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松前委員 私は
日本社会党を代表しまして、
政府提案の
電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する
法律案に対して、
賛成の意を表します。
二、三の
附帯条件と
希望を申し述べたいと思います。二十億の
社債を発行せられるということは、先ほど来お話がありましたように、
資金運用部資金によるということは、こういう
設備資金におきましては当然のことであると思われるのであります。この点に対する今後の
政府の御
努力を特に
希望する次第でありますが、しかしこの際におきまして、この
社債によ
つて急速に
電話に対する
国民の
需要を満たすという
意味におきまして、この
方法によられるということは、今回はいたし方ないことであると思われるのであります。
次に二言、現在の
地方における
経済情勢、あるいはまたその他の
条件に照し合せまして、最も適当なる
公債の
引受額をきめるのが妥当だと思われるのでありますが、先ほど来
各党より御
発言のありました五級以下の問題につきましては、同じように
公債の
引受の
負担をせしめないという方向に持
つて行くことが妥当だと思われるのであります。同時にまた一
級地、二
級地、この二つの差は必ずしも初めの御内永いただいたあの案のように開きがないのではないか、むしろもう少し近めでもいいのではないかということも
考えられるのでありまして、これらの問題につきましてはとくと御
研究の上、
本案の実行をされんことを
希望する次第であります。
もう
一つは、
加入者何名について幾らというような
公債の
引受額を決定しておられるのでありますが、
一般原則としては当然かくあるべきものであると思われるのであります。けれ
ども日本の
地域的ないろいろな
現状を見てみまするときに、経済的にあるいは
政治的に切り離すことができない
一つのブロックをなした
地域があるのでございます。一例を申し上げますならば、
小田原、
湯本、
宮ノ下、
強羅というような
箱根め温泉地帯のごときは、
日本の
観光地帯として最も重要なところの
一つでありますけれ
ども、
電話が非常に不便であるという声を聞くのであります。これらはむしろ
強羅にしても
宮ノ下にしても、あるいは
湯本にいたしましても、
小田原並に
社債を
引受けさせて、しかるべく
通話疏通の道を講じてやる。とるものはと
つて施設をしてやるというようなことをしてやらなければ、いつまでも離れ小島で、あそこは不便な
状態に放置されておるというようなことに相なるのでありまして、この点につきましては特に特例を設けて、いろいろお
考えを願いたいのであります。これらは決してああいう
遊覧地帯ばかりではありません。
工場地帯あるいはまたその他の
地域においてこのような切り離すことのできない
一連の関係を持
つている
地域が存在するのでございます。これらに対しましては
郵便の
事業と並行して発達して参りました
電信電話事業でございますので、
郵便局の所在地を
中心として、
一つ一つ加入者の数を
中心として、この
社債引受あるいは
電話政策をきめておられるのでありますが、それらは
電話の
特異性にかんがみて、
一連の
神経中枢としての一端としてお
考え願つて、そのやり方は総合一貫したものであ
つてほしいということを
希望する次第でございます。
最後に一言申し上げておきたいことは、先ほど
有田委員から御
発言がございました
能率の
向上の問題でございますが、これは私から喋々いたす必要はありません。しかしただいま
公社において非常に御苦心にな
つておられ、これを
政府のうちにおいてもいろいろ考究されておるようでございますが、少くとも今回のベース・アツプの問題を通じまして、この年末を控え、すみやかにこれらの問題の解決を
希望するものであります。
組合側はすでに信頼によ
つていわゆる
実力行使を停止し、
電信電話の年末運行をよからしめんがために
努力をいたしておるような
状態でございます。これらに対しまして特に
政府におかれては十分なる御
努力をお願い申し上げまして、これらの
電信電話公社従業員の心からなる
事業への協力と、これによる
能率の
向上とを
希望する次第であります。
公社の
使命が
公社になりましていよいよ重大でございますので、特にいわゆる
政府の従来の機関として、国営でやられてお
つた姿、すなわち国鉄や
電電公社やあるいはその他の
公社と並んで、同じようなわく内において
政府において
待遇その他を
考えられるということは必ずしも妥当でないばかりか、
公社に
なつた理由は全然ないと思われるのであります。おのおのその
特異性を持ち、その
能率に従いまして
待遇も
改善し、そうして
自主性をここに与えるということが、当然の
公社経営上の根本問題であると思うのでありまして、
政府においてはこれらの
公社にいたしました
目的とその
趣旨を生かすように、十分なる
措置を講ぜられんことを
希望いたしまして、私の
討論を終ります。