○辻原
委員 やつと明確に相なりました。少くとも
地方の固有の事務を国の職員がや
つておるという例はないという法制局の見解をはつきりと記憶いたしておきます。
次に御
質問しておきたいのは、本法案の第六条におきまして、次のようなことを規定いたしております。すなわち教育
委員会が管理執行する事務の
指揮監督ということで「文部大臣は、この
法律の規定に基き教育
委員会の権限に属する事務の管理又は執行について、教育
委員会を
指揮監督する。」なお、この委任した
事項について教育
委員会が行わない場合については文書でその期限を付して行うことを明示し、なお行わない場合にはみずから教育
委員会の行うべき
事項についてこれを執行するということを規定いたしております。この規定は
地方自治法を見てみまするに、
地方自治法の第百四十六条の第二項においては同様のことが規定されておりまするが、その第二項を見ますと、その場合においては、主務大臣が、行わない
都道府県知事に対してその行うべきことを高等
裁判所に請求をするということに相な
つております。すなわちこの
地方自治法の立法精神を考えてみまするに、あくまで機関委任をいたしました事務でありましようとも、これが少くとも
地方において一旦乱されたからには、かりにその命令が背反する場合がありとしても、直接国がこれに関与し、直接これに執行するということについては、
地方自治の建前から、これは不適当であるという観点において、少くとも第三者機関であるところの
裁判所の公正なる判定に基いてその執行を命ずるという、きわめて
地方自治に対する慎重な取扱いが規定されておるものと、かように考えるのであります。ところが今回出されておりますこの第六条を見ました場合には、かような手続を経ずして、直接に文部大臣がその事務を執行するということに相な
つておる点が、私は、現在の
地方自治法の建前なり。
地方自治法の立法精神から見る場合には、これは明らかにただいまの
地方自治の限界というものを乗り越えまして、中央集権的な行政を行わんとするものにほかならぬ、かように考えるのでありますが、その点について自治庁
長官はいかにお考えになるか承りたい。