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1953-02-27 第15回国会 衆議院 内閣委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十七日(金曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 船田  中君    理事 熊谷 憲一君 理事 富田 健治君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 大矢 省三君    理事 井手 以誠君       大西 禎夫君    森 幸太郎君       粟山  博君    吉田 賢一君       武藤運十郎君    原   彪君       辻  政信君  出席政府委員         内閣官房長官 江口登留君         総理府事務官         (大臣官房賞勲         部長)     村田八千穗君         総理府事務官         (行政管理庁統         計基準部長)  美濃部亮吉君         保安庁次長   増原 恵吉君         保安庁長官官房         長       上村健太郎君         保安庁保安局長 山田  誠君         保安庁人事局長 加藤 陽三君         保安庁経理局長 窪谷 直光君         法務政務次官  押谷 富三君         検     事         (矯正局長事務         代理)     高橋  孝君         厚生政務次官  越智  茂君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房総務         課長)     小山進次郎君         専  門  員 亀卦川 浩君         専  門  員 小関 紹夫君     ————————————— 二月二十五日  委員笹森順造君辞任につき、その補欠として三  浦一雄君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 二月二十四日  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九七号) 同月二十六日  恩給法の一部を改正する法律案内閣提出第一  一一号) 同月二十四日  軍人恩給復活に関する請願楢橋渡紹介)(  第二四八七号)  同(明禮輝三郎紹介)(第二五二九号)  同(今澄勇紹介)(第二五六二号)  同(吉川兼光紹介)(第二五六三号)  同(加藤精三紹介)(第二六〇二号)  元軍人遺族扶助料復活に関する請願早稻田  柳右エ門紹介)(第二四八八号)  公務員給与改訂に伴う恩給改訂に関する請願  (明禮輝三郎紹介)(第二六〇三号) 同月二十五日  公務員給与改訂に伴う恩給改訂に関する請願  (千葉三郎紹介)(第二八五六号)  軍人恩給復活に関する請願永田良吉紹介)  (第二八五七号)  同(木下重範紹介)(第二八五八号)  同(長谷川四郎紹介)(第二八五九号) 同月二十六日  軍人恩給復活に関する請願淺香忠雄紹介)  (第二九八一号)  公務員給与改訂に伴う恩給改訂に関する請願  (山崎岩男紹介)(第二九八二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  保安庁法の一部を改正する法律案内閣提出第  五五号)  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第五八号)  統計法の一部を改正する法律案内閣提出第六  三号)  青少年問題協議会設置法案内閣提出第九二  号)  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九七号)     —————————————
  2. 船田中

    船田委員長 これより内閣委員会を開きます。  本日の議題は公報をもつてお知らせしておきました通り、栄典法案内閣提出第三三号、保安庁法の一部を改正する法律案内閣提出第五五号、法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第五八号、統計法の一部を改正する法律案内閣提出第六三号、青少年問題協議会設置法案内閣提出第九二号及び厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第九七号でございます。  まず厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第九七号につきまして政府より提案理由説明を聴取いたします。厚生政務次官越智茂君。
  3. 越智茂

    越智政府委員 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  今回の改正は、人口問題に関する重要事項を調査審議させるため、厚生省附属機関として人口問題審議会を設置しようとするものであります。申すまでもなく、自立日本の当面している最大の問題の一つが、人口問題の解決にあることは、国民のひとしく認めるところでありまして、この問題は、近年国会におきましても、しばしば論議されて来たところでありますが、これに対する総合的な人口政策は、今日までのところいまだ樹立されていない状況であります。しかしながら、わが国は狭い国土において年々約百三十万人の人口自然増加を持ち、かつ、年々約九十万人の生産年齢増加を持つわけでありまして、二のことから生ずる諸問題について確固とした人口政策を持つことは、国民経済の目標を決定するためにも、またこれを順調に進行させるためにも絶対に必要なことであります。従つて、この際、人口問題に関係のある各界の学識経験者を集めて、人口問題の基本的方策を樹立するために、人口問題審議会を設置することとした次第であります。  以上、提案理由につきまして御説明いたしましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに議決あらんことを切望する次第であります。
  4. 船田中

  5. 小山進次郎

    小山説明員 ただいま提案理由説明申し上げました人口問題審議会の当面しております諸問題及びこれに対する備えにつきましては、お手元に差上げてあります資料に尽きておりますので、特に詳細に御説明することを省かせていただきます。
  6. 船田中

    船田委員長 ただいま提案理由説明を伺いましたが、本件についての質疑次会に譲りたいと存じます。     —————————————
  7. 船田中

    船田委員長 次に法務省設置法の一部を改正する法律案及び統計法の一部を改正する法律案を一括して質疑を行います。——質疑がございませんければ、御質疑ないものといたしまして両法案についての討論採決は来週の月曜日にいたしたいと存じます。
  8. 船田中

    船田委員長 次に保安庁法の一部を改正する法律案について質疑を行います。質疑の通告があります。これを許します。大矢省三君。
  9. 大矢省三

    大矢委員 今まで数回にわたつて増員が行われておるのでありますが、先だつて大臣説明によりますと、今後海上の保安についてもつと装備りつぱなもの、あるいはまたフリゲート艦にかわるべき性能のいいものをこしらえなければならぬということを申しおります。またいろいろな近代的な装備もやるそうでありますが、そのたびにこういうふうに小刻みに人員増員するのかどうか。しかも今度は数字のきわめて半端な人員増加、たとえば二千七百三十三人増というのでありますが、一体こういう二千七百三十三人というようようなのは、どうしてこうしなければならぬのか。全体の数を合せるためにこういうことになつたのか。その点を一つ質問したい。すなわちこういうなしくずしにやることはどうか。こういう半端な人数はどこからどういうふうにして計算して出て来たか、この二点についてお伺い申し上げます。
  10. 増原恵吉

    増原政府委員 増員が四月、七月、十月というふうにわけてだんだんとやつておりますのは、警備官に関するものでございますが、借用しますフリゲート及び上陸支援艇等貸与の時期、募集の都合等とにらみ合いまして、経費としての必要最少限度というふうなにらみから、こういうふうに増員の時期を区切りにいたしたわけであります。  なお増員の数が二千七百三十三人というふうになつておりますのは、もとより増員の必要の限度をにらみまして、どの必要に何人々々ということを積み上げまして、その合計がこういう数字になつたものであります。概数増員をするというわけにはなかなか参らない事情があつたわけでございます。
  11. 大矢省三

    大矢委員 それではこういうふうに解釈してよろしゆうございますか。私ども先だつてフリゲートを見学したのですが、どうもあのフリゲートによつては完全でない、目的が達せられぬということをしきりに言つておりまたが、従つて今年の予算の上にもそういうことが相当現われていると思う。その都度こういうふうにふやすこともあり得る、またふやさなければならぬと考えておられるかどうか。
  12. 増原恵吉

    増原政府委員 本年度予算お願いをしております船舶建造は、基本設計をやります期間、契約に付しまして実際建造にかかります期間等を考え合せまして、本年度中には竣工することが困難である見通しでありまして、予算の措置としても来年度に繰越しができるようにということでお願いをしたいと考えておるわけであります。大体来年度になりまして竣工する見込みであります。来年度にはそうした船舶人員増員お願いいたすようにしたい、こういうふうに考えております。
  13. 大矢省三

    大矢委員 本年度においてはこれ以上増加もしない、すなわち建造といいますか、まだ完成しないから来年度に考慮されたい、こういうことでありますが、今の計画を完成した場合にどのくらいふえる予定でありますか。
  14. 増原恵吉

    増原政府委員 来年度増員お願いする分について、まだ具体的な人数をしつかり当つておりません。およその見当を申しますと、警備官約千名くらいというふうなことになります。
  15. 大矢省三

    大矢委員 昨日か農林委員会かどこかでありましたが、今度李承晩ラインによつて起きた大邦丸の問題で今後は漁船を警戒する、こういう意味は、もしああいうことがあつた場合に、向うが発砲すればこちらはそれを保護する意味で対抗するというようなことを新聞ちよつと見たのでありますが、今のフリゲートでそういうことをやり得るのか、またやる意思があるのか。それから政府はしばしばこの計画によつてだんだん増員して行く、これは単に警備隊だけのみならず、保安隊にしても今後いろいろな新しい設備なり装備をするにつれてだんだんふやして行く、いわゆる世間でいう実質軍備の拡張のために内容を充実するという疑いを国民は持つておるのでありますが、こういうことを明らかに、何年計画でこれほどにする、こういう造船計画があつて、それにはこれこれのものが必要だから、来年度には幾らにするというふうな、相当長期にわたつて計画、方針というものを知らす必要があるのじやないか、何かうわべをごまかして、知らぬ間にこそこそして、船ができたから人が必要だ、こういうことでだんだん本格的に再軍備をやろうとするこの考え方、このやり方に対して相当国民は疑惑を持つておりますから、これが今最高限度のものだ、少くとも三年ぐらいにはこれこれのものが必要だ、これ以上はふやさない、そういう何らかの日本治安警備に対する限度というものを知らしめる必要がある。この機会に特に人員の問題、装備の問題、計画の問題を明らかにしていただく方がいいのではないか。それについてそういうことができ得るのかどうか、この点お聞きしたい。
  16. 増原恵吉

    増原政府委員 保安隊なり警備隊なりにつきまして相当長期増員計画あるいは整備計画を持つておるかという御質問でございますが、現在保安庁法によつて与えられました保安隊なり警備隊なりの目的を遂行するための方法といたしまして、現在のところ長期にわたる整備計画というものを具体的には作成をいたしておらない状況でございます。総理からも他の機会説明がありましたように、保安隊については本年度増員をいたさない、警備隊について若干名の増員お願いをする、その他事務官等といいますか、いわゆる制服を着ない人々を若干名、本年度任務遂行の必要上増員お願いをしておりますが、相当長期にわたる整備計画というものは、具体的には作成段階に至つておらない状況でございます。     —————————————
  17. 船田中

    船田委員長 保安庁法の一部を改正する法律案についての質疑中でございますが、江口長官がお急ぎのようでありますから、この機会青少年問題協議会設置法案につきまして政府より提案理由説明を求めます。江口内閣官房長官
  18. 江口見登留

    江口政府委員 ただいま議題となりました青少年問題協議会設置法案につきまして、その提案理由並びに内容概略を御説明申し上げます。  現在の中央及び地方青少年問題協議会は、御承知のように第五回国会における衆議院の「青少年犯罪防止に関する決議」及び参議院の「青少年不良化防止に関する決議」に即応し、青少年問題に関する総合的施策を樹立し、その適正な実施をはかるための機関として、設けられたものでありまして、中央青少年問題協議会は、総理府設置法に基き、総理府附属機関として設置されており、地方青少年問題協議会は、中央に準じ、全都道府県及び多数の市町村が、自主的に設置したものであります。  この中央及び地方青少年問題協議会は、関係機関との緊密な連繋のもとにへ毎年春秋二回に行う青少年保護育成運動を中心として、青少年問題に関し各種の対策を推進して参つた次第であります。  しかしながら、青少年問題の複雑性困難性にかんがみ、その施策の一層の効果をあげるためには、総合連絡機関としての青少年問題協議会強化が痛感されるに至つた次第であります。  特に、地方青少年問題協議会に関しましては、その法制化並びに国からの財政援助方について全国的に強い要望があり、一方昭和二十七年七月の衆議院行政監察特別委員会の報告のうちにも協議会強化を要望せられておりますのにかんがみまして、政府といたしましては、この際地方協議会に対して、明確な法的根拠を与えようとするものあります。  次に、本法律案内容を簡単に御説明申し上げます。  第一に、青少年の指導、育成保護及び矯正に関する総合的施策の樹立及びその施策の適正な実施に関し、関係行政機関相互連絡調整をはかるため、国に、総理府附属機関として、中央青少年問題協議会を置くことと上、都道府県及び市町村に、その附属機関として、それぞれ都道府県青少年問題協議会及び市町村青少年問題協議会を置くことができることにいたしました。  次に、青少年問題が国政及び地方行政の基本的な問題の一つである点にかんがみ、中央協議会委員には国会議員を、地方協議会委員には地方公共団体の議会の議員の参加を願うことにいたしました。  最後に、この重要な青少年の問題を扱う地方協議会のよりよき運営を期待し、とりあいず都道府県協議会運営に要する経費の一部を国において補助することができることといたした次第であります。  なお本法律の施行は本年四月一日といたしております。  以上が本法律案提案理由並びに内容概略であります。  何とぞすみやかに御審議の上御賛成くださるようお願い申し上げます。     —————————————
  19. 船田中

    船田委員長 質疑次会に譲りまして、先刻に引続き、保安庁法の一部を改正する法律案質疑を行います。井手以誠君
  20. 井手以誠

    井手委員 実は大臣にお伺いしたいのですが、その前に次長に簡単に一言お伺いしておきたいと思います。きのうの新聞によりますと、保安隊アメリカ留学は初め十名ぐらいであつたと記憶しておりますが、きのうの新聞には二百名を送つて向う学校に入れるということが出ておつたわけでありますが、その内容をお示し願いたいと思います。
  21. 増原恵吉

    増原政府委員 保安隊の持つております武器装備等の能率的な、科学的な使用等を習いますために、若干名をアメリカ各種学校にいわゆる留学をさせたいと考えまして、関係の方面と話合いをいたしておるのであります。まだ最後的には話合い決定をいたしておりません状態であります。最初第一段に行かせたいと思いますのは十数名ということを、長官新聞記者お話をしたものと思います。まだ具体的には決定に至らない段階で、話合いをいたしておるところであります。
  22. 井手以誠

    井手委員 新聞に二百名とありましたが、大体本年度中に二百名を送られる予定であるか、また送られる場合はどういう学校に入学させられる予定であるか、その点をお尋ねします。
  23. 増原恵吉

    増原政府委員 本年度中に二百名というふうな数を送る計画はございません。本年度中に送り得まするものはせいぜい——これはまだ向うとの話合いがきまりませんので、ちよつと数を申し上げかねますが、二百名などという大きい数にはなりません。向うにやります相手の学校として一応われわれが希望して向う話合いをいたしておりますのは、向う歩兵学校であるとか、砲兵の学校であるとか、補給学校であるとか、管理の学校であるとか、戦車学校であるとか、工兵の学校であるとか、そういう術科学校と申しますが、そういろ学校であります。
  24. 井手以誠

    井手委員 学校入学先は大体わかりましたが、もう一つ人数の点を詳しくはつきりとお伺いをしたいと思うのです。
  25. 増原恵吉

    増原政府委員 本年度大体われわれの希望するごとく行きますると、三十名くらいを一応希望して話合いをしております。学校は今申し上げましたような学校でありまして、まだ話合いが確定をいたしませんので、どこの何学校ということは後ほどの機会に願いたいと思います。
  26. 井手以誠

    井手委員 次にお尋ねしたいと思いますが、保安庁は二十八年度装備施設を充実される計画のようであります。そこでまずその予備知識といたしましてお尋ねいたしたいのは、保安隊の現在の装備、その内容を承りたいのであります。その内容と申しますのは、普通科連隊、あるいは特科大隊施設大隊戦車部隊、そういつた連隊大隊部隊ことの数字、そうして大砲は何門である、特車という戦車の数は概数幾らである、その数字をお示しいただきたいと存じます。
  27. 増原恵吉

    増原政府委員 今お話になりました内容は少しく相談を要する部面がありますので、協議をしましたあとで、資料として、さしつかえないところを申し上げたいと思います。
  28. 井手以誠

    井手委員 相談した上でというお話ですが、すでに今保安隊次長として責任者の立場にあられる人が相談されるというのはどうもふに落ちない。(「どこへ相談するんだ。アメリカ相談するのか。」と呼ぶ者あり)そこに資料もあると思うのですが、どこへ御相談なさる必要があるのか、その点をお尋ねします。
  29. 増原恵吉

    増原政府委員 貸与されました武器の発表の仕方については、一応アメリカ側の意見も聞く必要があるわけであります。
  30. 井手以誠

    井手委員 貸与された武器は御相談なさらなくては発表できないとすれば、それでは現在日本保安隊が持つている、借入れていないものの内容をお知らせいただきたいと思います。
  31. 上村健太郎

    上村政府委員 従来火器につきましては、各委員会の御要求がありましたときに、秘密会におきまして、種類数量等を申し上げておつたのであります。本委員会におきましてはまだ申し上げてないと思うのでありますが、武器アメリカから貸与されております種類は、自動拳銃、騎銃、短機関銃小銃自動小銃、軽機関銃、重機関銃ロケット発射筒及び迫撃砲榴弾砲、ハーフ・トラック、特車、軽飛行機、こういう種類でございまして、そのほかに車輌装備数量動力車が一万二千九百輌、トレーラーが一万、これは二十七年度予算におきまして、保安庁調達をいたしました数量を含んでおります。調達いたしましたもの及び調達計画の分を含んでおります。無線通信機は七千六百台、これも車輌と同様に二十七年度予算調達計画分を含んでおります。
  32. 井手以誠

    井手委員 ただいまお答えになりました迫撃砲特車その他の数をついでにお尋ねいたします。
  33. 上村健太郎

    上村政府委員 迫撃砲その他の火器特車数量につきましては、まだ正式にこちらに借りておるわけではございませんので、アメリカ側から事実上使用させてもらつておるわけであります。それでこの数量については秘密会の席で申し上げることにいたしております。
  34. 井手以誠

    井手委員 政府はよく保安隊軍隊でないとおつしやるのでありますが、軍隊でなくて国内治安維持のものであるならば、秘密を要することはないと思うのであります。当然私はその数字が示されるべきものだと思います。ひとつこの内閣委員会でお示しを願いたいことを強く希望する次第であります。
  35. 武藤運十郎

    武藤委員 わかつてつたら、秘密会でなくて公開したらどうですか。吉田首相は、本会議で私が秘密にしておると言つたことに対して、絶対に秘密にしていない、すべて保安隊に関するものは、これを公開しておるということを明答しておるのです。だから保安庁次長が来て秘密を要求するというふうなことはおかしいと思う。公開してもらいたい。
  36. 増原恵吉

    増原政府委員 今地の政府委員から申し上げましたように、従来秘密会においてお話をしておる状態でありますので、この点は一応大臣相談をいたしまして、次の機会に譲らしていただきたいと思います。
  37. 井手以誠

    井手委員 大臣相談して次の機会とおつしやいますが、秘密会でなければ示されないというような法的な基準があるのか。ここで発表されない法的基礎と申しますか、それをお示しいただきたい。
  38. 増原恵吉

    増原政府委員 特別に法的基準というような性質のものではありません。何と申しますか、実力部隊火器であり、米軍から事実上使用を認められておるような形のものでありますために、一応秘密会で今までお話をして来ておるわけであります。
  39. 井手以誠

    井手委員 今までは秘密会お話になつたでありましようが、軍隊でない国内治安用保安隊——国内騒擾事件であるとか、警察の手で負えないものの治安を維持するための保安隊であるならば、別に秘密会でなくてはならぬという根拠は私はないと思う。いやしくも保安隊の実際を掌握されておる増原次長はそれが言えないはずはないと思う。どうしても言えないわけですか。
  40. 増原恵吉

    増原政府委員 どうしても言えないというふうに今申し上げたわけではないので、一応大臣とも相談の上で、後刻に譲らしていただきたいというふうに申し上げたわけであります。
  41. 井手以誠

    井手委員 それでは後刻という言葉を信用いたしまして、ほかの問題からお聞きいたします。  明年度予定されている装備充実計画、その内容をお示しいただきたいと思います。
  42. 窪谷直光

    窪谷政府委員 明年度予定しておりまする保安隊及び警備隊装備改善計画でありますが、保安隊の方につきましては、軽飛行機五十機、ヘリコプター十二機というものを予定いたしております。それ以外につきましては、従来持つておりますものの耐用命数が来ましたものの補充、更新という程度に考えております。それから警備隊につきましては、先ほどお話が出たかと思いますが、警備船を若干建造いたしたいと考えておるのであります。それはまず千六百トン型のものを二隻、一千トン型のものを三隻、四十トンないし六十トンの小型のもの九隻、補給工作船の千トン型を一隻、掃海船の六百トン型を二隻、三百二十トン型を四隻、そのほか交通艇等雑船を十四隻予定いたしております。なほ警備隊につきましては、船のほかに軽飛行機を五十機購入いたしたいと考えております。
  43. 井手以誠

    井手委員 戦後武器弾薬アメリカから借りておるというお話でございましたが、それでは政府は今後もアメリカの方からこういう武器弾薬借り入れられる御計画であるか、また借り入れるとするならば、どういう装備まで借り入れられる御希望であるか、その点を承りたいと存じます。
  44. 増原恵吉

    増原政府委員 主として保安隊使用するものでありますが、武器弾薬につきましては、二十八年度におきましても米軍の方から借り、あるいは消耗品は使つてしまうことになりますが、大体貸与を受けるという建前で予算を計上いたしておりません。但し演習用空砲類につきましては、若干を予算に計上いたしておるわけであります。
  45. 井手以誠

    井手委員 引続きお借りになるということであれば、どういう種類武器をお借りになりたいのか、この点をもう少し詳しくお願いしたい。
  46. 増原恵吉

    増原政府委員 種類は先ほど概略申し上げました機関銃あるいは榴弾砲特車、そういうふうな現在借りておる種類のものであります。特に新しい特別の重装備のものを貸与を受けようという計画は、今のところございません。
  47. 井手以誠

    井手委員 それでは兵器の種類として現在借りておる以外のものは借りない、しかし数量は相当借りるかもしれない、かように了解してよろしいのでありますか。
  48. 増原恵吉

    増原政府委員 特に重装備的なものを新しく借りるという計画は今ないわけでありますが、こまごましたものでは、今借りてないものをあるいは借りるというようなことはあるかもわかりません。数量も、現在借りておるものが大量にふえるという計画は、現在のところ持つておりません。
  49. 井手以誠

    井手委員 保安隊ではそういう武器を国内で調達されるというお考えはないか、承りたいと思います。
  50. 増原恵吉

    増原政府委員 先ほども申し上げましたように、車輌類等は一部向うから貸してくれておるものもありますが、これは大部分を国内で調達をいたしております。通信器材も一部貸してくれておるものもありますが、大部分は国内で生産をいたしております。こういうもの全部を通常武器と呼んでおります。武器のうちの火器類につきましては、二十八年度予算で、国内生産という意味予算お願いをしておるものは、ございません。
  51. 井手以誠

    井手委員 それでは少しかわりますが、今日の国際情勢下におきまする武装蜂起と申しますか、吉田政府アメリカが非常に御心配なさつておる間接侵略に予想される武装というものは、どういう武装を保安庁は予想なさつておるか、承りたいと思います。
  52. 増原恵吉

    増原政府委員 われわれの目的といたしまする通常の場合においては、国警、自治警等の一般警察機関が手に負えないような大規模な騒擾暴動等に総理の命により出動するというのが保安隊警備隊の建前でありまするが、そういう大規模の騒擾暴動がどういうふうな武器をもつて起るかということは、今想定することはなかなか困難であると思います。
  53. 井手以誠

    井手委員 大体予想される武装蜂起というものを考えなくては、装備の充実ということは考えられないと思うのであります。一つの目標というか予定がなくては、装備整備計画というものは成り立たないと思うのであります。大体予想される場合に、相手はどういう武器を持つておるか。国内の騒擾に戦車も持つものか、あるいは国内でどこかの府県から飛行機が飛び立つものであるか、そういうことも予想されておるか承りたいと思います。
  54. 増原恵吉

    増原政府委員 ただいま申し上げましたように、騒擾、暴動等がどういうふうな武器をもつて起るかということを想定いたしますることは、ただいまのところ困難でございます。われわれの方の装備は、最もいい方法としては、そうした事態を未然に防ぐということにあると考えるわけでありまして、相手方がどの程度の武器を持つて来るからということに、必ずしも厳密に関連せずに、未然にこれが防遏できればけつこうではないかという考え方をいたしております。
  55. 井手以誠

    井手委員 未然に防止するというお話でございますが、それでは現在の国内の治安維持に、大体どの程度の武器保安隊が持つてをれば、鎮圧できるか。そういうことについては一定の目標と申しますか、特車を何台くらい持つてつたらよろしいという大体の標準が、治安維持の責任当局たる保安庁としてはおありだろうと考えるのであります。これは起つてみなければわからないことで、はつきりしたことは言えないかもしれませんが、大体特車というものはどのくらいあつた治安維持は確保できるというお考えを持つておられるか、その点をお聞きしたいと思います。
  56. 増原恵吉

    増原政府委員 現在陸の方につきましては、保安隊の持つておりまする装備をあまり大量に増強する必要はあるまいと考えております。海の方につきましては、現在PFを十八隻、上陸支援艇を五十隻借用をする話合いがついて、徐々に貸与がされるわけであります。それと二十八年度予算に、今説明をいたしましたようなものを計上して、お願いをしておるわけであります。海上の警備につきましては、現在のものでは不十分であるというふうに考えておりまして、財政の状況とにらみ合せまして、船舶建造を二十九年度においてもお願いをするようになると考えておりまするが、まだ具体案を作成する段階には至つておりません。
  57. 井手以誠

    井手委員 保安隊は国内の治安維持のために、どういう訓練をなさつているか。国内の反乱とか騒擾とか、今御説明の通りだと考えるのですが、あるいは敵軍の侵略ということも予想して訓練されているのであるか、この点を承りたいと思います。
  58. 増原恵吉

    増原政府委員 保安隊は国内の大規模な騒擾、暴動等を措置することを目的とし、そういうことを目標にして訓練をいたしております。訓練の実態は、主として部隊訓練を行つているわけであります。外部から正規の軍が直接侵略をした場合にこれに対抗するということは、われわれの当面の任務とは相なつておらないわけであります。
  59. 井手以誠

    井手委員 大臣にと思つておりましたが、引続き順次次長にお尋ねいたしたいと思います。安全保障条約の前文に、日本が自国の防衛のために漸増的にみずから責任を負うことを期待するという約束があるのであります。従つて自衛力として保安隊があるのだと私ども了解しておるのであります。保安隊はその意味の自衛力であるか、念のために次長からお伺いいたしたいと思います。
  60. 増原恵吉

    増原政府委員 この問題は衆議院の他のいろいろな機会に、総理あるいは私の方の大臣からもお話を申し上げておるところで御了解を願いたいと思いますが、その趣旨は安全保障条約にいう自衛力の漸増というものが、直接に保安隊あるいは警備隊をさすものではない、しかしながら保安隊なり、警備隊なりが訓練をし、りつぱな国内治安維持部隊としてあることは、結果的には自衛力の一端になるというふうに了解をしておるわけであります。
  61. 井手以誠

    井手委員 それでは結局結果的には条約にある自衛力の漸増だということに了解してさしつかえないわけでありますか。
  62. 増原恵吉

    増原政府委員 くどいようでありますが、総理大臣等がしばしばお答えをいたしておりますように、安全保障条約にいう自衛力の漸増というものが保安隊警備隊の増強を意味しておるということではありませんで、自衛力というものには保安隊もありますが、たとえば国警、自治警等も自衛力として結果的には役立ち得るものであります。国警が整備増強をされるということであるならば、結果的に自衛力が増強をされたというふうになり得るものと考えるのであります。結果的には、そうした意味合いにおいて保安隊警備隊も自衛力が増強をされたというふうになり得るということが、総理及び関係大臣の答えておるところでございます。
  63. 井手以誠

    井手委員 それでは次にお尋ねいたしますが、保安隊が自衛力そのものではないけれども、結果的には保安隊が自衛力の大部分と申しますか、その一部分になる、こういうふうなお答えのようであります。保安隊が増強して参れば自衛力であるということには間違いないように考えられるわけですが、それでは同じく条約の前文で、日本が自衛力を持つまで暫定措置としてアメリカ軍が駐留しておるわけであります。この保安隊がだんだん増強されて行くに伴つて、駐留軍は漸次撤退して行く、こういうふうに考えられるし、また当局でもそういうようなことをしばしば発表されておるようであります。もちろん二千、三千という保安隊増員、あるいは装備の増強というものがあつたら、それだけ駐留軍が撤退するとは考えないのでありますけれども、基本的には自衛力の大部分か一部分かしりませんが、保安隊が充実して参りますれば、向うの駐留軍は漸次撤退して行くというふうに基本的には考えてよろしいのでありますか、お尋ねいたします。
  64. 増原恵吉

    増原政府委員 先ほど申し上げましたように、総理なり木村大臣の歯答えは、保安隊警備隊が安全保障条約にいう自衛力に直接当るものというふうには解釈をいたしておらないのであります。従いまして保安隊が増強されれば駐留軍が撤退をするというふうに直接の結びつきをもつて考えらるべきものではあるまいと考えております。
  65. 井手以誠

    井手委員 そうすれば条約によつてアメリカから期待され、日本もそれを承知しております自衛力の漸増というものはどこにあるのか、私どもは保安隊が自衛力だ、それを漸増して行くというふうに承つてつたのでありますが、その一部にはなるようだけれども、必ずしも自衛力の漸増と保安隊とは一緒ではないというお答えのようであります。それでは条約に言う自衛力の漸増というものはどこにあるのか、また別にお考えがあるのか、あるいは現在の保安隊がだんだん大きくなれば、ある一定限に達すればふわつと漸増された自衛力というものに名前がかわるのであるか、その辺を伺つておきたいと思います。
  66. 増原恵吉

    増原政府委員 自衛力についてはこれまた総理なり木村大臣が他の機会にいろいろお答えをいたしておりますが、これは日本国における諸種の力の総合されたものというふうに解釈をされておるわけであります。必ずしも保安隊警備隊と直接に安保条約の自衛力というものが結びついておるものではないというふうに解釈をいたしておるわけであります。
  67. 井手以誠

    井手委員 その解釈はわかりましたが、それでは条約に言う自衛力というものはいつおつくりになるのであるか、その点をもう少しはつきりしておかないと、あの安保条約を結んだ日本国民としてはなはだ安心ができないのであります。保安隊が自衛力そのものだと思つておるのにそれとは別である、一部ではあるけれども、あながちそれではないというお答え、それでは自衛力というものは別におつくりになる、こういうふうなことになるのでありますか。今の保安隊がどんどん大きくなつて行けば自衛力になるのであるか。あるいは別個に条約に従つてそういう自衛力をおつくりになるお考えのものであるか、その点をはつきり割切つてお答え願いたい。
  68. 増原恵吉

    増原政府委員 先ほど来私がお答えをしましたのは、総理なり木村大臣の他の機会にお答え申し上げたところを便宜お取次をしたわけでありますが、保安隊が直接に安保条約にいう自衛力と結びついておるものではないというふうに申し上げておるわけであります。安保条約にいう自衛力をどういうふうにつくつて行くかという問題は、保安庁の事務当局からお答えをいたすのは不適当だと思います。
  69. 船田中

    船田委員長 井手君にちよつと申し上げますが、増原次長は今木村長官と急に打合せの用があるそうでありますから、しばらく退席することをお認めいただきたいと思います。
  70. 井手以誠

    井手委員 重要なところではなはだ残念ですが、いたし方ありません。
  71. 船田中

    船田委員長 先ほど来の御質疑の点は木村長官に特に御出席を願つて続けられたらいかがですか。——他の政府委員についての御質疑はございませんか。
  72. 井手以誠

    井手委員 それでは先刻の増原次長のお答えでは、後刻相談して保安隊装備内容もお答えするという話でありましたので、それまでお待ちすることにいたしましてしばらく質疑を打切りたいと思います。
  73. 船田中

    船田委員長 承知いたしました。辻政信君。
  74. 辻政信

    ○辻(政)委員 ただいまの御質問に関連をしておるのですが、保安庁法の第四条の「保安庁は、わが国の平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、特別の必要がある場合において行動する部隊を管理し、運営し、及びこれに関する事務を行い、あわせて海上における警備救難の事務を行うことを任務とする。」、これに基いて保安庁長官がこの任務を遂行するためには、持つておられる計画を基礎にしていかなる編成をとり、配置をし、いかなる装備によつていかに訓練しておるか、この根本問題についてお伺いしたいのであります。これはおそらくきようお答えできる方はおいでにならぬと思いますから、この次の機会まで宿題としておきますから十分権威ある御答弁をお願いしたい。これを基礎にして、これに基いて編成、装備、訓練の問題点をついて参ります。  この二千何百人をふやすという小出しの改正では納得できない。こういう問題に予算の八百三十億を使つておるが、私の端的な所見によりますとあれは軍隊ではない、野党の皆さんは軍隊と言つて盛んに攻めておられますが、私は軍隊ではないと思います。それはなぜならば実戦の役に立たないから今の状態では軍隊ではない。いかに大砲を持たせようが、戦車を持たせようが、バズーカ砲があろうが、実戦の役には立たない。そういうものにあれだけのことをやつている。それでは警備の役に立つか、警備にも役に立たない、訓練は国内警備の訓練をほとんどやつておりません。われと同等以上の力を持つた敵国とやるようなことをしている。あれでどうして国内の警備を達成しようというのか。装備、訓練、配置あらゆる点において保安庁法第四条というものとまつたく別のものが行われておると私は感ぜざるを得ない。  ことに奇異に感じますことは、ただいま配られました保安官定数表、これをごらんになつても端的に現われておりますが、第一幕僚監部、北部方面隊、第一管区隊、第三管区隊、第四管区隊、管理補給部隊、その他の部隊、これらの数がふしぎにもアメリカの陸軍の戦時編成と近似しておる。また第一幕僚監部の内部の詳しい編成にしてもアメリカの陸軍の編成によく似ておるのです。これでは日本の国内警備を担任する部隊装備とは受取れません。こういう根本問題について、この次に相当専門的に伺いますから、大臣及び所要の幕僚を整えて資料を持つて来てください。きようはやりません。
  75. 船田中

    船田委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ、本日はこれくらいにとどめまして、本案についての質疑は引続き次会に行いたいと存じます。次会は来週月曜日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三分散会