○南
委員 おそらくそういうお返事であろうかと存じました。
武器等製造法案について、
先ほど長谷川委員からも、自分が言いたいところを御
質問あ
つたように思うのでありますが、
日本の今の鉄鋼価格で、最近のように労務攻勢も非常に強い際において、
アメリカあたりの予定価格よりも二割も三割も下まわ
つた価格でも
つて現実引受けられて行くというようなことは、これは結局
関連産業に対するしわ寄せがありまして、
日本工業にと
つても好ましからぬ
状態でなかろうかと思う。しかし相手方のあることであり、御
承知の
通り、公正なる競争ということを非常にやかましく言う国柄であるのでありますが、そこは
日本人の性質と
アメリカと違うのであります。
アメリカなどは、結局もうからなければやらぬというのが一つの国民性でありますが、
日本などは、注文の方法によ
つては、どうも非常にけんかしやすい国民性である。それで最近
——こういうことも事実であるかどうか知りませんが、準備注文というようなことで、いい物を安く納めて行くならば、将来はこの実績主義によ
つて行くというようなこともちらほら向うが言うというような、無理に負けさせるような注文の方法をされる従来のくせがついてお
つて、これに対して
政府は何らあつせんもせず、また業者も先を楽しんでや
つて行くということにな
つて参りますると、勢いのおもむくところ、いわゆる
関連産業まで出血するというようなことにな
つて来るのであります。伺
つておりますと、米国に対する協力
委員会も
政府部内にできておるようであります。そういうところにでも取上げまして、ほんとうに
日本産業が一方的でなく対等に、五十と五十の立場において、そうして先を楽しみ得るような注文を受けて行
つて、しかも業者間に深刻な競争を起さぬような
受注の方法が一体ないものであろうか。もしないものであるとするならば、ここでせつかく
武器等製造法案を可決いたしましても、これは
日本の
法律であ
つて、
アメリカを何ら拘束するものでないのでありまするから、
先ほど長谷川委員の言われたように、また深刻な内地の注文と
アメリカの注文との競合、いろいろの点で深刻な場面が出て来るということも
考えられるのでありまして、今が何よりこの
法案がうまく行くか行かぬかの一つのテストでなかろうかと思うのでありますが、今まで
政府は業者の競争にまかせて、連合国の
発注に対しては外貨獲得という見地だけで放任して来られたものか、もつ
とつつ込んで価格の点までも掘り下げて
研究なさ
つていられるものか。最近新聞紙上でそういうことが非常に問題にな
つておりますので、ひ
とつどなたでもけつこうですからほんとうのことを教えていただいて、そして
日本産業、ことにこういう
方面が今まで非常に苦しんでおりましたその苦しみを、これが普通の
状態だというて放任しておくようでは、せつかくこういう
法律をつくりましても何ら工業の発達にもなりませんし、ひいては国民経済の健全な発達にもならぬ、こういうふうに
考えるのであります。今までの
政府の処置と将来の
見通しということを、
次官からでも
局長からでもけつこうでありますから、もう一ぺんはつきりお伺いしたいと思います。