○
松井委員 これは
電電公社法案の
審議のときにも、基本的な問題については論議をしたのでありますが、御
承知のようにわれわれの
考え方からすれば、国民全体が利用の対象となるべき企業は、
日本の産業構造の上から押して国有国営というものが理想である。
従つて交通機関、
通信機関等、特に国民全体が利用の対象となるところの、国家性を持たなければならないものについては、どうしても産業構造の上からやはり公共性を持たせなければならないから、国有国営が理想であるが、従来のように今のサービスその他の問題に対する批判が利用者の方から起
つて来ているような、官業経営のような形ではいけないから、公共性を保持し、国民全体の利用に対して、サービスも行き届くようにするためには、企業性を持たせなければならないから
公社にしろ、要はこういうことなのです。ところがそういう根本的な企業の概念を改めて、そうして公共性を保持しながらも、民間から来る不平不満、それから利用者の不平、加入申込みをしたが三年たつけれどもまだ電話が引けつけないという、こういうものに対してサービスし、こたえるためには、やはり
公社組織がよろしい、企業性を持つた方がよろしいということに
なつたのです。ところがやはり
公社にな
つても従来の
考え方が直せない、国民から批判を受けることに対してこたえる自信がないようなものの
考え方で、この電気
通信事業の一切の建設から保守工事及び管理並びに経営、それから
業務の運営等が論断されて行くことは、われわれは産業構造の上から望むことではないという
立場からこまかに
質問しているのです。国有国営ではサービスが行き届かない点がある、利用者から批判が出る、それにこたえるためには官僚的な経営ではなくて、企業性を持たした
公社組織がいいということで
公社にしたのです。ところがそういう批判にこたえなければならない
部分は全部民間に移すということになると、
公社にした建前とそれから公共企業である建前と、
日本の産業構造から
考えたものの
考え方とが、やはりくずれて来るのではないかと思うのです。なぜそうこだわるかと申しますと、国民全体の利用の対象となるべきものは、あくまでも国家性を持たなければならぬ、さらに国民に対するサービス、利用者に対する便利を目的とする企業は公共性を持たせなければならない、国家性と公共性があ
つて、初めて国民全体の利用の対象となり、国家的目的に対する
業務の運営にな
つて来るのです。それを民間へ可能な範囲から、
要望のあつた範囲から、批判が出た場所から、ばたばたこま切れにして離すというものの
考え方には賛成できないのです。にもかかわらず、なぜこれを建設から保守工事に至るまで、従来の直営にして利用者の
要望にこたえるように
公社はやれないのか、
政府はなぜ指導監督ができないのか、なぜこれを民間にやらなければならないのか、こういうものの
考え方で
質問しているのですから、
考え方の相違ということになればやむを得ません。そうではなくて、私の
考え方を是認するならば、あくまでもこれを切り離さなければならないという法律を出さなければならない根拠をわれわれは認めがたいのです。君とは
見解の相違だということになれば、これはおのずから別です。そうなればこれはやむを得ないことになります。しかし私のただいま申し上げた公共性、それからサービス、国民全体の利用の対象、これを
考えて来たことに大体同意であるということになれば、やはりPBXというものを今のような形にしなければならない、立法化させなければならない根拠を見出しにくい、この点をひとつ明らかにしていただきたい。
それから
委員長にお願いしますが、大分一人で
質問を続けて時間がおそくな
つております。きようは本
会議も開かれますので、午前中でやめたいという
考え方を持
つておるのではないかと思いますが、私の
質問は今夜の十二時ごろまで続くのです。ようやくPBXに入つたところですから、立法化した根本的な
説明をお伺いして、昼食をしなければなりませんから、きようは打切
つて、
次会に延ばしたいと思いますが、
委員長の扱い方を伺いたいと思います。
委員長の方でそれでよろしいということでありましたならば、ただいま私の申し上げたすべての
考え方から来る私の了解しにくい立法
措置に対する御
答弁を伺
つて、やはり昼食にしていただきたい、こう思います。