○滝本
政府委員 人事院総裁がおりませんので、
給与局長がかわ
つてお答え申し上げます。なお人事院総裁が出て参りましたときに、御
答弁申し上げることもあろうかと思います。
まず
最初に、昨年の年末からずつと運賃とかいろいろなものが上
つておるではないかという
お話でございます。人事院はベース・アツプの
勧告をいたします際には、ただそうい
つた漠然としたことでなしに、それを統計的にとらえまして、そうして事実、たとえば生計費が五%以上上
つておるということ、あるいは民間の給与、これは公務員の給与と比べられるような、同じような職務をと
つて考えるのでございます。そういう民間の給与というものがはたして上
つておるかどうかということを確認いたしました上で、この
勧告案を作成するということになるのであります。このことは人事院におきましては絶えず研究いたしております。現在のところにおきましては、生計費等の上りというものが、最新の
資料によりましても、なおかつ昨年の五月に比べて、二・五%ぐらいじやなかろうかというふうに推算いたしております。現在ただちに給与の水準を引上げる
勧告をいたすという手順にはな
つておりません。ただ研究は絶えずいたしておりますので、必要があります場合にはこれをいたす、こういうことになろうかと思います。
次に
地域給の問題に関連いたしまして、官署が移るというようなことがある場合にどういうふうにやるかという
お話でございますが、これは現在勤務地手当のおきめを国会で願
つておるわけでございますが、それに関連いたしまして、かりに官署が敷地の変更等で移るということがありました際には、最小限度に官署指定という方法で人事院に権限をおまかせいただいております範囲で、こういう問題を解決して行くということを
考えております。目下昨年の年末に御審議願いましたこの
地域給の問題に関連いたしまして、官署指定の問題をどの程度にやるかということを研究いたしております。そのような
現状でございます。それからまた
地域給の問題につきましては、これは御指摘のように、現在少しおかしいのではなかろうかという御議論があろうと思います。この問題につきましても、抜本的に将来どういうふうに
地域給を持
つて行くかというような問題につきまして、われわれは研究を進めております。これはいろいろと根本的な問題を含んでおりますので、あるいは今ただちに行うということはできがたいというふうに思うのであります。さしあたりにおきましては、この
地域給が現在〇%から二五%という非常に幅の広いものとな
つておりますが、これをとりあえず二〇%程度に縮めて行くということが
最初の目標ではなかろうかというので、そういう
方向に向
つて努力いたしたいと思
つております。
なお給与準則は現在われわれ事務当局におきまして検討いたしております。これは御
承知のように国家公務員法が要求いたしておりますところの給与体系でございます。現在の給与法は、公務員法ができます以前からあるものでありまして、これはいろいろ変遷を経て現在の給与法にな
つておりますが、どちらかと申しますと、非常に生活給的な色彩が強いものであります。そこにはほとんど成績というものが反映される余地がない。どういうふうにや
つてお
つても、年限さえ来れば上るというのが一応の建前にな
つております。ところがまた一方におきまして級別定数というものがきま
つておりますために、いたずらにそういうものの障害を受けまして、上の級に進み得ない。
従つて昇級がストツプしてしまう。ストツプともいえませんが、非常に緩慢な昇給になるというような
現状があるわけであります。現在の給与法はいろいろいい面も持
つておりますが、一面生活給的な部面を持
つておりながら、なおかつ級別定数というような問題でいろいろ困難があるわけであります。われわれは国家公務員法の要求いたします新しい給与体系
——この基礎には職階制というものがあるのでありますが、われわれは
日本の現在におきましてどの程度職階制を導入し得るかということにつきまして、いろいろ研究をいたしております。従いまして、あまり無理のない程度におきましてこれを取入れて、そうして公務員法の要求するような給与体系をつくりたいということで、目下この研究を進めておりますが、人事院の事務当局といたしましては、ほとんど成案を得ておる次第でございます。これを近く国会に
勧告できる時期が来るのではなかろうかというふうに
考えておりますので、詳細はそのときに御説明申し上げたい、このように
考えておる次第であります。