○
猪俣委員 鍵は当
法務委員会においてわれわれが取上げましたのは、
人権擁護の
立場からで、軟禁されてお
つたことがあるのかないのか、
不法監禁であるのかないのかという点で私
どもは
調査に乗り出したのです。その結論がないうちにこの
スパイ問題が出て来たのであります。私は
鹿地氏の健康
状態が回復するとともに極力出席をさしたいと思いますが、これはどうも当
法務委員会の職責上適当であるかどうか疑問であり、これは警察から調べていただきたいと私の方では
考えておりまして、当
法務委員会に出る前に、なるべくすみやかに警察に調べていただきたいと私
考えております。なおその間にも大体の輪郭につきまして当
委員会に証言することは、私極力させたいと思います。あの日は二十分というのをそれでも一時間近くになりましたので、帰
つてから三十八度三分の熱を出しまして、二日間絶対安静にな
つてしまいました。これは怪奇な
事件でありますので、なかなかあれだけのことでは
真相はわからぬ。
なお最後に
犬養大臣にお尋ねするが、
犬養大臣は
鹿地の証言を見て峰から峰だけわかるが、谷間々々がわからぬと仰せにな
つている。あるいはそうかもしれない。但しあなた方に伺いたいことは、一体
アメリカ軍の
発表、
アメリカ大使館の
発表は峰や谷がわか
つているのかどうか。これに対してあなた方が疑問的な
言葉を発せられたことを聞いたことがない。われわれがこれだけ具体的の事実を出して、
国会が
活動して相当の事実が明らかにな
つているにかかわらず、あんな実に簡単きわまる、逮捕したがすぐ釈放したということを言
つております。しからばいつどこでだれが釈放したか、それくらいのことを
発表する
義務があるわけなのですが、一切それを
発表しない。そうして今度は
大使館の
発表として、
鹿地が
スパイ事件に
関係があ
つて逮捕したというようなことを
発表した。この
内容も明らかでない。これは一体峰なんだか谷なんだか、峰も谷もさつぱりないじやありま
せんか。これに対してあなたは疑問を持たれないかどうか、この
発表で満足せられておるかどうか、あなたの御所見を承りたい。