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1953-02-18 第15回国会 衆議院 通商産業委員会 第21号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年二月十八日(水曜日) 午後一時五十六分
開議
出席委員
委員長
坪川
信三君
理事
小金 義照君
理事
高木吉之助
君
理事
今澄
勇君
理事
永井勝次郎
君 大倉 三郎君 河合 良成君 辻 寛一君 中峠 國夫君
福井
勇君 高橋 長治君
長谷川四郎
君 山手
滿男
君
加藤
清二
君 木下 重範君
出席政府委員
通商産業政務次
官
小平
久雄君
通商産業事務官
(
重工業局長
)
葦澤
大義君
委員外
の
出席者
通商産業事務官
(
重工業局産業
機械課長
)
熊谷
典文君 専 門 員 谷崎 明君 専 門 員 越田 清七君 ――
―――――――――――
二月十六日
中央卸売市場法改正
に関する請願(
小林絹治
君 紹介)(第一九三八号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 同月十七日
電源開発政府資金
の増額及び
開発資金
の
利子引
下げ等
に関する
陳情書
(第一三七一号)
昭和
二十八
年度
予算
に
新規電源開発事業費
を計 上の
陳情書
(第一 三七二号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
武器等製造法案
(
内閣提出
第三一号)
輸出品取締法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提
出第四五号) ――
―――――――――――
坪川信三
1
○
坪川委員長
これより
会議
を開きます。 本日はまず前会に引続きまして
輸出品取締法
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。他に御
質疑
はありま
せん
か。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
坪川信三
2
○
坪川委員長
他に御
質疑
がなければ、
本案
に対する
質疑
はこの
程度
といたしたいと存じますが、御
異議
ありま
せん
か。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
坪川信三
3
○
坪川委員長
御
異議
なければ
本案
に対する
質疑
はこれにて終了いたしました。 —
——
——
——
——
——
——
坪川信三
4
○
坪川委員長
次に
武器等製造法案
を
議題
といたし、
質疑
を続行いたします。
質疑
の通告がありますから、順次これを許します。
福井勇
君。
福井勇
5
○
福井
(勇)
委員
私が引続き
武器等製造法案
について長く連続してや
つて
おりますので、非常に他の党の
方々
に恐縮しております。ごく大綱は
政府
の御
答弁
で非常によくわかりつつございますので、
本案
についてはもう速度を上げて簡略な
質問
で終りたいと思
つて
おります。 この
武器等製造法案
について、現在のこの
法案
の文字だけでは、
事業許可
が主として大
企業
にな
つて
、大
企業
が独占的にこの
地位
を利用するようになりはせぬか、そうして現在
日本
で
中小機械工業
というものが
仕事
がなくて非常に困
つて
おる、こういう段階に対して何とかその辺の
調節
をしたらと私
たち
は思
つて
おるのでありますが、しかし現在の
武器製造
の
世界
の
情勢
を見ますと、簡単に
下請
に出すというようなラフな
設計
あるいは加工ということではどうもつじつまが合わないというような非常に悩みのある
業界
だと私は思
つて
おります。そこで
下請工業
をこの
法案
で圧迫しやしないかという
心配
があるのでありますが、これらの
調節
を
当局
はどういうふうに考えておられるか伺います。
小平久雄
6
○
小平政府委員
御懸念の点はまことにごもつともだと思うのでありますが、
武器生産
につきましてはなるべく
専門
的な分野を利用していただく、こういう
方針
で行きたいと思いますので、必ずしも大
企業
にだけこの
受注
が集中するということもないかと思います。すなわち特殊な
技術
を持
つて
おりますならば、
中小企業
においても
受注
が可能であるという面が開けると存じますし、また一面におきましては、大
企業
が
受注
をいたしましても、これがいわゆる
下請
の
関係
におきまして
中小企業
にも
相当仕事
が流れて行くということが予想いたされるのであります。この間にありまして大
企業
が特に
中小企業
を圧迫するというような
事態
がもしかりにありますならば、これは
ひとり武器生産
の
関係
ばかりでなく、広く大
企業
と
中小企業
の問題ということにも関連がありますので、そうい
つた
全般的な
中小企業
の
対策
という面からも
当局
としまして十分善処したいと考えているわけであります。
福井勇
7
○
福井
(勇)
委員
この
武器製造法案
について私
たち
が初めから今日まで最も
心配
しておりまするのは、何といたしましても
基礎機械
でありまするが、これらの点について
幸い担当課長
が来ておるようでありますから、この
基礎工作機械工業
の
振興
並びにその
対策
について、特に
内容
はセーパーだとか、レースだとか、あるいはドリリング・
マシン
だとか、
グラインダー
だとか、ギア・カツター、
冶具
、
ポーラー
についての問題を
——
私はこの前
佐々木説明員
に海外に依存するのか、あるいは
国内
の
メーカー
の
基礎工作機械
を
振興
させるのかという
質問
を試みたのでありますが、そのときは時間の
関係
で非常に簡単にな
つて
しまいまして、
次会
に繰延べるというようなふうで
終つたや
に記憶しております。そのときの
速記録
によりましても非常に簡単にな
つて
おります。この点について
担当課長
はどういうふうに考えておられますか、この点を御
説明
願いたい。
熊谷典文
8
○
熊谷説明員
御
説明
申し上げます。ただいま御
質問
の点に対しましては、われわれといたしましては昨年以来
工作機械
の
精度
の
向上
につきましてはあらゆる
対策
を講じたのでございます。すなわち昨
年度
におきましては、
工作機械メーカー
の
設備
の
合理化
をはかりますために、二億五千万円
程度
の
予算
を計上いたしまして、
基礎部面
の
設備
の更新をはか
つた
わけであります。なお本
年度
におきましても、残りの
設備
がございますので、そういう面につきましては
開発銀行あたり
の
融資
をあつ
せん
いたしましてまかな
つて
参りたい、かように考えております。なお今後の
兵器
あるいは
航空機
の
生産
という面から見ますと、相当新しい
機種
の
工作機械
が必要にな
つて
来よう、かように考えております。従いまして本
年度
は従来ありました
工業化補助金
以外におきまして、特に
工作機械
につきましてはその別わくといたしまして一億円
程度
の
試作補助金
を
大蔵省
と交渉いたしまして計上いたしました
予算案
を
提出
して御審議を願
つて
いるわけであります。そのほか
工作機械
の今後の
発展
をはかるためには、新しい
機種
を見本的に入れて来まして、それを詳細に
試験
、研究するいという必要もあろうと思いますので、そういう点につきましては
機械試験所
の方におきまして御
努力
を願
つて
いるわけであります。なお先ほど今後の
工作機械
は
輸入
によ
つて
まかなうか、または
国産
で行くのかという御
質問
がございましたが、この点につきましては、私どもとしましては、
国内
で
技術
的に
生産
可能なものにつきましては、
国産品
を使
つて
いただくような
措置
をと
つて
おるわけであります。これは
輸入
の場合に、個々のケースにつきまして
審査
をいたしまして、さような
方向
に向
つて
おるわけであります。なお
国産機械
を使
つて
いただきますためには、
需要者
の
認識
を深める必要もございますので、こういう点につきまして
外国品
と
国産品
との
比較製作
というような問題も
試験所
で
技術
的にや
つて
いただきまして、それを公表いたしまして
需要者
の御
認識
も深め、それによ
つて国産工作機械
におきまして今後の
機械工業
が
発展
して行くような
方向
で考えておるわけであります。
福井勇
9
○
福井
(勇)
委員
前回私が
佐々木説明員
に
説明
を聞きました場合に、
外国
から
終戦
後入
つた機種
は、
兵器製造用
のマザー・
マシン
としてわずかに百二十一台しかないようであります。私の戦時中に
航空発動機
の
専用工作機械
をつく
つた
当時の
経験
から言いますると、今
保安庁あたり
で
大臣
が
国産機
をつくりたいというような
機種
においてすら、私は
日本
の
マシン
、
ツール
だけではだめだと実は想像しておりますし、
戦前日本
に六十万台ありました
工作機械
が、一部、三、四万台は
賠償機械
として、フイリピンの他中国の方へ
行つた
という記憶を持
つて
おりますが、現在どれくらい
日本
に役に立つのがあるか。
賠償
として押えられた分並びに民間において稼働し得る台数はどのくらいあるか、今
資料
の手持ちがあ
つた
ら
担当者
から
説明
していただきたい。
熊谷典文
10
○
熊谷説明員
現在
工作機械
の全数量は、これはいろいろな調査の
方法
があろうかと思いますが、私ども推定しておりますのは、稼働しておりますものが三十万台ぐらいと考えております。その中で、先ほど御
指摘
になりました
輸入
あるいは従来優秀な
メーカー
が
使つた工作機械
のいいものがどれくらいあるかという問題は、その一割
程度
、かように見ております。
福井勇
11
○
福井
(勇)
委員
本日は
技術
的な
説明
を受ける
専門
の
答弁者
がおらないように思いまするので、それらの点は省略いたします。大体従来までの私の
質問
に対する
答弁
で、その点は了承することといたします。ただ、
通産省
は今後
武器製造
について、その
基礎機械
の
考え方
が、私といたしましてははつきりしておらぬように思う。そういう点で私は
工作機械
に対する
希望
を付して私の
質問
を終りたいと存じます。
通産省
は
工作機械
の
製造事業
に対して
援助方針
をも
つて
臨むということを
小平政務次官
が言われましたので、この点は私は安心しております。なお一層この
技術
の
飛躍的向上
のためにライプチヒの
メツセ
だとかミラノの
メツセ
だとか、あるいはハンブルグ、ブラツセル、ロンドン、パリ、これらのところには年々
最新式
の
マシン
、
ツール
の
メツセ
があり、特に私が驚いたことには、
ソ連
の
最新式
の
専門機
がずつと並んでおり、これらを販売しております、もつとも
ソ連
の
販売方式
はいろいろの異論はありまするが、とにかく出ております。これらの新しい時代に処する知識を吸収するために、ぜひとも十分なる用意をも
つて
、
技術者
が、あるいは
通産省
の
関係官
が
世界
の進運に遅れないような処置を、特に
武器等製造法
に関して遺憾なからしめるように処置していただきたい。なお
試作
の
奨励措置
としては、
補助金
の額だとかまた対象において僅少かつ非常に小範囲にとどまり、あるいは
設備等資金
の
援助
の不十分、不徹底な
措置
は、例年私
たち
の見るところでありまして、このままでは私は
日本
の
工作機械
の
飛躍
はあり得ないという
心配
があるのであります。現在
外国
の
マシン
、
ツール
に対して、一箇年半ほど前からのオーダーは、約二十五億円になんなんとしておる。もしこれを
国内メーカー
に依存したならば、特に私
たち
の最も
心配
しておるギヤ・カツターだとか、高
精度
の
グラインダー
とか、あるいは
冶具
、
ポーラー
だとか、こういうような種類のものは別として、これらはまだ
日本
では、
航空機工業
に充当するのにはちよつと
製造技術
において遅れておると思います。また材料の点において遅れておると思いますので、これらは別として、
国産メーカー
に依存することができるものは、その
注文
は特に
日本
の
メーカー
にさせる。最も戦後疲弊した
工作機械業界
に、こういう
注文
を多くすれば活を与えるのみではなくて、
技術
の
高度化
と重要な
基礎産業
として資本の蓄積がもたらされ、
日本
の
経済
に寄与するであろうことは、今にしてこの間の策なき推移が、今日
工作機械工業
の
育成
の手当を一層困難ならしめているわけでありますが、
わが国産業
の高進しつつある
設備近代化意欲
は、まことに慶賀すべきものであります。しかし相かわらずモデル・
マシン
をすべて
輸入
にまつというようなことだけで事足れりというふうに放任しておけば、私
たち
は今後の大
東亜地域
における
科学技術界
のリーダーとして
日本
が押えて来たその
地位
は保持できないであろう。特に
輸出産業
を
日本
が一つの目標として行くという場合には、繊維、
化学工業
、
機械工業
この三つが
ほんとう
に
日本
を救うものだと思
つて
おりますので、これらの点については、特に
機械工業
の
技術
の
飛躍
ということが最も考慮されなければいかぬと思うのであります。 参考までに従来の
工作機械
の立直りの経過を例にと
つて
みますると、ちよつと大型の特殊のものになると、
需要者側
からあまたの
要求資料
の
提出
に
メーカー
は迫られてしま
つて
、延百人にわたる
技術者
や
営業関係者
の出動を要し、そうしてそのリストをつくることにのみ数十日を費してしま
つて
、その結果
最後
は
国内
の
マシン
、
ツール
を使わずに、
外国
の
機械
を
輸入
するという一言で片づけてしまうというような場合が非常に多くあるのでありまして、まことに
業者
としては弱い立場にある
機械工業界
であります。また
輸入業者
の
仲介
によ
つて輸入工作機械
の
取引促進
の半面、
国産品
の
精度
、
耐久度等実質
以下の
評価観念
をもたらし、
需要者
として必要な正しい
認識
が突き進め得られない状況にあるのであります。これは一面
工作機械メーカー
の宣伝の不得手にもよりますけれども、これをも
つて
解決し得ざる特殊の
事態
もあるのであります。将来とも
工作機械
のごとき
重要機械
の
輸入
においては、たとえばもし
仲介商社
の主導にまかせて、単に外貨の面の
規制
以外に、多くの無批判な
自由貿易
が許されるならば、
事国策
を誤るという
心配
なしとし、得ないのであります。為政者、特に
政府当局
の考えてもらわなければならない重大な点であります。 なおこの
兵器産業
の
基礎機械
であるところの
工作機械
の
取引
上の
商利
の面から見ますと、
一流国産メーカー
に対しては
一流商社
が
仲介
に立
つた
ときには、常識的に五%の
マージン
であるが、
外国輸入品
に対しては一割五分ないし三割という、非常に高い
マージン
にな
つて
おるようであります。加えて
関税定率法
によ
つて免税機種
の特典を利することになりますれば、
国内メーカー
の存立をま
つた
く無視した、
輸入一辺倒
となるような
現状
も見られるのであります。付言しますれば、一般に
需要者
の
設備資金
に関する限り、
金融業者
のすべてがほとんど無批判的に、
外国品
の
崇拝思想
にアツピールしまして、
輸入機械設備金融
に絶対重点が置かれておるということに、深く反省を促したいのであります。すでに
わが国
の
工作機械工業
の
建直し
は一刻の猶予もしがたい
状態
にあることは、大方識者の理解されるところでありますが、実際今日までわが
工作機械事業
の進展に全生命をかけて経営の困難を辛うじて切抜けて参りました、信念に貫く
事業者
の
現実
の
気持
は、前述の
輸入
問題とあわせて
国内工業育成
の
緊急対策
の実現に期待のほかはなく、これがなければ
大方生産放棄
もやむを得ないという
日本
の
機械工業
、特に
工作機械
の
業界
の
現状
であります。 重ねて強調しますならば、各種の
重工業
はもちろん、全
産業
の
基礎
となり、なおかつ
日本
の好むと好まざるとにかかわらず、
防衛生産
の母体となることは、すでに私がたびたび申し上げた
通り工作機械
であります。今後
独立国家
百年の大計は、今にして
国内自給態勢
の
樹立計画確立
の
国策
において遂行しなければならないときに際会しておると思うのであります。幸い
工作機械業界
昨今の
情勢
は、戦後の立遅れを若干克服しつつ、
企業
として
最後
の
努力
を傾注して、
国産化機種
その他独自の
設計
による高能率、高
精度機種
の画期的な新
製作計画
にも乗り出して参
つて
おりますが、すでに百二十種にも及びまするこれらの必要なる
機種
は、
通当局
においてもよく考慮して、この
機種
の
進歩発達
をはかられたいと思うのであります。今日の機会を逸せず、
当局
はただちにその熱意を取上げて、その
援助政策
も
大蔵省当局
に強く反映せしめ、
わが国
の
工作機械工業振興
のために、最も有効適切な
措置
を考えていただきたいと思います。 私は以上の点を特に
希望
しておきまして、現在
通産省
の、特に
機械
に
関係
するところの機構がいかにも貧弱である。これは
化学工業
の面においても同様に思うのであります。特に本日は
通産大臣
もおられま
せん
が、
小平政務次官
におかれてこれらの
人的要素
の構成において現在も相当
りつぱな人物
をそろえておりまするが、大体人数が足りない、この点であります。特に
化学工業
、
機械工業
が
日本
の
貿易
の
基礎
となるということを考えましたならば、現在の三倍、五倍、いくら
行政整理
をやるということがありましても、必要なものは
飛躍
さしたらいいのでありますから、そういう点については大きな決心をも
つて
この
機械工業
の
飛躍
に留意していただきたい。私はこれが
兵器産業
の今後の
基礎
となるべきことを考え、
希望
を述べまして、私の
質問
を終ることといたします。
坪川信三
12
○
坪川委員長
加藤清二
君。
加藤清二
13
○
加藤
(清)
委員
武器等製造法案
につきまして、私はこれを
国民経済
及び
産業構造
の面から二、三お尋ねしたいと存じます。 まず第一番に、
兵器
の
生産
はすでに
国内
において、この
法律
ができていない過去において
製造
をされている、にもかかわりませずこういう
法律
をお出しになる、その
ほんとう
の
理由
を、簡単に御
説明
願いたいと思います。
小平久雄
14
○
小平政府委員
武器製造
につきまして、法的な
規制
が欠けてお
つた
という
事態
につきましては、その
理由
についてさきに御
説明
申し上げましたが、
理由
のいかんを問わず遺憾であ
つた
と存ずるのであります。ただ現在行われております
武器生産
の実情を見ますと、御
承知
のようにややともするとこの種の
事業
が
濫立
をされ、
従つて競争
が非常に激しい。またいわゆる
出血受注
というようなことが話題になるという
事態
にもありますので、
当局
としましてはそうい
つた
無用
の
濫立
、
無用
の
競争
を避けまするとともに、何と申しましてもこの
武器生産
というものが特異な
産業
でもございますので、
わが国
の
産業構造
全体とのバランスということも考えまして、
わが国産業
全体の健全な
発展
を阻害することのないような
限度
において
武器生産事業
を認めて
参ろう
、こういう観点から今回御提案を申し上げたわけであります。
加藤清二
15
○
加藤
(清)
委員
御
承知
の
通り
、
わが国
の
兵器生産工業
というものが、敗戦によ
つて
ほとんど再起不能な
状態
に追い込まれている。
従つて
新しく
兵器
をつくろうとすれば、その
設備資金
、
資材資金等
、今日
資金難
の所に相当多額な
費用
と
資材
を要するものと心得まするが、これについての
費用
の
捻出場所
は、
外資導入
によるのか、あるいは
復金
の
融資等
、
政府
の
援助
によるものか、あるいは
自己調達
の
自己資金
に多くの
ウエート
がかけられるものか、その点お尋ねいたします。
小平久雄
16
○
小平政府委員
兵器製造
を再開するにつきまして、多額の
資金
、
資材
を要するのではないかということが第一点でありますが、それは御
指摘
の
通り
であります。しかしながらまた見ようによりましては、以前の
生産設備
が相当
程度
活用できますので、そう莫大なものでもないと
当局
では見ておるのであります。先般も申し上げましたが、
資金
につきましても八、九億ないし十億
程度
のものがあればよろしいのではないかというふうに考えておるのであります。 なおその
資金
の
調達
の
方法
につきまして、
外資
の
導入
をあてにしておるのかという御
質問
でありますが、目下のところ特に
外資
を入れようという考えは持
つて
おりま
せん
。主として
資金
の
調達
は
自己資金
の
調達
を
中心
といたしまして、
融資
を仰ぐ等の場合におきましては、
当局
におきましても必要の
限度
におきましてはあつ
せん
もや
つて
参りたい、かように考えておるわけであります。
加藤清二
17
○
加藤
(清)
委員
その
資金
の
調達
でございますが、ただいまの御
答弁
によりますと、
自己資金
が主体で、要すればある
程度
の
援助資金
を考慮する、こういうことでございますか、そう解釈してよろしゆうございますか。
小平久雄
18
○
小平政府委員
自己資金
を
中心
とするということは、ただいま
お話
の
通り
であります。
援助資金
というのはどういう御
意味
かわかりま
せん
が、
政府
がこれに
資金
的に
現実
に
政府
の金を流してやろうというのではなくて、
事業会社
が
借入等
をいたします場合に、これがあつ
せん
を必要の
限度
において行おう、こういう
意味
であります。
加藤清二
19
○
加藤
(清)
委員
再び
融資
でございますが、そうすると、
業者
が必要とする場合に、
政府
が借入れの手助けをする、こういうことでございますか。
小平久雄
20
○
小平政府委員
大体その
通り
であります。要すれば
開銀等
の
融資
につきまして、
武器製造
のための
資金
の
融資
のわくを一つ設けてでもこのあつ
せん
をいたして
参ろう
、こういう
意味
であります。
加藤清二
21
○
加藤
(清)
委員
結論的に申しますと、いずれであ
つて
も、結局
兵器
の
生産
の発注を受け、これを行おうとする
会社
の
自己
の責任において、あるいは
自己
の債務においてこれを行わなければならない、こういうことでございますね。
小平久雄
22
○
小平政府委員
その
通り
であります。
加藤清二
23
○
加藤
(清)
委員
それについて、これから私の申し上げることがうそであればよろしゆうございますけれども、
外国
の雑誌の報ずるところ、
UP通信
の報ずるところによりますと、米国のか
つて
の国防の
高官
の方が
——ゼネラル・モータース
の社長、ただいまはさる
高官
にな
つて
いらつしやるようでございますけれども、この方に対して、
日本
の
兵器生産
に対して
外資
を
日本
に出すか出さないか、こちら側からいえば
導入
されるかされないかという問題について
書簡
を送
つて
いらつしやる。その
書簡
の一部に、危険である、それは戦略的にい
つて
危険である。この
内容
は長く続くわけでございますが、抽象的に概略申し上げます。
従つて
ここで
外資
を、いわゆる
ゼネラル・モータース
の金を貸すというようなことは避けたがいいであろうという
意味
のことを
書簡
に書いて送
つて
いらつしやるということを聞いておりまするが、これに対する見解はいかがでございまするか。
小平久雄
24
○
小平政府委員
外電が何と伝えておるか存じま
せん
が、
当局
としましては、ただいまかような事実があ
つた
ことを
承知
いたしておりま
せん
。
加藤清二
25
○
加藤
(清)
委員
じや、この問題について
世界
銀行
の連中が来られました折に、
ガーナー
氏とやらに
日本政府
としてはこういうところへ
外資
を
導入
することについて
お話
をされましたか、されま
せん
か、ないしはそういうことの
必要性
を認められたのですか、認められなか
つた
のですか。
小平久雄
26
○
小平政府委員
ガーナー
氏が昨年末参りましたときには、この
武器生産
に要する
資金等
につきましては、何ら話をいたしておりま
せん
。
ガーナー
氏に話しましたのは、御
承知
と思いますが、電力の
開発
の
関係
であるとか、あるいは炭鉱の
合理化
の
資金
であるとか、その他
他省
の
関係
において、
運輸関係
であるとかその他が若干出ておりますが、
武器生産
に関しましては何らの話合いをいたしておりま
せん
。
加藤清二
27
○
加藤
(清)
委員
それでは
方向
をかえまして、実は先ほど次官からの
お話
がありましたように、
兵器
の
生産
につきまして
受注
を受けたいという
会社
が非常に多いということは、これはお説の
通り
でございます。ところがその多いという
会社名
を一覧いたしますると
——
これから先のことはもしいけなければ記録を禁止してもら
つて
もいいのですが
——
見ますると、ある種の
平和産業
に過去において従事していたところの
会社名
が多い。この点私は実に遺憾なことに思うのでございます。それは戦争前に
先祖伝来
のしにせを
企業合同
の美名によ
つて
合併させられ、
自分
の手なれたなじみ深い
機械
を
鉄砲だま
に献金するために、泣きの涙でその
機械
とわかれて、およそ手なれていない
業務
についたという苦い
経験
を、
国民
の
産業界
における多くの
方々
が
経験
をしていらつしやるわけでございまして、だれしも
自分
の
本業
をかえて他の
職業
につこうという人は、普通であ
つた
ならばないはずなんです。にもかかわりませず、
本業
をやめて他の
仕事
につきたいという、その原因が問題であると存じます。それは
政府
の
終戦
後における、あるいは最近における
産業構造
の問題、あるいは
輸出産業
の問題、この点について遺憾な点がありやなしや。
東南アジア貿易
、いわゆる世にいうところの
中共貿易
を
ほんとう
に奨励し
振興
していらつしや
つた
ならば、
先祖伝来
の父祖から受継いだ
職業
をかえなければならないというような苦しみを今与えなくても済んだのではないか、こう考えられるわけでございます。とにもかくにも
受注
を受けたいという方で見れば、製品が輸出不振である、
従つて業務
が停滞する、
業務
が停滞して来れば
銀行
の
融資
も受けられない。それだけのみか、
自分
の
会社
の株価も下
つて
来る。これは背に腹はかえられない、おぼれんとする者わらをもつかむという
気持
がここに現われているではないか、かように考えまするが、この際
通産省
といたしましては、そういう
産業
に対しては、一体どのような
考え方
でいらつしやるのか。
兵器生産
に
ウエート
を置くことは、これはけつこうなことかもしれま
せん
けれども、それをあえて転換して行かなければならない苦しい
業者
、これから生ずる
国民経済
への圧迫というものに対して、どのように考えていらつしやいまするか、承りたいと存じます。
小平久雄
28
○
小平政府委員
本来
武器製造
を業としないものが、ただいまの
経済
界の状況からして
武器生産
に乗り出して来る傾向があるではないかという御
質問
のようでありますが、若干そのように見えるものもなきにしもあらずのようであります。しかしこれらの
事業
といえども、その大部分は戦時中におきましては
兵器
の
生産
等に
経験
を有したものであり、またそのための施設等も有しているものが多いのであります。従いまして経営者といたしましては、そうい
つた
遊休にな
つて
おりますような
機械
設備
を利用いたしまして、武器の
生産
を再開いたしたいというような向きもまたなきにしもあらずのようであります。それは一にかか
つて
経営者自身の判断にま
つて
いるわけでありまして、
当局
といたしまして特に
武器生産
を奨励いたしているとか、あるいは
援助
いたしているとか、そういうことがないことはすでに御
承知
だと思うのであります。今回のこの
法案
におきましても、むしろ
武器生産事業
を適当に
規制
いたして
参ろう
というのが趣旨なのでありまして、決して従来何らの
経験
も持たない、あるいは
設備
も持たない、そういうものに奨励をして
武器生産
をさせようとい
つた
ような考えは毛頭持
つて
おりま
せん
。
加藤清二
29
○
加藤
(清)
委員
それは次官さんのおつしやる
通り
で、奨励はなさらないでしよう。この法規によ
つて
見れば制限を加えたい、こういう精神が盛られているようでございますから、奨励はなさらなくても、か
つて
奨励をなさ
つた
平和産業
の面々がくつわをそろえて、金額でいえば少い新しいものに飛びついて行くということは、これまさに今までの
平和産業
がおぼれかか
つて
いる証拠ではないか、おぼれんとする者がわらをもつかむという
気持
がここに現われているのではないか、かように考える次第でございまして、奨励はしないけれども、この
法案
を
提出
されてその
事業
を促進なされんとする
政府
側においては、
平和産業
に対してはどのような
考え方
を持
つて
いらつしやるかということを承りたいのでございます。
小平久雄
30
○
小平政府委員
平和産業
自体を
振興
し、特に輸出
貿易
等を
振興
いたして参りたいということは、これは
当局
の不断の心がけでありまして、そういう面につきましては、もちろんこの
法律
によりまして
武器生産
を認めるといなとにかかわらず、
平和産業
については、あらゆる施策を通じてこれが
発展
を期して行きたいと考えているわけであります。
加藤清二
31
○
加藤
(清)
委員
この問題から入りますると、横道にそれるおそれがありますから、しからば
平和産業
をどのような
方法
において
政府
が、特にその指導
育成
の任に当
つて
いらつしやるところの本省がどういう手を打
つて
いらつしやるかという点については、いずれ別な機会に譲りたいと思いまするが、いずれにしてもせつかくつかんだわら、このわらもろともにまたおぼれてしま
つて
は、それこそ
国民経済
に及ぼす影響は大きいと思うわけでございますが、承るところによりますると、私の郷里の方にもこれを
希望
している
業者
が多い、
従つて
門前の小僧習わぬお経を読むで、門前の小僧としての
質問
になるかもしれま
せん
が、発注をされるときに入札を一度ならず二度三度してがきのように飛びつくところの
日本
業者
を一層
競争
させて安くさせるではないか、つまり言いかえれば出血をさせてまでもやらせるではないかという憂いがなきにしもあらずだと聞いておりまするが、肥料の問題におきましても、あるいはその他の問題においても、出血輸出々々々々と言われておりますやさき、またぞろここに出血輸出が出てはそれこそたいへんだと思いまするので、この問題の将来について、はたして採算がありやいなや、こういう問題についてお尋ねしたいと思います。
小平久雄
32
○
小平政府委員
従来の入札におきまして、いわゆる出血的な入札が、しかも数回に及んで行われるというような
事態
がなきにしもあらずであ
つた
ようでございます。ただこのいわゆる出血というものが
ほんとう
の出血であるのかどうかということは、これに
当局
においても正確にはつかみ得ないのであります。しかしいずれにいたしましてもこのように何回も入札をや
つて
、ただ値を安く下げるということは非常に困りますので、従来からも適格の
メーカー
等を推薦して、そして
無用
の
競争
を省いて入札する、こういう
方法
をと
つて
参
つた
のでありますが、さらに本
法案
におきましては、すでに御
承知
の
通り
生産
分野の確定等を行いまして、さらにまた契約につきましても届出をさせる、それが不適当な場合には
当局
から戒告も発し得るというような手段を取り得るように御提案申し上げているのでありまして、こうすることによ
つて
、いわゆる出血的な入札もしないでよろしいようになるだろうということを期待いたしておるわけであります。
加藤清二
33
○
加藤
(清)
委員
もう一、二点
質問
いたしまして、きようは何か忙しいことがあるそうですから次に譲りたいと存じます。そこで出血がかりに行われたとしても、きようは出血、あすはもうけたということならば、これでそろばんはとれると思うわけでございますので、この将来の見通しについて承りたいと存じますが、それは今日の
兵器生産
は、
日本
の
政府
が発注しているのではなくして、某国の発注であると聞いている。その某国の発注なるものが将来はたして長く続くやいなや、この問題について承りたいのであります。
小平久雄
34
○
小平政府委員
現在の武器の発注、いわゆる特需の一部としてのこの武器の発注、これがどの
程度
続くものか、それにまたどの
程度
の量において発注されるものかということにつきましては、もちろん
当局
におきましても重大な関心を持
つて
おります。従いまして、またなるべく早い機会においてそうい
つた
永続性について、あるいは量の問題について知りたいというので、しよつちゆう発注方面と連絡はと
つて
おりますが、これは一面から申しますと、米軍の機密等の
関係
もございましようしいたしますので、なかなか思うように正確な情報は得られないのであります。従いまして今後どの
程度
の額において、どの
程度
の期間において発注されるかということにつきましては、今申します
通り
の事情で明確なことを今申し上げるわけに参らないのであります。
加藤清二
35
○
加藤
(清)
委員
ここで発表をすることが困難であるというならば、あえてその点を追究をしようとは思いま
せん
が、でき得るべくんば、またぞろ
平和産業
と同じような打撃をこういう
業者
がもし受けたとしても、嘆かないように、ぜひ
政府当局
としては折衝これ努められて、先に続くものか、続かないものか、量は一体どの
程度
のものかということをはつきりきせていただきたいと存じます。もし量がはつきりしないということに相なりました場合においては、
業者
をある
程度
制限するとおつしやいますが、制限する場合の目途においても
政府当局
みずからがお困りになるではないか、かように考えるわけでございます。ぜひこれは発表のいかんを問わず、責任者としては相手方に向
つて
はつきりさせる必要があると思うのでございます。なぜならば、これが一時の消費物資であるならばけつこうでございますけれども、先ほどの次官さんの話によりますと、ほとんどが
自己資金
において
機械
設備
、工業
設備
をいたした。ところがこれがいつまで続くものかわからないということになりましたならば、しからば減価償却はどのようにしたらよいかということが問題になる。
会社
の経理としてもこれは困
つた
問題が生じて来るだろう、こう思うわけでございます。この点についてのお考えはいかがでございましようか。
小平久雄
36
○
小平政府委員
重ねての
お話
がありまして、この点はわれわれもま
つた
く同感であります。従いましてできるだけ正確な情報を得べく今後とも努める考えでありますが、御
承知
のように
最後
的に申しますと、アメリカの
予算
の問題、結局そこに参りますので、これをあらかじめ正確に判断するというわけにも参りま
せん
し、アメリカの
予算
がきまりましたその中でどの
程度
こちらへ発注せられるかは先ほど申しました
通り
なかなかわからないのでありますが、御趣旨はよくわかりますから、
当局
としてはできるだけ御趣旨に沿うように今後も努める考えであります。
加藤清二
37
○
加藤
(清)
委員
それではもう一つお尋ねしたいのでございます。実はこの量と時期の問題について、
設備
の償却、
会社
の経理、ひいては入札をする場合の価格、こういう問題でこういうことを考えている向きがあると聞くのでございます。巷間伝えられてるところによりますと今は米軍の発注である、今は出血した
つて
さしつかえないのだ、今に
日本政府
がこれを発注する時期が来るであろう、そのときを楽しみに今はじつとしんぼうしてやるのだ、
従つて
減価償却というのも何も一年、二年でなくても
日本
が
ほんとう
に再軍備をさせられるときを楽しみに、かきの種が実になるのを楽しみにやるのだ、こういう
考え方
が巷間行われているという事実を私は知
つて
おります。公の席上でこういうことを言われた
業者
もおられるのでありまするが、
日本政府
といたしましては、将来こういうものを
日本政府
の名において実質的に
日本政府
が発注することが近いか、遠いか、もし万一遠いとするならば、それこそ遊休
設備
で
業者
はまた泣きの涙でほかへ転換しなければならない。こういう
状態
が生じて来ると存じます。
従つて
この点
外国
の
状態
はわからないが、
日本政府
、今日の吉田
政府
としてはどのように考えていらつしやるかは、責任者でいらつしやる次官さんならよくおわかりのことであると存じますので、この点をひ
とつ
お漏らしを願いたいと存じます。
小平久雄
38
○
小平政府委員
きわめて重大な御
質問
で、私からお答えするのが適当かどうか存じま
せん
が、しかし今
お話
のように、
日本政府
が発注するということに期待を持つのには、米軍の発注を一旦
日本政府
が発注するということを
業界
の一部では御
希望
にな
つて
おるようでもありまし、さらにまた
飛躍
をいたしまして、
日本
自体が再軍備をして、
従つて
日本
軍のための発注を
政府
がするとうこところまで、先の方まですでに
業界
には期待しておられる方があるかもしれま
せん
。しかしながらいつもこれは総理初め
政府
の意向として申しておりますように、
日本
としては再軍備をいたさないということを明確に申しておるのでありますからして、先の方に
飛躍
をいたしました
日本
の再軍備のための発注ということは、少くともただいまのところは全然
当局
としては考えておりま
せん
し、また米軍発注にかかる現在のものにつきましても、これは
政府
が一旦
受注
をして、民間にさらに
政府
から今度発注するというような
方法
をとろうとは考えておりま
せん
。ただ先ほども申しました
通り
、現在の米軍発注ということが非常に不安定である、そういう点からして、この
機械
その他の
設備
の償却等につきましては、特別億却等も認めるように
通産省
としては今後ひ
とつ
努力
をいたしてみたい。あまり極端に言いますと、きわもの的な感なきにしもあらずという点もございますので、なるべく早く償却をいたしますように特別償却の道も開いて参りたい。このことによ
つて
経営の
内容
を充実させて参りたい、こういうことは考えております。
加藤清二
39
○
加藤
(清)
委員
実は
外国
の需要によるところの問題だけはある
程度
わからなくても、
日本政府
の将来という問題は、ほかならばともかくとして、
産業
計画を長期にわた
つて
立てなければならない、またそうしなければ
ほんとう
の
経済
的復興ができないと考えられる
通産省
におきましては、ぜひ将来の見通しを何らかの機会に、近き将来において
国民
に示すとか、あるいは
国民
でなくとも直接これを受けたいと考えているところの
業者
にだけは、
方法
はともかくとして知らせる必要があるではないか、それこそが
ほんとう
に親切なやり方であると考えているものでございます。ぜひ近き将来において実現方を
希望
いたします。
最後
に、過去の工場、戦前の工場が再び復活するという点につきまして、いろいろな支障が考えられるわけでございますが、まず第一番に、そういう工場の中にすでに学校ができている場所がございます。それから周囲がか
つて
は野原であ
つた
のが住宅地にかわ
つて
いる所もございます。こういう所で機関銃の試射を朝から晩まででぽかぽかやられた日には、これはちよつと治安維持の点からい
つて
も、安眠妨害の点からい
つて
も、都市計画の上からい
つて
も考えさせられることでございますが、こういう問題については、いかように御処理なさろうとしていらつしやるのか、承りたいのでございます。
小平久雄
40
○
小平政府委員
武器生産
工場の立地条件の
お話
と思いますが、
お話
の
通り
、か
つて
は何らの支障もなか
つた
土地が、現在におきましては、
終戦
以来相当年もた
つて
おりますので、大分違
つた
姿にな
つて
いる所もあると思います。しかしながら一面現在の
法律
をも
つて
いたしますと、都市計画法等の
規制
はあるかと思いますし、その他たとえば爆発物のような場合は別な
法律
がございますが、特に
機械工業
等についての立地条件についての法的な
規制
は、ただいまのところないと
承知
いたします。しかし実際問題といたしましては、今
お話
のように、か
つて
の工場の一部が学校にな
つて
いるとか、その他の用途に充てられているとかいたしまして、今後
武器製造
の工場としては不適当にな
つて
いるというような所もあるいはあろうかと思いますが、そういう点につきましても以上申しました
通り
でありまして、法的にこれをどうするというようなことはできないかと思います。しかし実際
事業
に携わる人が、そういう点を全然無視してやるとはとうてい考えられま
せん
し、またかりに無視してやるというようなことがありますならば、おそらくこの
事業
の円満な遂行はできかねると思います。こういう点は
事業者
において十分しんしやくの上、遊休
設備
等の活用もはかられることとわれわれは信じているわけであります。
加藤清二
41
○
加藤
(清)
委員
実はきようは私一人であまり時間をとりましても何でございますから、大体その
資金
、
経済
の面でお尋ねしたわけでございますが、まだ
技術
の面とか、あるいはこれが世の中に及ぼすところの社会的な影響とい、う面とか、その他多々でございますので、いずれその問題は次の機会に譲らせていただきまして、きようは次官さんの御親切な御
答弁
を感謝して、この
程度
で終りたいと思います。
坪川信三
42
○
坪川委員長
長谷川四郎
君。
長谷川四郎
43
○長谷川(四)
委員
今
お話
の中に、取締りが非常に強化されて行
つて
、発注の先行きの大した見込みはないというようなことがありましたが、取締りだけ強化されて行
つて
発注の大した見込みがないということにな
つて
行くと、これは容易でないことになると思います。そこで発注は米軍ばかりでなく、
国内
の、つまり自由党
政府
の称する保安隊という、これの発注もおのずから受けて行くであろうと思いますが、その点はどうですか。
小平久雄
44
○
小平政府委員
発注
関係
のお尋ねでありますが、先ほど申し上げましたのは、将来どの
程度
の期間にわた
つて
、どの
程度
の量のものが、どうい
つた
種類のものが発注を受けるのか、要するに明確なことは想像いたしかねる、こういう趣旨で申し上げましたので、御了承願いたいと思います。 また
国内
の保安隊用の武器についてのお尋ねでありますが、現在のところは全部が米軍の発注にかか
つて
おるものでありまするが、将来保安隊の発注の分も出て参ることと存じます。御
承知
の
通り
、現在保安隊におきましては、米軍からの貸与によりまして武器を使用いたしておるようでありますので、直接の発注はございま
せん
。しかし将来は直接の発注があることと考えております。
長谷川四郎
45
○長谷川(四)
委員
工作機械
の現在稼動できるものが三十万台と申しておりますが、この稼働できる
工作機械
が、この種のものを
製造
しておる国々の
機械
と比較して、課長の見た目では、他国のものを一〇〇とすれば、パーセントでどのくらいに考えられるか、おわかりですか。
熊谷典文
46
○
熊谷説明員
先ほど御
説明
いたしたように、現在稼働しておる
機械
は三十万台でありますが、そのうち
外国
の優秀
機械
並に稼働でき得るもの、これは性能あるいは能率の点においてですが、一割
程度
と推定いたしております。
長谷川四郎
47
○長谷川(四)
委員
あなたのところで
工作機械
の
製造
に一億の助成を認めてやりたいというので、その
予算
が今
予算
委員会
にかか
つて
おるのだが、実際に能率から見て一割
程度
で、よその国の
受注
というようなことが考えられるかいなか。コストの点について、常に
日本
はコスト高ということが言われている。それはどうしてかというと、
日本
の
機械
力は非常に弱いというか、ずつと古い
機械
を使
つて
いることが大いなる原因にな
つて
いると思う。人間一人々々の労働力というもの、賃金の上から考えて行くと非常に安いけれども、一人のところへ十人使うから結局コスト高にな
つて
行く。これは原料だけにのみとらわれない
現実
だと思うのです。
政府
が何と言おうとも、
日本
が自衛することは当然であり、これらをもつと強化して行かなければならぬのも当然である。
政府
はなるべくこれを逃れようというような考えを持
つて
いるだろうけれども、もつと大胆にお答え願
つて
もよい。いずれにしても保安隊だ、警察予備隊だと、その
程度
しか言えないだろうが、そういう点から考えて、この助成に対していま一段と
努力
を願わなければならぬ。助成をしたからそれでよいではない、もつとこれに対する指導に当
つて
いただかなければならないと思うが、そういうような指導
方針
というものができているかいないか、伺いたいのであります。
小平久雄
48
○
小平政府委員
工作機械
が非常に非能率的な、また時代遅れのものにな
つて
おるということは争われない事実だと思います。そこで
当局
としましても、一日も早くかような状況から脱却したい、こういう趣旨のもとに、昨
年度
におきまして、二億五千万円をもちまして、六十台ほどの見本の
工作機械
を
輸入
いたしまして、これを見本といたしまして、本
年度
は
試作
の奨励をいたしてみたい。それがために一億円の
試作補助金
を目下御提案申し上げておるわけなのであります。かような次第でありまするほかに、開銀の
資金等
によりまして、それぞれの
メーカー
において、相当新しい
機械
の製作に今乗出しておるわけであります。これがいかにもテンポがおそいということは遺憾でありまするが、いずれにいたしましても、かような方途を講じまして、逐次
工作機械
の更新をはか
つて
おるわけでありますので、日ならずして、逐次ではありまするが、
世界
のレベルに達するようなところまで参ることと期待いたしておりまするし、われわれといたしましては、一日も早くそこに持
つて
行きたい、かように考えておるわけであります。
長谷川四郎
49
○長谷川(四)
委員
ぜひそうしなければならないし、ヨーロツパの有名な青年が、
機械
産業
の前には人間は奴隷とまで喝破している今日、通産行政、なかんずくこの種のことに当る局長初め、もつと一段と真剣に
機械
産業
の
発展
を考えていただきたいということが私の念願でありまして、きようはこの
程度
で明日に譲りたいと思います。
坪川信三
50
○
坪川委員長
他に御
質疑
はありま
せん
か。
——
他に御
質疑
がなければ本日はこの
程度
といたし、
次会
は公報をも
つて
お知らせいたします。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後三時七分散会