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廣川国務大臣 実はこの間会合いたしましたときには、一万
田日銀総裁——これは
肥料審議会の
会長を引受けてくれて、あの
答申案をつくつたところの
責任者でありまするから、一万
田日銀総裁を加え、そしてまた特に
硫安協会の
会長である
藤山君のおいでを願い、
小笠原君と私が
政府を代表して
交渉をいたしたのであります。しかし、先ほども
事務の方から申し上げたように、われわれがこの
生産コストを見る法的の
基礎がないということは、もうたびたびここで私語し上げた
通りでありまして、何を
基礎に置いてやつたかということについては、
基礎的数字はないのであります。ただ
海外に非常に安い
価格で
輸出をしておる。そういたしますと、現在の
生産過程における原材料その他いろいろなことはわからないが、幾分安くなるのじやないかということは踏めて来るのであります。それに一番大きく
影響を及ぼして来ましたのは本
農林委員会の
意思決定であります。その
意思決定によ
つて政府は、とにかく下げろ、但しこの
国会内の空気を参酌いたしてみますと、大体五十円から百円くらいのことが言われてお
つたのであります。また
硫安協会等から流れて来る声を聞いてみますと、二十円
見当くらいならば話に乗れるというような声が聞えて来てお
つたのでそれこれ勘案いたしまして相談いたしました結果、大体
高値が八百九十五円、
中値が八百六十円、下値が八百二十五円ということにいたしたのであります。この
安定帯に基きまして、
中値を
中心として取引することが望ましいのであります。そこでわれわれといたしましては、全
購連を含めた全商社がこの
中値で買えるようにいたしたいと思うと同時に、
農民諸君にも買い急ぎをしないように勧めて参りたいと思
つておるのであります。特にこの
硫安等は、
消費を節約いたしまして
——あまり使い過ぎのために害を及ぼすのが近ごろだんだん出て参
つて来ておりますので、われわれはこれを防ぎたいということを日ごろ申しておるのでありまして、一戸で一俵節約いたしますと、二十五万トンという
数字が出て参るのであります。なるべく
消費を節約いたしましてその値を下げるように、そうしてこれを
外国に向けて出して行きたいというのがわれわれの今までの
考えであります。さらにまた
交渉過程におきましても、一月から五月の間において、当初の月は値が高いが、
あとは必ず下るということを
メーカー側の方で言
つておるのであります。それらを勘案して、
高値はどうしても八百九十五円
程度にしてもらいたいということでありまして、だんだん三月、四月になると
値下りになるということを向うでも言
つておるのであります。特に
豊水期の四月になりますと、
生産が増大いたして必ず値が下るので、そういうときを勘案いたしまして、平均して
中値で取引されることが望ましいとわれわれは
考えているような次第であります。