○
松前委員 何度繰返しても同じようなことになるのですけれども、ただいまの御
説明の中に、
公社ではどうしても需要に応じ切れないから、
民間にもゆだねることにしたとありました。これは大臣よりこの間、
公社の方が
民間よりもサービスが悪いとは言われなかつたが、
公社よりもよりサービスを提供するために
民間にゆだねるのだ、こういうふうな御
説明があつた。しからば
公社の方は、それだけのサービスを競争して負けるつもりであるかということを
総裁にお聞きしてみたら、いろいろ御
説明もありましたが、大要は負けないという
お話であつた。いずれにしましても、予算の幅がないから、できるだけ
民間資本を動員するためにやつたというような
考え方であるのか。あるいはまた
民間資本にいたしましても、国家の全般的な経済の流れの一環でありまして、この
民間資本を集めるということにしても、もちろん国家全体の
一つの大きなわくの中においてのみ成立するものでありますから、そのような
意味において、とにかくこの
PBXを民営にゆだねるという問題は、過去における
業者の運動の結果として、初めはあなたの方では賛成はしておられなかつたはずであります。それがだんだん外からの力で、そのような方向にひん曲げられて来たのではないかということを私は憂えておるのであります。何となれば、そもそもこの
PBXがか
つて民営でありました時代において起つた弊害は枚挙にいとまがない。すなわち今の
業者の諸君は、そんなに変な人はおられないと思うのでありますけれども、か
つては故障でもないのに、あるいはまたすぐ故障が起るような修理をして高い
値段をとるとか、その他いろいろな面において弊害が続出して参つた。すなわち小さな
PBX業者がたくさんできて、そのために責任を持たない
業者によ
つてなされるため、
局線とこれをつないだ場合に
障害が多い。その
障害の責任はだれが負うか。結局昔は逓信省が責任を負わざるを得なかつた。今度の場合も、
公社がおそらく負うことになると思うのであります。この間御質問してみたところが、その
障害の場合に、責任の所在を知るということはなかなかむずかしいということである。
交換機で分断して、内と外を調べるというが、そんなことをしておる間に一日も二日もた
つてしま
つて、
公社がやつた方がよほど
障害の回復も早い。このようなことになるのは火を見るよりも明らかであります。いろいろ
民間の方の要望はあります。けれども、必ず将来において、その弊害のために、再び元に返してくれという要望が
民間から起る場合も
考え得ると私は思います。このような過去の歴史を持
つておるものに対して、今せつかくここに
通信の一元化をはかろうというときに、
PBXを再び
民間にゆだねて、放任してやろうということは、まことに危険な結論を与えられると思うのであります。そういう点から見まして、いわゆる故障の場合における責任の所在はこの間伺つたのでありますが、
交換機でも
つて内と外を切りわけて調べた結果、責任の所在を明らかにしてから故障を直すのだという話でありますから、相当な時間がかかり、サービスは必ずしもよくない。と同時に
通信の秘密を保つ
意味において、憲法によ
つて保障されておるこの
通信の秘密を一体どうして確保されるか、これらの問題について政府の御見解を伺いたいと思います。