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1952-12-16 第15回国会 衆議院 電気通信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十六日(火曜日)     午後二時二十三分開議  出席委員   委員長 橋本登美三郎君    理事 中村 梅吉君 理事 有田 喜一君    理事 松前 重義君 理事 原   茂君       岩川 與助君    砂原  格君       松村 光三君   山口喜久一郎君       淺沼稻次郎君    松井 政吉君       阿部 五郎君    山田 長司君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  金光  昭君  委員外出席者         郵 政 技 官         (電波監理局電         波監視長)   新川  浩君         日本電信電話公         社総裁     梶井  剛君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 十二月十三日  瀬戸市内電話増設促進に関する請願早稻田  柳右エ門紹介)(第八二二号) 同月十五日  市外電話架設に関する請願中野武雄紹介)  (第一〇〇〇号)  日立電報電話局局舎新築等に関する請願(山崎  猛君紹介)(第一〇〇一号) の審査を本委員会に付託された。 同日  足利市の電信電話施設整備拡充に関する陳情  書(第七九二  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第一九号)  電波監視に関する件     ―――――――――――――
  2. 橋本登美三郎

    橋本委員長 これより開会いたしま  電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。原君。
  3. 原茂

    ○原(茂)委員 御配付された資料のうち、一級局から十級局までございますが、大体代表的な都市名前をひとつお聞かせ願いたい。
  4. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問にお啓え申し上げます。一級局と申しますのは東京大阪でございます。なお東京の場合は大体旧都内、二十三区の中に入つておるものをさすわけであります。旧都内でも江戸川とか入つておらないのもございますが、一応旧都域内というふうに御了解願いたいと思います。それから二級局になりますと、この近在で申し上げますれば横浜でございます。三級局はこの近在で申しますれば川崎、横須賀、四級局は藤沢、小田原で、五級局は戸塚、茅ケ崎、三崎であります。六級局では神奈川県で申しますと松田、七級局は神奈川県では山北とか日吉がこの中に入ります。八級局以下はここに資料を持ち合せておりませんのですが、後刻調べましてお答え申し上げます。  加入者の数で申し上げますと、一級局と申しますのは加入者が五万以上でございます。二級局は八千から五万まで、三級局塗千から八千まで、四級局は八百か二千まで、五級局は四百から八百まで、六級局は二百から四百まで、七級局は百から二百まで、八級局は二十五から百まで、九級局は三から二十四まで、十級局は二以下、こういうことになつております。
  5. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。
  6. 松井政吉

    松井委員 この間大臣から提案理由説明を伺いましたが、この提案理由説明に附帯するこまかいこと、たとえば本年度予算に組まれております二十億円の公債発行の問題がこれの具体的な裏づけとなると思います。そうすればその二十億円のものを大臣説明された内容によつて全額電話を引こうとする者が負担するという計算に立つておるのか。その二十億の内容について、こまかくさらに説明をお願いしたいと思います。
  7. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。今回の補正予算に組まれました債券の二十億円に見合いますところの加入者増設は二万二千五百でございますが、現実に一応かりに一月一日からこの債券引受けてもらうということにいたしまして、大体この債券引受の対象となる加入受理予定数は四万六千程度でございます。それによりまして大体十五、六億円の債券引受けられるのじやないか。残りの二十億円と十五億円の差額につきましては、これ以外に、たとえば東京大阪等市外専用線というようなもの、あるいは東京市内におきます市内専用線、あるいは電信専用線といつたようなものにつきましては、一応この法律によつて強制的に引受けるようにはなつておりませんが、慫慂によつて、相手との話合いによつて債券引受けてもらう。あるいは地元あたりで、電話局舎の改築あるいは改式等要望相当ございますが、そういつたような方面につきましては、やはり地元におきまして納得づくで、この債券引受けていただく。そういうものをあと四億程度見込んでおりまして、それによつて一応二十億を消化するという目標になつております。
  8. 松井政吉

    松井委員 これは関連してお伺いするのでありまするが、今年度の二十億はそういう形で消化したいと言う。そういたしますと、来年度の見通しと計画について、計画がありましたら御説明願いたい。来年度どの程度公債発行して、その引受はどのような考え方でやろうとしておるか、こういうことについて御説明願いたい。
  9. 金光昭

    金光政府委員 明年の加入者増設につきましては、現在まだ郵政省として検討中でございますが、公社からの計画案として提出されておりますものによりますと、加入者増設二十一万名を一応予定しております。このうち債券発行加入者引受によるものといたしましては、大体五十億、その他の今申し上げましたような専用線だとか、あるいは地元引受だとか、あるいはこれはさらに大蔵省方面との折衝を要するわけでありますが、できれば明年度におきましては若干の一般公募もやりたいというような公社要望がございまして、それらを合せまして、債券発行額を一応全部で七十億と予定してございます。
  10. 松井政吉

    松井委員 それでは本年度の二十億円、來年度合計七十億円と考えておられる公債の消化については、たとえば政府預金部資金等によつて消化するということは、計画の中には考えておらないということでいいのですか。
  11. 金光昭

    金光政府委員 ただいま申し上げました加入者増設二十一万名というものに見合いますその他の基礎設備等も入れました明年度建設計画としての所用資金は、公社としては一応約七百億を予定されておりまして、このうちで政府預金部資金の借入れは三百億、その他減価償却費からのの繰入金、あるいはこれもまだはつきり具体化したわけではございませんが、外資導入等も考慮せられまして、約七百億の建設計画公社としてはつくつておられるわけであります。
  12. 松井政吉

    松井委員 その七百億円の中に七十億円が入るということですか。
  13. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問通りであります。
  14. 松井政吉

    松井委員 そういたしますると二十一万名に対する五十億円、本年四万六千名に対する十六億円、こういう加入者のみに負担せよといという形が、大体公債発行する引受者の中心になつておるようです。従つてこれは加入者だけに限定をして公債引受者をきめて、一般からは困難であるというものの見方から、こういう考え方を出したのであるかどうか、この点を明らかにしていただきたい。
  15. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 御承知のように電話建設財源獲得方法は、運用部資金債券、それから公社計画しているところでは外資も入つておりますが、このようないろいろの道があるわけであります。その中の一つの手段として電話債券というものが考えられているわけでありまして、できるだけ電話拡充をして行きたいという意味から、そういういろいろの財源を求めてやろう、こういう考えでやつているわけであります。ですから電話債券を出すから、ほかの財源を減らしていい、そういうことは少しも考えておらないわけであります。
  16. 原茂

    ○原(茂)委員 先ほど説明のありました八級局から十級局、これの私どものわかりいい代表的な都市、町の名前あとでお調べ願います。それに関連しまして、公社とすればこの財源を一級から十級所在の地域加入者に一体どのくらい持たせようという案でもあつたら、お聞かせ願いたい。
  17. 金光昭

    金光政府委員 債券引受の具体的の金額につきましては、政令で定めるようにいたしておりますが、一応その政令内容に盛るべき金額として予定しておりますものを申し上げますと、電話新規加入申込み、特に単独加入につきましては一級局については六万円、二級局につきましては四万円、三級局につきましては二万五千円、四級局につきましては一万五千円、五級局につきましては一万円、六級局以下は負担させない。今のは単独加入でございますが、次に二の共同加入につきましては、一級局は二万円、二級局は一万五千円、三級局は一万円、四級局は五千円、五級局以下はゼロでとらない。それから戦災復旧、いわゆる焼け電話復旧でございますが、これにつきましては、単独加入について申しますと、一級局が四万円、二級局が二万五千円、三級局が一万五千円、四級局が一万円、五級局が五千円、六級局以下はとらない。それからこの共同加入につきましては、一級局が一万五千円、二級局が一万円、三級局が五十円、四級局以下はとらない。大体戦災復旧の場合につきましては、新規申込みの三分の二程度にいたしておる次第でございます。
  18. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。もう一つお伺いしたいのですが、現在新規加入したいというものを大体想定しておられたら、どのくらい今要求があると見通しておられるのか。たとえば東京大阪全国でどのくらいというふうな数字をひとつお知らせ願いたい。
  19. 金光昭

    金光政府委員 全国で現在電話を申し込んでつかないところの、いわゆる積滞の申込みが約四十二万でございます。東京におきましては大体十万五千に相なつております。それから大阪は約七万でございます。
  20. 原茂

    ○原(茂)委員 もう一つ債券の条件をどんな構想を持つておられるか伺いたい。
  21. 金光昭

    金光政府委員 債券につきまして今考えておりますのは、この電信電話債券は無記名の利札付で、利率は年六分五厘程度として、債券償還方法は十年で償還いたしますが、その前の五年間はすえ置き、いわゆる五年すえ置き十年償還という方法でありますが、五年すえ置き十年償還というと全体で十五年になるようでありますが、そうではなく、前の五年はすえ置き、あとの五年で返すという意味でございます。大体六年目からは発行額のあるパ—センテ—ジを抽籤で償還して行きまして、最終の十年目に全部を償還する。発行価額は、額面百円にいたしまして、いわゆる割引をいたさない。それからこれは別に法律で限定されておりませんので、日銀の引受適格社債ということにいたしたいというふうに存じております。
  22. 原茂

    ○原(茂)委員 債券を持ちますと売買する場合にはどういうことになりますか。自由に売買可能でありますかどうか伺いたい。
  23. 金光昭

    金光政府委員 売買につきましては、別に制限はございませんので、一般有価証券と同様に自由に売買できるものと存じております。
  24. 原茂

    ○原(茂)委員 電話を譲渡する場合、現行のように自由にできるものと解釈してよろしゆうございますか。
  25. 金光昭

    金光政府委員 さようでございます。
  26. 原茂

    ○原(茂)委員 その次に現在実際電話が取引されておる市価東京大阪等で実際に売買されておる市価が、おわかりでしたら伺いたい。
  27. 金光昭

    金光政府委員 十一月の中旬の調べでございますが、一応私の方で調べた数字を申し上げますと、一番高いところは根岸下谷浅草でございまして大体二十二万円程度でございまして、それから銀座が二十万円でございます。それから千代田、丸の内が十五万円程度でございます。一番安いところは、郊外地の本田、あるいは武蔵野といつたところは十三万円程度、こういうふうに相なつております。
  28. 原茂

    ○原(茂)委員 ついでに教えていただきたいのですが、二十二万円から十三万円ぐらまで、いろいろ段階があるわけですが、波状的にどういう原因でこういうふうに市価開きがあるのか、その点を伺いたい。
  29. 金光昭

    金光政府委員 電話局ごとにこういうふうに市価に相違がございますのは、ただいま申し上げましたような一番高いところは、雪話局局内設備一ぱいでございまして、ほとんど新たに新設することができない。そこで現在ある電話を買わなければ電話をほとんど設置してもらえないといつたところは、どうしても需要供給関係で高くなりますし、それから多少局内設備余裕があるというようなところにつきましては、それだけやはり電話市価が下るというようなことになるわけであります。
  30. 原茂

    ○原(茂)委員 そうしますと二十万、十五万、十三万円の割で電話新規設備ができるということ、値段の安いということは、設備余裕があると見ていいわけですか。
  31. 金光昭

    金光政府委員 必ずしもそうではございませんので、需要供給との関係によつて電話市価はできているわけでございますので、設備余裕があるからといつて、決してその市価が安いとばかりは限らないわけです。どうしても申込みとの関連においてきまるわけでございますが、大体において市価の多少安いところは、局内設備にも若干の余裕がある、一般的にはそういうことが言えるかと思いますが、これは局ごとにそれぞれの事情は違いますので、具体的の問題については局の実情をよく調べなければ一概には言えないと思います。
  32. 松井政吉

    松井委員 関連してお伺いします。そうすると、ただいまの根岸下谷浅草は二十二万と最高を占めているわけですが、この公債発行の場合の一級局、二級局というのは、大体この価格の順に当てはまりますか。
  33. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問は、先ほど説明申し上げました一級局は六万円、二級局は四万円というのは、電話市価と大体バランスがとれるかという御質問でしようか。
  34. 松井政吉

    松井委員 ええ。
  35. 金光昭

    金光政府委員 二級局におきましては、大体におきまして今申し上げました東京あたり市価よりも安いのでございまして、別にちようど六万円と四万円といつたものと同じようにバランスしているということにはならないと思いますが、二級局の方は一級局よりも安いのが実情でございます。
  36. 松井政吉

    松井委員 そうすると今度の公債引受額をきめる級別にしたものは、電話市価価格価値というものには全然関係なく、加入数のみによつてきまるということでございますか。
  37. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問のように考えましたので、別に電話市価というものを考慮に入れて決定したわけではございません。
  38. 松井政吉

    松井委員 電話市価価値と、それから今度やはり級別に見て公債引受けなければならない額とは、価値の面からいつたら比例して行かなければならぬ性質のものじやないでしようか。そういうことは考えられなかつたですか。
  39. 金光昭

    金光政府委員 今回この債券負担額を一応きめましたのは、大体一級局、二級局によりまして、加入者数先ほど説明申し上げましたように、相当開きがあるわけでございまして、一級局におきましては、それだけ加入者数が多ければ電話利用価値というものもそれだけ大きいわけでございますけれども、また電話市価というものも、大体そういう利用価値というものと、それから需要供給もございますが、そういうものから出て参りましたので、先ほど必ずしもそれを考慮して決定したのではないということを申し上げましたが、結果的に見ますと、そういう利用価値から申しまして、おおむね一級局、二級局の電話市価と大体バランスしたような形になつておるわけでございます。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 単独電話加入を新たに申請する場合に、債券引受以外にあとどのくらいの金額がかかるものか、その内訳についてお伺いしたい。
  41. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問は、電話の一加入架設する場合に幾ら経費がかかるかという御質問でございましようか。
  42. 原茂

    ○原(茂)委員 そうでございます。
  43. 金光昭

    金光政府委員 一加入当り経費といたしましては、単にこれは電話一個増設して市内電話ばかりでなく市外電話も当然ふえるものとして計算いたしますと、大体一加入者増設するに二十五万円の経費がかかるわけでございます。ざらに東京等では現在すでに電話局舎がほとんど一ぱいでございますので、局舎を新たにつくる、あるいはそこに交換機械等を入れるということで計算いたしますと、約三十五万円もかかるような状態でございまして、今回のこの債券を負担していただくということにいたしましても、ただいままでの設備負担金の三万円、それに東京につきましては六万円を負担していただいても、決してそれだけで一加入者当り増設経費をまかなうわけではございません。
  44. 有田喜一

    有田(喜)委員 先ほど来聞いていたのですが、現在電話をつけたいと申し込んだが、まだこれがつかないといういわゆる積滞電話と申しますか、それが四十二万あると承つたのですが、戦争前で一番そういう数のたくさんあつたのはどのくらいでございましようか。また最近三箇年はどういう趨勢になつておるか、それを承りたい。
  45. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問の第一点の、戦前のものにつきましては資料を持ち合せておりません。はたしてその資料がございますかどうか、後ほど帰つて調べまして、もしございましたら次会等にお答え申し上げたいと思います。  それから第二点の方につきましては、昭和二十二年度からの分はわかつておるのでございますが、昭和二十一年度におきましては、申込みが三十二万ございまして、そのうち十三万だけついております。それから二十三年になりますと、これは電話公債法を施行しまして申込みが少し減つたのでございますが、申込みが二十四万ありまして架設が十万、それから二十四年には申込みが四十一万ございまして、それに対して架設が十三万、二十五年におきましては申込みが六十一万ございまして、そのうち架設が十四万、二十六年は電話設備負担法を施行いたしましたので、また申込みが多少減つておりますが、約五十万の申込みに対しまして架設が約十四万、こういう状態になつております。ただいま申し上げましたように、各年度申込み架設数の差だけは、それぞれ次の年度までずつと申込みがそのまま引継がれた形になつておるわけでございます。
  46. 有田喜一

    有田(喜)委員 電話申込み相当あるにかかわらず、架設がこれに伴わない。これは公共事業としての使命の上からいたしましても、非常に遺憾なことだと思います。なお戦災電話でまだ復旧しないものも相当あるだろうと思いますが、これもあとで詳しくお聞きしたいと思うのですが、これらのことを打開するには相当抜本的な方策を講じないと、いつまでたつて電話がつかない。これは公共事業担当者としても非常に遺憾に思つていらつしやることと思いますが、一体これに対していかなる打開方策考えておられますか、その方策を承りたいと思います。
  47. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 電信電話公社で五箇年計画を立てまして、百五万個の増加を計画しております。それがその通り実行できますれば——五箇年でありますからむろん一ぺんにというわけには参りませんが、かなり解消する方向に行くだろうと思います。ただしかしそれにつきましては、先ほど政府委員の方から御説明申し上げましたように、一箇年にどうしても七百億円くらいの建設費を要するわけでありまして、公社としてはその財源をどうするかという計画は持つておりますが、またこれはできるだけ努力をしなければならない問題でありますが、はたしてその通り実現できますかどうか、むろんこれからの問題であります。
  48. 金光昭

    金光政府委員 ただいま有田委員の御質問戦災電話につきましては、資料がございますのでお答え申し上げます。戦災電話と、戦時中に電話動員というのをやりまして、既設の電話を強制的に他に転用いたしたのがございますが、それの両方を申し上げますと、昭和二十三年の十二月現在で戦災復旧電話は二十二万、動員電話が二万七千あつたわけでございます。それが二十四年におきましては、戦災電話で約三万七千、動員電話で四千だけ開通いたしました。そのために二十四年に、おきましては、大体戦災の未復旧十八万、動員電話が二万三千、そういうふうに漸次減つて参りまして、二十六年度戦災のみの開通が三万七千、動員電話開通が八千、それから二十七年になりまして三月末における戦災復旧が十三万、動員電話が約一万、こういつた状態に相なつております。
  49. 有田喜一

    有田(喜)委員 この五箇年計画内容をよく拝見していないのですが、これを遂行する上において最も重大な隘路資金問題だと思います。そのほかに資材その他によるところの隘路があると思いますが、郵政当局はどういうふうにお考えになつておりますか。
  50. 梶井剛

    梶井説明員 ただいまのお尋ねに対してお答えいたします。資材並びに資材生産能力という点におきましては、五箇年計画規模程度では決して御懸念がない。現在の生産能率でもつて十分間に合うという程度であります。従つてこの五箇年画計遂行上の隘路は、しいて申せば資金をいかにして得るかということにかかつておるのであります。
  51. 有田喜一

    有田(喜)委員 想像通り資金がその隘路のようであります。一年間に七百億円かかるということでありますが、わが国の経済規模からいえば相当大きな金のようにも考えられるが、しかし現在電源開発のために要する経費その他を考えれば、必ずしも大きな金とのみ考えられないと思う。そのほかにそういうふうな隘路があるのではないか。電話公債が何ゆえに発行されないか。もしこの電話事業相当の採算がとれる段階であるならば、案外もつと簡単に復旧ができるのではなかろうか。先ほど来聞いておりますと、東京で二十五万円もかかるとのことでありますが、いやしくも企業でありますから、企業として成り立たないときには、普及拡張が困難である、こういう見方もあり得るのであります。この間も承りましたように、この電信電話公社というものをやるには、まず企業合理化から始めなければならぬ。しかる後に資金がどの程度まで行けるか、これを相当検討してかからなければならぬのでありますが、郵政大臣なりあるいは公社総裁は、具体的にどういうふうに企業合理化をやつて行くか、どういうふうにして資金獲得をやるか、それをただ困難々々と言わずに、もう少し具体的にどこまで推し進めるか、また先ほど外債の話もありましたが、事実その外債の話はコマ—シヤル・ベ—スによつておやりになつておるか、どの程度まで話が進んでおるか、具体的に計画をお示し願いたいと思います。
  52. 梶井剛

    梶井説明員 ただいまの企業的見地からこの事業が成り立つやいなやというお尋ねのように存ずるのでありますが、この五箇年計画を遂行して行きます上において一つの困難な点は、実は収支相償うやという問題であります。その問題は現在の電話料金が適正なりやいなやということにかかるわけでありますが、一般物価に比較いたしまして、現在の料金はむしろ低廉であるということを言い得るのではないか。従つて電話料金をすみやかに改正することによつて、この五箇年計画の収支相償わない点は是正ができるというふうに考えております。従つて料金をどういうふうに改正するかということになりますと、現在の料金体系が正しいかどうかという根本問題から検討いたしませんと、従来の歴史的に漸次に上つて来た料金が公平であるということは必ずしも言い得ないのではないか、そういうふうに思うのであります。従つて企業合理化という見地から、料金体系を目下根本的に研究しつつありまして、それによつて成案が得られたならば、料金の改正を必然的にお願いしなければ、収支のバランスはとりにくいということを言い得るのであります。またもう一つの問題は、終戦直後できるだけ早く戦災電話復旧する。またできるだけ多く新しく電話架設したいという方の希望を満たすという意味におきまして、事業継続事業でなかつたのでありますから、年々歳々の需給だけを考えて、あらゆる設備をみな使うことによつて今日までやつて来てみたのでありますが、これを継続事業にして考えますと、本来ならば基礎的な工事からやりまして、そうして全体をかたい基礎の上に立てなければならないのでありますけれども、ただいま申しましたような事情の結果、今日東京におきましても、ある局は一本も電話架設できない。あるところは余裕があるというような、非常な跛行的な状態になつておりまして、これを今後の五箇年計画によつて是正することがぜひとも必要である。そうしないと将来の経営というものはうまく立たない。そういう意味において、さつき監理官から御説明がありましたように、従来大体市内、市外平均いたしまして一加入当り二十五万円の経費がかかると申しておつたのでありますが、基礎的工事もあわせて考えるならば、当分の間は三十万円ないし三十五万円かかります。さらに先ほど大臣からお答えがありましたように、実はこの五箇年計画によつて加入者を百五万増設することになつておりますけれども、しかし百五万を増設したならば、今後の要求は全然なくなるという状態になるかといいますと、決してそうではありません。なおさらに次の五箇年計画を立てない限り、申し込んだらばすぐ雪話がつくという状態にはなり得ません。また市外線の方におきましても、アメリカ、ヨ—ロツパのごとく、申し込んで受話器をあげたままにおいて遠隔の加入者が出るというふうにまでは、この五箇年計画においても完成はできないのであります。しかし今日まで長い間遅れて参りました電話事業でありますから、一年、二年をもつてそれを回復するということは困難なのでありまして、従つて五箇年計画を二回ぐらい継続することによつて、大体ヨ—ロツパのレベルに到達したい。アメリカのごとく極度に発達したところまでは持つて行けないまでも、少くもヨ—ロツパの英国、ドイツ、フランス程度にまでは持つて行かなければならないという考えのもとに、この計画を立てたのであります。従つて事業計画といたしましては、将来のことを考えますと、十分に償還のできる程度の収支のバランスがない限り、単に借入金のみによつて事業を経営して行くということは、非常に不安定な状態にあるわけです。すでに今日まで約六百億政府資金を借りておるのであります。これもいつかは返さなければならないのであります。ましてや今後加入者に社債を募集しますのは、先ほど監理官の説明通り、五箇年間すえ置きで、あとの五箇年間には償還するのであります。従つてあとの五箇年間においては償還するところの原資となるべき利益が上らなければならない。また外資導入がたとい可能であるとしましても、やはり同様にこれもさほど長期には借りられない。元金を返す必要があるのであります。従つて電話料金の改訂という問題は、あわせて元利をも支払うという原則のもとに、収支のバランス考えなければならないのであります。なお外資の問題につきまして、この資金をいかにして五箇年計画に予定するかということでありますが、これは単なるわれわれの目算であります。まだ何らお願いをして承諾を得たわけではありません。仮定的に申し上げますならば、約七百億の原資に対して、二十八年度におきましては、政府資金を約三百億、社債を加入者負担のもの約五十億、それから一般市場に公募します社債が約十億、それから特に市外専用電話とかあるいは方式変更を必要とするから社債を持ちたいという方の分を約十億、合せて社債は七十億であります。加入者設備負担金東京における三万円というものを合計いたしまして約五十億、それから事業で生んで参りますところの減損償却の費用が来年度におきまして百六十五億であります。そうして来年度予算におきましては、初めは約七百億足らずでありましたのですが、補正予算において修正されました結果、補正予算において計画された工事を二十八年度につけ加えましたので、七百二十三億ばかり原資が必要となつております。従つてその差額の資金をできますならば外資によつて得たいというように考えておりますが、外資の問題につきましては、実は公社が八月一日に発足いたしましてまだ日が浅いものでありますから、外資そのものについてわれわれ十分の知識を持つておりません。従つて電力その他で外資を導入するにつきましては大蔵省が中心になつて、その必要を世界銀行から来た人に折衝をするということで目下とりまとめておられるのでありますが、われわれの方もぜひその中に入れていただきたいということを現在お願いしておる程度であります。しかしあらかじめ世界銀行から派遣されております二人の米人に対しては、現在の電話事業拡充の必要性並びに五箇年計画の概要を英文に刷りまして、そうしてそれを持つてつて事情を理解していただくというだけの工作はいたしました。けれどもまだ正式に外資についての交渉を始めたわけではありません。これは政府において方針をきめられまして、それによつてわれわれの方の外資も世界銀行に交渉するということに決定いたしましたならば、そのとき初めてどれくらいの程度まで融資していただけるかということもきまると考えておる次第であります。
  53. 有田喜一

    有田(喜)委員 従来鉄道運賃にしましても、あるいは電話料金にしましても、また電力料金にしましても、ややともすると事業合理化を忘れて、値上げをしたならば簡単に原資が出るということで、料金値上げに進まれる傾向があると思います。電信電話公社はまさかさようなことはないと思いますが、まず企業合理化をやつてもらいたい。今までの例によりますと、料金を値上げしてしかもサ—ビスは一向よくならない、これが今までの電力料金あるいは鉄道運賃を値上げしたあと状態であります。企業の採算がとれなければ、料金の適正化をはかることは当然かと思いますが、料金は上つたけれどもサ—ビスはよくなつた、今までは料金は安かつたが、電話一つつけるのに十五万円も、あるいはさつきの話によると二十二万円も二十五万円も出さなければならなかつたのが、今度は電話が簡単につくようになつた、こういうことになつて、初めてほんとうの企業合理化ができたことになると思います。そういうことは将来の問題になりましようが、電話のサ—ビスをよくし、電話架設を容易ならしめるという意味において、料金の適正化をおはかりになる場合がかりにあつたとすれば、まず企業合理化を徹底的にやつてもらい、同時にサ—ビスの向上を行つて、一台二十何万円もかからないようにひとつ御留意を願いたいと思います。  それからさつき外債のお話がありましたが、まだ正式のものではないようでありまして、そういう関係上あるいはおわかりにならないかと思いますが、今世界銀行から来ておる人との間の外資導入条件といいますか、金利はどのくらいか、償還期限はどのくらいかというようなことがおわかりだつたら、ひとつお示し願いたいと思います。
  54. 梶井剛

    梶井説明員 ただいまの外資の条件につきましては、私どもまだ十分に無知いたしておりません。ただ仄聞するところによりますと、金利は三分五厘ということをいわれておるのでありますけれども、しかし単純に三分五厘で済むとは思つておりません。またどれくらいの利回りになりますか、それはよく調べなくてはわかりません。貸し付ける条件その他につきましても、折衝した際にはこちらからあえて尋ねはいたしませんでしたが、これはむしろ大蔵省の方でよく御存じなのではないかと思います。また合理化の問題につきましては、前の委員会お尋ねがありまして、その際にお答えをいたしました通りであります。公社になりましたのでサ—ビスをよくし、事業合理化をして、しかる後に料金問題は解決すべきであるという御意見はごもつともでありますけれども、しかし合理化が一刀両断にできるものであるならば、それは合理化を先にやらなければならぬと思いますが、しかし長年の間の一つの習慣を持つているのでありますから、その習慣をきわめて簡単に処置することは私は困難だと思います。従つて合理化ということを常に念頭から離さないで、年々歳々合理化の実を上げて行くよりしかたがない。料金問題はそれとは別個に、事業そのものの収支いかんということを考えて——われわれは先ほど料金の値上げの必要を申し上げましたが、合理化が漸を追うて進むに従つて料金値上げを将来においてはそんなに必要としないというふうになるか、場合によつては逆転しまして、むしろ料金を下げてもいいというふうに事業の収支がなりますならば、われわれは進んで料金を値下げすべきである。これが公共事業としての当然の務めであると信じております。
  55. 有田喜一

    有田(喜)委員 私は料金の適正化をはかる前に、合理化をやらなくてはならぬと思います。もちろんこれは一朝一夕にはできないことはわかつております。それも相当長期の合理化計画のもとに進んでもらわなければならぬと思います。しかし合理化と別に料金問題をやるということは、私はどうしても納得できない。私は企業合理化をどういうような計画でやつて行くかという見通しを持ちながら、料金の問題をやつていただきたいと考えております。  次に具体的の問題としてお伺いしたいのは、今回の二十億の債券についてであります。これらは今までは資金運用部引受があるものとばかり考えておりましたが、資金運用部からは電力、造船へは相当金がまわつている、あるいは開発銀行の金がまわつているようでありますが、なぜこの電信電話債券につきまして、資金運用部あるいは開発銀行の金を使われないか、その点を大臣にお伺いいたします。
  56. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 資金運用部の金で足りない分を、ぜひとも債券という形ででもやりたいということで計画をいたしたわけであります。そしてこういう形の債券引受は、電話につきましてはたいへんやりやすい点もありますので、特にそういう意味債券発行考えた次第であります。
  57. 有田喜一

    有田(喜)委員 資金運用部の金はもう少し融通性があると思うのですが、もちろん限られているといえば限られておりますけれども、電力、造船その他いろいろの方面にまわつている。もちろん通常予算のときには資金運用部資金がまわつて来ておりますが、今回の補正の場合におきましても、わずか二十億ぐらいのものは何とか方法があつて、絶対に資金運用部からとれないということはないと私は思います。いかなる経緯によつて資金運用部資金から借りられないか、この点を明らかにしていただきたいと思います。私は需要家にこれをまかすということは、何といつても変則だと思う。資金運用部資金引受をやるなり、あるいは一般公募をやることが原則的だと私は思う。変則的に流れたについては、何か特別の根拠がなくてはならぬ。もう少し具体的にその点をお示し願いたい。
  58. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 資金運用部資金運用計画というものは、やはり予算編成と同時に考えられるわけで、本年度は御承知のように百三十五億を資金運用部から借りてやるということになつておつたわけであります。今回の資金運用部資金計画等から勘案いたしまして、その方の借入れということはすぐには困難であるという事情がありまするので、今までの資金運用部からの借入れで足りない分は、せめて二十億でも債券を出してやりたい、こういう考えであつたわけであります。
  59. 有田喜一

    有田(喜)委員 たしか資金運用部の金も、年度当初に考えておつたよりもふえたはずだと思う。電話の問題につきましても、二十億全部入つて来るといいと思うのだが、たといそのうちの十億でもとれそうなものだと思う。どういうわけで電信電話の方にもう少しとれなかつたのか、このように私は思うのです。御承知のように資金運用部では、郵便局の局員あるいは従業員が非常に骨を折つた郵便貯金が大宗なんです。それが同じ通信事業の方に還元されるのが原則的だと私は思うのです。むしろ優先的に電話のこの債券については、資金運用部でやるべきだと思う。これはもう少し大臣が大蔵大臣と折衝してくれれば成功したのじやないか。これが全部変則的になつておることについては、もう少し何か理由がなければならぬ。具体的にお示し願いたい。
  60. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 資金運用部資金のこまかい点につきましては、大蔵省でないとはつきりしたことはわかりませんが、私が承知しておる範囲では、資金運用部資金の膨脹が、有田さんのおつしやつたように十分に伸びておらないように思うのであります。郵便貯金なんかの状況もあまり伸びないような状況になつて来てる。そういうところから計画が非常にきゆうくつになつておるというような事情もありまして今回のような処置にいたしたわけであります。
  61. 有田喜一

    有田(喜)委員 それでは郵便貯金の年度当初の計画されたものと実績との比較表を次の機会でもけつこうですからお示し願いたい。なお同時に、資金運用部が電力とか造船その他においてどういうような計画をされたか、最初の計画と現在の計画とはどのように変更されておるか、それもあわせてお示し願いたい。  その点はあとでまた資料をいただいてからお尋ねすることにいたしまして、先ほど言いましたように、通信従業員が汗を流して働いた郵便貯金、この金はやはり通信事業に還元するようにすべきだと思う。日本の全体の公企業に行くことはけつこうでございますけれども、やはり電信電話、ことに電話の方は、先ほど来話がありますように、申込みがあるけれども一向それが消化できない、金がないためにできないという実に困つた事情であります。なるたけこういう金は電話設備の方に充当して、需要家にこういうものの負担がかからないように、郵政大臣としては大いにこれに政治力を発揮していただきたいと思います。  それらの問題はあとにして、もう一歩退いてしからばなぜ一般に二十億くらいの金が公募できないか、公募してやつてもよいのではないか、こういう気持もするのですが、公募しなかつた理由について、ひとつ郵政大臣の御意見を拝聴したい。
  62. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 むろん社債公募という方法もあるわけでありますが、御承知のような現在の資本市場の状況では、社債公募ということも一般的になかなか容易でない状況でもありますし、全体の資金計画考えなければならないというようないろいろな事情もありまして、電話については、今回はこういう形でやるのが一番適当だと考えたわけであります。
  63. 有田喜一

    有田(喜)委員 こういう方法が適当だとお考えのようですけれども、私はこういう方法はやはり変則だと思う。こういう債券電話加入者に特別に負担せしめることは、あくまで変則的な処置だと思う。社債市場云々とおつしやいますけれども、現在電力社債だつて、あれだけ大きなものが消化できるのであつて、わずか二十億だから、これをやるおつもりならできぬはずはないと思う。何だか話を聞いておりますと、イ—ジ—・ゴ—イングなやり方で、金さえあれば簡単にうまく行くというふうなことでやられたような気がしますが、もう少し積極的な努力があつてしかるべきだと思う。またおそらく積極的な努力が払われたと思うが、簡単に社債市場はこうだといつても、ほかの電力社債とか大きなものが消化されておるのだから、まして電信電話公社の社債のわずか二十億ができないはずがない。私はかように思うが、大臣はどう考えるか。
  64. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 御承知のように現在一般に高金利でありまして一般社債を出して公募するとなりますと、とても六分五厘というようなことでは応募者も得られません。期限の問題もありまして、先ほどお答えいたしましたように、償還期限十年ということになつて相当長期になります。現在の社債市場の状況からいいますと、これもなかなか容易でないというような事情もあります。そういうようなところから、むろん変則といえば確かに変則のものでありますが、法律にありますように、昭和三十一年三月までとなつているわけで、こういう方法でやることがやむを得ないと考えたわけであります。
  65. 有田喜一

    有田(喜)委員 だんだんこまかくなつて、金利が六分五厘である。これは企業の点からいえば安いと一応お考えになるかもしれないが、負担する加入者から見たらたいへんだ。せつかく電話加入をしようとした者が、この社債を引受けないと受付けられない。これは何といつても電請事業としては加入者に対する変則的な処置だと思う。金利は今開発銀行から七分五厘で借りれる。それでも一分安いといえば安いが、二十億の一分くらいわずかなものだ。一割だつて二億、一分ならわずか二千万円、そのくらいのことは、電信電話のこの大きな事業からいえば、幾らでも捻出できると思う。もう少し積極的にお働きくださらぬといかぬ。開発銀行あるいは一般社債等、何とでも方法があると思いますが、どうもこの考え方は、加入者にかければ簡単に行くというイ—ジ—・ゴ—イングのやり方のように見受けられてしかたがないが、その点いかがですか。
  66. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 確かにお話のように、加入者にある程度負担をかける、迷惑をかける、こういうことになるのははなはだ望ましくないことであります。できるだけこういうことがないようにしたいものだ、これはもうまつたく同感でございます。従いましてこういう形で債券を出さないで、一般公募で楽に行ける条件が備われば、むろんその方がいいと私も考えております。来年度以降については、それを十分検討して参りたいと思つております。
  67. 有田喜一

    有田(喜)委員 加入者債券引受けて電話架設する、これによつて電話の市場価格が幾らかでも安くなるような見通しがあるのでしようか。
  68. 金光昭

    金光政府委員 ただちに電話市価が安くなるかどうかということについては疑問があると存じますが、こういつたように拡張資金の道を各方面に開いて、電話増設をどんどんやつて行くことになれば、当然電話市価は漸減するものだというふうに存じております。
  69. 有田喜一

    有田(喜)委員 私はこういうやり方は変則だと思うのです。変則でもこういうことをやつたために一般市価が安くなる、今までは三万円出したほかに、また二十万とか二十二万という金を出した人もあつたが、今度は三万円のほかに六万円出せば市価が安くなる、こういう傾向になればまたこれも考えられる。しかしこういうことをやるわ、市価は下りはせぬわということでは、加入者がますます困るばかりです。矛盾したことを言うようですが、おやりになるならもう少し市価が安くなるまでおやりになつたらどうですか。
  70. 金光昭

    金光政府委員 その点は先ほど公社総裁からもお話がありましたが、五箇年計画を実施して毎年七百億程度資金をこの設備拡張に投ずることになれば、もちろん基礎設備がそれだけ拡張されますので、電話増設は現在よりももつともつと楽になる。そうなれば電話市価はだんだんと下つて参るわけであります。もちろんそれが大半を占めるわけではございませんが、この債券引受による額もそのうちのある部分を占めておるものでございますから、債券引受によつて、ただいま有田委員のお話のように、電話市価はだんだんと下つて行くものと存じております。
  71. 有田喜一

    有田(喜)委員 今の根岸は二十二万、銀座が三十万あるいは郊外が十三万、同じ東京でもそれぞれ差があるのだが、これはやはり電話需給の関係だと思うのです。そういうものをつくつて、五箇年計画が遂行されればやや下るというお話だけれども、これだけのものができて、需給計画からいつてこういうように楽になるから、一割くらいは安くなるだろう、五割くらいは安くなるだろう、そういう見通しがつくはずだと思うが、私は二十億では二階から目薬だと思うのです。やるならもつと市価が下るところまでやれないものか、二十億が五十億になつてもいい、こう思うのです。非常に矛盾したことを言つておるようですが、不都合なことができるが、一方加入者に対して裨益するところもある、こういうことで余儀なく認めることになると思うのです。どうもこの案では悪いところばかりが出ていい面が少いように思うのです。  もう一点だけお伺いしておきます。「公益上必要がある場合その他郵政大臣が定める事由がある場合」というのはどういう場合か、お示しを願いたい。
  72. 金光昭

    金光政府委員 ただいまの御質問の第一点の、増設によつて将来電話市価がどうなるかということでございますが、電話市価というものは、局の設備の状況によつて非常に浮動性があるものであります。一応公社のお立てになりました五箇年計画では、電話増設全国で百五万、その中で東京については約二十万くらいの増設を予定されておるわけであります。現在東京加入者総数が約二十万ちよつとでございますので、その計画を実現いたすとすれば、現在の倍になるということになります。もちろん東京都内におきましても、東京中心部それから周辺部、いわゆる郊外地帯によつて相違があることと存じます。そういうふうに現在とほぼ同数程度増設がなされるものだといたしますれば、局の余裕も今よりも相当出て参りますと同時に、今までの積滞もそれによつてある程度消化されるわけであります。電話市価は一体どれだけ下るかということは、なかなか判定困難かと思いますが、少くとも相当程度は下つて来るのではないかと存じております。  御質問の第二点の「公益上」と申しますのは、大体慈善事業とか、あるいは学術研究、あるいは育英事業等については、債券引受を免除したらどうかと存じております。なお「郵政大臣が定める事由がある場合」というものにつきましては、今回の措置といたしましては、債券は全部の加入者に負担してもらうということになつておりますが、事情によりましてはその債券引受が非常に困難であるという場合もあり得るかと思いますので、具体的にどうこうということについては、まだ十分内容を検討するに至つておりませんが、そういうような例外的の措置を考慮いたしまして、多少の道をつくつておるわけであります。
  73. 有田喜一

    有田(喜)委員 大臣がお忙しいようですから、私はこれで質問を打切りますが、ただ一点政府委員にお伺いします。一級、二級、三級、四級、五級、六級とありますが、これらの局全部ということは困難でしようが、大体の市価の平均価格東京大阪とは違うでしようが、たとえば六大都市の平均価格はどうであるということを、参考のためにこの次の委員会でに資料として格はどうであるということを、参考のためにこの次の委員会資料として配付していただきたいと思います。私の質問は一応これで打ち切ります。
  74. 橋本登美三郎

    橋本委員長 松前君。
  75. 松前重義

    ○松前委員 私は簡易保険の積立金の運用と、電信電話事業の拡張との関係について、少し郵政大臣の御所見を伺いたいのであります。  簡易保険の積立金の運用が近く郵政省に移るということは、従来逓信事業に従事しておつた者の多年の要望でありました。ことに地方に行つてみますと、特定局長などは特にこれを要望しておりました。この運用権が移ることによつて、将来の簡易保険の勧誘に対して、非常に大きな利益が与えられるということは御承知の通りであります。私はいなかを歩いてみていつも考えるのは、この運用権の問題が移つた場合において、郵政大臣の所管にあります電信電話事業と、この簡易保険の事業との間に、積立金の運用において何らかの施策をお持ちではないだろうかと、ひそかに実は希望的に考えておつたのでありまするが、この点について御所見をお伺いしたいと思います。
  76. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 御承知のように現在の法制では、簡易保険積立金、郵便年金積立金の運用は、地方債の引受、地方公共団体の貸付ということに限定されておると思います。従つて現在の法制のもとでは、お話のようなことできないことになつております。しかし電信電話事業と郵政事業とは今までの関係もあり、かなり深い関係を持つておりますので、お話のような点も今後は大いに検討をしてみる必要があろう、こういうつもりでおります。
  77. 松前重義

    ○松前委員 お忙しいようでありますから簡単に申し上げたいと思います。ただいまの御答弁では、どうも法制上の立場から今のところできないというのでありますが、これは当然かえるといたしまして考えなければならぬ問題であると思います。問題はこの五箇年計画を拝見しましても、何といつて事業の利潤を考えますときには、こういう事業は都会に偏重するものでありまして、この計画を見ましても、大体都会に偏重いたしておるのであります。いろいろ農村に対してどうのこうのといつて、いかにもよさそうな政策をいつも立てられておりますけれども、実質は常に農村あるいは僻遠の地に対しては恵まれない状態になつておるのであります。私は特定局長たちがあの熱心さをもつてこの積立金運用権の委譲をいかに希望しておつたかということを考えまして、その反面において、ある程度こういう恵まれない土地に対する特別な措置といたしまして、簡易保険の募集の成績等とにらみ合せまして、その土地の発展のためにその簡易保険の積立金を運用する、こういう意味において電信電話事業との関係をつけるならば、非常に意義あるやり方であると同時に、簡易保険自体の発展のためにも非常に有意義であると考えておりますが、それらにつきまして漫然たる御答弁でなくて、ひとつ大臣の御所見を伺いたいと思います。
  78. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 お話のような点は、むろん今後考慮しなければならない点だと私も考えております。ただ現在の法制はそうなつておりませんので、これをかえるということについては、やはりいろいろな事情を十分検討をいたしましてやらなければならないと思つておりますので、今後大いに検討いたして参りたいという考えでございます。     —————————————
  79. 橋本登美三郎

    橋本委員長 次に電波監視に関し、調査を進めます。松前君。
  80. 松前重義

    ○松前委員 先般問題になつております不法電波の問題であります。三橋某というのが不法電波の施設をやつて、新聞によりますればしかるべきところと通信をいたしておつたということでありますが、この電波の問題につきましては、駐留軍との間に何らかの関係があつたのかどうか、今日まで発見されないで、本人が自首して来るまで、全然あの電波を出しておることが発見されなかつたその理由につきまして、その間の事情を承りたいと思います。
  81. 新川浩

    ○新川説明員 ただいまの三橋事件に関連する電波でございますが、これにつきましては従来郵政省でやつております電波監視機構におきまして、それに関連すると思われます電波は捕捉しておりまして、その所在につきまして鋭意調査を進めておつたのであります。今回検察当局からの調査の御依頼もございまして、提供されました資料と合せまして、さらに調査中である、こういう段階でございます。御質問にございました今までなぜこれがつかまらなかつたかという点につきまして、さらに駐留軍との関連等について御質問もございましたが、駐留軍との関連につきましては、講和条約発効以前におきましては、電波監視で捕捉いたしました電波につきましては、占領軍当局に対しまして報告の義務を持つていた。講和条約発効後におきましては、そういう義務は当然消滅いたしまして、現在は利害をともにする場合におきましては、互いに情報を交換するという段階になつております。これらの不法電波は御存じの通り発射の回数も非常に少いし、時間も短時間でございますので、これを捕捉して所在をつきとめますまでには、相当の時間を要するわけであります。今回の場合におきましては、その捕捉に至る以前において、このような段階なつたと申し上げられるのでございます。
  82. 松前重義

    ○松前委員 電波発射の問題が非常に政治的に国際的に重要な問題であることは、単に三橋某がアンテナを立ててやつておつたというだけの問題では絶対にないと思います。すなわち日本が独立をいたしました今日において、駐留軍との間にいかなる電波の総合的なとりきめをやつておられるか。すなわち周波数その他に対しまして、駐留軍との間には截然たる区別をつけ、使用権の確立を得てやつておられるのであるか。あるいは駐留軍は自由に——自由というわけではありませんが、駐留軍に関しましては日本のいわゆる電波監視という立場から見て、監督の範囲に駐留軍自体が入つておるのかどうか。いわゆる日本の主権のもとに駐留軍は監視されておるのかどうか、この点につきまして大臣からお答えを願いたいと思います。
  83. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 実は私そういう点につきまして行政協定の内容を十分承知しておりません。実際問題としてわかつておることであれば、監視長の方からお話申し上げます。
  84. 新川浩

    ○新川説明員 ただいま御質問にございました駐留軍関係の電波の取扱いでございますが、監視の面から見た場合におきましては、駐留軍の電波は最も近接いたしました外国局の電波と同等に扱われておるのでございまして、これは外国の電波といえども、他国の監視機関によつてその間違いが発見されましたとき、その通報を受けますると、それに応じてその誤りを直す義務を持つております。駐留軍もそれとまつたく同様の基礎におきまして、当方の監視機構からの間違いの通告に対しまして、これを訂正その他の処置をとる義務を持つておるわけでございます。
  85. 松前重義

    ○松前委員 まだお答えが明確でございません。私の申し上げておるのは、いわゆる電波という一つの目に見えない領土、その領土に対する一つの秩序を維持する中心が、日本の郵政省の電波監理局にあるのであるかどうか、この点をお答えをしていただきたいと思つております。
  86. 新川浩

    ○新川説明員 行政協定の第三条におきまして、米軍はその施設及び区域内においては無線局を持つ権利を保有しております。その使用いたします電波につきましては、日本国の主管庁と協議いたしまして、その協定によることになつております。現在その協定は、細部のとりきめとしてその都度折衝が行われておりまして、米軍がかつてにわが国の上空において、わが主管庁に無断で電波を出すという段階は決してないのでありまして、日本の主管庁であります郵政省と米軍司令部との間に協定の成立した電波のみを米軍は使用しております。なおその使用する場所は、米軍の使用する地域及び区域の内部に限られておるわけであります。
  87. 松前重義

    ○松前委員 今のお答えによりますれば、米軍と日本政府とは、日本の領土内において、また上空において、対等の立場でその都度協議をして、波長その他をきめておる、こういうことになりますか。
  88. 新川浩

    ○新川説明員 その詳細の点につきましては、監視担当の私から申し上げるのはどうかと存ずるのでございますが、行政協定第三条におきましては、米軍はわが国の中で、施設及び区域内に無線局を保有する権利を持つております。その権利に基いて実際に使用いたします電波につきまして、日本政府とその都度交渉するというわけでございます。
  89. 松前重義

    ○松前委員 どうも私はまだ要領を得ておりません。私のお尋ねしておるのは、一体その電波に関する、日本における主権はどつちにあるかという問題であります。行政協定におきまして、駐留軍のおります兵舎その他の場所で無線局をつくることはできても、上空というものは共通であります。こういう意味において、一体そこにどういうふうな——ただお互いにやつておられるというだけの話なのでありますか。これは目に見えないものでありますから、国民がほとんど認識していない問題だと思うのです。そういうために電波監視局があの三橋事件のごときものを今日まで発見し得ないでおつた。この電波監視の問題については、長い間研究もされ、実施もされて来たものでありまして、十分経験を持つておられるのであろうと思うのでありますが、それを発見し得なかつたということは、米軍との関係において何か遠慮がちな、あなた方の立場においてやりにくい点があるためにできたところの、一つのミスではないかという感じがするのでありますが、いかがでありますか。
  90. 新川浩

    ○新川説明員 行政協定の根本的な問題に関しましては、なお電波監理局長その他と打合せをいたしまして、関係者からお答えを申し上げた方がいいと存じます。私からは電波監視関係いたします点についてお答えさせていただきたいと思います。電波監視につきましては、駐留軍等のありますために特にやりにくいというようなことは決してございません。ただ現在わが国を包んでおります国際環境のために、上空にいわゆる不明電波と申しますか、許されました無線局の発射する以外の電波が非常に多いという点につきましては、監視の仕事を非常にやりにくくしておることはいなめない事実でございます。
  91. 橋本登美三郎

    橋本委員長 松前さん、きようは電波関係の方は突然に呼びつけたようなわけでして、今御質問の三橋事件等についても、もう少し材料をとらないと詳しくわかつていないようですから、監視所の方の材料が整つてからあらためて御質問願つたらいかがでしようか。
  92. 松前重義

    ○松前委員 そういうことにいたしましよう。それでは電波監視に関するいろいろな機構あるいは施設、そういうものの資料がありましたら頂戴したいと思います。それから行政協定の内容につきまして、もう少し掘り下げていただきたい。大臣郵政大臣であつて内容を全然知られない。目に見えない電波というものは非常に大事な問題である。いわゆる文明国であるならば、これはまつ先に取上げるべきものであります。ところが日本はどういうわけだか、電波はわからぬものだといつて、だれも取上げない。そういうことで御存じないらしいと思うのです。ですからこの問題につきまして行政協定、すなわち駐留軍との関係につきまして、第三条ばかりを引合いに出さないで、現実の問題としてどういうことをおやりになつておられるか、一応明確な資料を頂戴できたら、いただきたいと思います。それで大臣さんにあとでよく教育していただきまして、大臣さんからも答弁をしていただきたいと思います。     —————————————
  93. 金光昭

    金光政府委員 先ほど委員からの御質問の答弁漏れになつていたものを申し上げます。八級局の東京近郊の局でございますが、八級局では、千葉県の和田あるいは牛久というような局が八級局でございます。それから九級局になりますと、やはり千葉県で横田あるいは広岡というようなところがございます。十級局になりますと、茨城県で大賀、あるいは千葉県でなしに、茨城県の佐原、群馬県では名久田、そういつたところが十級局でございます。
  94. 橋本登美三郎

    橋本委員長 本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時八分散会