○徳永
政府委員 先ほど
繊維関係につきまして御質問のありました点に対して
大臣から大筋がお答えあ
つたわけでありますが、若干細目の補足の意味で申し上げておきたいと思います。
一つは
操短の問題につきましては先ほど申し上げましたわけでありますが、
中小企業の問題につきましては、大きくは
金融対策の問題と、もう
一つは事業の
健全化と申しますか、この問題になろうかと思うわけであります。その後者の問題につきましては、御
承知のように目下のところ法的なものといたしまして
中小企業安定法というものが前
国会におきまして成立いたしております。私
どもは今それの具体化を、
業者側の組合の結成に即しながら当
つておるわけであります。ただまだ時期尚早でございまして、その組合の結成、それから組合の結成後の具体的な調整規定と申しますか、相談等の段階に入ります点につきましては、まだきわめて不十分でございまして、ただいまのところでは染色
関係が
一つ発足し、それから綿スフ織物
関係の生産制限が発足しかけておるというのが現在の段階でございます。またその内容も、
業者間の問題といたしましても、戦後無組織で放置されておりましたような事情もございまして、強度の統制に入るだけの態勢が十分整備いたしていないというような事情もございまして、すべり出しはゆるやかな点からスタートしておるという点もあるわけでありまして、この点は法の許します限り、今後逐次
強化されて行くものというふうに私
ども了解もし、またさような指導もいたしたいというふうに
考えておるわけであります。さらにこの問題につきましては、業界側におきまして、先般議員側のおつくりいただきました安定法そのものの一部の
改正といいますか、もつと実情に即するように、動かしてみました結果からの若干の問題もあるようでございまして、さような研究も行われておるわけでございまして、そういうものの成案も出るにつきまして、また皆様の御援助をお願いするということになろうかと
思つておるわけであります。それから
金融の問題につきまして、先ほど御指摘のありました中に、
一つ、
商社の
金融の相当深刻な
状況、あるいは
倒産続出しつつあるような
状況というようなお話があ
つたのでありますが、この点につきまして、私
どもの若干
承知もし、関心も持
つている点を一、二点申し上げてみたいと思います。今回の
繊維関係の糸価の暴落に関連いたしまして、極端に申し上げますならば、
商社関係はそれぞれの
商品取引所もございますので、その相場の変化というものを
市場につなぐというような形におきまして、ある
程度直接的な被害というものを少くするような自衛
措置というものをと
つたと思われるわけでございますが、しかし綿
関係で申しましても、一万以上にわたります機屋というようなところになりますと、さような活発な
措置というものもなかなかとりがたい存でありまして、手元に持
つておりました
商品の値下りから来ます損失、それから来る手形の落せないというような事情、それがひいては
倒産というようなことになり、その分が
商社の手形のまわらないというような事態に循環して参るような
状況ができておるわけであります。この点につきまして、
商社側におきましても、今回の暴落は相当大幅でありましたような
関係から、従来のような
措置だけで、ケース・バイ・ケース的に
金融機関と話合いをしていただくというようなことだけでは済まないというようなふうに事態を
考える動きが相当進行しておるようであります。私
ども、この成行きにつきましては、たえず連絡もとりながら、それの具体化にお手伝いをいたしたいというふうに
考えておるわけなのでありますが、そういう問題を
考えて参りますると、単に
商社だけ、あるいは単に機屋だけというふうな
金融問題の料理の仕方では不十分だと私
どもしみじみ感じておるわけであります。この点は、貸手の
金融機関の事情もあり、
商社、機屋と、縦断的に問題を
考えなければなりませんが、非常に範囲も広い、数も多いというような事情もありまして、そういう機運が相当熟しかけてはおりますが、まだ十分にまとま
つていない。私
ども、必要がありますならば、縦断的な
金融対策懇談会と申しますか、そういうふうなものをつく
つていただいて、事態の根本的な
解決の方途を見出すようなことも
考えてみたいということで、それぞれの業界の世話役というようなものには内々御相談申し上げておるような次第であるわけです。
それからもう
一つ、先ほどのお話の中にもございました
商品金融会社、いわゆる一万田さんの構想といいますか、そういう形において新聞紙上をにぎわしております問題、これについての私
どもの事情を申し上げたいと
思つております。御
承知のように、一万田さんが関西に行かれました際のお話の中にそういう点が出ておるわけであります。私
どもいろいろと事情を聞いてみましたところによりますと、事前に一万由さんがそういう用意をなさ
つた発言でもないように見えるのでありまして、現地におきましての
業者側の発言に、そういうものが必要であるということならば、
金融機関としてはできるだけのお手伝いをしようという
程度に言われたのが真相のようでございます。一万田さんは東京へ、先週の金曜日でございますか、お帰りになりまして、目下
金融機関当局として、日銀なりあるいは政策
委員会におきまして、その問題を、事務的にと申しますか、実行
方法等につきましての
検討を進められておるようでございます。他方
業者側におきましては、
紡績あるいは
輸出商社側に、新聞紙をにぎわしております通りいろいろと案が練られおるわけでございますが、問題が簡単に固ま
つていない
状況というものが、その問題の必要性はさることながら、同時に、具体的な問題のむずかしさというものを示しておる面があろうかと思います。今、
輸出商社側なりあるいは
紡績側から、内部的な
業者側としての実情に即する案の作成に十分な
検討をしつつある時期でございますので、それの固まるのを待ち、他方、
金融機関側における事務的な
検討の進行を見つつあるというのが率直に言いまして私
どものただいまの段階でございますが、ただ、いずれにいたしましても、
商品金融会社的なものがかりにまとまらないとしましても、それにかわると申しますか、
繊維の現況における
金融問題の重要性というものにつきまして、一万田総裁が十分の御認識と好意的な配慮を持
つておられるということに私
ども非常な希望を持
つているわけであります。このまとまります形が
商品金融会社的なものにかりにならないといたしましても、先ほど申しましたような
繊維業界における
金融、極端に申しますれば梗塞的な事態の起るおそれというものから、業界としているくと対案つくり上げようとしている。そういう問題の
解決に十分役に立つような結果が生れることを期待もし、必要な限りの援助もしたいというふうに
考えている次第でございます。先ほど来問題になりました点につきましての私
どもの
考えをかいつまんで申し上げた次第であります。