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井上委員 あなたはそんなことを言うておるけれ
ども、もつと勉強しなくちやいけません。
超過供出や、完遂奨励金や、早場奨励金等その他
政府は
供出米の確保のために必要な財政的な
措置をと
つておるのであります。内地米に対してもこれを
消費者
価格の中に織り込むか織り込まないかということが議論にな
つております。また今のあなたの
お話のように、外国米を輸入したそのままの
価格では
消費者
価格を圧迫するからというので、財政支出をや
つているのでしよう。現実に今日低米価であり、これが低賃金の
基礎要素にな
つているところから、働くすべての人人が何とか適正米価ということを主張している。また
政府もその必要を認めて、さきに申したような諸般の奨励
措置を講じて、全体の平均
価格は確かに八千三、四百円になりはせぬかと私はにらんでいる。従
つて七千五百円ではなしに、ほんとうは平均いたしますと、八千三、四百円というのが内地産米の
生産者価格であります。ただいま現実にそこまで来ているわけです。そうなりますと、物価その他の上昇を
考えて
経営費の
増加を参酌し、また
都市の
給与ベースをも考慮して
検討いたしますならば、相当
生産者価格を引上げてやらなければならぬ要素が現実に強ま
つて来ています。そうすると、これをそのままに
消費者
価格にぶつかけます場合には、ただちにこれが
給与ベース改訂の要素になります。物価
値上げ、運賃
値上げの要素になります。そこに財政支出の必要を認めて二重
価格制という問題が起
つて来ているのです。あなたが外米に対して今御
説明くださいましたお
考えと一緒の
考え方が内地米に起
つているという、この事実を否定されちや
農林大臣は勤まりませんぞ。これは単に
農民の生産増強という問題ではなしに、
国民生活と
わが国経済の安定をどうするかという
基本が米価にかか
つているのです。そういう
見地から
考えましたときに、この二重
価格制は単なる一党のスローガンや、一党の党員のために主張しているのではありません。今日東亜諸地域における貿易の実情を見ましても、何としても
日本の生産物は安くてよい物をつくらなければならぬ。そのためには国内の生産規模をもつと国際的水準に高めなければならぬ。それにはどうしても
国民生活を安定させるという政策が強行されなければならぬ。不安動揺してこれが上昇して行くというようなことであ
つたのではならぬというところに、この二重
価格制を主張している
根拠をわれわれは持
つておるのでありまして、この点に対して慎重に
考えるべきであ
つて、単に野党側が党利的、党略的に言うておる、そんなものではありません。
日本経済をどうするかという問題の一番の
中心に今なりつつありますから、これは慎重に当面の所管
大臣として御
検討願いたいと思います。
次にお伺いしたいのは、脂料に対する対策であります、
大臣はただいま
農産物及び農業用資材の
価格の安定という項目で
説明された。
農産物価格についての安定対策は二、三品目まであげて御
説明されておりますが、かんじんの農業用資材についての対策は全然触れていない。こんな原稿はだれが書いたか知らぬけれ
ども、えらく片手落ちだと思う。というのは、今農業用資材として一番重要にな
つている肥料の問題でございますが、これは
大臣もすでにお聞きの
通り、何とかして安定した
価格で、年間を通して
農家に適期にこれを確保し、配給するという処置を
政府は
考え、国会もいろいろその点で対策を
政府に要請して来たのでありますが、この肥料
年度における需給状況から
考えて、大体国内保有といいますか、一定の在庫を三十万トン
程度常に持
つておることが肥料
価格を安定さす
一つの安定帯であるという
考え方に立
つて、今まで議論が進められて参りました。ところが最近ヨーロツパ方面の肥料との国際市場における競争が始まりまして、特にアジア地域においてドイツを
中心にする肥料の進出から、アジアの肥料市場をヨーロツパに荒されてはかなわぬという
見地でしよう、インドに対して二万トン、それからフイリピンに対してたしか一万トンから五万トンくらいですか、それから朝鮮に対して二十二万トンくらい、これらのものが国内相場をはるか下まわる
価格で輸出契約がされ、現に契約中のものもございます。そうな
つて来て、全体を計算しますと、前に申しました三十万トンの国内保有から多少上まわる計算にな
つて参ります。そうな
つて行くと、私
ども昨年この
委員会で、また本年もこの
委員会で——特に最近のことを申しますと、この夏この
委員会が肥料小
委員会を設けて、肥料の生産事情をメーカーから聞き、その
原価計算についていろいろ
検討し、通産省の肥料部長ですか、それらの人々も出ていただいて、いろいろ
検討いたしましたところ、大体採算の合う肥料
価格は幾らかということについての資問に対して、メーカーを代表した、あれは藤山愛一郎という日東化学の社長じやないかと思うが、その人は大体十貫当り千五百円くらいでなければいかぬ、通産省は九百八十円から千円そこそこじやないか、こういう話でございます。ところがその後わずか六箇月たたぬうちに、今
お話し申し上げました東亜地域への輸出の
価格を見てみると、インド向けば確かにトン当り五十ドル三十三セント、これを
日本の港で渡します場合は四十五ドル八十三セント、十貫目六百十六円、こういうことにな
つております。もちろんことしは豊水期で、肥料生産の事情には非常に都合のいい状況が出て参りまして、九月以降においては肥料は値下りの状況を示しましたので、肥料の大きな需要者であります全購連は肥料メーカーとの間に肥料安定の
価格の打合せをいたしまして、大体八百九十円から最低八百五十円ぐらいのところで、中をと
つて八百七十円ぐらいのところがどうであろうというような安定帯の
価格協定をいたしておるやに承
つております。ところが、今申しますように、これら安定帯の
一つの話が進められており、かつ話が結論に多分到達したのではないかと想像されるときに、突如として今申しましたインド向けば六百十六円、あるいはまた朝鮮向けは七百九円、フイリピン向けは六百十円という法外な安値で契約をされておる。このニュースを知りました
農民の間では、一体肥料生産というものはそんな値で売
つて引合うであろうかということが
一つと、もし引合わぬとするならば春肥にこれがおおいかぶさ
つて来はせぬだろうか、これが出血輸出であ
つて、肥料メーカーが大きな損をして輸出しておるとするならば、その損害が春肥にかか
つて来はせぬであろうかということが
一つ、それからいま
一つは、海外の肥料市場の相場がそんなに安ければ、何ゆえにわれわれにそんなに高く肥料を売りつけるか、
政府は一体何をしているんだ、これでは肥料政策はないじやないか、こういう声が昂然と最近起
つておりますが、ここで、幸いにして通産
大臣また
経済審議庁長官を兼任されておる
農林大臣に第一に伺いたいが、このメーカーの出血輸出の実情を、
農林大臣はその後報告を受け、あるいはまた個々の契約プランについて相談を受け、これに対してどういう処置をされておりますか。通産省はこれに許可を与えましたか。もしかくのごとき
価格で輸出をすることに許可を与えたとするならば、全購連を初め、国内の肥料需要者がドイツの安い肥料を買おうとする場合に、その輸入を認めますか、これを伺いたい。