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松前委員 先ほどの
山田委員の
お話に関連して
ちよつとお尋ねします。
テレビジョンの問題でありますが、
テレビジョンの普及というものはいろいろな
意味で、
放送文化あるいは
国民文化の
立場から重要な問題でありますが、今のようなことでは
テレビジョン、
テレビジョンといいながら、受像機の
関係からほとんど普及しないと私は思います。これを普及させる必要に迫られておりますが、将来このまま放置いたしますときに、受像機をすえつけたいと
考えている人たちは、アメリカからいいものをどんどん買う傾向にあるのであります。値段が十五万円も三十万円もするというのでは、これはとうてい普及できません。まず第一に規格を統一すると申しますか、全部一色にするというのではなくして、しかるべき
基準を定めるということが必要かと思われます。
第二はこれらの
基準に従
つて、国産品でできるだけやるということを
考えなくてはならない。ただいま
お話がありましたように外国から特許権を買うから、どうもその辺のところはまだ
はつきりしないということで、ございましたけれ
ども、ある部分を外国の特許に仰がなければならぬということは私
どももよくわかるけれ
ども、日本の今までの工業政策並びにこういういわゆる後進国家としての姿から見ますと、その特許権を争うて、たとえば東芝はGEから買
つて来る、あるいは日本電機はウエスタンから買
つて来る、あるいはその他の会社はまたしかるべき別のところから買
つて来る。どれが一番いいかという問題を
検討しないで、おのおの自分の
技術の親会社から買
つて来る。こういうことで、同じテレビを見るのにいたしましても、大して特長のないそれぞれの特許を二重三重に買
つて、外貨を支払
つておるというような状態にあつたのが過去の日本の状況であり、また今日の姿であるのであります。このまま放置されますならば、日本はいくら
国民がかせいでも、外国にどんどんお金を払うばがりで、いわゆる実業家のお互いの国内市場における競争だけで、こういう非常な大きな損失をこうむ
つておる。これらの根本問題がこの裏にひそんでおるのであります。少くとも今の
政府は、日本経済の再建を多少
考えておられるとするならば、これらの問題について根本的な問題として、ただいまの特許権を通じ、あるいはまた規格の
統制、あるいは
国民に対する
テレビジョンの普及、こういう見地から
大臣の御答弁をお願いしたいと思います。