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1953-02-17 第15回国会 衆議院 地方行政委員会 第19号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年二月十七日(火曜日) 午後三時六分
開議
出席委員
委員長
青柳
一郎
君
理事
鈴木
直人君
理事
雪澤千代治
君
理事
床次
徳二
君
理事
門司 亮君
理事
横路 節雄君 阿部 千一君 加藤 精三君
佐藤善一郎
君 中井 一夫君 牧野 良三君
大石ヨシエ
君
平岡忠次郎
君 西村 力弥君 川村
継義
君
出席政府委員
自治庁次長
鈴木
俊一君
総理府事務官
(
自治庁財政部
長)
武岡
憲一君
総理府事務官
(
自治庁税務部
長) 後藤 博君
委員外
の
出席者
専 門 員 有松 昇君 専 門 員 長橋 茂男君
—————————————
二月十六日
行政委員会
の
整理統合
に関する
請願
(
床次徳二
君外九名
紹介
)(第一九〇九号)
地方税法
の一部
改正
に関する
請願
(
島村一郎
君
紹介
)(第一九一〇号)
地方財政平衡交付金
の
増額等
に関する
請願外
三 件(
只野直三郎
君
紹介
)(第一九一一号)
国有鉄道
の
特殊施設所在市町村
に対する
特別措
置に関する
請願
(
福永健司
君外二名
紹介
)(第 一九一二号)
市町村消防費
に対する
補助法制定等
に関する請 願(
只野直三郎
君
紹介
)(第一九一三号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
地方財政
に関する件
—————————————
青柳一郎
1
○
青柳
委員長
これより
会議
を開きます。
地方財政
に関する件について
調査
を進めます。まず
昭和
二十八年度
地方財政計画
について、
政府
より
説明
を聴取いたします。
武岡政府委員
。
武岡憲一
2
○
武岡政府委員
昭和
二十八年度の
地方財政計画
について御
説明
を申し上げます。
昭和
二十八年度の
地方財政
の全体の
規模
は、この
計画
によりますると、
総額
が八千四百十七億六千五百万円となる
見込み
でございます。この
計画
の
内容
につきまして、御手元に提出してございまする
資料
に基きまして御
説明
を申し上げたいと存じます。 まず
歳出
でございますが、一に
既定財政規模
七千四百三億二百万円といたしてございます。これは
昭和
二十七年度の
修正地方財政計画
の
最終
の
数字
でございまして、すなわち
昭和
二十七年度におきましては、当初二十六年度の
既定財政規模
を六千六十九億七千七百万円と置いてお
つたの
でございますが、それに対しまして当初
計画
並びに
修正計画
におきましてそれぞれこれに対する年度内の
増加
を
見込み
まして、結局
昭和
二十七年度におきましては千三百三十三億二千五百万円というものが
新規増
に相な
つたの
でございます。従いまして
最終
的には
昭和
二十七年度の
財政規模
は、ここにございまするように
総額
七千四百三億二百万円と相
なつ
てお
つたの
でございます。
昭和
二十八年度の
計画
といたしましては、この
既定
の
財政規模
に対しまして二十八年度にどの程度の
新規
の
財政需要額
があるかということを推計して参
つて
おるのでございますが、これによりますると、
明年度
一千億円ほどの
財政需要
の
増加
があろうという
見込み
でございます。その
内容
について御
説明
申し上げますると、まず第一は
給与改訂
に伴う
給与関係費
の
増加額
、これが三百三十二億一千百万円でございます。この
計算
の
基礎
は
資料
の四ページにございます。すなわち昨年の十一月から実施いたされました、いわゆる
給与改訂
によりまして、
財政需要額
が伸びて参りましたものの二十八年度の平
年度化
に伴う
増加分
、これを
計算
いたしたのでございまするが、その
内容
といたしましては
給与費
及び
各種
の
手当費
、
恩給費
あるいは
共済組合費
といつたような
給与関係
の諸
経費
でございます。その
計算方法
は前年度の
財政計画
に用いました各
職種別
の
給与単価
、これに昨年の十一月に行われましたいわゆる
ベース
・
アツプ
による切りかえ率をかけまして、それに
昭和
二十八年度の
所要
の
昇給財源
を見込んで、
新規
に二十八年度の
単価
を推定いたしておるのでございます。この
単価
に各
職種別
の
人員数
を乗じまして二十八年度の
改訂給与費
の
総額
を算出し、それから二十七年度の
既定額
を
差引
きまして二十八年度の
新規増分
を推定する、かような
方法
によ
つて
おるのでございます。 それから
期末手当
及び
勤勉手当
につきましては、今年度と同様、
夏期手当
、年末
手当
並びに
勤勉手当
それぞれ〇・五、
従つて年間
におきましては一・五箇月分というものを計上いたしておるのでございます。なおそのほかの
各種手当等
につきましても、大体今年度の
修正地方財政計画
の
算定
の場合に用いましたと同じような
方法
によりまして
計算
をいたしたのでございます。その集計が
明年度
ふえる
新規
の
財政需要額
として三百三十二億一千一百万円と相なるわけでございます。 その次は
行政整理
に伴う
不用額
といたしまして十八億四千九百万円を控除いたしております。これは今年度の
財政計画
におきまして御
説明
申し上げました
通り
、
昭和
二十七年度におきまして、
一般職員
の五%を
財政計画
上
行政整理
を行うという
計画
を立ててお
つたの
でございまするが、むろん
行政整理
は四月一日から一斉に行われるものでございませんので、
整理期間等
を
見込み
まして、大体四箇月分の
人件費
並びに
物件費
を算入いたしてお
つたの
でございます。その分を二十八年度の
財政計画
におきましては、
既定規模
の中から落して行くという
計算
をいたしておるのでございます。その
算定
の
基礎
は
資料
の五ページにございますが、その五ページのところでちよつと訂正をいたしておきます。五ページの下の方に「
行政整理
に伴う
不用額
に関する調」という表がございますが、そのうちの区分、
人員
という欄が一行ずれておりまして、七千五百六十人というのは
道府県
の
人員
であります。八千百七十二名というのが
市町村
の
人員
で、一万五千七百三十二名というのが合計、かように御了承願いたいのであります。 三は、
教育委員会
の
設置
に要する
経費
、これが
明年度
十四億一千三百万円ふえて参るのでございます。その
計算
でございますが、これは大体昨年の
修正地方財政計画
におきまして
見込み
ましたのと、ほぼ同じような
考え方
でございまして、ただ違
つて
おりまするのは、各
都市
の
教育委員会
の
事務局
に
設置
いたしまする
職員
といたしまして、今年度におきまして
指導主事
一名、
事務職員
一名と
なつ
ておりましたが、二十八年度のものにつきましては、
指導主事
を各
都市
に二名ずつという
計算
をいたしております。なお
単価等
は前年用いましたものに
ベース
・
アツプ
による
昇給財源
を見込んで
単価
の
引上げ
を行
つて
おります。その他
需要費
、
負担金
、
補助金
及び
交付金
というようなものの
算定
につきましては、
資料
の六ページから七ページにかけて
内訳
を書いてございますので、御検討を願いたいのでございますが、大体におきまして今年度と同じようなものでございます。ただ
性質
上、今年度よりも
単価
を引伸ばす必要のある種類のものにつきましては、
単価
の
調整
を行
つて
おります。それによりまして
計算
いたしますると、二十八年度の
教育委員会設置
に要しまする全体の
経費
が二十四億九千七百万円と算出されるのでございます。それから
既定
の、つまり
昭和
二十七年度に見込んでおりました十億八千四百方円を控除いたしまして、
差引
十四億一千三百万円が二十八年度の
新規財政需要額
というふうに計上いたしたのでございます。 四番目は、
自治体警察
の
廃止
に伴う
不用額
でございますが、これは昨年の六月一日以後
廃止
になりました
自治体警察
の
職員
の
給与費
でございますが、 これは今年度におきましては、四月
分並び
に五月分の二箇月分だけが計上に
なつ
ておりましたので、この分をまず控除いたすわけでございます。それからなおその後一月一日以後
廃止
になりますもの、このものにつきましては、
全額昭和
二十八年度の
財政計画
におきましては、
既定経費
の中から落して参らなければなりません。さような
計算
をいたしますると、その
関係
で二億三千三百万円だけ
不用額
が出るという
計算
に
なつ
ておるのでございます。七ページにその
算定
の
基礎
を示してございます。 次は
人口等
の
増加
に伴う
経費
の
自然増加額
でありますが、これは
平衡交付金
の
算定
の
基礎
といたしております各
行政項目
の中で、数値の
増加
に
伴つて財政需要額
が伸びて参りますものの
自然増加
の分、総括的に申しますならば、
行政費
の
自然増加分
でございますが、その
計算
をいたしたものでございます。すなわち
昭和
二十七年度から二十八年度にかけて
人口
においてどれくらいふえるか、
生徒数
あるいは
児童数
におきまして教室の
関係
上どのくらいふえるかという
計算
をいたしまして、それに
昭和
二十七年度の
平衡交付金
の
算定
に用いました
総合補正係数
並びに
単位費用
、それらを乗じて
明年度
大体どのくらいの
財政需要額
の伸びがあるかという
計算
をいたしておるのでございます。その
内容
は八ページにございますような各
行政項目
にわた
つて
おりますが、これを総計いたしますと、
明年度自然増
として四十二億九千四百万円というものが
算定
いたされるのであります。 それから六番目の
恩給
の
特別措置
に関する
法律施行
に要する
経費
十億七千四百万円とございますが、これは昨年御
制定
をいただきました
恩給
の
特別措置
に関する
法律
が今年の一月一日から適用されまして、これに対します
費用負担
は、四月から
支払い
になりますので、
昭和
二十八年度から
新規
の
財政需要額
として計上されなければならないわけであります。この
関係
のものがそこにございます十億七千四百万円でございます。
資料
の九ページに
算定
の
基礎
が示してございます。 次は
公債費
の増でありますが、
公債費算定
の
基礎
といたしまして、
昭和
二十八年度の
地方債計画
の問題があるわけでございますが、これは後ほど詳細に御
説明
申し上げることにいたします。十ページの
資料
にありますように、二十八年度の
普通会計
の
起債計画
といたしましては、
政府資金
の
引受け
によるもの、並びに
公募債
のもの、合せまして八百十五億を予定いたしております。これに従来借り入れましたものに対する元金あるいは利子の
支払い所要額
を計上いたしますと、
総額
において
明年度
は七十五億七千二百万円新たにふえて参る、こういう
計算
に相なるのでございます。 それから八番目は、国の
行政施策
に伴う増でございますが、まずその中の国の
補助金
を伴わないで、つまり
地方
の
全額
の
負担
といたしまして、
平衡交付金
でまかなわれております
関係
の諸
経費
でございますが、その
増減
に関する調べでございます。
資料
の十一ページをごらんいただきますると、従来いわゆる
A系統
と申しておつた諸
経費
でございまするが、二十七年度に比べまして二十八年度は
総額
で約十億八千三百万円ほど
事業費
において減
つて
参ります。その
内容
のおもなものといたしましては、
物価行政事務費
でありますとか、あるいは砂糖の
配給統制
に関する
事務
、あるいはまた
物資調整事務取扱い
というような、大体
物資統制業務関係
の
事務
の
廃止
に伴いまして、その
関係
の
職員
がいらなく
なつ
て来るという
関係
。それから
金額
として大きいのは、その一番下にございます
教育委員会
の
選挙費
、これが前年は十三億二千五百万円計上いたしておりましたが、二十八年度におきましてはその
関係
の
経費
がいらなくなりますので、そういう
経費
を落して参
つて
いるのでございます。
差引
きいたしまして約十億ばかり減
つて
来る、こういう
勘定
でございます。反面ロの方の、国の
補助金
に伴
つて
ふえて参りまする分、いわゆる
普通補助金
に
伴つて地方負担
のふえて参りまする分でございまするが、その
関係
につきましては十二ページの表にございまするように、
経費
の
総額
で申しますと、約四十億八千二百万円ほどが
事業費
としてはふえて参るのであります。これを
普通補助金
と
児童保護費
の
負担金
というふうにわけて書いてありまするが、御
承知
のように、明年から
児童保護費
につきましては、八割の
国庫負担制度
が実施されることになりますので、その
関係
だけ特に摘記いたしたのでございます。国の
補助金
といたしましては、まず
児童保護費
の
関係
で、四十三億五千八百万円というものが新たに計上せられまして、これだけが
新規
にふえて来る
勘定
でございまするが、その反面
地方負担
といたしましては、二十五億千四百万円が減
つて
来るわけであります。
差引
きいたしまして、
児童保護費
の
関係
では
事業費
が十八億四千四百万円ふえるという
勘定
になります。そのほかの
一般補助負担金
については、
国庫補助金
は十二億二千四百万円減
つて
おりまするが、
地方負担分
におきまして三十四億六千二百万円というものがふえる。
従つて差引
全体の
事業量
といたしましては二十二億三千八百万円ふえるということに
なつ
ております。これは、この
補助金
の中で
明年度
から
補助率
の相当下
つて
参りますものがございますのと、反面、
生活保護法
のように比較的
補助率
の高いものにおきまして、前年に比べてあまり伸びないような
補助金
がある。また
補助率
の比較的低い
補助金
がふえて来ているという
関係
がございまして、総体的にいいますと、
補助金
の
割合
に
地方負担
の方がふえて参るような
関係
に
なつ
ております。これを
差引
きいたしまして、この
普通補助金
の
関係
で、結局
事業量
といたしましては四十億八千二百万円が
新規
の増になるわけであります。 次に
臨時事業費
の
関係
でございまするが、そのうちまず
公共事業費
について申し上げますると、
一般公共事業費
におきましては、
事業費
が三百八十二億四千三百万円増に
なつ
ております。それから
災害復旧事業費
につきましては、
事業費
は逆に三十四億二千六百万円が減ということに
なつ
ております。その
関係
は十二ページの下の方の表に表示してございますように、
一般公共事業費
におきましては、
国庫
の
補助金
が前年よりも百七十四億二千七百万円ふえる。それから
災害
の
補助金
は十億六千六百万円ふえるのであります。それに対する
地方負担額
の方は、その一番終りの欄をごらんいただきますと、
一般公共事業費
におきましては、二百八億千六百万円、これだけがふえて参りまするのに、
災害復旧事業費
におきましては、逆に四十四億九千二百万円が減る
勘定
に
なつ
ております。
災害復旧事業費
におきましては、
明年度
は
補助金
が十億ふえますが、
地方負担
が四十四億減ります
関係
は、昨年
法律改正
によりまして
土木災害復旧事業
におきまして、いわゆる
原形復旧
の限度を越えました
超過復旧
の
負担関係
がかわ
つて
参りまして、従来は
超過復旧
につきましては三分の一
負担
ということに
なつ
ておりましたものを、
原形復旧
の場合と同じように、
地方
の
財政力
に比例して
負担
をするということに
なつ
て参りました
関係
が
一つ
。それからいま
一つ
は、
単独公共事業費
として取上げまする一件
金額
を、従前十五万円に限
つて
おりましたものを、今回十五万円に引下げたのでございます。それによりまして
公共事業費
として取上げられる面が非常に広く
なつ
て参りました。
従つて地方
の
標準税収
の額にスライドして
負担
いたしまする
地方
の
負担額
というものは、比較的に減
つて
参るわけでございます。そういう
関係
で、なお
農林災害関係
におきましても、総体的に申しまして、国の
補助率
がやや
引上げ
られておりまする結果から見まして、かようなことに相
なつ
ておるのでございます。 次に
失業対策事業費
の
関係
でございまするが、十三ページの
資料
をごらんいただきますると、
明年度
におきまして
国庫補助金
が約十五億円ふえて参るのであります。二十七年度は八十億、二十八年度が九十五億でございます。その
国庫補助金
の
内容
はそこにございまするように、
労務費
、
事務費
、
資材費
とわかれておりますが、そのいずれも前年度に比べまして、
補助基本額
の
引上げ
が行われております。これによりまして
労務費
並びに
事務費
におきましては、大体この
補助基本額
によりまして、国の
補助歩合
と
地方
の
負担歩合
というものがおおむね
実績
に近いところまで来たと認められるのでございまするが、ただ
資材費
の
関係
におきましては、
地方
の実際の
資材費
に対する
負担
の
実績
を調べてみますると、その下の欄にございまするように、二十七年度の
調査
によりますると、一人当り八十四円十四銭という
数字
が出ておるのであります。それに対しまして二十八年度の
国庫補助単価
は四十五円、これは前年度二十円でございまして、相当大幅に
引上げ
をされたのでございまするが、なお
実績
から相当遠いわけでございます。そこでその
差額
に該当いたしまする分、これを
計算
いたしますると、十八億四千九百万円となります。か、これだけのものが
地方
のなお
超過負担分
であるということで、この分と合せて算入いたしてみますると、
地方負担額
といたしましては、なお前年よりも一億五千万円ふえて来る、こういう
勘定
になるわけでございます。そこで
国庫補助金
のふえまする十五億円に、
地方負担
のふえまする一億五千万円、合せて全体で十六億五千万円の
事業費
の増がある、こういう
計算
をいたしておるのでございます。 次に
単独事業費
について申し上げますが、
単独事業費
の
財政計画
における見方は、御
承知
の
通り
、大体国の
公共事実費
が年々ふえて参りまする
割合
に応じて、
地方
の
単独事業費
もふえて来る、こういう
考え方
で
計算
をいたしております。この二十八年度の
財政計画
におきましても、そういう
基礎
に立ちまして
計算
をいたしたのでございますが、この十三ページの下の方の欄をごらんいただきますと、二十七年度に比べまして、二十八年度における
公共事業費——失業対策
を含めました
公共事業費
の
増加
の
割合
が二割四分八厘と出ております。そこで
既定
の
財政規模
七千四百三億のうち、
単独事業費
が入
つて
おりますものは五百十三億でございまするが、その五百十三億に今の二割四分八厘という
増加率
をかけますと、六百四十億二千二百万円となるのであります。これに対しましてさらに
雑収入
の増二十三億七千五百万円というものを加えております。これは後ほど収入で御
説明
申し上げまするが、
雑収入
は明二十六年度の
実績
から見まして
増収
を見積
つて
おりますので、これは
地方
における
雑入
の増というものは、その
性質
上それに見合う
地方
の
単独事業
が行われているものであるという見地に立ちまして、その分だけ
歳出
の面におきまして
単独事業
をふやして行く、こういう
計算
をいたしたのでございます。その結果前年度に比べまして
単独事業費
が百五十億九千七百万円ふえる、こういう
計算
をいたしたのであります。以上合せまして
昭和
二十八年度の
新規財政需要額
は一千億四千五百万円ふえるということになるのであります。それに加えまして
国庫負担制度
の
拡張等
による
超過財源
の
増加額
、これを十四億一千八百万円計上いたしておりまするが、これは十四ページに書いてございますように、この
児童保護費
の
国庫負担制度
が
明年度
から実施される
計画
に
なつ
ておりまするのと、なお
税収
の
増減
見込み
、そういうものによりまして
地方
の
公共団体
、いわゆる
富裕団体
に対する
財源
の
偏在状況
というものがかわ
つて
参りますので、その
状況
を
計算
いたしてみますると、
道府県
の
関係
におきましては、その
偏在度
というのはやや減
つて
参りまして、十一億三千三百万円は減るという
計算
が出ますか、一方
市町村
の
関係
におきましては、後ほど
税収
の
内容
で御
説明
申し上げまするが、
市町村民税関係
が若干延びておりまする
関係
がございまするので、二十五億五千百万円、これだけ
超過財源
がふえて来るという
計算
が出るのでございます。そこで
差引
をいたしまして、
総額
といたしましては十四億千八百万円、これだけは
財政運営上
のロスというような
考え方
でここに計上いたしたのでございます。以上全部合せまして
明年度
の
歳出
の
掛額
を八千四百十七億六千五百万円と
算定
をいたしたのであります。次に
歳入
について御
説明
申し上げます。まず
地方税
でございますが、これは
昭和
二十七年度の
最終財政計画
における二千九百三十四億六千万円というものに対しまして、二十八年度には三千八十六億五千六百万円見込んでおります。これによりまして、百五十一億九千六百万円というものが
増収
になるわけでございますが、その
内容等
につきましては後ほど
所管部長
から御
説明
申し上げます。 次に
地方財政平衡交付金
でございますが、これが前年度の千四百五十億円に対しまして、二十八年度には千七百二十億円、すなわち二百七十億円の増という
計画
に
なつ
ております。この
計画
におきましては、
義務教育費国庫負担制度
、これを実施いたさないものとすれば、千七百二十億円になるのでございますが、この
制度
が
明年度
から実施されることになりますると、その下に
括弧書
でありまするように、九百二十億円が
義務教育費国庫負担金
として交付される額になるわけでございます。従いまして
平衡交付金
は、その
差額
でありまするところの八百億円ということになるのでございます。これを
道府県
並びに
市町村分
として、
道府県
が千二百四十二億四千四百万円、
市町村
が四百七十七億五千六百万円とわけてございますが、これはもちろん
明年度
の
平衡交付金
の
配分
の確定的な
数字
はただいまから予測はつかないのでございまするが、一応
明年度
のかりの
単位費用
を想定いたしまして、それからまた
特別交付金
の
配分等
につきましても、かりに府県と
市町村
と半々で行くのだというような一応の
仮定
に立ちまして割
つて
みますと、大体これくらいの見当になりはしないかという
仮定
の
数字
でございます。従いまして
明年度平衡交付金
を実際に
配分
いたしますれば、これとは相当異
なつ
た
数字
に相
なつ
て来るかと思いまするが、これはあらかじめ御了承おき願いたいのでございます。 次の
国庫支出金
でございますが、これは先ほど
歳出
の面におきましても御
説明
申し上げましたように、
普通補助負担金
それから
児童保護費
、
公共事業費並び
に
失業対策事業費負担金等
におきまして、ここに示してございますような
増減
がそれぞれございまして、
差引
二百二十一億二千八百万円だけ前年度よりも総体としてふえて来る
勘定
でございます。 次の
地方債
でございますが、
地方債
の
計画
につきましてはその
資料
の第三ページをごらん願いたいと思います。
昭和
二十七年度の
地方債計画
は
普通会計
におきまして六百二十五億円、
企業会計
におきまして百七十五億円、合せて八百億の
計画
であ
つたの
でございます。そのうち
政府資金引受け
のものが七百二十億、
公募
いたしますものが八十億と
なつ
てお
つたの
でございます。これに対しまして
明昭和
二十八年度におきましては、
普通会計
において九百十二億、すなわち前年度よりも二百八十七億の増、
企業会計
におきまして二百三十五億、前年度よりも六十億の増、総計におきましては千百四十七億、すなわち前年度の八百億円に比べまして三百四十七億円の増を
計画
いたしておるのでございます。まず
普通会計
のうち国の
政府資金
をも
つて
引当てをいたしたいと考えておりますものが七百五億でございまして’
公募
をいたしたきものが、百十億でございます。なおそのほかに
交付公債
として九十七億という
数字
を掲げてございますが、これは国の
各種
の
直轄事業
に伴いまする
地方公共団体
の
分担金
、これを
明年度
におきましては
地方財政
の
状況等
にかんがみまして、
交付公債
でも
つて
地方団体
から国に納付するようにいたしたい、こういうことでこの分だけ九十七億と
算定
をいたして
計画
いたしておるのであります。これを三つ合せまして九百十二億ということに相なるわけでございますので、
政府資金
と
公募債
だけで申しますれば八百十五億の増でございます。先ほど
公債費
の増のところで御
説明
を申し上げました
明年度
の
起債計画
八百十五億というのはこの
数字
をと
つたの
でございます。
交付公債
につきましては、まだその
発行条件等
が確定いたしておりませんので、この
地方財政計画
におきましては、その
関係
のものについてはまだ具体的なものを示す段階に至
つて
おらないのでございます。 それから
企業会計
は前年度に比べまして
総額
六十億の増でございますが、
政府資金
の
引受分
が二十億、
公募
に出しますものが四十億の増という
内訳
に相
なつ
ておるのでございます。これが二十八年度の
地方債計画
の概要でございます。 次に
歳入
の最後は
雑収入
でございます。
雑収入
は二十八年度におきまして八百九十六億五百万円を予定いたしておりまして、これは前年度に比べまして七十四億三千九百万円の増に相なるのでございます。その
増収
見積の根拠は十五ページにございますが、まず使用料手数料でございますが、このうち
道府県
分につきましては第一の水利使用料、これは二十七年度十一億五千五百万円でありましたものを、二十八年度には十五億千八百万円と見込んでございます。これは二十七年度すなわち現在におきましては水利使用料の
単価
を百七十円と見ておりますが、二十八年度にはこれを
引上げ
まして二百十五円にいたしたい。大体建設省あるいは通産省等、
関係
機関との間にも協議いたしまして、
地方財政計画
におきましては、この
数字
をも
つて
計上いたしたのでございます。従
つて
それによる
増収
でございます。その他の使用料におきましては、二十七年度の決算見込額に対しまして二〇%の
増加
、それから手数料におきましては前年度よりも二八%の
増加
をそれぞれ見ておりますが、これは前年度の従来の
実績
を
基礎
にいたしましたものが
一つ
。それから
給与費
の増でございますとか、あるいは学校における
児童数
の増でございますとか、そういうような指数を元といたしまして、
明年度
の
増収
見込額を
計算
いたしたのでございます。
市町村
の使用料、手数料におきましては、前年度よりも一八%の増と
なつ
ておりますが、
算定
の
基礎
の
考え方
はやはり以上の
通り
であります。なお手数料の
増収
を期待いたしますために、
地方公共団体
の手数料条例等、
関係
の政令あるいは総理府令等は、さきに
改正
をいたしまして、最高限度の
引上げ
を行
つたの
でございます。 次に
雑収入
といたしまして、二十七年度に比べて二十二億四百万円の
増加
を見込んでおりますが、これはその下の備考にございますように、二十六年度の決算見込額の
数字
を
基礎
といたしまして二十八年度を推定いたしますと、大体この程度の
増収
が見込まれるのでございます。ただこれはさきにも申し上げましたように、
地方団体
が、たとえば山の公有林を売り払
つて
学校を建てるというような意味の
雑収入
が多いのでございまして、その面については、半面において
歳出
の
増加
も見なければならぬというので、
単独事業
の
増加
を見積ります際に、この分は全部
単独事業
の
増加分
として
歳出
の面に見ておるわけでございます。 以上ごく概略でございますが、
明年度
の
財政計画
の大体を
説明
申し上げた次第であります。
青柳一郎
3
○
青柳
委員長
次に後藤
政府
委員。
後藤博
4
○後藤
政府
委員
地方税
の収入
見込み
につきまして、簡単に御
説明
申し上げます。 ただいまお配りした紙の五枚目の下に
総額
が出ておりますが、
昭和
二十七年度の見積りは二千九百三十四億六千万円、
昭和
二十八年度は三千八十六億五千六百万円と
見込み
まして、
差引
き百五十一億九千六百万円の
増収
になることになります。その
内訳
は
道府県
分が三億三千万円減収になり、
市町村分
は百四十八億六千四百万円の
増収
となります。その
内容
は、一番初めの紙にかえ
つて
ごく簡単に御
説明
申し上げますと、
道府県
の法定普通税におきましては四億二千三百万円の増を見込んでおります。その
内訳
は以下申し上げます
数字
の
差引
から出て来るのであります。まず第一に法人事業税は二十六億一千六百万円の減収に
なつ
ております。算出の
基礎
は右の方にございますが、法人企業の収益率が低下して参
つて
おりますので、減収を見込んだわけでございます。これは法人税の二十六年十月から二十七年九月までの
実績
を
基礎
として、大体その九四%を見込んでおりますが、課税見込額の三千三百七十九億三千八百万円がその
数字
であります。それから調定見込額といたしましては、法人税をそのまま捕捉することができませんので、五%落して調定をし、その徴収歩合を九五%と昨年同様に見て徴収見込額を出したわけでございます。これで昨年度と比べて十五億の減になります。 次に、以上は普通の申告分でございますが、更正決定分は年度内の調定を大体五%と従来見ておりますので、五%の
計算
で徴収
見込み
を昨年と同じ方式で出して参りまして、十四億七百万円を見込んでおりますが、これは昨年よりも九億三千万円ばかりふえて参ります。 それから特別法人及び清算法人も同じような方式で出しまして、これは二億一千万円でありますから、二百万円ばかり減ります。 それから過年度分であります。これは昨年は九十五億四千三百万円見たわけでありますが、本年は五十九億三千九百万円
見込み
まして、三十六億ほど減と
なつ
ております。合計欄で見ますと、徴収調定額は昨年より約五十億円近く落ちて参ります。それから徴収見込額が四十二億円でありますが、滞納繰越分の
増加
が十五億円ありますから、
差引
きまして左の欄の
通り
二十六億円の減になるわけであります。 次の個人事業税は、三十五億円の増になりますが、これは現行法で参りますと、
基礎
控除の
引上げ
をいたしませんと、六十三億円の増になるのでありますが、税法を
改正
して
基礎
控除を三万八千円から五万円に上げますので、二十七億円ばかりそれに要しますから、
差引
きますと、三十五億四千八百万円の増になるわけであります。これも個人所得税を大体標準にして昨年と同じような方式でも
つて
見込み
を立てたわけであります。 それから次の特別所得税は、現行法で参りますと、二億円近くの
増収
になるのでありますが、医師等の保険給付の範囲を拡張いたしまして、それに一億三千万円ばかりを要しますので、逆に九千四百万円の減になるわけであります。これも別に昨年とかわつた方式を用いておりません。 それから入場税でありますが、入場税では、昨年と比べまして十四億八千七百万円の減になります。これは二十七年度の
改正
前の調定見込額を
基礎
といたしまして現行法による場合を、税率が一月から半減しておりますので、その半減に対して、六九・四八%の増を見ております。その
内訳
は料金の変動がないといたしますと、三二%の増が見込まれるのであります。また所得の
増加
によるところの娯楽費の支出が七%ふえております。それから捕捉率を二割強化いたしまして、六九%の増を見込んでおります。さらに
改正
によ
つて
徴収の強化をはかりたいと存じまして、五月分からの納期を月二回にいたしまして、その分の
増収
を約十二億円見込んでおりますが、
差引
十四億円の減になるわけであります。 遊興飲食税は、昨年に比べまして千五百万円の減になります。これは
昭和
二十六年度の所得税の課税所得から引伸ばして参りまして、所得税の課税所得の五四%増を
基礎
といたしまして
数字
を出したわけであります。現行法による場合を、課税標準の捕捉を八五%といたしました。それから
改正
法による場合に、納期をさらに二回にいたしまして、徴収を強化いたして行きたいと考えております。徴収歩合も従
つて
増加
されますので、昨年は八〇%でありましたが、ことしは八八%の徴収歩合を見たわけであります。そういたしますと、大体昨年度と同じ程度のものがとれる、多少千百万円ばかり減るということになるわけであります。 それから次の自動車税は、登録台数が二十万ばかりふえております。五十三万一千台でありましたが、本年の四月は七千三万四千台になりますので、約二十万台ふえております。非課税のものももちろんふえておりますが、全体の数がふえましたので、その分が大体五億円くらいの
増収
があるのでありますが、そのほかに税率を五〇%
引上げ
ることにいたしたいと考えておりますので、その分を合せまして十七億七千六百万円の
増加
になるわけであります。 次の鉱区税でありますが、これは九千百万円の増を見ております。これは二十六年の四月現在の鉱区面積、河床延長等を
基礎
として
基礎
を出しまして、それに徴収を強化いたしたいと考えておりますので、これは税法の
改正
を要しますが、徴収を強化いたしまして九千万円の
増収
を期待いたしたいと考えておる次第であります。 それから狩猟者税でありますが、これで六千三百万円の増を見ております。これは免許件数がふえておりますので、ふえた分だけ
増収
になるのであります。 それから旧法収入でありますが、これは二十五年の
改正
以前の税でありますが、だんだん古く
なつ
て参りまして、来年は八億四千万円の減になります。ことしは一億四千万円くらいしか期待できないのであります。 それから
市町村
全体といたしますと、百四十八億六千四百万円の
増加
に
なつ
ております。これは主として
市町村
民税及び固定資産税の増を見込んでおります。
市町村
民税の中で均等割でありますが、均等割は一億三千四百万円の増を見ております。これは納税義務者の数が
増加
いたしましたためであります。 それから次の所得割の六十八億円の増、これはやはり源泉所得税が非常にふえて参りまして、大体一九%ふえている結果でありまして、
算定
の仕方は昨年と同様、所得税を課税標準とするものが、税額にして半分ある、それ以外の所得を課税標準とするものが大体半分ある、同じような方式でも
つて
、ことしも
計算
したわけであります。所得税を課税標準に全部いたしました場合と、所得を課税標準にいたしました場合との
差額
を、昨年は六十五億円を見込んでお
つたの
でありますが、二十八年度は八十八億円を見込んでおります。 次の法人税割でありますが、これは三億四千万円の増と
なつ
ております。これは前年度分は三%減でありますが、滞納繰越分の
増加
がありまして、全体としては一・六%の増が見込まれておるわけであります。その
基礎
となる
数字
は大体法人税を
基礎
といたしております。 次に固定資産税でありますが、固定資産税におきましては八十三億円の増に
なつ
ております。固定資産税の中で土地に対する固定資産税におきまして三十四億三千三百万円の
増加
を見込んでおります。これは土地のうち、田畑及び宅地が値上りをしておりますので、その値上りを
見込み
まして、昨年よりも三十億円ばかり
税収
の
増加
を見込んでおる次第であります。田及び畑は大体五%の値上りを見込んでおります。それから宅地は、平均いたしまして一六%の値上りを見込んでおります。大
都市
におきましては約二〇%、普通の
都市
におきましては一五%、町村は一〇%の宅地の値上りを見込んでおります。これは勧銀の
調査
を
基礎
にいたしまして、大体一昨年の九月と昨年の九月を比較いたしますると、普通の
都市
におきましては、土地の価格の平均の値上り率は四八%、四割八分上
つて
おるのであります。六大
都市
におきましては八一%という
数字
が出ております。大体これを
基礎
にいたしまして、ただいま申し上げましたような値上りを見込んだわけであります。それ以外の土地は、昨年
通り
の評価を見込んだわけでございます。 次に家屋でございますが、家屋につきましては、
単価
は二十七年度のままですえ置きまして、ただ
増加分
だけを見込んでおります。
増加分
を約三百万坪と推定いたしまして、三百万坪分だけを見込んでおります。従
つて
家屋についての二十二億六千八百万円は、大体この
増加分
に当るわけであります。 次の償却資産も、やはり二十七年度と平均価格はかえておりません。そのままにしております。ただ各企業の設備の拡充が、ちようど二十八年の
税収
から現われて参りまして、この分の
増加
だけを見込んでおります。二十七年と二十八年との評価価格におきまして、千四百七十七億円の
増加
がありますので、その分及びその他で、二十六億八千五百万円の税の
増加
を見込んでおります。 それから自転車税でありますが、自転車は二十八万台
増加
しておりますので、その分の
増加
を見込んでおりますが、滞納分で減る
見込み
がありますので、
差引
いたしまして千五百万円の減となるわけでございます。 それから荷車税につきましては、千五百万円の
増加
を見込んでおります。これは滞納繰越分につきまして多少の
増加
を見込んでおります。 次の電気ガス税でありますが、これは二十六年度の
実績
を
基礎
にいたしまして、値上り率を乗じて
算定
いたしております。前国会におきまして非課税分がふえておりますので、三〇%の非課税を見込んで、推計を立てたわけであります。 次の鉱産税は、通産省の資源局の
調査
を
基礎
といたしまして、推計いたしまして五千九百万円の増を見込んだ次第であります。 次の木材引取税は、これも林野庁の
調査
を
基礎
にいたしまして、一億円余の増を見込んでおります。 次の入湯税の一億五千五百万円の増は、入湯税の現在の税率を倍に
改正
いたしたいと考えておりますので、その分を見込んでおります。 それから、その次の旧法による
税収
入でありますが、これは先ほど府県の場合に申し上げましたように、二十五年以前の
法律
に基くところの
税収
入でありますが、これもだんだん少く
なつ
て参りまして、昨年は二十四億円でありましたが、今年は五億円で、十八億円の減を見込んでおります。 次の目的税には、一億九千万円の
増加
を見込んでおります。 それから法定外普通税は、六千万円の減、合せまして最初に申し上げましたように、本年の総
税収
入を三千八十六億五千六百万円といたしまして、百五十一億九千六百万円の
増収
を見込んだ次第であります。
青柳一郎
5
○
青柳
委員長
御質疑を願います。
床次徳二
6
○
床次
委員 簡単に数点伺いたいと思います。
歳出
の部におきまして、
既定財政規模
を従来
通り
と見ておられるのでありますが、従来の
地方財政計画
におきましても、
政府
の
見込み
は非常に厳格に過ぎ、そのために、
地方
におきましては財政の窮迫をうつたえてお
つたの
であります。この財政の窮迫事情を全然考慮せずに、従来の予算をそのまま
既定財政規模
にされたのではないかと思うのですが、この点実情を考慮せられておるのかどうか、伺
つて
おきたい。
武岡憲一
7
○
武岡政府委員
既定財政規模
の標準をどの程度に置くかということについては、御指摘の
通り
、多少問題がないわけではないのであります。しかしながら
地方
に対しまして、どの程度の
財源
措置をしなければならないかという目安を立てるための
地方財政計画
でございますので、やはり国全体の経済力、国民の
負担
力というものに目標を置かなければならないと考えられるのであります。実際に、
地方
の財政の運営の結果である決算
見込み
の
数字
等も、年々と
つて
参
つて
おるのでありますが、
昭和
二十七年度の
財政計画
を立てます際にも、その当時わか
つて
おつた
昭和
二十五年度の決算
見込み
の
数字
を基調に置きまして、その上に二十六年度の増を組み立てる、こういう
方法
で推計をして参
つて
おるのであります。すなわち、二十五年度の決算の
数字
によりますると、
地方財政
の全体において五千二十三億三千百万円という
数字
が出ております。大体この年は、御
承知
のように
地方財政
に関する根本的な改革が行われた年でありまして、いろいろな意味で、大体今後の
地方財政
の推移を予測すべき
一つ
の基準年度ではないかということで、この年度の決算
見込み
というものを一応の目安に置いたわけでございます。そこで二十七年度の
計画
を立てまする際にも、その二十五年度の決算の
数字
に対しまして、二十六年度の
増加額
一千四十六億四千六百万円、これだけのものを加えまして、これを二十六年度の
既定財政規模
に置く。こういうことで、それを元に二十七年度はさらにそれに対する二十七年度の
新規増
を見込む、こういうふうに組み立てて参
つたの
であります。もちろんその
新規
の財政事情を見る場合におきましても、具体的に申しますれば、公務員の給与の
算定
におきまして
調整
を加えるか加えないかというようなことにつきましては、基本的にはいろいろ御意見のあるところでございますが、前に申し上げましたような基本的な
考え方
で、国として、
地方
に対する
財源
措置を考えるためには、やはり
地方
公務員につきましても、国家公務員の
一つ
の基準となるような
ベース
というものがあれば、それを元にして、
財源
措置を考えて行かなければならない。
地方
の実態とは、あるいは相達するというような問題が起
つて
参るかもしれませんけれども、国の
財源
措置の建前といたしましては、やはりそういうところに基調を置いて参らなければならぬのではないか、こういうような
考え方
で、
財政計画
を策定いたしておるのであります。そういうような意味におきまして、今御指摘の経済的
規模
が、これでは実情から見て小さくはないかということにつきましては、御意見はあるかと思いますが、決算の
状況等
から見ましても、そう
地方
に対して無理な、つまり財政の運営あるいは自治の運営に非常に大きな支障があるような
計画
ではない、かように考えておるわけであります。
床次徳二
8
○
床次
委員 議論にわたりますから、繰返して申しませんが、決算というのは、実際、そのときの苦しい財政事情を、そのまま反映して決算に
なつ
ておるために、実は、もう少し
地方
としては伸びるべきものが、伸びずに、決算面は低く
なつ
ておるのではないか、決算の
内容
を見ておりますと、ほんとうの
地方財政
需要というものは、反映していないのではないかと思われるのですが、毎年
既定財政規模
において修正されることが望ましいという感じを私は持
つて
おります。この点まだ多少納得が行かないと思います。 次に伺いたいのは、
教育委員会設置
に関する
経費
でありますが、今回
政府
は、義務教育費
国庫
負担
でありますか、特例法をつくられます。その新しい国の構想に対して、ふさわしいところの
教育委員会
の活動状態を予想しておられるかどうか。今日、
政府
が提案せんとするところの、国家公務員たる教員の人事、その他に関連して、必要な
教育委員会
の
事務
をこの中に見ておるか、あるいは従前の
教育委員会
の線をそのまま見ておるか、それを伺いたい。
鈴木俊一
9
○
鈴木
(俊)
政府
委員
教育委員会
制度
につきましては、今回の義務教育学校
職員
の
制度
の改変に関連をいたしまして、多少の変更があろうかと思いますが、本質的な点については、特にかわつた点はございません。ただここで考えておりますのは、市の
指導主事
を一名増員する
数字
だけを見ております。
床次徳二
10
○
床次
委員 次に伺いたいことは、自治警
廃止
に対する費用が出ております。今度
政府
は、警察
制度
に対する新しい構想を持
つて
おりますが、その場合におきましては、
経費
の
負担
が、府県と
市町村
と、相当移動を生ずるわけでありますが、それに関して、いかように措置される考えであるか、それを伺いたい。
鈴木俊一
11
○
鈴木
(俊)
政府
委員 警察
制度
の改革をいたしますとすれば、警察
設置
の単位を変更いたします以上は、警察費の
負担
に移動を生ずるわけでございまして、国家
地方
警察と、
市町村
自治体警察
とを統合いたしまして、原則として、府県単位の
一つ
の警察を考えるということになりますと、やはり国及び府県と
市町村
との間におきまして、
財源
に変動を生じます。その
関係
の
数字
につきましては、なお精査中でございまして、具体的に
数字
をここで申し上げられないのは遺憾でございますが、大体市につきましては、特に
平衡交付金
を交付しておりません不交付団体が相当数ございますので、かりに市から府県単位に警察が移動いたしました場合におきましては、
平衡交付金
を移用するということだけでは、まかない得ないところが生ずるわけでございます。さような問題につきましては、やはり将来根本的には、
地方
の財政
制度
、税制を全般的に改革いたしませんと、完全な
調整
は困難であると思いますが、
昭和
二十八年度につきましては、何らかの便法によ
つて
、その間の
調整
を講じなければならぬというふうに考えておる次第であります。
床次徳二
12
○
床次
委員 次に伺いたいのは、
恩給
の
特別措置
に関する
経費
でありますが、これに関して、かねがね
地方
で問題に
なつ
ておりますのは、
地方
の農業
委員会
の
職員
恩給
遡及に関する問題で、農業
委員会
が、前の農業
調整
委員会
あるいは農地
委員会
でありました当時、書記の
恩給
は、遡及し得ることに
なつ
ておりますが、その
負担
が、自己
負担
に
なつ
ておる。これにつきましては、かねがね
関係
者から希望があるのでありますが、これを適当に年次
計画
によ
つて
、
地方
で
負担
してもらうということが、実情に適しておると思いますが、この点、
数字
の中に考慮しておられるかどうか、また将来どうされるか、御意見を伺いたい。
鈴木俊一
13
○
鈴木
(俊)
政府
委員 御指摘の点は、かねて問題の点でございまして、農業
委員会
の書記が、国から
全額
補助で出ておりました時代の、
給与費
の一定部分を、町村の
恩給
組合に納付いたさなければ、実質的に加入できないということで、
制度
上は、町村農業
委員会
の
職員
が、町村
恩給
組合に加入できることに
なつ
ておるかにかわらず、その自己
負担
に耐えなくて、加入できないという不都合があ
つたの
でありますが、この点につきましては、
昭和
二十七年度の特別
平衡交付金
の
配分
の際において、その点を勘案いたしまして、解決をいたしたいと考えておる次第であります。
床次徳二
14
○
床次
委員
災害
の点でございますが、
臨時事業費
の増の中の
災害
でありますが、
災害
は、相当減額されました。昨年、
災害
が少かつたせいによると思いますが、
災害
事業の復旧状態はどう
なつ
ておるか、過年度
災害
がずいぶん遅延しておるが、その
状況
は、どういうふうに
なつ
ておるか、大局がわかりますれば、御
説明
願いたい。
鈴木俊一
15
○
鈴木
(俊)
政府
委員
災害
の
経費
が減りましたのは、先ほど財政部長から御
説明
申し上げましたように、単独
災害
の
基礎
が、一件十五万円以下というのが、十万円以下になりました。また、いわゆる
超過復旧
の
関係
が、従来、
原形復旧
と別に扱われまして、常に三分の一というような
国庫
補助でありましたのが、一般の
原形復旧
と同じように
なつ
たということで、従
つて
財政力
に応じて、
災害
復旧額がふえて来れば、よけいに
負担
をしてもらえるということ、になりましたので、減じたわけであります。 過年度
災害
の復旧進捗
状況
につきましては、ただいまここに
資料
がございませんので、具体的な
説明
は差控えますが、本年度の起債においては、
災害
の問題につきましても、現年度災は百パーセントつけたいと思
つて
おりますし、過年度災につきましては、少くとも二十六年の
最終
の率を下らないようにしたいと考えておるのであります。
床次徳二
16
○
床次
委員 過年度
災害
の復旧進捗
状況
につきましては、次会にまたお願いすることにして、次にお伺いしたいのは、
歳入
の点であります。さきほどから伺
つて
おりますと、
地方税
において若干の増を見ておりますが、その増の中において、中心となるものは、事業税と住民税の増であります。今度の予算を通観してみますと、国税において明らかに減税をいたしておる。減税の主点が国税で、次に府県税において減税に
なつ
ておることは事実である。ところが、半面において、
市町村
税において増と
なつ
ておる。この現象を、大ざつぱに通観してみると、税の
負担
が、
負担
能力のある者からだんだん軽く
なつ
て参りまして、一番
負担
能力の少い者に重く
なつ
て来ておるのじやないか、
負担
者の対照を考えてみると、そういうことを認め得ると思いますが、これに対して、自治庁当局としては、いかように考えられるか。
鈴木俊一
17
○
鈴木
(俊)
政府
委員 御指摘のように、
地方税
においては、府県税よりも、
市町村
税の方が、
増収
になります分が多いのでございまして、それは主として、固定資産税でございますとか、
市町村
民税でございますが、これらの
地方税
の体系において、
負担
能力のない者に対する
負担
が、だんだんふえて来るんじやないかというような御心配でございますけれども、たとえば、いずれ提案をして御審議を願いたいと思
つて
おります
地方税法
の
改正
案におきましては、たとえば事業税につきましては、
基礎
控除の現在三万八千円というのを五万円に
引上げ
ようというふうに考えておりますし、これもさような
基礎
で
計算
をいたしております。また
市町村
民税のいわゆるオプシヨン・ワンの適用は、現在非常にきゆうくつでございますので、従
つて
いわゆるオプシヨン・ツーの、課税総所得
金額
を
基礎
にいたします課税方式が、より多く利用されるような
状況
にありますけれども、これをやはり所得税額を基準にいたしますオプシヨン・ワンの方式によりましても、課税第二方式あるいは第三方式と同じような制限額のもとに、徴収できるようにいたしたいというふうに考えております。さように第一方式によりまして徴収をいたします場合には、いわゆる所得税がだんだん上の方に上
つて
参りまして、下の方の所得者は所得税を納めないでいいように
なつ
て来ておりますし、このオプシヨン・ワンの利用の度合いを増すことによりまして、やはりこれは少額所得者に対しては
負担
が軽減されるようになるであろうというふうに思うのであります。そういうふうに、総体としましては、たとえば
昭和
二十五年後全然税率を動かしておりません定額課税、たとえば先ほどの入湯税でございますとか、あるいは自動車税その他、さような定額課税は、若干増税をいたしたいと考えておりますが、これはいずれも手数料とか使用料等が、物価の変動に応じまして、先ほど
説明
いたしましたように、二割程度の増額をいたしておりますので、むしろそれらとバランスを合せまして他の税
負担
者との
負担
の均衡も考えたいという意味で、
調整
的な意味で税法の
改正
をいたそうというのでありまして、全体といたしましては、やはり
負担
の点には特に
政府
といたしましても慎重に配慮をしておるつもりでございます。
床次徳二
18
○
床次
委員 ただいま御答弁がありましたが、所得に関しましては、結局所得税あるいは事業税が減税に
なつ
て来て、いわゆる細民——所得税、事業税の対象とならなかつた者の方がふえるおそれがあるのではないかと一応考えられるのですが、その点はいかがでしようか。
後藤博
19
○後藤
政府
委員 御
承知
の
通り
、個人に対する
地方税
は大体前年の所得をと
つて
います。従
つて
国税の減税が一年ずれるわけでありますが、たとえば所得税が税法上千億円減税があるといたしますと、
市町村
民税においては、二百億円の減税になるわけであります。但し私どもの
計算
におきましては、半分を所得にとり、半分を税にと
つて
おります。従
つて
百億円だけ減税分がこの中に入
つて
おる、こういうことが
数字
の上では言えるのではないかと思います。また残りの百億円ももちろん幾分かは入
つて
おる、こういうことに
なつ
ております。ですからこの
数字
の上で、すでに国税の減税が入
つて
おるというふうに見ていただきたいと思います。
総額
がふえておることは、これは所得の
増加
に伴
つて
総額
がふえておる。こういうふうにお考えを願いたいと思います。
床次徳二
20
○
床次
委員 次に伺いますのは、義務教育費あるいは警察費が、今度の警察
制度
の振りかえ等によ
つて
、交付しない府県が大分出て参るのでありますが、国から金を出す場合には、非常に厳格にはじいてありまして、いわゆる不交付団体というものができておるのでありますが、逆に
地方
の細民の立場から見ますると、当然国から出してもいいと思うものが出ていない。逆に言えば、今の不交付団体になりました
金額
は返してもら
つて
もいいのではないか。すなわち教育
職員
の場合の俸給
差額
、いわゆる三百四十九円の部分の
金額
、これは厳密に言うと四十億くらいになるとい
つて
おりますが、この
金額
、あるいは
平衡交付金
と
差引
いた場合に生ずるところの二百億というものが、当然
平衡交付金
の中に加えて
地方
によけいや
つて
いいのではないかと思うのですが、与えるときに非常に厳格に
差引
いて与えて、とるときにはとるだけのものをとるというふうな態度のように思われるのですが、この点はいかように考えられますか、お伺いいたしたいと思います。
鈴木俊一
21
○
鈴木
(俊)
政府
委員 今の義務教育の
関係
で、現在教員の
給与費
として見ておりますのは、千百五十五億円でございますが、この
数字
と今回義務教育費の
国庫
負担
に伴いまして、
平衡交付金
の中から抜き出しまして府県に還元をいたします
経費
九百二十億円との
差額
が御指摘のように二百五十四億円になるわけでございますが、また別に御指摘の、いわゆる給与の
財源
措置を二十六年にいたしました際に、
計算
上
地方
の給与が高過ぎるというので
差引
きました三千四十九円という、教員につきましての
給与単価
の問題でございますが、これらの点につきましては、国が
地方
の
財源
を
計算
いたします場合には、非常に厳格に
計算
をし、また交付しないような場合には、非常に厳格でない
計算
をするというようなお話でございますが、これは今の教員の給与が高いということで、
計算
上
平衡交付金
の
基礎
になります
財政計画
の中からは、三百四十九円に相当いたしまする部分は、これは落して
計算
をいたしておりまして、ただいま申し上げました千百五十五億円という中には、その
数字
は入
つて
いないのであります。従
つて
今回九百二十億円という教育
関係
の
経費
を引出しまして、それを府県に
配分
いたします場合に、いわゆる不交付団体から引く場合におきましても、やはりその
関係
の
経費
のことは考慮に入れないで
計算
をしてよろしいというふうに考えるのであります。
床次徳二
22
○
床次
委員 ただいまの問題につきましては、いろいろ意見がある思いますが、この次にしたいと思います。 今度警察
制度
が
改正
になりまして、市で自治警を持
つて
おりますところで、これを
廃止
した場合、従来警察に充てました
財源
、これは
平衡交付金
の中に見ておられるものもありますが、
交付金
以外の、市自体が
負担
しておりました過剰部分も実はあると思う。そういうものに対しまして、将来これはその
地方
の財政的な余裕として残すか、あるいは、当然これは自治警がなくなれば、その
経費
はほかへ持
つて
行くという形で
差引
くかという点ですが、これは
地方
では、
自治体警察
が今度の新しい警察
制度
になりましても、財政的に余裕ができない。従来
通り
とんとんということになるのですか、どうなるのですか、それを伺いたい。でき得れば私どもは、警察
制度
の
改正
によ
つて
、
地方
自治団体の
経費
でありましたものが、国あるいは県に移管されたという場合は、それだけの
財源
は、
地方
に残す方がいいのではないか。なるべく固有の
財源
を残して、財政に余裕を残したいと思
つて
おるのでありますが、どうも今まで
平衡交付金
でやりまして調節いたしますと、せつかく
財源
ができても、やはりこれを平均化に使われてしまうおそれがある。この点に関する御意見を伺いたい。
鈴木俊一
23
○
鈴木
(俊)
政府
委員 警察費の
負担
の
基礎
が変更するということになりますと、その
関係
でやはり
平衡交付金
の
単位費用
の
計算
を当然かえて行かなければならぬわけでありまして、従
つて
その
関係
で各団体に交付さるべき、いわゆる交付基準額というものは、当然に変動して来るわけであります。その場合に、今御指摘の点は、あるいは不交付になりますような団体に対しても、それを
引上げ
ないで、むしろそのまま置くべきではないか、それはなるほどその団体の財政の点から申しますれば、警察
事務
の
負担
を免れるとはいいながら、やはり従来とてもきゆうくつであ
つたの
であるから、警察費に従来投入しておつた
経費
を、他の一般的な
経費
に投入できることは、望ましいに違いないと思いますけれども、やはり現在の国全体の財政、あるいは国民の
負担
力という点から申しますと、やはり最も有効に
経費
を使わなければならぬと思いますし、またさほどのゆとりのある全体の
財政計画
でもございませんので、それだけ
経費
の
負担
を免れるということに相なりますれば、それをどうしても
調整
するのほかはないというふうに考える次第であります。
床次徳二
24
○
床次
委員 これは
地方財政
で根本的の
財源
の
配分
の場合に、どうするかという問題にもなるのでございますが、義務教育の場合のごとき、あるいは警察
制度
の変更のごとき、
地方
財源
並びに
負担
というものに大きな変更のある機会であります。この機会を利用いたしまして、あるいは善用いたしまして、でき得る限り
地方財政
を充実するという
考え方
を持
つて
いただくことがいいのじやないか。せつかく
財源
が浮びましても、それを片つぱしから
平衡交付金
制度
によ
つて
燃やしてしまいますと、せつかく
地方
に余裕ができたときに、それが全部国の方に吸い上げられてしまうという結果になるのであります。一応お説の
通り
でありますが、根本的の立場において、ある程度まではこれを留保してもらうという
考え方
を持
つて
いただくことが
地方財政
のためになる。さらに根本的にはそういう前提のもとに将来の新しい税制、財政を確立することが必要だと思いますが、自治庁当局はもう少しこの点に対して慎重な態度を持
つて
、できる限り
財源
を確保するように、努力すべきではないかという感じがするのであります。その点をわれわれ強く要望したいのでございます。
鈴木俊一
25
○
鈴木
(俊)
政府
委員 ただいま御指摘の点は、まことに私どもも痛感をしておるところでございまして、今の義務教育費あるいは警察費の
制度
の改革に関連をいたしまして、当然に今年度におきましては
地方
制度
あるいは
地方財政
制度
、税制等につきましての相当大幅の改革を余儀なくされると思うのでございまして、その際におきましてはできるだけ
地方
自治の根基を培い得るような税制あるいは財政
制度
を確立したいというふうに考えておる次第でございまして、この点はまた
地方
制度
調査
会の御意見を十分拝聴したいと考えておる次第であります。
門司亮
26
○門司委員 時間がないからこの
内容
についてはあとで大臣に聞いた方がいいと思いますが、今の
床次
さんの御発言から自治庁の答弁について、ちよつと関連したことをお聞きしたいと思います。警察法の
改正
を見ますと、二十八年度においては、
地方
で
負担
すべきものについては、従来の自治警を持
つて
おつた町村の費用を、そのまま県に何らかの形で移譲するようなことが書いてあるのですが、またそうでなければ私は県の
負担
にはならないと思います。そうするとそれに対しては自治庁としては何らかの
法律
的措置が必要とされるのではないかと考えますが、それに対して自治庁はそういう
法律
的措置をするというお考えが今おありになるかどうか。
鈴木俊一
27
○
鈴木
(俊)
政府
委員 この点につきましては、まだわれわれ
事務
当局といたしましては、具体的な案を用意する段階に
なつ
ておりませんが、御指摘のように二十八年度から警察
制度
につきましての改革を行うということに相なりますと、やはりその間に
財源
の
調整
をいたさなければならぬわけでございまして、
平衡交付金
法の警察維持につきましての
単位費用
を
改正
しなければならぬと思いますし、また府県と
市町村
との間の
財源
の
調整
につきましては、税制の
改正
等を行いません限りは困難でございます。しかし税制
改正
ということは根本的な税の
配分
の変更ということになりますから、相当困難であろうと思いますので、従
つて
あるいは便法として何らかこの税制の変更以外の
調整
の
方法
をとらなければならぬというふうに考えておる次第でございます。まだ具体的の成案ができていない次第でございます。
門司亮
28
○門司委員 その点はおかしいと思います。警察
制度
の
改正
は十月一日からこれを実行しようと言
つて
おります。そうすると今度の国会でそれをある程度具体化した成案を持
つて
おらなければ、警察法の
改正
を十月一日に実施いたしましても、府県はただちに財政的に困ると思う。だからどうしても十月一日以前にこの措置がとられないと私はなかなかうまく行かないと思う。その場合に問題になりますのは、今自治警を持
つて
おります
市町村
の
経費
をどういうふうに
算定
して、これを県の方に移譲するかということが非常に大きな問題であります。これは全部が自治警察であればそのまま警察に使
つて
いる費用だけ向うに持
つて
行けばいいのでありますが、全部の
市町村
が自治警察でない
関係
から、税制等の
配分
においては私は非常な困難があると思います。税制はやはり一律一体に同じような税金をと
つて
おります。この税金について、この市とこの市とこの市の分は、どれだけのものを県に移譲するというようなことはなかなか困難だと思う。そう
なつ
て参りますと警察費の
負担
の
関係
から来る問題で、どうしても税法の
改正
以外に何らかのやはり便法の
法律
が、この際必要に
なつ
て来るのじやないかというように考えられます。こういうふうに
なつ
て参りますと、私はそう簡単にこの
法律
ができ上ろうとは考えませんし、またできた上には必ず無理な点がないとは限りません。今お聞きいたしますと、そういうことを考えていないという、まだ考慮していないというお話でありますが、警察法の
改正
が幸いにして通らなければいいのですが、通るとただちにその問題にぶつか
つて
来ると思います。また府県としてもこれは非常に重要な問題でありまして、府県の管下に警察が入
つて
参りますと、警察官の身分もやはり市から県に移譲されなければならない。ただちに出て来ますものは勤続年限から来る
恩給
制度
の問題、それからもう
一つ
は——これはどうなるかはつきりわかりませんが、警察法の
改正
で言
つて
おりますところの、警視以上のものを国家公務員にするということになると、ここにもやはりそういう問題が出て来る。いろいろな面で私は財政
関係
のそうした問題が出て来ると思いますので、今のように考えていないというようなことでは——私はこれは警察法の
改正
法が出て来たときに聞けばいいことでありますが、一応自治庁の意見を聞いておきたいと思いますのでお伺いするのでありますが、今のようにただ考えていないというだけでなくて、何らかの成案をぼつぼつお考えにならなければならぬじやないかと考える。従
つて
この際お聞きしておきたいと思いますことは、今度のこの会期中にそういう
法律
案を出すというお考えがあるのか、あるいは次の、いつ行われるかわかりませんが、とにかく国会にでも間に合うように、そういうものを出すことをお考えに
なつ
ているか。その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
鈴木俊一
29
○
鈴木
(俊)
政府
委員 ただいまの警察費の府県及び
市町村
の
財源
の
調整
あるいは国との間の
財源
の
調整
でございますが、これにつきましてはやはり何らかの予算的措置並びに立法的な措置が入り用ではないかと私どもは考えております。もちろん警察のある
市町村
についてだけ税制を考えるということは困難であります。どうしても
財源
の
調整
を必要とすると思います。これはいつさような措置をとるかということにしては、なお
政府
として今
最終
の案を検討中だと思うのでありまして、その措置に従いまして
事務
的にはいろいろ用意をいたさなければならぬというように考えておる次第であります。
鈴木直人
30
○
鈴木
(直)委員 入場税についてちよつとお尋ねしてみたいと思うのです。入場税を半減するという措置が一月一日から行われたわけですが、この際に何ゆえに半減したかという点であります。これは大衆の慰安になるものであ
つて
、そういう大衆の慰安に
関係
する入場税を半減することによ
つて
、料金も少くしてやろう、こういうような
考え方
が中心と
なつ
て半減されたと思うのです。もちろんそれだけでなくいわゆる映画
関係
の会社とか、あるいは映画館とかいうものの経済的な苦しさを幾分緩和してやろうという考えもあろうと思うのでありますが、大衆課税でございますから、半減したならば、その税が半減されただけ入場料も半減されるということを、一般大衆は期待しておつたように考えられます。ところが入場税が半減されましても、現実の場合においては、入場料は半減されないというように
なつ
ておるというように聞いておるのでありますが、現に全国の映画館その他の劇場等において、一月一日から入場税が半減された分に対する入場料の半減その他の措置が行われておるかどうか、その現状をお聞きしてみたいと思います。さらにそういうふうなことについて何らかの行政的の措置を、入場料をと
つて
いる事業者に対してとつたことがあるかどうか、その事情をお聞きしてみたいと思います。
後藤博
31
○後藤
政府
委員 入場税の半減につきましての御質問にお答えいたします。おつしやる
通り
入場税が下
つたの
でありますから、その半減分を下げるべきであると私どもも考えてお
つたの
であります。興行協会その他
地方団体
におきましても、それぞれの団体に対して、また業者に対して、料金の引下げを交渉しておるようであります。しかし、一面興行者の側に立
つて
、いろいろ聞いてみますると、入場税はなるほど半減をされたが、たとえば映画の場合には、映画の配給料と申しますか、上演料そのものが非常に上
つて
おります。それから映画以外の場合、たとえば帝劇でありますとか、日本劇場とかそういうところの劇場の使用料が非常に暴騰しております。そういうことからして、必ずしも半分に下つたから半分下げなければならないという結論は、当の興行者においては出て来ない、こういうことを言
つて
おるのであります。事実その賃貸料ないしは上演料が上
つて
おることも事実であります。しかし入場税が下
つたの
でありますから、一般大衆に対してその恩恵を与えなければいけないではないかということを、私どもかねがね申しておりますし、協会あたりでも相当努力をいたしておるようであります。最近一部において、映画において十円程度下げたという話を私も四、五日前に聞いたのでありますが、ともかくも何とか下げたいという気持はあるが下らない実情にあるということを聞いております。しかし実際問題として、税率が半減にな
つたの
でありますので、料金を下げるべきであるという私どもの気持はかわらぬのでありまして、いろいろな機会に、そういう指導をいたしておる次第であります。
鈴木直人
32
○
鈴木
(直)委員 次に公民館主催によるところの興行に対する課税をしないという措置が、一月一日から行われたのでありますが、これは実は私詳しく勉強してなか
つたの
ですが、府県等におきましては、それにもかかわらず、公民館が主催した場合に税をとるという条例が、まだ残
つて
おるということを聞いておるのですが、これは条例で一月一日から相かわらず税をとるということがあるならば、
法律
の
改正
いかんにかかわらず、それはどこまでも効力があるということに
なつ
ておりますか、その全国の実情とその
法律
上の解釈をお聞きしてみたいと思います。
後藤博
33
○後藤
政府
委員 公民館等に対する免税の条例の問題でありますが、昨年末の県会において大体条例を直したと思
つて
おります。県会の都合で直し得ないところは、専決処分かなんかでや
つたの
ではないか、一応了解を得ておいて、あとからその事後承認を受けるという形においてやつたというふうに私ども聞いております。もしもさようなところがございましたら、私どもの方で注意をしたいと思います。
鈴木直人
34
○
鈴木
(直)委員 その実情はよくわかりましたが、もしその条例をある府県がそのまま残しておつたという場合においては、その条例が
改正
法との
関係
において効力があるものであるかどうかということの
法律
上の解釈をお聞きしておきたいと思います。
後藤博
35
○後藤
政府
委員 入場税の課税免除の規定は、「課さないことができる」というふうに
なつ
ておりまして、必ずしも課してはいけないということには
なつ
ていないのであります。しかし
法律
の、この前の修正の趣旨もございますし、できるだけ課さないような方向がいいではないか、特別な財政事情がある県は別といたしまして、大体私どもの指導は免税措置をとつた方がいいだろう、こういう指導をいたしております。従いまして、条例を存置いたしておりまするところは、
法律
上はやはりその条例が有効であるということに相なるわけであります。
鈴木直人
36
○
鈴木
(直)委員 この公民館主催によるところの入場税の免除ということは、社会教育を進歩させる点においては非常に重要なことだと思うのです。そこで至急各府県がどういうふうな条例の措置をと
つて
おるかということを
調査
して、報告していただきたいと思います。 さらに、入場税の半減によるところの入場料についての措置についても、これを
調査
して報告していただきたいと思います。これを希望いたしておきます。
青柳一郎
37
○
青柳
委員長
他に御質疑がありますか。大石君。
大石ヨシエ
38
○大石(ヨ)委員
鈴木
さんにちよつとお尋ねしますが、ただいま入場税の話が出まして、ちよつと私気がついたのですが、あなたの方はダンス・ホールと教習所とはどういうふうな見解を持
つて
おられますか。ダンス・ホールには確かに入場税がいつたはずです。教習所はどういうふうにしていらつしやいますか。この点どうぞ聞かしてください。
鈴木俊一
39
○
鈴木
(俊)
政府
委員 これは御
承知
のように、各府県がそれぞれ課税の主体でございますから、各府県で若干の実際の運用の違いはあろうかと存じますが、御指摘のように入場税は、遊戯場といいますか、娯楽場といいますか、さようなところに課する、いわゆるそこの入場者、利用者に対して課するものでございますから、今のダンスの教習所というのは、さようないわゆるタンスをやるダンス・ホールとは
性質
が違うと思うのでありまして、そういうものには入場税をかけないのが原則であろうと思いますけれども、ただ教習所の名において実質的にはダンス・ホールであるというような場合に、県の課税当局が、これをさようなダンス・ホールと認定してかけるというようなところがありはしないかと思うのであります。これは一に各府県の課税当局者の運用の問題でございまして、若干適当不適当の措置があろうかと思いますが、それぞれ
地方
の実情に応じた措置がとられておるのではないかと思うのであります。
大石ヨシエ
40
○大石(ヨ)委員 あなたは御存じあるかないかは知りませんが、ダンス・ホールに行くと入場税をとられる。だからみな一般の人は教習所という名において踊りに行く。そしてその見解はあなた方はどういうふうに考えておられますか。ダンス・ホールに行くと金がかかる、教習所に行つたら安く踊れる。そうして遊んでおる。あなた方は同一に思
つて
おられるか。 それからもう
一つ
、ただいま自由党の
鈴木
先生が御質問になりました公民館で興行すると、とにかくただでできる。それで名目はほんとうは実質的にもうけるのであるけれども、公民館で脱法行為で興行を無料でやる、そして寄付を持
つて
来て、それをと
つて
おる。ほんとうはもうけておるのである。これに対してあなた方はどういう見解を持
つて
おられますか。それを聞かしてちようだい。
鈴木俊一
41
○
鈴木
(俊)
政府
委員 御指摘の点は、まさに実際の税法の運用につきましては十分留意しなければならない点だと考えます。今の舞踏場でございますか、ダンス・ホールでありますか、ダンス・ホールの施設を利用するものには入場税をかける、こういうことに
なつ
ておるわけでございまして、御指摘のダンス教習所が税法に言うておりますところの舞踏場であるかどうか、今の脱法の意味で教習所と称しておるようなものでございますならば、これは当然に入場税をかけられるべきだと思うのであります。これは各
地方
の当局におきましては、相当慎重な運営をいたしていると思うのであります。 それからなお公民館の問題でございますが、これも公民館が行う社会教育、社会事業、更生保護事業というような事業のために公民館でやります映画によ
つて
得ました利潤が支出され、かつ、その催しに参加し、あるいは
関係
する者が何ら報酬を受けないという場合に限
つて
免税になるということに
なつ
ているのでございまして、今御指摘のように、これによ
つて
実質的にはもうけておるのだ、脱法的に公民館を使
つて
、うまいことをしているのだ、こういうことでございますと、これはやはりこの免税の規定をくぐる脱法措置ということになりまするので、徴税当局としてはさようなものからは免税の特権を認めないで徴収をするということになると思うのであります。ただ実際の運用の上でなかなかさような脱法的な措置が適切に把握できるかどうか、その点に問題があろうと思いますが、重々注意をいたさなければならぬ点であろうというふうに考える次第であります。
大石ヨシエ
42
○大石(ヨ)委員 それからもう
一つ
お尋ねしたいのは、たとえて言うと、何々県の寮であるとか、何々荘であるとかいう名目で、盛んに芸者が入
つて
散財をして、そうして脱法行為をや
つて
、まるで料理屋のような営業をや
つて
おる。これは一体どういうふうにお考えですか。
鈴木俊一
43
○
鈴木
(俊)
政府
委員 ただいまの寮とか、何々クラブというような施設におきまする遊興飲食でございますが、これにつきましては、やはりそれぞれ一般の遊興飲食と見なされまして、ただいま税金を課するように相
なつ
ておりますので、か
つて
は御指摘のようにさようなところで事実上脱法の遊興飲食が行われるということはございましたが、ただいまではさようなことはないように
なつ
ておる次第でございます。
大石ヨシエ
44
○大石(ヨ)委員 私ちよつと
鈴木
さんに希望しますが、今現にダンス・ホールというと税金が高くつく、だからみんな教習所にしておりますが、一ぺん調べて税をうまく徴収してほしいと思うのですが、いかがなものでしよう。
鈴木俊一
45
○
鈴木
(俊)
政府
委員 御指摘の点は税法の運用上大いに戒心いたさなければならぬと考えておりまするので、なお実際の実情を
調査
いたしました上で、適当な措置をとりたいと考えております。
大石ヨシエ
46
○大石(ヨ)委員 実際私が
調査
してよく知
つて
おるのです。みな教習所へ踊りに行くのです。そうすると安くてよく踊れる。ダンス・ホールへ行くと税金が高くつく、その点私よく知
つて
おりますから、どうぞ再吟味してください。
鈴木俊一
47
○
鈴木
(俊)
政府
委員
承知
しました。
平岡忠次郎
48
○平岡委員 後藤
政府
委員にお尋ねいたしますが、
市町村
民税の所得割の点です。この六十八億一千百万円の
税収
増の
内容
は、
増収
によるところの、納税資格者の自然境ということにあるののですか。
後藤博
49
○後藤
政府
委員 そうです。
平岡忠次郎
50
○平岡委員 そうしますと、オプシヨン・ワンの制限をはずしたことによりまして、それによる
税収
増は見ておりませんですか。
後藤博
51
○後藤
政府
委員 六十八億一千百万円の増は、二十七年度の大蔵省の国税の補正予算を
基礎
にいたしまして、課税標準を出したわけでございます。その際に前年よりも二十八年度は申告分で〇・七%くらいふえて参ります。それから源泉分で、課税標準で一九・七%ふえて参ります。その出たものを
基礎
にいたしまして、所得割の半分のものがオプシヨン・ワンをとる、こういう
計算
であります。一八%のオプシヨン・ワンをとるという
計算
で残りの半分をオプシヨン・ツーをとる、こういうことであります。そのオプシヨン・ワンを全部とつた場合と、オプシヨン・ツーを半分とつた場合の
差額
が八十八億円くらいになります。ですから、この八十八億円分がオプシヨン・ツーによる
増収
ということになるわけであります。それを昨年度は六十五億円と見ております。そういうことでございます。
平岡忠次郎
52
○平岡委員 もう少し限定的に質問をしますが、オプシヨン・ワンの制限は百分の二十の制限率をとりましたね。それで大体オプシヨン・ツーの最高まで行け得るようにしたわけですね、そういうことになりますね。
後藤博
53
○後藤
政府
委員 はい。
平岡忠次郎
54
○平岡委員 そうしますと、その課税総所得を標準とする場合、それは所得税額に対して平均何パーセントくらいになりますか、私は二〇%を上まわると思うのですが、これは累進的なものですから、なかなかつかむのはむずかしいでしようが、二〇%を越えることは間違いないと思うのです。その点はいかがでしようか。
後藤博
55
○後藤
政府
委員 今おつしやいましたオプシヨン・ツーの一〇%、所得の一〇%の場合と、オプシヨン・ワンの場合との幾らになるかということは、非常にむずかしい問題でありまして、個々の所得によ
つて
違うわけであります。ただこういうことは言えるわけであります。相当上まで参りますが、たとえば二五%とつた場合、百十万円の所得者で頭打ちするわけです。従
つて
頭打ちをしますと、それ以上の所得者は安くなるわけです。そういうところがありますので、自然
市町村
においてはだれとだれが税率が安いということがあ
つて
、かえ
つて
上げることができないのではないか、そういう反作用もあるだろう。従
つて
所得税が少くかかる人たちが
計算
をいたしますと、五〇%くらいかけられる。こういうことをよく言うのであります。なるほど所御税がかか
つて
来る一番下の段階で行きますと、五〇%のものをとられるということに
計算
的にはなると思うのです。しかしながらそういたしますと、そのすぐ上の段階の人からずつと上の所得者はだんだん率が下
つて
行くわけであります。四八%とか、四五%というふうに下
つて
行く。従
つて
現実の問題といたしましては、そういう低いところを標準にして税率を出すことはできないだろうと考えております。従
つて
まあ、納まるところはやはり二〇%前後のところに納まりはしないか、こういうふうに考えております。
平岡忠次郎
56
○平岡委員 徴税額の今の絶対量から行けば、やはりオプシヨン・ワンの制限をはずしたら、増額になると思うのです。それから先ほど
鈴木
次長が
説明
なすつた点は、なかなか上手に
説明
されたのですが、要するに
負担
の階層から行きまして、今のはだれでもオプシヨン・ワンですから、各自治体がどの項でも選べるわけです。そこで第二の
方法
まで、つまり課税総所得額に対する百分の十の
方法
ですね。それと同じ程度まで第一の
方法
における課税制限を撤廃する、こういうことは確かに担税能力の少い人が第二の
方法
を自治体が選んだときよりは、そういう弊害を食いとめ得るということがいえると思う。つまり担税能力の低い人の
災害
を防ぐために、今の第一の
方法
の制限を撤廃したということは納得できますが、絶対量の
増加
がやはりあると思うのですが、その点は全然見込んでないのですか。
後藤博
57
○後藤
政府
委員
税収
の上では見込んでおりません。昨年と同じようなはじき方をしております。ただおつしやるような、そういう可能性はあります。実際問題といたしまして、私どもの
考え方
はほう
つて
おきますと、オプシヨン・ツーの方へ移
つて
参ります。昨年度よりも二十七年度は多く
なつ
ております。問題は、
市町村
は大体オプシヨン・ツーにしてしま
つて
おりますから一〇%くらいのものが残
つて
おりますけれども、これは富裕の団体と思われる。ところが中
都市
あたりへ漸次移
つて
おります。それから中
都市
で二〇%と
つて
いるところがたくさんあります。この近所の市にたくさんあります。そういうところが財政的に詰ま
つて
参りますと、もうオプシヨン・ツーに移行してしまうのであります。そういたしますと、今の二〇%というのが制限額に
なつ
ていなくて、その制限があるためにオプシヨン・ツーに移行するという結果に
なつ
て来る。そういう
増収
を期待する場合には二三%くらいのところを基準にしてや
つて
おるようでありますが、そういう可能性はもちろんあります。しかしオプシヨン・ツーに
なつ
た場合は低額所得者にかか
つて
来ます。それを私どもは、なるたけ低額所得者にかかることを避けるような方式をと
つて
行きたい、税率はどちらにしても上
つて
行くという気持であります。それでオプシヨン・ワンの最高をオプシヨン・ツーと合せて行きたい、その税率は、なるほどたくさん上げられることになるかもしれませんが、しかし所得の段階のどこを中心とするかという問題によりまして、自然にその
市町村
において調節して、あまり高いところに行かぬだろう、こういうことであります。
青柳一郎
58
○
青柳
委員長
次会は公報をも
つて
お知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三分散会