実態関係について申し上げますと、満鉄は御承知のように閉鎖機関として特殊清算人が現在清算手続中でありますが、内地関係の債権、債務、資産、負債等の
整理
は、大体片づくところまで片づいたという状態であります。その関係におきまして、この払込みをと
つて
埋めるという予定は現在のところありません。それから在外関係の資産、負債についてでありますが、この部分につきましては、大体現在向うに残して参りました財産価値に比べれば、負債の額は非常に内輪に
なつ
ておるわけであります。ただ種々の関係でこれが
最後
にどういうふうに結着をいたすか、いろいろ外交関係その他の関係もあると思いますが、それが確定するまではどういうふうになるとも申し上げかねるわけであります。そういう関係で、清算の関係が延びておるということに
なつ
ております。
塚田十一郎
127
○
塚田主査
伊藤
さんに御相談申し上げますが、先ほど
河野
君が保留せられました点について、法務
大臣
が見えましたので……。
伊藤好道
128
○
伊藤
(好)
委員
一言だけ……。今の満鉄の払込みで、清算人の方の関係があ
つて
払込みが現実に行われた場合、そうして清算が進捗するというような場合の清算進捗の実態、そうして清算した結果、利益がどういう方面に流れて来るか、たとえば従業員、あるいは社債権者、あるいに株主、こういうものの関係については、大蔵省では大体お調べに
なつ
て、大体の見当といいますか、情報といいますか、そういうものをお持ちでしたら、そういうものもわかるような形で、あとで資料でけつこうでございますから、いただきたいと思います。
河野密
129
○
河野
(密)
委員
先ほど
大蔵大臣
にお尋ねしたのですが、先般来この
委員
会におきまして、警察法の
改正
に伴う警察制度の根本的な改革があるにもかかわらず、財政的には何らの変更を要しない、こういう抽象的な話ばかりで終始いたしておりまして、その具体的な明細な内容については何ら論議がされていなかつたと思いますので、私は今度の警察制度の
改正
の前提として、現在の警察費の全貌がどういうふうに
なつ
ておるかということを、まず
所管
の方から承りたいと思います
齋藤昇
130
○齋藤(昇)
政府委員
お答え申し上げます。二十八年度の国家地方警察の
予算
は、
総額
二百二十億でございます。それから自治体警察の
予算
の
総額
は、まだ自治体においては全部
予算
の編成を終
つて
おりませんので、正確に申し上げるわけには参りませんが、二十七年度の
予算
にいまだベース・アツプをしていないところはべース・アツプをするであろうというものを見込みまして推定をいたしまして三百十億と推定をいたしております。この
総額
五百三十億でございます。そこでこの五百三十億の中で、人件費が大部分でありますが、国家地方警察、いわゆる国庫の支弁に属しますのが百三十六億、それから自治体で支弁をいたしておりますのが二百四十八億、合計三百八十四億、それから人件費以外の
経費
、これは国家地方警察の費用が八十四億、自治体警察が六十二億、かように相
なつ
ているのであります。この人件費以外の
経費
は、合せまして百四十六億、かような数字に相
なつ
ております。国家地方警察の二百二十億のうち、先ほど申しました人件費が百三十六億、人件費以外の費用の約六十億の内容は、装備関係、教養関係、通信関係、犯罪鑑識関係、警衛警備関係、それから警察官の一般の活動の旅費及び捜査費というようなものをも
つて
占めている次第でございます。府県の方の自治体警察の六十二億の人件費以外の
経費
も、ほぼただいま申し上げましたような費目に
なつ
ておると思いますが、数養関係、それから通信関係の費用は、自治体警察においては非常に少いものと考えております。
河野密
131
○
河野
(密)
委員
この
予算
書によりますと、国家地方警察の人員は、
職員
その他を入れまして約七万一千人だと思うのでありますが、今日自治体警察の人員は幾らに
なつ
ておりますか、その両方を総合した場合に幾らになるのか。しこうして地方の財政平衡
交付
金の中に含まれておる警察費の分担部分は幾らか、これをお示し願いたい。、
齋藤昇
132
○齋藤(昇)
政府委員
人数は、国家地方警察の国費で支弁いたしておりますのは、警察官と警官以外の
職員
を合せまして六万五千、これは皇宮警察も入れまして全部で六万五千。それから自治体警察の方は全部入れまして九万五千、かような数に
なつ
ておるのでございます。 それからあとでおつしやいました、平衡
交付
金の中で地方の地町村が警察費にどれだけ使
つて
いるかというお尋ねであります。これは私の方から答弁いたしまするよりも、自治庁から答弁される方が適当であるかと考えますが、平衡
交付
金は、御承知のように全体の財政基準需要額と財源を計上いたしまして、その差額を
交付
するということに
なつ
ておりますので、当該自治体におきましてどの程度警察費に充てておるかということは、計算が困難ではなかろうかと考えておるのでございます。
河野密
133
○
河野
(密)
委員
国警長官の
説明
でありますが、今の国家地方警察官は、この
予算
書に出ておりまする数字と違う。七万一千二百三十八名と出ておりまして、これに対する
予算
が計上されております。今六万五千というのでありますが、この
予算
書に出ておりまする分は、これからふやそうという意味でありましようか。
齋藤昇
134
○齋藤(昇)
政府委員
申訳ありません。それは私が申しましたほかに、巡査見習生が入
つて
おりまして、それを申し上げるのを落しておりました。いわゆる警察官になるために学校で教養をされておる生徒でございます。
河野密
135
○
河野
(密)
委員
地方自治体警察の限度は九万五千ということに
なつ
ておりますが、現在九万五千の限度いつぱいに地方の自治体は警察を設置しておるのでありましようか。
齋藤昇
136
○齋藤(昇)
政府委員
市町村の警察吏員は定数は、ただいま
法律
では制限をいたしておりません。従いまして市町村の条例の定めるところによ
つて
自由に
なつ
ております。しかしながら今日各市町村できめておりまする条例定員を集計いたしますると、約八万三千人となります。そうしますと、私が先ほど九万五千と申しましたのと一万二千という差がございますが、これは吏員にあらざる一般
職員
でございます。
河野密
137
○
河野
(密)
委員
そこでお尋ねしたいのでありますが、この国家地方警察費として二百二十億、自治体警察費として三百十億、こういう数字はわかりました。しかし自治体警察費として現在自治体が
負担
しております部分の中には、自治体のみが
負担
しておるのであ
つて
、平衡
交付
金を受けておらないところがあると思うのでありますが、この平衝
交付
金を受けておらないところの自治体警察費の
負担
分は、一体幾らに
なつ
ておりますか。
齋藤昇
138
○齋藤(昇)
政府委員
お説のように、平衡
交付
金をいかなる関係の費目においても全然受けていない大都市を初め市町村もございます。たとえば東京都は一文も受けていない、大阪もほとんど受けていない、あるいはそのほか中小都市においてもそういうようなものがあるわけであります。それから受けておりましても、財政のゆたかなところはごくわずかしか受けていないというところがあります。従
つて
それらのもの全部を合せてどのくらいになるか、この算定は私の方では非常に困難でございまして、幾らということを正確に申し上げることはむずかしいと考えておりますが、あるいは百四、五十億は受けていない分に当ると申し上げてもいいかと思います。たとえば東京警視庁は約七十億円ですが、一文も受けておりません。そういうところから推定をいたす次第でございます。
河野密
139
○
河野
(密)
委員
そこで
犬養
法務
大臣
にお尋ねしますが、私は今の御答弁はきわめて不満足です。なぜかといえば、平衡
交付
金を受けていない自治体の警察費を計算に入れることなしに、それが一体どれだけの額に上るかということを計算しないで、ここに盛
つて
ある
予算
によ
つて
十分まかない得るのだということは、一体どういうところから出るのか、法務
大臣
の責任ある御答弁を願いたいと思います。
齋藤昇
140
○齋藤(昇)
政府委員
二十八年度においてまかなえると前に申し上げましたのは、現在まか
なつ
ているわけでございますから、現在のままでまかなえる。たとえば東京の警視庁は現在七十数億の
予算
でまか
なつ
ている。
経費
の
負担
区分は、二十八年度は制度を
改正
いたしましても従前の通り支弁をするということによりまして、東京都はやはり七十数億の警視庁の
予算
を従前通り支弁する。二十八年度は、言葉をかえて申し上げますと、自治体警察を持
つて
いる市町村は、財政
支出
といつた面におきましては従前通りということでありまするから、従前の財政
措置
でまかなえる、新しい財政
措置
を講ずる必要がない、こういう趣旨でございます。
河野密
141
○
河野
(密)
委員
私は
政府
の言わんとするところは、中央でまかなおうと地方でまかなおうと、
国民
のふところから出る分にかわりがなければそれでいいじやないか、こういう根本的な考え方だと思うのであります。しかしわれわれは
予算
を審議するにあた
つて
、そういうことでは責任を果すことができないと思うのであります。そこで私は先ほどからお尋ねしているのでありますが、国家地方警察費というものはこれにちやんと載
つて
おります。それから地方財政平衡
交付
金というものもちやんと載
つて
おります。しかし平衡
交付
金を受けておらない自治体の警察費は一体幾ら
負担
して行くのか、私はこの全貌を明らかにすべき筋合いであると思うのであります。同時に財政平衡
交付
金の中において、地方に警察費としてどれだけが行
つて
いるのだ、平衡
交付
金の中でこれだけ使われているのだ。それでなければわれわれは、この警察費が、現に今日はそれで間に合
つて
いるから、今までの惰性でそれで間に合うということでは、警察制度の
改正
によ
つて
何らの財政的な破綻は生じないのだという
説明
にはならぬと思うのであります。これは法務
大臣
から責任ある御答弁をいただきたいと思います。
犬養健
142
○
犬養
国務
大臣
私どもの考え方は、まず
組織
の——これも御意見の違いかと思いますが、
組織
を改革して十分国内の情勢に備える。しかし本年度は今のままの
支出
でかわりがないのであるから、根本的なそういう改革は来年度にしよう、こういう考え方で行ける。また大してさしつかえないという考え方でや
つて
おる次第でございます。
河野密
143
○
河野
(密)
委員
私はただいまの御答弁で満足いたしません。現在や
つて
おるからして、それは惰性でや
つて
行くんだろうという目分量以外には、警察費が聞に合うか、間に合わないかということは判定すべき材料がないのであります。私は少くとも現在の警察費で足りるというならば、人数、それから将来警察の規模をどういうふうにするかということと、現在自治体で
負担
しておる部分、平衡
交付
金の中における警察費の額、それらのものを総計してみて、はたして警察の費用をまかない得るに足るか足らぬか検討をしなければ、われわれは責任ある検討にならぬ、こう思うのでありまして、その点を明らかにしてもらいたいと私は先ほどから質問をいたしておるのでありますが、齋藤国警長官は——私決してあげ足をとるわけじやないけれども、警察官の人数すらはつきりつかまえておらないじやないですか。私はそういう態度に対してはきわめて不満足である。いやしくも警察法がここで審議されて何日になると思いますか。一週間以上に
なつ
ていて、警察官の人数すら把握しておらないで、財政は間に合ります。 ————— 自治体で現在
負担
しておるところの警察費というものは、その全貌すらつかまえておらないで、それで財政は間に合いますと言う。私は決して納得することができない。私は
犬養
君からもう一ぺん責任ある答弁を願わなければならぬ。
齋藤昇
144
○齋藤(昇)
政府委員
私どもが申し上げておりまするのは、本年度は、制度の
改正
の有無と、それから市町村で
負担
をする費用の額、支弁の方法というものは
改正
によ
つて
何ら変更がない、この前提に立
つて
申し上げておる。前提と申しますのは、さように
法律
措置
を講じ1従いまして本年度制度の
改正
がないものとして、一体地方財政がや
つて
行けるかどうかという御質問であれば、これは私はよくわかると思うのであります。
改正
がありましても、その
負担
区分には変更を加えないという
措置
をとるのでありますから——
改正
がないとしても、現在自治体の財源逼迫の折から、それで平衡
交付
金が足りるのか足らないのかという御議論ならば、これは御議論は別だと思います。これは自治庁からお答えをすべきだと判断いたします。それは地方財政にどのくらいの財源を与えて行くのかどうかという問題であります。ここで問題に
なつ
ておりますのは、私は制度の
改正
によ
つて
どういう変改が加えられ、その変改を加えることによ
つて
どんな財政
措置
をするかというのが
河野
委員
の御質問の趣旨かと思うて、御答弁を申し上げたわけでございます。
犬養健
145
○
犬養
国務
大臣
お答えをいたします。同様の考えでございまして、市町村の
経費
の額に変化のないような方法でやる、こういう考えでいるわけでございます。
河野密
146
○
河野
(密)
委員
ただいまの御答弁によりますと、大体地方の財政がそれでや
つて
行けるか、や
つて
行けないかという問題は、これは自治庁の関知すべきもので、法務省の関係すべき筋合いでないということでありますが、私はこれははなはだその意を得ないと思うのであります。いやしくも警察制度の
改正
という閣議で決定したものについて、その財政の処置をいかにするかということは、ひとり自治庁のみが関知すべきものでないと思うのであります。警察制度そのものを
改正
する場合に、当然その点の考慮をしなければならない問題だと私は思うのであります。従
つて
自治体のみが警察費を
負担
しておるそのところについて、これは地方財政法の第十三条によ
つて
新しく義務を課するのでありますから、それに対しては財源を与えなければならぬということが当然に起るべき筋合いのもの、だと思うのであります。この点についてはどういうふうにお考えになりますか、承りたいと思います。
齋藤昇
147
○齋藤(昇)
政府委員
河野
委員
におかれましては、何か感違いをしていらつしやるのではないかと私は思うのであります。 本年度はたとい制度を
改正
いたしましても——制度と申しますのは警察制度の
改正
でありますが、たとえば十月一日に実施するとしましても、費用
負担
の支弁方法は、本年は従来通り。と申しますことは、従来国家地方警察の
組織
に属しておつたものの支弁は国が持つ。従来というのは現在です。現在市町村の
組織
に属しているものについては、本年度だけは市町村がそのまま持つ。そこでこれは制度を実施いたしました後の本則ではありませんから、本年度限りにいたしまして、来年度は
法律
の本則に返りまして、それぞれの費用を
負担
する。言いかえて申しますと、本年度は制度が
改正
になりましても、
経費
は一文も増さない。現在府県では府県の公安
委員
会の費用を出しておりますが、この公安
委員
の二人分がふえるだけでありまして、府県には何ら本年は費用
負担
の
支出
増加
はございません。他の部分におきましては、先ほど申し上げたように、特別の臨時
措置
といたしまして、従来の
組織
に属しているものに要する費用は、従来の
組織
から出すという便法でありますから、この
改正
によりまして財源関係には何ら変更を来さない、いわゆる制度の
改正
がなかつたと同様なのであります。
河野密
148
○
河野
(密)
委員
私はちつとも感違いもしてなければ、何もしてない。 それではお尋ねしますが、その制度の
改正
だけで一切の
負担
区分その他については触れない。それならばあなた方は、この制度を
改正
なさるについて、現在の地方財政の実態でよろしい、十分まかない得るという前提に立
つて
この
改正
をやつたと承知してよろしいのですか。
齋藤昇
149
○齋藤(昇)
政府委員
現在制度の
改正
がなくても、市町村が十分警察費をまかない得ると思
つて
いるかというお尋ねと了解してよろしうございますか。
河野密
150
○
河野
(密)
委員
そうです。
齋藤昇
151
○齋藤(昇)
政府委員
私は市町村におきましては、財政上非常に困難をしているところもあるやに聞いております。しかし現在の市町村の
支出
と、それから財源関係というものを見ておりますのは、自治庁及び大蔵省であります。私は自治庁及び大蔵省の処置に信頼をいたしておるのであります。
河野密
152
○
河野
(密)
委員
重ねてお尋ねしますが、それではただいま法務省では、中央における国家地方警察の署員は七万一千、地方は九万五千の定員であるが、八万三千というふうに押えていらつしやいます。もしこの
法律
案がかりに通
つて
十月一日施行をせられる前に、各自治体が費用の
負担
には耐え得ないからというので自治体警察を廃止するということを住民投票によ
つて
決定をした場合においては、法務省はいかなる態度をおとりになりますか。
齋藤昇
153
○齋藤(昇)
政府委員
ただいま考えております制度の
改正
が実施せられる前に、現在の
法律
によ
つて
市町村警察を住民投票によ
つて
廃止をするということをやつた場合にどうするかというお尋ねだと思いますが、これは
法律
の施行と同時に現在の
法律
がなくなるわけでありますから、そういう手続はもうとれなく
なつ
てしまう。かように相なるのでございます。
河野密
154
○
河野
(密)
委員
いよいよも
つて
われわれは納得することができないのです。
法律
をも
つて
、自治体警察を財政上の
負担
に耐えないから廃止するというものがあ
つて
も、廃止をさせない。しかしこの制度の
改正
によるところの費用というものはそれでまかなえるのだ、こういうりくつは一体どこから出て来るのでありますか。私はこの点においておそらくすべての人が納得が行かないと思うのであります。
齋藤昇
155
○齋藤(昇)
政府委員
現在の警察法によりますと、今後廃止をするという決議をやり、住民投票をやりましても、二十八年度中は警察を維持しなければならないことに
なつ
ているのであります。今後さような決議をいたしましても、二十九年の四月一日でなければ自治体警察の廃止ができない、こういう
法律
の規定に現行法が
なつ
ているのでありますから、その点は何らさしつかえないと私は考えます。
河野密
156
○
河野
(密)
委員
現行法はそう
なつ
ているにしても、今度新しい
法律
によ
つて
は、自治体警察を廃止することは禁止するわけだと私は思うのでありますが、法案をまだ拝見しておらないからわかりませんが、そう承知してよろしいのですか。
齋藤昇
157
○齋藤(昇)
政府委員
現行法は、ただいまも申しましたように年度の切りかえのときに警察の廃止、あるいは再び設置といういわゆる責任の転移を行うことに
なつ
ているのであります。二十八年の四月に警察を廃止したいというものは、すでに昨年の十月までに決議をして報告をしなければならない。そのものは現行法の規定によりまして今年の四月に廃止になる。それから後のものは、また来年の四月になるまでは廃止はできないという規定に
なつ
ておりますので、今度
改正
法にそういうことを書かなくとも私は当然だと思います。
河野密
158
○
河野
(密)
委員
私はその点は了解いたしましたが、そこで最初の問題にかえ
つて
、ただ制度を
改正
するのであ
つて
、財政的な変更を加えないのであるからという理由と、この経済上の
負担
が耐え得るか耐え得ないかということは別個の問題だと思うのでありますが、その問題を何ら考慮しないでこの警察制度の
改正
ということをお考えに
なつ
たのか。あるいはその点は十分考慮の上に立
つて
いるのか。もし考慮の上に立
つて
いるならば、その考慮の基礎を示してもらいたいというのが私の質問の趣旨であります。これは
委員長
もよくおわかりに
なつ
ていると思うのでありますが、この点を私は法務
大臣
から承りたいと言
つて
いるのです。
犬養健
159
○
犬養
国務
大臣
個々の町村はいろいろ財政上の困難もありますので、府県単位に今度
改正
しよう、こういう考えに立
つて
いるのであります。
河野密
160
○
河野
(密)
委員
私納得できませんが、もう一つつつ込んでお尋ねします。この警察制度の
改正
にそれだけ地方の市町村が財政
負担
に耐えないと思うから府県単位にしようというならば、市町村は現に警察費はこれだけのものを
負担
している、平衡
交付
金の中で警察費として
負担
しているものはこれだけである、しかしこの人数からするならば、これだけの費用がいるはずであるから
負担
に耐えない、こういう計数の基礎が私はなければならぬはずだと思う。ただ目分量でも
つて
負担
に耐えるとか耐えないとかいうことを言
つて
も水かけ論になるから、その基礎を一体どうお考えに
なつ
ているかということをお尋ねしているのであります。
犬養
さんが、もし市町村の経済が耐えられないと思うから府県に移すのだというそれほどの御親切があるならば、その基礎をお示しを願いたい。こういうのが私の質問の趣旨であります。
犬養健
161
○
犬養
国務
大臣
私の言葉が足りないのか、あるいは誤解があるのでありますか、現在の市町村が現実に
負担
に耐えきれないからこの制度を思いついたという理由ではございません。この点は悪しからず御了承を願います。
河野密
162
○
河野
(密)
委員
あとの点を答弁してください。
齋藤昇
163
○齋藤(昇)
政府委員
大臣
がただいまお答えになりましたように、今度の制度の
改正
は、市町村の財政をどうするか、市町村が警察を維持する財源がない、非常に困
つて
いる、それだから制度をかえるという趣旨ではないと
大臣
もおつしやいましたが、その通りであるのであります。従いましで、市町村に警察をまかすということが財政上どの程度の圧迫に
なつ
ているかという見地と離れての
改正
でございますから、その点はわれわれといたしましては十分調査をいたしておりません。
高橋禎一
164
○
高橋
(禎)
委員
ただいまの
河野
委員
の質問に関連して、
政府
の所信をはつきりお伺いしておきたいのでありますが、一体新らしい制度をつくるまでは、その制度が完全に運営されて行くということの見通しを持ち、かつ責任を持たなければならぬと思うのであります。ところが、地方財政は破綻はないであろうということを自治庁なりあるいは
大蔵省関係
の人が言われるから、それを信頼してこの警察制度を
改正
樹立するが、もしもその地方財政に将来何かの事情によ
つて
、もしくは自治庁なり大蔵省の考え方が間違
つて
お
つて
破綻を来して、そうして警察費の支弁をすることが不可能に
なつ
たときには、警察制度というものは
運用
できない。そういうふうなあやふやなことでも
つて
この重大な警察制度
改正
ということに臨まれることは、はなはだ無責任であると考えますので、単に自治庁や大蔵省の言うことを信頼しているとかいうことでも
つて
、何ら基礎的な調査もしないで、地方財政は破綻を来さないのだということの確信を持たないでこういう制度を立てようとされる考え方が、また地方財政にも非常に重荷を負わせ、それに破綻を来す原因をつくると考えるのでありまして、こういうふうな財政という面をしつかりと研究をしない、それについての確信を持たないで新しい制度をつくるということが一体いいのか悪いのか、制度をつくるためには財政のことは考えないで、つくりさえすればいい、こういつたような考えを持
つて
おられるのかどうか、その点をはつきりとお伺いいたしておきたいのであります。
齋藤昇
165
○齋藤(昇)
政府委員
二十八年度は、再々申しております通り、この
負担
の方法なりやり方というものは従来通りであります。従来も市町村は、ところによりましては非常に
負担
に苦しんでおるという声は聞いておりますが、これは平衡
交付
金の制度によりましてまか
なつ
ておるのでありまして、われわれ警察側から見ますならば、自治体警察の立場に立
つて
も考えておるのであります。さような点から申しますならば、平衡
交付
金の警察の基準財政需要額をもう少し増してや
つて
もらいたいという感じはいたしております。しかしこれで市町村の治安が保てないというようには考えておりません。本年度の平衡
交付
金の財政基準額におきましても、私は大蔵省、自治庁でおきめになりました点が事くやむを得ない限度であろう、かように考えておるのであります。
高橋禎一
166
○
高橋
(禎)
委員
地方財政はこれまで何とかや
つて
来たから、将来も何とかや
つて
行くであろう、こういう考え方を持
つて
おられるようでありますが、地方財政が日に日に窮迫しおるということはもはや常識であります。それを
昭和
二十八年の十月一日にかりに警察法が実施されますと、それから以後も今までと同じように何とかや
つて
行くであろうというような安易な気持でも
つて
見通しをつけていらつしやるのが
政府
の考え方のようであります。しかし事はそう安易なものでないのでありまして、しかも一般地方公共団体は平衡
交付
金が非常に少い。これではどうにもや
つて
行けないということを訴えておる実情なんです。そうした常識から見ても、また現在の私どもの見通しからしても、地方財政の窮乏から、はたしてこの警察費を完全に
負担
して行くことができるかどうか大きな疑問のあるところへも
つて
行
つて
、それらの点を少しも考えないで、調査もしないで、そして新しい制度をつく
つて
地方にその財政
負担
を押しつける、こういうふうな考え方は、警察制度
運用
そのものに大きな危険がある。うまく行くか行かないか、まあや
つて
みようといつたようなきわめて無責任な考え方でも
つて
この制度をつくられようとする、その意図は、きわめて危険なものである、警察制度がはたして完全に
運用
できるかどうか疑問がある、こういうことを考えますので、その点についての
政府
の所信を伺いたいのであります。
犬養健
167
○
犬養
国務
大臣
高橋
さんにお答えいたします。地方財政がなかなか楽でない、これをどうにかしなければならない、こういう御質問のお心持はよくわかります。また同感でございます。しかし私どもが、二十八年度に限り制度の改革をや
つて
、
経費
の
支出
の状態はそのままにして行く、それは地方財政の窮迫問題の本質とは別でありまして、ただ私どもがみずから戒めなければなりませんのは、制度の改革によ
つて
、二十八年度でも地方財政のなかなか楽でない状態にさらに拍車をかけてはいけない、こういうことは十分戒心をしたのでございます。従
つて
制度を改革するが、地方財政はなかなか楽でないから、来年度は何とか国の財政参のやり繰りをして、地方財政をゆたかにしたいという別の問題はここにございますが、二十八年度の警察
組織
の改革によ
つて
、その地方財政のなかなか楽でないところにさらに一段の拍車をかけないだけのことは保証申し上げる、こういう意味でございます。これは先ほど
河野
さんの御質問に対してもあわせてお答えを申し上げることになるかと思うのであります。
塚田十一郎
168
○
塚田主査
河野
君及び
高橋
君に御相談申し上げますが、本会議のベルが鳴りましたので、もし一、二問でこの警察関係だけ質疑を終
つて
いただけるならば終
つて
いただき、さもなければ……。
高橋禎一
169
○
高橋
(禎)
委員
犬養
法務
大臣
の御答弁には満足いたしませんですが、関連質問であるから、この辺で
河野
さんにお返しいたしましよう。
河野密
170
○
河野
(密)
委員
じや私もごく簡単に結論だけ申し上げます。今承りました点でも、どうも納得が行かないのであります。そこで
大蔵大臣
に、法務
大臣
と両方いらつしやるところでお尋ねしたいのですが、国家一本の警察制度にした場合において、警察官の人数並びに警察費の限度をどういうふうに押えておられるか。防衛費というものとこの警察費との関係をどういうふうに考えておられるか、言いかえるならば、防衛費は千四百五十億というのでありますが、この防衛費と一本に
なつ
た警察費と合せたものをわれわれは防衛費と考えたいと思うが、そういうような点について
大蔵大臣
はどういう考え方を持
つて
おられるかという点をお尋ねいたしまして、私の質問を終ります。
向井忠晴
171
○向井国務
大臣
防衛費と警察費というのは、性質が似たようでございますけれども、本質は違うように存ずるのであります。これを合せて計算するということはいかがかと思います。
犬養健
172
○
犬養
国務
大臣
お答え申し上げます。ただいま総人数は十二万二千くらい、それを十一万五千人に減らす予定であります。
経費
の
総額
は、大体四百九十億、五百億以内、こういうふうに予定をいたしております。
塚田十一郎
173
○
塚田主査
本会議が開会されましたので、暫時質疑を中止いたします。なお質疑の御通告も相当数残
つて
おりますので、本会議に支障のない適当の時刻に再開して、質疑を続行したいと存じます。 暫時休憩いたします。 午後四時二十分休憩 ————◇————— 午後六時三分
開議
塚田十一郎
174
○
塚田主査
休憩前に引続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。質疑の通告がありますからこれを許します。 〔
主査
退席、南
主査
代理着席〕
南好雄
175
○南
主査
代理 塚田君。
塚田十一郎
176
○塚田
委員
きようはしんみりとお尋ねをいたします。別に
政府
をいじめるというわけではありませんから、のんびりとお答えを願いたいと思うのであります。実は本日の野党側の
委員
、特に
河野
委員
の御質問にもありましたように、ことしの
予算
がインフレを誘発しないかということは、実際私どもも非常な関心を持
つて
おるのでありまして、インフレを誘発してはならないということにおいては、おそらく野党側の
委員
の諸君も結論において同じことだと思うのでありますが、ただどうも
予算
とインフレの関係というものがどうしても私どもにはつきりとのみ込めないのです。
予算
自体どんなに規模が大きく
なつ
ても、収支のバランスがついておるならば、時期的に多少の影響はあ
つて
も、全体一年を通じての影響として見れば、それによ
つて
通貨が増発して、もしくはインフレになるということはあまりないのじやないか。もちろん先ほど
河野
委員
から御質問がありましたように、
予算
の中で
消費
的な性向を持つた
支出
と、生産的な性向を持つた
支出
で多少違いますが、しかし全体として見れば、むしろ私が申し上げることの方が大きく原因するのじやないかと思う。ですから私どもがこの
予算
を見て、国家財政が対民間の収支において、引上げの超過になる面が大きいのか、
支払い
超過になる面が大きいのかということがどうしても知りたい。そうしてそれを一年を通じて知りたいと同時に、時期的に知りたい、こういうように考えておるわけであります。ところが、そういう考え方から問題を検討してみますと、ちつともわからない要素が実にたくさんあるのであります。たとえばことしの
予算
に計上してありましても、もしも繰越明許費のようなもので、うんと来年に
支出
がまわ
つて
しまうということになると、引揚げだけは
予算
通りに上
つて
来るが、
支出
は年内に出て来ないということになる。また
収入
の面でも、
政府
は
予算
を一応組んで、税収をこれくらいというようにや
つて
おられますけれども、過去何年かの例を見ておりますと、
予算
よりも相当大きく
収入
が上
つて
おるということになると、
予算
通りに
収入
引揚げの面が実行されるということにはやはりならない。そうするとその
支払い
を起す原因と、
政府
側が国家財政の面で
収入
を起す原因というものをやはりそういうぐあいに時期的に厳密に検討してみないと、インフレになるのかならないのかということがよくわからない。そういう原因を検討した上で、さらに今度
政府
の施策としてかりに
支払い
超過が起
つて
も、
政府
は金融政策か何かの面でこれを押えられる見通しと自信がおありかどうかということをあわせて検討しないと、私はその結論は出て来ないんじやないか、こういうように考える。ところがそういうぐあいに考える場合に、それでは昨年の
予算
の場合にどうであつたかというと、昨年の
予算
の場合には、財政面から来る基調というものは非常に引締めの基調に
なつ
ておつた。そこで民間が非常に金詰まりで困つたものだからして、去年は手綱のとり方を、引締めの基調の上に立
つて
、ゆるめる手綱をと
つて
おられたと思う。民間が困れば
政府
資金
を民間に預託して、そうしてこれを貸し出させるというようにや
つて
おられたと思う。今度はおそらくその逆を考えられると思う。ことに時期的に非常に払出し超過になれば、民間の手を通してと申しますか、日銀の貸出しなどを引締めることによ
つて
それを調節される、こういうふうに考えておられると思うのですが、そういう状態を全体的に考えて、インフレにならないならばならないという自信をお持ちに
なつ
ているかどうか、そこのところを聞かせていただくわけに行かないか。これがわかりませんと、ただインフレにならない、しない自信があると言われても実はよくわからない。そこで個々に伺いますれば、たとえばことしは非常に繰越明許費というものがたくさんあるのであります。
予算
全体の数字を拾
つて
みますと、何か四千億ぐらいあるらしい。そうすると半分、四割何分かの繰越明許費の金額に
なつ
ておるのですが、一体この中からどのぐらいがほんとうの来年に繰越されるものだろうか、そのはつきりした見通しはおつきになりませんでしようか。大体どのくらいのものが繰越明許費の費用に
なつ
ておるかということは、今までの慣例や何かで、大体このくらいはことしは使わずに来年に行
つて
しまうだろうというような目安でも立つものでしようか、この点どうでしようか。ことに二十七年度
予算
の繰越明許費が二十八年度にどのくらい行くような情勢が今の段階で想像されるか、そういうこととあわせて、こんな状態ならば、二十八年度の
予算
の中の繰越明許費はこのくらいの。パーセンテージに行くのじやないかというような見通しはどう
なつ
ておるか、その点をひとつ。
河野一之
177
○
河野
(一)
政府委員
お答え申し上げます。初めから繰越しを予定いたして
予算
に組んでいるのではございませんので、いろいろなことで計画が整わずといつたようなことで繰越しが起るのでございます。二十六年度で申しますと約七百億ばかり二十七年に繰越しがございました。その中には、先ほど申し上げましたように事故繰越しもございますし、継続費の繰越しもございます。二十六年度は継続費の方が多かつたようでございましたが、それから繰越明許費で、やはり七百億のうち一番大きかつたのは
平和回復善後処理費
で、あれは補正
予算
をとりましたのが全部繰越しになりましたり、そういつたような関係が多かつたのでございますが、七百億と申しますと大体
予算
の一割足らずでございます。通例その程度のものがまた翌年度へずれて行くというようなことで、特別の事情のない限り大きくふえて行くというようなことは最近の事情ではないのでございまして、大体その程度のものが毎年
予算
の使いぐあいで翌年度に行くのが、最近の例であろうというふうに考えるのであります。
塚田十一郎
178
○塚田
委員
まあ一割くらい残
つて
行くだろうということですが、去年も残つたからこともまた残るだろうということになると、二十八年度には二十七年度の分が使われて、二十八年度の
予算
がまた二十九年に残
つて
行くという意味においては、これはそういう影響はないということになるかと思うのですが、それでは
収入
の面で一番大きい税収の面ですが、もうここまで来ておりますからして、大体二十七年度の年度末における税収の見通しをつけておられると思うのですが、どのくらいな数字に
なつ
ておりますか。それから主税局がことしの
予算
をお組に
なつ
ておる考え方からして、来年度の今お積りに
なつ
ている
予算
の上に、年度内に行われるいろいろな給与の改訂や何かというものを想像してみて、
予算
の上にどんな追加のものが出るだろうかというようなことの見通しがあるならば、ひとつお聞かせ願いたい。
渡邊喜久造
179
○渡邊(喜)
政府委員
お答え申し上げます。かなり数字が固ま
つて
来てはおりますが、この年度末におきましていつでも相当の
歳入
が入るわけでございます。現在といたしましては、もう少し状況を見て参りませんと、金額的にどの程度の
収入
繰越しがあるかということはちよつと申し上げかねると思いますが、昨年補正
予算
を行いました後の数字から考えてみましても、そう大きな金額が自然増収として出て来るということは考えられないと思
つて
おります。それから本年度の
予算
は、従来の例に顧みまして、そこに自然増収の財源が出て来るというようなことはちよつと予想できないような金額を、現在二十八年の
歳入
として見積
つて
おるつもりであります。従いまして大体見積り金額を切るということも万ないと思
つて
おりますが、そこに大きな額の自然増収が出て来るということは、少くとも現在の情勢下におきましては、具体的にはないというふうにわれわれは考えております。
塚田十一郎
180
○塚田
委員
そうすると、ことしからは大体来年に
剰余金
を持
つて
行くことは少い。そういうことになると、二十八年度の
予算
に二十六年度の
剰余金
四百五十億というものが財源に組まれておるということは、二十八年度中には民間からは引揚げないで、散布だけされる用意がこれだけあると思う。同じ状態が、ずつと一年置きに繰越しが続いて行かないということに今の
主税局長
の
説明
では伺えるのですが、そうすると、かえ
つて
この面は引揚げる方よりも払う方が大きくなるということになるのじやないでしようか。そうすると、これは全面的にインフレを起す要因になる、引揚げないでもろに払出しがある、大体
剰余金
が財源に充てられて、半分が
国債償還
になりましても、半分というものはもろに引揚げなしの
支払い
ということになるが、そのように理解してよろしいか。
河野一之
181
○
河野
(一)
政府委員
繰越しをいたしますときには、財源をも
つて
、つまり先ほど七百億とかいうことを申し上げましたが、その分の財源をも
つて
翌年度に繰越しをするわけでございます。その面から申しますと、七百億という見合いの財源というものは一応吸い上げておるわけでございます。従
つて
その面では、年度だけを見ますとそういうことになります。従
つて
支出
の方が翌年度に出るということになりますと、やはりそこに金融上の調整を必要とする、つまり今まで指定預金とかあるいは預金部の金を出しますとか、そういうことを通年や
つて
来て参
つて
おる次第でございます。
塚田十一郎
182
○塚田
委員
どうも突然に立ちましたので、私も頭の
整理
をして出て来なかつたから、十分質疑が尽せないのが残念でありますが、とにかくただ
予算
を見ておりましても、これでインフレになるかどうかということは簡単に結論の出て来ない面が非常にありますので、何らかの機会に、
政府
側が二十八年度についてのそういう見通しをぜひつけられて、世間にはつきりしていただいて、そしてこれで絶対にインフレというものを起さない自信があるということをお示し願えれば非常にありがたいと思います。 次に金融政策の面でありますが、これは本
委員
会でも一般質疑の際に相当たくさん質疑があつたので、ここであらためて質疑をいたさないでもよいのでありますが、ただ金融面で引揚げるということを考える場合に、無理無体に引揚げるということは、今の金融機構の上からしてできないのではないか、つまり日銀が新しく貸さないという考え方はできても、貸してあるものを引揚げるというときには、ただ返してくれというだけにはいかぬので、おそらく当然中市銀行なり、また市中銀行を通して借りておる民間業者が返さざるを得ないというような環境というものが出て来ないと、うまく返
つて
来ないのじやないかということになる。そうすると金利政策というものが非常に重要になる。金利の問題について
政府
がどのようにお考えに
なつ
ておるか。今も全体の金利政策の傾向としては、利下げをしたいという考え方でありますが、引揚げたいということになれば、利上げをしたいということに
なつ
て来ると思うのです。その辺を
大蔵大臣
はどんな考え方をしておられるか。
向井忠晴
183
○向井国務
大臣
金利を引上げて、そうして金を吸い上げよう、そういう方法は一番よくないというふうに考えております。やはりできるならば金利は下げたい、それで貸す方を控える、あるいは
政府
が預金をしてあるものを引揚げるとか、そういうふうなことにして、無理のない金の引揚げ方ということにしなければいけないと考えておりぎす。
塚田十一郎
184
○塚田
委員
金利を引上げて返させるのはよくないとおつしやるけれども、経済というものの考え方からすれば、引揚げたいときは金利を引上げるというのが常道であ
つて
、一方金利を引下げたいという日本経済に独特な事情があるからして、日本経済の今の状態としては、金利を引上げるということによ
つて
資金
を引揚げるということはうまくない、こういうことなんだろうと思うのですが、しかしそういうぐあいに物をお考えになると、引揚げなければならないところからはあがらないで、ほんとうに借りたいところに金融政策全体として貸してやれないというところが出て来るのじやないかと思うのです。この点はどうでしようか。
向井忠晴
185
○向井国務
大臣
それですから、貸す方は規制する。不急のもの、あるいは不生産的なものには金を貸さない。それで一つはいいと思います。 その次に、引揚げのきくもの、それはものによ
つて
はむろん金利を引上げてもいいでしようが、そういう金利の引上げをして、しかも産業に害がない、仕事にさしつかえないというもの、そういうものがいろいろあればようございますが、それが十分でない場合には、やはりまだるつこしくても新しい貸出しをかげんする、減らすということを主とする方がいいと考えております。
塚田十一郎
186
○塚田
委員
考え方に別に反対があるわけではないのでありますが、そういいう方法でいよいよ引揚げをしたいというときに、うまく引揚げられるか、そうして引揚げた結果経済界にあまり思わしくない現象を起さずに済むかどうかということを非常に心配しておるわけですが、せつかくしくじりのないようにや
つて
いただきたいと思います。 それから次にお尋ねしたいのは、二十八年度中に大体
政府
預金を民間に預託するというような状態が出て来るだろうかどうか。二十七年度分はこの三月三十一日で全部お引揚げになると思うのですが、二十七年度中に一体どれくらい
政府
預金の預託が行われたか、また個々にどうということでなしに、全体の額として二十八年度の見通しをお聞かせ願いたいと思います。
河野通一
187
○
河野
(通)
政府委員
お答え申し上げます。現在大体指定預金は三百五十億程度残高があります。そのうち期限が参りますものが相当年度内にありますし、一応期限は年度末にみな来るわけであります。現在の国庫収支の状況から見ますと、ある程度はこれを来年度に持ち越してもいいようなものもあるようであります。しかも指定預金は、御承知のように大体中小企業金融の疎通ということを中心にいたして参
つて
おりますので、これらの中小企業の金融機関の
資金
繰りを急激に圧迫するということは、金融全体として非常に好ましくない。国庫収支の許します限りにおいて、私どもは来年にこれをなるべくたくさんのものを持ち越してもらいたいという希望で、現在具体的に、国庫収支の見通しとにらみ合せながら具体的計画を立てております。その場合におきましても、できるだけ中小企業金融機関に対する預託に重点を置いて残す、こういうような方法を考えて参りたいと思います。ただ具体的な手続は、
会計
法等の関係もありますので、一時返してまた預けるという方法をとるかもしれませんが、その辺は手続の問題でありまして、実質的にはできるだけ国庫収支の許す限り来年度へ持ち越すように配慮を願いたいというので、内部的に今や
つて
おります。そういたしました場合に、来年度におきまして新しい指定預金ができるかという問題、この点も来年度における国庫収支の全体の問題ではなくして、時期的な収支のずれということを考えなければならぬが、ただいまのところでは、おそらく国庫の散布超過ということが千三百億とかいうようなことを理財局長が申し上げておりますが、こういう散布超過はおそらく来年度の下半期において起
つて
参る。上半期におきましては、おそらく散布超過ということにはならぬ、あるいは若干揚げになるのではないかという見通しを持
つて
おります。大体そういう点から考えますと、ある程度まだ指定預金をする余地があるかもしれませんが、そういたします場合には、指定預金もまた考えることが必要に
なつ
て来る場合もあるかと思います。ただこの場合に一つ注意をいたさなければなりませんのは、大体指定預金の目的は、従来中小企業金融の疏通ということを中心にして参りました。ところが中小企業金融の疏通ということになりますと、勢い期間を相当長くしてやらないと、短かい期間にして引揚げるということでは、一般の普通の銀行で、
日本銀行
との取引を持
つて
おりますものの時期的金融の調節は短期でもいいわけでありますが、中小企業金融の疏通を目的といたしますと、そう短かい期間ではうまく行かない。これらのこともありますし、来年度もしかりに指定預金をする余地があるといたしましても、相当期間は短期にしなきやならぬというような点もありますので、これらの問題は、来年度に
なつ
て国庫の時期的収支の具体的な見通し等をはつきり立てた上で考えて参らなければならぬと考えております。
塚田十一郎
188
○塚田
委員
どうも理財局長の千三百億散布超過という根拠が私にはよくわからない。二十七年度も八百億くらいは計算の上では散布超過があるらしい。しかし実際にはあまり散布超過に
なつ
ていないというのだが、ああいう数字を不用意にお出しになるから、
国民
もしくは国会の中でよけい議論が混迷をして行くと思う。ああいう数字をお出しになるときには、もうちよつと巨細に
説明
を加えてや
つて
いただかないと困るのです。そこで、中小企業金融の問題が出たのでついでにお尋ねしたいのですが、昨日も北村
委員
が、盛んに自由党は手放しで自由経済をや
つて
おると言
つて
おられ、そうして小笠原経審長官は、いやこれでいいのだという話でありましたが、私どもから見ると、一体どこが手放しの自由経済なのかちつともわからないのです。今
政府
がや
つて
おられるようなことは、自由主義経済から考えればずいぶんの脱線です。ことに金融政策一つ見ましても、自由主義経済では、それを使つたらうんともうかるところに金が自然に流れて行くというのが原則なのです。今
政府
がおやりに
なつ
ている金融政策は、そういう面を残してあるところもあるけれども、たとえば今の中小企業金融なんかは、ちつともそんなことはないと思うのです。国の手で次から次と中小企業金融機関をお設けに
なつ
て、国の手で金をお出しになるときには、必ず国家的な観点からある計画を立てて、しかるべきところへお出しに
なつ
ておるのでありますから、完全なる計画金融をおやりに
なつ
ておる。実際ちやんと計画を立ててや
つて
おられながら、ああいう質問をされて、はつきりとその点をなぜ御答弁にならないかと思
つて
、ぼくは与党ながら実は歯がゆく思
つて
おるくらいなのです。また私ども与党の立場から見ると、
政府
がああいうものの考え方をしておられて、こういうものをや
つて
おられて、その間の考え方の混乱というものをどういうぐあいに頭で
整理
しておられるか、また国家機関の手による金融の一つの財源は、税金で強制蓄積をしたものをお出しになる。そうでないものは、たとえば預金部
資金
でありますとか、とにかく国の自由になる金をお出しに
なつ
ておる。これは私は、本来の金融政策とばかりは考えられない。何か金融政策に別の政策的考慮をお加えに
なつ
ておると私は思
つて
おる。そうしてその考慮は、中小企業金融の場合には、むしろいくらか社会政策的な考慮をお加えに
なつ
ているんじやないかと思うのですが、その辺
大蔵大臣
はどうなんでございましようか。
向井忠晴
189
○向井国務
大臣
お説の通りでございまして、中小企業に対する金融なんということは、むしろこれは社会的のものと私はいつも考えておるのであります。それで、生産的のものに出すというようなことならば、いわゆる自由主義経済でしようが、中小企業金融なんというものですと、社会的の意味以外には、それは間接には生産の助けになるということにはなるでしようけれども、社会的の性質をよほど強く帯びたもの、そう考えております。
塚田十一郎
190
○塚田
委員
中曽根委員
がお見えになりませんようでありますし、もし来なければこの
分科会
が打切られてもやむを得ないということを御了解に
なつ
ておるようでありますから、あまり長くお問いする意思はありませんが、
最後
に一、二点伺いたい。実際問題として非常に困
つて
おりますのは、金融政策もいろいろそういう面を考慮に入れてや
つて
いただくのは非常にけつこうなんですが、ただ今のごとき金融政策というものは、どうしても小さい、弱いものが置いて行かれてしまう。国が手を入れておやりに
なつ
て——これは自由経済の上で弱いものがつぶれて行くというのは、その考え方からすればやむを得ないという考え方も出て来ると思いますが、国が手を入れていられる場合には、やはりこれは弱いものだからとい
つて
捨てておくという考え方は成り立たないとぼくは思う。そこで非常に心配いたしますのは、むしろ零細企業の金融というものが大きな問題だ。それからもう一つ心配しておりますのは地域的に非常に置いて行かれている地域がある。現在の金融機構の傾向からいうと、広く集めた
資金
を大きなところにまとめて使うという考え方、そうすると、府県にしても非常に財力のゆたかな府県、非常に有利な産業のある府県というものと、そうでない府県というものとでは非常に金のまわ
つて
行き方が違うと思う。また一つの府県内におきましても、たとえば県庁の所在地——特に一府県に一銀行という大体の統制があるものですから、本店の所在地に近い方が割合恵まれる、そうでないところはただ吸い上げつばなしになる、そういうことに関連して私どもが近ごろ非常に心配しておりますのは、そういう辺鄙なところの銀行の支店がもうからないから、どんどん閉鎖をされて行くという傾向が非常に強い。市中銀行の方はそういうふうにつまらない、つまり辺鄙なところの支店はどんどんつぶして、なるべくもうかる方に支店を増設する。何か承ると、銀行局の物の考え方に、支店の数はふやさない、そのかわりどこかつまらないところはつぶしてしま
つて
、それでつくればよろしいという方針に
なつ
ているということですが、さて一方
政府
の金融機関になりますと、やはり支店なり支所をお設けになるときは、そういうところばかりつくる。そうすると今まで商工中金があり、
国民
金融公庫があ
つて
、大体そういうものの支店、出張所というものはみな同じところにある。たとえば新潟県の例であれば全部新潟市、商工中金も金融公庫もつくるとなるとみな新潟市に集まるに。そうするとわれわれのところ、つまり新潟県の高田市なんというところは、新潟県のまつたくのいなかでありまして何もない、高田から新潟へ行くまでには六時間も汽車に乗らなければならぬ、もうちよつとすれば東京へ来た方が早いというような状態のところがいつまでも置いて行かれてしまう。こういうところは、少くとも
政府
の手で金融に若干の調整を加えられるというならば、もう少し涙のある、情のある、親切味のある処置をぜひしていたがかぬと困る。自由経済の原則にまかしておくと言われるならばそれはやむを得ませんが、そうでないならば、もうちよつと考えていただきたいと思うのですが、どうですか。
河野通一
191
○
河野
(通)
政府委員
お答え申し上げます。金融機関の店舗の問題でありますが、私どもは先ほどお話もありましたように、必ずしも銀行につきまして一県一行という主義をと
つて
はおりません。経済事情に応じまして、必要なところには新設の銀行を認めております。これは現在まで相当数認めて参つたのであります。また既設の銀行の店舗につきましても、私どもといたしましては大体全体の数はにらんで、この程度でいいという立場に立
つて
おりますので、原則といたしましては、もう銀行の店舗は全国的に大体この程度でよろしいという立場に立
つて
おります。しかしながら必ずしも個々の例外を全然認めない、漸増は認めないということはや
つて
おらない。そのうちうちの経済情勢によ
つて
、特別のところにつきましては現に認めた例もございます。つまり漸増を認めた例もございます。 なお地方銀行におきましては、お話のようにややもすれば大都市に店を出したがる。そうしていなかにおけるいくらか採算的にみて合わないようなところを引上げる、大都市でいくらか採算がいいところへ出したがるという傾向は確かにあります。しかしこの点は、私どもはやはり中央銀行として地方の金融の需要に応ずるという観点から、地方を軽視してはいけないということで、むしろ地方銀行が大都市に、特に東京、大阪への進出については厳にやかましく制限をいたしておりますような状態であります。なおこの場合におきまして、地方の金融といたしましては、従来の銀行というものの金融制度の中に占めておりました地位というものと、最近におきまする金融制度の中に占めております銀行というものはおのずから性格がかわ
つて
参
つて
おります。と申しますのは、きのうも北村さんから御意見がありました相互銀行、信用金融の制度が、従来の小さい普通銀行がたくさんありましたときに果しておつたような使命任務というようなものをこれらの信用金庫、あるいは相互銀行等が置きかわ
つて
その任務を果しているという面もありますので、ただ店舗は、普通銀行だけの店舗の配置とかいうことだけから考えないで、従来普通銀行が果しておりましたけれども、現在はこれらの相互銀行、信用金庫というものが育成されて参りました過程においては、これらの店舗というものもあわせて考えて行きたい。さように考えている次第でありまして、これらの点につきましては十分実情につきまして考慮はいたしますが、原則は今申し上げましたような次であります。
塚田十一郎
192
○塚田
委員
なお二、三質疑したいことがあるのでありますけれども、他日時間が許された場合に保留いたしまして、質疑を打切りたいと存じます。
南好雄
193
○南
主査
代理 ほかに質疑の通告者もございますが、いずれも本日はおさしつかえがあるということで御出席になりませんので、きようはこの程度にいたし、明日は午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十八分散会