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中峠委員 そうしますとこれは大体
研究用になると私は推察いたします。
日本が戦争このかた十数年にわたりまして
外国との
鎖国状態になりまして、
日本の
生産技術というものは非常に落ちて来たと思うのでございます。特に一番もとになります
工作機械の
方面におきましても、これはおそらくアメリカに絶対太刀打ちはできないと思うのでありまして、
従つて六十台の
機械を輸入いたしまして、これを
一つの
研究用とすることは、非常によいことであると私は存じております。しかし
機械というものは非常にいろいろな条件を備えなければならないものでありまして、特に
日本の
機械が
外国の
機械に比べましたときに一番困るのは、
寿命という問題でございます。
寿命とはどういうことかと申しますと、たとえばここに
一つ旋盤がございまして、その旋盤をも
つて物を削りますときに、百分の一ミリ、あるいは千分の三十ミリとか、そういう
一つの許容誤差を許しまして、そうしてその範囲の誤差は認めるけれども、それを何年間くらい続けて
仕事をいたしましたらその誤差を越して行くものであるか、これが
一つの
寿命でございます。
日本の今までの
機械は、
外国の、あるいはアメリカ、イギリスの
機械に比べてみますときに、この
寿命が非常に短かいのであります。極端なものになりますと、
日本の
機械の
寿命が、一箇年たてばその百分の一の誤差をもう越える、こういう
状態でありまして、アメリカの
機械、あるいはイギリスの旋盤で削
つてみますとき、大体これが十年くらいの
寿命を持
つておりますのが、今までの例におきましてもずいぶんあるのでございます。そのほかの
機械におきましても、こういうのがあるのでありまして、向うの中古の
機械を買
つて来てこちらでやりましても、それはなかなかこわれない。
日本の新しい
機械は、それはいかに外見上よいからと申しましても、その新しい
機械を使
つてみますと、一年もすればこわれて、修繕すればまたすぐこわれる。そこでやりつぱなしておく、そういうことが
官庁方面でもあると思いますし、私もその例も聞きましたし、また民間の
方面でもあるのでございまして、
機械を
一つ分解いたしまして、それを精密にさしでも
つてはかりまして——これは百分の一ミリ、詳しいのになりますと千分の一、ミリくらいは正確にはかれるのでありますから、それをはか
つて行けば、幾らでも外見上のまねはできるのでございますけれども、しからば
寿命は何によるのかと申しますと、私はその材質によるのが一番大きな原因であると
考えております。
従つてこれは学者及び
生産技術者を動員いたしまして、できるだけすみやかにアメリカ
方面等の先進国の水準にまで達していただきたい、かようにお願い申したいのでございます。
それに関連しまして、
武器等製造法案の
審議にあたりまして、ずいぶんと私も
お話を承りましたけれども、あたかもこの
武器を奨励するような
言葉もときどき耳にいたしたのでございますが、この
武器等製造法案は、そういうように奨励するのではないと私は
考えておりますし、また私の今申し上げましたのは、この
武器とかいうことを離れまして、
日本の
生産技術、これを向上させたいという希望でこのように申し上げたのでございます。
次に
質問いたしますのは、
法案の第二条第一項第三号「爆発物」という
言葉でございますけれども、この爆発物について私は少し
お尋ねしたいと思うのでございます。この第五条におきまして「通商
産業大臣は、第三条の許可の申請が左の各号に適合していると認めるときは、許可をしなければならない。一、当該
武器の
製造のための
設備が通商
産業省令で定める
技術上の基準に適合すること。二、当該
武器の保管のための
設備が通商
産業省令で定める要件を備えること。」こういう
言葉がございますけれども、この一におきまして「
設備が通商
産業省令で定める
技術上の基準に適合すること。」という省令は、将来出す省令でございましようか、あるいは現在ある省令でございましようか。