○山手
委員 大分時間がたちましたので私はいろいろと申し上げませんが、さつきの外務
大臣の
お話に関連して、通産
委員会としては一言どうしても
言つておかなければいかぬことがありますので私は申し上げておきたいと思うのです。今、国際
経済会議を
日本が提唱すると、また
経済侵略をするというふう議案受けるとか、いろいろ国際的な
経済外交を推し進めると吉田
内閣は
言つておりながら、きわめて弱腰な
お話がございました。私はこの点についてはどうしても理解が行かない。きようは外務
大臣に大分
言葉を荒げたような話にな
つて恐縮であ
つたのでありますが、実際をよく
承知してお
つていただきたいと私は思う。と申しますのは、私はいつも数字を見て涙が出るのでありますが、国連の統計を見ましても、一九三七年を一〇〇といたしますると、
日本の鉱工業生産は一体一三一の指数にな
つておる。これはイタリアの一四二、西独の一二五、そのほか米、英各国の
経済復興、鉱工生産の復興の割合を見てみますると、
日本も生産力の拡充という面については、大体軌道に乗せて来てお
つた。ところが今日、せつかくそういう設備をつく
つたものを、四割、五割の操短をしなければいかぬということは何によ
つて起きておるかというと、これは国連統計によ
つて外務
大臣はよく御
承知のはずでありますが、
日本の
貿易の復興の割合を見れば一番よくわかる。
日本の一九三七年を一〇〇といたしまして
日本の
貿易が今何ぼにな
つておるかというと、輸出が三六、輸入が四九であります。ところがイタリアは何ぼにな
つておるかというと、輸出は一四一、輸入は一二四である。西ドイツは何ぼかというと、輸出が一三六で、輸入が一三一である。フランスは輸出が二〇六で、輸入が一〇五であります。英国は輸出一六〇、輸入は九八に押えておる。米国は実に輸出が二三〇で、輸入を一二六に押えておる。この表は何を物語
つておるか。
日本は戦前のわずか三十六、七から四〇というところで輸出入がバランスをとらせてある。ところがドイツにしてもイタリアにしても一四〇とか一五〇、アメリカは二三〇というような
状態にな
つておる。片一方
日本の鉱工生産は、二三一というふうなところまで一応順調な歩みを示して来た。ところが輸出も
貿易も何もきかないから、
日本は三十何ぼというようなところで操短なんかをや
つて、せつかく
国民の財をつぎ込んだものをみな遊ばせておる。そこに失業が起きており、国内不安が起きておる。宇田さんが今言
つたところの、何ぼあなたが旅券を出すまいと思
つても、中共やソビエトやいろいろな所でも、死ぬるかわりにどうもしようがないというようなことで出て行く非常手段をとる人がおる。だからココムの
会議についても、
政府がどれだけの努力をしておるかということが、われわれ通産
委員会としてはもつと究明して、推進して行かなければならぬ大なき命題にな
つておる。外務
大臣は国連協定やら行政協定でいろいろ頭が一ぱいにな
つておられるので、
貿易行政や
産業行政のことにまでは、おそらく頭がおまわりにならないと思うのですが、しかし行政協定のことも大切でありましようが、このままの
状態で放置しておいたならば、これはたいへんな
状態で、
日本の国内から崩壊して行きます。私はこの数字をよく検討してもらいたいと思う。イタリアやドイツが一三〇や一四○にも回復しておるのに、
日本が今日なぜ三五や四〇そこそこで輸出入がバランスされておるのか。私はこのことを解いていただきたい。これを解くことが
経済外交を強力に推進するということである。私
ども改進党の方でもこの間からいろいろこの問題を検討しておるのでありますが、どうも外務
大臣があまりこの
委員会にお出かけにならぬものですから、
大臣は
経済外交にうとくな
つておられて、極東
経済会議でも提唱するならば、
経済侵略のそしりを受けはしないかなどと
考えられるのは、私はとんでもないことだと思う。さつきからの
お話もありますから、私はこの
委員会のあと
理事会を開いて、この問題について
委員長にさらにどうするかをはつきりしておいていただきたい。これを
希望意見として一言申し上げておきます。